JP3376334B2 - 研磨材および研磨材を用いた研磨方法 - Google Patents
研磨材および研磨材を用いた研磨方法Info
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Description
性に優れた研磨材および研磨材を用いた研磨方法に関す
るものである。
を有する核体の周囲に砥粒を付着させてなる研磨材が、
例えば実開昭55−98565号公報または特開平9−
314468号公報に示されている。
面仕上げに研磨する場合、例えば実開昭55−9856
5号公報に示されているように、研磨材の核体をゴムに
て形成すると、被研磨材の研磨面はナシ地に形成され
る。これは、核体としてのゴムの弾力性が鏡面仕上げに
するには適していない為に生じる現象であると考えられ
る。
報に示されているように、核体が植物繊維質のものにて
形成されている場合、核体に水分が含有している間は、
被研磨材の研磨表面は上記従来の場合よりは鏡面に近く
研磨される。しかし、研磨材を連続して利用すると研磨
時に発生する熱により核体内の水分が蒸発してしまい、
短い研磨作業時間にて研磨材の核体の粘着性や弾力性が
低下し、被研磨材の研磨表面がナシ地に研磨されたり、
研磨能力が低下するため、研磨の作業効率が低下すると
いう問題点があった。
にて形成する場合、研磨材が被研磨材に衝突することに
より、または、他の原因によりつぶれると、その時点で
研磨材としてもその機能を果たすことができず、研磨材
の量が目減りし、研磨効率が低下するという問題点があ
った。
ためなされたもので、被研磨材の研磨面が鏡面に仕上げ
られ、かつ、作業効率を向上することができる研磨材お
よび研磨材を用いた研磨方法を提供することを目的とす
る。
の研磨材は、被研磨材に噴射して衝突させ上記被研磨材
の表面を研磨する研磨材であって、 核体がゼラチンから
成り、この核体に含有させた水、この水を含有すること
により生じる上記核体の粘着力により上記核体の表面に
粘着された複数の砥粒、および上記核体からの水分蒸発
を防止する蒸発防止材を備え、上記核体に水分を保持し
て弾力性を持たせた状態で研磨に使用するものである。
は、請求項1において、核体は、当該核体内に複数の砥
粒を取り込んで形成されているものである。
は、請求項1または請求項2において、蒸発防止材が、
水溶性オイルにてなるものである。
は、請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、核体
と水との重量比率が、10対2ないし5にてなるもので
ある。
は、請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、砥粒
として、ダイヤモンド、炭化珪素、アルミナのいずれか
または全てを用いるものである。
用いた研磨方法は、所望の粒径にてなる請求項1ないし
請求項5のいずれかに記載の研磨材を、研磨材の核体に
水を保持した状態にて被研磨材に噴射して衝突させ、被
研磨材の表面を研磨するものである。
(a)はこの発明の実施の形態1の研磨材の構成を示す
平面図、図1(b)は図1(a)に示した研磨材の断面
を示す断面図、図2は被研磨材に図1に示した研磨材を
噴出して衝突させるための噴出装置の構成を示す図であ
る。図1において、1は水を含有することにより所望の
弾力性および粘着性を有する核体、2および3は核体1
に含有された水および蒸発防止材で、蒸発防止材3とは
水2の蒸発を防止する特性を有するものである。4は核
体1の表面にその粘着性により粘着された複数の砥粒で
ある。これらにより研磨材10が構成される。
は、水を含有することにより所望の弾力性および粘着性
を有する、例えば、ゼラチンが考えられる。このゼラチ
ンを用いた場合は、径としては0.1mmから2mmの
ものが用いられる。次に、砥粒4としては、ダイヤモン
ド、炭化珪素、アルミナのいずれかまたは全てを用いる
ものが考えられる。この砥粒4の粒度としては、300
0メッシュ〜10000メッシュのものが用いられる。
次に、蒸発防止材3としては、核体1からの水分蒸発を
防止するもので、例えば水溶性オイルにてなり、エチレ
ングリコールまたは、ソルビトール等の利用が考えられ
る。
る際のそれぞれの配合割合であるが、例えば核体1の分
量を1000gとすると、水2の分量は、200g〜5
00gと、また、砥粒4の分量は、ダイヤモンドが10
0ct±10ct、炭化珪素が50g±10g、アルミ
ナが50g±10gと、また、蒸発防止材3の分量を水
2とほぼ同量とに設定する。
1の粘着性および弾力性が所望より小さくなり、被研磨
材の表面を鏡面に仕上げることができなくなり、多すぎ
ると、被研磨材の表面に余分な水分が残り、被研磨材の
表面が酸化してしまうということにより設定された値で
ある。さらに、蒸発防止材3として水溶性オイルを用い
るため、この水溶性オイルが核体1内に水分を保持し、
この水分が被研磨材の表面に付着するのを防止すること
ができる。よって、被研磨材の表面の酸化は確実に防止
される。
覆うような量となるように設定されたものであり、砥粒
4の形状や使用物質により適宜設定する必要がある。
コール、または、ソルビトールを用いた場合の量につい
て述べたが、他の物質を使用する場合の配合量は、その
物質の分子量や特性などにて変化するものであり適宜設
定する必要がある。
核体1に水2および蒸発防止材3の混合液を霧吹きなど
にて吹きかけ含有させる。次に、水2を含有することに
より所望の粘着性を有する核体1の表面に、よく混合さ
れた砥粒4を付着させる。すると、図1に示したような
研磨材を形成することができる。
粒4とをよく混合しておく。次に、核体1と砥粒4との
混合物をかき混ぜながら、水2および蒸発防止材3の混
合液を、霧吹きなどにて吹きかけ、核体1に水2と蒸発
防止材3とを含有させ、水2により粘着性を有した核体
1の表面に砥粒4が粘着し、図1に示すような研磨材を
形成することができる。
が板状の複数枚の羽根を挟持してなり、その羽根は回転
方向に前傾して設けられている。6は羽根車5の周囲の
一部に巻掛けられたベルト、7は羽根車5に設けられた
投入口で、この投入口7から研磨材10が羽根車5の内
部に供給される。8はベルト6を羽根車5と連動させる
ためのプーリ、9は羽根車5から研磨材10を被研磨材
に噴射するための噴射ノズルである。
研磨方法について述べる。まず、プーリ8を介したベル
ト6を回転させることにより、羽根車5を回転させる。
次に、投入口7から羽根車5の内部に研磨材10を投入
する。次に、羽根による風圧と遠心力とにより、研磨材
10は徐々に羽根車5の外周に片寄る。さらに、羽根車
5はベルト6上を転動しているため、ベルト6が羽根車
5の周面から離れる点を始点とした接線方向、即ちノズ
ル9から研磨材10は被研磨材に噴射され、衝突して研
磨する。そして、研磨した後の研磨材10は回収され再
び、投入口7から投入され上記研磨動作を繰り返し行
う。
された研磨材を用いて被研磨材を研磨する場合、被研磨
材と研磨材との衝突により摩擦熱が発生するため、研磨
材および被研磨材が加熱される。このように研磨材が加
熱されると、核体に含有している水が蒸発する。研磨に
おいてはこのような現象が発生するため、この研磨方法
を連続して行おうとすると、研磨材の核体に水のみが含
有されている場合であれば、研磨材の加熱により水が蒸
発してしまい、核体の弾力性および粘着性がすぐに低下
していき、被研磨材の表面がナシ地になったり、所望の
研磨状態を得ることができなかった。
核体1に、水2の他にこの水2の蒸発を防止する蒸発防
止材3が含有されていると、研磨材10の加熱による水
2の蒸発は抑制され、長時間に渡り研磨材10を連続使
用して研磨を行っても、核体1には所望量の水2が含有
された状態が保たれ、核体1に必要な所望の弾力性およ
び粘着性が低下せず、被研磨材の表面を鏡面にて研磨し
続けることができる。又、蒸発防止材3が水溶性オイル
で形成されている場合、この蒸発防止材3が核体1内に
水分を保持するため、被研磨材の表面に水分が付着せ
ず、被研磨材の酸化(腐食)を防止することができる。
にも同様のことがいえる、すなわち、研磨材を利用せず
保管しているときに、水のみを含有している場合には、
その水が保管状態にて徐々に蒸発してしまい上記示した
状態と同様の状態となり、研磨に利用することができな
くなる。しかし、本願発明のように蒸発防止材3を含有
している場合、研磨材10の水2が保管状態にて蒸発す
ることはほとんどない。
10と、水のみを含有させた研磨材とを用いて比較実験
を行った結果、被研磨材や、研磨材の噴出速度により差
が出るものの、水だけを含む研磨材を使用した場合の所
望な研磨(鏡面仕上げ)が可能な研磨時間と、本願発明
の研磨材10による同様の研磨時間とを比較すると、本
願発明の方が10倍〜20倍の研磨時間、所望の研磨状
態を持続することができた。
主となる材質のものを使用した。例えばハイス鋼、ダイ
ス鋼、ステンレス鋼、超硬合金、鉄材、アルミ材、銅材
など様々なものが可能であり、同様の効果を得ることが
できた。ただし、上記示した以外の材質のものであって
も、研磨ができるものであれば同様に利用可能となるこ
とはいうまでもない。
性繊維にて作成して、核体がつぶれた場合、核体が再び
再結合をすることはないが、本願発明では核体1をゼラ
チンにて構成しているため、研磨材10が被研磨材に衝
突したり、または他の原因によりつぶれるような状態に
なったとしても、ゼラチンの特性により再び再結合す
る。よって、研磨材10の量が目減りすることは防止さ
れ、研磨効率の低下を防止することができる。
形態の研磨材によれば、被研磨材の表面を鏡面に仕上げ
ることができ、かつ、研磨の持続性に優れており、作業
効率を向上することができる。
に応じて研磨材の吹き付け速度を適宜調整する。例え
ば、被研磨材の表面が柔らかい材質や脆い材質である場
合には研磨材の吹き付け速度を下げて、また、逆の場合
には速度を上げて調整を行い、被研磨材の表面を鏡面に
仕上げる。すなわち、研磨材の吹き付け速度を調整する
ことによって研磨材の運動エネルギーを調整し、研磨材
の被研磨材の表面に対する摩擦力、すなわち研磨力を調
整することが可能である。
車から斜め下に吹き付ける例を示したが、これに限られ
ることはなく、研磨材を羽根車から斜め上に吹き付ける
ことも可能である。すなわち、羽根車の回転を適宜設定
することで、被研磨材自体を動かすことなく被研磨材表
面に対して様々な角度からの研磨を行うことができる。
と、この水の蒸発を防ぐ蒸発防止材とを示したが、さら
に、防腐剤等の物質が添加されることは十分に考えられ
る。
面図、図4は図3に示した研磨材の核体の表面に砥粒を
粘着させる前段階状態を示す断面図である。各図におい
て、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して
説明を省略する。11は核体1内に取り込まれた複数の
砥粒で、核体1の表面に粘着されている砥粒4と同一の
ものにて形成されている。そして、研磨材12は砥粒1
1が内部に取り込まれている核体1と、核体1の表面に
粘着している砥粒4と、核体1内に含有されている水
2、蒸発防止材3とにて構成されている。
核体1に予め砥粒11を取り込ませるようにして形成し
た点に特徴があり、他の部分は上記実施の形態1と同様
に形成され使用されているためこれら説明は適宜省略す
る。
合割合であるが、例えば核体1の分量を1000gとす
ると、水2、砥粒4、蒸発防止材3の分量は上記実施の
形態1と同様に設定する。そして、核体1内に取り込ま
れている砥粒11は、例えばダイヤモンドが25ct±
5ct、炭化珪素およびアルミナの合算量が75g±1
5gと設定する。
形成が可能で、かつ、核体1がつぶれた場合、その露出
した核体1の内面が研磨面として作用する程度の量とな
るように設定されている。
する方法としては、核体1を所望の粒径に形成する前段
階の基材に、砥粒11を練り込んでおき、その後所望の
粒径にてなる核体1(図4に示す)を形成する方法が考
えられる。そして、それ以後の形成方法を上記実施の形
態1と同様に行えば、図3に示したような研磨材12を
形成することができる。
磨材によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏する
のはもちろんのこと、研磨材12が被研磨材に衝突して
つぶれたような場合、その露出した研磨材12の内面に
砥粒11が存在しているため、研磨材12の内面が研磨
面としての作用を継続し、被研磨材の研磨を続行するこ
とができるため、核体1内に砥粒が取り込まれていない
場合より、研磨効率が向上し、研磨時間を短くすること
ができる。
り、つぶれた研磨材12が再結合する場合、つぶれて露
出した研磨材12の内面が、研磨材12の表面側となる
ように再結合したとしても、その面には砥粒11が存在
しており、研磨面として作用するため、核体1内に砥粒
が取り込まれていない場合より、研磨効率が向上し、研
磨時間を短くすることができる。
れば、被研磨材に噴射して衝突させ上記被研磨材の表面
を研磨する研磨材であって、 核体がゼラチンから成り、
この核体に含有させた水、この水を含有することにより
生じる上記核体の粘着力により上記核体の表面に粘着さ
れた複数の砥粒、および上記核体からの水分蒸発を防止
する蒸発防止材を備え、上記核体に水分を保持して弾力
性を持たせた状態で研磨に使用するので、研磨材がつぶ
れても、再結合して繰り返し利用することができる研磨
材を提供することが可能となり、かつ、研磨材の核体の
所望の弾力性および粘着性を持続することができる研磨
材を提供することが可能となる。
項1において、核体は、当該核体内に複数の砥粒を取り
込んで形成されているので、研磨中に研磨材がつぶれた
としても、その露出した研磨材の内面には砥粒が存在
し、研磨材の内面が研磨面として継続して作用するた
め、研磨効率が向上する研磨材を提供することが可能と
なる。
項1または請求項2において、蒸発防止材が、水溶性オ
イルにてなるので、研磨材の核体の所望の弾力性および
粘着性を確実に持続することができ、かつ、被研磨材の
表面への水分の付着を防止することができる研磨材を提
供することが可能となる。
項1ないし請求項3のいずれかにおいて、核体と水との
重量比率が、10対2ないし5にてなるので、所望の研
磨状態を得ることができる研磨材を提供することが可能
となる。
項1ないし請求項4のいずれかにおいて、砥粒として、
ダイヤモンド、炭化珪素、アルミナのいずれかまたは全
てを用いるので、被研磨材を確実に研磨することができ
る研磨材を提供することが可能となる。
の粒径にてなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記
載の研磨材を、研磨材の核体に水を保持した状態にて被
研磨材に噴射して衝突させ、被研磨材の表面を研磨する
ので、被研磨材の研磨表面を鏡面にて仕上げることがで
きる研磨材を提供することが可能となる。
を示す図である。
を示す図である。
を示す断面図である。
図である。
10,12 研磨材。
Claims (6)
- 【請求項1】 被研磨材に噴射して衝突させ上記被研磨
材の表面を研磨する研磨材であって、 核体がゼラチンから成り、この核体に含有させた水、こ
の水を含有することにより生じる上記核体の粘着力によ
り上記核体の表面に粘着された複数の砥粒、および上記
核体からの水分蒸発を防止する蒸発防止材を備え、上記
核体に水分を保持して弾力性を持たせた状態で研磨に使
用する ことを特徴とする研磨材。 - 【請求項2】 核体は、当該核体内に複数の砥粒を取り
込んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載
の研磨材。 - 【請求項3】 蒸発防止材が、水溶性オイルにてなるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨
材。 - 【請求項4】 核体と水との重量比率が、10対2ない
し5にてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3
のいずれかに記載の研磨材。 - 【請求項5】 砥粒として、ダイヤモンド、炭化珪素、
アルミナのいずれかまたは全てを用いることを特徴とす
る請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の研磨材。 - 【請求項6】 所望の粒径にてなる請求項1ないし請求
項5のいずれかに記載の研磨材を、上記研磨材の核体に
水を保持した状態にて被研磨材に噴射して衝突させ、上
記被研磨材の表面を研磨することを特徴とする研磨材を
用いた研磨方法。
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