JP3377057B2 - 位相同期回路 - Google Patents

位相同期回路

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  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、データ伝送システム等
において、データの同符号連続が多く続いても安定に動
作を維持し続けることが可能な位相同期回路に関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】通信ネットワークやコンピュータネット
ワーク等のデータ伝送システムの中継回路や終端回路部
において、位相同期回路は、データからクロック信号を
抽出するタイミング抽出回路や、データとクロックの最
適タイミングを取るためのスキュータイミング調整回路
等の基本回路として重要な役割を果している。 【0003】図1は、従来の位相同期回路を用いたデー
タの識別およびデータからのタイミング信号(クロック
信号)の抽出を行う回路であって、1はデータの識別回
路、2は逓倍回路、3は電圧制御発振回路(VCO)、
4は位相比較回路、5は低域ろ波回路(LPF:ローパ
スフィルタ)、6はデータ入力端子、7はデータ出力端
子、12はタイミング信号(クロック信号)出力端子で
ある。 【0004】データ入力端子6からの入力データを逓倍
回路2により2逓倍とし、その出力とVCO3の発振周
波数出力を位相比較回路4で位相比較し、その位相比較
結果をLPF5により直流電流に変換し、VCO3の発
振周波数の制御端子に帰還することにより入力データと
位相同期したタイミング信号(クロック信号)を抽出で
きるように構成している。また、識別回路1は、入力デ
ータに対して、抽出したクロック信号によりデータの論
理状態を判別し、その結果をデータ出力端子7に出力す
るように構成している。 【0005】図2は、図1の従来回路の位相同期過程の
各部の動作波形を模式的に示したものである。6Aは前
記データ入力端子6が入力される入力データを示し、7
Aは前記データ出力端子7より出力される識別回路1の
データ出力、2Aは前記逓倍回路2の逓倍出力、3Aは
前記VCO3より出力されるVCO出力、4Aは前記位
相比較回路4の位相比較出力で、(a),(b),
(c)は進み、同期、遅れの場合を示す。5Aは前記L
PF5のLPF出力で、進みと遅れの場合の出力波形を
示している。 【0006】この図2により図1の従来回路の動作を説
明すると次のようになる。まず、入力データ6Aは逓倍
回路2により逓倍出力2Aの波形に変換され、この波形
とVCO3のVCO出力3Aが位相比較回路4によって
比較される。位相比較回路4の出力は、例えばVCO出
力3Aの位相が逓倍出力2Aに対して進んでいる場合
は、位相比較出力4Aの(a)のように位相差に応じた
パルス幅を正側に発生し、遅れた場合は、(c)のよう
に負の方向にパルスを発生し、位相差がない場合は、
(b)のようにパルスを発生しない。 【0007】次に、この位相比較回路4の位相比較出力
4AをLPF5に通すと、LPF出力5Aの波形に示す
ような連続的な低周波信号に変換される。このLPF出
力5Aの電圧を、VCO3の発振周波数を制御する端子
に負帰還となるように接続することにより、逓倍出力2
AとVCO出力3Aの位相差が最小となるように系は帰
還論理に基づいて収束することになる。従って、入力デ
ータ6Aと同期したVCO出力(タイミング信号、クロ
ック信号)3Aが得られることになる。識別回路1は、
このように抽出したクロック信号を用いて入力データ6
Aの論理状態を判別する機能回路で、例えば、クロック
信号の立ち下がり信号により入力データ6Aを判別動作
すると、データ出力7Aの波形に示すような論理状態を
判別した結果としての出力波形が得られることになる。 【0008】しかし、図1の従来の回路では、同符号連
続時に位相同期ループ回路の系が不安定になり、同符号
連続数によっては同期がずれてしまう問題がある。図2
の入力データ6Aの同符号連続時の波形に示されるよう
に、同符号連続時においては逓倍回路2の逓倍出力2A
が常に一定となってしまうため、VCO出力3Aとの位
相比較動作ができなくなってしまう。この時の位相比較
回路4の位相比較出力4Aは一般に、VCO出力3Aと
の位相差と関係ない信号が出力されてしまう。 【0009】図2の場合、位相比較回路の出力信号は、
出力4Aの(a),(c)の波形から分かるように得ら
れなくなる。このような場合、位相同期回路4は、負帰
還動作により、入力データが加えられる前の状態に自動
的に戻るように作用し、LPF5の出力の5Aの波形に
示すように同符号連続期間中に初期状態に引き戻される
ことになる。このためVCO3の発振周波数も初期状態
へと遷移するため、大きな同符号連続を含む入力信号に
対しては、位相同期状態を維持または確保できない。 【0010】一般に同符号連続数に対する耐性はLPF
時定数を大きくすることにより得られるが、時定数を大
きくし過ぎると位相同期回路のオープンループ利得が下
がり、系が初期の立ち上がり段階で同期しにくくなって
しまうトレードオフがあり、数十ビット以上の同符号連
続データを含むシステムには実質的に適用できない問題
を抱えている。また、大きな時定数をもつLPFは、サ
イズが大きくなるため回路のモノリシック集積化を考え
た場合に一体化できない問題を生じる。さらに、図1の
従来回路では、回線や配線の絶対遅延により識別回路1
のタイミング信号と入力データ6Aとの位相関係がずれ
てしまい、最適なポイント(データの中央)で判別がで
きなくなる可能性がある。特に高速回路では、この識別
タイミングのずれによる誤動作によりエラーレートが増
加してしまう問題も生じる。 【0011】図3は、従来の位相同期回路を用いたデー
タの識別およびデータからのタイミング信号(クロック
信号)の抽出を行う回路であって、図1の従来回路と異
なるのは逓倍回路2を備えていない点と、図2のように
逓倍出力2AとVCO出力3Aの位相比較を行うのでは
なく、識別回路1の入出力間の波形の位相比較を行うこ
とによって位相同期回路を構成している点であり、その
他は図1と同じである。 【0012】図4は、図3の従来回路の位相同期過程の
各部の動作波形を模式的に示したものである。6A,7
A,3A,4A,5Aは図2と同じ出力波形を示してい
る。この図4により、図3の従来回路の動作を説明する
と次のようになる。 【0013】まず、入力データ6Aと識別回路1の出力
データ間の位相関係は、最適なクロック信号が供給され
た状態で論理が判別されているとすると、入力データ6
Aの周期に対して半周期遅れた状態になる。図3の従来
回路ではこのことを利用し、位相比較回路4では、識別
回路1の入出力間の位相差がデータの半周期分正しくず
れているかを比較し、位相比較出力4Aを出力する。例
えば、入力データ6Aの半周期遅延の状態に対して識別
回路1の識別出力7Aの位相が進んでいる場合は、位相
比較出力4Aの(a)に示すような正方向に位相差に応
じたパルス幅のパルスを発生し、遅れた場合は、同じく
(c)のように負の方向にパルスを発生し、位相差がな
い場合は、同じく(b)のようにパルスを発生しない。 【0014】この後の動作は図1の従来回路と同様に、
位相比較回路4の出力をLPF5に通すとLPF出力5
Aの波形に示すような低周波信号が抽出され、このLP
F出力電圧を、VCO3の発振周波数を制御する端子に
負帰還となるように接続することにより、VCO出力3
Aの位相が変化し、識別回路1の入出力端子間の位相差
が半周期となるように系は帰還論理に基づいて収束する
ことになる。従って、入力データ信号と同期したVCO
出力(タイミング信号、クロック信号)3Aを得ること
ができる。さらに、識別回路1の出力は、識別回路1の
入出力間で位相比較していることから、最適ポイントで
論理の判別をした結果が得られる。 【0015】図1の従来回路とは、識別回路1の入力デ
ータとクロック信号との関係を自動的に最適化(自動タ
イミングスキュー調整が可能)できる点で優れている。
しかし、同符号連続データに対しては、やはり位相比較
回路4の出力が位相差と関係ない適当なレベルになって
しまうため、位相同期回路としての安定性が損なわれて
しまう問題を抱えている。 【0016】図5は、図3の従来回路について回路シミ
ュレーションにより出力波形を算出した結果を示すもの
である。横軸は時間(nsec)、縦軸は電圧(v)を
示し、データ出力である識別出力7Aの波形、クロック
信号出力3Aの波形が示されている。また、図5の
(A)の部分時間W1,W2を拡大したものを図5の
(B),(C)に示す。回路シミュレーションに際し
て、識別回路1は通常のフリップフロップを、位相比較
回路4は乗算型回路を、LPF5は抵抗と容量による構
成を、VCO3はマルチバイブレータ型回路を想定し
た。また、入力データ信号の伝送速度は2.5Gb/S
とし、各回路を構成するトランジスタは、高域遮断周波
数が30GHz程度のSiバイポーラトランジスタを想
定して解析を行っている。解析は、アナログ回路シミュ
レーションSPICEを用い、ワークステーションによ
り実行した。 【0017】図5に示す出力波形は、1,0の繰り返し
データにより系が安定(位相同期がとれた状態)になっ
た状態から、63個のゼロデータを連続させた状態に変
化させた時の特性を示すものである。63個のゼロが連
続期間中、位相同期状態が維持されていれば、63個の
ゼロ期間中に63個のクロック信号が出力されることに
なるはずである。しかし、図5をみて分かるように最初
のゼロ連続の期間では64個のクロックが、3番目のゼ
ロ連続の期間では69個のクロックが発生しており、位
相同期状態は同符号連続によりくずれてしまっているこ
とが分かる。 【0018】図6は、図3の従来構成に対して、位相同
期方式を用いない従来のデータの識別およびデータから
のタイミング信号(クロック信号)の抽出を行う識別・
タイミング信号抽出回路であって、16は同調回路、1
7は振幅制限増幅回路であり、その他は図1と同じであ
る。ここで、同調回路16は、クロック信号周波数で同
調を取り、クロック成分を抽出し出力する機能をもつも
のである。振幅制限増幅回路17は、入力データの振幅
が変動しても常に一定振幅の信号を出力する機能を有す
る。 【0019】図7は、図6の従来の識別・タイミング信
号抽出回路の動作波形を示すものであって、6Aは入力
データの、7Aは前記識別回路の、2Aは前記逓倍回路
2の、16Aは前記同調回路16の、17Aは前記振幅
制限増幅回路17の出力の波形をそれぞれ示すものであ
る。この図7を用いて図6の従来回路の動作を説明す
る。 【0020】まず、入力データ6Aは、逓倍回路2によ
り2倍に逓倍され、同調回路16を通して同調出力16
Aに示すクロック信号成分を抽出する。さらに、振幅制
限増幅回路17により一定の出力振幅に増幅し、これを
識別回路1のクロック信号として用いることにより入力
データ6Aの論理の識別を行うものである。同符号連続
時においては、同調回路16のQが十分高い場合に、共
振現象により振幅は減るがクロック周波数成分が同調出
力16Aの波形に示すように同符号連続時中も維持され
る。これを振幅制限増幅回路17により一定の出力振幅
となるように増幅することにより、同符号連続時中もク
ロック信号が維持できるようになっている。 【0021】Qの高い同調増幅回路(Qが数千以上)と
しては、同軸共振器や表面弾性波フィルタ等が一般的に
用いられており、100ビット程度の同符号連続に対し
ても安定動作をさせることが可能である。このため、前
述の位相同期回路4を用いた2つの従来構成よりも、本
構成の方が識別・タイミング信号抽出回路としては、一
般的に用いられている。しかし、本構成ではモノリシッ
ク集積回路化を考えた場合、Qの高い回路をモノリシッ
ク集積回路化できる技術が現状ではないことから、同調
回路16は外づけ部品を利用せざるを得ない。このため
完全なモノリシック集積回路化ができず、小型化,高信
頼度化,経済化が制限される。また、大きな同符号連続
耐性を得ようとした場合には、より高利得の振幅制限増
幅回路17が必要となり安定動作をさせることが難しく
なる。特に、高周波における大きな同符号連続耐性がシ
ステムに対して要求されればされるほど実現が難しくな
る問題を抱えている。 【0022】 【発明が解決しようとする課題】以上、説明したように
識別・タイミング信号抽出回路として従来の位相同期回
路では、同符号連続時に妥当な位相比較出力が得られな
いため、同符号連続数が大きければ大きいほど位相同期
回路が不安定となり、場合によっては同期がはずれてし
まう問題を抱えている。これに対し、位相同期回路を用
いない回路は、完全なモノリシック集積回路化ができな
いため小型化,高信頼度化,経済化に限界がある。 【0023】そこで、本発明の目的とするところは、モ
ノリシック集積回路化が可能で、かつ数十ビット以上の
同符号連続データが生じても位相同期状態を安定に維持
し続けることが可能な位相同期回路を提供することにあ
る。 【0024】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、モノリシック集積回路化
された位相同期回路において、入力データと比較信号と
の位相差を出力する第1の乗算器と、前記入力データの
位相を90度遅延させた信号と前記入力データとの位相
差を出力する第2の乗算器と、前記第1の乗算器の出力
から前記第2の乗算器の出力を引く減算器とを有し、前
入力データと前記比較信号との位相差を検出する位相
比較回路と、前記入力データの同一ビット連続状態を検
出して、制御信号を出力する制御回路と、前記位相比較
回路の出力をサンプルホールドし、前記制御回路から供
給された制御信号によって、前記同一ビット連続状態が
検出されている間、ホールドモードを保つ差動型のS/
H(サンプルホールド)スイッチ回路と、前記S/Hス
イッチ回路の出力の直流成分を検出する差動型ローパス
フィルタである直流成分検出手段と、入力信号が一定の
値を越えると出力信号を反転するヒステリシス比較器
と、前記直流成分検出手段から供給される直流成分に応
じて、前記ヒステリシス比較器の出力信号に遅延を与え
て入力側に正帰還する遅延回路とを有し、前記直流成分
検出手段の出力に応じた周波数の信号を発振する可変発
振回路と、前記可変発振回路の出力に周波数変換または
遅延を施し、前記位相比較回路に前記比較信号として供
給する機能回路とを具備することを特徴とする。 【0025】 【0026】 【0027】 【0028】 【0029】 【0030】 【0031】 【作用】本発明においては、通常は位相比較回路出力が
なくなるように位相比較回路の出力を用いて可変発振回
路の発振周波数が制御されるが、入力データに同符号連
続状態となったときはS/Hスイッチ回路をオフとし、
サンプルホールドした値により可変発振回路の発振周波
数を制御して同期状態を維持する。 【0032】また、同符号連続状態となったとき、例え
ば、入力データとこの入力データを遅延させたデータと
の排他論理和をとることなどによって、S/Hスイッチ
回路をオフさせるようにしたので、S/Hスイッチ回路
の制御を自動的に行うことができる。 【0033】従来の技術とは、S/Hスイッチ回路を位
相同期ループ内に付加し、同符号連続状態に応じてS/
Hスイッチをオン・オフさせる構成としている点が大き
く異なる。なお、VCOに代えて電流制御発振回路を用
いることもできる。 【0034】 【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。 【0035】実施例1 図8は、位相同期回路を用いたデータの認識およびデー
タからのタイミング信号(クロック信号)の抽出を行う
本発明の第1実施例を示す回路であって、1はデータの
識別回路、2は逓倍回路、3は電圧制御発振回路(VC
O)、4は位相比較回路、5は低域ろ波回路(LPF:
ローパスフィルタ)、6はデータ入力端子、7はデータ
出力端子、8はS/Hスイッチ回路に制御信号を供給す
る制御回路、9はS/Hスイッチ回路、12はクロック
信号出力端子である。本構成は図1の従来構成に対し
て、位相比較回路4とLPF5間にS/Hスイッチ回路
9が付加され、制御回路8からの制御信号によりこのS
/Hスイッチ回路9をオン・オフできる点が異なる。な
お、本明細書および請求の範囲において「S/Hスイッ
チ回路」と呼ぶものは、いわゆる「サンプルホールド回
路」と同一のものである。 【0036】図9は図8の回路の位相同期過程の各部の
動作波形を模式的に示したもので、6Aは入力データの
波形例を示し、7Aは前記データ出力端子7より出力さ
れる識別回路1の識別出力、2Aは前記逓倍回路2の逓
倍出力、3Aは前記クロック信号出力端子12より出力
されるVCO3のVCO出力、4Aは前記位相比較回路
4からの位相比較出力で、(a)は進み、(b)は同
期、(c)は遅れの場合を示す。8Aは制御回路8から
S/Hスッチ回路9に印加されるS/H制御信号、5A
は前記LPF5の出力波形を示している。 【0037】本発明の特徴は、同符号連続時において、
S/Hスイッチ回路9をオフ(ホールド)にすることに
より、位相比較回路4の出力がLPF5に伝搬するのを
遮断し、LPF5の出力状態がS/Hスイッチ回路9が
オフになる直前の状態を維持し続けるように構成してい
る点である。すなわち、制御回路8は、入力データに基
づいて、入力データの同符号連続状態を検出し、S/H
制御信号8AをS/Hスイッチ回路9に供給する。これ
によってS/Hスイッチ回路9は、同符号連続状態のと
きにオフ(ホールドモード)、それ以外のときにオン
(サンプルモード)をとる(図9(F)参照)。この結
果、同符号連続時中もVCO3の発振出力は一定の周波
数を維持し続けることになり、VCO出力3Aと逓倍出
力2Aの位相差は一定に保たれることになる。したがっ
て、本構成を採用することによって、同符号連続データ
が発生しても位相同期状態を維持し続けることが可能と
なる。最大維持できる同符号連続時間は、S/Hスイッ
チ回路9の性能により決まるが、同符号連続時の位相比
較回路4の出力の影響がなくなるので、数十ビット以上
の同符号連続データが発生しても容易に位相同期状態を
維持し続けることが可能になる。 【0038】実施例2 図10は本発明のさらに他の実施例であって、図8の実
施例に対して排他論理和回路11と遅延回路13とによ
って制御回路8を構成し、S/Hスイッチ回路9の制御
信号を自動的に発生させるようにしたものである。この
場合、遅延回路13の遅延時間は、約1ビット分であ
る。 【0039】実施例3 図11は、位相同期回路を用いたデータの識別およびデ
ータからのクロック信号の抽出を行う本発明の第3実施
例を示す回路である。本構成は図3の従来構成に対し
て、位相比較回路4とLPF5間にS/Hスイッチ回路
9が付加され、制御回路8からの制御信号によりこのS
/Hスイッチ回路9をオン・オフできる点が異なる。 【0040】図12は図11の実施例の位相同期過程の
各部の動作波形を模式的に示したものである。本実施例
の特徴は、図8の第1実施例と同様に、同符号連続時に
おいて、S/Hスイッチ回路9をオフ(ホールドモー
ド)にすることにより、位相比較回路4の出力がLPF
5に伝搬するのを遮断し、LPF5の出力状態がS/H
スイッチ回路9がオフになる直前の状態を維持し続ける
ように構成している点である。この結果、同符号連続時
中もVCO3の発振出力は、一定の周波数を維持し続け
ることにより、識別回路1の入出力間の位相差は一定に
保たれることになる。図8の第1実施例と同様に、同符
号連続データが発生しても位相同期状態を維持し続ける
ことが可能となる。また、本構成は識別回路1の入出力
データ間の位相差が最適となるように位相比較動作が行
われるため、識別回路1の出力は常に最適なポイントで
判別した結果が得られる利点を有する。 【0041】実施例4 図13は、位相回路を用いたデータの識別およびデータ
からのクロック信号の抽出を行う本発明の第4実施例を
示す回路である。本構成は、図11の第3実施例におい
て、識別回路1として具体的にフリップフロップ10
a,10bを2段の縦続接続した構成を適用し、制御回
路8として排他論理和回路11を用いている点が異な
る。 【0042】図14は、図13の実施例の位相同期過程
の各部の動作波形を模式的に示したもので、1Aは前記
識別回路1の識別中間出力、11Aは前記S/Hスイッ
チ回路9を制御する前記排他論理和回路11の出力であ
る排他論理和出力を示している。本実施例の特徴は、図
11の第3実施例のS/Hスイッチ回路9の制御信号と
して識別回路1の入出力信号6Aおよび7Aの排他論理
和の出力を用いている点である。この回路構成によれ
ば、排他論理和出力11Aにより、位相比較出力が得ら
れている期間のみ、S/Hスイッチ回路9をオン(サン
プルモード)し、同符号連続時にはオフ(ホールドモー
ド)とすることが可能となる。 【0043】図15は、図13の第4実施例について回
路シミュレーションを行い、出力波形を算出した結果を
示すものである。横軸は時間(nsec)、縦軸は電圧
(v)を示し、データ出力である識別出力7Aの波形、
およびクロック信号出力の波形3Aを示している。ま
た、図15の(B),(C)は、(A)の部分時間W
1,W2を拡大して示しているものである。回路シミュ
レーションに際して、識別回路1は通常のフリップフロ
ップの2段構成を、位相比較回路4は乗算型回路を、L
PF5は抵抗と容量による構成を、VCO3はマルチバ
イブレータ型回路を、排他論理和回路11は差動型の回
路を、S/Hスイッチ回路9はオンオフ比を大きくとれ
る差動構成を想定した。図3の従来回路をシミュレーシ
ョンしたときとは、新たな回路が加わっている点のみが
異なり、共通部分は同一の回路定数を用いている。ま
た、伝送速度等に対する条件は、従来回路解析時と同一
である。 【0044】図15に示す出力波形は、図5の従来構成
の場合のシミュレーションと同様に1,0の繰り返しデ
ータにより系が安定(位相同期が取れた状態)になった
状態から、63個のゼロデータを連続させた状態に変化
させた時の特性を示すものである。63個のゼロが連続
時中、位相同期状態が維持されていれば、63個のゼロ
期間中に63個のクロック信号が出力されることにな
る。図15を見て分かるように最初のゼロ連続の期間
も、3番目のゼロ連続の期間もちょうど63個のクロッ
クが発生しており、位相同期状態が維持されていること
が分かる。なお、位相同期状態を維持し続けることが可
能な同符号連続数は、S/Hスイッチ回路9の性能(ス
イッチのオンオフ比)、VCO3の入力インピーダンス
等により支配されるが、一般的なS/Hスイッチ回路、
VCO回路を用いても容易に数十ビット程度以上の同符
号連続耐性を確保できる。 【0045】実施例5 図16は、本発明の第5実施例を示すものである。この
もととなっている図13の実施例では、識別回路に用い
ている2段のフリップフロップ回路により、入力データ
の1ビット分の遅延を作り、この遅延信号と入力データ
のEX−ORによりS/H回路への制御信号を発生させ
ている。これに対し、図16の構成は識別回路1の2段
目のフリップフロップ回路10bを遅延回路10cに置
き換えたものである。これは、フリップフロップ回路や
位相比較回路での伝搬遅延を補償できるようにしている
ものである。理想的な場合、フリップフロップ1段の遅
延は0.5ビット分となるが、実際の回路ではトランジ
スタ等の応答遅延により、0.5ビット+αの遅延とな
る。特に回路が高速になればなるほど+αの比は大きく
なる。図6の構成は、遅延回路の遅延時間を0.5−α
と想定することにより伝搬遅延を補償するものである。
なお+αの遅延分には、フリップフロップ以外に位相比
較回路等の伝搬遅延も間接的に含まれてくる。 【0046】実施例6 図17は本発明の第6実施例を示すもので、図16の第
5実施例とは、遅延回路13が入力データ端子6と排他
論理和回路11間に挿入され、この遅延回路13と排他
論理和回路11とが制御回路8を構成している点が異な
る。本構成の目的は、図16と同様にフリップフロップ
や位相比較回路での伝搬遅延を補償するものである。図
16の遅延回路に対し、図17の遅延回路では、1ビッ
ト分+αの遅延を発生させることにより、フリップフロ
ップや位相比較回路での伝搬遅延をαで補償できる。 【0047】実施例7 図18は本発明の第7実施例を示すもので、図13の実
施例においてVCO3の代りに可変位相回路14と固定
発振回路15とを付加したもので、自動スキュー調整回
路に応用した例である。可変位相回路14は、発振回路
15から加えられた信号に対し、LPF5からの制御電
圧により位相の進み、遅延を加え、出力信号として出力
するものである。本回路は、識別回路1中の初段フリッ
プフロップの入出力間の位相状態が一定、すなわち、可
変位相回路14の出力信号(クロック信号)と入力デー
タの位相差が一定となるように動作するものである。図
13の第4実施例では、VCO3によりクロック信号の
周波数が変化するのに対し、可変位相回路14の場合は
クロック信号の位相状態が変化することが異なるが、ど
ちらも入力データとクロック信号の位相状態を一定に保
つもので、動作原理とその効果は図13と同様に説明で
きる。なお、各実施例1〜8においても、VCO3の代
わりに可変位相回路14と固定発振回路15とを用いる
ことによって、データとクロックのタイミングを自動的
に調整する自動スキュー調整回路への応用が可能であ
る。 【0048】実施例8 図19−図21は、実施例8の構成を示す回路図であ
る。本実施例は、図13に示す第4実施例をIC化した
ものである。なお、これらの図に示す構成は、同相成分
抑制比を上げるために、差動構成をとっている。したが
って、各要素間は、2線で接続されている。また、図1
9に示す90度遅延回路は、図13のブロック図では、
位相比較回路4の一部として含まれている。 【0049】図19は、位相比較回路4を示す。従来の
乗算型の位相比較回路では、2つの入力の位相差が一定
でも、データのマーク比によって、出力信号の平均DC
レベルが変わってしまうという欠点があった。これを解
決するために、この実施例では、2つの乗算回路を結合
している。第1の乗算回路は、トランジスタQ1−Q6
と、抵抗R1およびR2とから構成され、入力データ6
Aとマスターフリップフロップ10aの出力の位相を比
較する。第2の乗算回路は、トランジスタQ1,Q2お
よびQ5−Q8と、抵抗R1およびR2とから構成さ
れ、入力データ6Aとその入力データの位相を90度遅
らせた信号の位相を比較する。第2の乗算回路は、位相
差が90度の信号を比較することから、その平均出力レ
ベルは、マーク比のみに依存する。したがって、第2の
乗算回路の出力を第1の乗算回路の出力から引くことに
よって、マーク比による影響が相殺される。この結果、
マーク比に依存しない、マスターフリップフロップ10
aの出力と位相を90度遅らせた入力データとの位相差
出力が得られる。これによって、VCOの周波数を安定
に制御することができる。 【0050】図20は、差動型のS/Hスイッチ9とL
PF5を示す。差動型を用いることによって、同相成分
の雑音のVCO3への影響を防止できる。排他論理和回
路11の出力11Aがハイレベルの場合、S/Hスイッ
チ回路9はオン(サンプルモード)となり、位相比較回
路4の出力はLPF5に供給される。逆に、出力11A
がローレベルのときには、トランジスタQ3およびQ4
がオフとなって、S/Hスイッチ回路9がオフ(ホール
ドモード)となり、位相比較回路4の出力は伝送され
ず、LPF5の出力が保持される。 【0051】図21は、VCO3を示す。従来のマルチ
バイブレータ型VCOは、ダイオード負荷を用いている
ため、これらのダイオードによるリミッタ動作によっ
て、大きなジッタが生じると考えられる。この問題を解
決するために、ダイオードリミッタを用いない回路を採
用した。 【0052】トランジスタQ1−Q6および抵抗R1−
R6からなる部分は、正帰還を用いたヒステリシス比較
器である。その出力は、入力信号の振幅が所定の電圧を
越えると反転される。差動入力端をトランジスタQ1お
よびQ2のベースとすると、出力端はトランジスタQ3
およびQ4のコレクタである。トランジスタQ7および
Q8とコンデンサCとからなる部分は、遅延回路であ
る。コンデンサCの充電電流Icによって遅延が得られ
る。比較器の出力を、その入力側に遅延回路を介して、
正帰還することによって発振が得られる。発振周波数
は、遅延回路の遅延と、比較器のヒステリシス特性によ
って決まり、充電電流Icを変えることによって変化さ
せることができる。VCO3の出力は、フリップフロッ
プ10aおよび10bの各クロック端子に供給される。 【0053】同様の技術が、図19の90度遅延回路に
も適用できる。すなわち、トランジスタQ7およびQ8
のベースを切り離してデータ入力端とすることによっ
て、このVCOが遅延回路になる。この遅延回路では、
入力データの立ち上がりおよび立ち下がりが傾斜させら
れ、ヒステリシス比較器で遅延をもつ波形に整形され
る。コンデンサC、充電電流Icおよびヒステリシス電
圧は、90度の遅れを与えるように選ばれる。 【0054】この実施例による位相同期回路は、シリコ
ンバイポーラスーパーセルフアラインメント製法によっ
て作製された。各トランジスタのカットオフ周波数は、
16GHzである。このICチップの大きさは、3mm
X 2.8mmである。また、LPF用として2個の
30pFのコンデンサを含んでいる。本回路は、23ビ
ットの連続0または1を含む、156Mb/sのデータ
レートのデータに対して、誤りなく動作した。また、キ
ャプチャレンジおよびロックレンジとも、10MHz以
上で、比較品の20倍以上あった。さらに、電源のバイ
パスコンデンサ以外の外付部品は必要がない。 【0055】図22Aおよび22Bは、サンプリングオ
シロスコープを用いて測定したジッタヒストグラムであ
り、再生されたデータのジッタヒストグラムがJHD
で、抽出されたクロックのジッタヒストグラムがJHC
で示されている。再生されたデータおよび抽出されたク
ロックとも1.2度のジッタ(rms)を含んでいる
が、これらは、図22Cに示すアナログデバイス社の比
較品の約1/3である。本実施例によるチップの消費電
力は、−5.2Vおよび−2Vの2つの供給電圧を用い
た場合に、320mWと比較品の1/2以下であった。 【0056】実施例1−3、5−7も上記と同様の技術
を適用することによってモノリシック集積化することが
できる。 【0057】S/H制御回路の変形例 次に、実施例1−8において使用される制御回路8の変
形例を説明する。 【0058】変形例1 図23は、S/H制御回路の第1変形例を示す。この制
御回路は、平均直流レベル検出回路21、A/D変換器
22および論理回路23から構成される。 【0059】平均直流レベル検出回路21は、ローパス
フィルタ機能を有する積分回路で、繰り返し信号の平均
直流電圧dcを出力する。すなわち、1、0の繰り返し
信号が継続されている場合は、その波形振幅の中点の電
圧を平均直流電圧dcとして出力する(図24(A)お
よび(B)参照)。一方、0または1の同符号連続状態
が生じた場合は、平均直流電圧dcは、0または1の電
位に近付いていく。言い替えれば、同符号連続状態は、
直流電圧dcによって検出できる。A/D変換器22
は、この直流電圧dcをデジタル化する。論理回路23
は、直流電圧dcが所定の高電圧Vhを越えるか、所定
の低電圧Vlより下がった場合に、同符号連続状態が発
生したものと判断し、ローレベルのS/H制御信号を出
力する(図24(C)参照)。これによって、S/Hス
イッチ回路がオフ(ホールドモード)とされる。 【0060】変形例2 図25は、S/H制御回路の第2変形例を示す。この制
御回路は、平均直流レベル検出回路26、2つのコンパ
レータ27と28、およびNOR回路29から構成され
る。 【0061】コンパレータ27の出力Chは、直流電圧
dcが所定の高電圧Vhを越えたときにハイレベルとな
り(図26の(C)参照)、コンパレータ28の出力C
lは、直流電圧dcが所定の低電圧Vlより下がった場
合に、ハイレベルとなる(図26の(D)参照)。これ
に応じて、NOR回路29は、同符号連続状態が発生し
たときに、ローレベルのS/H制御信号を出力する(図
26(E)参照)。 【0062】変形例3 図27は、S/H制御回路の第3変形例を示す。この制
御回路は、コンプリメンタリ出力回路31、2つのピー
ク検出回路32と33、およびEX−OR回路34から
構成される。 【0063】コンプリメンタリ出力回路31は、入力デ
ータの非反転および反転信号を出力する。ピーク検出回
路32および33は、これらの信号のピーク値を、それ
ぞれ保持しようとする(図28(A)−(C)参照)。
ピーク値は、原理的には無限に継続するが、実際の回路
ではリーク電流によって次第に低下する。このため、周
期の短い繰り返し信号に対しては、ピーク値を正しく保
持できるが、同符号が連続すると、図28(B)および
(C)のように変化する。これに応じて、EX−OR回
路34は、同符号連続状態が発生したときに、ローレベ
ルのS/H制御信号を出力する(図28(D)参照)。 【0064】変形例4 図29は、S/H制御回路の第4変形例を示す。この制
御回路は、微分回路36、全波整流回路37、ピーク値
検出保持回路38から構成される。 【0065】本変形例では、入力データの立ち上がり、
および立ち下がりを微分回路36で検出し、全波整流回
路37によって全波整流した後、そのピーク値を、ピー
ク値検出保持回路38によって保持する(図30(A)
−(C)参照)。保持時間は、約1ビット時間、すなわ
ち、位相比較信号が得られてからLPFに伝達されるま
での時間とする。これによって、同符号検出期間中は、
微分出力が得られないため、S/H制御信号がローレベ
ルとなり、S/Hスイッチ回路をオフ(ホールドモー
ド)とする(図30(D)参照)。 【0066】識別回路以外の機能回路への応用例 上述した実施例1−8では、位相同期回路を識別回路1
(デジタル信号受信回路)に適用したが、他の機能回路
にも適用することができる。 【0067】図31は、本発明による位相同期回路をこ
の種の機能回路に適用したときのブロック図である。機
能回路40としては、次のようなものがある。 【0068】(1) 周波数変換機能を有する機能回路 周波数変換機能を有する回路に位相同期回路を適用する
ことによって、出力信号の周波数と入力信号の周波数と
の関係を任意に設定することができる。 【0069】(a)1/n分周回路 フリップフロップによる固定分周回路、可変分周回路
(プログラマブルデバイダ)、パルススワロカウンタに
よる可変分周回路 ミキサ回路 (b)n逓倍回路 EX−ORを用いた逓倍回路 ミキサ回路 (2) 遅延機能を有する機能回路 遅延機能を備えた機能回路に位相同期回路を適用し、そ
の遅延量を任意に設定することによって、入力信号と出
力信号との位相関係を任意に設定することができる。こ
の種の回路は、主にアナログ復調回路に使用する。 【0070】(a)固定遅延回路 RC遅延回路 フリップフロップを用いた論理遅延回路 (b)可変遅延回路 容量の充放電特性を利用した可変遅延回路 位相選択による論理可変遅延回路 次に、本発明による位相同期回路を用いた応用例を説明
する。 【0071】(1) デジタル信号検出回路への応用 本発明による位相同期回路は、入力データからタイミン
グ信号を生成するのに使用されることは既に述べた通り
である。 【0072】図32は、本発明による位相同期回路を用
いた光受信機を示す。受信された光信号は、増幅回路に
よって増幅された後、識別再生回路42に供給される。
識別再生回路42は、タイミング信号抽出回路43から
送られてくるクロック信号を用いて、入力データから所
望のデジタル信号を再生する。この識別再生回路42
は、図31の機能回路40に相当するものである。 【0073】同様の回路が、光ディスク、磁気ディス
ク、磁気テープ等の記憶媒体からのデータ再生にも使用
できる。 【0074】(2) アナログ通信用復調回路への応用 本発明による位相同期回路は、AM復調回路やFM復調
回路に適用することができる。 【0075】図33は、AM復調回路への応用例を示
す。まず、位相比較器45、VCO46、遅延回路47
等からなる位相同期回路によって、AM信号の搬送波成
分を検出する。次いで、VCO46からの一定振幅の搬
送波とAM入力信号とを乗算回路48で乗算し、LPF
49でアナログ信号成分を取り出す。本発明による位相
同期回路を用いることによって、搬送波信号が大きくゆ
らいでも、安定な復調動作が可能である。 【0076】図34は、FM復調回路への応用例を示
す。この変調回路は、位相比較回路51、LPF52、
VCO53等からなる位相同期回路からなるもので、こ
の位相同期回路にFM変調信号を入力する。この結果、
LPF52から復調信号が出力される。本発明による位
相同期回路を用いることによって、変調度の極めて大き
いFM信号に対しても、安定で高精度な復調動作が可能
となる。 【0077】(3) 周波数シンセサイザへの応用 図35は、本発明による位相同期回路を周波数シンセサ
イザに応用した例を示す。この周波数シンセサイザの特
徴は、周波数の異なる2つの入力信号が位相比較回路に
供給されている点である。すなわち、位相比較回路57
への第1の入力として、基準発振器56から周波数がf
t/mの信号が供給され、第2の入力として、VCO5
8の出力を分周回路59で分周した周波数がfo/n
(=ft)の信号が供給される。ここで、foは、出力
信号の周波数であり、m,nは正の整数である。 【0078】従来の周波数シンセサイザでは、分周回路
の出力周波数ftと同じ周波数の信号を、基準発振器か
ら位相比較回路に、基準信号として供給していたが、本
実施例では、その1/mの周波数の基準信号を供給して
いる。これは、本発明による位相同期回路は、S/Hス
イッチ回路によって位相状態を保持するので、基準信号
の周波数を従来の1/mにしても、位相比較が十分に遂
行できるからである。このように、分周回路59の出力
周波数の1/mの基準信号が入力されると、本実施例に
よる位相同期回路は、自動的に1/mのサンプリング動
作を行うようになる。このため、m=1の場合と同じ周
波数(nft)の位相同期出力を得ることができる。 【0079】このように、本実施例による位相同期回路
は、基準周波数として低い周波数を用いることができる
ことと、分周回路59の分周数を大きくする必要がない
こととから、回路の簡略化、および動作の安定化を確保
する上で、極めて有利である。 【0080】 【発明の効果】本発明によれば、同符号連続データに対
しても、S/Hスイッチ回路を適切に制御することによ
って位相同期状態を維持し続けることができる。そし
て、ローパスフィルタの時定数を大きくしなくても済む
ため、外づけ部品なしで完全なモノリシック集積化が実
現でき、小型化,高信頼度化,経済化に貢献するところ
大である。また、入力データの同符号連続数が小さく限
定されている用途に対しては、クロック信号のジッタを
大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】従来の位相同期回路を用いた従来の識別・タイ
ミング信号抽出回路を示す図である。 【図2】図1の従来回路の動作波形を示す図である。 【図3】従来の位相同期回路を用いた他の従来の識別・
タイミング信号抽出回路を示す図である。 【図4】図3の従来回路の動作波形を示す図である。 【図5】図3の従来回路の出力波形のシミュレーション
結果を示す図である。 【図6】位相同期回路を用いていない従来の識別・タイ
ミング信号抽出回路を示す図である。 【図7】図6の従来回路の動作波形を示す図である。 【図8】本発明による位相同期回路の第1実施例を示
し、識別・タイミング信号抽出回路に適用した場合を示
す図である。 【図9】図8の実施例の動作波形を示す図である。 【図10】本発明による位相同期回路の第2実施例を示
し、識別・タイミング信号抽出回路に適用した場合を示
す図である。 【図11】本発明による位相同期回路の第3実施例を示
し、識別・タイミング信号抽出回路に適用した場合を示
す図である。 【図12】図11の実施例の動作波形を示す図である。 【図13】本発明による位相同期回路の第4実施例を示
し、識別・タイミング信号抽出回路に適用した場合を示
す図である。 【図14】図13の実施例の動作波形を示す図である。 【図15】図13の実施例の出力波形のシミュレーショ
ン結果を示す図である。 【図16】本発明による位相同期回路の第5実施例を示
し、識別・タイミング信号抽出回路に適用した場合を示
す図である。 【図17】本発明による位相同期回路の第6実施例を示
し、識別・タイミング信号抽出回路に適用した場合を示
す図である。 【図18】本発明による位相同期回路の第7実施例を示
し、識別・タイミングスキュー自動調整回路適用した場
合を示す図である。 【図19】本発明による位相同期回路の第8実施例の位
相比較回路を示す回路図である。 【図20】第8実施例のS/Hスイッチ回路およびLP
Fを示す回路図である。 【図21】第8実施例のVCOを示す回路図である。 【図22】(A)は実施例8における出力データのジッ
タヒストグラムを示すグラフ、(B)は実施例8におけ
る再生クロックのジッタヒストグラムを示すグラフ、
(C)は実施例8の諸特性を従来の位相同期回路の特性
と比較したテーブルチャートである。 【図23】制御回路の変形例1を示すブロック図であ
る。 【図24】上記変形例1の動作を示す波形図である。 【図25】制御回路の変形例2を示す回路図である。 【図26】上記変形例2の動作を示す波形図である。 【図27】制御回路の変形例3を示す回路図である。 【図28】上記変形例3の動作を示す波形図である。 【図29】制御回路の変形例4を示すブロック図であ
る。 【図30】上記変形例4の動作を示す波形図である。 【図31】本発明による位相同期回路と機能回路との関
係を示すブロック図である。 【図32】本発明による位相同期回路を用いた光受信機
を示すブロック図である。 【図33】本発明による位相同期回路を用いたAM復調
回路を示すブロック図である。 【図34】本発明による位相同期回路を用いたFM復調
回路を示すブロック図である。 【図35】本発明による位相同期回路を用いた周波数シ
ンセサイザを示すブロック図である。 【符号の説明】 1 識別回路 1A 識別中間出力 2 逓倍回路 2A 逓倍出力 3 VCO 3A VCO出力 4 位相比較回路 4A 位相比較出力 5 LPF 5A LPF出力 6 データ入力端子 6A 入力データ 7 データ出力端子 7A 識別出力 8 制御回路 8A S/H制御信号 9 S/Hスイッチ回路 10a フリップフロップ 10b フリップフロップ 10c 遅延回路 11 排他論理和回路 11A 排他論理和出力 12 クロック信号出力端子 13 遅延回路 14 可変位相回路 15 発振回路 21,26 平均直流レベル検出回路 22 A/D変換器 23 論理回路 27,28 コンパレータ 31 コンプリメンタリ出力回路 32,33 ピーク検出回路 34 排他論理和回路 36 微分回路 37 全波整流回路 38 ピーク値検出保持回路 40 機能回路 42 識別再生回路 43 タイミング信号抽出回路 45 位相比較回路 46 VCO 47 遅延回路 48 乗算回路 49 LPF 51 位相比較回路 52 LPF 53 VCO 56 基準発振器 57 位相比較回路 58 VCO 59 分周回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 7/033 H03L 7/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 モノリシック集積回路化された位相同期
    回路において、 入力データと比較信号との位相差を出力する第1の乗算
    器と、前記入力データの位相を90度遅延させた信号と
    前記入力データとの位相差を出力する第2の乗算器と、
    前記第1の乗算器の出力から前記第2の乗算器の出力を
    引く減算器とを有し、前記 入力データと前記比較信号と
    の位相差を検出する位相比較回路と、 前記入力データの同一ビット連続状態を検出して、制御
    信号を出力する制御回路と、 前記位相比較回路の出力をサンプルホールドし、前記制
    御回路から供給された制御信号によって、前記同一ビッ
    ト連続状態が検出されている間、ホールドモードを保つ
    差動型のS/H(サンプルホールド)スイッチ回路と、 前記S/Hスイッチ回路の出力の直流成分を検出する
    動型ローパスフィルタである直流成分検出手段と、入力信号が一定の値を越えると出力信号を反転するヒス
    テリシス比較器と、前記直流成分検出手段から供給され
    る直流成分に応じて、前記ヒステリシス比較器の出力信
    号に遅延を与えて入力側に正帰還する遅延回路とを有
    し、前記 直流成分検出手段の出力に応じた周波数の信号
    を発振する可変発振回路と、 前記可変発振回路の出力に周波数変換または遅延を施
    し、前記位相比較回路に前記比較信号として供給する機
    能回路とを具備することを特徴とする位相同期回路。
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