JP3512542B2 - 積層型コンデンサ - Google Patents
積層型コンデンサInfo
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Description
に関し、特にAgまたはCu主成分の内部電極を備えた
高周波領域で好適に使用される積層型コンデンサに関す
るものである。
面に内部電極ペーストが塗布されたシート状の誘電体グ
リーンシートを複数枚積層するとともに、各シートの内
部電極ペーストを交互に並列に一対の外部接続用電極に
接続し、これを焼結一体化することにより形成されてい
る。このような積層型磁器コンデンサは、近年のエレク
トロニクスの発展に伴い電子部品の小型化が急速に進行
し、広範な電子回路に使用されるようになってきてい
る。
失(Q値が高い)で、誘電率の温度係数の小さい誘電体
磁器組成物として、MgO−CaO−TiO2の3成分
組成の磁器組成物が知られている。この組成物は比誘電
率が20程度、7〜8GHzにおけるQ値が8000程
度、比誘電率の温度係数が0近傍の値と優れた誘電特性
を有する。
成物は1300℃以上の高温で焼結する必要があり、こ
の材料を積層型磁器コンデンサの誘電体として使用した
場合、内部電極は前記誘電体磁器の焼結温度にて溶融す
ることなく、かつ酸化することがない高価な貴金属であ
るパラジウム(融点1555℃)またはその合金が使用
され、特に静電容量が大きいものでは内部電極枚数が大
となってコスト高となるという問題があった。即ち、従
来の積層コンデンサは容積効率が高く、その他誘電的特
性に優れ且つ高信頼性にあるにも拘らず、価格面がその
発展に大きな障害となっていた。そこで、内部電極とし
て安価な卑金属であるNiを使用することが実用化され
つつある。
きく、内部電極として使用すると、等価直列抵抗(ES
R)や素子のQ値が大きくなるという欠点を有し、特に
高周波領域での使用が困難となる。
抗の小さいAg、Cu及びAu等の金属を導体として採
用し、低温で同時焼成できる誘電体セラミックスが要求
されている。さらに、最近の高周波用電子部品に対する
小型化と高性能化の要求に応えるために、特定の周波数
領域で比誘電率εrを高くすることにより共振回路やイ
ンダクタンスの小型化を可能とし、また、誘電体セラミ
ックスのQ値が高い積層型コンデンサが要求されてい
る。
1050℃以下の低温で、AgまたはCuを主成分とす
る内部電極と同時に焼成でき、比誘電率εrやQ値が高
く、静電容量の温度係数が比較的小さい等の特長を有
し、特に高周波領域において、小型で高性能の積層型コ
ンデンサを提供することを目的とする。
誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなる積層型コ
ンデンサにおいて、前記誘電体層が、組成式(100−
X)MgTiO3−XCaTiO3(但し、式中Xは重
量比を表し、1≦X≦15)で表される主成分100重
量部に対して、硼素含有化合物をB2O3換算で3〜2
0重量部、アルカリ金属含有化合物を該アルカリ金属炭
酸塩換算で1〜10重量部添加含有してなる組成物を焼
成してなり、添加される硼素含有化合物とアルカリ金属
含有化合物が主成分の構成元素であるMg、Ti、Ca
の一部と反応し、ガラス相または結晶相を生成し、(M
g、Ca)TiO3粒子の間の粒界に、あるいは、(M
g、Ca)TiO3粒子、MgTiO3粒子、CaTi
O3粒子、MgO粒子、CaO粒子、TiO2粒子との
間の粒界に存在するとともに、前記内部電極層がAgま
たはCuを主成分とされ、1GHzでのESR(絶縁抵
抗)が20〜30mΩであることを特徴とするものであ
る。
含有化合物をB2O3換算で5〜20重量部、アルカリ金
属含有化合物を該アルカリ金属炭酸塩換算で3〜10重
量部、B2O3換算での硼素含有化合物とアルカリ金属炭
酸塩換算でのアルカリ金属含有化合物の合量を9重量部
以上添加含有してなる組成物を焼成してなるとともに、
前記内部電極層がAgを主成分とする積層型コンデンサ
である。
の比較的低温で、AgまたはCuを主成分とする導体金
属と同時焼成でき、Q値が高く、かつ静電容量の温度係
数TCCを小さくでき、特に高周波領域で優れた特性を
示すものである。
物とアルカリ金属含有化合物を同時に添加含有すること
に特徴があるが、その理由について説明する。上記主成
分に対して硼素含有化合物のみを配合した場合には、そ
の配合量が少ないと焼成温度を十分に低下させることが
できず、Ag,Cuの融点温度以下の温度で焼結させる
ことができない。
が、硼素含有化合物は、焼成時等の高温下で主成分のM
gTiO3−CaTiO3系と反応するので、配合量が多
すぎた場合は、焼成後において未反応のMgTiO3−
CaTiO3の残存量が少なくなり、高いQ値を維持す
ることができない。従って、硼素含有化合物のみを添加
した場合には、低い焼結温度と高周波領域における優れ
た誘電特性が共に優れた積層型コンデンサの誘電体層を
得ることが困難となるからである。
は、その添加量がB2O3換算で3重量部未満では焼結温
度が1050℃以下にはならない。また、B2O3換算で
20重量部よりも多い場合には焼結温度を1050℃以
下に低下できるが、硼素含有化合物は焼成時等高温下に
おいて上述したようにMgTiO3−CaTiO3と反応
するため、Q値が低下してしまうからである。
による組成物の焼結温度低下効果と焼成後の磁器組成物
の誘電特性向上効果とは背反関係にあり、硼素含有化合
物のみを添加した組成物では、低い焼結温度と高いQ値
等の優れた誘電特性とを共に備えた組成物を得ることが
困難である。
属含有化合物のみを添加した場合には、たとえ添加量を
増加させたとしても、組成物の焼結温度を低下させるこ
とが殆どできず、1050℃以下で焼結できる組成物を
得ることができない。
金属含有化合物とを、各々特定量比で組み合わせ添加配
合した本発明の組成物では、硼素含有化合物とMgTi
O3−CaTiO3系等との過度の反応が抑制され、か
つ、硼素含有化合物のみの添加の場合と比較してさらに
焼結温度を低下させることができると同時にQ値の低下
を抑制できる。
量部に対して、硼素含有化合物をB2O3換算で5〜20
重量部、アルカリ金属含有化合物を該アルカリ金属炭酸
塩換算で3〜10重量部、B2O3換算での硼素含有化合
物とアルカリ金属炭酸塩換算でのアルカリ金属含有化合
物の合量を9重量部以上とすることにより、焼結温度を
より低下させることができ、Agを主成分とする内部導
体と同時に焼成することができる。
成により、従来困難とされていた誘電体磁器組成物の焼
結温度の低温度化とQ値、静電容量の温度係数TCC等
の誘電特性の高性能化を同時に達成したもので、Agま
たはCuを主成分とする金属導体との同時焼成が可能で
あるとともに、高性能でかつ小型化された積層型コンデ
ンサが得られるのである。
成式が(100−x)MgTiO3−xCaTiO3(但
し、式中xは重量比を表し、1≦x≦15)で表される
主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2O3
換算で3〜20重量部、リチウム含有化合物をLi2C
O3換算で1〜10重量部添加してなる誘電体層と、A
gまたはCuを主成分とする内部電極とを交互に積層し
てなるものである。
ることにより、結晶として(Mg、Ca)TiO3粒
子、またはMgTiO3粒子およびCaTiO3粒子を多
く含有させることができるようになり、Q値を向上で
き、温度係数の制御を容易に行うことができる。ここ
で、CaTiO3の重量比xを1≦x≦15としたの
は、CaTiO3の重量比xが1未満の場合には、静電
容量の温度係数が負に大きく、また、前記重量xが15
を越える場合には静電容量の温度係数が正に大きくずれ
るからである。よって、CaTiO3の重量比xは1〜
15に特定され、とりわけ、静電容量の温度特性の観点
からは、4〜9が望ましい。
り、主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB
2O3換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物を
該アルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部添加してな
るものである。
を主成分とするものである。
を及ぼさない範囲でSi、Zn、Mn、Na、K、Zr
等の酸化物を添加含有しても良く、この場合、さらに低
温焼成が可能となる。
加される硼素含有化合物とアルカリ金属含有化合物は主
成分の構成元素であるMg、Ti、Caの一部と反応
し、ガラス相または結晶相を生成し、(Mg、Ca)T
iO3粒子の間の粒界に、あるいは、(Mg、Ca)T
iO3粒子、MgTiO3粒子、CaTiO3粒子、Mg
O粒子、CaO粒子、TiO2粒子との間の粒界に存在
することとなる。硼素については焼結体をX線マイクロ
アナライザー(XMA)により観察することにより粒界
に存在することを確認した。リチウムについては現在の
ところ確認されていない。しかし、リチウムを全く添加
しない場合、主成分中のMg、Ca、Tiが粒界中のB
の側に拡散し、ガラス相を形成していたが、リチウムを
添加することによって、その拡散の割合が少なくなっ
た。この結果からリチウムは硼素とともに粒界中に存在
していると推定している。
(Mg、Ca)TiO3を多く含有することが最も好適
であり、次に、MgTiO3とCaTiO3を多く含有す
ることがよい。この点からいえば、組成式(100−
x)MgTiO3−xCaTiO3(1≦x≦15)で表
される主成分に対して、所定量の硼素含有化合物および
アルカリ金属含有化合物を添加した誘電体磁器組成物を
誘電体層として用いることが最も望ましい。
gCO3、CaCO3、TiO3の各原料粉末を所定量と
なるように秤量し、混合粉砕し、これを1100〜13
00℃の温度で大気中で1〜3時間仮焼する。得られた
仮焼物に例えばB2O3とLi2CO3の各粉末を所定量と
なるように秤量し、混合粉砕し、ドクターブレード法等
により成形し、得られたグリーンシートに、内部電極と
してAgまたはCuペーストをスクリーン印刷法等によ
り印刷後、このAgまたはCuペーストを塗布したグリ
ーンシートを複数積層し、必要により熱圧着プレス、カ
ットし、脱バインダー処理後、900〜1050℃にお
いて0.5〜2時間焼成を行い、バレル研摩後端子電極
を焼き付け、メッキすることにより本発明の積層型コン
デンサが得られる。
原料粉末を表1に示す重量比で秤量し、該原料粉末に媒
体として純水を加えて24時間、ジルコニアボールを用
いたボールミルにて混合した後、該混合物を乾燥し、次
いで該乾燥物を1200℃の温度で大気中1時間仮焼し
た。得られた仮焼物にB2O3粉末とLi2CO3粉末を表
1に示す割合となるように秤量し、分散剤、分散媒とと
もに24時間ボールミルにて混合し、原料スラリーを調
整した。このスラリーに有機バインダー、可塑剤を加
え、十分撹拌後ドクターブレード法によりフィルム状に
成形した。このフィルムに、内部電極用に調整したAg
ペースト(Ag,分散剤,ビヒクル)またはCuペース
ト(Cu,分散剤,ビヒクル)をスクリーン印刷法によ
り印刷し、AgまたはCuペーストを塗布したシートを
10層積層し、熱圧着した後、所定形状に切断して試料
を得た。
間加熱して脱バインダー処理し、引き続いて表1に示す
各温度で大気中で1時間焼成した。また、内部電極用の
Cuペーストである試料を、窒素雰囲気中700℃の温
度で4時間加熱して脱バインダー処理し、引き続いて表
1に示す各温度で窒素雰囲気中1時間焼成した。この
後、バレル研磨後、外部電極用に調整したCuペースト
(Cu、分散剤、ビヒクル、ガラス)を端面に塗布し、
700℃で大気中で焼付け、その表面にメッキ処理を行
い外部電極とし、外形寸法が2.0mm×1.25mm
×0.65mmであり、誘電体厚みが25μmで誘電体
積層数が10層の積層型コンデンサを作製した。
のフィルムを上記の手法と同様に作製し、このフィルム
に、内部電極用に調整したPdペーストをスクリーン印
刷法により印刷し、積層、熱圧着後切断して試料を得
た。この結果を表1の試料No.23に示す。
4284Aを用いて、周波数1.0MHz、入力信号レ
ベル1.0Vrmsにて静電容量を測定した。静電容
量、誘電体積層数、有効電極面積、誘電体厚みから比誘
電率を測定した。また、インピーダンスアナライザー4
291Aを用いて、1GHzでの、絶縁抵抗(ES
R)、およびQ値を測定した。また、−55〜125℃
における静電容量の変化率を算出した。この静電容量の
変化率TCCは、TCC=[(C-55−C125)/C25]
/180×106(ppm/℃)により求めた。ここ
で、C-55は−55℃での静電容量であり、C125は12
5℃での静電容量であり、C25は25℃での静電容量を
示す。この結果を表1に示す。
サでは、900〜1050℃の比較的低温で焼成でき、
さらに比誘電率εrが19以上、1GHzでのQ値が2
20以上、かつ静電容量の温度係数TCCが±60pp
m/℃以内の優れた特性を有することがわかる。
ンサは誘電体層が、所定の組成からなる主成分に対し
て、硼素含有化合物をB2O3換算で3〜20重量部、ア
ルカリ金属含有化合物を該アルカリ金属炭酸塩換算で1
〜10重量部添加した誘電体磁器組成物から構成したの
で、焼成温度が900〜1050℃の範囲であり、Ag
あるいはCuを主成分とする内部電極と同時焼成が可能
であり、高周波領域において、高い比誘電率を有すると
ともに、Q値も高く、かつ静電容量の温度特性も優れ、
特に高周波領域において、小型かつ高性能な積層型コン
デンサを得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】誘電体層と内部電極層とを交互に積層して
なる積層型コンデンサにおいて、前記誘電体層が、組成
式(100−X)MgTiO3−XCaTiO3(但
し、式中Xは重量比を表し、1≦X≦15)で表される
主成分100重量部に対して、硼素含有化合物をB2O
3換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物を該
アルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部添加含有して
なる組成物を焼成してなり、添加される硼素含有化合物
とアルカリ金属含有化合物が主成分の構成元素であるM
g、Ti、Caの一部と反応し、ガラス相または結晶相
を生成し、(Mg、Ca)TiO3粒子の間の粒界に、
あるいは、(Mg、Ca)TiO3粒子、MgTiO3
粒子、CaTiO3粒子、MgO粒子、CaO粒子、T
iO2粒子との間の粒界に存在するとともに、前記内部
電極層がAgまたはCuを主成分とされ、1GHzでの
ESR(絶縁抵抗)が20〜30mΩであることを特徴
とする積層型コンデンサ。 - 【請求項2】主成分100重量部に対して、硼素含有化
合物をB2O3換算で5〜20重量部、アルカリ金属含
有化合物を該アルカリ金属炭酸塩換算で3〜10重量
部、B2O3換算での硼素含有化合物とアルカリ金属炭
酸塩換算でのアルカリ金属含有化合物の合量を9重量部
以上添加含有してなる組成物を焼成してなるとともに、
前記内部電極層がAgを主成分とすることを特徴とする
請求項1記載の積層型コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33073895A JP3512542B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 積層型コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33073895A JP3512542B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 積層型コンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09171940A JPH09171940A (ja) | 1997-06-30 |
JP3512542B2 true JP3512542B2 (ja) | 2004-03-29 |
Family
ID=18236013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33073895A Expired - Fee Related JP3512542B2 (ja) | 1995-12-19 | 1995-12-19 | 積層型コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3512542B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-19 JP JP33073895A patent/JP3512542B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH09171940A (ja) | 1997-06-30 |
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