JP2834363B2 - レジンボンド砥石 - Google Patents

レジンボンド砥石

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JP2834363B2
JP2834363B2 JP4074740A JP7474092A JP2834363B2 JP 2834363 B2 JP2834363 B2 JP 2834363B2 JP 4074740 A JP4074740 A JP 4074740A JP 7474092 A JP7474092 A JP 7474092A JP 2834363 B2 JP2834363 B2 JP 2834363B2
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resin
filler
grindstone
bonded
binder phase
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哲二 山下
茂嗣 前川
勝俊 吉田
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砥石の結合剤としてレ
ジンボンドを用いたレジンボンド砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ダイヤモンド,c−BN砥粒
等の結合剤にレジン(樹脂)を用いたレジンボンド砥石
がある。
【0003】このレジンボンド砥石は超硬合金の精密研
削に最も多く使用されており、またガラスやセラミック
スなどの仕上研削にも使用されている。c−BN砥石と
して最も多く使用されているのもこのレジンボンド砥石
である。
【0004】このレジンボンドによるダイヤモンド,c
−BN砥石は加工能率が高く、仕上げ面あらさ、チッピ
ング等の被加工物表面品位が良好であるという長所があ
る。
【0005】上記砥石の結合剤であるレジンは、熱硬化
性のフェノールホルマリン樹脂を主体とした有機質ボン
ドが主として用いられている。さらに、近年、フェノー
ル樹脂よりも耐熱性の高いポリイミド樹脂を使ったもの
も増えてきている。
【0006】ところで、レジンボンド砥石に共通する問
題として、砥粒保持力が弱く砥粒層の摩耗が大きい点が
挙げられる。このため、レジンボンド砥石は被削材に形
状を付与する加工には向かず、また砥粒層の摩耗が早い
分、メタルボンド砥石等よりも加工コストがかかる欠点
を有している。
【0007】そこで従来では、上記欠点を解消するた
め、SiC等硬質粒子フィラー(充填材)を添加して樹
脂結合相中に分散させ、結合相の強度を高めて研削面に
おける摩耗を減らすとともに、砥粒保持力を向上して砥
粒の早すぎる脱落を防止する効果を狙うことも行われて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記フィラ
ーを多量に添加した場合は、砥石コーナーダレが激し
く、つまり砥石形状くずれを生じ易いという欠点があっ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、以下、その構成について説
明する。
【0010】本発明のレジンボンド砥石では、樹脂結合
相中に、CuまたはAgの金属をコーティングした球体
のフィラーを、砥粒を除くボンド剤全体に対し3〜65
vol%の添加量で分散させることを特徴とする。
【0011】ここで、上記球体フィラーとしては、ガラ
ス、カーボン、プラスチック等が望ましく、また中空体
であっても良い。
【0012】また、上記球体フィラーの添加量、砥粒
を除くボンド剤全体に対し3〜65vol%としている
のは、この添加量が3%未満では球体フィラーの添加効
果があまり期待できず、65%を越えると結合相の強度
低下が無視できず、砥粒層の型崩れが生じ易くなるため
である。さらに、上記球体フィラーの粒径は砥粒径に対
して50%以下の範囲であることが好ましい。
【0013】また、この球体フィラー表面に、Cuまた
Agの金属をコーティングしているのは、次の理由に
よる。
【0014】すなわち、これらCuまたはAgの金属は
特に熱伝導性に優れており、従ってこのような金属をコ
ーティングした球体のフィラーを上述のような適当な添
加量で分散させることにより、ボンド自体の放熱性を向
上させ、研削熱によるボンド剤の劣化を防止することが
できるからである。また、CuまたはAgは軟質である
ため、これらが砥粒層の表面に露出して被加工物と接触
しても、容易に変形したり摩耗したりしてしまうので、
研削作用に悪影響を及ぼすおそれもない。
【0015】また、上記樹脂結合相は、従来から使用さ
れているフェノール系あるいはポリイミド系など、熱硬
化性および熱可塑性を問わずいかなるものでも良い。砥
粒の粒径や集中度も使用目的に応じて決定される。
【0016】
【作用】上記構成によれば、球体のフィラーが結合相中
に分散しているため、フィラーに接触している結合相の
どの部分にも鋭角な部分が存在しない。このため、通常
の不定形のフィラーを分散させた場合とは異なり、フィ
ラーに接触している結合相に応力集中等によって作用す
る微小繰り返し荷重が軽減されることになり、フィラー
添加によっても結合相全体の強度が低下しにくい。そし
て、このフィラーの添加量を、砥粒を除くボンド剤全体
に対し3〜65vol%としているので、より確実にこ
の結合相全体の強度低下を防ぐ一方、研削面における摩
耗を減らすとともに砥粒の早すぎる脱落を防止すること
ができる。しかも、この球体のフィラーに、Cuまたは
Agの熱伝導性に優れた金属がコーティングされている
ので、ボンド自体の放熱性を向上させて研削熱を速やか
に発散させることができ、この研削熱によるボンド剤の
劣化を防止することができる。さらに、これらの金属は
軟質であるので、研削作用の悪化を招くこともない。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のレジンボンド
砥石について詳しく説明する。図1は本発明の一実施例
であるレジンボンド砥石の砥粒層を示す拡大断面図であ
る。この砥粒層においては、符号1で示される樹脂結合
相間に、球体フィラー2と、超砥粒3とが分散されてい
る。そして、この球体フィラー2の添加量は、超砥粒3
を除く樹脂結合相1のボンド剤全体に対して3〜65v
ol%の範囲に設定されている。また、球体フィラー2
の表面には、CuまたはAgの金属コーティングがなさ
れている。
【0018】上記構成のレジンボンド砥石を製造するに
は、まず、所定の超砥粒3、樹脂結合層1、球体フィラ
ー2を均一に混合して台金とともに型込めし、次いで加
圧加熱成形、焼成を行って固化させる。
【0019】このようにして製造されたレジンボンド砥
石においては、球体フィラー2が結合相1中に分散して
いるため、フィラー2に接触している結合相1のどの部
分にも鋭角な部分が存在しない。このため、通常の不定
形なフィラーを分散させた場合とは異なり、球体フィラ
ー2に接触している結合相1に応力集中等による微小繰
り返し荷重が軽減されることになる。このため、球体フ
ィラー2添加によっても結合相1全体の強度が低下しに
くいものとなる。しかも、この球体フィラー2の添加量
が結合相1のボンド剤全体に対して3〜65vol%と
されているので、このように結合相1の強度を維持して
砥粒層の型崩れを防ぎつつも、研削面における摩耗を減
らすとともに砥粒の早すぎる脱落を防止するといったフ
ィラー添加効果も十分に奏することができる。そして、
上記球体フィラー2の表面には熱伝導性に優れたCuま
たはAgの金属コーティングがなされているので、この
ような球体フィラー2を上述のような適当な添加量で結
合相1に分散させることにより、ボンド自体の放熱性を
向上させることができ、研削時に発生する研削熱を速や
かに発散させることが可能となって、このような研削熱
によるボンド剤の劣化を効果的に防止することができ
る。また、これらの金属は軟質であるので、かかる金属
をコーティングしたフィラー2が砥粒層の表面に露出し
て被加工物に接触しても、これが容易に変形したり摩耗
したりするため、研削作用に悪影響を及ぼすのを防ぐこ
とができる。
【0020】また、上記球体フィラー2を中空球体フィ
ラー4に代えても良く、この場合は、切削加工時に、図
2に示すように、中空球体フィラー4の一部が破壊する
ことによって容易にチップポケットが生じ、切粉の排出
性および研削液の保持性が大幅に向上し、砥石の目つま
りが防止されるという優れた効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明のレジンボン
ド砥石では、樹脂結合相中に、CuまたはAgの金属を
コーティングした球体のフィラーを、砥粒を除くボンド
剤全体に対し3〜65vol%の添加量で分散させたの
で、フィラーに接触している結合相のどの部分にも鋭角
な部分が存在せず、フィラーに接触している結合相に応
力集中等によって作用する微小繰り返し荷重が軽減され
ることになり、フィラー添加によっても結合相全体の強
度が低下しにくい。
【0022】従って本発明のレジンボンド砥石によれ
ば、研削面における摩耗を減らすとともに砥粒の早すぎ
る脱落を防止しつつも、結合相全体の強度が低下しにく
い砥石を提供することができる。しかも、この球体のフ
ィラーにコーティングされる金属が、CuまたはAgと
いった熱伝導性に優れた金属であるので、かかる金属を
コーティングしたフィラーを上述のような添加量で分散
させることにより、ボンド自体の放熱性を向上させるこ
とができ、研削加工時に発生する研削熱を速やかに発散
させてボンド剤自体の劣化を効果的に防ぐことが可能と
なる。さらに、これらの金属は軟質であるので、かかる
金属をコーティングした球体のフィラーが砥粒層の表面
に露出して被加工物に接触しても、これらは容易に変形
したり摩耗したりしてしまい、このため研削作用に悪影
響を及ぼすおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレジンボンド砥石の一実施例を示す拡
大断面図である。
【図2】フィラーを中空にした場合の切削加工時におけ
る拡大断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂結合相 2 球体フィラー 3 超砥粒 4 中空球体フィラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 勝俊 福島県いわき市泉町黒須野字江越246− 1 三菱マテリアル株式会社 いわき製 作所内 (56)参考文献 特開 昭63−256364(JP,A) 特開 昭63−200969(JP,A) 特開 昭54−13090(JP,A) 特開 昭57−21270(JP,A) 特開 昭49−57484(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24D 3/28 B24D 3/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂結合相中に超砥粒を分散してなる砥
    粒層を有するレジンボンド砥石において、上記樹脂結合
    相中に、CuまたはAgの金属をコーティングした球体
    のフィラーを、砥粒を除くボンド剤全体に対し3〜65
    vol%の添加量で分散させたことを特徴とするレジン
    ボンド砥石。
JP4074740A 1992-03-30 1992-03-30 レジンボンド砥石 Expired - Lifetime JP2834363B2 (ja)

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