JP5910573B2 - 連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法ならびにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、予熱帯、加熱帯、均熱帯、 および冷却帯のいずれかのセクションを直列に組み合わせて配置した焼鈍炉を備えた焼鈍ラインで、寸法・成分・組織・製造条件のいずれか1つ以上が異なる金属帯を連続的に通板して連続焼鈍を行うための連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法ならびにプログラムに関するものである。
コイル状の金属帯を装入し、需要家オーダに応じて寸法、材質等の異なる製品を製造する連続焼鈍ラインにおいて、製品が所定の材質を確保しつつ、連続焼鈍ラインにおける金属帯搬送速度(以降、ライン速度、炉速、また単に速度とも称する)を最大にするために、これまでに板温や速度を制御する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、ルーパー容量等の種々の制約条件に基づいてそれぞれの制約速度を算出し、それらすべての制約速度を満たすための速度変更タイミングを予測し、それぞれの制約速度が付加される制約範囲に金属帯の先端が到達してから尾端が通過するまでの間、全制約速度を満足する最大速度に達するように速度変更を行う技術が開示されている。なお、このように制約条件に基づいて決ってくる速度(制約条件を満たすように決まるライン速度)を、以下では制約速度と称する。
また、特許文献2には、設備能力やコイルの制約条件に基づいて金属帯が現在から所定距離だけ進行する間の制約速度スケジュールであるネック速度スケジュールを算出し、それを元に板温予測シミュレーションを実施することで、速度変更タイミングおよび速度変更レートを算出する技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、定常状態における目標通板速度で通板したときに加熱炉の出側板温が目標出側板温になる設定炉温値を炉内モデル式に従って事前に決定し、この設定炉温値になるように炉温を制御した結果の実績炉温を検出し、その実績炉温で通板したときに前記加熱炉出側板温を目標出側板温に対して所定の範囲内に制御するための修正通板速度を前記炉内モデル式に従って決定し、この修正通板速度になるように通板速度を制御する技術が開示されている。
特許第2910506号公報 特許第4833614号公報 特許第2809925号公報
しかしながら、上述の先行技術では以下の課題がある。
すなわち、特許文献1の技術では、速度変更に伴う板温変動を十分に考慮しておらず、速度変更点で板温が目標板温を外れてしまう、いわゆる板温外れを起こす懸念がある。また、特許文献2の技術は、板温外れを防ぐために炉速を変更しているため、板温下限外れのときに炉速をさらに下げることになり、能率の低下を招いてしまう。さらに、特許文献3の技術は、板温や絞りによる炉速上下限を考慮しているものの、ルーパーなどの設備起因の制約を考慮していないため、実際にこの技術を用いると金属帯の蛇行や絞りといったトラブルにつながる危険性がある。また、特許文献3の技術は特許文献2の技術と同様に、板温外れを防ぐために炉速を変更しているため、板温下限外れの場合には炉速を下げることになり、能率の低下を招いてしまう。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、炉の応答性を考慮して適切な炉速および炉温変更タイミング、ならびに炉温炉速および設定値を算出し設定することで板温外れを防ぎ、かつ板温外れ予防のための速度低下に伴う能率低下を防ぐ、連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法ならびにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の発明によって解決できる。
[1] 入出側にルーパーを持ち、これらのルーパー間に予熱帯、加熱帯、均熱帯、 および冷却帯のいずれかのセクションを直列に組み合わせて配置した焼鈍炉を備えた焼鈍ラインで、寸法・成分・組織・製造条件のいずれか1つ以上が異なる金属帯を連続的に通板して連続焼鈍を行うための連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法であって、
設備能力および金属帯に起因する制約条件に基づく制約炉速を金属帯毎に算出するステップ01と、
算出された金属帯毎の制約炉速をすべて満たすための速度変更タイミングを予測し、予め定めた加速レートおよび減速レートに基づき、将来にわたる金属帯長さ軸での制約炉速スケジュールを作成するステップ02と、
該金属帯長さ軸での制約炉速スケジュールを、時間軸での制約炉速スケジュールに変換するステップ03と、
変換した時間軸での制約炉速スケジュールと金属帯の寸法・成分・組織から伝熱モデルを用いて必要炉温スケジュールを算出するステップ04と、
該必要炉温スケジュールと変換した時間軸での制約炉速スケジュールに基づいて、将来にわたる炉温変更タイミングおよび炉温設定値、制約炉速変更タイミングおよび炉速設定値を設定するステップ05とを有することを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
[2] 上記[1]に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法において、
前記ステップ05の後、必要炉温スケジュールを満たせるか判断するステップ06を設け、炉温変更タイミングでは炉温の変更が間に合わないと判断した場合は、炉温の変更が可能となる炉速を算出するステップ07を経て、算出した炉速を制約条件に加えてステップ02に戻り、将来にわたる制約炉速スケジュールを再度算出することを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
[3] 上記[1]または[2]に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法において、
前記ステップ05で、炉温設定のパターンとして、
予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く、予定した炉温変更タイミングにおける必要炉温を炉温設定値として炉温変更するモード1、
予定した炉温変更タイミングより所定の時間区間の必要炉温の平均値をそれぞれ炉温設定値として、予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く炉温変更するモード2、
予定した炉温変更タイミングより所定の時間区間の必要炉温の最大値をそれぞれ炉温設定値として、予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く炉温変更するモード3、
および予定した炉温変更タイミングより所定の時間区間の必要炉温の最小値をそれぞれ炉温設定値として、予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く炉温変更するモード4、
のいずれかのモードで行うことを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
[4] 上記[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法において、
前記ステップ01で制約条件に基づく制約炉速を算出するにあたっては、
コイル切替時にルーパー短端(下限)とならないための制約炉速、コイル切替後にルーパーを回復するための制約炉速、入側次コイルの準備を行う時間確保のための制約炉速、炉の加熱能力による制約炉速、ヒートパターン変更での絞りを抑制するための制約炉速、在炉時間確保のための制約炉速、コイル切替時にルーパー長端(上限)とならないための制約炉速、コイル切替後にルーパーを回復するための制約炉速、次使用テンションリールの巻取準備を行う時間確保のための制約炉速、およびオペレータの設定に係る上下限速度から受ける共通制約速度といったすべての制約速度を算出することを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
[5] 上記[1]ないし[4]のいずれか1項に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法における各ステップを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
本発明によれば、炉速変更点での板温外れの懸念がなくなり、その結果として板温外れに起因する材質不良や、板温外れを回避するための能率低下を防ぐことができる。
本発明に係る連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法における処理手順例を示す図である。 Step01〜Step03までの処理の様子を模式的に説明する図である。 炉時定数を考慮した必要炉温スケジュールを示す図である。 Step06での判定および再計算の結果を模式的に示す図である。 先行技術による炉速・炉温・板温の時間推移を示す図である。 本発明による炉速・炉温・板温の時間推移を示す図である。
図1は、本発明に係る連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法における処理手順例を示す図である。以下、この処理手順に従って、説明を行う。なお、図2は、Step01〜Step03までの処理の様子を模式的に説明する図である。
先ず、Step01では、金属帯単位で制約炉速を算出する。ここでは、連続焼鈍ラインの設備能力および金属帯に起因する制約条件に基づき、理論上可能な最大炉速である制約炉速を算出する。
ここで、設備能力に起因する制約条件とは、炉の加熱能力(炉燃焼負荷)、炉内のパス長、モータの制約に伴う最大速度、および入出側のルーパー容量の制約条件である。
また、金属帯に起因する制約条件とは、板厚、板幅、金属帯の装入長さ、および分割長さといった金属帯の寸法、ならびに金属帯の成分・組織、さらに目標とする材質(成分・組織)を得るために必要な均熱温度や均熱時間などの製造条件の、制約条件である。
制約炉速の算出としては、例えば、炉の加熱能力が最大でK(kg/h)、金属帯の寸法が板厚t(m)、板幅w(m)、密度ρ(kg/m3)で、その他の制約はないものとすれば、理論上可能な最大炉速V(m/h)はK/(ρ×t×w)で与えられる。
なお、実際には炉の加熱能力などの単一の制約から制約炉速が決定できる訳ではなく、焼鈍ラインの焼鈍炉の入側部分、焼鈍炉の中央部分、焼鈍炉の出側部分、それぞれにおける制約が存在し、それら全ての制約を満たす最大の炉速を選択するのが好ましい。
各制約から規定される制約炉速としては、大きく4種類の制約炉速、すなわち、入側制約炉速、中央制約炉速、出側制約炉速、およびその他制約炉速がある。
先ず入側制約炉速としては、コイル切替時にルーパー短端(下限)とならないための制約炉速、コイル切替後にルーパーを回復するための制約炉速、および入側次コイルの準備を行う時間確保のための制約炉速などがある。
また中央制約炉速としては、炉の加熱能力による制約炉速、ヒートパターン変更での絞りを抑制するための制約炉速、および在炉時間確保のための制約炉速などがある。
また出側制約炉速としては、コイル切替時にルーパー長端(上限)とならないための制約炉速、コイル切替後にルーパーを回復するための制約炉速、および次使用テンションリールの巻取準備を行う時間確保のための制約炉速などがある。
さらにその他制約炉速としては、オペレータの設定に係る上下限速度から受ける共通制約速度(たとえば、オペレータが強制的に設定できるコイル毎の制約炉速、オペレータが強制的に連続したコイル全体に設定できるステータス制約炉速など)、および後述する昇温・降温に間に合うための制約炉速などがある。
以上の全ての制約炉速を満たす制約炉速を算出する。そして、連続焼鈍ラインに装入される予定である、異なる複数の金属帯について、それぞれの制約炉速を順に算出する。
次に、Step02では、金属帯単位で求めた制約炉速を順番に長さ軸で繋げて制約炉速スケジュールを作成する。図2(a)は、各制約炉速の最小値をトレース(太線で示す)して、20000m強にわたる異なる金属帯に関する制約炉速スケジュールを示している。
なお、異なる金属帯の切替点で炉速を急激に変更すると、絞りや蛇行といったトラブルが発生するため、これらトラブルが生じないように予め定めた加速レートおよび減速レートに基づき、作成した制約炉速スケジュールの速度変更のタイミングを調整し、実際の制約炉速スケジュールを作成する。図2(b)は、太線で示す制約炉速スケジュールを加減速レートをもとに、破線のように修正している様子を示している。
そして、Step03では、制約炉速スケジュール(長さ軸)を、制約炉速スケジュール(時間軸)に変換する。ここで、Step02で説明したようにして連続焼鈍ラインに装入される予定である複数の金属帯について、金属帯の長さ軸での制約炉速スケジュールは作成されるものの、後述する必要炉温スケジュールの算出においては炉温の変更に要する時間のほうが扱いやすい(時間経過で炉温設定を行う)。このため、制約炉速スケジュールの長さ軸を時間軸に変換しておくのが好ましい。図2(c)は、図2(b)に示す長さ軸の制約炉速スケジュールを時間軸の制約炉速スケジュール(現在から30分後)に変換した結果を示している。
なお、制約炉速スケジュールを算出する将来にわたる時間範囲は限定しないものの、実際に算出する制約炉速スケジュールの範囲は、例えば、装入予定の金属帯の本数として10コイル分とか、時間軸で現在から30分先まで、といったように範囲を規定するようにすればよい。
さらに、Step04では、上記のように求めた制約炉速スケジュールから目標とする金属帯の板温を得るための必要炉温スケジュールを算出する。ここでは、焼鈍炉での金属帯への熱移動を表す伝熱モデルを用いて、制約炉速スケジュールと金属帯の寸法・成分・組織から、必要炉温スケジュールを求める。
伝熱モデルとして、例えば、ラジアントチューブによる輻射加熱であれば、下記の(1)式に示すようなモデルを用いる。(1)式の左辺は金属帯の板温変更に必要な熱量、右辺はステファンボルツマンの法則による輻射伝熱量に対応する。
伝熱モデルとしては、上記のラジアントチューブ以外では、直火炉・ガスジェットヒータ・ロール冷却・クーリングチューブ・ガスジェットクーラ・水冷却などの伝熱モデルを用いる。 次に、Step05では、実際に連続焼鈍炉に与える炉速・炉温設定値を設定する。
Step04で求めた必要炉温スケジュールでは、連続焼鈍炉は熱容量が大きいため、炉温の設定値を変更しても実際の炉温が応答するまでにかなりの時間を要する。そこで、上記で得られた必要炉温スケジュールを炉温の設定に反映するにあたって、炉の応答性すなわち炉時定数を考慮する必要がある。すなわち、上記必要炉温スケジュールにおける炉温を変更すべき時刻より、炉時定数の時間分だけ早めの時刻に炉温設定するように変更する。図3は、炉時定数を考慮した必要炉温スケジュールを示す図である。
具体的な炉温設定のパターンとして、例えば以下に示すような各モードを挙げることができる。
(1)モード1:炉時定数α(分)に従い、N分後に設定すべき炉温をN−α分後に設定する。これは、N分後より炉時定数αだけ早く炉温変更タイミングを早め、設定する炉温は、N分後に設定すべき上記で求めた必要炉温とするものである。
(2)モード2:炉時定数β(分)に従い、N分後〜M分後に設定すべき炉温の平均値をN−β分後に設定する。これは、N分後炉時定数βだけ早く炉温変更タイミングを早めるとともに、N分後所定のM分(N<M)までの時間区間を定め、その間での必要炉温の平均値を設定する炉温とするものである。
(3)モード3:炉時定数γ(分)に従い、N分〜M分後に設定すべき炉温の最大値をN−γ分後に設定する。これは、N分後炉時定数γだけ早く炉温変更タイミングを早めるとともに、N分後所定のM分(N<M)までの時間区間を定め、その間での必要炉温の最大値を設定する炉温とするものである。
(4)モード4:炉時定数δ(分)に従い、N分〜M分後に設定すべき炉温の最小値をN−δ分後に設定する。これは、N分後炉時定数δだけ早く炉温変更タイミングを早めるとともに、N分後所定のM分(N<M)までの時間区間を定め、その間での必要炉温の最小値を設定する炉温とするものである。
上記モードのいずれかを選択して、炉温設定値および変更タイミングを設定する。なお、上記の炉時定数は、事前の測定で得られた値をテーブルとして持たせてもよいし、また操業中のデータから計算し学習させてもよい。
このように、炉温設定値および変更タイミングを設定するが、炉速についても、Step03で求めた制約炉速スケジュール(時間軸)に基づいて、炉速設定値および変更タイミングを設定する。
次のStep06では、上記で求めた必要炉温スケジュールを満たせるかどうかの判定を行う。これまでの手順により、設備能力や金属帯に基づく制約炉速スケジュールに対応する必要炉温スケジュールが得られる。しかしながら、例えば、目標とする金属帯の板温が炉時定数より短い時間で大幅に変わる場合など、必要炉温スケジュールから算出した炉温変更タイミングでは炉温の変更が間に合わない場合がある。
すなわち、炉温変更タイミングから温度を上げるまたは下げようとしても、必要炉温に達しないまたは下がりきらない、すなわち昇温または降温スピードが足りない場合であり、具体的には、必要炉温スケジュールの必要炉温と炉温変更タイミングに対して、設備として可能な昇温または降温カーブを当てはめて炉温の変更が間に合うかどうかを判断する。
ここで、現時点から炉温を変更しても必要炉温スケジュールを満たせないという判断をした場合(Noの場合)には、Step07を経てStep02に戻るという再計算のループに入る。また、Step06でYesの場合には、処理を終了する。
Step07では、必要炉温を達成可能な最大炉速(加熱時)を前記(1)式から逆算で算出する。そして、算出した炉速を制約条件に加えて、Step02に戻り将来の制約炉速スケジュールを再度算出する。この新たな制約炉速スケジュールと金属帯の寸法・成分・組織から新たな必要炉温スケジュールが得られる(Step04)。
図4は、Step06での判定および再計算の結果を模式的に示す図である。図4の上段に当初の制約炉速および必要炉温スケジュールを、さらに下段に再計算後の制約炉速および必要炉温スケジュールを示している。上段に示す必要炉温スケジュールでは、現状と当初の必要炉温スケジュールには乖離があり、現状からすぐに当初の必要炉温スケジュールには変更ができない。このため、再計算を行い実現可能な制約炉速および必要炉温スケジュールを下段に示すように求めることができる。
以上の手順により、設備的な制約と材質的に必要な板温を満たしつつ、能率が最大となる炉温設定が可能となる。
図5は、先行技術による炉速・炉温・板温の時間推移を示す図である。そして、図6は、本発明による炉速・炉温・板温の時間推移を示す図である。
図5(a)に示すように炉速を上昇させる場合を考えると、先行文献1では板温をまったく考慮せずに炉速を決定しているため、板温下限外れが発生し材質不良などの問題が生じる。また、図5(b)に示すように、先行文献2,3では板温外れが発生する前に、炉速を低下すると、板温下限外れは防止できる。しかしながら、炉速を下げることにより、連続焼鈍ラインでの処理する金属帯の量が少なくなり能率が低下してしまう。
これに対して、図6は、本発明による炉速・炉温・板温の時間推移を示す図である。必要炉温の計算には(1)式に示す伝熱モデルを使用し、炉温設定のパターンとしてモード1を使用した実施例である。すなわち、設定すべき炉温を時定数α分間だけ前もって設定している。これにより、炉速変動点においても板温が下限を外れることはなく、しかも能率の低下を防ぐことができる。本発明は、炉時定数が大きい、応答性の悪い対象に対して、特に効果を発揮する。

Claims (4)

  1. 入出側にルーパーを持ち、これらのルーパー間に予熱帯、加熱帯、均熱帯、 および冷却帯のいずれかのセクションを直列に組み合わせて配置した焼鈍炉を備えた焼鈍ラインで、寸法・成分・組織・製造条件のいずれか1つ以上が異なる金属帯を連続的に通板して連続焼鈍を行うための連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法であって、
    設備能力および金属帯に起因する制約条件に基づく制約炉速である、入側制約炉速、中央制約炉速、出側制約炉速、およびその他制約炉速を金属帯毎に算出するステップ01と、
    算出された金属帯毎の制約炉速をすべて満たすための速度変更タイミングを予測し、予め定めた加速レートおよび減速レートに基づき、将来にわたる金属帯長さ軸での制約炉速スケジュールを作成するステップ02と、
    該金属帯長さ軸での制約炉速スケジュールを、時間軸での制約炉速スケジュールに変換するステップ03と、
    変換した時間軸での制約炉速スケジュールと金属帯の寸法・成分・組織から伝熱モデルを用いて必要炉温スケジュールを算出するステップ04と、
    該必要炉温スケジュールと変換した時間軸での制約炉速スケジュールおよび炉時定数に基づいて、将来にわたる炉温変更タイミングおよび炉温設定値、制約炉速変更タイミングおよび炉速設定値を設定するステップ05と、
    該ステップ05の後、必要炉温スケジュールを満たせるか判断するステップ06と、
    該ステップ06で炉温変更タイミングでは炉温の変更が間に合わないと判断した場合は、炉温の変更が可能となる炉速を算出するステップ07と、
    該ステップ07で算出した炉速を制約条件に加えてステップ02に戻り、将来にわたる制約炉速スケジュールを再度算出することを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
  2. 請求項1に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法において、
    前記ステップ05で、炉温設定のパターンとして、
    予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く、予定した炉温変更タイミングにおける必要炉温を炉温設定値として炉温変更するモード1、
    予定した炉温変更タイミングより所定の時間区間の必要炉温の平均値をそれぞれ炉温設定値として、予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く炉温変更するモード2、
    予定した炉温変更タイミングより所定の時間区間の必要炉温の最大値をそれぞれ炉温設定値として、予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く炉温変更するモード3、
    および予定した炉温変更タイミングより所定の時間区間の必要炉温の最小値をそれぞれ炉温設定値として、予定した炉温変更タイミングより炉時定数だけ早く炉温変更するモード4、
    のいずれかのモードで行うことを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
  3. 請求項1または2に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法において、
    前記ステップ01で制約条件に基づく制約炉速を算出するにあたっては、
    前記入側制約炉速としての、コイル切替時にルーパー短端(下限)とならないための制約炉速、コイル切替後にルーパーを回復するための制約炉速、入側次コイルの準備を行う時間確保のための制約炉速、
    前記中央制約炉速としての、炉の加熱能力による制約炉速、ヒートパターン変更での絞りを抑制するための制約炉速、在炉時間確保のための制約炉速、
    前記出側制約炉速としての、コイル切替時にルーパー長端(上限)とならないための制約炉速、コイル切替後にルーパーを回復するための制約炉速、次使用テンションリールの巻取準備を行う時間確保のための制約炉速、
    および前記その他制約炉速としての、オペレータの設定に係る上下限速度から受ける共通制約速度、昇温・降温に間に合うための制約炉速のすべての制約速度を算出することを特徴とする連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の連続焼鈍ラインの炉速および炉温設定方法における各ステップを、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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