JP3375394B2 - ウォータージェットルーム用糊剤の製造方法及び糊剤組成物 - Google Patents
ウォータージェットルーム用糊剤の製造方法及び糊剤組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウォータージェットルー
ム用に適した、たて糸用の糊剤の新規な製造方法及び新
規な糊剤組成物に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、高圧の水の噴射力でよこ糸をひ口に挿入
するウォータージェットルームにおいて充分な耐水性を
持ち、糊剤としての繊維束の抱合力が充分強く、しかも
粘度が低くて製織工程中の取り扱いの容易な糊剤の製造
方法及び糊剤組成物に関するものである。
ム用に適した、たて糸用の糊剤の新規な製造方法及び新
規な糊剤組成物に関するものである。さらに詳しくいえ
ば、本発明は、高圧の水の噴射力でよこ糸をひ口に挿入
するウォータージェットルームにおいて充分な耐水性を
持ち、糊剤としての繊維束の抱合力が充分強く、しかも
粘度が低くて製織工程中の取り扱いの容易な糊剤の製造
方法及び糊剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、織布工場の作業においては、
製繊工程の準備作業がその大半を占めるが、その中でも
たて糸糊付け作業がもっとも重要な準備作業であり、そ
の良否が織機の能率、製品の品質に大きな影響をあたえ
る。もし糊付け作業を失敗すると、織機におけるたて糸
切れが増加し、能率、品質の低下を来すのみならず、と
きには製織不能に陥り、たて糸原料を無駄にしてしま
い、大きな損害を招く危険がある。合成繊維の糊剤とし
て古来用いられてきた澱粉に代わり、現在はPVA糊剤
が広く用いられている。しかし、ポリエステルやナイロ
ンのフィラメントに対してはPVAでは接着性が不足
し、また糊付け糸が硬すぎる嫌いがあるので、最近、こ
れらの合成繊維にはアクリル系糊剤が使われるようにな
ってきた。近年、製織工程の能率向上のために、ジェッ
トルームが普及し、特にわが国においては、ウォーター
ジェットルームがその主流を占めている。このウォータ
ジェットルーム方法による製織工程において、たて糸は
おさ(リード)、綜こう(ヘルド)との摩擦や開口運動
による隣接する糸との摩擦に加えて、糸の開口運動と走
行による引っ張り及び屈曲と組み合わされた大きなスト
レスを受ける。このようなストレスにより糸切れ、毛羽
立ちの発生を防止する目的で特にこのウォータジェット
ルーム装置に適した、たて糸糊剤を用いる必要がある。
近年、製繊工程合理化から製織速度が速くなり、これに
伴い、たて糸の受けるストレスもますます大きくなるこ
とから更に製織性が良く、抱合性の良い糊剤の開発が望
まれている。ウォータージェットルーム製織工程では、
高圧の水の飛翔力にてよこ糸を走らせて製織するため
に、まず、たて糸糊剤には耐水性が要求される。製織し
た布は、この後染色、仕上げ加工に進むが、その前に精
練工程にて糊剤、油剤は除去されなければならない。こ
の加工速度も工程合理化から所要時間の短縮化が行われ
ており、そのため糊剤も短時間で除去される性能が求め
られている。ウォータージェットルーム用糊剤として
は、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸
アンモニウム共重合体が一般によく使用されている。こ
のアクリル系糊剤は、特公昭40−19720号、特公
昭45−28035号、特公昭61−25831号、特
公昭61−46587号等に記載されている如く溶液重
合にて製造される。しかしながら、溶液重合は、低級ア
ルコールの如き水溶性の引火性溶媒中で重合が行われる
ために安全性に問題がある。また、溶液重合では、アル
コール溶媒から水媒体に置換する工程が必要であって、
溶媒のロス及び溶媒回収費用等の工程費が余計に嵩む欠
点がある。溶液重合の替わりに乳化重合を用いれば、溶
媒に基づく上記欠点がなく経済的であるという利点があ
ると考えられるが、これには次のような欠点があるため
にポリエステルやナイロンフィラメントのウォータージ
ェットルーム用糊剤としては実用的ではない。すなわ
ち、乳化剤を使用することから耐水性が悪くなって実用
に耐えない。また、繊維に実用上充分な抱合力を持たせ
るために、糊剤高分子に必要な分子量まで重合度を高く
すると、同じ分子量で比較した場合液の粘度が乳化重合
の場合には高くなってしまう。糊剤の粘度が高くなると
糸内部への糊剤の浸透が悪くなり、抱合力の低下、落糊
による製織性の悪化を引き起こす。
製繊工程の準備作業がその大半を占めるが、その中でも
たて糸糊付け作業がもっとも重要な準備作業であり、そ
の良否が織機の能率、製品の品質に大きな影響をあたえ
る。もし糊付け作業を失敗すると、織機におけるたて糸
切れが増加し、能率、品質の低下を来すのみならず、と
きには製織不能に陥り、たて糸原料を無駄にしてしま
い、大きな損害を招く危険がある。合成繊維の糊剤とし
て古来用いられてきた澱粉に代わり、現在はPVA糊剤
が広く用いられている。しかし、ポリエステルやナイロ
ンのフィラメントに対してはPVAでは接着性が不足
し、また糊付け糸が硬すぎる嫌いがあるので、最近、こ
れらの合成繊維にはアクリル系糊剤が使われるようにな
ってきた。近年、製織工程の能率向上のために、ジェッ
トルームが普及し、特にわが国においては、ウォーター
ジェットルームがその主流を占めている。このウォータ
ジェットルーム方法による製織工程において、たて糸は
おさ(リード)、綜こう(ヘルド)との摩擦や開口運動
による隣接する糸との摩擦に加えて、糸の開口運動と走
行による引っ張り及び屈曲と組み合わされた大きなスト
レスを受ける。このようなストレスにより糸切れ、毛羽
立ちの発生を防止する目的で特にこのウォータジェット
ルーム装置に適した、たて糸糊剤を用いる必要がある。
近年、製繊工程合理化から製織速度が速くなり、これに
伴い、たて糸の受けるストレスもますます大きくなるこ
とから更に製織性が良く、抱合性の良い糊剤の開発が望
まれている。ウォータージェットルーム製織工程では、
高圧の水の飛翔力にてよこ糸を走らせて製織するため
に、まず、たて糸糊剤には耐水性が要求される。製織し
た布は、この後染色、仕上げ加工に進むが、その前に精
練工程にて糊剤、油剤は除去されなければならない。こ
の加工速度も工程合理化から所要時間の短縮化が行われ
ており、そのため糊剤も短時間で除去される性能が求め
られている。ウォータージェットルーム用糊剤として
は、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸
アンモニウム共重合体が一般によく使用されている。こ
のアクリル系糊剤は、特公昭40−19720号、特公
昭45−28035号、特公昭61−25831号、特
公昭61−46587号等に記載されている如く溶液重
合にて製造される。しかしながら、溶液重合は、低級ア
ルコールの如き水溶性の引火性溶媒中で重合が行われる
ために安全性に問題がある。また、溶液重合では、アル
コール溶媒から水媒体に置換する工程が必要であって、
溶媒のロス及び溶媒回収費用等の工程費が余計に嵩む欠
点がある。溶液重合の替わりに乳化重合を用いれば、溶
媒に基づく上記欠点がなく経済的であるという利点があ
ると考えられるが、これには次のような欠点があるため
にポリエステルやナイロンフィラメントのウォータージ
ェットルーム用糊剤としては実用的ではない。すなわ
ち、乳化剤を使用することから耐水性が悪くなって実用
に耐えない。また、繊維に実用上充分な抱合力を持たせ
るために、糊剤高分子に必要な分子量まで重合度を高く
すると、同じ分子量で比較した場合液の粘度が乳化重合
の場合には高くなってしまう。糊剤の粘度が高くなると
糸内部への糊剤の浸透が悪くなり、抱合力の低下、落糊
による製織性の悪化を引き起こす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ウォーター
ジェットルーム用糊剤として、耐水性が良好なアクリル
系糊剤をソープフリー乳化重合によって製造する方法及
びソープフリー乳化重合法によって耐水性良好なアクリ
ル系糊剤組成物を提供することを目的とするものであ
る。
ジェットルーム用糊剤として、耐水性が良好なアクリル
系糊剤をソープフリー乳化重合によって製造する方法及
びソープフリー乳化重合法によって耐水性良好なアクリ
ル系糊剤組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ウォータ
ージェットルーム用糊剤として、乳化重合にて糊剤粘度
を低く抑え、耐水性が良いアクリル系糊剤について鋭意
研究した結果、アクリル系共重合モノマーの乳化重合に
おいて乳化剤等の界面活性剤も保護コロイド剤も使用せ
ず、ソープフリー乳化重合(乳化剤を用いない乳化重
合)を行うことによって期せずして目的とする性能を達
成できることを見い出し、この知見に基づき本発明を完
成させるに至った。すなわち、本発明は、 1 (1)重合性不飽和酸が8〜30重量%、 (2)(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルコール
のエステルが30〜70重量%、 (3)(メタ)アクリル酸の炭素数4〜22のアルコー
ルのエステルが20〜60重量%、からなる単量体混合
物を、水溶性重合開始剤及び連鎖移動剤を用いて水系で
ソープフリー乳化重合にて重合して水性分散体を得た後
アルカリ剤にて中和して得られる中和水性分散体からな
る糊剤の製造方法、 2 (1)重合性不飽和酸が8〜30重量%、 (2)(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルコール
のエステルが30〜70重量%、 (3)(メタ)アクリル酸の炭素数4〜22のアルコー
ルのエステルが20〜60重量%、からなる単量体混合
物を、水溶性重合開始剤及び連鎖移動剤を用いて水系で
ソープフリー乳化重合にて重合して水性分散体を得た後
アルカリ剤にて中和して得られる中和水性分散体(10
0重量部)にワックスエマルジョン(10〜30重量
部)を混合し、混合物中の中和水性分散体の含有率が固
形分として全固形分の30重量%以上である糊剤組成
物、 3 生成する中和前の水性分散体の粒子の95重量%以
上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンである第1項記載の
糊剤の製造方法、 4 生成する中和水性分散体に含まれる重合体の重量平
均分子量が80,000〜400,000である第3項記
載の糊剤の製造方法、 5 生成する中和前の水性分散体の粒子の95重量%以
上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンである第2項記載の
糊剤組成物、及び、 6 生成する中和水性分散体に含まれる重合体の重量平
均分子量が80,000〜400,000である第5項記
載の糊剤組成物、を提供するものである。
ージェットルーム用糊剤として、乳化重合にて糊剤粘度
を低く抑え、耐水性が良いアクリル系糊剤について鋭意
研究した結果、アクリル系共重合モノマーの乳化重合に
おいて乳化剤等の界面活性剤も保護コロイド剤も使用せ
ず、ソープフリー乳化重合(乳化剤を用いない乳化重
合)を行うことによって期せずして目的とする性能を達
成できることを見い出し、この知見に基づき本発明を完
成させるに至った。すなわち、本発明は、 1 (1)重合性不飽和酸が8〜30重量%、 (2)(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルコール
のエステルが30〜70重量%、 (3)(メタ)アクリル酸の炭素数4〜22のアルコー
ルのエステルが20〜60重量%、からなる単量体混合
物を、水溶性重合開始剤及び連鎖移動剤を用いて水系で
ソープフリー乳化重合にて重合して水性分散体を得た後
アルカリ剤にて中和して得られる中和水性分散体からな
る糊剤の製造方法、 2 (1)重合性不飽和酸が8〜30重量%、 (2)(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルコール
のエステルが30〜70重量%、 (3)(メタ)アクリル酸の炭素数4〜22のアルコー
ルのエステルが20〜60重量%、からなる単量体混合
物を、水溶性重合開始剤及び連鎖移動剤を用いて水系で
ソープフリー乳化重合にて重合して水性分散体を得た後
アルカリ剤にて中和して得られる中和水性分散体(10
0重量部)にワックスエマルジョン(10〜30重量
部)を混合し、混合物中の中和水性分散体の含有率が固
形分として全固形分の30重量%以上である糊剤組成
物、 3 生成する中和前の水性分散体の粒子の95重量%以
上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンである第1項記載の
糊剤の製造方法、 4 生成する中和水性分散体に含まれる重合体の重量平
均分子量が80,000〜400,000である第3項記
載の糊剤の製造方法、 5 生成する中和前の水性分散体の粒子の95重量%以
上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンである第2項記載の
糊剤組成物、及び、 6 生成する中和水性分散体に含まれる重合体の重量平
均分子量が80,000〜400,000である第5項記
載の糊剤組成物、を提供するものである。
【0005】本発明に用いる(1)重合性不飽和酸とし
ては重合性不飽和結合とカルボン酸基を有する単量体で
ありば特に制限なく使用することができ、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロ
トン酸等が挙げられる。本発明に用いる共重合用モノマ
ー混合物中の重合性不飽和酸の比率は、8〜30重量%
であり、そのモノマー比率が8重量%未満では製織後の
後加工での脱糊性が不十分であり、30重量%を超える
と糊フイルムが硬くなって伸度が小さくなり合成繊維の
伸度に追随できず抱合力の低下、落ち糊が悪くなり好ま
しくない。また、耐水性が要求されるウォータージェッ
トルームの場合には耐水性が低下することとなり好まし
くない。本発明に用いる共重合体の単量体成分として炭
素数1〜3のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル
30〜70重量%と炭素数4〜22のアルコールの(メ
タ)アクリル酸エステル20〜60重量%を併用する点
に特徴がある。本発明に用いる(メタ)アクリル酸の炭
素数1〜3アルコールのエステルとしては、例えば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸イソプロピル等が挙げられる。炭素数1〜3
のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの配合量
が、30重量%未満では糊皮膜が柔軟となりすぎて抱合
性と耐摩耗性が低下し、70重量%を超えると糊皮膜が
硬くなりすぎて糸の伸びに追随できないことから抱合性
が低下する点で好ましくない。
ては重合性不飽和結合とカルボン酸基を有する単量体で
ありば特に制限なく使用することができ、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロ
トン酸等が挙げられる。本発明に用いる共重合用モノマ
ー混合物中の重合性不飽和酸の比率は、8〜30重量%
であり、そのモノマー比率が8重量%未満では製織後の
後加工での脱糊性が不十分であり、30重量%を超える
と糊フイルムが硬くなって伸度が小さくなり合成繊維の
伸度に追随できず抱合力の低下、落ち糊が悪くなり好ま
しくない。また、耐水性が要求されるウォータージェッ
トルームの場合には耐水性が低下することとなり好まし
くない。本発明に用いる共重合体の単量体成分として炭
素数1〜3のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル
30〜70重量%と炭素数4〜22のアルコールの(メ
タ)アクリル酸エステル20〜60重量%を併用する点
に特徴がある。本発明に用いる(メタ)アクリル酸の炭
素数1〜3アルコールのエステルとしては、例えば、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸イソプロピル等が挙げられる。炭素数1〜3
のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの配合量
が、30重量%未満では糊皮膜が柔軟となりすぎて抱合
性と耐摩耗性が低下し、70重量%を超えると糊皮膜が
硬くなりすぎて糸の伸びに追随できないことから抱合性
が低下する点で好ましくない。
【0006】本発明に用いる(メタ)アクリル酸の炭素
数4〜22のアルコールエステルとしては、例えば、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸トリデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セ
チル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。炭素数
4〜22のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの
配合量が、20重量%未満では糊皮膜が硬くなりすぎて
糸の伸びに追随できないことから抱合性が低下し、60
重量%を超えると糊皮膜が柔軟となりすぎることから抱
合性と耐摩耗性が低下する点で好ましくない。また、本
発明共重合体成分として、ここに挙げたモノマー類に加
えて、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニルモノマー、ア
クリロニトリル、アクリルアミド、スチレン等のモノマ
ーを所望により本発明の効果を損なわない範囲で添加す
ることができる。本発明の水性分散体の重合方法として
はソープフリー乳化重合を行う事が特徴である。これ
は、水系にて重合を行うにあたり、界面活性剤、水溶性
高分子等の乳化剤や保護コロイドを使用せず、水溶性重
合開始剤と共重合成分の単量体混合物のみを使用して、
激しく撹拌して単量体液を分散せしめ、95%以上、好
ましくは、ほぼ100%の重合率まで重合を行うもので
ある。本発明者らは本発明の請求範囲に示した単量体混
合物に連鎖移動剤を添加した後、重合開始剤を用いてソ
ープフリー重合を行い、アルカリ剤にて中和することに
より、期せずして従来の乳化剤や保護コロイドを用いる
乳化重合及び溶液重合で得られた糊剤と較べると、同一
分子量において糊剤の粘度が大幅に低くなることを発見
した。従って従来の重合法に較べて分子量を一段と高く
する重合条件を選択することが可能となりその結果、糊
剤の粘度を上げないで、糊剤として使用した場合の抱合
力と耐摩耗性を大幅に改善することが可能となった。
数4〜22のアルコールエステルとしては、例えば、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸トリデシル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸セ
チル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。炭素数
4〜22のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの
配合量が、20重量%未満では糊皮膜が硬くなりすぎて
糸の伸びに追随できないことから抱合性が低下し、60
重量%を超えると糊皮膜が柔軟となりすぎることから抱
合性と耐摩耗性が低下する点で好ましくない。また、本
発明共重合体成分として、ここに挙げたモノマー類に加
えて、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニルモノマー、ア
クリロニトリル、アクリルアミド、スチレン等のモノマ
ーを所望により本発明の効果を損なわない範囲で添加す
ることができる。本発明の水性分散体の重合方法として
はソープフリー乳化重合を行う事が特徴である。これ
は、水系にて重合を行うにあたり、界面活性剤、水溶性
高分子等の乳化剤や保護コロイドを使用せず、水溶性重
合開始剤と共重合成分の単量体混合物のみを使用して、
激しく撹拌して単量体液を分散せしめ、95%以上、好
ましくは、ほぼ100%の重合率まで重合を行うもので
ある。本発明者らは本発明の請求範囲に示した単量体混
合物に連鎖移動剤を添加した後、重合開始剤を用いてソ
ープフリー重合を行い、アルカリ剤にて中和することに
より、期せずして従来の乳化剤や保護コロイドを用いる
乳化重合及び溶液重合で得られた糊剤と較べると、同一
分子量において糊剤の粘度が大幅に低くなることを発見
した。従って従来の重合法に較べて分子量を一段と高く
する重合条件を選択することが可能となりその結果、糊
剤の粘度を上げないで、糊剤として使用した場合の抱合
力と耐摩耗性を大幅に改善することが可能となった。
【0007】さらに、従来の乳化重合法の大きな欠点で
あった重合に使用した乳化剤や保護コロイド剤が共重合
体中にそのまま残存することによる耐水性の低下がな
く、糊剤の耐水性を抜本的に改善することができたもの
である。また、本発明の糊剤の特徴として、得られた中
和前の水性分散体の殆どの粒子、すなわち、粒子の95
重量%以上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンの範囲の大
きさを有していることが望ましい。粒子径が0.2ミク
ロン未満の粒子が多くなると糊剤粘度が高くなり好まし
くなく、また、粒子径が2.0ミクロンを超える粒子が
多くなるとフイルム形成性が悪くなり抱合力の低下、落
ち糊が発生しやすくなる。さらに本発明の糊剤の特徴と
して、用いる共重合体の重量平均分子量が80,000
〜400,000、好ましくは、100,000〜30
0,000を有していることが望ましい。当該共重合体
の重量平均分子量が80,000未満では、本発明の目
的である高速製織での抱合力、耐摩耗性が悪くなる傾向
があり、重量平均分子量が400,000を超えると糊
剤粘度が高くなり、また脱糊性も低下する。本発明での
ソープフリー乳化重合に際しては、重合開始剤としては
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなど、連鎖移動剤
としてはチオグリコール酸エステル類やアルキルメルカ
プタン類など一般の乳化重合に使用するものが用いられ
る。重合温度としては、50〜95℃、好ましくは、6
0〜80℃が好適である。中和に用いるアルカリ剤とし
ては、アンモニア水、低級アルキルアミン類、モルホリ
ン等を好適に使用することができる。また、糊剤の粘度
低下、浸透性付与するために揮発性の水溶性溶剤、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソ
ルブ類を適宜添加することができる。
あった重合に使用した乳化剤や保護コロイド剤が共重合
体中にそのまま残存することによる耐水性の低下がな
く、糊剤の耐水性を抜本的に改善することができたもの
である。また、本発明の糊剤の特徴として、得られた中
和前の水性分散体の殆どの粒子、すなわち、粒子の95
重量%以上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンの範囲の大
きさを有していることが望ましい。粒子径が0.2ミク
ロン未満の粒子が多くなると糊剤粘度が高くなり好まし
くなく、また、粒子径が2.0ミクロンを超える粒子が
多くなるとフイルム形成性が悪くなり抱合力の低下、落
ち糊が発生しやすくなる。さらに本発明の糊剤の特徴と
して、用いる共重合体の重量平均分子量が80,000
〜400,000、好ましくは、100,000〜30
0,000を有していることが望ましい。当該共重合体
の重量平均分子量が80,000未満では、本発明の目
的である高速製織での抱合力、耐摩耗性が悪くなる傾向
があり、重量平均分子量が400,000を超えると糊
剤粘度が高くなり、また脱糊性も低下する。本発明での
ソープフリー乳化重合に際しては、重合開始剤としては
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなど、連鎖移動剤
としてはチオグリコール酸エステル類やアルキルメルカ
プタン類など一般の乳化重合に使用するものが用いられ
る。重合温度としては、50〜95℃、好ましくは、6
0〜80℃が好適である。中和に用いるアルカリ剤とし
ては、アンモニア水、低級アルキルアミン類、モルホリ
ン等を好適に使用することができる。また、糊剤の粘度
低下、浸透性付与するために揮発性の水溶性溶剤、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類、メチルセロソルブ等のセロソ
ルブ類を適宜添加することができる。
【0008】本発明糊剤組成物は、上記本発明製造方法
によって製造された中和水性分散体からなる糊剤にワッ
クスエマルジョンを混合したものである。本発明糊剤組
成物に用いるワックスエマルジョンとしては、例えば、
多価アルコール脂肪酸エステル、パラフィンワックス、
酸化ワックス、酸化ポリエチレン、カルナバワックス、
モンタンワックス、キャンデリラワックス、白ろう、密
ろう等のワックスの単独あるいはそれらの混合物を、非
イオン界面活性剤あるいはアニオン界面活性剤にて乳化
した水系エマルジョンが用いられる。ワックスエマルジ
ョンは、中和水性分散体に対して、固形分換算で、中和
水性分散体の固形分が30重量%以上、好ましくは、4
0重量%以上になるように配合する。ワックスの配合が
多すぎると、抱合性が低下する。本発明の方法により得
られた糊剤は、従来の乳化重合の欠点とされた耐水性が
良くなり、さらに、分子量を大きくすることができるの
で、ワックスエマルジョンの配合によるワックスエマル
ジョン中の乳化剤によるアクリルポリマーの可塑化を少
なくすることが可能となり、水性分散体の粒子径を0.
2〜2.0ミクロンとすることにより粘度を低く抑えた
まま高分子量化することが出来たので、高速製織工程に
適した抱合力と耐摩耗性の良い糊剤の製造が可能となっ
た。
によって製造された中和水性分散体からなる糊剤にワッ
クスエマルジョンを混合したものである。本発明糊剤組
成物に用いるワックスエマルジョンとしては、例えば、
多価アルコール脂肪酸エステル、パラフィンワックス、
酸化ワックス、酸化ポリエチレン、カルナバワックス、
モンタンワックス、キャンデリラワックス、白ろう、密
ろう等のワックスの単独あるいはそれらの混合物を、非
イオン界面活性剤あるいはアニオン界面活性剤にて乳化
した水系エマルジョンが用いられる。ワックスエマルジ
ョンは、中和水性分散体に対して、固形分換算で、中和
水性分散体の固形分が30重量%以上、好ましくは、4
0重量%以上になるように配合する。ワックスの配合が
多すぎると、抱合性が低下する。本発明の方法により得
られた糊剤は、従来の乳化重合の欠点とされた耐水性が
良くなり、さらに、分子量を大きくすることができるの
で、ワックスエマルジョンの配合によるワックスエマル
ジョン中の乳化剤によるアクリルポリマーの可塑化を少
なくすることが可能となり、水性分散体の粒子径を0.
2〜2.0ミクロンとすることにより粘度を低く抑えた
まま高分子量化することが出来たので、高速製織工程に
適した抱合力と耐摩耗性の良い糊剤の製造が可能となっ
た。
【0009】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1〜7 メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸オクチル
の第1表記載の所定量に、連鎖移動剤としてチオグリコ
ール酸オクチルを第1表記載の所定量を加え、撹拌混合
して共重合モノマー/連鎖移動剤混合物を得た。温度
計、撹拌機、コンデンサー、N2ガス吹き込み口のつい
た500mlの4つ口フラスコに、イオン交換水を280
ml仕込み、N2ガスを吹き込みながら75℃に昇温し
た。次に、撹拌しながらモノマー/連鎖移動剤混合物の
5%を滴下し、さらに過硫酸アンモン/重亜硫酸曹達の
水溶液を加えて75℃で20分重合し、その後、残りの
モノマー/連鎖移動剤混合物を75℃にて1時間かけて
滴下した。次に、撹拌を続けながら、温度75℃にて1
時間反応させて重合を完結させ、温度65℃に冷却して
から5%アンモニア水100gを徐々に加えて中和し、
室温に冷却し中和水性分散体を得た。このようにして合
成した中和水性分散体にNKワックスHW−9(日華化
学製、高融点ワックスを乳化剤にて乳化したワックスエ
マルジョン)を固形分重量比で80/20に混合して、
固形分中水性分散体固形分80重量%のエマルジョン組
成物を調整した。得られた乳化剤を含まない糊組成物エ
マルジョン中の全固形分は22重量%になった。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1〜7 メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸オクチル
の第1表記載の所定量に、連鎖移動剤としてチオグリコ
ール酸オクチルを第1表記載の所定量を加え、撹拌混合
して共重合モノマー/連鎖移動剤混合物を得た。温度
計、撹拌機、コンデンサー、N2ガス吹き込み口のつい
た500mlの4つ口フラスコに、イオン交換水を280
ml仕込み、N2ガスを吹き込みながら75℃に昇温し
た。次に、撹拌しながらモノマー/連鎖移動剤混合物の
5%を滴下し、さらに過硫酸アンモン/重亜硫酸曹達の
水溶液を加えて75℃で20分重合し、その後、残りの
モノマー/連鎖移動剤混合物を75℃にて1時間かけて
滴下した。次に、撹拌を続けながら、温度75℃にて1
時間反応させて重合を完結させ、温度65℃に冷却して
から5%アンモニア水100gを徐々に加えて中和し、
室温に冷却し中和水性分散体を得た。このようにして合
成した中和水性分散体にNKワックスHW−9(日華化
学製、高融点ワックスを乳化剤にて乳化したワックスエ
マルジョン)を固形分重量比で80/20に混合して、
固形分中水性分散体固形分80重量%のエマルジョン組
成物を調整した。得られた乳化剤を含まない糊組成物エ
マルジョン中の全固形分は22重量%になった。
【0010】
【表1】
【0011】比較例1〜3
実施例と同様にして第1表記載の配合に従い、モノマー
/連鎖移動剤混合物を調製した。この混合物を用いて、
実施例と同じ装置を使用し、イオン交換水280mlと乳
化剤トラッフィックスN−300(日本油脂製)1.0
gを仕込み、それ以外の操作は実施例と同一にして水性
分散体を調製した。これを実施例と同様にして中和した
後、更に実施例と同様にNKワックスHW−9を配合し
て乳化剤使用した糊剤を調製した。調製した実施例及び
比較例の糊剤の性能は、次の試験方法によって評価し
て、結果を表1に示した。 粒子径 中和前の水性分散体を用い、島津製作所製レーザー回折
式粒度分布測定機SALD−1100にて測定した。平
均粒子径は積分分布曲線の50%点の粒子径を示す。 糊剤粘度 中和水性分散体を用い、BL型回転粘度計(東京計器
製)を使用してローターNo.2の30回転にて、20
℃で測定した。 糊剤分子量 調製した中和水性分散体をシャーレ上で100℃にて乾
燥して皮膜状とする。これをテトラヒドロフランを溶剤
として溶解し1重量%の溶液を得る。この溶液を用い
て、東ソー製GPC装置HCL−8020にて平均分子
量を測定した。なお、、及びの試験は、ワックス
エマルジョンを混合する前の水性分散体単独にて測定し
たが、次の、及びの試験は、ワックスエマルジョ
ンを混合した糊剤について測定した。 吸水率 厚さ0.3mmのフイルムを、20℃、60%RHにて4
8時間調湿し、30℃の温水に15分浸漬し浸漬前後の
重量変化より求めた。
/連鎖移動剤混合物を調製した。この混合物を用いて、
実施例と同じ装置を使用し、イオン交換水280mlと乳
化剤トラッフィックスN−300(日本油脂製)1.0
gを仕込み、それ以外の操作は実施例と同一にして水性
分散体を調製した。これを実施例と同様にして中和した
後、更に実施例と同様にNKワックスHW−9を配合し
て乳化剤使用した糊剤を調製した。調製した実施例及び
比較例の糊剤の性能は、次の試験方法によって評価し
て、結果を表1に示した。 粒子径 中和前の水性分散体を用い、島津製作所製レーザー回折
式粒度分布測定機SALD−1100にて測定した。平
均粒子径は積分分布曲線の50%点の粒子径を示す。 糊剤粘度 中和水性分散体を用い、BL型回転粘度計(東京計器
製)を使用してローターNo.2の30回転にて、20
℃で測定した。 糊剤分子量 調製した中和水性分散体をシャーレ上で100℃にて乾
燥して皮膜状とする。これをテトラヒドロフランを溶剤
として溶解し1重量%の溶液を得る。この溶液を用い
て、東ソー製GPC装置HCL−8020にて平均分子
量を測定した。なお、、及びの試験は、ワックス
エマルジョンを混合する前の水性分散体単独にて測定し
たが、次の、及びの試験は、ワックスエマルジョ
ンを混合した糊剤について測定した。 吸水率 厚さ0.3mmのフイルムを、20℃、60%RHにて4
8時間調湿し、30℃の温水に15分浸漬し浸漬前後の
重量変化より求めた。
【0012】
【数1】
【0013】脱糊性
ポリエステル布に固形分を10%に調整した糊剤を数滴
滴下し、室温にて1日放置し、170℃×1分加熱処理
した後、下記条件で精練処理し、下記呈色反応により脱
糊性を判定した。精練は、次の処方の精練剤を浴比1:
30で90℃で30秒精練処理をした。 精練剤処方 サンモールBL−600 1g/1 フレーク状NaOH 1g/1 ネオクリスタル110 0.5g/1 呈色判定は、カチオン染料Maxilon Blue 5Gを0.2g/
1用いて、浴比1:50で温度50℃で5分間浸漬し
て、次の判定基準で行った。 [判定基準] ○:呈色無し △:やや青い ×:青い 糊付け糸の性能評価法用試料の調整 糊剤を固形分10%に調整し、ポリエステルフィラメン
ト50デニール36フィラメント糸(50−36と略
す)をサイジングマシーンにて着糊量が6〜7%になる
ように糊付けした。 抱合力 (a)TM式糸−金属摩擦試験機により、500g19本
の荷重をかけながら摩擦1000回を行い糸割れ、毛羽
発生状態を目視にて次の判定基準により観察した。 [判定基準] ○ :糸割れ、毛羽無し ○△:毛羽少しあり △ :糸割れ、毛羽少しあり × :糸割れ、毛羽あり (b)糸−糸摩擦抱合力試験機により、荷重1g/1デニ
ール、交差角60°、角度360°ひねりにて摩擦させ
て糸の破断回数を求めた。上記試験の評価結果を第1表
に示されているが、本発明による実施例の場合同一の平
均分子量で比較すると、乳化剤を用いた場合より桁違い
に粘度が低い。また、本発明による実施例の場合、乳化
剤を用いた場合よりも吸水率が低くしかも抱合力は、糸
−金属の場合も糸−糸の場合も明らかに優れていること
が明白である。
滴下し、室温にて1日放置し、170℃×1分加熱処理
した後、下記条件で精練処理し、下記呈色反応により脱
糊性を判定した。精練は、次の処方の精練剤を浴比1:
30で90℃で30秒精練処理をした。 精練剤処方 サンモールBL−600 1g/1 フレーク状NaOH 1g/1 ネオクリスタル110 0.5g/1 呈色判定は、カチオン染料Maxilon Blue 5Gを0.2g/
1用いて、浴比1:50で温度50℃で5分間浸漬し
て、次の判定基準で行った。 [判定基準] ○:呈色無し △:やや青い ×:青い 糊付け糸の性能評価法用試料の調整 糊剤を固形分10%に調整し、ポリエステルフィラメン
ト50デニール36フィラメント糸(50−36と略
す)をサイジングマシーンにて着糊量が6〜7%になる
ように糊付けした。 抱合力 (a)TM式糸−金属摩擦試験機により、500g19本
の荷重をかけながら摩擦1000回を行い糸割れ、毛羽
発生状態を目視にて次の判定基準により観察した。 [判定基準] ○ :糸割れ、毛羽無し ○△:毛羽少しあり △ :糸割れ、毛羽少しあり × :糸割れ、毛羽あり (b)糸−糸摩擦抱合力試験機により、荷重1g/1デニ
ール、交差角60°、角度360°ひねりにて摩擦させ
て糸の破断回数を求めた。上記試験の評価結果を第1表
に示されているが、本発明による実施例の場合同一の平
均分子量で比較すると、乳化剤を用いた場合より桁違い
に粘度が低い。また、本発明による実施例の場合、乳化
剤を用いた場合よりも吸水率が低くしかも抱合力は、糸
−金属の場合も糸−糸の場合も明らかに優れていること
が明白である。
【0014】実施例8
実施例2及び比較例1の共重合体エマルジョンを糊剤と
した製織性試験による糊剤性能の実用比較試験を工業的
規模の高速織機で行った。前記実施例2と比較例1に記
載した重合処方によってそれぞれパイロットプラントに
て共重合樹脂エマルジョンを製造し、これにワックスエ
マルジョン(日華化学製NKワックスHW−9)を、ア
クリル共重合樹脂分:ワックス固形分=80:20とな
るように調合し、さらにこの混合固形分の濃度が12%
となるように糊剤組成物を調製した。この糊剤組成物を
用いて、ポリエステルフィラメント50−24の糸をビ
ーム・ツウ・ビーム方式のサイジングマシンを使用して
糊付けを行った。この糸を日産製ウォータージェットル
ーム高速織機LW−54を使用して織機回転数900
r.p.m.にて、織物種類はポリエステルタフタを次の
製織試験を行った。 製織条件 たて糸 50−24 織密度 縦 77本/インチ よこ糸 75−36 横 103本/インチ たて糸本数 5320本 同一条件の製織実用試験において、全織数100反に対
して、たて糸切れは、比較例2の糊剤では8反発生した
のに対して実施例2の糊剤では0であった。
した製織性試験による糊剤性能の実用比較試験を工業的
規模の高速織機で行った。前記実施例2と比較例1に記
載した重合処方によってそれぞれパイロットプラントに
て共重合樹脂エマルジョンを製造し、これにワックスエ
マルジョン(日華化学製NKワックスHW−9)を、ア
クリル共重合樹脂分:ワックス固形分=80:20とな
るように調合し、さらにこの混合固形分の濃度が12%
となるように糊剤組成物を調製した。この糊剤組成物を
用いて、ポリエステルフィラメント50−24の糸をビ
ーム・ツウ・ビーム方式のサイジングマシンを使用して
糊付けを行った。この糸を日産製ウォータージェットル
ーム高速織機LW−54を使用して織機回転数900
r.p.m.にて、織物種類はポリエステルタフタを次の
製織試験を行った。 製織条件 たて糸 50−24 織密度 縦 77本/インチ よこ糸 75−36 横 103本/インチ たて糸本数 5320本 同一条件の製織実用試験において、全織数100反に対
して、たて糸切れは、比較例2の糊剤では8反発生した
のに対して実施例2の糊剤では0であった。
【0015】
【発明の効果】本発明によると、乳化剤がないので耐水
性が向上し、抱合力が高くてしかも粘度が低く、吸水率
の低い糊剤が安全かつ低コストで製造され、これを用い
て製織した場合、高速製繊工程におけるたて糸切れ防止
性が飛躍的に改善される。
性が向上し、抱合力が高くてしかも粘度が低く、吸水率
の低い糊剤が安全かつ低コストで製造され、これを用い
て製織した場合、高速製繊工程におけるたて糸切れ防止
性が飛躍的に改善される。
Claims (6)
- 【請求項1】(1)重合性不飽和酸が8〜30重量%、 (2)(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルコール
のエステルが30〜70重量%、 (3)(メタ)アクリル酸の炭素数4〜22のアルコー
ルのエステルが20〜60重量%、 からなる単量体混合物を、水溶性重合開始剤及び連鎖移
動剤を用いて水系でソープフリー乳化重合にて重合して
水性分散体を得た後アルカリ剤にて中和して得られる中
和水性分散体からなる糊剤の製造方法。 - 【請求項2】(1)重合性不飽和酸が8〜30重量%、 (2)(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルコール
のエステルが30〜70重量%、 (3)(メタ)アクリル酸の炭素数4〜22のアルコー
ルのエステルが20〜60重量%、 からなる単量体混合物を、水溶性重合開始剤及び連鎖移
動剤を用いて水系でソープフリー乳化重合にて重合して
水性分散体を得た後アルカリ剤にて中和して得られる中
和水性分散体にワックスエマルジョンを混合し、混合物
中の中和水性分散体の含有率が固形分として全固形分の
30重量%以上である糊剤組成物。 - 【請求項3】生成する中和前の水性分散体の粒子の95
重量%以上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンである請求
項1記載の糊剤の製造方法。 - 【請求項4】生成する中和水性分散体に含まれる重合体
の重量平均分子量が80,000〜400,000である
請求項3記載の糊剤の製造方法。 - 【請求項5】生成する中和前の水性分散体の粒子の95
重量%以上が粒子径が0.2〜2.0ミクロンである請求
項2記載の糊剤組成物。 - 【請求項6】生成する中和水性分散体に含まれる重合体
の重量平均分子量が80,000〜400,000である
請求項5記載の糊剤組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27316893A JP3375394B2 (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | ウォータージェットルーム用糊剤の製造方法及び糊剤組成物 |
TW83100724A TW285692B (ja) | 1993-10-05 | 1994-01-28 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27316893A JP3375394B2 (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | ウォータージェットルーム用糊剤の製造方法及び糊剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07109678A JPH07109678A (ja) | 1995-04-25 |
JP3375394B2 true JP3375394B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=17524052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27316893A Expired - Fee Related JP3375394B2 (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | ウォータージェットルーム用糊剤の製造方法及び糊剤組成物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3375394B2 (ja) |
TW (1) | TW285692B (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100563238B1 (ko) | 2004-12-23 | 2006-03-21 | 하기룡 | 미니에멀젼중합법을 이용한스테아릴메타크릴레이트공중합형 경사호제의 합성방법 |
WO2022110579A1 (zh) * | 2020-11-27 | 2022-06-02 | 上海保立佳新材料有限公司 | 一种遮盖乳液无皂合成方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5813329B2 (ja) * | 2011-01-25 | 2015-11-17 | 松本油脂製薬株式会社 | 繊維用糊剤およびその応用 |
CN105113249B (zh) * | 2015-09-24 | 2017-07-28 | 吴江市天利聚合物有限公司 | 一种无皂聚丙烯酸酯类纺织浆料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-10-05 JP JP27316893A patent/JP3375394B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-01-28 TW TW83100724A patent/TW285692B/zh active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100563238B1 (ko) | 2004-12-23 | 2006-03-21 | 하기룡 | 미니에멀젼중합법을 이용한스테아릴메타크릴레이트공중합형 경사호제의 합성방법 |
WO2022110579A1 (zh) * | 2020-11-27 | 2022-06-02 | 上海保立佳新材料有限公司 | 一种遮盖乳液无皂合成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW285692B (ja) | 1996-09-11 |
JPH07109678A (ja) | 1995-04-25 |
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