JP3376119B2 - 油性固形化粧料 - Google Patents

油性固形化粧料

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JP3376119B2
JP3376119B2 JP20334994A JP20334994A JP3376119B2 JP 3376119 B2 JP3376119 B2 JP 3376119B2 JP 20334994 A JP20334994 A JP 20334994A JP 20334994 A JP20334994 A JP 20334994A JP 3376119 B2 JP3376119 B2 JP 3376119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙、食器等への色移り
が防止され、化粧持続性に優れ、使用感、安定性等も良
好な油性固形化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】口紅等のメイクアップ化粧料において、
他の物体(紙、布、食器、食品等)との接触によるそれ
らへの付着(色移り)を防止することは、化粧持ち(化
粧持続性)と並んで重要な機能となってきている。
【0003】化粧持続性については、パーフルオロアル
キル基又はパーフルオロアルキル鎖を含む官能基を有す
る液状油を配合した化粧料が知られている(例えば、特
開平5−331019号公報)。しかし、この技術にお
いては、化粧料の色移りについては考慮されていない。
一方、色移りを防止せんとしたものとして、口紅用オー
バーコート(特開平5−221829号公報)が知られ
ている。しかし、これは配合物の性質に起因して、形状
や粘度のコントロールが制約され、その結果、安定性が
低い(分離する場合がある)という問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のメ
イクアップ化粧料等においては、色移りの防止と化粧持
続性の両性質を満足するものは未だ見出されていない。
従って、本発明は、これらの両特性を具備し、更に使用
感、安定性が良好で、利便性の良い油性固形化粧料を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究の結果、パーフルオロアルキル基又
はパーフルオロアルキル鎖を含む官能基を有する液状油
とともに、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロア
ルキル鎖を含む官能基を有するリン酸又はその塩を配合
することにより、化粧持続性と色移りの防止の両性質に
優れた油性固形化粧料を得ることができ、更に、化粧料
としての使用感や安定性等も優れていることを見出し、
本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、(A)次の一般式
(1);
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rf 1及びRf 2は炭素数3〜21の
パーフルオロアルキル基を示し、m及びqは1〜12の
整数を示し、Aは水素原子、カルシウム、アルミニウム
又は鉄原子を示し、nはAの原子価を示す)で表わされ
るパーフルオロアルキルリン酸又はその塩0.1〜80
重量%、及び(B)後記の一般式(2)〜(5)で表わ
される構造単位の1以上と、一般式(6)で表わされる
構造単位とを有するフッ素変性シリコーン1〜99重量
%を含有することを特徴とする油性固形化粧料を提供す
るものである。
【0009】また、本発明は、前記(A)及び(B)成
分に加えて、更に(C)粉体を0.01〜40重量%含
有する油性固形化粧料を提供するものである。
【0010】本発明で用いられる(A)成分は前記一般
式(1)で表わされるパーフルオロアルキルリン酸又は
その塩である。一般式(1)中、Rf 1及びRf 2で示され
るパーフルオロアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖
状、環状又はこれらを組み合わせた構造のいずれであっ
てもよい。
【0011】
【0012】(A)成分である一般式(1)で表される
リン酸又はその塩としては、Rf1及びRf2 が炭素数
4〜16のパーフルオロアルキル基で、k及びpが0
で、m及びqが1〜5であるジパーフルオロアルキルリ
ン酸又はその多価金属塩が好ましく、特にこの多価金属
がCa、Fe又はAlであるものが好ましい。この場合
のジパーフルオロアルキルリン酸又はその多価金属塩は
純度の高いものでなくてもよく、パーフルオロアルキル
リン酸又はその塩を含んだセスキ体等であってもよい。
【0013】(A)成分の配合量は、油性固形化粧料中
において、0.1〜80重量%であり、好ましくは10
〜80重量%、特に好ましくは10〜30重量%であ
る。この配合量が0.1重量%未満の場合は色移り防止
性及び化粧持続性が低く、80重量%を超える場合は使
用感が悪くなるので好ましくない。なお、この(A)成
分を粉体の処理剤として用い、その複合体のみを配合し
たのでは、十分な色移り防止効果が得られない。従っ
て、複合粉体中の(A)成分の配合量は、前記配合量と
して換算されるものではない。
【0014】本発明で用いる(B)成分のパーフルオロ
アルキル基又はパーフルオロアルキル鎖を含む官能基を
有する液状油剤(ただし、油状のパーフルオロポリエー
テルを除く)としては、パーフルオロデカリン、パーフ
ルオロアダマンタン、パーフルオブチルテトラハイドロ
フラン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、
パーフルオロペンタン、パーフルオロデカン、パーフル
オロドデカン、パーフルオロアルキル基又はパーフルオ
ロアルキル鎖を含む官能基を有するフッ素化合物で変性
されたシリコーン(以下、「フッ素変性シリコーン」と
いう)等を挙げることができ、これらのなかでも、特に
フッ素変性シリコーンが好ましい。
【0015】(B)成分のフッ素変性シリコーンとして
は、下記一般式(2)〜(5)で表わされる構造単位の
1以上と、下記一般式(6)で表わされる構造単位とを
有するものを挙げることができる。
【0016】
【化3】
【0017】[式中、Rf11及びRf12は、同一又は異
なっていてもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐
鎖のパーフルオロアルキル基又は次式;H(CF2t
(ここで、tは1〜20の整数を示す)で表されるω−
H−パーフルオロアルキル基を示し;R1 、R4 及びR
5 は、同一又は異なっていてもよく、炭素数1〜20の
直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素基又は炭素数5〜
10の脂環式若しくは芳香族炭化水素基を示し;R2
は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の
脂肪族炭化水素基、炭素数5〜10の脂環式若しくは芳
香族炭化水素基、炭素数1〜20のパーフルオロアルキ
ル基又は次式;H(CF2t−(ここで、tは1〜20
の整数を示す)で表されるω−H−パーフルオロアルキ
ル基を示し;R3 は、炭素数2〜6の2価の炭化水素基
を示し;X及びYは、単結合、−CO−又は炭素数1〜
6の2価の炭化水素基を示し;aは2〜16の数を示
し、b及びdはそれぞれ1〜16の数を示し、eは0〜
50の数を示し、gは1〜200の数を示し、iは0〜
200の数を示す]
【0018】一般式(2)〜(5)で表される構造単位
において、Rf11及びRf12で示されるパーフルオロア
ルキル基としては、直鎖及び分岐鎖のいずれのものも用
いることができ、例えば、CF3−、C25−、C49
−、C613−、C817−、C1021−、H(CF22
−、H(CF24−、H(CF26−、H(CF2
8−、(C37)C(CF32−等を挙げることができ
る。また、H(CF2t−におけるtは、1〜20の整
数を示すが、6〜20の整数が好ましい。
【0019】また、R1 、R2 、R4 及びR5 で示され
る炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖アルキ
ル基;イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、
ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルヘ
キシル基等の分岐鎖アルキル基;シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基等の環状アルキル基;フェニルナフチル
基等の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。R3
で示される2価の炭化水素基としては、炭素数2〜4の
直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、特にエチレ
ン基、プロピレン基が好ましい。
【0020】このような構造単位を有するフッ素変性シ
リコーンとしては、例えば、下記一般式(7);
【0021】
【化4】
【0022】[式中、Z1 及びZ2 は、少なくとも一方
は一般式(2)、(3)、(4)及び(5)から選ばれ
る構造単位を示し、残余は単結合を示し、i、R4 及び
5 は前記と同じ意味を示す]で表されるもの、又は下
記一般式(8);
【0023】
【化5】
【0024】[式中、Z3 は、一般式(2)、(3)、
(4)及び(5)から選ばれる構造単位を示し、R6
炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖の脂肪族炭化水素
基又は炭素数5〜10の脂環式若しくは芳香族炭化水素
基を示し、hは0〜200の数を示し、i、R4 及びR
5 は前記と同じ意味を示す]で表されるものを挙げるこ
とができる。
【0025】一般式(2)〜(6)で表される構造単位
及び一般式(7)、(8)で表されるフッ素変性シリコ
ーンにおける各式中の基としては、色移り防止、化粧持
続性及び使用性を考慮した場合、下記のものが好まし
い。Rf11及びRf12としては、炭素数6〜20の直鎖
若しくは分岐鎖のパーフルオロアルキル基又は次式;H
(CF2j1−(ここで、j1 は6〜20の整数を示
す)で表されるω−H−パーフルオロアルキル基が好ま
しい。R1 、R4 及びR5 としては、同一又は異なって
いてもよい、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭
化水素基が好ましい。R2 としては、水素原子、炭素数
6〜20のパーフルオロアルキル基又は次式;H(CF
2j1−(ここで、j1 は6〜20の整数を示す)で表
されるω−H−パーフルオロアルキル基が好ましい。R
3 としては、炭素数2〜4の2価の炭化水素基が好まし
い。X及びYは、単結合、−CO−又は炭素数1〜4の
2価の炭化水素基が好ましく、aは2〜10、特に2〜
5の数が好ましく、b及びdはそれぞれ2〜10、特に
1〜6の数が好ましく、gは1〜100、特に1〜10
の数が好ましく、eは0〜20、特に0〜5の数が好ま
しく、iは0〜100、特に0〜10の数が好ましい。
なお、一般式(8)で表されるフッ素変性シリコーンの
構造単位の配列は、交互でもブロックでもランダムでも
よい。
【0026】このようなフッ素変性シリコーンの好まし
い例としては、一般式(3)及び一般式(6)で表され
る構造単位を有する、特開平5−247215号公報に
記載されたフッ素変性シリコーン、市販品である旭硝子
社製のFSL−300、信越化学工業社製のX−22−
819、X−22−820、X−22−821、X−2
2−822及びFL−100、東レダウコーニングシリ
コーン社製のFS1265等を挙げることができる。
【0027】(B)成分は、1種又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。(B)成分の配合量は、油
性固形化粧料中において、1〜99重量%であり、好ま
しくは10〜90重量%である。この配合量が1重量%
未満の場合は色移り防止性及び使用感に劣り、99重量
%を超える場合は化粧持続性及び塗布性能に劣るので好
ましくない。
【0028】本発明の油性固形化粧料には、色移り防止
効果をより向上させるため、更に(C)粉体を配合する
ことができる。この(C)成分の粉体としては通常化粧
料に配合される公知のもの、例えば、シリカ、タルク、
マイカ、カオリン、セリサイト、ベントナイト、ゼオラ
イト、硫酸バリウム、窒化ホウ素、アルミナ、酸化チタ
ン等の無機粉体;ナイロンパウダー、ポリエチレンパウ
ダー、セルロース、シリコーン樹脂粉末、ポリメチルメ
タクリレート粉末等の有機粉体;カーボンブラック、酸
化鉄、酸化亜鉛、群青、紺青、酸化クロム等の着色粉
体;有機タール系色素、レーキ色素等の着色剤;雲母チ
タン、酸化鉄コーティッド雲母等のパール顔料;これら
の粉体を、シリコーン、高級脂肪酸、高級アルコール、
脂肪酸エステル、金属石鹸、アミノ酸又はアルキルフォ
スフェートで表面処理した粉体;更に、これらの粉体
を、フッ素化合物、例えば、一般式(1)で表されるリ
ン酸又はその塩、フルオロアルキルリン酸エステルジエ
タノールアミン塩のモノエステル体及びジエステル体
(特開昭62−250074号公報参照)、パーフルオ
ロアルキル基を有する樹脂(特開昭55−167209
号公報参照)、四弗化エチレン樹脂、パーフルオロアル
コール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型
フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカ
ルボン酸塩及びパーフルオロアルキルシラン(特開平2
−218603号公報参照)等で表面処理された粉体等
を挙げることができる。これらのうち、特にシリコーン
樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート粉末等の樹脂粉
末、シリカ、酸化亜鉛等の金属酸化物が好ましい。ま
た、これらの粉体は、球状、板状、不定形、多孔質等の
いずれの形状のものでもよく、粒径も特に制限されずに
使用することができる。
【0029】(C)成分は1種又は2種以上を配合する
ことができる。(C)成分の配合量は、油性固形化粧料
中において、0.01〜40重量%であるのが好まし
く、特に0.1〜20重量%であるのが好ましい。この
配合量が0.01重量%未満の場合はややべたつき感が
生じ、40重量%を超える場合は保形性が低下する傾向
がある。
【0030】本発明の油性固形化粧料には上記成分に加
えて、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配
合することができる。例えば、パラフィンワックス、ポ
リエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、
セレシン、オゾケライト、カルナウバロウ、キャンデリ
ラロウ等のワックス;高級脂肪酸、高級アルコール、デ
キストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、コ
レステロール誘導体、ワセリン、ラノリン、ラノリン誘
導体、セラミド等の固体脂又は半固体脂;スクワラン、
流動パラフィン、ヒマシ油、ホホバ油、マカデミアンナ
ッツ油、月見草油、エステル油、ジグリセリド、トリグ
リセリド、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル等
の液体油;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレング
リセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、アルキルグ
リセリルエーテル変性シリコーン等の非イオン界面活性
剤;アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、レシチン等の界面活性剤;カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、カラギーナン、デキストラン、デキストリン脂肪酸
エステル、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガ
ム、ゼラチン、ヒアルロン酸、アルギン酸ナトリウム、
水溶性コラーゲン等の水溶性高分子(増粘剤高分子);
ソルビトール、キシリトール、グリセリン、マルチトー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、1,4−ブチレングリコール、ピロリドンカルボン
酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、パンテノー
ル、アミノ酸等の保湿剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、
防腐剤、消炎剤、ビタミン、血行促進剤、各種薬効剤、
香料、水等を、本発明の目的及び効果を損なわない質的
及び量的範囲内で配合することができる。
【0031】本発明の油性固形化粧料の剤型としては液
状を除くものが含まれ、例えば、固体状、ペースト状、
ゲル状等にすることができる。また、本発明の油性固形
化粧料は、常法に従って製造することができ、口紅、フ
ァンデーション、おしろい、コンシーラー、アイシャド
ウ、ほお紅、アイライナー、アイブロウ等のメイクアッ
プ化粧料;リップクリーム、口紅オーバーコート、リン
クルケア剤等の化粧料にすることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の油性固形化粧料は、色移り防止
効果と化粧持続性の両性質に優れ、しかも安定性、使用
感、保形性等も良好である。
【0033】
【実施例】以下、実施例等により本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0034】製造例1 丸底フラスコ(又は、ニーダー)に顔料150gを入
れ、混合しながら60℃まで加熱した。これに、(C6
13CH2CH2O)P(O)OHの13gをイソプロピ
ルエーテル1500gに溶解加温(50℃)しておいた
ものを加え、60℃で4時間混合した。その後、50〜
60℃でイソプロピルエーテルを減圧留去し、乾燥して
フッ素化合物処理顔料157gを得た。
【0035】製造例2
【0036】
【化6】
【0037】冷却管及び磁気撹拌子を備えた100mlの
二口フラスコに、窒素雰囲気下、下記式で表わされるメ
チル水素ポリシロキサン(a)11.0g(25.5mm
ol)、
【0038】
【化7】
【0039】C817−CH2CH2−O−CH2CH(O
H)CH2−O−CH2CH=CH235.4g(61.
3mmol)、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶
液40μl(1.2×10-3mmol)を加え、60℃で6
時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、未反応の
化合物を減圧留去し、目的とするフッ素変性シリコーン
(1−1)38.0gを無色透明の油状物として得た。
【0040】製造例3
【0041】
【化8】
【0042】製造例2で用いた装置に、下記式で表わさ
れるメチル水素ポリシロキサン(b)(東芝シリコーン
社製)を6.0g(14.0mmol)、
【0043】
【化9】
【0044】(C613−CH2CH2−O−CH22
H−O−CH2CH=CH2 27.6g(33.5mmo
l)、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液1
10.5μl(4.0×10-3mmol)を加え、製造例2
と同様の方法により、目的のフッ素変性シリコーン(1
−2)23.2gを無色透明の油状物として得た。
【0045】製造例4
【0046】
【化10】
【0047】製造例2で用いた装置に、製造例3と同様
のメチル水素ポリシロキサン(b)を19.0g(4
4.1mmol)、C817−CH2CH2−O−CH2CH=
CH253.3g(105.8mmol)を仕込んだ。次い
でフラスコ内の温度を80℃に昇温した後、塩化白金酸
2%イソプロピルアルコール溶液174.5μlを加
え、5時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ヘ
キサン50ml及び活性炭2.2gを加え、室温で1時間
攪拌後、活性炭を濾別し溶媒を留去した。未反応の化合
物を減圧留去し、目的のフッ素変性シリコーン(1−
3)49.4gを無色透明の油状物として得た。
【0048】製造例5
【0049】
【化11】
【0050】製造例2で用いた装置に、製造例3と同様
のメチル水素ポリシロキサン(b)を25.0g(5
8.0mmol)、CH2=CH−CH2−O−CH2CH2
(CF 32(C37) 50.1g(139.2mmol)
を仕込んだ。次いでフラスコ内の温度を80℃に昇温し
た後、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコール溶液2
30.0μl(7.0×10-3mmol)を加え、5時間攪
拌した。以下、製造例4と同様の方法により、目的のフ
ッ素変性シリコーン(1−4)58.3gを無色透明の
油状物として得た。
【0051】製造例6
【0052】
【化12】
【0053】製造例2で用いた装置に、窒素雰囲気下、
キシレン12ml、製造例2と同様のメチル水素ポリシロ
キサン(a)12.0g(27.8mmol)、C1021
CH 2CH2−O−CH2CH=CH2 40.4g(6
6.8mmol)、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコー
ル溶液101μl(3.1×10-3mmol)を加え、製造
例2と同様な方法により、目的のフッ素変性シリコーン
(1−5)41.0gを無色透明のワックス状物として
得た。
【0054】実施例1(口紅オーバーコート)
【表1】 (組成) (重量%) (1)セスキヘプタデカフルオロデシルリン酸Ca 20.0 (2)フッ素変性シリコーン(1−2) 78.9 (3)パラフィンワックス 1.0 (4)赤色202号 0.1 (5)香料 微量
【0055】(製法)成分(1)〜(3)を130℃に
加熱し、混合溶解させた。次に、この混合物に成分
(4)及び(5)を加え、均一になるまで混合した。そ
の後、成型用型に流し込み、冷却固化して、スティック
状の口紅オーバーコートを得た。
【0056】実施例2(口紅オーバーコート)
【表2】 (組成) (重量%) (1)ジヘプタデカフルオロデシルリン酸 20.0 (2)フッ素変性シリコーン(1−3) 78.9 (3)パール顔料 1.0 (4)赤色202号 0.1 (5)香料 微量
【0057】(製法)成分(1)及び(2)を130℃
に加熱し、混合溶解させた。次に、この混合物に成分
(3)〜(5)を加え、均一になるまで混合した。その
後、成型用型に流し込み、冷却固化して、スティック状
の口紅オーバーコートを得た。
【0058】実施例3(口紅オーバーコート)
【表3】 (組成) (重量%) (1)ジヘプタデカフルオロデシルリン酸 10.4 (2)フッ素変性シリコーン(1−4) 88.0 (3)グリセリン 1.0 (4)赤色202号 0.1 (5)シリカ 0.5 (6)香料 微量
【0059】(製法)成分(1)及び(2)を130℃
に加熱し、混合溶解させた。次に、この混合物に成分
(3)〜(6)を加え、均一になるまで混合して、ペー
スト状の口紅オーバーコートを得た。
【0060】比較例1(口紅オーバーコート)
【表4】 (組成) (重量%) (1)カルナウバワックス 20.0 (2)スクワラン 69.9 (3)フッ素変性シリコーン(1−1) 10.0 (4)赤色202号 0.1
【0061】(製法)成分(1)〜(3)を130℃に
加熱し、混合溶解させた。次に、この混合物に成分
(4)を加え、均一になるまで混合した。その後、成型
用型に流し込み、冷却固化して、スティック状の口紅オ
ーバーコートを得た。
【0062】比較例2(口紅オーバーコート)
【表5】 (組成) (重量%) (1)ジヘプタデカフルオロデシルリン酸 20.0 (2)スクワラン 79.5 (3)シリカ 0.5
【0063】(製法)成分(1)〜(3)を130℃に
加熱し、混合溶解させ、液状の口紅オーバーコートを得
た。
【0064】比較例3(口紅オーバーコート)
【表6】 (組成) (重量%) (1)パーフルオロポリエーテル (FOMBLIN HC−04;モンテフロス社製) 99.5 (2)シリカ 0.5
【0065】(製法)成分(1)及び(2)を均一にな
るまで混合し、ペースト状の口紅オーバーコートを得
た。
【0066】比較例4(口紅オーバーコート)
【表7】 (組成) (重量%) (1)フッ素変性シリコーン(1−1) 99.0 (2)フッ素化合物処理顔料(マイカ) (製造例1と同様にして製造) 1.0
【0067】(製法)成分(1)及び(2)を均一にな
るまで混合し、液状の口紅オーバーコートを得た。
【0068】試験例1 実施例1〜3及び比較例1〜4の口紅オーバーコートを
用い、これらの色移り防止、化粧持ち、安定性、保形
性、使用感及び使用利便性を下記方法で試験した。結果
を表8に示す。
【0069】(色移り防止)ヒト前腕部に直径3cmの大
きさに一定量の市販の口紅を塗り、その上に各口紅オー
バーコートを塗布した。その後、ティッシュを一定の圧
力(荷重1kg)及び時間(30秒)で押しつけた場合に
ティッシュに移った口紅の色と元のティッシュとの色差
を目視により観察し、次の基準により評価した。 ○:色移り防止効果が優れている(色差が小。即ち、殆
ど色移りがない)。 ×:色移り防止効果が見られない(色差が大。即ち、色
移りが激しい)。
【0070】(化粧持ち)ヒト前腕部に直径3cmの大き
さに一定量の市販の口紅を塗り、その上に各口紅オーバ
ーコートを塗布した。その後、更に食用油を塗布し、馴
染ませた場合の色落ちの程度を目視により観察し、次の
基準により評価した。 ○:色落ちがない。 △:やや色落ちがある。 ×:色落ちが大きい。
【0071】(保存安定性)各口紅オーバーコートを常
温で1か月間保存し、その場合の状態を目視により観察
し、次の基準により評価した。 ○:分離が認められない。 ×:分離が認められる。
【0072】(保形性)各口紅オーバーコートを常温で
1か月間保存し、その場合の保形性を目視により観察
し、次の基準により評価した。 ○:保形性が優れている。 ×:保形性が劣っている。
【0073】(使用感)10名の専門パネラーが実際に
各口紅オーバーコートを使用した場合の使用感を次の基
準により評価した。 ○:7名以上が良好と評価した。 △:4〜6名が良好と評価した。 ×:3名以下が良好と評価した。
【0074】
【表8】
【0075】表8から明らかなとおり、各実施例の本発
明品は、いずれも各試験項目において優れた結果を示し
た。これに対して、(B)成分のみを含む比較例1、
(A)成分に加えて(C)成分を含む比較例2、及び
(B)成分に加えて(C)成分を含む比較例4は、実質
的にすべての項目において劣っていた。また、パーフル
オロポリエーテルと(C)成分とからなる比較例3は、
色移り防止効果が優れており、化粧持続性もやや劣る程
度であったが、安定性、保形性が劣り、製品としては不
良であった。
【0076】実施例4(口紅)
【表9】 (組成) (重量%) (1)セスキヘプタデカフルオロデシルリン酸 15.0 (2)フッ素変性シリコーン(1−1) 45.0 (3)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 5.0 (4)キャンデリラワックス 10.0 (5)スクワラン 10.0 (6)水添ラノリン 10.0 (7)フッ素化合物処理顔料(赤色201号) (製造例1と同様にして製造) 5.0 (8)フッ素化合物処理顔料(赤色104号) (製造例1と同様にして製造) 5.0
【0077】(製法)成分(6)〜(8)を混練したも
の及び成分(1)〜(5)を、130℃に加熱し、混合
溶解させた。次に、これを成型用型に流し込み、冷却固
化して口紅を得た。
【0078】実施例5(口紅)
【表10】 (組成) (重量%) (1)セスキヘプタデカフルオロデシルリン酸 15.0 (2)ポリオキシアルキレン変性シリコーン (ポリオキシエチレン含有率17%、平均分子量8000) 5.0 (3)フッ素変性シリコーン(1−3) 10.0 (4)ポリエチレンワックス 10.0 (5)イソノナン酸イソノニル 30.0 (6)スクワラン 10.0 (7)水添ラノリン 10.0 (8)フッ素化合物処理顔料(赤色104号) (製造例1と同様にして製造) 8.0 (9)酸化チタン 2.0
【0079】(製法)成分(7)〜(9)を混練したも
の及び成分(1)〜(6)を、130℃に加熱し、混合
溶解させた。次に、これを成型用型に流し込み、冷却固
化して口紅を得た。
【0080】実施例6(アイシャドウ)
【表11】 (組成) (重量%) (1)セスキヘプタデカフルオロデシルリン酸 27.0 (2)フッ素変性シリコーン(1−4) 9.0 (3)パラフィンワックス 1.0 (4)雲母チタン 5.0 (5)群青 7.0 (6)ナイロンパウダー 30.0 (7)タルク 20.0 (8)黒酸化鉄 1.0
【0081】(製法)成分(6)〜(8)を混練したも
の及び成分(1)〜(5)を、130℃に加熱し、混合
溶解させた。次に、これを成型用型に流し込み、冷却固
化してアイシャドウを得た。
【0082】実施例7(リンクルケア剤)
【表12】 (組成) (重量%) (1)セスキヘプタデカフルオロデシルリン酸 15.0 (2)フッ素変性シリコーン(1−1) 49.0 (3)フッ素変性シリコーン(1−5) 11.0 (4)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0 (5)キャンデリラワックス 10.0 (6)コラーゲン 2.0 (7)ヒアルロン酸 2.0 (8)硫酸バリウム 5.0 (8)酸化チタン 5.0
【0083】(製法)成分(1)〜(3)を130℃に
加熱し、混合溶解させた。次に、この混合物に成分
(4)〜(8)を加え、均一になるまで混合して、リン
クルケア剤を得た。
【0084】試験例2 実施例4〜7の各化粧料を用い、試験例1と同様の試験
をした。その結果、いずれも色移りがなく、化粧持続性
も優れていた。また、使用感、安定性等も良好であっ
た。
フロントページの続き (72)発明者 徳永 忠之 千葉県千葉市花見川区朝日ケ丘町1−3 花王寮 (56)参考文献 特開 平4−91012(JP,A) 特開 平5−124932(JP,A) 特開 平6−65028(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)次の一般式(1); 【化1】 (式中、Rf 1及びRf 2は炭素数3〜21のパーフルオロ
    アルキル基を示し、m及びqは1〜12の整数を示し、
    Aは水素原子、カルシウム、アルミニウム又は鉄原子を
    示し、nはAの原子価を示す)で表わされるパーフルオ
    ロアルキルリン酸又はその塩0.1〜80重量%、及び
    (B)次の一般式(2)〜(5)で表わされる構造単位
    の1以上と、一般式(6)で表わされる構造単位とを有
    するフッ素変性シリコーン1〜99重量%、 【化2】 [式中、Rf 11及びRf 12は、同一又は異なっていてもよ
    く、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のパーフルオ
    ロアルキル基を示し、R1、R4及びR5は、同一又は異
    なっていてもよく、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐
    鎖の脂肪族炭化水素基を示し;R2は水素原子を示し;
    3は炭素数2〜6の2価の炭化水素基を示し;X及び
    Yは単結合を示し、b及びdはそれぞれ1〜16の数を
    示し、eは0〜50の数を示し、gは1〜200の数を
    示し、iは1〜200の数を示す]を含有することを特
    徴とする油性固形化粧料。
  2. 【請求項2】 更に、(C)粉体を0.01〜40重量
    %含有する請求項1記載の油性固形化粧料。
  3. 【請求項3】 (C)成分の粉体が、フッ素化合物で表
    面処理されたものである請求項2記載の油性固形化粧
    料。
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