JP3375008B2 - 電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータ用コア等の各種
金属部品の塗装に適用される電着塗装方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータのコアとして、例えば図2
に示すような多極放射板形状に軟鋼や硅素鋼板などの軟
磁性材料をプレス打ち抜きして、それを1枚単独で又は
複数枚を一体的に積層して構成したものが使用されてい
る。そのコアWの各極12にコイルが巻かれるわけであ
るが、そのコイルとの絶縁等のために、コアWの表面に
粉体塗装や樹脂の射出(インシュレータ)、あるいは電
着塗装を施すことが行われている。このうち電着塗装を
行う場合には、表面のゴミ・ホコリ、雑イオン等を除去
したり、表面を濡らして電着液とのなじみをよくするた
めに、前処理として被塗装物(コア)Wを純水に浸し、
その後電着塗装が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】被塗装物Wが例えば図
2のような複雑形状を有していると、上記前処理として
の純水浸漬の際に、隣接する極12同士の隙間13等に
空気が巻き込まれたりして、その表面に気泡14が付着
する場合がある。純水は比較的高い表面張力(25℃で
約70dyn/cm)を有し、一度付着した気泡は被塗
装物Wを純水槽から引き上げても消滅せずに残留するこ
とが多く、被塗装物Wは気泡14が付着したまま電着塗
装が施される場合もありうる。このような場合、気泡1
4が付着した部分に塗装ムラが生じたり、塗膜にピンホ
ール等が発生しやすいため、その最終塗装品の品質管理
が煩雑な問題があった。
【0004】本発明の課題は、被塗装物表面への気泡の
付着を防止し、良好な塗膜を形成するための電着塗装方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記した
課題を解決するために、本発明の電着塗装方法は被塗
装物を、その被塗装物に所定の極性の電圧を印加する電
極部材に支持させる工程と、その電極部材に支持された
被塗装物を、純水より表面張力の小さい水溶液中に浸漬
する前処理工程と、その前処理工程の後に、被塗装物を
電極部材に支持させた状態で塗装用の電着液に浸漬し、
その被塗装物表面に電着塗装する塗装工程と、を含み、
水溶液として、電着液中に含まれる水溶性溶剤の水溶液
が使用されることを特徴とする
【0006】前処理工程で用いられる水溶液は表面張力
が純水よりも小さいため、その前処理工程において被塗
装物表面に気泡が付着しにくくなり、その後の塗装工程
において塗膜ムラやピンホール等の発生を防止する上で
有効となる。
【0007】ここで、純水よりも表面張力の小さい水溶
液として、例えば、エチレングリコールやグリセリンな
どの多価アルコールと、メタノール、エタノール等の低
級アルコールとのエーテルで、親水基である多価アルコ
ールの水酸基が残留しているもの、さらにはその水酸基
がアセチル基で置換されたアセテート類を用いることが
できる。その場合、電着液中に含まれる水溶性溶剤成分
を使用すれば、水溶液で濡れた被塗装物の電着液とのな
じみがよくなるので好都合である。特に、セロソルブ
(C25OC24OH)又はセロソルブアセテート(C
25OC24OCOCH3)は、適度な親水性を有し、
かつ水に溶け込んだ時にその表面張力を低減する効果に
優れているので、本発明に好適に用いることができる。
【0008】上記水溶液中の溶剤成分としてセロソルブ
又はセロソルブアセテートを用いる場合、その水溶液中
の含有量は0.5〜10重量%とすることが望ましい。
その理由は、含有量が0.5重量%以下では、表面張力
の減少ひいては気泡発生を抑制する効果が充分に得られ
ず、10重量%以上では表面張力減少の効果がほぼ頭打
ちとなるので、溶剤成分の無駄が多くなるからである。
【0009】ここで、水溶液の表面張力の望ましい範囲
は、例えば25℃において25〜65dyn/cm程度
である。表面張力が65dyn/cm以上では、気泡発
生を抑制する効果が充分に得られない。一方、表面張力
をこの温度で25dyn/cm以下とするには、過剰な
溶剤成分を添加しなければならず、水溶液中の水の相対
比率が低下し過ぎて、洗浄効果、すなわち脱雑イオン効
果が損なわれることとなる。
【0010】以上述べたような水溶液を用いて前処理工
程を施した後、被塗装物は電極部材に支持された状態
で、エポキシ樹脂、ポリカルボン酸樹脂等、適宜の樹脂
成分を含む公知の塗装用電着液に対極とともに浸漬さ
れ、カチオン電着塗装の場合は被塗装物の側が負、対極
の側が正となるように、アニオン電着塗装の場合はその
逆の極性で所定の電圧が印加されて、電着塗装が行われ
る。塗装工程終了後は、必要に応じて被塗装物の水洗、
乾燥、塗膜の焼付け等が行われ、最終的な塗装品とされ
る。
【0011】本発明の方法は、特にモータのコア等、気
泡が隙間等に残留しやすい複雑形状の部材に対し有効で
あるが、それ以外の形状の部材、例えばリング状の希土
類ボンド磁石やハードディスク駆動用モータのベース盤
などに対しても適用可能であることは言うまでもない。
【0012】上記本発明の電着塗装方法を実施するため
の装置は、例えば、被塗装物を支持する電極部材と、上
記純水よりも表面張力の小さい水溶液が収容された前処
理槽と、塗装用の電着液が収容される電着槽と、被塗装
物を電着塗装するための電力供給部とを備えたものとし
て構成される。また、必要に応じて電極部材を前処理槽
を経て電着槽へ搬送する、搬送機構等を付け加えること
ができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例及び実験例について
説明する。 (実施例) 図1は、本発明の電着塗装方法を行うための電着塗装装
置の一例を示している。電着塗装装置1は、被塗装物W
が装着される電極部材2、その電極部材2が昇降可能に
取り付けられた1ないしそれ以上の搬送ヘッド3、表面
張力が純水よりも小さい水溶液5と、これを収容する前
処理槽6、電着槽7、直流電源等を含む電力供給部9等
を備えるものである。
【0014】前処理槽6の水溶液5は、例えばセロソル
ブ及び/又はセロソルブアセテートが水に対し1〜10
重量%、特に数重量%の割合で含有されたもので、その
表面張力は例えば30〜40dyn/cm(25℃)程
度に保持される。
【0015】電着槽7には塗装用電着液Lが満たされる
とともに、電力供給部9における直流電源の正極側に接
続された対極8が浸漬されている。なお、この電着液L
中にはセロソルブ及び/又はセロソルブアセテートが含
有されている。また、搬送ヘッド3は、隣接する4つの
位置、すなわち被塗装物Wが電極部材2に装着されるA
位置、前処理槽6が配置されたB位置、電着槽7が配置
されたC位置、塗装後の被塗装物Wを回収するD位置
を、この順序で結ぶ搬送経路に沿って、コンベア等の搬
送手段4により搬送されるようになっている。
【0016】被塗装物WはA位置で電極部材2に順次装
着され、搬送ヘッド3とともに搬送手段4によりB位置
まで搬送される。ここで、電極部材2が下降し、前処理
槽6内の水溶液5に被塗装物Wが浸漬され、前処理が行
われる。すなわち、被塗装物Wに付着しているゴミ・ホ
コリ、雑イオン等が洗い落とされるとともに、その表面
が濡らされる。ここで、セロソルブ等を含有した水溶液
5は表面張力が小さいため、被塗装物Wに気泡等が生じ
にくい。
【0017】その前処理が終わると電極部材2は上昇
し、C位置の電着槽7へ搬送され、再び電極部材2は下
降して、被塗装物Wは電着液Lに浸漬される。電極部材
2は、この位置で、搬送手段4側に設けられた図示しな
い端子を介して前記直流電源の負極側に接続され、正極
側の対極9との間に所定の電圧が印加されて、被塗装物
Wの表面にカチオン電着塗装が施される。なお、アニオ
ン電着塗装を行う場合は、上記とは逆の極性とされる。
電着塗装が終了すると電極部材2は上昇し、D位置へ搬
送されて、塗装済の被塗装物Wが回収される。その後、
搬送ヘッド3は図示しない復路用搬送手段によりA位置
へ戻されて、以後上記工程が繰り返される。
【0018】なお、搬送ヘッド3は、各工程で停止する
ことなく搬送手段4により連続的に搬送されつつ、前処
理工程、電着工程等を実施する構成としてもよい。ま
た、上記4位置を環状に配列し、これに沿って環状に形
成された搬送手段4により搬送ヘッド3を搬送するよう
にしてもよい。さらに、塗装工程終了後に水洗、乾燥等
を行うための洗浄槽、乾燥炉等を搬送経路に付加するこ
ともできる。
【0019】(実験例)図2に示す形状のモータコア
(被塗装物W)に対し、実施例1の装置によりカチオン
電着塗装を施した。前処理は、セロソルブアセテートを
0〜30重量%の各種濃度で含有する水溶液を用いると
ともに、モータコアの水溶液中での浸漬時間は1秒に統
一し、電着塗装は、エポキシ樹脂系の電着液を用いて公
知の方法により行った。
【0020】また、前処理後の被塗装物Wへの気泡の付
着の有無を観察した。さらに、各濃度の水溶液の表面張
力を25℃において測定した。
【0021】結果を表1に示す。その結果からも明らか
なように、セロソルブアセテートの水溶液を用いて前処
理を行うことにより、被塗装物Wへの気泡の付着がなく
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着塗装装置の一例を示す概念図。
【図2】被塗装物であるモータコアの一例を示す平面
図。
【符号の説明】
1 電着塗装装置 2 電極部材 5 水溶液 6 前処理槽 7 電着槽 9 電力供給部 L 電着液
【表1】

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物を、その被塗装物に所定の極性
    の電圧を印加する電極部材に支持させる工程と、 その電極部材に支持された前記被塗装物を、純水より表
    面張力の小さい水溶液中に浸漬する前処理工程と、 その前処理工程の後に、前記被塗装物を前記電極部材に
    支持させた状態で塗装用の電着液に浸漬し、その被塗装
    物表面に電着塗装する塗装工程と、 を含み、 前記水溶液として、前記電着液中に含まれる水溶性溶剤
    の水溶液が使用されることを特徴とする電着塗装方法
  2. 【請求項2】 前記水溶性溶剤として、セロソルブ又は
    セロソルブアセテートが使用される請求項1記載の電着
    塗装方法
  3. 【請求項3】 前記水溶液中のセロソルブ又はセロソル
    ブアセテートの含有量が0.5〜10重量%とされる請
    求項2記載の電着塗装方法
  4. 【請求項4】 前記水溶液の25℃における表面張力が
    25〜65dyn/cmとされる請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の電着塗装方法
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WO2015002360A1 (ko) * 2013-07-02 2015-01-08 (주)유민에쓰티 누유 감지 조성물 및 이를 적용한 누유 감지센서

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