JP3376243B2 - 半導体スイッチング装置、これを使用した半導体スタック装置および電力変換装置 - Google Patents

半導体スイッチング装置、これを使用した半導体スタック装置および電力変換装置

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JP3376243B2 JP11958097A JP11958097A JP3376243B2 JP 3376243 B2 JP3376243 B2 JP 3376243B2 JP 11958097 A JP11958097 A JP 11958097A JP 11958097 A JP11958097 A JP 11958097A JP 3376243 B2 JP3376243 B2 JP 3376243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゲート電極を有
する半導体スイッチング素子、および電流路を介して上
記半導体スイッチング素子のゲート電極とカソード電極
との間にターンオフ電流を供給するゲートドライバを備
えた半導体スイッチング装置、この半導体スイッチング
装置を使用してなる半導体スタック装置および電力変換
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体スイッチング装置の回路構
成の一例を、図22に示す。同図において、参照符号3
Pは半導体スイッチング素子であり、ここでは、それは
GTO(ゲートターンオフ・サイリスタ)である。GT
O3Pのゲートとカソード間には、ゲートターンオン制
御電流IGPを発生させるゲートドライバ4Pが接続され
ており、同ドライバ4Pは、上記ゲートターンオン制御
電流IGPをGTO3Pのゲートに印加することで、GT
O3Pをターンオンさせる。更に、同ドライバ4Pは、
電流変化率dIGQP/dtが20〜50A/μsで与え
られるゲート逆電流IGQPをゲートからカソードに向け
て通電する。このゲート逆電流IGQPは、アノード電流
APより分流したものである。このとき、ターンオフゲ
インは2〜5までの範囲内の値となり、GTO3Pはタ
ーンオフする。
【0003】又、アノード電極とカソード電極間電圧V
AKPの上昇率(dVAKP/dt)とサージ電圧とを抑える
ために、一般にスナバ回路が用いられる。ここでは、ス
ナバ回路は、次の通りに構成される。即ち、スナバコン
デンサCsとスナバダイオードDSとがGTO3Pに対
して並列に接続されており、また、GTO3Pのターン
オフ時にスナバコンデンサCsに充電された電荷を放電
するために、スナバ抵抗RSがスナバダイオードDSに対
して並列に接続されている。
【0004】又、インダクタンス1Pは、GTO3Pが
ターンオンしたときに流れる陽極電流IAPの上昇率dI
AP/dtを1000A/μs以下に抑えるためのもので
あり、インダクタンス1Pに対して並列接続された還流
ダイオード2Pは、GTO3Pがターンオフした時にイ
ンダクタンス1Pに発生したエネルギーを還流させるた
めのものである。
【0005】尚、インダクタンスLsは、上記スナバ回
路の配線の浮遊インダクタンスである。
【0006】上記の半導体スイッチング装置の回路に対
して、ターンオフ試験を実施して得られた実測波形を、
図23に示す。同図において、波形C1P、C2P及び
C3Pは、それぞれ陽極電流IAP、アノード電極とカソ
ード電極間電圧VAKP及びゲート逆電流IGQPを示す波形
であり、横軸は時間軸である。
【0007】図23において、時刻tP1ではGTO3
Pはターンオン状態にあり、ゲート逆電流IGQPは0の
状態にある。この時に、ゲート逆電流IGQPの上昇率d
GQP/dtの絶対値を20〜50A/μsとしてゲー
ト逆電流IGQPを立ち上げ、GTO3P自身が持つター
ンオフゲイン(陽極電流IAP/ゲート逆電流IGQPで与
えられる比の絶対値)のしきい値に当該ターンオフゲイ
ンが達すると(時刻tP2)、陽極電流IAPは減少し始
め、GTO3Pのアノード電極とカソード電極間電圧V
AKPが上昇し始める。この時、前述したスナバ回路側に
も電流ISが流れ出すこととなり、この電流ISの上昇率
とスナバ回路のインダクタンス(スナバインダクタン
ス)Lsにより電圧が発生し、この電圧がアノード電極
とカソード電極間電圧VAKPに重畳される結果、スパイ
ク電圧VDSPが発生する(時刻tP3)。このスパイク
電圧VDSPは、電力損失の原因となる。例えば、約40
00Aの電流が流れるときは、上記電力ロスは数MWに
もなる。そのため、このスパイク電圧VDSPを出来る限
り低い値に抑える必要があり、従来よりスナバインダク
タンスLSを低減する努力が続けられてきた。
【0008】又、スパイク電圧VDSPの発生後のアノー
ド電極とカソード電極間電圧VAKPの上昇率dVAKP/d
tが急峻に変化し、陽極電流IAPに極大値が発生し(時
刻tP4)、それ以後は、テール電流が発生する。その
ため、このテール電流と上記電圧VAKPとの積により、
電力損失が更に発生する。そして、上記電圧VAKPは、
時刻tP5において、ピーク電圧に達する。その後は、
上記電圧VAKPは、電源電圧VDDに到達する。
【0009】そこで、このような上昇率dVAKP/dt
を抑制するために、既述したスナバコンデンサCSが必
要となる。その容量値は、IAP/(dVAKP/dt)で
表され、通常は、dVAKP/dt≦1000V/μsの
関係式を満足するように選定されている。
【0010】図24及び図25は、図22で示した従来
の半導体スイッチング装置で用いられているGTO3P
の構造(同構造は、GTO素子のパッケージと2つのス
タック電極に大別される。)を示した図であり、両図
は、ゲートドライバ4Pを含めて図示されている。その
内、図24は、図25に示す矢印方向DP2から眺めた
GTO3Pの側面図を示すものであるが、その内の一部
分だけは断面図形式で以て表示されている。又、図25
は、図24に示す矢印方向DP1からGTO3Pを見た
ときのスタック電極27Paを除いた部分の平面図であ
る。
【0011】両図24、25において、各参照符号は以
下の部材を示す。即ち、20PはGTO素子、4PLは
ゲートドライバ4Pの内部インダクタンス、21P及び
22Pは、それぞれ、共に同軸構成のシールド線もしく
はツイストされたリード線からなるゲート外部リード
(ゲート取り出し線)及びカソード外部リード(カソー
ド取り出し線)である。そして、GTO素子20Pのゲ
ート端子25Pとゲート外部リード21Pの一端とを金
属性の連結部材23Pに溶接又は半田付けすることによ
り、又は嵌合することにより、両者25P、21Pを一
体化すると共に、カソード端子26Pとカソード外部リ
ード22Pの一端とを金属性の連結部材24Pに溶接又
は半田付けして、又は嵌合して、両者26P、22Pを
一体化する。これにより、両端子25P、26Pは、そ
れぞれ上記リード21P、22Pを介してゲートドライ
バ4Pに接続される。
【0012】参照符号27Pa、27Pbは、GTO素
子20Pを加圧するためのスタック電極である。
【0013】参照符号28PはGTOのセグメントが形
成された半導体基板であり、半導体基板28Pの上側表
面の最外周部上にA1(アルミニウム)のゲート電極2
9Paが形成され、そのゲート電極29Paよりも内側
の上記上側表面上にカソード電極29Pbが各セグメン
トに対応して形成されている。又、30P及び31P
は、それぞれ半導体基板28Pの上側表面上のカソード
電極29Pbの上側表面上に順次積載して配設されたカ
ソード歪緩衝板及びカソードポスト電極であり、他方、
32P及び33Pは、それぞれ半導体基板28Pの裏面
に形成されたアノード電極(図示せず)(上記裏面中、
カソード電極29Pbとは、反対側に位置する面に該当
している)上に順次積載されたアノード歪緩衝板及びア
ノードポスト電極である。
【0014】又、34Pは半導体基板28Pのゲート電
極29Paの上側表面に接したリング状ゲート電極、3
5Pは環状絶縁体36Pを介してリング状ゲート電極3
4Pをゲート電極29Paに押圧する皿バネ、37P
は、リング状ゲート電極34Pをカソード歪緩衝板30
P及びポスト電極31Pから絶縁するための絶縁シート
であり、38Pは、その一端がリング状ゲート電極34
Pにろう付けあるいは溶接などによって固着され且つそ
の他端がゲート端子25Pに電気的に接続されたゲート
リードであり、39Pは、その一他がカソードポスト電
極31Pに固着され且つ他端がカソード端子26Pをな
した第1のフランジであり、40Pはアノードポスト電
極33Pにその一端が固着された第2のフランジであ
り、41Pは、その開口の内面上にゲート端子25Pが
配設された、しかも突起部42Pを有する絶縁筒であ
り、絶縁筒41Pの上下面より突出した両端部43P
a、43Pbはそれぞれ第1及び第2のフランジ39P
及び40Pと気密に固着されており、これによりGTO
素子20Pは密閉された構造となっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体スイッチ
ング装置には、大別して2つの問題点がある。
【0016】(1)先ず、その第一は、例えば図25に示
したように、ゲート逆電流の取り出しリード21Pがリ
ング状ゲート電極34Pの内の局所的な部分から取り出
されているという点である。このため、ゲート逆電流の
取り出しが一方向となる。その結果、ターンオフ時に、
カソード電流の不均一が発生し、上述したスパイク損失
やテール電流による損失という電力損失が全てGTO内
部のカソード面の一部に局部的に集中し、局部的な温度
上昇の発生によりGTOの各素子ないし各セグメントが
破壊されて導通状態となり、結果的にターンオフが失敗
するという事態が起こる蓋然性が高いという問題点があ
り、このため装置としての信頼性に問題が生じていた。
【0017】この点を模式的に説明するのが、図26の
GTO素子の平面図と、図27のGTO素子の断面図で
ある。図27は、図26に示す線CSA−CSBに関す
る縦断面図にあたる。即ち、円柱状のウェハ内に形成さ
れたGTOの各素子の内で、リング状ゲート電極34P
に近い領域、例えば領域REO内に形成されたものほ
ど、そのゲート逆電流は、それよりも内側の領域REI
にあるGTO素子の場合よりも、より一層早く引き抜か
れることとなり、従って、より早くターンオフされるこ
ととなる。それに対して、ウェハ中心部の領域REC内
に形成されたGTOのセグメントは最もターンオフする
のに長い時間を必要とすることとなり、この中心部領域
REC内の各セグメントのカソード電極へ向けて、その
周りの各セグメントからカソード電流IKが流入してく
ることとなるので、GTOのウェハ内部の一部に電流集
中が生じてしまうのである。
【0018】(2)第2の問題点は、スナバ回路、特にス
ナバコンデンサの存在に起因するものである。即ち、上
述したように、ターンオフ時にスナバコンデンサCs
(図22)にチャージアップされた電荷は、次回のター
ンオフ迄にこれを完全に放電しておく必要がある。そこ
で、GTO3Pのターンオン時にスナバ抵抗RSを通し
て上記電荷を放電しているが、このため、大きな電力損
失が生じている。この時のスナバ抵抗RSに生じる消費
電力の容量は、PW=1/2*Cs*f(VDD 2+(V
DM−VDD2)の関係式で表される。ここで、VDDは電
源電圧、VDMはスナバコンデンサCSがターンオフ時に
チャージアップされたときの電圧である。そのため、装
置全体を冷却するための冷却装置を設ける必要性が生じ
る。
【0019】このような電力容量のスナバ抵抗を接続す
ることは、当該スナバ抵抗で生じる電力分だけが、本来
伝達すべき電力の内のロス分となってしまい、効率の低
下をもたらすと共に、上記冷却装置の設置の必要性を生
じさせるので、その点が、装置全体の簡素化、小形化を
すすめる上で大変大きな問題となっていた。
【0020】そこで、これら問題を解決するため、第
1、第2及び第3電極を有し、前記第3電極に印加され
たターンオン制御電流に応じてオン状態となったときは
前記第1電極に流れ込む主電流を前記第1電極から前記
第2電極へと直接に流す半導体スイッチング素子と、前
記第3電極と前記第2電極との間に接続され、前記ター
ンオン制御電流を生成して前記第3電極に印加する駆動
制御手段とを備え、ターンオフ時には、前記主電流の全
てを前記ターンオン制御電流とは逆方向に前記第1電極
から前記第3電極を介して前記駆動制御手段へと転流さ
せた、半導体スイッチング装置を案出し、一応の解決を
図った。しかし、現実に製品化を図る上で更なる検討を
加えたところ、半導体スイッチング素子とゲートドライ
バとの接続、特に両者を接続する導体と半導体スイッチ
ング素子との結合部分の構成には、高い加工精度が要求
され、組立作業が煩雑になるという問題点を解決する必
要があることが判明した。
【0021】この発明は、以上のような問題点を解決す
るためになされたもので、半導体ウエハ内の一部の半導
体スイッチング素子に電力損失が局部的に集中すること
を防止して素子破壊を防止し、以て装置の信頼性向上を
図るような半導体スイッチング装置等において、上記導
体と半導体スイッチング素子との結合が簡単な構造とな
り、組立作業も容易簡便となる半導体スイッチング装
置、これを使用した半導体スタック装置および電力変換
装置を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る半導体ス
イッチング装置は、半導体スイッチング素子を周方向に
延在するゲート端子を備えたものとし、電流路に固定さ
れた固定部材、所定の開口部を有しヒンジを介して上記
固定部材に回動可能に取り付けられ上記電流路との間に
上記ゲート端子を挟持圧接して上記ゲート端子と上記電
流路とを電気的に接続する可動部材、および上記可動部
材の反ヒンジ側端部に配設され上記圧接力の保持解除を
行う係合部材を備えたものである。
【0023】請求項2に係る半導体スイッチング装置
は、半導体スイッチング素子を周方向に延在するゲート
端子を備えたものとし、電流路をゲート側電流路を形成
する第1の導電層とカソード側電流路を形成する第2の
導電層とを絶縁層を介して積層してなる配線基板とし、
上記配線基板の上記第1の導電層が形成された一方の面
に固定された取付座、上記半導体スイッチング素子のゲ
ート端子からアノード電極側の部分を挿通可能な開口部
を有しヒンジを介して上記取付座に回動可能に取り付け
られたゲート押え板、および上記ゲート押え板の反ヒン
ジ側端部を上記配線基板へ圧接しまたその解除を行う留
め具を備え、上記ゲート押え板により上記配線基板の一
方の面に露出させた上記第1の導電層に上記ゲート端子
を圧接し上記ゲート端子と上記第1の導電層とを電気的
に接続するようにしたものである。
【0024】また、請求項3に係る半導体スイッチング
装置は、請求項2において、その半導体スイッチング素
子のカソード電極に当接し軸方向に圧接されて固定され
る導体板、配線基板を介して取付座およびゲート端子の
圧接部と軸方向に対向して配設され、上記配線基板の他
方の面に露出させた第2の導体層と上記導体板との間に
介在するカソードスペーサリング、上記導体板とカソー
ドスペーサリングとを互いに圧接結合する第1の締付
具、および上記取付座とカソードスペーサリングとで上
記配線基板を挟持圧接し互いに結合する第2の締付具を
備えたものである。
【0025】また、請求項4に係る半導体スイッチング
装置は、請求項2または3において、その配線基板を、
第1および第2の導体層を複数対、上記両導体層を交互
に積層してなるものとし、半導体スイッチング素子との
接続位置近傍において、上記第1の導体層同士および第
2の導体層同士をスルーホールで互いに電気的に接続す
るようにしたものである。
【0026】請求項5に係る半導体スイッチング装置
は、半導体スイッチング素子を周方向に延在し互いに電
気的に絶縁されて表裏に形成されたゲートドライバ接続
用のゲート端子およびカソード端子を備えたものとし、
電流路をゲート側電流路を形成する第1の導電層とカソ
ード側電流路を形成する第2の導電層とを絶縁層を介し
て積層してなる配線基板とし、上記配線基板の上記第1
の導電層が形成された一方の面に固定された取付座、上
記半導体スイッチング素子のゲート端子からアノード電
極側の部分を挿通可能な開口部を有しヒンジを介して上
記取付座に回動可能に取り付けられるとともに上記配線
基板側の一方の面に第3の導電層が固着されたゲート押
え板、および上記ゲート押え板の反ヒンジ側端部を上記
配線基板へ圧接しまたその解除を行う留め具を備え、上
記配線基板の上記ヒンジ位置近傍から上記ゲート押え板
側の領域における上記第1の導電層を上記第2の導電層
から分岐させて上記第3の導電層に電気的に接続したも
のとするとともに当該領域における第2の導電層を露出
させたものとし、上記ゲート押え板の第3の導電層と上
記配線基板の第2の導電層との間に上記ゲート端子およ
びカソード端子を挟持圧接することにより、上記ゲート
端子と上記第1の導電層および上記カソード端子と上記
第2の導電層をそれぞれ電気的に接続するようにしたも
のである。
【0027】請求項6に係る半導体スタック装置は、請
求項1ないし5のいずれかに記載の半導体スイッチング
装置を使用したもので、半導体スイッチング素子と上記
半導体スイッチング素子からの発熱を放熱する冷却部材
とを積み重ね取付枠内に配置してなるものである。
【0028】請求項7に係る電力変換装置は、請求項1
ないし6のいずれかに記載の半導体スイッチング装置を
使用したもので、半導体スイッチング素子をゲート制御
して電力変換を行うゲート制御装置を備えたものであ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の半導体スイッチング装置
又は半導体スイッチング素子は、車両用電力変換装置
や、UPS(無停電電力システム)や、産業用電力変換
装置等の各種の電力変換装置に用いられる、パワーデバ
イスである。
【0030】本発明が提案する、新規な半導体スイッチ
ング素子の制御方法の核心部は、オン状態にある半導体
スイッチング素子に流れる主電流の全てを、駆動回路へ
転流させ、これにより半導体スイッチング素子をターン
オフ状態とする点にある。
【0031】以下では、そのような半導体スイッチング
素子として、ゲートターンオフ・サイリスタ(以下、G
TOと称す)を用いた例を示す。この場合には、GTO
の第1、第2及び第3電極は、それぞれアノード電極、
カソード電極及びゲート電極にあたる。尚、上記半導体
スイッチング素子としては、GTOのような4層構造を
もつものに限られるわけではなく、3層構造を有するト
ランジスタを本発明の半導体スイッチング素子として用
いることも可能である。この場合には、NPNトランジ
スタ利用のときは、第1、第2、第3電極は、それぞれ
コレクタ電極、エミッタ電極及びベース電極にあたり、
又、PNPトランジスタ利用のときは、第1、第2及び
第3電極は、それぞれエミッタ電極、コレクタ電極及び
ベース電極に該当する。
【0032】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1に係る半導体スイッチング装置10の回路構成を示
す。同図において、各参照符号は、それぞれ次の回路要
素を示す。即ち、3は半導体スイッチング素子としての
GTOであり、このGTO3のゲート電極3Gとカソー
ド電極3Kのノード13との間に、ゲートドライバ4
(駆動制御手段)が接続される。
【0033】ゲートドライバ4は、その駆動電源4a
(電源電圧VGD(例えば20V))、コンデンサ4b、
インダクタンス4C、トランジスタ4dから成る。尚、
その詳細な構成を、後述する図2で示す。
【0034】このゲートドライバ3は、GTO3をター
ンオンさせるためのターンオン制御電流IGを発生し
て、配線経路ないしラインL1を介してこの電流IG
ゲート電極3Gに印加する。これに応じて、GTO3は
オン状態となる。又、11はノードであり、9は同装置
10を駆動するための電源、即ち同装置10の主回路用
電源(電源電圧VDD)である。
【0035】他方、1は、GTO3がターンオンした時
に流れる主電流ないし陽極電流IAの上昇率dIA/dt
を抑制するためのインダクタンスであり、2は、GTO
3がターンオフした時にインダクタンス1に発生するエ
ネルギーを還流させるための還流用ダイオードである。
【0036】5は、アノード電極3Aのノード11とカ
ソード電極3Kのノード12との間にGTO3に対して
並列に接続されており、かつGTO3がターンオフした
時にアノード・カソード電極間電圧VAKの上昇に伴って
発生するピーク電圧のみを抑制するためのピーク電圧抑
制回路である。同回路5は、後述するように、上記電圧
AKがターンオフ時にGTO3の電圧阻止能力に応じて
定まる所定の電圧値に所定の時間だけ上記電圧VAKを保
持ないしクランプする機能を有する。
【0037】ここでは、ターンオフ時に、従来、主電流
Aより分流してゲートドライバ4側へ流入していたゲ
ート逆電流IGQの変化率ないし上昇率(勾配)dIGQ
dtの絶対値を出来る限り大きくして(理想的には、|
dIGQ/dt|は∞)、主電流IAの全てをゲート逆電
流IGQとしてゲートドライバ4を介してノード12へ流
すこととする。即ち、主電流IAとゲート逆電流IGQ
の比の絶対値で定まるターンオフゲインG(=|IA
GQ|)を1以下(G≦1)に設定することで、主電流
Aの全てを、ターンオン制御電流IGとは逆方向に、ア
ノード電極3Aからゲート電極3Gを介してゲートドラ
イバ4及びノード12側へと転流させ、以てGTO3を
ターンオフさせる。このとき、アノード電極3Aからカ
ソード電極3Kへ向けて直接GTO3内部を流れるカソ
ード電流IKは、直ちに全く流れなくなる。その意味
で、本方式は、主電流IAの分流ではなくて、「主電流
Aの転流」を実現しているのである。
【0038】ここで、ゲートドライバ4の駆動電源(主
電源)4aの電源電圧値VGDと、ループR1のインダク
タンス値との関係に応じて、上昇率dIGQ/dtの値を
変化させることができるので、両者4(4a)、R1の
値を適切に設定することで、上昇率|dIGQ/dt|を
限りなく∞値に近い極めて大きな値に設定してやれば、
極めて短時間で主電流IAを全てゲートドライバ4側へ
転流させることができる。
【0039】他方、そのようなゲート逆電流IGQの転流
をゲートドライバ4単独で以て実現することは、当該ド
ライバ4の駆動電源4aがとりうる電源電圧値VGDに限
界があるため容易でないが、その反面、ゲートドライバ
4の駆動電源電圧VGDを設定可能な実用値に設定してお
き、ゲートターンオフゲインGを1以下とするために必
要な上昇率dIGQ/dtの絶対値を実現しうるループR
1の内部インダクタンスの値を設定することは、現実に
可能である。
【0040】そこで、ゲート電極3Gからゲートドライ
バ4までのラインL1と、ゲートドライバ4と、ゲート
ドライバ4からノード13を介してカソード電極3Kま
でのラインL2と、ゲート・カソード電極間のGTO3
内部の経路とからなるループないし経路R1内の(浮
遊)内部インダクタンスの値を、ターンオフゲインGを
1以下とするのに必要な値にまで低減させることが求め
られる。
【0041】但し、ゲートドライバ4は、主電流IA
上の値のゲート逆電流IGQを流せるだけのキャパシタン
スを有するように、設定されなければならない。
【0042】例えば、ゲートドライバ4の主電源4a
電源電圧VGDを20Vに設定し、上昇率dIGQ/dtの
絶対値を約8000A/μsに設定する場合には、上記
ループR1のインダクタンス値は2.5nH以下、ゲー
トドライバ4の内部インダクタンス値は1nH以下とす
るのが好ましい。
【0043】そのようなキャパシタンスを有するゲート
ドライバ4の具体的な回路図を、図2に示す。同図にお
いて、駆動電源50はゲートドライバ4を駆動するため
の主電源であり、副電源51はターンオンゲート電流用
の電源、副電源52はターンオン用トランジスタTr1、
Tr2を駆動するための駆動回路56用の電源、副電源5
3はターンオフゲート電流用の電源、副電源54はター
ンオフ用トランジスタTr3を駆動するための駆動回路5
7用の電源、副電源55は制御信号62よりターンオン
信号及びターンオフ信号を生成する回路部58を駆動す
るための電源であり、トランジスタTr1は図3に示すタ
ーンオン・ハイゲート電流IG1を供給するためのスイッ
チであり、トランジスタTr2はターンオン・定常ゲート
電流IG2を供給するためのスイッチ、トランジスタTr3
はターンオフゲート電流IGQ(ゲート逆電流)を供給す
るためのスイッチである。尚、上記電流IG1、IG2を総
称したのが、ターンオン制御電流IGである。C1はター
ンオンゲート電流IG用のコンデンサであり、C2はタ
ーンオフゲート電流IGQ用のコンデンサである。
【0044】以上のゲートドライバ回路4において、外
部より制御信号62を与えると、ノイズカット回路59
は制御信号62より制御信号62に含まれるノイズ成分
を取り除き、ノイズ除去された制御信号を受けて、ター
ンオン信号生成回路60、ターンオフ信号生成回路61
は、それぞれターンオン用信号63とターンオフ用信号
64を生成して、各信号63、64を対応する駆動回路
56、57へ供給する。
【0045】同信号63、34を受け取った両駆動回路
56、57は、次の通りに動作する。即ち、時刻t01
おいて、駆動回路56は、トランジスタTr1を駆動でき
るだけの信号を生成し、これをトランジスタTr1のベー
スへと供給する。ここで、両コンデンサC1とC2は、
それぞれ副電源51と副電源53により充電されている
ので、ターンオン・ハイゲート電流IG1がコンデンサC
1からトランジスタTr1を通してGTO3へと流れる。
そして、時刻t02において、駆動回路56は、トランジ
スタTr1のベース電流の供給を止め、今度は、トランジ
スタTr2を駆動できるだけのベース電流を発生して、こ
れをトランジスタTr2のベースへ供給する。これによ
り、トランジスタTr1はオフし、代わってトランジスタ
Tr2がオンし、ターンオン・定常ゲート電流IG2がコン
デンサC1からトランジスタTr2を通してGTO3へと
流れる。
【0046】また、時刻t1では、駆動回路56はトラ
ンジスタTr2のベース電流の供給を止め、駆動回路57
が、信号64に応じて、トランジスタTr3をオンするの
に必要なベース電流を生成して、これをトランジスタT
r3のベースへ供給する。これにより、トランジスタTr2
はオフし、代わってトランジスタTr3がオンする結果、
コンデンサC2に充電されている電荷がトランジスタT
r3を介してGTO3側へと放電されることとなり、従っ
て、ターンオフゲート電流IGQがGTO3からトランジ
スタTr3を通してGTO3のカソード電極3Kのノード
13へ流れることとなる。しかも、この電流IGQは、極
めて短時間の間に主電流IAの絶対値と等しいか、又は
それ以上の値となり、逆に、カソード電流は極めて短時
間の間に0値へ減少する。
【0047】上述した通り、ターンオフゲインGが1以
下となるような上昇率dIGQ/dtを実現するために
は、ゲートドライバ4内部の配線経路を含むループR1
全体のインダクタンス値を低減することが必要である。
そして、この点は、GTO素子の配線ないしパッケージ
構造という機構部品の改良を以て実現することが望まれ
る。
【0048】しかるに、従来のGTO3Pのパッケージ
構造は、図24及び図25で示した様な構造となってい
るため、GTO素子20Pの内部のインダクタンス(リ
ード21P〜リング状ゲート電極34P〜カソード電極
30P〜リード22Pまでの経路のインダクタンス)
は、例えば50nH程度もの大きな値であった。この値
では、到底、約8000A/μsもの上昇率dIGQ/d
tを達成することはできない。従って、このGTO素子
20Pの内部インダクタンス値を、例えば2nH以下と
いうような所望値にまで低減するためには、ゲート側の
連結部23P及びカソード側の連結部24PとGTO素
子20Pのゲート端子25P及びカソード端子26Pと
のそれぞれの結合で生じるロスや、ゲート外部リード2
1P及びカソード外部リード22Pとゲートドライバ4
Pとのそれぞれの結合で生じるロスや、ゲートリード3
8Pのインダクタンス値や、更にはループR1中の全イ
ンダクタンス値の内の90%をも占めるゲート及びカソ
ードの各外部リード線21P、22P自体のインダクタ
ンス値を低減する必要がある。
【0049】そこで、本願出願人は、上述した観点から
GTO素子のパッケージ構造を検討し、改良を加えるこ
ととし、その結果、つぎの様な構造を有する圧接型半導
体素子を実現した。
【0050】即ち、図4は、圧接型GTO素子20と、
それを上下方向から加圧するスタック電極27a、27
bとを示す断面図であり、又、図5は、図4に示す矢印
方向D1からGTO素子20を眺めた正面図(スタック
電極27aを除く)である。従って、図5の線SA−S
Bに関する縦断面図が図4にあたる。
【0051】両図4、5において、各参照符号は、以下
の部材を示す。即ち、20は圧接型半導体素子、即ち、
ここではGTO素子の全体を示し、28はGTOの各セ
グメントが形成された半導体基板であり、半導体基板2
8の上側表面の内の外周部側に位置する面上にA1(ア
ルミニウム)のゲート電極29aが形成されており、さ
らにゲート電極29aよりも内側の半導体基板28の上
側表面上には、各セグメントの位置に対応して各カソー
ド電極29bが形成されている。各セグメントの構造な
いしGTO素子のウェハ構造は、図27の断面図に示し
た構造と同様である。
【0052】30及び31は、それぞれ半導体基板28
の上側表面上のカソード電極29bの上側表面上に順次
に積載されたカソード歪緩衝板及びカソードポスト電極
であり、他方、32及び33は、それぞれ半導体基板8
の裏面上に形成された図示しないアノード電極の表面
(カソード電極29bと反対側の面)上に順次に積載さ
れたアノード歪緩衝板及びアノードポスト電極であり、
34は半導体基板28のゲート電極29aの上側表面に
接するリング状ゲート電極であり、38は環状金属板か
らなるリング状ゲート端子であって、その内周平面25
がリングゲート電極34と摺動可能に同電極34に対し
て接触・配置されている。35は、環状絶縁体36を介
して、リング状ゲート端子38とともに、リング状ゲー
ト電極34をゲート電極29aに対して押圧するための
皿バネあるいは波バネのような弾性体であり、37は、
リング状ゲート電極34をカソード歪緩衝板30及びカ
ソードポスト電極31から絶縁するための絶縁シート等
からなる絶縁体であり、26は、その一端部分がカソー
ドポスト電極31に固着された第1のフランジであり、
40は、その一端部分がアノードポスト電極33に固着
された第2のフランジであり、41はセラミック等から
なり、リング状ゲート端子38を挟んで上下に分割され
且つ突起部42を有する絶縁筒である。そして、リング
状ゲート端子38の外周側部分23が絶縁筒41の側面
から外部に突出するとともに、その他端38Eよりも内
周側の位置に取り付け穴21が所定の間隔で複数個設け
られている。そして、上側の絶縁筒41の上面より上方
に突出した部分43aが第1のフランジ26の他端部2
6Eと気密に固着され、下側の絶縁筒41の裏面より下
方に突出した部分43bが第2のフランジ40の他端部
と気密に固着されており、これによって圧接型半導体素
子20は、密閉されたパッケージ構造になっている。
尚、この内部は、不活性ガスで置換されている。
【0053】又、図6は、ゲートドライバ4の機構部分
を示す平面図であり、図7は、ゲートドライバ4に図
4、図5に示した構造のGTO素子20(スタック電極
27a、27bで加圧されている)を装着した状態を示
す縦断面図である。両図6、7において、参照符号4A
はゲートドライバ本体4Cをカバーするためのケース
を、4Bはゲートドライバ本体4Cの座となるケースを
各々示しており、70はゲートドライバ本体4とGTO
素子20とを電気的に接続するための、回路パターンが
形成された基板全体を示している。同基板70は、丁
度、従来パッケージのゲートリード線21P、22P
(図24)に代わるものであって、GTO素子20の重
量をささえ得るだけの強度を有する。71は、GTO素
子20のカソード電極29bと圧接により接続されるカ
ソード電極であり、スタック電極27aにあたる。21
Aは、ゲートドライバ4の基板70に対応する取り付け
穴21を介してGTO素子20を接続する為の、基板7
0に設けられた取り付け穴であり、ゲートドライバ4と
GTO素子20とを接続する為には、例えば6つ程度の
取り付け穴21Aが必要となる。
【0054】上述した基板70は、絶縁体を挟んで対向
した次の2つの回路パターン基板を有する。即ち、同基
板70は、ゲートリード基板72、カソードリード基板
73、両基板72と73とを絶縁するための絶縁体74
とを有している。このような多層基板構造を設けたの
は、ゲートドライバ4側の内部インダクタンスを低減す
るためである。GTO素子本体20は、ネジ75、76
又は溶接、かしめ等により、ゲートドライバ本体4Cと
接続される。
【0055】以上のように、本GTO3の気密パッケー
ジは、半導体基板上に形成された内部のゲート電極29
a側からゲートドライバ本体4C側へ向けて延長された
リング状ないし円盤状のゲート電極38を有しており、
しかも当該パッケージ(20)は、上記リング状ゲート
電極38の外周部分を直接ゲートドライバ4の本体4C
より延びた基板70に取り付け穴21Aを介して接続・
固定するだけで、ゲートドライバ4に接続される。その
ため、当該接続にあたっては、ゲートリード線は一切使
用されていない。従って、従来構成における問題点は全
て改善される。即ち、従来、GTO素子の内部ゲートリ
ード部とGTO素子のゲート端子及びカソード端子との
それぞれの結合で発生していた結合ロスというものは、
上述のようにゲートリードの取り出しを円盤状構造とす
ることにより大幅に低減されると共に、従来、外部ゲー
トリード線とゲートドライバとの結合により生じていた
結合ロスに相当する電力ロスは、この発明では円盤状の
ゲートリード部ないしゲート電極38の全体がゲートド
ライバ4のゲート電流通電用基板70に直接に接続され
るため、大幅に低減される。更に、従来、ループR1の
全インダクタンスの90%をも占めていた外部ゲートリ
ード線自体のインダクタンスは、この発明では、それら
自体が使用されないため、存在しない。
【0056】この様に、GTO素子20(3)の内部イ
ンダクタンスの低減とゲートドライバ4の内部インダク
タンスの低減とを実現することが可能となった。これら
の改善に加えて、更に、GTO素子20とゲートドライ
バ4との接続を既述したように工夫を行うことにより
(図7)、GTO素子3を、ターンオフゲインG≦1と
いう条件で以てターンオフさせることが可能な上昇率d
GQ/dtの領域を現実に発生させることが可能となっ
た。
【0057】尚、ゲート電流を、図8の平面図に示す基
板70Aを用いて、対角に位置する2方向、又は4方向
へと取り出すようにしても良く、更にそれ以上の方向へ
とゲート電流を取り出すようにしても良い。
【0058】以上の様な回路構成、機構を備える半導体
スイッチ装置の動作を、図9と図10に基づき説明す
る。尚、図9は、動作波形を示しており、図10は、G
TO3をPNPトランジスタ80とNPNトランジスタ
81とから成る回路構成に置き換えた場合の等価モデル
を示す。
【0059】図9において、GTO3がターンオンして
陽極電流IAが流れている状態の時に(時刻t1)、制御
信号62(図2)に応じてゲートドライバ4がゲート逆
電流IGQを急激な上昇率ないし傾きで以て上昇させる
と、ゲート逆電流IGQは、その絶対値が極めて短時間に
陽極電流IAの絶対値と等しい電流値に達する(IGQ
−IA)(時刻T2)。この状態で、GTO3のアノード
電極3Aに流れ込む陽極電流IAは全てゲート電極3
G、配線経路L1を介してゲートドライバ4に転流し、
|GTO3の陽極電流IA|≦|ゲート逆電流IGQ|の
関係式が成立し、カソード電流IK=0の状態となる。
これ以降、ゲート逆電流IGQは、GTO3が完全にター
ンオフするまで、|IA|≦|IGQ|の状態を維持し続
ける。
【0060】図9に示す電流差ΔIGQは、図10に示す
NPNトランジスタ81のリカバリー電流であるものと
考えられる。これは、次のような現象により生ずる。即
ち、図10において、GTO3がターンオンして陽極電
流IAが半導体基板内を流れている状態では、その電流
Aは、GTO3のアノード電極3Aからループ82と
ループ83とに別れてカソード電極3Kへと流れてい
る。この状態からGTO3がターンオフへ移行すると、
陽極電流IAの全ては強烈にゲートドライバ4へと引っ
張られ、ループ84とループ85へと流れていく。この
時、NPNトランジスタ81のベース電流は正方向から
負の方向へ反転し、NPNトランジスタ81は急激にタ
ーンオフしてしまい、その内部キャリアがリカバリ電流
となって重畳的に流れることとなる。このリカバリ電流
の増加分が上述の電流差ΔIGQとなって表われ、この
時、|ゲート逆電流IGQ|>|陽極電流IA|となる。
【0061】このように、ゲート逆電流|IGQ|>|陽
極電流IA|となって、図10のNPNトランジスタ8
1がターンオフしてしまうと、PNPトランジスタ80
のベース電流は0となり(IB=0)、PNPトランジ
スタ80はターンオフへと移行していく。
【0062】PNPトランジスタ80の電圧阻止機能が
回復し始めると(時刻T3)、図9に示すアノード・カ
ソード電極間電圧VAKが上昇し始め、このアノード・カ
ソード電極間電圧VAKが電源電圧VDDと等しい値に達し
た時(時刻T4)、陽極電流IAが減少し始め、GTO3
はターンオフ状態へと移行していく。この時のアノード
・カソード電極間電圧VAKの上昇率dVAK/dtは、G
TO3の電圧阻止機能の回復するスピードのみによって
決定されるものであり、外部接続回路等により決定され
るものではない。この点で、スナバコンデンサCSに依
存してアノード・カソード電極間電圧の上昇率が決定さ
れていた従来技術とは、本発明は明確に異なる。
【0063】図9において、本発明のピーク電圧(サー
ジ電圧)VPとは、GTO3がターンオフした時に主回
路(電源9からノード11、GTO3、ノード12を経
て電源9に至るまでのループ)の浮遊インダクタンスL
に起因して発生する起電圧(そのエネルギーはE=1/
2*L*I2で表される)が電源電圧VDDに重畳されて
得られる電圧である。このピーク電圧VPが仮にGTO
3の電圧阻止能力を超えると、GTO3は破壊されてし
まう。そこで、GTO3のターンオフ時に上記ピーク電
圧VPへ向けて上昇し続けるアノード・カソード電極間
電圧VAKを、GTO3の電圧阻止能力を超えないように
抑圧するピーク電圧抑制回路5を、GTO3のノード1
1、12間にGTO3に対して並列に接続しておく必要
がある。図1のピーク電圧抑制回路5は、そのような機
能をもったものであり、例えばツェナーダイオード、バ
リスタ、セレスタ、アレスタ等から成る、電圧クランプ
回路である。同回路5は、GTOのターンオフ時に上昇
し続ける電圧VAKが、GTO3の電圧阻止能力を越えな
い範囲内に設定された所定の電圧値VSPに達した後は、
もし同回路5がなかったならば同電圧VAKがピーク電圧
Pに達し、再び所定の電圧値VSPに戻るまでに要する
時間である所定の時間Δt(図9)だけ、電圧VAKを抑
制後のピーク電圧VSPに保持し続ける。従って、ピーク
電圧VPは発生せず、GTO3素子が破壊されることは
全くない。
【0064】以上の様に、この発明では、ターンオフ時
に、図11に示す上昇率dIGQ/dtの領域RAにおい
てGTO3を制御することで、GTO3をターンオフさ
せている。同図中、曲線CA上の点PAが、主電流IA
のゲートドライバ4側への転流が生じる転流点であり、
この場合は、前述のリカバリー電流が無いと考えた場合
の理想状態にある。現実的には、転流した主電流にリカ
バリー電流が重畳されるので、ターンオフゲインG<1
の領域内でGTO3のターンオフが実現されている。
【0065】図12及び図13は、それぞれ、従来技術
及び本発明における主電流IAのターンオフ時の流れを
比較的に示した図である。従来技術、例えば特開平5−
111262号公報(スイス国出願番号9110619
19)や特開平6−188411号公報(ドイツ国出願
番号P4227063)に開示された技術では、図12
に示すとおり、ターンオフ時においても、カソード電流
KがGTO3P内を流れている。即ち、主電流IAは、
ターンオフ時、カソード電流IKとIGQPとに分流してい
る。しかし、この場合は、個々のセグメントに流れるカ
ソード電流IKは小さな値であっても、それらが一部の
セグメントに集中的に流れ込むこととなるので、GTO
素子の破壊という問題点を内在している。
【0066】これに対して、本発明では、図13に示す
通り、ターンオフ時、カソード電流IKは全く流れなく
なり、主電流IAは全てゲートドライバ4側の経路へ転
流し、リカバリー電流の発生によってゲート逆電流IGQ
の絶対値は主電流IAの絶対値とリカバリー電流の絶対
値との和となり、|IGQ|≧|IA|の関係式が成立し
ている(従来技術では、|IGQP|<|IA|)。
【0067】以上のように、この発明では、ターンオフ
モード期間中にわたり|陽極電流IA|≦|ゲート逆電
流IGQ|となる、新規のゲート転流方式を採用している
ため、ターンオフ時にはカソード電流IK=0となり、
GTO3Pの内部のカソード面にカソード電流が流れ込
むという状態は全く発生せず、従来ターンオフ失敗の原
因となっていたカソード面への局在的な電流集中は全く
おこり得ない。よって、ターンオフ失敗による素子破壊
のおそれは、この発明では皆無となり、装置の信頼度は
格段に向上する。この効果は、本発明の核心的効果であ
って、上述した各文献に示された技術の組合せを以てし
ても得られない利点であると言える。
【0068】加えて、アノード・カソード電極間電圧V
AKの上昇を抑制してサージ電圧を抑制する回路5を設け
ているので、スパイク電圧は、同回路5によりカットさ
れて全く発生しない。そのため、従来、ターンオフ時に
蓄積された電荷を放電させるために必要であったスナバ
コンデンサCSを不要とすることができる。即ち、従来
技術では必要不可欠であったスナバ回路を不必要とする
ことができ、これにより装置の小形化、簡素化、低コス
ト化、高効率化を実現することができる。
【0069】図14は、図1のものとは異なるピーク電
圧保護回路を採用した半導体スイッチング装置の回路構
成を示す。同図において、図1中の参照符号と同一符号
のものは、同一のものを示す。そして、GTO3のパッ
ケージ構造やゲートドライバ4の機構も、図1で述べた
ものが用いられる。参照符号6から8のそれぞれは、G
TO3がターンオフ状態となったときに発生するスパイ
ク電圧やピーク電圧(サージ電圧)による電力ロスを抑
制ないし低減する、保護回路を構成する素子であり、順
番にダイオード、抵抗素子、コンデンサを示す。特に、
ここでは、ノード11とノード12間にGTO3に対し
て並列に配設されたバイパス線BLに含まれるコンデン
サ8(容量素子)の一端15が、抵抗素子7を含み且つ
ノード14において電源9と接続された配線経路R4を
介して、電源9に接続されている点に特徴点がある。
【0070】以上の様な半導体スイッチング装置10A
ないし、GTO3の動作を、実測波形を示す図15を基
に説明する。
【0071】この場合のGTO3の動作は既述した図1
の装置での動作と同等であり、アノード・カソード電極
間電圧VAKのピーク電圧抑制動作のみが図1の場合と異
なる。図15の実測波形は、IA=1000(A/
d)、VAK=1000(V/d)、IGQ=1200(A
/d)、VGD=20(V/d)、t=2(μs/d)と
した場合の例である。同図中、曲線C1、C2、C3、
C4は、それぞれ陽極電流IA、アノード・カソード電
極間電圧VAK、ゲート逆電流IGQ、ゲート電圧VGの実
測波形を示す。
【0072】図14において、コンデンサ8は抵抗素子
7を通して常に電源電圧VDDに充電されており、ターン
オフ動作時においては、発生するスパイク電圧VDSP
びピーク電圧VPから電源電圧VDDを超えた電圧部分
(VDSP−VDD、VP−VDD)による電流のみが、ダイオ
ード6を通してコンデンサ8に吸収される。従って、上
記超過した部分だけが、その超過する時間だけ、コンデ
ンサ8に新たに充電されるにすぎない。
【0073】以上の点を、図15に基づいて説明する。
アノード・カソード電極間電圧VAKが電源電圧VDDに達
するまでは、コンデンサ8は機能せず、この期間(t2
−t1)の上昇率dVAK/dtはGTO3の能力により
決定される(このとき、全主電流IAはゲートドライバ
4側へ転流している)。そして、アノード・カソード電
極間電圧VAKが電源電圧VDDに達して陽極電流IAが減
少し始めると(時刻t2)、それと同時に、ノード11
に流れ込む主電流はダイオード6を通してコンデンサ8
側へと、即ちバイパス経路BLへと流れ始める。この
時、流れ込むバイパス電流iの上昇率di/dtと、G
TO3とダイオード6とコンデンサ8とから成る閉回路
ないし第1ループR2に浮遊するインダクタンス
(Lf1)とによって起電圧が発生する。これが、図15
に示すスパイク電圧VDSPである(時刻t3)。これ以
後、時刻t5までは、アノード・カソード電極間電圧V
AKのピーク電圧VPと電源電圧VDDとの差はコンデンサ
8に吸収される。その際、コンデンサ8に吸収される過
充電分が、GTO3の電圧阻止能力以下となるように、
コンデンサ8の容量値は適切に決定されている。つま
り、時刻t4から時刻t5までに上昇するアノード・カソ
ード電極間電圧VAKのピーク値VPがGTO3の電圧阻
止能力以下となるように、コンデンサ8の容量値によっ
て決定される。
【0074】尚、コンデンサ8によって吸収されたピー
ク電圧の過充電分は、抵抗素子7を通して、次回ターン
オフまでに電源9側に放電される。一方、GTO3のタ
ーンオン時においてもコンデンサ8に充電された電圧な
いし電荷は、それが放電しようとしてもダイオード6に
阻止されるので、放電することはない。よって、コンデ
ンサ8は、常に電源電圧VDDと等しい電圧に充電されて
いることになる。
【0075】尚、時刻t4から時刻t5までのピーク電圧
Pは、第2ループR3内の浮遊インダクタンス
(LA2)とコンデンサ8の容量値とに起因して生ずる起
電力に基づく。
【0076】以上の様に、この半導体スイッチング装置
10Aのピーク電圧抑制回路ないし保護回路のコンデン
サ8に蓄積されるエネルギーについては、従来技術にお
けるスナバコンデンサのようにスナバ抵抗によって0値
に至るまで全てが放電されてしまうのではなくて、その
内の過充電分のみが放電されるに過ぎなく、従来問題と
なっていたスナバ回路の放電損失を格段に低減すること
ができる。しかも、この半導体スイッチング装置10A
では、従来技術のスナバ回路で用いられていた部材をそ
のまま用い、かつスナバ抵抗として用いられていた抵抗
素子の配線を配線経路R4として電源9のノード14に
直接接続するだけで、上記保護回路を簡単に構成できる
ため、即ち、従来のスナバ回路をそのまま利用して放電
損失を十分低減させることが可能となるため、非常に実
現性の高い装置を実現できる利点がある。勿論、同装置
10Aでも、図1の装置10と同様に、ターンオフ時の
GTO3の素子破壊を完全に阻止することができる。
【0077】先の課題の項で触れたように、以上図1な
いし図15で説明した半導体スイッチング装置により、
従来からの課題は基本的には解決されるが、現実の製品
化を図るためには、構造は勿論、製造、保守時の作業性
等、更には周辺機器、部品を含めた具体化への検討が必
要となり、これら具体化の中で提起される問題点も解決
していかねばならない。
【0078】即ち、本願発明になる半導体スイッチング
装置においては、ゲートドライバから半導体スイッチン
グ素子のゲート電極へターンオフ電流を流すため、半導
体スイッチング素子のリング状のゲート端子とゲートド
ライバからの導体とを電気的に接続する必要があるが、
先の図6、図7に示した例では、この接続をネジを使用
して締め付ける構造のものとしている。この場合、ゲー
ト端子に流入する電流はその周方向に沿って均等に分布
することが要求されるので、ネジの取付ピッチは大きく
できず、結果としてネジの本数が増える。発明者等が試
作した4000A定格のGTOの場合は少なくとも16
本のネジが必要となる。このため、当該部分のネジ穴寸
法の要求精度が極めて高くなって加工コストが増大する
とともに、当該部分の着脱時の作業性が極めて煩雑にな
るという新たな問題点が存在する。
【0079】図16は、以上の新たな問題点をも解決し
た、この発明の実施の形態1における半導体スイッチン
グ装置の要部、即ち、半導体スイッチング素子のゲート
端子の接続部分を示す構成図である。同図(1)は、そ
の平面図、同図(2)は、同図(1)のX1−X1線で
切断した断面図である。なお、以下では、図1〜図15
で説明した内容とその主たる着目点が異なるので、同一
または相当部分についても新たな符号を付して説明する
ものとする。
【0080】図において、100は周方向に延在するリ
ング状のゲート端子101を備えた半導体スイッチング
素子としてのGTO、102および103はGTO10
0の軸方向上下端に形成されたアノード電極およびカソ
ード電極、104は各電極端子間を絶縁する絶縁筒であ
る。200はゲートドライバである。110はGTO1
00とゲートドライバとの間の電流路を構成する配線基
板で、図17にその詳細断面を示すように、互いに絶縁
層115を介して積層された4層の導電層111〜11
4を備えている。そして、第1層、第3層の第1の導電
層111、113はゲート側電流路を形成し、それぞれ
の一端(図17では、図示を省略している左方端)はゲ
ートドライバのゲート側出力端子に接続され、第2層、
第4層の第2の導電層112、114はカソード側電流
路を形成し、それぞれの一端はゲートドライバのカソー
ド側出力端子に接続されている。なお、第1の導電層1
11、113および第2の導電層112、114は、ゲ
ート端子101の接続位置近傍において、スルーホール
116によりそれぞれ相互に電気的に接続されている。
また、117は配線基板110の表面に施された絶縁被
膜である。
【0081】図16に戻り、120は平板状の導体板で
図19で後述するように、スタック構造として組み立て
られた時点でその右方端がカソード電極103に当接
し、軸方向に圧接されて固定される。導体板120の左
方端は図示しないゲートドライバと一体に固定される。
121は第1の締付具としての皿ネジ122により導体
板120に一体に固着された導電材からなるカソードス
ペーサリングで、その上面には第2の導電層114を露
出させた配線基板110の下面が当接する。
【0082】123は固定部材としての取付座で、その
下面には配線基板110の上面が当接する。125は第
2の締付具としてのボルトで、カソードスペーサリング
121と取付座123とで配線基板110を挟持圧接し
三者を一体に固定する。126はボルト125を絶縁す
るための絶縁スペーサである。127は可動部材として
のゲート押え板で、ピン128を備えたヒンジ129に
より取付座123に回動可能に取り付けられている。そ
して、このゲート押え板127の中央部分にはGTO1
00のゲート端子101から上方のアノード電極102
および絶縁筒104の部分を挿通させる開口部(丸穴)
130が形成されている。
【0083】更に、このゲート押え板127の反ヒンジ
側端部(この例では3個所)には係合部材としての留め
具131が設けられている。図18はこの留め具131
を含む部分の詳細を示すもので、図16(1)のX2−
X2線で切断した断面図である。図18において、留め
具131はカソードスペーサリング121に固定された
ピン132を介して回動可能に取り付けられており、そ
の反ピン132側端部にはゲート押え板127に設けら
れた凹部133に係合する突起134が設けられてい
る。
【0084】図16に示す半導体スイッチング装置にお
いては、予め皿ネジ122およびボルト125を使用し
て取付座123、配線基板110、カソードスペーサリ
ング121および導体板120、更にゲートドライバ2
00を一体に組み立てておく。そして、留め具131の
係合を解除してゲート押え板127を取付座123と直
角に近い角度に立てた状態でGTO100を導体板12
0の所定位置に当接させた後、ゲート押え板127を倒
して取付座123と平行となるようにする。この結果、
ゲート押え板127が配線基板110の上面に露出させ
た第1の導電層111との間でゲート端子101を挟持
圧接し、ゲート端子101と第1の導電層111とが電
気的に接続される。そして、この導電層111はスルー
ホール116により導電層113と接続されているの
で、ゲートドライバ200のゲート側出力端子からの電
流は両導電層111、113を経てゲート端子101に
流れることになる。
【0085】以上の状態で、留め具131を回動させそ
の突起134をゲート押え板127の凹部133へ係合
することにより、ゲート押え板127によるゲート端子
101への圧接力を確実に保持する。
【0086】また、カソード電極103は導体板120
およびカソードスペーサリング121を経て第2の導電
層114と接続される。そして、この導電層114はス
ルーホール116により導電層112と接続されている
ので、ゲートドライバ200のカソード側出力端子から
の電流は両導電層112、114を経てカソード電極1
03に流れることになる。以上のように、ゲートドライ
バ200とGTO100との間を接続する電流路が、電
流が互いに逆方向に流れる一対の導電層を2組積層して
なる配線基板110で構成されているので、この電流路
のインダクタンスを極めて小さな値に抑えることがで
き、前述した原理にもとづく所望の急峻なターンオフ電
流の供給が容易確実になされる訳である。
【0087】更に、図16(2)に示す、ゲート押え板
127側の寸法L1(配線基板110の上面とカソード
スペーサリング121の下面との間の寸法)とGTO1
00側の寸法L2(ゲート端子101の根元部分の下面
とカソード電極103の下面との間の寸法)との間にL
1>L2(例えばL1=L2+0.1mm)の関係が成
立するように、寸法設定することにより以下の効果が得
られる。即ち、後述するように、導体板120とともに
GTO100をスタックに組み上げ取付枠により圧接さ
れたとき、その圧接による力がゲート端子101を介し
てゲート押え板127側に伝達されるが、上記の寸法関
係としておくことにより、上記力は、導体板120とゲ
ート端子101とで配線基板110およびカソードスペ
ーサリング121を圧縮する方向の力となり、皿ネジ1
22による締付力を阻害することなく、これら取付機構
の長期安定性が確保される。
【0088】また、ゲート端子101の切り離しは、先
ず、留め具131の係合を解除し、しかる後、ゲート押
え板127を回動させゲート端子101から離せばよ
い。以上のように、この実施の形態による半導体スイッ
チング装置のゲート端子の接続脱着構造にあっては、ゲ
ート押え板127の回動操作のみでその着脱が可能とな
るので、その作業性が極めて簡便になる。しかも、先の
図6、図7のように、多数のネジ穴を必要としないの
で、特別に高い加工精度が不要となり製品価格を低減す
ることができる。また、小径のネジ穴が多い場合には、
組立作業時に、ネジの切り屑が原因となって、ゲート、
カソード間が短絡状態となる可能性があるが、この発明
ではこのような懸念が皆無となる。
【0089】なお、上記説明ではゲート押え板127の
材質については特に触れていない。これは、ゲート端子
101は配線基板110の表面に露出させた第1の導電
層111に直接圧接されて両者の電気的接続がなされる
ため、ゲート押え板127自体としては特に導電材料と
する必要がないからである。もっとも、ゲート押え板1
27を導電材料で構成することにより、この下面に圧接
接触するゲート端子101の電気抵抗、特にその周方向
の電気抵抗が等価的に低減することになり、ゲートドラ
イバ200からゲート端子101に流れるターンオフ電
流の周方向における分布がより均一になるという利点が
ある。
【0090】更に、取付座123にも導電材料を使用
し、ヒンジ129の部分における取付座123とゲート
押え板127との電気的接触を、特にヒンジ129の軸
方向の両端近傍のみで行うようにすると以下のような効
果が得られる。即ち、ゲートドライバ200からGTO
100のゲート端子101へ流れるターンオフ電流は、
両者間の距離が上記軸方向の中央部分で短くなるため、
この中央部分で大きくなり、ゲート端子101の周方向
の電流分布が不均一になる要因となっている。従って、
上述した取付座123とゲート押え板127とからなる
電流路を配線基板110の第1の導電層111、113
からなる電流路のバイパス電流路とし、かつこのバイパ
ス電流路を主として上記軸方向の両端近傍のみに形成す
ることにより、実質的に上記両端部分と中央部分との各
電流経路のインピーダンスが均等化することになり、ゲ
ート端子101の周方向の電流分布が改善される。
【0091】図19は、以上で説明した半導体スイッチ
ング装置を複数個使用し他の周辺部品とともに半導体ス
タック装置として組み立てたものである。同図(1)は
その構造図、同図(2)はその回路ブロック図である。
図において、100はGTO、200はゲートドライ
バ、201は環流ダイオード、202はスナバダイオー
ド、203は冷却部材としての冷却フィン、204はス
タック電極、205は絶縁スペーサである。この内、冷
却フィン203には水冷配管206が接続され、GTO
100や環流ダイオード201からの発熱を冷却水へ放
熱する。210は以上の各部品を積み重ね上下から締め
付け、各構成部品を圧接状態で格納する取付枠である。
図19から判るように、この形態例では、ゲートドライ
バ200は導体板120を介して支持されスタック構造
と一体の構成となる。
【0092】実施の形態2.図20はこの発明の実施の
形態2における半導体スイッチング装置の要部を示す構
成図である。同図(1)はその平面図、同図(2)は、
同図(1)のX3−X3線で切断した断面図である。図
において、先の形態例と大きく異なるのは、GTO10
0のカソードの構成である。即ち、図20のものでは、
主電流を流すためのカソード電極103とは別に、ゲー
トドライバ接続用のカソード端子105を追設してい
る。そして、先のゲート端子101とカソード端子10
5とは絶縁リング106の表裏に一体になって周方向に
延在するリング状に形成されている。また、導体板12
0はGTO100とは分離されたものとなっている。従
って、カソード電極103には直接冷却フィン203を
当接させることができるので、その分、放熱の熱伝達性
が向上する。
【0093】ここでは、図20(2)から判るように、
配線基板110は第1の導電層111と第2の導電層1
14と両導電層間を絶縁する絶縁層115とから構成さ
れており、ゲートドライバ200からの両導電層11
1、114の内、導電層114はそのままゲート端子1
01と接触する位置まで延長されているが、導電層11
1はヒンジ129位置近傍で導電層114から分岐し、
ゲート押え板127の下面に固着されている。即ち、ヒ
ンジ129位置近傍からゲート押え板127側の領域で
は、導電層111はゲート押え板127と一体となって
変形する。従って、導電層111には可撓性材料を使用
する必要がある。
【0094】組立ての要領は、先の図16の場合と同様
であるが、ここでは、ゲート押え板127を取付座12
3と平行となる迄回動し、端部を留め具131で係合保
持することにより、ゲート押え板127とカソードスペ
ーサリング121との間で両導電層111、114、ゲ
ート端子101およびカソード端子105が挟持圧接さ
れる。従って、ゲート端子101が第1の導電層111
に電気的に接続され、カソード端子105が第2の導電
層114に電気的に接続され、図16の場合と同様、G
TO100とゲートドライバ200との接続脱着の作業
性が極めて簡便となる。
【0095】なお、図20では、配線基板110の第1
の導電層111をそのまま延長してゲート押え板127
の下面に固着するようにしたが、ゲート押え板127の
下面には別途、第3の導電層を固着しておき、ヒンジ1
29近傍位置で第1の導電層111と上記第3の導電層
とを別途接続導体を用いて接続するようにしてもよい。
この場合、接続導体のみを可撓性材料とすれば足りるの
で、第1の導電層等、従って配線基板の構成上の自由度
が増大する利点がある。
【0096】なお、上記各形態例におけるゲート端子1
01はいずれもGTO100の周方向に延在するリング
状の形態のものとして説明したが、図21に示すよう
に、GTO100の周方向に沿って等間隔に複数の端子
片109が設けられたもので、いわば、周方向に不連続
に延在する形態のゲート端子101Aであっても、この
発明は同様に適用することができ同等の効果を奏するも
のである。
【0097】また、この発明に係る半導体スイッチング
素子を適用し、更にこれら半導体スイッチング素子をゲ
ート制御して電力変換を行うゲート制御装置を備えるこ
とにより、上述した通り、ゲート端子の接続脱着の作業
性が良好で兼価な、例えばインバータ等の電力変換装置
を得ることができる。
【0098】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る半導体ス
イッチング装置は、半導体スイッチング素子を周方向に
延在するゲート端子を備えたものとし、電流路に固定さ
れた固定部材、所定の開口部を有しヒンジを介して上記
固定部材に回動可能に取り付けられ上記電流路との間に
上記ゲート端子を挟持圧接して上記ゲート端子と上記電
流路とを電気的に接続する可動部材、および上記可動部
材の反ヒンジ側端部に配設され上記圧接力の保持解除を
行う係合部材を備えたので、単一の可動部材を回動し係
合部材で係止するのみの操作でゲートと電流路との接続
着脱が可能となり、その作業が極めて簡便となる。
【0099】請求項2に係る半導体スイッチング装置
は、半導体スイッチング素子を周方向に延在するゲート
端子を備えたものとし、電流路をゲート側電流路を形成
する第1の導電層とカソード側電流路を形成する第2の
導電層とを絶縁層を介して積層してなる配線基板とし、
上記配線基板の上記第1の導電層が形成された一方の面
に固定された取付座、上記半導体スイッチング素子のゲ
ート端子からアノード電極側の部分を挿通可能な開口部
を有しヒンジを介して上記取付座に回動可能に取り付け
られたゲート押え板、および上記ゲート押え板の反ヒン
ジ側端部を上記配線基板へ圧接しまたその解除を行う留
め具を備え、上記ゲート押え板により上記配線基板の一
方の面に露出させた上記第1の導電層に上記ゲート端子
を圧接し上記ゲート端子と上記第1の導電層とを電気的
に接続するようにしたので、単一のゲート押え板を回動
して留め具で係止するのみの操作でゲートと電流路との
接続着脱が可能となり、その作業が極めて簡便になると
ともに、配線基板の採用で低インダクタンスの電流路が
実現する。
【0100】また、請求項3に係る半導体スイッチング
装置は、その半導体スイッチング素子のカソード電極に
当接し軸方向に圧接されて固定される導体板、配線基板
を介して取付座およびゲート端子の圧接部と軸方向に対
向して配設され、上記配線基板の他方の面に露出させた
第2の導体層と上記導体板との間に介在するカソードス
ペーサリング、上記導体板とカソードスペーサリングと
を互いに圧接結合する第1の締付具、および上記取付座
とカソードスペーサリングとで上記配線基板を挟持圧接
し互いに結合する第2の締付具を備えたので、カソード
スペーサリングの存在でゲート押え板による圧接部近傍
の構造が強固となり信頼性が向上する。
【0101】また、請求項4に係る半導体スイッチング
装置は、その配線基板を、第1および第2の導体層を複
数対、上記両導体層を交互に積層してなるものとし、半
導体スイッチング素子との接続位置近傍において、上記
第1の導体層同士および第2の導体層同士をスルーホー
ルで互いに電気的に接続するようにしたので、電流路の
低インダクタンス化が一層徹底され、ターンオフ電流の
供給が一層容易となる。
【0102】請求項5に係る半導体スイッチング装置
は、半導体スイッチング素子を周方向に延在し互いに電
気的に絶縁されて表裏に形成されたゲートドライバ接続
用のゲート端子およびカソード端子を備えたものとし、
電流路をゲート側電流路を形成する第1の導電層とカソ
ード側電流路を形成する第2の導電層とを絶縁層を介し
て積層してなる配線基板とし、上記配線基板の上記第1
の導電層が形成された一方の面に固定された取付座、上
記半導体スイッチング素子のゲート端子からアノード電
極側の部分を挿通可能な開口部を有しヒンジを介して上
記取付座に回動可能に取り付けられるとともに上記配線
基板側の一方の面に第3の導電層が固着されたゲート押
え板、および上記ゲート押え板の反ヒンジ側端部を上記
配線基板へ圧接しまたその解除を行う留め具を備え、上
記配線基板の上記ヒンジ位置近傍から上記ゲート押え板
側の領域における上記第1の導電層を上記第2の導電層
から分岐させて上記第3の導電層に電気的に接続したも
のとするとともに当該領域における第2の導電層を露出
させたものとし、上記ゲート押え板の第3の導電層と上
記配線基板の第2の導電層との間に上記ゲート端子およ
びカソード端子を挟持圧接することにより、上記ゲート
端子と上記第1の導電層および上記カソード端子と上記
第2の導電層をそれぞれ電気的に接続するようにしたの
で、単一のゲート押え板を回動して留め具で係止するの
みの操作でゲートおよびカソードと電流路との接続着脱
が可能となり、その作業が極めて簡便になるとともに、
配線基板の採用で低インダクタンスの電流路が実現す
る。更に、カソード電極には、ゲートドライバ接続用の
部材を介在させる必要がないので、例えばこのカソード
電極に直接冷却部材を当接させることで冷却性能の向上
を図ることができる。
【0103】請求項6に係る半導体スタック装置および
請求項7に係る電力変換装置は、以上の半導体スイッチ
ング素子を備えた、特にゲート接続の作業性の良好な半
導体スタック装置および電力変換装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る半導体スイッチ
ング装置の回路図である。
【図2】 ゲートドライバ回路の具体的な構成を示す図
である。
【図3】 ゲート側に流れる電流の波形を示す図であ
る。
【図4】 本発明のGTO素子パッケージを示す断面図
である。
【図5】 本発明のGTO素子パッケージの外観を示す
平面図である。
【図6】 本発明のゲートドライバの外観を示す平面図
である。
【図7】 本発明のGTO素子パッケージとのゲートド
ライバとの接続方法を示す断面図である。
【図8】 多方向からゲート逆電流を取り出す場合のゲ
ートドライバーを示す平面図である。
【図9】 本発明の実施の形態1に係る半導体スイッチ
ング装置の動作を示す図である。
【図10】 GTOの等価モデルを示す図である。
【図11】 アノード・カソード電極間電圧の上昇率と
ターンオフゲインとの関係を示す図である。
【図12】 従来技術におけるターンオフ時の主電流の
流れを示す図である。
【図13】 本発明におけるターンオフ時の主電流の流
れを示す図である。
【図14】 図1とは異なる、本発明の実施の形態1に
係る半導体スイッチング装置の回路図である。
【図15】 図14の装置における実測波形を示す図で
ある。
【図16】 この発明の実施の形態1における半導体ス
イッチング装置の要部を示す構成図である。
【図17】 図16の一部を拡大して示す断面図であ
る。
【図18】 図16のX2−X2線で切断した断面図で
ある。
【図19】 図16の半導体スイッチング装置を使用し
た半導体スタック装置を示す構成図である。
【図20】 この発明の実施の形態2における半導体ス
イッチング装置の要部を示す構成図である。
【図21】 周方向に延在するゲート端子101の変形
例を示す図である。
【図22】 従来装置の回路を示す図である。
【図23】 従来回路による実測波形を示す図である。
【図24】 従来のGTO素子パッケージの断面図であ
る。
【図25】 従来のGTO素子パッケージの外観を示す
平面図である。
【図26】 従来の問題点を指摘するための図である。
【図27】 従来の問題点を指摘するための図である。
【符号の説明】
3 GTO、3A アノード電極、3K カソード電
極、3G ゲート電極、4 ゲートドライバ、5 ピー
ク電圧抑制回路、R1 経路、IA 主電流、IG ター
ンオン制御電流、IGQ ゲート逆電流、100 GT
O、101,101A ゲート端子、102 アノード
電極、103 カソード電極、105 カソード端子、
106 絶縁リング、110 配線基板、111,11
3 第1の導電層、112,114 第2の導電層、1
15 絶縁層、116 スルーホール、120 導体
板、121 カソードスペーサリング、122 皿ネ
ジ、123 取付座、125 ボルト、126 絶縁ス
ペーサ、127 ゲート押え板、200 ゲートドライ
バ、203 冷却フィン、210 取付枠、128 ピ
ン、129 ヒンジ、130 開口部、131 留め
具。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−201039(JP,A) 特開 平8−330572(JP,A) 特開 昭61−227661(JP,A) 特開 平8−331835(JP,A) 実開 昭55−67685(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 1/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート電極を有する半導体スイッチング
    素子、および電流路を介して上記半導体スイッチング素
    子の上記ゲート電極とカソード電極との間にターンオフ
    電流を供給するゲートドライバを備えた半導体スイッチ
    ング装置において、 上記半導体スイッチング素子を周方向に延在するゲート
    端子を備えたものとし、上記電流路に固定された固定部
    材、所定の開口部を有しヒンジを介して上記固定部材に
    回動可能に取り付けられ上記電流路との間に上記ゲート
    端子を挟持圧接して上記ゲート端子と上記電流路とを電
    気的に接続する可動部材、および上記可動部材の反ヒン
    ジ側端部に配設され上記圧接力の保持解除を行う係合部
    材を備えたことを特徴とする半導体スイッチング装置。
  2. 【請求項2】 ゲート電極を有する半導体スイッチング
    素子、および電流路を介して上記半導体スイッチング素
    子の上記ゲート電極とカソード電極との間にターンオフ
    電流を供給するゲートドライバを備えた半導体スイッチ
    ング装置において、 上記半導体スイッチング素子を周方向に延在するゲート
    端子を備えたものとし、上記電流路をゲート側電流路を
    形成する第1の導電層とカソード側電流路を形成する第
    2の導電層とを絶縁層を介して積層してなる配線基板と
    し、 上記配線基板の上記第1の導電層が形成された一方の面
    に固定された取付座、上記半導体スイッチング素子のゲ
    ート端子からアノード電極側の部分を挿通可能な開口部
    を有しヒンジを介して上記取付座に回動可能に取り付け
    られたゲート押え板、および上記ゲート押え板の反ヒン
    ジ側端部を上記配線基板へ圧接しまたその解除を行う留
    め具を備え、 上記ゲート押え板により上記配線基板の一方の面に露出
    させた上記第1の導電層に上記ゲート端子を圧接し上記
    ゲート端子と上記第1の導電層とを電気的に接続するよ
    うにしたことを特徴とする半導体スイッチング装置。
  3. 【請求項3】 半導体スイッチング素子のカソード電極
    に当接し軸方向に圧接されて固定される導体板、配線基
    板を介して取付座およびゲート端子の圧接部と軸方向に
    対向して配設され、上記配線基板の他方の面に露出させ
    た第2の導体層と上記導体板との間に介在するカソード
    スペーサリング、上記導体板とカソードスペーサリング
    とを互いに圧接結合する第1の締付具、および上記取付
    座とカソードスペーサリングとで上記配線基板を挟持圧
    接し互いに結合する第2の締付具を備えたことを特徴と
    する請求項2記載の半導体スイッチング装置。
  4. 【請求項4】 配線基板を、第1および第2の導体層を
    複数対、上記両導体層を交互に積層してなるものとし、
    半導体スイッチング素子との接続位置近傍において、上
    記第1の導体層同士および第2の導体層同士をスルーホ
    ールで互いに電気的に接続するようにしたことを特徴と
    する請求項2または3記載の半導体スイッチング装置。
  5. 【請求項5】 ゲート電極を有する半導体スイッチング
    素子、および電流路を介して上記半導体スイッチング素
    子の上記ゲート電極とカソード電極との間にターンオフ
    電流を供給するゲートドライバを備えた半導体スイッチ
    ング装置において、 上記半導体スイッチング素子を周方向に延在し互いに電
    気的に絶縁されて表裏に形成されたゲートドライバ接続
    用のゲート端子およびカソード端子を備えたものとし、
    上記電流路をゲート側電流路を形成する第1の導電層と
    カソード側電流路を形成する第2の導電層とを絶縁層を
    介して積層してなる配線基板とし、 上記配線基板の上記第1の導電層が形成された一方の面
    に固定された取付座、上記半導体スイッチング素子のゲ
    ート端子からアノード電極側の部分を挿通可能な開口部
    を有しヒンジを介して上記取付座に回動可能に取り付け
    られるとともに上記配線基板側の一方の面に第3の導電
    層が固着されたゲート押え板、および上記ゲート押え板
    の反ヒンジ側端部を上記配線基板へ圧接しまたその解除
    を行う留め具を備え、上記配線基板の上記ヒンジ位置近
    傍から上記ゲート押え板側の領域における上記第1の導
    電層を上記第2の導電層から分岐させて上記第3の導電
    層に電気的に接続したものとするとともに当該領域にお
    ける第2の導電層を露出させたものとし、 上記ゲート押え板の第3の導電層と上記配線基板の第2
    の導電層との間に上記ゲート端子およびカソード端子を
    挟持圧接することにより、上記ゲート端子と上記第1の
    導電層および上記カソード端子と上記第2の導電層をそ
    れぞれ電気的に接続するようにしたことを特徴とする半
    導体スイッチング装置。
  6. 【請求項6】 半導体スイッチング素子と上記半導体ス
    イッチング素子からの発熱を放熱する冷却部材とを積み
    重ね取付枠内に配置してなることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれかに記載の半導体スイッチング装置を
    使用した半導体スタック装置。
  7. 【請求項7】 半導体スイッチング素子をゲート制御し
    て電力変換を行うゲート制御装置を備えたことを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体スイッ
    チング装置を使用した電力変換装置。
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