JP3380230B2 - 血液の保存方法およびそれに用いる血液保存用具 - Google Patents

血液の保存方法およびそれに用いる血液保存用具

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理 西村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液の保存方法お
よびそれを用いる血液保存用具に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘモグロビン(Hb)にグルコースが結
合したヘモグロビンA1c(HbA1c)は、生体の1
〜2か月前の平均血糖値を反映するため、成人病検診や
治療指導に広く用いられている。しかし、HbA1cの
測定には時間がかかることから、例えば、外来患者が病
院に来たときに採血したとしても、HbA1cの検査結
果は、その患者の次回の受信の際に、評価することが一
般的である。このため、HbA1cの測定値が、糖尿病
診断の重要な指標であっても、これを治療などに有効に
活用することができないのが現状であった。
【0003】この問題を解決するために、濾紙等から形
成された採血カードが提案されている(「糖尿病」38
巻10号(1995年)、特開平10−104226号
公報等)。患者は、この採血カードに、自分自身で採血
した血液を含浸乾燥させ、これを病院に郵送する。この
カードを受けとった病院では、前記カードの血液含浸部
分を切り取り若しくは打ち抜き(パンチアウト)、これ
から血液を溶出して、HbA1c等の所定の項目につい
て検査するのである。そして、患者が病院に来たとき
に、前記検査結果を基に、治療や診断をする。
【0004】しかしながら、血液を採取し、前記採血カ
ードにより血液を郵送して検査するまでには、1日から
数日の時間がかかり、また乾燥状態で血液を保持してい
ることから、Hbが変性するおそれがある。例えば、採
血カードにおいて、Hbとグルコースとが反応し、新た
にHbA1cが生成すると、生体内で生成したHbA1
cの値を正確に測定できなくなる。また、Hbがタンパ
ク変性すると、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)を用いた測定において、変性Hbピークが出現し、
これがHbA1cのピークに影響を与え、測定不能若し
くは測定誤差を生じる要因になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、血液を乾燥状態で保存する方法およびそれを用いた
血液保存用具の提供である。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の保存方法は、血液を乾燥状態で保存する方
法であって、乾燥状態の血液の変性を防止するために、
乾燥状態の血液とカルボン酸とを共存させることを特徴
とする。
【0007】カルボン酸と血液とを共存させると、乾燥
状態であっても、新たなHbA1c生成が抑制され、ま
たHbのタンパク変性も抑制される。HbA1cの生成
は、まず、Hbとグルコースとが非酵素的に反応(可逆
反応)して、不安定型であるアルドイミンが生じ、これ
がアマドリ転移して、安定型のケトアミン(HbA1
c)に変化する。カルボン酸は、前記不安定型のアルド
イミンの生成を抑制することにより、新たなHbA1c
の生成を防止すると推察される。一方、カルボン酸によ
るHbのタンパク変性抑制機構は不明であるが、後述す
る実施例から分かるように、その効果は顕著である。
【0008】なお、本発明において、Hbが変性すると
は、タンパク変性のようにHbのタンパク構造が変化す
るだけでなく、他の物質により修飾されること等も含
む。
【0009】本発明の血液保存方法において、非乾燥状
態の血液にカルボン酸を添加してから前記血液を乾燥さ
せることが好ましい。このように、乾燥前の液状血液に
カルボン酸を添加すれば、前記血液とカルボン酸とが充
分に接触できるため、その後の乾燥状態における血液の
変性をより防止することができる。
【0010】カルボン酸のなかで、クエン酸がHbの変
性抑制効果が高いため、本発明では、クエン酸を用いる
ことが好ましい。しかし、本発明では、シュウ酸、ピル
ビン酸、酢酸等のカルボン酸を用いてもよい。カルボン
酸の添加量は、非乾燥状態の血液100重量部に対し、
通常、1.5〜10重量部であり、好ましくは2.5〜
6重量部である。
【0011】本発明の血液保存方法において、カルボン
酸に加え、非還元糖と血液とを共存させることが好まし
い。非還元糖であれば、Hbと反応するおそれもなく、
Hbの変性をさらに抑制できるからである。前記非還元
糖としては、ショ糖が好ましいが、この他に、トレハロ
ース等の非還元糖も使用できる。非還元糖の量は、非乾
燥状態の血液100重量部に対し、通常、10〜50重
量部であり、好ましくは20〜30重量部である。
【0012】本発明の血液保存方法において、血液と、
前記カルボン酸および非還元糖に加え、血液凝固防止剤
および酸化防止剤の少なくとも一方とを共存させること
が好ましい。前記血液凝固防止剤としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、ヘパリン、シュウ酸塩等が
あげられ、この中で、EDTAが好ましい。前記血液凝
固防止剤の量は、非乾燥状態の血液100重量部に対
し、通常、1〜5重量部であり、好ましくは1.5〜3
重量部である。前記酸化防止剤としては、グルタチオン
(GSH)、α−トコフェロールなどがあげられ、この
なかで、GSHが好ましい。前記酸化防止剤の量は、非
乾燥状態の血液100重量部に対し、通常、0.1〜8
重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部である。
【0013】本発明の血液保存方法において、前記乾燥
状態は、血液を多孔質材に含浸させて乾燥した状態であ
ることが好ましい。
【0014】つぎに、本発明の血液保存用具は、血液を
多孔質材に含浸させて乾燥状態で保持する血液保存用具
であって、前記多孔質材の血液を保持する部分(以下、
「血液保持部分」という)にカルボン酸を有する。
【005】本発明の血液保存用具において、前記本発明
の血液保存方法と同様に、カルボン酸としてはクエン酸
が好ましく、前述したカルボン酸も使用できる。また、
カルボン酸の量は、前述と同様である。
【0016】本発明の血液保存用具において、前記血液
保持部分に、カルボン酸に加え、非還元糖も有すること
が好ましい。前記非還元糖としては、ショ糖が好まし
く、前述した非還元糖も使用できる。また、非還元糖の
量は、前述と同様である。
【0017】本発明の血液保存用具において、前記血液
保持部分に、前記カルボン酸および非還元糖に加え、血
液凝固防止剤および酸化防止剤の少なくとも一方を有す
ることが好ましい。前記血液凝固防止剤としては、ED
TAが好ましく、前述した血液凝固防止剤も使用でき
る。また、血液凝固防止剤の量は、前述と同様である。
前記酸化防止剤としては、GSHが好ましく、また前述
の酸化防止剤も使用できる。前記酸化防止剤の量は、前
述と同様である。
【0018】本発明の血液保存用具において、前記血液
保持部分が、前記多孔質材の内部またはその周囲に設け
た血液拡散防止層により囲まれていることが好ましい。
【0019】このように、前記液体拡散防止層を有すれ
ば、多孔質材に付着した血液が必要以上に面方向に拡散
することを防ぎ、厚み方向への拡散が促進されるため、
血液を前記多孔質材の一定領域内(血液保持部分)に確
保できる。また、前記血液保持部分が一定領域であるた
め、多孔質材による篩い効果を防止でき、例えば、血液
を付着した中心部分と、血液が広がった面方向における
拡散部分との間に血球等の成分の濃度差が起こりにくく
なる。このように、前記血液保持部分の面方向における
血液中成分の濃度を均一に保つことができるため、例え
ば、血液保持部分の打ち抜き箇所も特に制限されず、作
業が非常に簡単になり、再現性に優れた測定を行なうこ
とも可能になる。
【0020】本発明の血液保存用具において、前記血液
保持部分の外部へ血液が拡散することを確実に防止でき
ることから、前記血液拡散防止層が、無孔構造の層であ
ることが好ましい。
【0021】前記無孔構造の層は、例えば、前記多孔質
材に樹脂を含浸させて、前記多孔質材の孔構造を無孔化
させたものでもよい。前記多孔質材に含浸させる樹脂と
しては、例えば、ポリビニルブチラール、エチルセルロ
ース、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ゼラチン等が使用できる。
【0022】また、前記液体拡散防止層は、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルクロライ
ド等のプラスチック、ガラス、金属等の部材でもよく、
前記多孔質材をこれらの部材で囲んでもよい。
【0023】また、前記血液拡散防止層は、無孔構造お
よび多孔構造にはかかわらず、血液の拡散を防止できる
ことから、疎水性であることも好ましい。疎水性の血液
拡散防止層としては、例えば、前記多孔質材に前記疎水
性樹脂を含浸させることにより形成された層であっても
よい。前記疎水性樹脂としては、例えば、ポリアセター
ル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が使用できる。
【0024】本発明の血液保存用具において、前記多孔
質材が、カード状であることが好ましい。カード状であ
れば、取り扱い性に優れ、郵送等にも便利だからであ
る。
【0025】本発明の血液保存用具において、前記血液
保持部分が、支持体に支持され、前記支持体からの脱着
が可能であることが好ましい。このように、前記血液保
持部分が、前記支持体からの着脱可能であれば、例え
ば、前述のような打ち抜き工程を省略でき、これにより
クズの発生も防止できる。このため、測定前に、濾過や
遠心分離により前記クズを除去する必要がなく、より簡
便に測定を行なうことができる。
【0026】本発明の血液保存用具において、その形状
が有底筒状であり、その底部が前記多孔質材であること
が好ましい。このように、血液保存用具が有底筒状であ
れば、この血液保存用具自体を溶出容器として使用する
ことができ、特別な溶出容器を準備する必要がない。ま
た、例えば、前記血液保存用具の多孔質材に血液を含浸
させ乾燥した後、その内部に溶出液を入れ、前記溶出液
を底部の前記多孔質材に浸透・透過させることにより、
血液の溶出も行なうことができるため、血液の溶出を簡
便かつ迅速に行うことができる。具体的には、例えば、
前記有底筒状血液保存用具の中に注いだ溶出液は、重力
によって前記多孔質材に浸透し、前記多孔質材を通過す
る際に、保持された血液の溶出を行う。そして、前記多
孔質材を通過した溶出液は、前記有底筒状血液保存用具
の下部に配置した容器等に回収されることにより、溶出
作業が完了する。このような血液保存用具を使用すれ
ば、例えば、溶出作業完了後、直ちに測定を行うことが
できるため、前述のように打ち抜き作業の手間が省け、
多孔質材の小さなクズも発生することがなく、また、振
とう機等の専用機を用いることなく、短時間で簡単に溶
出作業を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の血液保存用具は、例え
ば、多孔質材に、カルボン酸(必要に応じ、非還元糖、
血液凝固防止剤および酸化防止剤)を溶解若しくは分散
した液を含浸させ、ついで乾燥することにより製造でき
る。前記乾燥は、自然乾燥でも風乾でもよい。この多孔
質材の平均孔径は、血液が浸透し、保持されるのであれ
ば、特に制限されないが、通常、3〜10μmの範囲で
ある。
【0028】前記多孔質材としては、特に制限されない
が、通常、濾紙、ガラスフィルター、樹脂製の多孔質膜
等が使用される。このなかで、コストや取り扱い性等の
理由により、濾紙が好ましい。また、前記樹脂製多孔質
膜の材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエステ
ル、ナイロン、ニトロセルロース、ポリカーボネート等
があげられる。
【0029】(実施例1) 図1に、本発明の血液保存用具の一例を示す。図示のよ
うに、この血液保存用具は、カード状であり、その下部
に○で示した三か所の血液付着部分(血液保持部分)が
あり、上部には、氏名等の所定事項が記載できるように
なっている。この血液保存用具において、全体が濾紙等
の多孔質材で形成されていてもよいが、前記血液保持部
分のみ多孔質材で形成されていてもよい。この血液保持
部分に、カルボン酸、必要に応じ非還元糖、血液凝固防
止剤および酸化防止剤が存在する。この血液保存用具の
大きさは、特に制限されないが、郵送等の利便性を考慮
すると、ハガキサイズ若しくはこれより若干小さいこと
が好ましい。また、前記血液保持部分を外部環境から遮
断するために、血液を含浸後、前記血液保持部分表面
を、樹脂フィルム等でシールしてもよい。
【0030】患者等は、自分で指先等から血液を採取
し、この血液を前記血液保存用具の○で囲まれた血液保
持部分に付着させる。付着した血液は、血液保持部分に
速やかに浸透し、保持される。そして、自然乾燥若しく
は風乾等により乾燥させたのち、これを封筒等に入れ
て、所定の病院や検査機関に郵送する。この郵送から検
査までの間において、前記カルボン酸の作用により、H
bの変性が抑制される。そして、病院等において、前記
血液保存用具の血液保持部分を切り取るか若しくは打ち
抜き、さらに溶出処理を行い、得られた溶出液を用いて
HbA1c等の所定の検査を行う。
【0031】(実施例2) 図2に液体拡散防止層を有する本発明の血液保存用具の
一例を示す。同図(a)は、前記血液保存用具の構成概
略を示す上面図であり、同図(b)は、前記血液保存用
具のI−I方向断面図である。図示のように、この血液
保存用具は、全体が長方形板状の多孔質材8からなり、
この内部にリング状の液体拡散防止層1が形成され、こ
れに囲まれた部分が血液保持部分2となっている。ま
た、多孔質材8の表面の一部には、被検者の氏名、住
所、ID番号等を記入する記入部3が設けられている。
【0032】この血液保存用具の大きさは、例えば、最
大長さ40〜150mmの範囲、最大幅10〜100m
mの範囲、最大厚み5〜100μmの範囲である。
【0033】血液保持部分2の大きさおよび形状は、特
に制限されないが、円形状の場合、例えば、直径5〜5
0mmの範囲である。なお、前述と同様に、この血液保
持部分2に、カルボン酸、必要に応じ非還元糖、血液凝
固防止剤および酸化防止剤が存在する。また、液体拡散
防止層1の形状や幅も、特に制限されないが、その幅
は、例えば、0.5〜5mmの範囲である。
【0034】この血液保存用具において、前述のように
全体が多孔質材であっても良いし、血液保持部分2のみ
が多孔質材であっても良い。前記多孔質材としては、例
えば、濾紙、ガラスフィルター、多孔質樹脂等が使用で
き、この中でも、コストや取り扱いの簡便性等の点か
ら、濾紙が好ましい。この多孔質材の平均孔径は、血液
が浸透し、保持されるのであれば、特に制限されず、例
えば、1〜10μmの範囲である。
【0035】液体拡散防止層1は、例えば、前述のよう
な樹脂を溶剤に溶解または分散した溶液(以下、「樹脂
溶液」という)を調製し、これを多孔質材8に印刷や塗
布すること等によって形成できる。この液体拡散防止層
1の形成により、血液保持部分2の大きさを適宜決定で
きる。このようにして形成された液体拡散防止層1は、
例えば、前述のように多孔質材の孔構造が前記樹脂によ
り無孔化されていてもよいし、多孔構造であっても、疎
水性樹脂を含浸させることにより疎水性にすれば問題な
い。
【0036】この血液保存用具では、例えば、血液保持
部分2表面に血液を付着させると、前記血液は、血液保
持部分2を面方向および厚み方向に向って拡散・浸透す
る。この際に、液体拡散防止層1により、血液が血液保
持部分2外部の多孔質材8に向って拡散することが防止
される。
【0037】(実施例3) 図3および図4に、血液保持部分が脱着可能である本
発明の血液保存用具の一例を示す。図3(a)は、液体
拡散防止層に囲まれた血液保持部分の上面図であり、図
3(b)は、前記血液保持部分を支持するホルダーの上
面図である。また、図4(a)は、前記図3に示す前記
液体拡散防止層に囲まれた血液保持部分のI−I方向断
面図であり、図4(b)は、前記図3に示す前記ホルダ
ーのII−II方向断面図である。なお、図3および図4に
おいて、図2と同一部分には同一符号を付している。
【0038】このような血液保存用具は、例えば、両図
(a)に示す液体拡散防止層1に囲まれた血液保持部分
2を、両図(b)に示すホルダー7の凹部状支持部4に
はめ込むことにより使用できる。なお、前記両者は、脱
着可能な程度に接着剤等によって接着してもよい。
【0039】両図(a)に示す液体拡散防止層1に囲ま
れた血液保持部分2は、例えば、多孔質材を円形に打ち
抜いて、その側面に前述のような樹脂溶液等を塗布する
ことにより作製できる。なお、前述と同様に、この血液
保持部分2に、カルボン酸、必要に応じ非還元糖、血液
凝固防止剤および酸化防止剤が存在する。
【0040】このように血液保持部分2が脱着可能な血
液保存用具を用いて血液を溶出する際には、例えば、液
体拡散防止層1に囲まれた血液保持部分2をホルダー7
からはずし、溶出液に浸漬すればよい。血液保持部分2
の周囲には、例えば、前述のような樹脂等が塗布されて
いるため、多孔質部材がほどけて溶出液中に放出される
ことがない。そのため、測定を行う前に濾過や遠心分離
によって小さなクズを分離する手間を省くことができ
る。なお、本発明において、血液保持部分および液体拡
散防止層の形状等は、特に制限されない。
【0041】(実施例4) 図5に、前記実施例3の血液保存用具とは異なる形状の
液体拡散防止層を有する本発明の血液保存用具の一例を
示す。同図(a)は、液体拡散防止層に囲まれた血液保
持部分の上面図であり、同図(b)は、前記血液保持部
分を支持するホルダーの上面図であり、同図において、
図3と同一部分には同一符号を付している。図示のよう
に、液体拡散防止層1は、その外形が正方形であり、そ
の内部に円形の血液保持部分2が形成されている。
【0042】液体拡散防止層1および血液保持部分2
は、例えば、多孔質材の円形部分の周囲に、前記樹脂溶
液等を印刷・塗布して含浸させ、正方形に打ち抜くこと
によって作製できる。
【0043】なお、本実施例の血液保存用具において、
その他の構成および使用方法は、前記実施例と同様であ
る。
【0044】(実施例5) 図6の断面図に、液体拡散防止層に囲まれた血液保持部
分が脱着可能である本発明の血液保存用具のその他の例
を示す。図示のように、この血液保存用具では、液体拡
散防止層1に囲まれた血液保持部分2が、平らなホルダ
ー7上に積層されている。また、ホルダー7からの血液
保持部分2の脱落を防止するため、脱着が可能な程度に
前記両者が接着剤等により接着されている。
【0045】なお、本実施例の血液保持用具において、
その他の構成および使用方法は、前記実施例と同様であ
る。
【0046】(実施例6) つぎに、図7の断面図に有底筒状の本発明の血液保存用
具の一例を示す。同図において、9は、有底筒状の血液
保存用具を示し、10は、溶出液回収槽を示す。この有
底筒状の血液保存用具9は、図示のように、筒状体の底
部に多孔質材が嵌入されて構成されており、前記筒状体
が液体拡散防止層1であり、多孔質材が血液保持部分2
である。また、溶出液回収槽10は、容器5の内壁に血
液保存用具9を保持するための保持部6が配置されてい
る。なお、図7において、図2と同一部分には同一符号
を付している。
【0047】前記筒状体(液体拡散防止層1)の形状
は、特に制限されず、例えば、円筒状や、角筒状等があ
げられる。
【0048】このような有底筒状血液保存用具9は、例
えば、多孔質材を前記筒状体の底部になるように打ち抜
き、これを前記筒状体に嵌入することにより作製でき
る。この際、前記両者の接触面を、接着剤等により接着
することが好ましい。なお、前述と同様に、こお血液保
持部分2(底部の多孔質材)に、カルボン酸、必要に応
じ非還元糖、血液凝固防止剤および酸化防止剤が存在す
る。
【0049】有底筒状血液保存用具9は、例えば、内部
の深さが5〜50mmの範囲であり、容量が1〜3ml
の範囲である。また、溶出液回収槽10は、その内径が
有底筒状血液保存用具9の外径よりも大きいことが好ま
しく、例えば、内径7〜55mmの範囲であり、内部の
深さが5〜50mmの範囲であり、容量が1〜5mlの
範囲である。有底筒状血液保存用具9と溶出液回収槽1
0と、脱着可能であることが好ましい。保持部6は、有
底筒状血液保存用具9を保持できれば、その形状は特に
制限されないが、図示のように傾斜した形状であれば、
これを伝って血液を含む溶出液を回収できるため好まし
い。
【0050】有底筒状血液保存用具9の筒状体(血液拡
散防止層)1および溶出液回収槽10の容器5の材質
は、特に制限されず、例えば、プラスチック、ガラス、
金属等が使用できるが、添加する溶出液量および回収し
た溶出液量が外部から確認できることから、透明部材が
好ましく、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフ
タレート等のプラスチックが使用できる。また、保持部
6の材質としては、特に制限されず、例えば、ポリスチ
レン、ポチエチレンテレフタレート等のプラスチックが
あげられる。
【0051】このような有底筒状血液保存用具9を用い
て、血液を回収する方法の一例を、図8の断面図に基づ
いて説明する。同図において、図7と同一部分には同一
符号を付している。
【0052】例えば、まず、有底筒状血液保存用具9の
底部(血液保持部分2)に血液を付着させ乾燥した後、
図示のように、この有底筒状血液保存用具9を、溶出液
回収槽10の保持部6上に配置する。そして、検体保持
用具9の内部に溶出液11をいれる。溶出液11は、自
然落下により、血液保持部分2内の厚み方向(図中の矢
印方向)に向って浸透しながら、保持された血液を溶出
し、血液保持部分2を透過する。透過した血液を含む溶
出液12は、溶出液回収槽10に設けられた保持部6を
伝って、溶出液回収槽10に溜められる。なお、血液の
溶出を行なう場合、例えば、有底筒状血液保存用具9の
内部を陽圧にして、溶出液11を多孔質材(血液保持部
分)2に強制的に浸透・透過させてもよい。
【0053】(実施例7) つぎに、本発明の血液保存用具を用いて、実際に乾燥状
態における血液の変性防止を確認した実施例について、
比較例と併せて説明する。
【0054】(実施例7−1、比較例1) クエン酸1水和物を、20mg/mlおよび50mg/
mlの割合で純水に溶解し、2種類の処理液を調製し
た。これらの処理液2.5mlをそれぞれ円形濾紙(A
DVANTEC101、直径100mm、東洋濾紙社
製)に含浸後、風乾させ2つの血液保存用具(a,b)
を作製した。20mg/ml濃度の処理液を用いたの
は、血液保存用具aであり、50mg/ml濃度の処理
液を用いたのは、血液保存用具bである。また、比較例
1として、クエン酸水溶液未処理の前記濾紙を、血液保
存用具cとした。
【0055】前記3つの血液保存用具(a,b,c)
に、健常人新鮮血液を含浸させた後、風乾した。そし
て、前記3つの血液保存用具(a,b,c)を、0日、
2日、7日、8日、10日間、室温で保存後、血液含浸
部分を、パンチを用いて直径約6mmの円形に打ち抜い
た。この打ち抜き部分を、溶出液(ハイオートエーワン
シー専用希釈液、京都第一科学社製)0.6ml中に入
れて約10分間静置し、溶出処理を行った。この溶出液
中のHbA1cを、全自動グリコヘモグロビン測定装置
(ハイオートエーワンシーHA−8150、京都第一科
学社製)を用い、溶血モードで測定した。また、対照と
して、前記健常人新鮮血液のHbA1cも、採血後、直
ちに前記全自動グリコヘモグロビン測定装置で測定し
た。これらの結果を、下記の表1に示す。なお、前記表
において、HbA1cの量は、全Hbに対する割合
(%)で示しており、以下の表も同様である。
【0056】 (表1) Hb1Ac量(%) 保存日数血液保存用具 0日 2日 4日 7日 10日 a 4.97 5.32 5.30 5.58 5.88 b 4.74 4.84 4.88 4.86 4.99 c 5.78 測定不可 測定不可 測定不可 測定不可 対照 5.03 − − − −
【0057】 前記表1から分かるように、クエン酸水溶液で処理した
血液保存用具a,bでは、HbA1cの生成を抑制する
ことができた。これに対し、クエン酸水溶液未処理の血
液保存用具cでは、保存日数の経過とともにHbA1c
および変性ヘモグロビンが増加して測定不可能となっ
た。
【0058】(実施例7−2、比較例2) 下記の表2に示すように、クエン酸1水和物、EDTA
・2Na、ショ糖および還元型グルタチオンを、純水に
溶解し、5つの処理液(d,e,f,g,h)を調製し
た。
【0059】 (表2) 処 理 液 (mg/ml) d e f g h クエン酸1水和物 30 30 50 50 0 EDTA・2Na 17 17 17 17 0 ショ糖 300 300 300 600 0 還元型グルタチオン 1 0 1 1 0
【0060】前記5つの処理液2.5mlを、それぞれ
前記円形濾紙に含浸させたのち風乾させて、5つの血液
保存用具(d,e,f,g,h)を作製した。なお、血
液保存用具の記号(d,e,f,g,h)は、前記処理
液の記号(d,e,f,g,h)に対応する。また、血
液保存用具hは、比較例2である。
【0061】前記5つの血液保存用具に、ヘパリン採血
の健常人新鮮血液を含浸させ風乾させた。そして、前記
5つの血液保存用具(d,e,f,g,h)を、0日、
1日、3日、6日間、室温で保存後、血液含浸部分を、
パンチを用いて直径約6mmの円形に打ち抜いた。この
打ち抜き部分を、前記溶出液0.6ml中に入れて約1
0分間静置し、溶出処理を行った。この溶出液中のHb
A1cを、前記全自動グリコヘモグロビン測定装置を用
い、溶血モードで測定した。また、対照として、前記ヘ
パリン採血の健常人新鮮血液も同様に保存して、そのH
bA1cを前記全自動グリコヘモグロビン測定装置で測
定した。これらの結果を、下記の表3に示す。
【0062】 (表3)HbA1c量(%) 保存日数血液保存用具 0日 1日 3日 6日 d 5.27 4.85 4.75 4.77 e 5.19 4.85 4.77 4.81 f 5.16 4.96 4.97 4.98 g 5.24 5.00 5.05 5.05 h 5.91 6.70 7.10 測定不可 対照 5.31 5.33 5.33 5.26
【0063】前記表3から分かるように、クエン酸に加
え、ショ糖、EDTA,グルタチオンを用いた血液保存
用具(d,e,f,g)では、効果的にHbA1cの生
成を防止できた。これに対し、クエン酸等を用いない血
液保存用具h(比較的2)では、HbA1cの顕著な増
加が確認された。
【0064】(実施例7−3) EDTA、ヘパリンおよびNaFを用いて採血した26
個の血液検体を、前記実施例7−2の血液保存用具fに
それぞれ含浸させて風乾し、1日、4日および5日間室
温で保存した。そして、前記血液保存用具fの血液含浸
部分を、パンチを用いて直径約6mmの円形に打ち抜い
た。この打ち抜き部分を、前記溶出液0.6ml中に入
れて約10分間静置し、溶出処理を行った。そして、前
記全自動グリコヘモグロビン測定装置を用い、前記溶出
液のHbA1cを測定した。また、前記血液検体の採取
直後のHbA1cを、前記全自動グリコヘモグロビン測
定装置を用いて測定した。そして、前記血液保存用具f
を用いて保存した場合のHbA1cの量と、採血直後の
HbA1cとの相関関係を調べた。図9のグラフに1日
間保存した場合の相関関係を示し、図10のグラフに4
日間保存した場合の相関関係を示し、図11のグラフに
5日間保存した場合の相関関係を示す。図9のグラフ、
図10のグラフおよび図11のグラフから分かるよう
に、血液保存用具fを用いて保存した場合のHbA1c
の量と、採血直後のHbA1cの量とは、高い相関関係
を示した。以下に、回帰直線の式と相関係数を示す。
【0065】(1)1日間保存 回帰直線式 y=0.9667x+0.0979 相関係数 r=0.9987 (2)4日間保存 回帰直線式 y=0.9196x+0.2056 相関係数 r=0.9953 (3)5日間保存 回帰直線式 y=0.9261x+0.1720 相関係数 r=0.9983
【0066】(実施例7−4、比較例3) 下記の表4に示すように、クエン酸1水和物およびショ
糖を純水に溶解させて、6種類の処理液(i,j,k,
l,m,n)を調製した。これらの処理液2.5ml
を、それぞれ前記円形濾紙に含浸させた後風乾し、6つ
の血液保存用具(i,j,k,l,m,n)を作製し
た。なお、前記血液保存用具(i,j,k,l,m,
n)の記号は、前記処理液の記号(i,j,k,l,
m,n)に対応する。また、血液保存用具(l,m,
n)は、比較例3である。
【0067】 (表4) 処理液 (mg/ml) i j k l m n クエン酸1水和物 50 50 50 0 0 0 ショ糖 0 100 300 0 100 300
【0068】つぎに、前記血液保存用具に、ヘパリン採
血の健常人新鮮血液を含浸した後、風乾し、0日間、1
日間および3日間室温で保存した。そして、各保存期間
の血液保存用具の血液含浸部分をパンチを用いて直径約
6mmの円形に切り取り、これを前記溶出液0.6ml
に入れて約10分間静置して溶出処理を行った。前記溶
出液のHbA1cを、前記全自動グリコヘモグロビン測
定装置を用い溶血検体モードで測定した。また、前記各
溶出液を用い、汎用HLC(Lachrom、日立製作
所社製)によりタンパク変性Hbも測定した。なお、対
照として、前記ヘパリン採血の健常人新鮮血液を冷蔵保
存し、0日間、1日間および3日間保存後HbA1cを
前記同様にして測定した。これらの結果を、下記の表5
および表6に示す。
【0069】 (表5)Hba1c量(%) 保存日数血液保存用具 0日間 1日間 3日間 i 5.36 5.30 5.28 j 5.49 5.41 5.47 k 5.61 5.53 5.61 l 6.60 7.27 7.89 m 6.64 7.19 8.15 n 6.84 7.11 7.95 対照 5.91 5.90 5.87
【0070】 (表6)タンパク変性Hb量(%) 保存日数血液保存用具 0日間 1日間 3日間 i 4.851 5.026 7.058 j 3.236 4.395 6.371 k 3.414 4.188 5.887 l 6.869 9.395 17.123 m 4.568 7.600 9.432 n 3.703 4.824 6.695 対照 3.143 3.149 3.068
【0071】前記表5から分かるように、本発明の実施
例となる血液保存用具(i,j,k)では、HbA1c
の生成が抑制された。これに対し、クエン酸を用いなか
った血液保存用具(l,m,n)では、前記血液保存用
具(i,j,k)に比べ、HbA1cの生成量は多かっ
た。また、前記表6から分かるように、本発明の実施例
となる血液保存用具(i,j,k)では、Hbのタンパ
ク変性が抑制され、またショ糖を使用した血液保存用具
(j,k)において、それが顕著であった。これに対
し、クエン酸を用いなかった血液保存用具(l,m,
n)では、ショ糖の量が増加すれば、Hbのタンパク変
性が抑制される傾向が確認できたが、前記血液保存用具
(i,j,k)に比べ、タンパク変性したHbの量は多
かった。
【0072】
【発明の効果】 本発明の血液保存方法および血液保存用具によれば、乾
燥状態の血液において、HbA1cの生成およびHbの
タンパク変性を抑制できる。したがって、例えば、本発
明の血液保存用具を臨床医療に適用すれば、糖尿病診断
の重要な指標となるHbA1cの測定を、正確かつ効果
的に行うことが可能となる。 [図面の簡単な説明]
【図1】図1は、本発明の血液保存用具の一実施例を示
す平面図である。
【図2】図2において、(a)は、本発明の血液保存用
具のその他の実施例を示す平面図であり、(b)は、そ
の断面図である。
【図3】図3は、本発明の血液保存用具のさらにその他
の実施例を示す平面図であり、(a)は、液体拡散防止
層に囲まれた血液保持部分を示し、(b)は、前記血液
保持部分を支持するホルダーを示す。
【図4】図4において、(a)は、前記実施例における
前記血液保持部分の断面図であり、(b)は、前記ホル
ダーの断面図である。
【図5】図5は、本発明の血液保存用具のさらにその他
の実施例を示す平面図であり、(a)は、液体拡散防止
層に囲まれた血液保持部分を示し、(b)は、前記血液
保持部分を支持するホルダーを示す。
【図6】図6は、本発明の血液保存用具のさらにその他
の実施例を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の血液保存用具のさらにその他
の実施例を示す断面図と、前記血液保存用具に保持され
た血液の回収に用いる溶出液回収槽の一例を示す断面図
である。
【図8】図8は、前記実施例において、前記血液保存用
具に保持された血液を回収する際の、前記血液保存用具
および溶出液回収槽の使用状態を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の血液保存用具のさらにその他
の実施例において、採血管により採血を行った血液検体
を1日間保存した場合のHbA1cと前記血液検体の採
血直後のHbA1cとの相関関係を示すグラフである。
【図10】図10は、本発明の血液保存用具の前記実施
例において、採血管により採血を行った血液検体を4日
間保存した場合のHbA1cと前記血液検体の採血直後
のHbA1cとの相関関係を示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の血液保存用具の前記実施
例において、採血管により採血を行った血液検体を5日
間保存した場合のHbA1cと前記血液検体の採血直後
のHbA1cとの相関関係を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−104226(JP,A) 特開 平6−34634(JP,A) 特開 平10−17597(JP,A) 特開 平7−83920(JP,A) 特開 平2−95261(JP,A) 特開 平8−310901(JP,A) 特開 平9−224942(JP,A) 特開 平9−166597(JP,A)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液を乾燥状態で保存する方法であっ
    て、乾燥状態の血液の変性を防止するために、乾燥状態
    の血液とカルボン酸とを共存させる血液保存方法。
  2. 【請求項2】 非乾燥状態の血液にカルボン酸を添加し
    てから前記血液を乾燥させる請求項1記載の血液保存方
    法。
  3. 【請求項3】 カルボン酸が、クエン酸、シュウ酸、ピ
    ルビン酸および酢酸からなる群から選択された少なくと
    も一つのカルボン酸である請求項1または2記載の血液
    保存方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸がクエン酸である請求項3記
    載の血液保存方法。
  5. 【請求項5】 非乾燥状態の血液100重量部に対し
    て、1.5〜10重量部の範囲のカルボン酸を添加する
    請求項2記載の血液保存方法。
  6. 【請求項6】 非還元糖とも共存させる請求項1または
    2記載の血液保存方法。
  7. 【請求項7】 非還元糖がショ糖である請求項6記載の
    血液保存方法。
  8. 【請求項8】 血液凝固防止剤および酸化防止剤の少な
    くとも一方を共存させる請求項1または2記載の血液保
    存方法。
  9. 【請求項9】 血液凝固防止剤が、エチレンジアミン四
    酢酸、ヘパリンおよびシュウ酸塩からなる群から選択さ
    れる少なくとも一つの物質である請求項8記載の血液保
    存方法。
  10. 【請求項10】 酸化防止剤が、グルタチオンおよびα
    −トコフェロールのいずれか一方の物質である請求項8
    記載の血液保存方法。
  11. 【請求項11】 血液の乾燥状態が、血液が多孔質材に
    含浸して乾燥した状態である請求項1または2記載の血
    液保存方法。
  12. 【請求項12】 血液の変性の防止が、血液中のヘモグ
    ロビン変性の防止および新たな糖化ヘモグロビン生成の
    防止である請求項1記載の血液保存方法。
  13. 【請求項13】 血液を多孔質材に含浸させて乾燥状態
    で保持する血液保存用具であって、前記多孔質材の血液
    を保持する部分にカルボン酸を有する血液保存用具
  14. 【請求項14】 乾燥状態の血液の変性を防止して、保
    存するための請求項13記載の血液保存用具。
  15. 【請求項15】 カルボン酸が、クエン酸、シュウ酸、
    ピルビン酸および酢酸からなる群から選択された少なく
    とも一つのカルボン酸である請求項13記載の血液保存
    用具。
  16. 【請求項16】 カルボン酸がクエン酸である請求項1
    5記載の血液保存用具。
  17. 【請求項17】 多孔質材の血液を保持する部分に非還
    元糖も有する請求項13〜16のいずれか一項に記載の
    血液保存用具。
  18. 【請求項18】 非還元糖がショ糖である請求項17記
    載の血液保存用具。
  19. 【請求項19】 多孔質材の血液を保持する部分が、前
    記多孔質材の内部またはその周囲に設けた血液拡散防止
    層により囲まれている請求項13〜18のいずれか一項
    に記載の血液保存用具。
  20. 【請求項20】 血液拡散防止層が、無孔構造の層であ
    る請求項19記載の血液保存用具。
  21. 【請求項21】 血液拡散防止層が、疎水性である請求
    項19記載の血液保存用具材。
  22. 【請求項22】 多孔質材の血液を保持する部分が、支
    持体に支持され、前記支持体からの脱着が可能である請
    求項13または19に記載の血液保存用具。
  23. 【請求項23】 有底筒状の血液保存用具であって、そ
    の底部が多孔質材である請求項13または19記載の血
    液保存用具。
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