JP3375735B2 - 氷菓及びその製造方法 - Google Patents

氷菓及びその製造方法

Info

Publication number
JP3375735B2
JP3375735B2 JP14378594A JP14378594A JP3375735B2 JP 3375735 B2 JP3375735 B2 JP 3375735B2 JP 14378594 A JP14378594 A JP 14378594A JP 14378594 A JP14378594 A JP 14378594A JP 3375735 B2 JP3375735 B2 JP 3375735B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ice
ice pieces
frozen
sugar
pieces
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP14378594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07322826A (ja
Inventor
晟 高橋
磐 大宮山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP14378594A priority Critical patent/JP3375735B2/ja
Publication of JPH07322826A publication Critical patent/JPH07322826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3375735B2 publication Critical patent/JP3375735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、氷片をシロップ等の糖
液で被覆し凍結させ、氷表面に糖液の凍結層を形成させ
た氷菓に関するものである。詳しくは、氷片がシロップ
等の糖液の凍結層で被覆されているため、氷片同士が相
互に接着せず、またべとつかずに手で掴んでも食するこ
とができ、さらにかりかりとした歯ざわりを楽しむこと
ができる新しい氷菓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の氷菓は、かき氷に代表されるよう
な、氷塊を削氷したものにシロップ液を混合し、容器に
充填したものや、糖液や酸味料、香料を配合した溶液を
凍結させバーを差し込んだアイスキャンディー等が例示
できる。特に容器入りの氷菓は、氷の細粒とシロップ液
を混ぜ合せただけのものであり、このため冷凍庫から取
り出して食べる時は硬化していてスプーンも立たない状
態である。このためしばらく外気にふれさせ昇温により
表面が軟化し、いわゆるミゾレ状態になったものを食べ
ることになり、氷本来のかりかりした歯ごたえと食感を
味わうことのできるものではなかった。一方アイスキャ
ンディー類は、糖液を凍結させるため、その食感は氷本
来のものとは程遠かった。容器入り氷菓の別の例とし
て、特公昭56−48137号に開示された氷菓が例示
できる。この氷菓はチョコレート、オレンジ、レモン、
バニラ等で調味された冷菓製造用原液を液体窒素中に滴
下して急速に凍結し粒状の冷菓を得るものであり、糖類
や乳製品、果汁、果肉等の他、安定剤、増粘剤、調味料
等が添加してある冷菓原料液を凍結させたものなので、
できた粒氷は低温であっても氷本来の硬さのものが得ら
れず、食べた時のかりかりとした食感を味わえないもの
である。また別の例として、特開平5−244874号
に開示された氷菓を例示できる。これはプレート型冷却
板に、氷菓原料液を流下させて原料液を凍結付着させて
氷板を作り、これを破砕して氷片とし、容器に詰めて氷
菓製品とするものである。しかし、この氷菓も原料液に
糖液を配合するため、氷本来の歯触りや固さを維持した
ものを調製することには限界がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の氷
菓では、氷本来の食感を有するものは殆どなかった。ま
た容器に入ったものは、時間をかけて表面が融けだして
からスプーンをさしこんで食するものであり、小粒の菓
子類のように手で直接掴んで食べることはできないもの
であった。また、特開平5−244874号に開示され
た氷菓は、氷を製造する際に配合する糖分や果汁によっ
て、氷の融解温度が上昇するため製造工程で再溶解し、
氷片同士が接着しあい、製造された製品が塊状となり食
しにくくなることもしばしば発生した。また前述の液体
窒素中に氷菓原料を滴下させて製造した粒氷は硬さに欠
けるものであり、この粒氷の実際の使用は他の冷菓に混
合してその色彩や異なる風味を楽しむものであった。さ
らに、またプレート冷却板に氷菓原料を流下させて得ら
れた氷板を破砕して得る氷片の場合は、使用できる糖類
等の甘味料には制約があり、主に用いることのできる甘
味料は高倍率甘味料に限られるものであった。そして、
これらの氷菓を手で直接掴んで食べる場合には、食する
前に氷菓の表面が融解してくるので手がべとつき好まし
いものではなかった。従って本発明は、包装袋、カップ
容器、紙箱等に入れられ冷凍保存されている冷菓を冷凍
庫から取り出し容器を開封し、中の氷菓を取り出して食
べる場合、氷相互が接着せず、そのまま手で掴んで食す
ることができ、べとつかない、かりかりとした歯ごたえ
のある氷菓を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
に氷同士が相互に接着せず、手で直接掴んで食すること
ができ、しかもべとつかない、かりかりした歯ごたえの
ある氷菓を製造する目的で研究を行った結果、氷片の大
きさを一定の大きさに揃える事が、氷本来の食感を得る
ために重要であり、更に氷片に糖液が均一にコーティン
グされた後凍結させ氷表面に糖液の凍結層を形成させる
ことで、氷相互の接着を防止することができ、氷菓の歯
ごたえが良く、かりかりした食感で清涼感があり、こく
味があって、手で直接掴んで食することができ、しかも
べとつかない、さらっとしている氷菓を製造できること
を見出した。本発明にかかる氷菓は、糖液の凍結層を表
面に有する氷片からなる氷菓であって、水またはブリッ
クス糖度計表示で2.0以下の糖液を凍結して得られた
125mm 3 〜8000mm 3 の容積の氷片の表面に、ブ
リックス糖度計表示で3.5以下の糖度を有する糖液を
単層付着凍結させることによって該氷片の氷の食感と清
涼感を維持したことを特徴とする氷菓である。 この氷菓
を製造するための本発明にかかる氷菓の製造方法は、糖
液の凍結層を表面に形成してなる氷片からなる氷菓の製
造方法であって水またはブリックス糖度計表示で2.
0以下の糖液を凍結して得られた125mm 3 〜800
0mm 3 の容積の氷片を、ブリックス糖度計表示で3.
5以下の糖度を有する糖液に浸漬し、該氷片の表面に該
水溶液を付着させる工程と、 該氷片に振動を与えて過剰
の水溶液を振り落とす工程と、 該過剰の水溶液が振り落
とされた氷片上の水溶液を凍結して凍結層を形成する工
程とを有することを特徴とする氷菓の製造方法である。
【0005】すなわち、具体的には本発明は、氷片を糖
液に浸漬して、該氷片の外周に糖液を均一に被覆した
後、該氷片を冷媒に直接接触させ、氷表面に糖液の凍結
層を形成させたことを特徴とする氷菓及びその製造方法
である。本発明の氷菓は、氷片一個の容積を125mm
3 〜8000mm3 の範囲で一定の大きさに揃えた後、
該氷片に振動を与えながら冷媒と接触させることによっ
て製造できる。氷片の大きさは、氷本来の食感を維持す
るために重要である。氷片が小さいと氷片が口の中です
ぐに溶解してしまい、氷の食感を味わうことができない
し、氷の一片が8000mm3 を超えると、食しにく
い。氷片は、糖液に浸漬した後、過剰の糖液を振り落と
し、次いで冷媒と接触させ氷表面に薄い糖液層を形成さ
せるが、この糖液層が厚すぎると、その後の凍結層の形
成がうまくゆかず、氷片同士が相互に接着してしまうな
どの問題が発生する。糖液を被覆させた氷片と冷媒の接
触を行う際には、冷媒を氷片に噴霧するか又は冷媒中に
氷片を浸漬することにより本発明の氷菓を効率良く製造
できる。この際に氷片同志が相互に接着しないように、
氷片に振動を与えながら行うことが重要である。さもな
いと氷片同士が相互に接着しあい塊状となってしまい、
製造上もまた製品の品質上からも好ましくない。なお、
氷片と接触させる冷媒は液体窒素、液体炭酸、又は液体
空気など極低温を有し、氷片の風味に影響を与えない冷
媒の中から選択される一種である。
【0006】本発明の詳細は以下の通りである。浄水を
凍結させて調製した氷塊を破砕して、125mm3 〜8
000mm3 範囲で一定の大きさに揃えた氷片にする。
この時氷塊の製造は、ターボ製氷機による板状氷(厚さ
35mm)と砕氷機による氷塊(角状の氷)のどちらも
使用することができるしまた静置でも良い。なお、必要
に応じてこの氷を調製する際に、香料や酸味料、果汁な
どを添加し、氷に風味付けをすることができる。この場
合には氷の硬度に影響を与えないようにする必要があ
り、ブリックス度で2.0以下となるようにする必要が
ある。ブリックス度で2.0を超えると出来上がった氷
が、浄水のみで氷結させたものと比較して脆く、氷本来
の食感を有しなくなる。本発明では、ターボ製氷機によ
り板状氷を調製し、該板状氷の側面に衝撃を与えて、小
塊の氷にする方法を採用できるがこれ以外の方法でも良
い。例えば、不定形の氷片だけでなく、モールドなどを
使用してサイコロ状、球状、角錐状、円錐状、星状など
任意の形にし、形状の面白さを訴求することもできる。
この小塊の氷を砕氷機によりさらに小氷片(角状の氷)
とする。次いで、振動している目の径が7mm角〜4m
m角の篩いにかけて、氷片一個の容積を125mm3
8000mm3 の範囲で均一の大きさにふるいわける。
8000mm3 より大きな氷片は、直接食するためには
大きすぎ、氷菓としても劣った製品となるため、再度砕
氷機を通過させることにより均一の大きさの氷片とす
る。本発明において氷片の容積が125mm3 以下の場
合は口の中ですぐ溶けてしまい、氷本来の食感が少なく
なるため好ましくない。
【0007】糖液濃度は氷菓の糖液の凍結層の融解温度
と直接関係する。糖液の濃度(ブリックス糖度:Bri
xの値)の異なる氷菓糖液の凍結層の融解温度を表1に
示す。流通中の温度変動、小売店でのストッカー内での
ヒートショックや消費者が氷菓を食べる時の温度上昇を
考慮すると、融解温度の高い方が食べる時好ましい。表
1の各融解温度は、所定のブリックス度を示す糖液の凍
結層が、その温度に到達した時に融解しはじめることを
示す。通常の冷凍庫から取り出した氷の表面温度は−
2.0℃程度まで上昇するため、従って、本発明では、
氷の温度と糖液層の融解温度は近い方が好ましい。従っ
て、−2.0℃までは、糖液の凍結層が融解せずに、さ
らさらしべとつかない状態となることが好ましい。Br
ix3.5以上では、糖液の凍結層の融解温度が−2.
0℃以下であり、このため消費者が氷菓を食べる時に、
室温に取り出した場合すぐに溶けはじめ、さらさらした
感じがなく、べたつきが生じて食べづらくなる。このた
め糖液濃度は、Brix3.5以下とすることが好まし
い。
【0008】
【表1】 Brix 融解温度(℃) ───────────────── 1.0 −0.4 2.0 −1.2 3.5 −2.0 4.0 −2.3 7.0 −4.3 10.0 −6.2 ─────────────────
【0009】さらに本発明においては、甘味料としては
砂糖等の天然の甘味料や人工甘味料等全てのものが使用
できるが、融解温度を高くするためにステビア、アスパ
ルテーム、グリチルリチン、ソーマチン、サッカリン等
の固形分の少ない高倍率甘味料を用いることがより望ま
しい。これらの甘味料を使用することで氷がべたつかな
く、糖液の凍結層が乾燥状態であって、さらっとした感
触の氷菓を得ることができる。また糖液層には必要に応
じて香料や、乳成分を含むホワイトナー、着色料を使用
することができる。このような成分を凍結層に含有させ
ることで、特定の香りを有する氷菓や着色された氷菓と
することもできる。
【0010】冷媒として液体窒素を用いた場合、氷片と
冷媒の接触方法は、ネットコンベヤー方式又はドラム方
式などを例示することができるがこれ以外の方法であっ
てもさしつかえない。少量の場合は液体窒素に直接浸漬
しても良い。ネットコンベヤー方式による方法は、氷片
を糖液タンク内に約10秒間浸漬通過させ、浮遊状態の
氷片をすくい上げると同時に強力な振動を与えて、氷片
に付着した余分な糖液を落下させる。この際に糖液への
浸漬時間が短かくても被覆状態には影響がないが、この
浸漬時間が10秒より長いと氷が溶けてしまうので浸漬
時間は10秒以内が望ましい。糖液の温度は−2℃〜−
10℃の間に調整しておくことが好ましい。温度が高い
場合、氷片が融解し、また温度が低すぎると糖液中の水
分が氷結して、糖液の濃度が変化してしまう。つぎに、
糖液から引き上げた氷片を飛び跳ね状態にする振動装置
を通過させ、この振動により、ネットコンベヤー上で、
氷片を平にならし、氷片と氷片の付着を防止する。さら
に、氷片に付着した余分な糖液をふりおとす。この工程
により、氷片相互の接着を防止し、氷が塊状態になるこ
とを防止できる。
【0011】つぎに、次の工程でさらに強い振動をかけ
た状態とし、ネットコンベヤーと氷片および氷片同士と
が凍結により接着しないように常時氷片が飛び跳ね状態
にあるように振動を与え、10〜30秒間直接液体窒素
をかけながら、氷片を通過させる。氷片に糖液を2回掛
けする時は前記の浸漬、振動工程を繰り返し行う。液体
窒素との接触時間が短いと氷片の表面がさらさらの状態
にはならない。また長いと氷片の表面には影響がない
が、液体窒素を無駄に消費する。このため、液体窒素の
使用量は氷片の状態を見て加減することが好ましい。通
常氷片に2ないし3秒間直接噴霧すれば氷の表面がさら
さら状態となり、氷片相互が接着しなくなる。
【0012】液体窒素をかける方法としては次のような
方法を採用することもできる。即ち、氷片を糖液に浸漬
し、余分な糖液を振り落とした後、この氷をネットコン
ベヤーから緩やかな傾斜をつけたステンレス板に乗り移
させる。このステンレス板をバイブレーターで振動を与
え、板上の氷片は傾斜にそって飛び跳ねながら徐々に下
部に移動するが、このとき、板の上部より液体窒素を噴
霧あるいは滴下することで連続凍結させることができ
る。
【0013】また、ドラム方式により、糖液の凍結層を
形成させる場合には以下のように行う。氷片を糖液タン
ク内に浸漬するまではネットコンベヤー方式と同様に行
い、その後、ドラム上に設置した緩やかな傾斜のついた
回転する円板上に氷片を乗り移させる。氷片は、ドラム
の上部より円板回転で遠心力により散布され、ドラム下
部に落下するが、このドラムの最下部には、液体窒素の
噴出口を設置し、氷片はこの噴出液体窒素中に落下す
る。氷片は液体窒素の噴出力によってその落下速度が低
下しながら凍結しドラムの下部に集まり、ネットコンベ
ヤーで搬送される。ネットコンベヤーの網目は4mm角
として、落下により破損した氷片を取り除く。これは、
氷片の直径が小さいと食する時に口の中ですぐ溶けてし
まうのでかりかりした歯ざわりがでないためである。
【0014】本発明においては、糖液に浸漬した後氷片
を冷媒で冷却するが、この冷媒は人体に無害なもので、
かつ氷菓の風味をそこなわないものであればよく、例え
ば、液体窒素、液体炭酸、又は液体空気が例示できる。
液体窒素以外の冷媒を用いる場合も液体窒素と同様な方
法を採用することができる。なお、氷片と冷媒を接触さ
せる方法としては、冷媒を氷片に噴霧する方法を上に示
したが冷媒中に氷片を浸漬する方法でもよい。噴霧によ
る方法では、氷片の表面に付着した糖液の一部が剥離し
てしまうことがないので特に好ましい。
【0015】
【実施例1】以下、本発明の実施例を説明する。−25
℃前後の急凍室で浄水を凍結させ氷塊を調製した。この
氷塊を破砕機にかけ氷片とし、氷片一個の容積を125
mm3 〜8000mm3 の大きさになるようにした。こ
の氷片を目の径が4mmのネットコンベヤーにより、−
8℃以下に冷却した表2に示した配合のBrix2.5
の糖液中に10秒間浸漬させた。つぎに、このネットコ
ンベヤーに10秒間強い振動をかけて氷片やコンベヤー
に付着した余分な糖液を落下させた。次いで氷片を振動
状態にさせながら、液体窒素を15秒間噴霧して糖液層
を凍結させた。この凍結品を容器に入れ密閉して−30
℃の冷凍庫に一晩冷凍貯蔵し製品とした。この氷菓は冷
凍庫から取り出し、開封し、直接手で掴み出して食して
も、手にべたつかず、また氷の本来の歯ざわりを有する
ものであった。
【0016】
【表2】・糖液の配合 原材料 重量% ──────────────── ステビア 0.32 アスパルテーム 0.08 安定剤 0.15 クエン酸 0.90 クエン酸Na 0.20 食塩 0.05 水 98.30 ──────────────── 計 100.00
【0017】
【実施例2】レモン果汁2%、蔗糖1%、クエン酸0.
5%、レモン香料0.1%、アスパルテーム0.05%
を含有する水溶液を調製した。この水溶液のブリックス
度は2.0であった。この溶液を氷製造用バットに入
れ、−30℃の冷凍庫で一晩静置し、レモン風味氷を調
製した。この氷を破砕機にかけ、目の径が7mm角〜4
mm角の篩いにかけて、氷片一個の容積を125mm3
〜8000mm3 の大きさにふるいわけた。この氷片を
振動状態にあるネットコンベヤーに移し、氷片を糖液タ
ンク内に約10秒間浸漬通過させ、次いで強力な振動を
与えて、氷片に付着した余分な糖液を落下させた。なお
この際の糖液としては、表2記載の糖液にさらにレモン
香料を0.1%添加したものを用いた。つぎに、糖液を
通過した氷片の載ったコンベヤーに細かい振動を発生さ
せ、氷片を飛び跳ね状態とした。この振動により氷片が
コンベヤー上に均一に分布し、氷片相互が接触しあわな
いようにした。さらにこの振動により氷片に付着した余
分な糖液をふりおとした。つぎに、ネットコンベヤーが
振動状態のまま、シャワー式の液体窒素硬化装置(マジ
ックフリーズ:日本酸素製)のトンネルを通過させ、氷
片の糖液層を10〜30秒間で凍結層とした。氷片をカ
ップに充填し、−30℃の冷凍庫に一晩保存し、カップ
入りの氷菓とした。得られた氷菓はレモン風味を有し、
しかも氷の食感を有しているものであった。また冷凍庫
から取り出しても表面がべたつかず、氷片相互の接着も
なく、必要に応じて手で掴んでも取り出せる状態を維持
していた。
【0018】
【効果】本発明は、従来の、シロップ液を氷に混合した
氷菓や、シロップ含有原料液を直接凍結させる氷菓と異
なり、飲料水を凍結させて調製した氷塊そのものを破砕
し、その破砕した氷片の一粒一粒に味のついた糖液を表
面にコーティングし、凍結層を形成させるものである。
このため、かちわり氷本来のカリッとした歯応えをその
まま生かした氷菓となる。また、氷片は糖液で風味付け
された後、液体窒素等の冷媒を氷片に噴霧するか又は冷
媒中に氷片を浸漬することにより固い凍結層が形成され
るため、氷の組織には何ら変化がなく、氷の食感をその
まま維持し歯ごたえが良く、かりかりした感じをもたせ
ることができる。このため得られた氷菓には清涼感があ
り、さらに糖液の凍結層から氷菓としての甘味や風味が
付与され、単なる氷と異なる味を楽しむことができる。
また、この氷菓は一定の大きさを有しており、また一定
の組成である。特に一定の大きさでないと小さい氷片は
雰囲気温度の上昇により表面が早く融解し、この融解し
た水が他の未融解の氷片同士の付着を助長する。また、
氷片の中心部の温度が比較的低く保たれ、氷片の氷温が
表面の糖液の凍結層に伝わるため、凍結層の温度が上昇
しにくい。このため、室温に取り出した場合でも、糖液
の凍結層が融解しにくく、このため氷片一つ一つが相互
に接着しない。また、手で直接掴んで食べても、糖液の
被覆が凍結しているためべとつかないし、さらっとして
いるという特徴も有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 1/00 - 9/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖液の凍結層を表面に有する氷片からな
    る氷菓であって、 水またはブリックス糖度計表示で2.0以下の糖液を凍
    結して得られた125mm 3 〜8000mm 3 の容積の氷
    片の表面に、ブリックス糖度計表示で3.5以下の糖度
    を有する糖液を単層付着凍結させることによって該氷片
    の氷の食感と清涼感を維持したことを特徴とする 氷菓。
  2. 【請求項2】 前記氷片を前記糖液に浸漬した後、過剰
    の水溶液を該氷片から振り落としてから該氷片上の水溶
    液を凍結することにより得られたものである請求項1記
    載の氷菓。
  3. 【請求項3】 前記氷片上からの過剰の水溶液の除去
    が、振動により行われる請求項2記載の氷菓。
  4. 【請求項4】 前記氷片上での水溶液の凍結が、該氷片
    への冷媒の噴霧または該氷片を冷媒に浸漬することによ
    る急速凍結により行われる請求項1〜3のいずれかに記
    載の氷菓。
  5. 【請求項5】 糖液の凍結層を表面に有する氷片からな
    る氷菓の製造方法であって、 水またはブリックス糖度計表示で2.0以下の糖液を凍
    結して得られた125mm 3 〜8000mm 3 の容積の氷
    片を、ブリックス糖度計表示で3.5以下の糖度を有す
    る糖液に浸漬し、該氷片の表面に該水溶液を付着させる
    工程と、 該氷片に振動を与えて過剰の水溶液を振り落とす工程
    と、 該過剰の水溶液が振り落とされた氷片上の水溶液を凍結
    して凍結層を形成する工程とを有することを特徴とする
    氷菓の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記凍結層の形成が、前記氷片に冷媒を
    噴霧または浸漬により接触させることによって行われる
    請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記氷片を振動させた状態で前記冷媒を
    接触させる請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記冷媒が、液体窒素、液体炭酸または
    液体空気である請求 項6または7に記載の製造方法。
JP14378594A 1994-06-02 1994-06-02 氷菓及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3375735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14378594A JP3375735B2 (ja) 1994-06-02 1994-06-02 氷菓及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14378594A JP3375735B2 (ja) 1994-06-02 1994-06-02 氷菓及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07322826A JPH07322826A (ja) 1995-12-12
JP3375735B2 true JP3375735B2 (ja) 2003-02-10

Family

ID=15346950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14378594A Expired - Lifetime JP3375735B2 (ja) 1994-06-02 1994-06-02 氷菓及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3375735B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013236575A (ja) * 2012-05-14 2013-11-28 Hamada Shokuhin Kogyo Kk 氷菓の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07322826A (ja) 1995-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1326500B1 (en) Encased food product with contrasting components
US4307126A (en) Method of producing fruit-containing chocolate
JPS5849145B2 (ja) 粒状氷菓の製造法
US4271206A (en) Gasified candy having a predetermined shape
JPH0414950B2 (ja)
PL186328B1 (pl) Sposób wytwarzania lodów z miękkimi dodatkami
JP3156921B2 (ja) 糖衣物
JP2003513677A (ja) 新規な粒状の天然果実製品およびその製造方法
AU2009203075A1 (en) Foodstuff
JP3375735B2 (ja) 氷菓及びその製造方法
WO1998004150A1 (fr) Procede de preparation d'un dessert glace en forme de boule pourvu d'un revetement
US5318784A (en) Pourable chewing gum and confection composition
JP3440613B2 (ja) 氷菓及びその製造方法
WO1998031237A1 (en) Ice containing food product and method of manufacture thereof
JPH0737507Y2 (ja) 難融解性氷塊
KR100271337B1 (ko) 빙과의 제조법
US20220256882A1 (en) Systems and methods for manufacturing gummy puffs
JP2002360177A (ja) 冷菓及びその製法
JPH052294B2 (ja)
JP2022042549A (ja) 氷菓の製法
JP3474760B2 (ja) 組合せ菓子
JP3425462B2 (ja) チョコレートで被覆した氷菓及びその製造法
JPH06178653A (ja) 調製ホイップクリーム及びその製造方法
JP2889940B2 (ja) 新規なゼリー食品およびその製造方法
JPH10262568A (ja) 大型氷塊入り冷菓の製法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071129

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081129

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091129

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091129

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091129

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101129

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111129

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131129

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term