JP2001130952A - 誘電体磁器および積層体 - Google Patents
誘電体磁器および積層体Info
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Abstract
でき、収縮開始温度を低くして、導体の収縮開始温度に
近づけることができ、AgやCuを主成分とする導体と
同時焼成した場合でも反りや歪みを抑制できるととも
に、比誘電率の低い誘電体磁器および積層体を提供す
る。 【解決手段】フォルステライト結晶粒子、または該フォ
ルステライト結晶粒子と、金属元素として少なくともM
gとTiを含有する複合酸化物からなる結晶粒子とを含
むとともに、粒界に、元素としてB、Li、アルカリ土
類金属が存在する。
Description
波等の高周波領域において、高いQ値を有する誘電体磁
器に関するものであり、例えば、マイクロ波やミリ波な
どの高周波領域において使用される種々の共振器用磁器
やMIC用誘電体基板、誘電体導波路や積層型セラミッ
クコンデンサ等に用いることができる誘電体磁器および
積層体に関するものである。
等の高周波領域において、誘電体共振器、MIC用誘電
体基板や導波路等に広く利用されている。そして、近年
においては、携帯電話をはじめとする移動体通信等の発
達および普及に伴い、電子回路基板や電子部品の材料と
して誘電体セラミックスの需要が増大しつつある。
セラミックスと内部導体を同時焼成するに際しては、従
来の誘電体セラミックスの焼成温度が1100℃以上と
いう高温であったため、導体材料としては、比較的高融
点であるPt、Pd、W、Mo等が使用されていた。こ
れら高融点の導体材料は導通抵抗が大きいため、従来の
電子回路基板において、共振回路やインダクタンスのQ
値が小さくなってしまい、導体線路の伝送損失が大きく
なる等の問題があった。
抗の小さいAg、Cu等と同時焼成可能な低温焼成の誘
電体セラミックスが提案されている。例えば、本出願人
が先に出願した特開平8−208330号公報に開示さ
れた誘電体磁器組成物は、MgO、CaO、TiO2 と
B2 O3 、Li2 CO3 からなるものであり、900〜
1050℃の比較的低温でAg、Cu等の内部導体と同
時に焼成でき、誘電体磁器の比誘電率εrが18以上、
測定周波数7GHzでのQ値が2000以上の優れた特
性を有し、高周波電子部品の小型化と高性能化を実現で
きるものであった。
−208330号公報に開示された誘電体磁器組成物
は、焼結温度がまだ高く、さらに焼結における収縮開始
温度が845〜960℃と高温であるため、導体材料と
の収縮挙動のマッチングが悪く、焼成された基板や電子
部品が反る、歪む等の問題があった。
Cuを主成分とするもの、例えば、Ag、Cu、あるい
はAg、Cuに対してガラス成分やセラミック成分、P
t、Pd等の金属を添加したものがあるが、これらの導
体は、焼成時における収縮開始温度が高くとも650℃
程度であるため、上記誘電体磁器組成物の収縮開始温度
との差が大きく、これにより、基板等が変形する等の問
題があった。
成物では、比誘電率εrが18以上と高いため、この誘
電体磁器組成物を用いて高周波用のモジュール基板を作
製すると、例えば、容量を必要としない配線間、線路
間、配線と線路間等に浮遊容量(寄生容量)が発生し、
高周波特性が劣化したり、回路上の制約が生じるという
問題があった。
焼成温度を従来よりもさらに低下させることができ、収
縮開始温度を低くして、導体の収縮開始温度に近づける
ことができ、AgやCuを主成分とする導体と同時焼成
した場合でも反りや歪みを抑制できるとともに、比誘電
率の低い誘電体磁器および積層体を提供することを目的
とする。
フォルステライト結晶粒子、または該フォルステライト
結晶粒子と、金属元素として少なくともMgとTiを含
有する複合酸化物からなる結晶粒子とを含むとともに、
粒界に、元素としてB、Li、アルカリ土類金属が存在
するものである。
ォルステライト本来のQ値をそれほど劣化させることな
く、920℃以下の低温焼成が可能となるとともに、フ
ォルステライト自体が低誘電率であるため、比誘電率を
大きく低下できる。
式を、(1−x)Mg2 SiO4 ・xMgTiO3 と表
した時、前記xが、0≦x≦0.8を満足する主成分
と、該主成分100重量部に対して、BをB2 O3 換算
で3〜20重量部、LiをLi2 CO3 換算で1〜10
重量部、SiをSiO2 換算で0〜30重量部、アルカ
リ土類金属を酸化物換算で1〜5重量部含有することが
望ましい。
誘電率が6〜12で、測定周波数10GHzでのQ値が
1000以上であり、かつ、焼成温度を870〜920
℃、収縮開始温度を760〜860℃とすることが可能
となる。従って、基板や電子部品において、Ag、Cu
を主成分とする導体と同時焼成した場合でも反りや歪み
等の発生を抑制することができる。
にMnをMnO2 換算で0.1〜3重量部含有すること
が望ましい。これにより、誘電体磁器の焼結性をさらに
向上できる。
てなる誘電基板の内部および/または表面に、Agおよ
び/またはCuを主成分とする導体を有する積層体であ
って、前記誘電体層のうち少なくとも一層が上記誘電体
磁器からなるものである。
部導体としてAgおよび/またはCuを主成分とする導
体を使用しても積層体の変形がなく、高い高周波特性を
有するとともに、低温焼成ができ、さらに、誘電体層が
低誘電率であるため、容量を必要としない配線間、線路
間、配線と線路間等における浮遊容量の発生を抑制でき
る。
テライト結晶粒子、または該フォルステライト結晶粒子
と、金属元素として少なくともMgとTiを含有する複
合酸化物からなる結晶粒子とを含むとともに、粒界に、
元素としてB、Li、アルカリ土類金属が存在するもの
である。
Mg2 SiO4 ・xMgTiO3 と表した時、xが、0
≦x≦0.8を満足する主成分と、該主成分100重量
部に対して、BをB2 O3 換算で3〜20重量部、Li
をLi2 CO3 換算で1〜10重量部、SiをSiO2
換算で0〜30重量部、アルカリ土類金属を酸化物換算
で1〜5重量部含有するものである。
モル比xを、0≦x≦0.8としたのは、xが0.8を
越える場合には、高誘電率のMgTiO3 の割合が増加
するため、比誘電率が大きくなるからである。とりわけ
誘電体磁器の比誘電率を小さくするという点からxは0
≦x≦0.5が好ましい。さらに、例えば、本発明の誘
電体層とMgTiO3 −CaTiO3 系の誘電体層との
積層体を作製する場合には、焼成収縮挙動を近くすると
いう点からxは0<x≦0.5が望ましい。
2 O3 換算で3〜20重量部含有したのは、B2 O3 換
算量が3重量部未満の場合には1100℃でも焼結せ
ず、AgまたはCuを主成分とする導体と同時焼成がで
きなくなり、逆に20重量部を越える場合には、焼結体
中のガラス相の割合が増加して、Q値が低下するからで
ある。よって、焼結性を維持し、高いQ値を得るという
観点からBはB2 O3 換算で5〜15重量部含有するこ
とが望ましい。硼素含有化合物としては、金属硼素、B
2 O3 、コレマイト、CaB2 O4 、ホウケイ酸ガラ
ス、ホウケイ酸アルカリガラス、ホウケイ酸アルカリ土
類ガラス等がある。
量部含有したのは、Li2 CO3 換算量が1重量部未満
の場合には1100℃でも焼結せず、AgまたはCuを
主成分とする導体と同時焼成ができなくなり、逆に10
重量部を越える場合には、Q値が低下するからである。
焼結性と誘電体磁器のQ値の観点からLiのLi2 CO
3 換算量は4〜9重量部が望ましい。
部添加したのは、SiO2 換算量が30重量部を越える
と、ガラス相の割合が減少してQ値が低下するからであ
る。誘電体磁器のQ値の観点からは、SiのSiO2 換
算量は10重量部以下含有することが望ましい。
カリ土類金属(Mg、Ca、Sr、Ba)の少なくとも
一種を酸化物換算で1〜5重量部含有したのは、これら
が酸化物換算で1重量部未満の場合には、誘電体磁器の
焼結過程における収縮開始温度が約870℃と高く、添
加効果が得られない。一方、5重量部を越えると、誘電
体磁器のQ値が低下する。とりわけ誘電体磁器の焼結性
とQ値の観点からはアルカリ土類金属は酸化物(Mg
O,CaO,SrO,BaO)換算で合計1.5〜3.
5重量部含有することが好ましい。アルカリ土類金属は
Ba、Caが高Q値となるという点から望ましい。
を改善する点から、主成分100重量部に対して、さら
にMnをMnO2 換算で0.1〜3重量部含有すること
が望ましい。MnをMnO2 換算で0.1〜3重量部含
有せしめたのは、0.1重量部よりも少ない場合にはそ
の添加効果が小さく、さらに3重量部よりも多い場合に
は誘電特性が悪化するからである。MnはMnO2 換算
で1.2〜1.8重量部含有することが望ましい。
例えば、Mg2 SiO4 粉末と、MgTiO3 粉末と、
B2 O3 粉末、Li2 CO3 粉末、SiO2 粉末、アル
カリ土類酸化物粉末(MgO,CaO,SrO,Ba
O)を準備し、これらを上記した組成比となるように秤
量し、ZrO2 ボールにより粉砕混合し、この混合粉末
を650〜850℃で仮焼した後、再度ZrO2 ボール
により粉砕粒径が2.5μm以下になるまで粉砕、混合
する。
ード法等の公知の方法により所定形状に成形し、大気
中、酸素雰囲気中または窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気
において870〜920℃で0.5〜2時間焼成するこ
とにより得られる。原料粉末は、焼成により酸化物を生
成する水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の金属塩を用いても
良い。本発明の誘電体磁器中には、不可避不純物とし
て、Al、Fe、Hf、Sn等が含まれることもある。
て添加することが焼結性向上の点から望ましい。例え
ば、B2 O3 粉末、Li2 CO3 粉末、SiO2 粉末、
アルカリ土類金属酸化物粉末を用いてガラスフリットを
作製して添加する。この際、B2 O3 粉末、Li2 CO
3 粉末、SiO2 粉末、アルカリ土類酸化物粉末として
添加される量は、上記ガラスフリットで用いられた量を
差し引いた量であることは言うまでもない。
ト結晶粒子を主結晶粒子とし、これに必要に応じて金属
元素として少なくともMgとTiを含有する複合酸化物
からなる結晶粒子、主には(Mg,Ti)2 (BO3 )
Oが析出し、組成によってはMgTiO3 が析出する場
合もある。
Aサイトに固溶したり、あるいはガラスとなって、焼結
性を向上させることになる。本発明の誘電体磁器では平
均結晶粒径が1〜5μmのものである。
てなる誘電基板の内部および/または表面に、Agおよ
び/またはCuを主成分とする導体を有する積層体であ
って、誘電体層のうち少なくとも一層が上記誘電体磁器
からなるものであり、例えば、本発明の低誘電率の誘電
体層と高誘電率のMgTiO3 −CaTiO3 系の誘電
体層との積層体を作製すると、高誘電率が要求されるコ
ンデンサ、フィルタ等を高誘電率のMgTiO3 −Ca
TiO3 系の誘電体層で形成し、配線間等の浮遊容量を
発生させたくない配線等については、本発明の低誘電率
の誘電体層で形成することができる。
gおよび/またはCuを主成分とする導体を使用しても
積層体の変形がなく、高い高周波特性を有するととも
に、低温焼成ができ、さらに、誘電体層のうち少なくと
も一層が本発明の低誘電率の誘電体磁器からなるため、
この誘電体層を利用して電極、線路等を形成することに
より、容量を必要としない配線間、線路間、配線と線路
間等における浮遊容量の発生を抑制できる。
粉末、アルカリ土類酸化物(MgO,CaO,SrO,
BaO)粉末を表1に示すような組成で添加し、これを
用いて作製されたガラスフリットと、原料として純度9
9%以上のMg2 SiO4、MgTiO3 粉末を表1に
示す割合となるように秤量し、純水を媒体とし、ZrO
2 ボールを用いたボールミルにて20時間湿式混合し
た。
℃で1時間仮焼した。この仮焼物を、粉砕粒径が1.4
μm以下になるように粉砕し、誘電特性評価用の試料と
して直径0.01m、高さ0.008mの円柱状に10
000ton/m2 の圧力でプレス成形し、これを90
0℃で2時間焼成し、直径0.008m、高さ0.00
6mの円柱状の試料を得た。
線マイクロアナライザー(EPMA)により、本発明の
試料では主結晶粒子がフォルステライト結晶粒子であ
り、場合によって、(Mg,Ti)2 (BO3 )Oで表
される結晶粒子が存在し、粒界に、元素としてB、L
i、アルカリ土類金属が存在することを確認した。
体円柱共振器法にて周波数10GHzにおける比誘電率
とQ値を測定した。
比誘電率が6〜14、測定周波数10GHzでのQ値が
500以上の誘電特性を有するとともに、焼成温度を9
20℃以下とすることができ、焼成収縮開始温度を86
0℃以下とできる。
2 SiO4 ・xMgTiO3 においてxが、0≦x≦
0.8を満足し、BをB2 O3 換算で3〜20重量部、
LiをLi2 CO3 換算で1〜10重量部、SiをSi
O2 換算で0〜30重量部、アルカリ土類金属を酸化物
換算で1〜5重量部含有する場合には、比誘電率が6〜
12で、測定周波数10GHzでのQ値が1000以上
であり、かつ、焼成温度を870〜920℃、収縮開始
温度を760〜860℃とできることが判る。これによ
り、基板や電子部品において、Ag、Cuを主成分とす
る導体と同時焼成した場合でも反りや歪み等の発生を抑
制することができる。
o.7に示すように、焼成温度が1150℃、収縮開始温
度が1050℃と高くなり、Ag、Cuを主成分とする
導体と同時焼成できないことが判る。
合には、試料No.11に示すように、焼成温度が950
℃、収縮開始温度が870℃と高くなることが判る。
ォルステライト本来のQ値をそれほど劣化させることな
く、920℃以下の低温焼成が可能となるとともに、フ
ォルステライト自体が低誘電率であるため、比誘電率を
14以下と低下できる。
Mg2 SiO4 ・xMgTiO3 と表した時、xが、0
≦x≦0.8を満足する主成分と、該主成分100重量
部に対して、BをB2 O3 換算で3〜20重量部、Li
をLi2 CO3 換算で1〜10重量部、SiをSiO2
換算で0〜30重量部、アルカリ土類金属を酸化物換算
で1〜5重量部含有する誘電体磁器では、比誘電率が6
〜12で、測定周波数10GHzでのQ値が1000以
上であり、かつ、焼成温度を870〜920℃、収縮開
始温度を760〜860℃とすることができ、基板や電
子部品において、Ag、Cuを主成分とする導体と同時
焼成した場合でも反りや歪み等の発生を抑制することが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】フォルステライト結晶粒子、または該フォ
ルステライト結晶粒子と、金属元素として少なくともM
gとTiを含有する複合酸化物からなる結晶粒子とを含
むとともに、粒界に、元素としてB、Li、アルカリ土
類金属が存在することを特徴とする誘電体磁器。 - 【請求項2】モル比による組成式を、(1−x)Mg2
SiO4 ・xMgTiO3 と表した時、前記xが、0≦
x≦0.8を満足する主成分と、該主成分100重量部
に対して、BをB2 O3 換算で3〜20重量部、Liを
Li2 CO3 換算で1〜10重量部、アルカリ土類金属
を酸化物換算で1〜5重量部含有することを特徴とする
請求項1記載の誘電体磁器。 - 【請求項3】主成分100重量部に対して、さらにSi
をSiO2 換算で0〜30重量部含有することを特徴と
する請求項1または2記載の誘電体磁器。 - 【請求項4】主成分100重量部に対して、さらにMn
をMnO2 換算で0.1〜3重量部含有することを特徴
とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の誘電体磁
器。 - 【請求項5】誘電体層を複数積層してなる誘電基板の内
部および/または表面に、Agおよび/またはCuを主
成分とする導体を有する積層体であって、前記誘電体層
のうち少なくとも一層が、請求項1乃至4のうちいずれ
かに記載の誘電体磁器からなることを特徴とする積層
体。
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EP00123551A EP1096674B1 (en) | 1999-10-29 | 2000-10-27 | Circuit substrate |
US09/699,666 US6417461B1 (en) | 1999-10-29 | 2000-10-30 | Circuit substrate |
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- 1999-10-29 JP JP30836399A patent/JP3860687B2/ja not_active Expired - Lifetime
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