JP3377914B2 - 誘電体磁器組成物および電子部品 - Google Patents

誘電体磁器組成物および電子部品

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JP3377914B2
JP3377914B2 JP13517796A JP13517796A JP3377914B2 JP 3377914 B2 JP3377914 B2 JP 3377914B2 JP 13517796 A JP13517796 A JP 13517796A JP 13517796 A JP13517796 A JP 13517796A JP 3377914 B2 JP3377914 B2 JP 3377914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波領域で
使用され、電子回路基板や電子部品等に適用される誘電
体磁器組成物及び、例えば、内部および/または表面に
導体を有する共振器、コンデンサ、フィルタ等の電子部
品に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、一般に積層型磁器コンデンサは、表
面に内部電極ペーストが塗布されたシート状の誘電体グ
リーンシートを複数枚積層するとともに、各シートの内
部電極ペーストを交互に並列に一対の外部接続用電極に
接続し、これを焼結一体化することにより形成されてい
る。このような積層型磁器コンデンサは、近年のエレク
トロニクスの発展に伴い電子部品の小型化が急速に進行
し、広範な電子回路に使用されるようになってきてい
る。
【0003】従来の誘電体磁器組成物として、低誘電損
失(Q値が高い)で、誘電率の温度係数の小さい誘電体
磁器組成物として、MgO−CaO−TiO2 の3成分
組成の磁器組成物が知られている。この組成物は比誘電
率が20程度、7〜8GHzにおけるQ値が8000程
度、比誘電率の温度係数が0近傍の値と優れた誘電特性
を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この組
成物は1300℃以上の高温で焼結する必要があり、こ
の材料を積層型磁器コンデンサの誘電体として使用した
場合、内部電極は前記誘電体磁器の焼結温度にて溶融す
ることなく、かつ酸化することがない高価な貴金属であ
るパラジウム(融点1555℃)またはその合金が使用
され、特に静電容量が大きいものでは内部電極枚数が大
となってコスト高となるという問題があった。即ち、従
来の積層コンデンサは容積効率が高く、その他誘電的特
性に優れ且つ高信頼性にあるにも拘らず、価格面がその
発展に大きな障害となっていた。そこで、内部電極とし
て安価な卑金属であるNiを使用することが実用化され
つつある。
【0005】しかしながら、Ni、Pdは導体抵抗が大
きく、内部電極として使用すると、等価直列抵抗(ES
R)や素子のQ値が大きくなるという欠点を有し、特に
高周波領域での使用が困難となる。
【0006】そこで係る問題を解消するために、導体抵
抗の小さいAg、Cu及びAu等の金属を導体として採
用し、低温で同時焼成できる誘電体セラミックスが要求
されている。さらに、最近の高周波用電子部品に対する
小型化と高性能化の要求に応えるために、特定の周波数
領域で比誘電率εrが高く、かつ、Q値が高い積層型コ
ンデンサが要求されている。
【0007】本発明は、850〜950℃の低温で、A
gを主成分とする内部電極と同時に焼成でき、比誘電率
εrやQ値が高い誘電体磁器組成物およびこの誘電体磁
器組成物を用いた電子部品を提供することを目的とす
る。特に、静電容量の温度係数が比較的小さい等の特長
を有し、高周波領域において、小型で高性能の積層型磁
器コンデンサに最適な誘電体磁器組成物を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決する手段】即ち、本発明の誘電体磁器組成
物は、金属元素としてMg、Ca、Tiを含有する複合
酸化物であって、これらの金属元素酸化物の重量比によ
る組成式をaMgO・bCaO・cTiO2 と表した
時、前記a、b、cが、25≦a≦35、0.3≦b≦
7、60≦c≦70、a+b+c=100で表される主
成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2 3
換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物をアル
カリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、Mn含有化合物
をMnCO3 換算で0.1〜5重量部添加含有してなる
ものである。
【0009】また、金属元素としてMg、Ca、Tiを
含有する複合酸化物であって、その組成式が(100−
x)MgTiO3 −xCaTiO3 (但し、式中xは重
量比を表し、1≦x≦15)で表される主成分100重
量部に対して、硼素含有化合物をB2 3 換算で3〜2
0重量部、アルカリ金属含有化合物をアルカリ金属炭酸
塩換算で1〜10重量部、Mn含有化合物をMnCO3
換算で0.1〜5重量部添加含有してなるものである。
【0010】さらに、本発明の電子部品は、誘電体磁器
と、該誘電体磁器の内部および/または表面に形成され
た導体とを具備する電子部品であって、前記誘電体磁器
が、上記した誘電体磁器組成物からなり、かつ、前記導
体が、Agを主成分とするものである。
【0011】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物は、850〜950
℃の比較的低温で、Agを含有する導体金属と同時焼成
でき、Q値が高く、かつ静電容量の温度係数TCCを小
さくすることができ、高周波領域で優れた特性を示す。
【0012】そして、本発明においては、硼素含有化合
物とアルカリ金属含有化合物を同時に添加含有すること
に特徴があるが、その理由について説明する。上記主成
分に対して硼素含有化合物のみを配合した場合には、そ
の配合量が少ないと焼成温度を十分に低下させることが
できず、Agの融点温度以下の温度で焼結させることが
できない。
【0013】また、配合量が多いと焼結温度は低下する
が、硼素含有化合物は、焼成時等の高温下で主成分のM
gTiO3 −CaTiO3 系と反応するので、配合量が
多すぎた場合は、焼成後においてMgTiO3 −CaT
iO3 の残存量が少なくなり、高いQ値を維持すること
ができない。従って、硼素含有化合物のみを添加した場
合には、低い焼結温度と高周波領域における誘電特性が
共に優れた誘電体磁器組成物を得ることができないから
である。
【0014】即ち、硼素含有化合物のみを添加した場合
は、その添加量がB2 3 換算で3重量部未満では焼結
温度が950℃以下にはならない。また、B2 3 換算
で20重量部よりも多い場合には焼結温度を950℃以
下に低下できるが、硼素含有化合物は焼成時等高温下に
おいて上述したようにMgTiO3 −CaTiO3 と反
応するため、Q値が低下してしまうからである。
【0015】この組成物の場合、硼素含有化合物の添加
による組成物の焼結温度低下効果と焼成後の磁器組成物
の誘電特性向上効果とは背反関係にあり、硼素含有化合
物のみを添加した組成物では、低い焼結温度と高いQ値
等の優れた誘電特性とを共に備えた組成物を得ることが
困難である。
【0016】一方、主成分にLi,Na,K等のアルカ
リ金属含有化合物のみを添加した場合には、たとえ添加
量を増加させたとしても、組成物の焼結温度を低下させ
ることが殆どできず、950℃以下で焼結できる組成物
を得ることができない。
【0017】これに対して、硼素含有化合物とアルカリ
金属含有化合物とを、各々特定量比で組み合わせ添加配
合した本発明の組成物では、硼素含有化合物とMgTi
3−CaTiO3 系等との過度の反応が抑制され、か
つ、硼素含有化合物のみの添加の場合と比較してさらに
焼結温度を低下させることができると同時にQ値の低下
を抑制できる。
【0018】本発明は、上記した特定組み合わせ配合組
成により、従来困難とされていた誘電体磁器組成物の焼
結温度の低温度化とQ値、静電容量の温度係数Tcc等
の誘電特性の高性能化を同時に達成したもので、Agを
主成分とする金属導体との同時焼成が可能であるととも
に、高性能でかつ小型化された積層型コンデンサが得ら
れるのである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、a
MgO・bCaO・cTiO2 で示される主成分に対し
て、硼素含有化合物とアルカリ金属含有化合物とMn含
有化合物を添加含有するものである。
【0020】本発明において、組成式におけるMgOの
重量比aを25≦a≦35、CaOの重量比bを、0.
3≦b≦7としたのは、MgOの重量比aが25重量%
未満の場合やCaOの重量比bが7重量%を越える場合
には、静電容量の温度係数が負に大きくなりすぎてしま
うからである。逆に、MgOの重量比aが35重量%を
越える場合やCaOの重量比bが0.3重量%未満の場
合には、静電容量の温度係数が正に大きくなりすぎてし
まうからである。よってMgOの重量比aとCaOの重
量bは、25≦a≦35、0.3≦b≦7に特定され、
とりわけ誘電体磁器の静電容量の温度係数の観点からは
28≦a≦34、0.4≦b≦6.5が望ましい。
【0021】さらに、TiO2 の重量比cを60≦c≦
70としたのは、TiO2 の重量比cが60重量%未満
あるいは70重量%を越える場合にはQ値が低下するか
らである。よって、TiO2 の重量比cは60≦c≦7
0に特定され、とりわけ誘電体磁器のQ値の観点から6
4≦c≦68が好ましい。
【0022】また、本発明では、上記主成分に対して、
硼素含有化合物をB2 3 換算で3〜20重量部、アル
カリ金属含有化合物を該アルカリ金属炭酸塩換算で1〜
10重量部、Mn含有化合物をMnCO3 換算で0.1
〜5重量部添加含有してなるものであるが、このように
主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2
3 換算で3〜20重量部添加したのは、B2 3 の添加
量が3重量部未満の場合には1000℃でも焼結せず、
Agとの同時焼成ができなくなり、逆に20重量部を越
える場合には結晶相が変化し、誘電特性が劣化するから
である。よって、硼素含有化合物の添加量は、主成分に
対してB2 3 換算で3〜20重量部に特定され、とり
わけ誘電体磁器のQ値の観点からは5〜15重量部が望
ましい。
【0023】硼素含有化合物としては、金属硼素、B2
3 、コレマナイト、CaB2 4 等がある。
【0024】また、アルカリ金属含有化合物を該アルカ
リ金属炭酸塩換算で1〜10重量部添加したのは、アル
カリ金属含有化合物、例えばリチウム含有化合物の添加
量が1重量部未満の場合には1000℃でも焼結せず、
Agとの同時焼成ができなくなり、逆に、10重量部を
越える場合には結晶相が変化し、誘電特性が劣化するか
らである。よって、アルカリ金属含有化合物の添加量
は、主成分100重量部に対してアルカリ金属炭酸塩換
算、例えばLi2 CO3 換算で1〜10重量部に特定さ
れ、とりわけ誘電体磁器のQ値の観点からは3〜7重量
部が望ましい。
【0025】アルカリ金属としては、Li,Na,Kを
例示することができ、この中でもLiが特に望ましい。
アルカリ金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の
炭酸塩,酸化物等を例示することができる。
【0026】また、Mn含有化合物をMnCO3 換算で
0.1〜5重量部添加したのは、CR積を向上し、低温
焼成化を図ることができるが、MnCO3 の添加量が
0.1重量部未満の場合には添加の効果がなく、逆に、
5重量部を越える場合には結晶相が変化し、誘電特性が
劣化するからである。よって、Mn含有化合物の添加量
は、主成分100重量部に対してMnCO3 換算で0.
1〜5重量部に特定され、とりわけ誘電体磁器のQ値の
観点からは0.5〜3重量部が望ましい。
【0027】本発明においては、特に、主成分100重
量部に対して、硼素含有化合物をB2 3 換算で5〜2
0重量部、アルカリ金属含有化合物を該アルカリ金属炭
酸塩換算で3〜10重量部、Mn含有化合物をMnCO
3 換算で0.1〜5重量部添加含有することにより、焼
結温度をより低下させることができ、Agを主成分とす
る内部導体と同時に焼成することができる。
【0028】また、本発明の誘電体磁器組成物は、組成
式が(100−x)MgTiO3 −xCaTiO3 (但
し、式中xは重量比を表し、1≦x≦15)で表される
主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2
3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物を該
アルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、Mn含有化
合物をMnCO3 換算で0.1〜5重量部添加含有して
なるものである。
【0029】出発原料をMgTiO3 とCaTiO3
することにより、結晶として(Mg、Ca)TiO3
子、またはMgTiO3 粒子およびCaTiO3 粒子を
多く含有させることができるようになり、Q値を向上で
き、温度係数の制御を容易に行うことができる。ここ
で、CaTiO3 の重量比xを1≦x≦15としたの
は、CaTiO3 の重量比xが1未満の場合には、静電
容量の温度係数TCCが正に大きく、また、前記重量x
が15を越える場合には静電容量の温度係数が負に大き
くずれるからである。よって、CaTiO3 の重量比x
は1〜15重量部に特定され、とりわけ、静電容量の温
度特性の観点からは、4〜9が望ましい。
【0030】そして、上記の組成物と同様の理由によ
り、主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB
2 3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物
をLi2 CO3 換算で1〜10重量部、MnCO3 換算
で0.1〜5重量部添加してなるものである。
【0031】尚、本発明においては、誘電特性に悪影響
を及ぼさない範囲でSi、Zn等の酸化物を添加含有し
ても良く、この場合さらに低温焼成が可能となる。
【0032】本発明の電子部品は、誘電体磁器と、該誘
電体磁器の内部および/または表面に形成された導体と
を具備するもので、誘電体磁器が上述の誘電体磁器組成
物からなり、導体がAgを主成分とするものである。導
体としては、例えば、AgやAgを含む合金から構成さ
れており、Agを含む合金としてはAg−Pdがある
が、導通抵抗がより低いという点からAgから構成され
ることが最も望ましい。
【0033】本発明の電子部品としては、積層コンデン
サや共振器、フィルター、インダクタ等がある。電子部
品のみでなく、誘電体磁器と、該誘電体磁器の内部およ
び/または表面に形成された導体とを具備する基板にお
いても、前記誘電体磁器として本発明の誘電体磁器組成
物は有効である。特に、本発明の電子部品は、誘電体層
と内部電極層とを交互に積層してなる積層コンデンサに
最適である。
【0034】本発明の誘電体磁器組成物は、添加される
硼素含有化合物、アルカリ金属含有化合物、Mn含有化
合物は主成分の構成元素であるMg、Ti、Caの一部
と反応し、ガラス相または結晶相を生成し、(Mg、C
a)TiO3 粒子の間の粒界に、又は(Mg、Ca)T
iO3 粒子、MgTiO3 粒子、CaTiO3 粒子、M
gO粒子、CaO粒子、TiO2 粒子との間の粒界に存
在することとなる。
【0035】硼素については焼結体をX線マイクロアナ
ライザー(XMA)により観察することにより粒界に存
在することを確認した。リチウムについては現在のとこ
ろ確認されていない。しかし、リチウムを全く添加しな
い場合、主成分中のMg、Ca、Tiが粒界中のBの側
に拡散し、ガラス相を形成していたが、リチウムを添加
することによって、その拡散の割合が少なくなった。こ
の結果からリチウムは硼素とともに粒界中に存在してい
ると推定している。
【0036】本発明の誘電体磁器組成物では、(Mg、
Ca)TiO3 を多く含有することが最も好適であり、
次に、MgTiO3 とCaTiO3 を多く含有すること
がよい。この点からいえば、組成式(100−x)Mg
TiO3 −xCaTiO3 (1≦x≦15)で表される
主成分に対して、所定量の硼素含有化合物、アルカリ金
属含有化合物およびMn含有化合物を添加含有した誘電
体磁器組成物が最も望ましい。
【0037】本発明の誘電体磁器組成物は、例えば、M
gCO3 、CaCO3 、TiO2 の各原料粉末を所定量
となるように秤量し、混合粉砕し、これを1100〜1
300℃の温度で大気中で1〜3時間仮焼する。得られ
た仮焼物に例えばB2 3 とLi2 CO3 、MnCO3
の各粉末を所定量となるように秤量し、混合粉砕し、プ
レス成形やドクターブレード法等の周知の方法により所
定形状に成形した後、大気中等の酸化性雰囲気または窒
素雰囲気中等の非酸化性雰囲気において、850〜95
0℃において0.5〜2.0時間焼成することにより得
られる。
【0038】
【実施例】
実施例1 先ず、純度99%以上のMgCO3 、CaCO3 、Ti
2 の各原料粉末を表1に示す割合で秤量し、該原料粉
末に媒体として純水を加えて24時間ZrO2ボールを
用いたボールミルにて混合した後、該混合物を乾燥し、
次いで、該乾燥物を1200℃の温度で大気中1時間仮
焼した。得られた仮焼物にB2 3 粉末とLi2
3 ,K2 CO3 粉末およびMnCO3 粉末を表1に示
す割合となるように秤量し、分散剤、分散媒とともに、
ZrO2 ボールを用いたボールミルにて24時間混合
し、原料スラリーを調整した。
【0039】このスラリーに有機バインダー、可塑剤を
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムに、内部電極用に調整したA
gペーストをスクリーン印刷法により印刷し、積層、熱
圧着後切断して試料を得た。
【0040】この試料を大気中400℃の温度で4時間
加熱して脱バインダー処理し、引き続いて表1に示す各
温度で大気中で1時間焼成した。バレル研摩後、端子電
極用に調整したAgペーストを端面に塗布、650℃で
大気中で焼き付け、再び、バレル研磨した後、メッキを
行い端子電極とし、誘電体厚み25μm、有効電極面積
1.5mm×0.8mm、誘電体層の積層数が10層の
積層コンデンサを作製した。
【0041】次にこれらの評価試料を、LCRメーター
4284Aを用いて、周波数1.0MHz、入力信号レ
ベル1.0Vrmsにて静電容量を測定した。静電容
量、誘電体厚み、有効電極面積、積層数から比誘電率を
算出した。また、インピーダンスアナライザー4291
Aを用いて、1GHzでのESR、およびQ値を測定し
た。また、−55〜125℃の温度範囲においても上記
と同様の条件にて静電容量を測定し、+25℃での静電
容量に対する各温度での静電容量の変化率を算出した。
また、絶縁抵抗計を用いて、DC50Vの電圧印加1分
後の絶縁抵抗を測定し、容量との積からCR積を算出し
た。この結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】この表1によれば、本発明の積層コンデン
サでは、850〜950℃の比較的低温で焼成でき、さ
らに比誘電率εrが18以上、1GHzでのQ値が20
0以上、静電容量の温度係数TCCが±100ppm/
℃以内かつCR積が100以上の優れた特性を有するこ
とがわかる。尚、表1においてはアルカリ金属含有化合
物をアルカリと記載し、試料No.40は、アルカリ金属
含有化合物としてK2CO3 を用い、残りの試料はLi
2 CO3 を用いた。
【0044】実施例2 先ず、純度99%以上のMgTiO3 、CaTiO3
各原料粉末を表2に示す重量比で秤量し、該原料粉末に
媒体として純水を加えて24時間ボールミルにて混合し
た後、該混合物を乾燥し、次いで該乾燥物を1200℃
の温度で大気中1時間仮焼した。得られた仮焼物にB2
3 粉末、Li2 CO3 粉末およびMnCO3 粉末を表
2に示す割合となるように秤量し、分散剤、分散媒とと
もに24時間ボールミルにて混合し、原料スラリーを調
整した。
【0045】このスラリーに有機バインダー、可塑剤を
加え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状
に成形した。このフィルムに、内部電極用に調整したA
gペーストをスクリーン印刷法により印刷し、積層、熱
圧着後切断して試料を得た。
【0046】この試料を大気中400℃の温度で4時間
加熱して脱バインダー処理し、引き続いて表2に示す各
温度で大気中で1時間焼成した。バレル研磨した後、端
子電極用に調整したAgペーストを端面に塗布、650
℃で窒素雰囲気中で焼き付け、再び、バレル研磨した
後、メッキを行い端子電極とし、誘電体厚み25μm、
有効電極面積1.5mm×0.8mm、誘電体層の積層
数が10層の積層コンデンサを作製した。
【0047】次にこれらの評価試料を、LCRメーター
4284Aを用いて、周波数1.0MHz、入力信号レ
ベル1.0Vrmsにて静電容量を測定した。静電容
量、誘電体厚み、有効電極面積、積層数から比誘電率を
算出した。また、インピーダンスアナライザー4291
Aを用いて、1.8GHzでの、ESR、およびQ値を
測定した。また、−55〜125℃の温度範囲において
も上記と同様の条件にて静電容量を測定し、+25℃で
の静電容量に対する各温度での静電容量の変化率を算出
した。また、絶縁抵抗計を用いて、DC50Vの電圧印
加後1分後の絶縁抵抗を測定し、容量との積からCR積
を算出した。この結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】この表2によれば、本発明の積層コンデン
サでは、850〜950℃の比較的低温で焼成でき、さ
らに比誘電率εrが19以上、1GHzでのQ値が22
0以上、、静電容量の温度係数TCCが±60ppm/
℃以内かつCR積が100以上の優れた特性を有するこ
とがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明の誘電体磁器組成物では、焼成温
度が850〜950℃の範囲でAgを主成分とする導体
と同時焼成可能であり、高周波領域において、高い比誘
電率、絶縁抵抗を有するとともに、Q値も高く、かつ静
電容量の温度特性も優れ、特に高周波領域において、小
型かつ高性能な電子部品を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素としてMg、Ca、Tiを含有す
    る複合酸化物であって、これらの金属元素酸化物の重量
    比による組成式を aMgO・bCaO・cTiO2 と表した時、前記a、b、cが 25 ≦a≦35 0.3≦b≦ 7 60 ≦c≦70 a+b+c=100 で表される主成分100重量部に対して、硼素含有化合
    物をB2 3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有
    化合物をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、M
    n含有化合物をMnCO3 換算で0.1〜5重量部添加
    含有してなることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】金属元素としてMg、Ca、Tiを含有す
    る複合酸化物であって、その組成式が(100−x)M
    gTiO3 −xCaTiO3 (但し、式中xは重量比を
    表し、1≦x≦15)で表される主成分100重量部に
    対して、硼素含有化合物をB2 3 換算で3〜20重量
    部、アルカリ金属含有化合物をアルカリ金属炭酸塩換算
    で1〜10重量部、Mn含有化合物をMnCO3 換算で
    0.1〜5重量部添加含有してなることを特徴とする誘
    電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】誘電体磁器と、該誘電体磁器の内部および
    /または表面に形成された導体とを具備する電子部品で
    あって、前記誘電体磁器が、金属元素としてMg、C
    a、Tiを含有する複合酸化物であって、これらの金属
    元素酸化物の重量比による組成式を aMgO・bCaO・cTiO2 と表した時、前記a、b、cが 25 ≦a≦35 0.3≦b≦ 7 60 ≦c≦70 a+b+c=100 で表される主成分100重量部に対して、硼素含有化合
    物をB2 3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有
    化合物をアルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、M
    n含有化合物をMnCO3 換算で0.1〜5重量部添加
    含有してなり、かつ、前記導体がAgを主成分とするこ
    とを特徴とする電子部品。
  4. 【請求項4】誘電体磁器と、該誘電体磁器の内部および
    /または表面に形成された導体とを具備する電子部品で
    あって、前記誘電体磁器が、金属元素としてMg、C
    a、Tiを含有する複合酸化物であって、その組成式が
    (100−x)MgTiO3 −xCaTiO3 (但し、
    式中xは重量比を表し、1≦x≦15)で表される主成
    分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2 3
    算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物をアルカ
    リ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、Mn含有化合物を
    MnCO3 換算で0.1〜5重量部添加含有してなり、
    かつ、前記導体がAgを主成分とすることを特徴とする
    電子部品。
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