JP3371884B2 - 電気ポット - Google Patents

電気ポット

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JP3371884B2
JP3371884B2 JP2000068019A JP2000068019A JP3371884B2 JP 3371884 B2 JP3371884 B2 JP 3371884B2 JP 2000068019 A JP2000068019 A JP 2000068019A JP 2000068019 A JP2000068019 A JP 2000068019A JP 3371884 B2 JP3371884 B2 JP 3371884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器本体に貯留さ
れている湯を給湯するためのエアーポンプを備える電気
ポットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気ポットは、貯湯用の内容器を備えた
容器本体と、内容器の上端開口を覆うように容器本体に
取付けられる蓋体とを設けて構成され、内容器の下面に
沿って電気ヒータが配設されている。内容器で囲われる
貯湯空間に貯留された水を、電気ヒータへの通電により
沸騰するまで加熱し、その後、所定の保温温度で保持す
るような制御が行われる。
【0003】一方、保温中の湯を出湯させるために、例
えば実開昭62−112536号公報に、蓋体の上面中央に押し
板を設け、その下側に手動式のエアー型ベローズポンプ
を設けた電気ポット、いわゆるエアー式電気ポットが開
示されている。また近年は、容器本体内に電動ポンプを
設け、電動給湯スイッチの押下操作に連動させて電動ポ
ンプを作動することによって給湯するように構成した電
動式電気ポットも実用化されている。
【0004】さらに例えば特開平8-117105号公報には、
電動式電気ポットは電源が接続されている状態でしか給
湯できないことから、電動ポンプとエアー型ベローズポ
ンプとの両者を設け、電源のないところでもエアー型ベ
ローズポンプを手動操作することによって給湯できるよ
うにした電気ポット(以下、エアー/電動式電気ポット
という)が開示されている。
【0005】このようなエアー/電動式電気ポットの構
成例を図4に示している。この電気ポットは、同図
(b)に示すように、容器本体80が、外ケース81お
よび内容器82と、これら外ケース81と内容器82と
の各上端側を相互に連接する肩ケース83とを設けて構
成されている。なお、肩ケース83の前端側(同図にお
いて左端側)は、嘴状に前方に膨出させた注湯部83a
として形成されている。
【0006】容器本体80の底部側に、内容器82内に
貯留された湯水を加熱するためのヒータユニット84が
設けられ、その下側に電動ポンプ85が配置されてい
る。この電動ポンプ85を作動することによって、図中
矢印で示すように、内容器82の底部から、注湯部83
aに設けられている注湯口管86aへと至る注湯通路8
6を通して内容器82内の湯が給湯される。
【0007】上記注湯部83aの後方に、内容器82の
上端開口を塞ぐ蓋体87が取付けられている。この蓋体
87は、肩ケース83の後端側に設けられたヒンジ受け
88にヒンジピン89を介して開閉自在に組付けられて
いる。また、蓋体87の前端側には、この蓋体87を閉
蓋状態(図示の状態)でロックするための蓋体ロック機
構90が設けられている。このロック機構90には、蓋
体87の上面に沿うように形成された蓋開閉レバー91
が設けられている。
【0008】この蓋開閉レバー91は、その前端側を上
方から押す操作を行ったときに、後端側が蓋体87の上
面から上方に跳ね上がるように図において左回りに回動
する。これによって、蓋開閉レバー91の後端側と蓋体
87との間に隙間が生じ、この隙間に指先を入れて蓋開
閉レバー91をさらに左回りに回動させることで、蓋体
87の上記したロック状態が解除される。この状態か
ら、さらに蓋開閉レバー91を上方に持ち上げる操作を
行うことで、蓋体87の全体がヒンジピン89の回りに
右回りに回動して、内容器82の上方が開放される。
【0009】上記のような蓋開閉レバー91の後方に押
し板92が設けられ、この押し板92の下側にベローズ
93が取付けられている。押し板92を上方から押す操
作を行うことによってベローズ93が収縮変形し、ベロ
ーズ93内で圧縮されたエアーが内容器82内に供給さ
れる。これによって、前記した電動ポンプ85が作動さ
れなくとも、内容器82内に貯留されている湯が注湯通
路86を通して注湯されるようになっている。
【0010】なお、容器本体80における注湯部83a
の上面は操作表示部として形成され、この部位に、同図
(a)に示すように、例えば電動ポンプ85を作動させ
るための給湯スイッチ94や、この作動を電気的にロッ
クした状態を解除するためのロック解除スイッチ95等
が設けられている。
【0011】この注湯部83aの後縁から後方を覆う蓋
体87の上面における前端側に、平面視で略矩形状の前
記した蓋開閉レバー91が設けられ、また、蓋体87の
略中央位置に、円形の押し板92が配置されている。な
お、蓋体87の後端側には、内容器82内で発生した蒸
気を外部に放出させるための蒸気孔96が形成され、押
し板92は、高温の蒸気が流れる蒸気孔96に対し、こ
れから所定の距離だけ前方に離して蓋体87に取付けら
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な蓋開閉レバー91や押し板92を蓋体87に備える従
来の電気ポットでは、押し板92を押して給湯する際の
一回当たりの給湯量が充分ではなく、このため、所望の
給湯量を得ようとする場合に、押し板92を何度も押す
操作を行うことが必要になって充分な使い勝手が得られ
ないという問題を生じている。
【0013】つまり上記では、蓋体87のほぼ中央に取
付けらている押し板92は、その前縁を蓋開閉レバー9
1の後縁に極力近接させて設けられているものの、蓋開
閉レバー91と蒸気孔96との間の限られた領域内では
径の小さな押し板92しか設けることができず、これに
伴って、その下側にも内容積の小さなベローズ93しか
組込めないものとなっている。このため、押し板92を
押したときに内容器82内に圧送されるエアー量も少な
く、したがって、押し板92の一回当たりの押下操作で
充分な給湯量を得難い構成となっているのである。
【0014】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、エアーポンプの手動操作によって
得られる一回当たりの給湯量をより多くして使い勝手を
向上し得る電気ポットを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の請求項1
の電気ポットは、容器本体に形成された貯湯空間を上方
から覆う蓋体に押し板と蓋開閉レバーとを相互に隣接さ
せて設けると共に、押し板の下側にエアーポンプを配置
し、押し板を蓋体の上面から下降させることによりエア
ーポンプが収縮変形して加圧されたエアーが貯湯空間に
供給され給湯されるように形成する一方、蓋開閉レバー
を蓋ロック位置からロック解除位置へと移動させて蓋体
を開けるようにした電気ポットであって、押し板を、上
壁面と、その周縁から下方に垂下する円筒壁とで構成
し、円筒壁の内側近傍にエアーポンプを構成する蛇腹状
のベローズの上部を配置するとともに、蓋開閉レバーに
おけるレバー操作面の端部の下側に上壁面を位置させ
て、押し板と蓋開閉レバーとの相互に隣接する領域が上
下に重なるように形成してあることを特徴としている。
【0016】このように、押し板と蓋開閉レバーとの相
互に隣接する領域が上下に重なる構造、すなわち、押し
板における蓋開閉レバー側が、この蓋開閉レバーの下側
に入り込んだ構造にすることで、蓋開閉レバーにおける
押し板側の縁部の位置で大きさが制限されていた従来の
押し板に比べ、より大きな形状の押し板を設けることが
できる。これに伴い、この押し板の下側に内容積がより
大きなエアーポンプを配置することが可能になり、ひい
ては、押し板を押して給湯するときの一回当たりの給湯
量をより大きくすることが可能になって使い勝手が向上
する。
【0017】請求項2の電気ポットは、請求項1の電気
ポットにおいて、押し板と蓋開閉レバーとの上下に重な
る領域間に、所定の第1隙間を設けていることを特徴と
している。
【0018】この構成により、押し板と蓋開閉レバーと
の上下に重なる領域(以下、オーバーラップ領域とい
う)間に異物が噛み込んだ場合の自然吐出が防止され
る。つまり、前記したようなエアーポンプは、例えばそ
の上端側に吸気弁が、また、下端側にエアー吐出口がそ
れぞれ設けられ、押し板を押したときの収縮過程で吸気
弁が閉じて内部のエアーが圧縮され貯湯空間内に供給さ
れる。そして、押し板から手を離すと、収縮状態から元
の拡張状態に復帰する過程で、吸気弁が自動的に開弁す
るように構成される。
【0019】この場合に、上記のような第1隙間が設け
られていないと、押し板を押してエアーポンプを作動さ
せ、貯湯空間内の湯を出湯させた後に押し板から手を離
したとき、押し板は上記のような異物の噛み込みによっ
て上限位置まで復帰せずに途中で停止する。このとき、
吸気弁の開弁状態への切換わりが生じずに、貯湯空間内
が密閉状態のままとなる。この状態では、押し板を押し
たときに貯湯空間内に供給されたエアーが貯湯空間内の
湯によって次第に暖められ、これに伴って貯湯空間の内
圧が上昇する。この結果、押し板から手を離したにもか
かわらず、出湯状態が継続するという自然吐出が生じ
る。
【0020】これに対し、前記のようにオーバーラップ
領域に第1隙間を設けておくことで、このオーバーラッ
プ領域に異物が噛み込んだとしても、この異物の大きさ
が第1隙間より小さければ、押し板から手を離したとき
のこの押し板はその上限位置まで復帰する。これに伴
い、上記した吸気弁の開弁状態への切換わりが生じるの
で自然吐出が防止される。したがって、ユーザーの押し
板操作に対応した給湯が行われ、予期しない出湯状態が
生じることが抑えられて安全性が確保される。
【0021】請求項3の電気ポットは、請求項1又は2
の電気ポットにおいて、蓋体に、容器本体に係合して蓋
ロック状態で保持するためのロック手段と、このロック
手段を容器本体との係合位置に向けて付勢する付勢手段
とを設ける一方、蓋開閉レバーに、この蓋開閉レバーが
蓋ロック位置からロック解除位置に移動するときにロッ
ク手段に当接してこのロック手段を係合位置から非係合
位置へと押動する押動部を設けると共に、蓋開閉レバー
が蓋ロック位置に位置するときの押動部とロック手段と
の間に、所定の第2隙間を設けていることを特徴として
いる。
【0022】この構成によっても、上記した自然吐出が
防止される。すなわちこの場合の蓋開閉レバーは、押動
部が、付勢手段からの付勢力が作用しているロック手段
に第2隙間を越えて当接するまではフリーな状態であ
る。したがって、オーバーラップ領域に異物が噛み込ん
だときには、押し板から手を離すと押し板は上限位置ま
で復帰して、自然吐出が生じることが防止される。さら
に、蓋開閉レバーにおける蓋ロック位置からロック解除
位置への移動が、例えば前記した従来例と同様に、蓋体
の上面に沿う蓋ロック位置からの回動移動であるような
構成であれば、オーバーラップ領域に噛み込んだ異物の
大きさに応じて蓋開閉レバーに上記した回動方向の移動
が生じ、この結果、この蓋開閉レバーにおける押し板側
が蓋体の上面から浮き上がった状態となる。これによ
り、異物の噛み込みが生じていることがユーザーに容易
に認識されて異物の排除が行われることになるので、安
全性がさらに向上する。
【0023】請求項4の電気ポットは、請求項1、2又
は3の電気ポットにおいて、容器本体に貯湯空間内の湯
を給湯するための電動ポンプを設けていることを特徴と
している。
【0024】この構成によれば、容器本体に電源が接続
されている状態では、エアーポンプの手動操作に代え
て、軽いタッチで電動ポンプによる給湯が行われるよう
にすることができるので、さらに使い勝手が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。図1(a)(b)
に、本実施形態に係る電気ポットを示している。この電
気ポットは、同図(b)に示すように、内部に上方から
凹入する貯湯空間1aが形成された容器本体1と、上記
空間1aの上方を覆う蓋体2とを設けて構成されてい
る。
【0026】容器本体1は、外装体としての有底筒状の
外ケース3と、上記貯湯空間1aを囲う内容器4と、こ
れら外ケース3と内容器4との各上端側を相互に連接す
る肩ケース5とを備え、外ケース3と肩ケース5とはそ
れぞれ合成樹脂にて作製されている。なお、肩ケース5
は、その外周形状が外ケース3の上端に一体的に連なる
形状に形成され、この肩ケース5によって容器本体1の
上部側外装体が構成されている。また、容器本体1にお
ける上部前面側は、嘴状に前方(同図において左方)に
膨出する注湯部1bとして形成され、この注湯部1b内
の下端側に、後述する注湯口管15eが取付けられてい
る。
【0027】内容器4は、それぞれステンレス鋼板等を
用いて形成された金属製の内筒6と外筒7とによって形
成されている。内筒6は、円筒状の胴部6aと底板部6
bとを有する有底筒状に形成され、この内筒6に囲われ
る空間が上記した貯湯空間1aとなっている。なお、胴
部6aの上端側には、断面台形状に径方向内側に凹入す
る絞り部6cが設けられている。また、この絞り部6c
よりもやや下側の後面側(図において右側)内面に、満
水目盛り6dが形成されている。上記のような絞り部6
cを設け、この部位での開口面積をその下側の貯湯空間
1aよりも小さくすることにより、上方への放熱が抑え
られて保温性が向上する。
【0028】外筒7は、内筒6の胴部6aを外側から囲
う円筒状の胴部7aと、内筒6の底板部6bよりも下側
の位置で、胴部7aの下端から径方向内方に折曲された
折曲部7bとを有する形状に形成されている。この折曲
部7bの内端は、内筒6の底板部6bの外周側に下側か
ら当接するように上方に折曲され、その上端が、内筒6
の底板部6bに例えば溶接等によって気密に接合されて
いる。
【0029】一方、外筒7における胴部7aの上端も、
内筒6の胴部6aの上端に上記同様に気密に接合されて
いる。これにより、内筒6と外筒7の各胴部6a・7a
間、および、内筒6の底板部6b外周側と外筒7の折曲
部7bとの間に密閉空間8が形成され、この密閉空間8
を真空排気する組立てが行われて、この空間が真空断熱
空間になっている。このように本実施形態の電気ポット
は、特に真空二重構造で内容器4が形成されていること
によって、優れた保温性能を備えている。
【0030】内筒6の底板部6bは、その外周側におけ
る外筒7との接合部位よりも内側が、上方へ段差状に凹
入するように形成されている。その中央部下面に、サー
ミスタ等からなる底センサ9が配置されている。この底
センサ9によって、内筒6の底板部6bの温度、すなわ
ち、貯湯空間1aに貯留されている湯水の温度が検出さ
れる。そして、上記した段差状の凹入部内に、底センサ
9を囲う形状のヒータユニット(加熱手段)10が、底
板部6bに下側から密着するように取付けられている。
このヒータユニット10は、例えば抵抗加熱式のヒータ
線を雲母板(マイカ板)に挟んだ構造のマイカヒータを
設けて形成されている。
【0031】ヒータユニット10の下側には、このユニ
ット10を下側から覆う遮熱板11が取付けられ、この
遮熱板11の下側に、遠心ポンプより成る電動ポンプ1
2と、電装品箱13とが前後に並べて配置されている。
電装品箱13内に、後述する湯沸かし運転や保温運転、
また、電動ポンプ12の作動を制御する機能を有するマ
イコンが搭載された制御回路基板14が収納されてい
る。
【0032】上記電動ポンプ12の吸引口12aには第
1注出管15aが接続され、この第1注出管15aは、
遮熱板11とヒータユニット10とにおける各前面側の
切欠穴を貫通して、上端が内筒6の底板部6bに接続さ
れている。一方、電動ポンプ12の吐出口12bには、
容器本体1の前面側に向かう第2注出管15bが接続さ
れている。この第2注出管15bに、外ケース3と内容
器4との間の前面側の空間を上方に向かって延びる液量
管15cが接続されている。この液量管15cの上端
に、前記注湯部1b内を下方から前方に向かうように屈
曲した形状の第3注出管15dが接続され、この第3注
出管15dの先端に、注湯部1bの下面を下方に向かっ
て貫通する注湯口管15eが接続されている。
【0033】これにより、図中矢印で示すように、貯湯
空間1aの底部から上記注湯口管15eに至る注湯通路
15が形成され、電動ポンプ12が後述するように作動
されることによって、貯湯空間1a内の湯が注湯通路1
5を通して注湯口管15eから給湯される。なお、上記
液量管15cは透明管で形成され、また、その外周面に
は水位目盛りが印刷されている。そして、これを前方か
ら視認し得るように、外ケース3は上記水位目盛りに沿
う一部領域が透明に形成されている。また、前記注湯部
1b内に配設されている第3注出管15dには、容器本
体1が横転したときにこの注湯通路15を閉じる転倒止
水弁16が、また、容器本体1が前傾したときに注湯通
路15を閉じる傾倒止水弁17がそれぞれ設けられてい
る。
【0034】上記注湯部1bよりも後方で内容器4を上
方から密閉する前記蓋体2は、同図(a)に示すよう
に、平面視で略円形に形成されている。この蓋体2に
は、前後方向(図において左右方向)に延びる中心線に
沿って、注湯部1b側(前側)から、後述する略矩形状
の蓋開閉レバー45と、円形の押し板25とが順次取付
けられている。また、押し板25の後方には蒸気孔21
bが設けられている。押し板25は、前記した内容器4
の中心軸線と同心の位置に取付けられている。
【0035】上記のような蓋開閉レバー45や押し板2
5が上面に設けられた蓋体2は、図2(a)に示すよう
に、上面外装体を構成する上ケース21と、この上ケー
ス21の下側を覆うようにこの上ケース21に固定され
た下ケース22と、この下ケース22の中央部に下側か
ら取付けられた下部成形体23と、この下部成形体23
を下側から覆う内蓋24とによって構成されている。上
ケース21および下ケース22と下部成形体23とはそ
れぞれ合成樹脂製であり、内蓋24は例えばステンレス
鋼板などの金属板にて形成されている。
【0036】上ケース21の上面は、上方凸状にゆるや
かに湾曲した断面形状で形成されている。この上ケース
21にはその中央に円形開口が設けられ、この開口を囲
うように下方に垂下する円筒壁21a内に、上記した押
し板25が上下動自在に嵌挿されている。
【0037】この押し板25は、上ケース21の湾曲形
状に沿う上壁面25aと、その周縁から下方に垂下する
円筒壁25bとを有する逆カップ状に形成されている。
なお、上壁面25aにおける前端側には、この上壁面2
5aよりも所定の寸法だけ高さを低くした段差面25c
が設けられている。この段差面25cを介して、円筒壁
25bと上壁面25aとが相互に連なる形状に形成され
ている。
【0038】上記円筒壁25bの外面には、周方向3箇
所に、上下に延びる突条部25dが設けられている(同
図には後端側の突条部のみを図示している)。これら突
条部25dを、上ケース21の前記した円筒壁21a内
面に形成されているスリット溝に嵌入させて、この押し
板25が組付けられている。これにより、各突条部25
dがスリット溝に案内されて押し板25が上下動し、か
つ、各突条部25dの上端がスリット溝の上端面に下側
から当接することで、押し板25の上限位置(図示の位
置)が規制されている。このとき、押し板25の上壁面
25aが上ケース21の上面に面一状となるように構成
されている。
【0039】下ケース22は、その外周縁を全周にわた
って上ケース21の周縁に下側から密着させて、この上
ケース21に固定されている。この下ケース22は、そ
の下面側が下方への凸状に形成され、その中央部上面
に、ベローズポンプ(エアーポンプ)26が設けられて
いる。このベローズポンプ26は、下端縁が下ケース2
2に溶着等によって固定された蛇腹状のベローズ27
と、このベローズ27の上端面を塞ぐ上板28と、この
上板28の中央に形成されている貫通穴に上下動自在に
嵌挿された吸気弁29と、この吸気弁29の下側に上下
動自在に配置された軸体30とを設けて構成され、軸体
30の下端に、弾性体より成る流路切換弁31が、後述
する蒸気通路39を開閉する開閉弁として取付けられて
いる。さらにベローズ27内に、上板28を上方に向け
て付勢する第1バネ32と、吸気弁29および軸体30
間に縮装された第2バネ33とが配置されている。
【0040】ベローズポンプ26が非動作状態(図示の
状態)のときには、上板28が第1バネ32により押し
上げられてその上限位置に保持されている。一方、軸体
30の上端側は、図示してはいないが、上板28の下面
から下方に延びる垂下壁面28aの下端部に係合してお
り、これによって軸体30は、下方への移動が阻止され
て上方に引き上げられた状態で保持されている。この状
態で、軸体30の下端側は下ケース22の中央貫通孔を
通して下方に突出し、この中央貫通孔の内周面と軸体3
0の外周面との間がエアー吐出口34として形成されて
いる。そして、軸体30下端部の流路切換弁31の周縁
側が下ケース22に下側から密着し、これによって、上
記エアー吐出口34が流路切換弁31によって閉じられ
た状態になっている。
【0041】一方、前記吸気弁29は、軸体30との間
に縮装されている第2バネ33によって上方に押し上げ
られ、上板28から上方に突出した開弁状態、すなわ
ち、ベローズ27内が吸気弁29の周壁に形成されてい
るスリット孔を通して上板28の上方空間に連通した状
態で保持されている。同時に、前記押し板25も吸気弁
29を介して押し上げられて、図示の上限位置で保持さ
れている。
【0042】この状態から、押し板25を下方に押す操
作が行われると、まず吸気弁29が下降してその上壁面
が上板28の上面に密着し、これによって、ベローズ2
7内とその上方空間との連通状態を遮断した閉弁状態と
なる。次いで、押し板25と一体的に上板28が下降す
るのに伴って、第2ばね33によって下方に付勢されて
いる軸体30も下降し、これにより、下端の流路切換弁
31が下ケース22の下面から下側に離間して、上記し
たエアー吐出口34が開状態となる。したがって、以降
の押し板25の下降動作に伴って、ベローズ27内で圧
縮されるエアーがエアー吐出口34を通して下方に吐出
される。
【0043】このエアー吐出口34を下側から覆うよう
に、前記下部成形体23が組付けられている。この下部
成形体23は、下ケース22の下面との間に第1通路3
5を形成する略水平な円形壁面23aを備えている。こ
の円形壁面23aの中心位置、すなわち前記流路切換弁
31と同心の位置に、第1通路35を後述する第2通路
38に連通させる連通穴23bが形成されている。ま
た、これよりもやや後方の位置に、この下部成形体23
を上下に貫通させた器内連通路36が設けられている。
この器内連通路36は、その上端側が第1通路35に連
通し、下端側は、この下部成形体23を下側から覆う前
記内蓋24に形成されている複数の貫通孔(図示せず)
を通して、内容器4内に連通している。なお、この器内
連通路36内にも転倒止水弁37が装着されている。
【0044】一方、下部成形体23における円形壁面2
3aの下側には、上記連通穴23bの下側から前方に延
びる囲壁23cがさらに一体形成され、この囲壁23c
によって第2通路38が形成されている。この第2通路
38の前端は、第1通路35から区画された下部成形体
23の外縁に沿う空間を通して、器内連通路36よりも
後方の蒸気通路39に連通し、この蒸気通路39は下ケ
ース22を貫通して上方に延び、上ケース21に形成さ
れている蒸気孔21bを通して外部に連通している。
【0045】したがって、押し板25の押下操作が行わ
れていない図示の状態では、内容器4内は、順次、器内
連通路36・第1通路35・連通穴23b・第2通路3
8・蒸気通路39を通して外部に連通した状態で保持さ
れ、これにより、内容器4内で発生する蒸気は、この連
通経路を通して外部に放出されて器内圧の上昇が防止さ
れる。
【0046】一方、押し板25の押下操作が行われる際
には、これに伴い、前記したように当初に流路切換弁3
1が下降し、これによって連通穴23bが上方から塞が
れる。この結果、第1通路35は、第2通路38を通し
ての外部への連通状態が断たれた状態に切換わり、ベロ
ーズ27内で圧縮されてエアー吐出口34から吐出され
るエアーが、第1通路35から器内連通路36を通して
内容器4内に供給される。これによって、前記した電動
ポンプ12が作動されなくとも、内容器4内に貯留され
ているお湯が注湯通路15を通して注湯される。
【0047】なお、下部成形体23を下側から覆う前記
内蓋24には、その周縁側にシールパッキン40が取付
けられている。図示のような閉蓋状態では、内容器4に
おける前記した絞り部6c内に内蓋24が嵌まり込ん
で、シールパッキン40が絞り部6cの上面内周側に密
着した状態となっている。これにより、内容器4内の貯
湯空間は、蒸気通路39と前記した注湯通路15とを除
いて、外部との連通状態が断たれた密閉状態で保持され
ている。
【0048】一方、上ケース21の前記した円筒壁21
aには、押し板25の押下操作が可能な状態と、これを
阻止する状態とを切換えるためのロック用筒体41が、
円筒壁21aに沿って回転自在にこの円筒壁21aに外
嵌されている。このロック用筒体41の内面には、図示
してはいないが、径方向内方に突出する係止部が設けら
れている。一方、押し板25には、その円筒壁25bの
下端に、上ケース21の円筒壁21aに形成されている
切欠開口(図示せず)を通して外方に突出する被係止突
片が形成されている。
【0049】この被係止突片が上記係止部に上方から当
接することで、押し板25の上限位置からの押下操作が
阻止された状態、すなわち注湯ロック状態となる。一
方、この状態からロック用筒体41が所定の角度だけ回
転されると、上記係止部の位置が周方向に移動し、これ
によって係止部が被係止突片の上下方向の移動経路上か
ら外れて、押し板25の押下操作が可能なロック解除状
態に切換わる。
【0050】このロック用筒体41は、紙面手前側の上
端面から上方に延びる操作部が一体形成されており、こ
の操作部の上端は、図1(a)に示すように、押し板2
5の側方の箇所で上ケース21に設けられている開口内
に位置する給湯ロックつまみ41aとして形成されてい
る。このロックつまみ41aを「ロック」の文字が開口
内に表示される位置に位置させることで上記した注湯ロ
ック状態に、また、この位置から、「解除」の文字が表
示される位置へとスライドさせることで、ロック解除状
態に切換わるようになっている。
【0051】上記構成の蓋体2は、図2(a)に示すよ
うに、前記肩ケース5の後端側(図において右端側)に
設けられたヒンジ受け42にヒンジピン43を介して開
閉自在かつ着脱自在に支持されている。一方、蓋体2の
前端側には、この蓋体2を内容器4の上部開口を覆う図
示の閉蓋位置で容器本体1にロックするための蓋体ロッ
ク機構44が設けられている。このロック機構44は、
上ケース21の上面に沿ってゆるやかに湾曲する上壁面
45aを有する蓋開閉レバー45と、その下側で前後方
向にスライド自在に配置されたロック爪(ロック手段)
46と、このロック爪46を前方に向けて付勢するバネ
(付勢手段)47とを設けて構成されている。ロック爪
46の前端側が下ケース22の前面側壁面を貫通し、さ
らにこれが、蓋体2の前面側を囲う注湯部内壁1cに設
けられている係合穴(図示せず)に嵌入することによっ
て蓋体2が閉蓋状態でロックされるようになっている。
【0052】一方、蓋開閉レバー45の上壁面45a
(以下、レバー操作面という)には、同図(b)に示す
ように、その前端側下方の箇所に、支軸45bが紙面に
直交する方向に水平に延びる形状で一体形成されてい
る。この支軸45bを上ケース21と下ケース22とで
上下から挟み込んで、この支軸45bの回りに回動自在
に、この蓋開閉レバー45が蓋体2に組付けられてい
る。そして、上記支軸45bよりも前方の箇所に、レバ
ー操作面45aから下方に垂下する板状の押動部45c
がさらに一体形成されており、この押動部45cの下端
が、ロック爪46における前後方向の略中間位置に形成
されている立壁46aに、前方から近接して位置するよ
うに構成されている。なお、前記したバネ47は、上記
立壁46aと下ケース22の立壁22aとの間に縮装さ
れている。
【0053】レバー操作面45aは、支軸45bを挟ん
でこの支軸45bよりも後方の長さ寸法を大きくして形
成されている。これにより、この蓋開閉レバー45の重
心位置は支軸45bよりも後方に位置し、この結果、こ
の蓋開閉レバー45は、これに外力が作用しない状態で
は、支軸45b回りに図において右回りに回動し、レバ
ー操作面45aの後端側が、押し板25の円筒壁25b
を囲う上ケース21の円筒壁21aの上端に上方から当
接した図示の位置(以下、この位置を蓋ロック位置とい
う)で保持されている。この蓋ロック位置で、レバー操
作面45aが、押し板25の上壁面25aや上ケース2
1の上面に沿って面一状になるように形成されている。
【0054】レバー操作面45aは、上記した蓋ロック
位置において、上ケース21の円筒壁21aの上端を越
えて、さらに後方(図において右方)に延びる形状に形
成されている。そして、このレバー操作面45aにおけ
る後端部の下側に、押し板25前端側の前記した段差面
25cが位置するように、レバー操作面45aの後端側
と押し板25aの前端側とをオーバーラップさせた構造
として、これら蓋開閉レバー45と押し板25aとが蓋
体2に取付けられている。
【0055】なお、上ケース21の円筒壁21aは、そ
の上端側が押し板25の段差面25cよりも幾分上方に
突出する形状に形成され、これによって、蓋ロック位置
に位置するレバー操作面45aと押し板25の段差面2
5cとの上記したオーバーラップ領域に、所定の第1隙
間δが形成されている。一方、蓋開閉レバー45が上記
のように蓋ロック位置に位置するときには、バネ47に
よって前方に付勢されているロック爪46は、立壁46
aよりも前方の段差面46bが下ケース22の突起部2
2bに当接した前進位置で保持されている。この前進位
置で保持されているロック爪46の立壁46aと、蓋開
閉レバー45の押動部45cとの間にも、所定の第2隙
間γが形成されている。
【0056】上記構成の蓋開閉レバー45を操作して蓋
体2を開けるときには、まず、図3(a)において実線
矢印で示すように、レバー操作面45aの上面前端側を
下方に押す操作を行う。これによって蓋開閉レバー45
が支軸45b回りに図において左回りに回動し、支軸4
5bよりも後方のレバー操作面45aが上方に跳ね上が
って、このレバー操作面45aと押し板25の上面との
間に開口が生じる。
【0057】次いで、上記の開口に指先を差し込んで、
レバー操作面45aの後端側を前方に引く操作を行うこ
とで、同図(b)に示すように、蓋開閉レバー45がさ
らに左回りに回動する。このような回動動作に伴い、蓋
開閉レバー45の押動部45cの下端側が、ロック爪4
6の立壁46aに前方から当接し、このロック爪46が
バネ47のばね力に抗して後方へとスライドする。そし
て、立壁46aの側面(紙面手前側と奥側との面)から
後方に延びる形状で一体形成されている後方位置規制部
46cの後端が、下ケース22の立壁22aに当接した
後退位置まで、このロック爪46が移動する。
【0058】この過程で、ロック爪46の先端側が注湯
部内壁1cにおける前記した係合穴から離脱し、蓋体2
のロックが解除される。こうして、蓋開閉レバー45を
傾動させて蓋体のロック解除位置に位置させ、その後に
レバー操作面45aを上方に持ち上げることで、蓋体2
の全体が後端側の前記ヒンジピン43回りに回動する。
こうして、蓋体2の全体をヒンジピン43回りに上方後
側へと回動させることで、内容器4の上方が開放された
開蓋状態となる。
【0059】上記蓋開閉レバー45が蓋ロック位置に位
置するときのレバー操作面45aは、前記図1(a)
(b)に示されているように、その全周にわたって蓋体
21の上面との間に隙間なく、かつ、この面と面一状と
なる形状で設けられている。したがって、蓋体21の上
面には上方への突起部や窪みがなく、デザイン性に優れ
たものとなっている。
【0060】さらに、蓋開閉操作を行うに当たっては、
レバー操作面45aの前端側を一旦下方に押して後端側
を浮き上がらせた後、このレバー操作面45aを手前に
引く操作を行うことで蓋ロック状態が解除される。この
ような構成とすることで、安全性が向上したものともな
っている。つまり、従来は、レバー操作面45の前後方
向の長さ寸法を短くし、その後端側に、レバー操作面4
5の下側へと後方から指先を挿入し得るような凹部を形
成した構成の電気ポットも知られている。しかしながら
この場合には、電気ポットの全体を持ち上げようとして
レバー操作面45に指先を掛けるおそれがあり、このよ
うな誤った操作が行われると、蓋体2が予期に反して開
くことになり、また、容器本体1の転倒が生じることに
もなって安全性が損なわれる。
【0061】これに対し、本実施形態のように、蓋開閉
レバー45を操作するに当たっては、レバー操作面45
aの前端側を一旦下方に押す操作を行い、その後にレバ
ー操作面45に指先を掛け得る構成とすることで、蓋体
2を開くことを意図した以外は、レバー操作面45に指
先が掛けられることはなく、これによって、上記したよ
うな容器本体1の転倒等が防止されて安全性が向上す
る。
【0062】一方、レバー操作面45aの前端側を上記
のように下方に押す操作に伴い、その後端側と蓋体2の
上面との間に指先を挿入し得る開口を生じさせるために
は、レバー操作面45aにおける前記支軸45bから後
方の長さ寸法を適度に長くする必要がある。そしてこの
場合に、このレバー操作面45aの後縁部よりも後方に
押し板を設けたのでは、前記図4を参照して説明した従
来例のように、径の小さな押し板92しか取付けられな
いことになる。
【0063】そこで、本実施形態においては、レバー操
作面45aと押し板25との相隣接する領域を、前記の
ように上下にオーバーラップさせた構造としており、こ
れによって、レバー操作面45aの後縁の位置に制約さ
れることなく、より大きな径の押し板25を設けて構成
することが可能となっている。
【0064】なお図4に示した従来の電気ポットでは、
押し板92の中心は、内容器82の中心よりもやや後方
に偏倚した位置関係となっており、このとき、内容器8
2の上端開口と同心状に蓋体87の下面に取付けられて
いる内蓋97内には、その前端側にデッドスペースSdが
生じている。
【0065】これに対し、本実施形態の電気ポットで
は、図1(a)(b)に示されているように、押し板25
はその径をより大きくして内容器4と同心位置に設けら
れている。したがって、その下側に組込まれているベロ
ーズポンプ26や下部成形体23・内蓋24も内容器4
とほぼ同心状に設けられて、内容器4内には上記したよ
うなデッドスペースSdが生じない構成となっている。
【0066】上記構成の蓋体2が取付けられた容器本体
1は、蓋体2よりも前方の注湯部1bの上面側が運転モ
ード設定部として形成されている。この注湯部1bにお
ける上壁面の下側に、同図(b)に示すように、スイッ
チ基板51が配置され、このスイッチ基板51に、同図
(a)に示すように、給湯スイッチ52・ロック解除ス
イッチ53・保温スイッチ54・再沸騰スイッチ55・
カップメンタイマースイッチ56の5個の操作スイッチ
が取付けられている。また、中央部に表示部57が設け
られている。
【0067】前記した電動ポンプ12により給湯を行う
場合には、まずロック解除スイッチ53を押して電気的
な給湯ロック状態を解除し、次いで給湯スイッチ52を
押すことで、電動ポンプ12が作動して給湯される。保
温スイッチ54は、後述する沸騰加熱運転を終了した後
の保温運転モードを選択するためのもので、このスイッ
チ54の押下操作を繰返すことによって、表示部57に
表示されている保温運転モードの切換え(パイロットラ
ンプの切換点灯)が行われる。例えば「98」が選択さ
れると98℃、「90」が選択されると90℃の各保温
温度で湯温が保持されるように、前記したヒータユニッ
ト10への通電が前記したマイコンによって制御され
る。
【0068】さらに本実施形態の電気ポットは、内容器
4を真空二重構造とすることで優れた保温性能を備えて
いることから、沸騰後にはヒータユニット10への通電
を行わずとも湯温の低下が充分に抑えられる。そこで、
ユーザーが選択し得る保温運転モードとして、「真空」
の保温モードが設けられている。これが選択されると、
ヒータユニット10による通電加熱は行われず、上記真
空二重構造による保温効果のみで保温する運転に切換わ
る。これを選択しても、湯温は長時間にわたって充分に
高温に保持され、しかも消費電力は大幅に軽減される。
【0069】再沸騰スイッチ55は、表示部57に表示
されている再沸騰運転モードの切換えを行うためのもの
で、表示部57に表示されている「沸騰」が選択される
と、保温運転中のお湯を再沸騰させる運転が開始され、
沸騰が検出されるとすぐに保温運転に切換えられる。
「カルキ抜き」が選択されると、再沸騰運転を開始して
沸騰が検出された後も、カルキ抜きのために所定の時間
だけ沸騰状態を継続し、その後に保温運転に切換えられ
る。また、図示しないプラグをコンセントに接続した後
に再沸騰スイッチ55を押して「おやすみ6」や「おや
すみ9」が選択されると、6時間後、或いは9時間後に
湯が沸き上がるように、所定の時間経過を待って沸騰加
熱運転を自動的に開始する制御が行われる。カップメン
タイマースイッチ56は、例えばこれを3回押すこと
で、内蔵するブザー(図示せず)が3分後に作動され、
ユーザに設定時間経過が音で報知される。
【0070】上記構成の電気ポットにおいては、蓋体2
を開けて内容器4内に注水し、その後、蓋体2を閉じて
プラグがコンセントに接続されると、前記のように再沸
騰スイッチ55による「おやすみ6」や「おやすみ9」
のモード選択がない場合には、ヒータユニット10への
通電がすぐに開始されて、内容器4内の水が加熱され
る。そして、沸騰が検出されると、カルキ抜きのために
所定の時間だけ沸騰状態を継続し、この時間経過後に、
ブザーを作動して湯沸かし運転が終了したことを報知
し、同時に、所定の温度に保持する保温運転に自動的に
切換えられる。
【0071】この保温運転状態で、前記したように、ロ
ック解除スイッチ53を押して電気的なロック状態を解
除し、その後に給湯スイッチ52を押すことで、電動ポ
ンプ12が作動して給湯される。
【0072】また、このような電動給湯に代えて、ベロ
ーズポンプ26を手動操作することによっても給湯され
る。このときの給湯は、給湯ロックつまみ41aをその
ロック位置からロック解除位置へとスライドさせて押し
板25のロック状態を解除し、この押し板25を押すこ
とによって、ベローズポンプ26から供給されるエアー
によって貯湯空間1a内が加圧され、内部の湯が注湯通
路15を通して給湯される。
【0073】特に、上記の電気ポットは、貯湯空間1b
を囲う内容器4が真空二重容器として形成されているの
で、前述したように、保温のための加熱を格別行わずと
も温度低下が充分に抑えられ、したがって、湯沸かし後
には電源の非接続状態として任意の位置に持ち運びする
ことが可能となる。そして、このような給電停止状態で
も、押し板25に対する上記した押下操作によって給湯
できるので、使用範囲が広がって使い勝手が向上する。
【0074】そして、本実施形態においては、上記のよ
うにベローズポンプ26を手動操作して給湯する場合で
も、前記のように押し板25の前端側を蓋開閉レバー4
5のレバー操作面45aにオーバーラップさせた構造と
することによって、この押し板25が、その径をより大
きくして形成されている。 これに伴い、この押し板25
の下側に、内容積がより大きなベローズ27が設置され
ている。この結果、押し板25を繰返し押して給湯する
場合でも、一回当たりの給湯量がベローズ27の内容積
に応じて多くなる。この結果、所望の出湯量を得ようと
する場合の操作回数が少なくて済むので、このような手
動による給湯操作時の使い勝手も向上したものとなって
いる。
【0075】なお、上記のように押し板25の前端側に
蓋開閉レバー45のレバー操作面45aが上方から重な
る構成では、この間に異物等が噛み込むんだ場合に、自
然吐出が生じるおそれがある。つまり、押し板25を押
してエアーを貯湯空間に供給して給湯させた後、押し板
25から手を離すと、ベローズ27は第1バネ32によ
って上方へ押し上げられ、同時に、第2バネ33によっ
て吸気弁29が押し上げられて開弁状態に切換わると共
に、押し板25も上限位置に復帰する。
【0076】このとき、蓋開閉レバー45のレバー操作
面45aと押し板25とのオーバーラップ領域に異物が
噛み込み、また、蓋開閉レバー45が、仮にこのレバー
45に蓋ロック機構44におけるバネ47のバネ力が作
用して、蓋ロック位置で保持される状態であると、押し
板25は上記のような異物の噛み込みによって上限位置
まで復帰せずに途中で停止する。これによって、吸気弁
29の開弁状態への切換わりが生じずに、貯湯空間内が
密閉状態で保持されたままとなる。この状態では、先に
押し板25を押したときに貯湯空間内に供給されたエア
ーが、貯湯空間内の湯によって次第に暖められて貯湯空
間の内圧が上昇する。この結果、押し板25から手を離
したにもかかわらず、出湯状態が継続するという自然吐
出が生じる。
【0077】これに対し、本実施形態では、図2(b)
に示したように、上記のようなオーバーラップ領域、す
なわち、蓋開閉レバー45のレバー操作面45a後端側
と、押し板25の前記段差面25cとの間に第1隙間δ
が設けられているので、このオーバーラップ領域に噛み
込んだ異物の大きさが上記第1隙間δよりも小さけれ
ば、押し板25から手を離したときには押し板25はそ
の上限位置まで復帰する。これに伴って上記した吸気弁
29が開弁状態に切換わるので自然吐出が防止される。
【0078】さらに本実施形態の電気ポットでは、蓋開
閉レバー45の押動部45cの下端と、ロック爪46の
立壁46aとの間に第2隙間γ(遊び)を設けている。
したがって、これによっても、上記した自然吐出がより
確実に防止される。すなわちこの場合の蓋開閉レバー4
5は、ロック爪46の立壁46aに当接するまではフリ
ーな状態である。したがって、オーバーラップ領域に異
物が噛み込んだとき、押し板25から手を離すと押し板
25は、図1(c)に示すように上限位置まで復帰し、
そして、異物mの大きさに応じて、蓋開閉レバー45の
レバー操作面45aに蓋体2の上面に沿う蓋ロック位置
からの傾動動作が生じて、押し板側の浮き上がりが生じ
る。
【0079】したがって、押し板25が上限位置まで復
帰するので自然吐出が生じることが防止され、しかもこ
の場合には、レバー操作面45aに浮き上がりが生じて
いることで、異物mの噛み込みが生じていることがユー
ザーに容易に認識されて、この異物mの排除が行われる
ことになるので、安全性がさらに向上する。
【0080】また、本実施形態の電気ポットは、電動ポ
ンプ12による電動給湯も可能であるので、容器本体1
に電源が接続されている状態では、前記した給湯スイッ
チ52の軽いタッチで給湯を行わせることができるの
で、さらに使い勝手が向上するものとなっている。
【0081】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記形態に限定されるもので
はなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能で
ある。例えば上記では、内容器4を真空二重構造で構成
した電気ポットを例に挙げて説明したが、その他の断熱
仕様の電気ポットにも本発明を適用して構成することが
可能である。
【0082】また上記では、自然吐出を防止するため
に、蓋開閉レバー45と押し板25とのオーバーラップ
領域に第1隙間δを、蓋開閉レバー45の押動部45c
とロック爪46の立壁46aとの間に第2隙間γをそれ
ぞれ設けて構成した例を示したが、例えばこれら第1隙
間δと第2隙間γとのいずれか一方のみを設けて構成す
ることも可能である。
【0083】さらに上記では、蓋開閉レバー45が支軸
45b回りに回動して蓋ロック位置からロック解除位置
に移動する構成を例に挙げたが、この蓋開閉レバー45
の開蓋時の移動はこのような回動の形態に限定されるも
のではなく、例えば蓋開閉レバー45を上ケース21の
上面に沿ってスライド可能な構造とし、スライド動作で
蓋ロック位置からロック解除位置に移動する等のその他
の形態を採用して構成することが可能である。
【0084】また、上記ではベローズポンプ26と電動
ポンプ12とを設けたエアー/電動式電気ポットを例に
挙げ、給湯スイッチ52等を容器本体1側に設けて構成
したが、この給湯スイッチ52を蓋体2側に設けた構成
としても良い。さらに、ベローズポンプ等のエアーポン
プのみを設けて構成されるエアー型電気ポットにも、本
発明を適用して構成することが可能である。
【0085】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の電気
ポットにおいては、押し板と蓋開閉レバーとの相互に隣
接する領域が上下に重なる構造であるので、蓋開閉レバ
ーにおける押し板側の縁部の位置で大きさが制限されて
いた従来の押し板に比べ、より大きな形状の押し体を設
けて構成することができる。これにより、押し板の下側
に内容積がより大きなエアーポンプを配置し、押し板を
押して給湯するときの一回当たりの給湯量をより大きく
することが可能になって使い勝手を向上することができ
る。
【0086】請求項2の電気ポットにおいては、押し板
と蓋開閉レバーとの上下に重なるオーバーラップ領域に
第1隙間を設けているので、このオーバーラップ領域に
異物が噛み込んだとしても自然吐出が生じることが防止
される。したがって、ユーザーの押し板操作に応じた給
湯を行わせることができ、予期しない出湯状態が生じる
ことが抑えられて安全性を確保することができる。
【0087】請求項3の電気ポットにおいては、容器本
体に係合して蓋ロック状態で保持するためのロック手段
と、蓋開閉レバーの押動部との間に第2隙間を設けてい
るので、これによっても自然吐出が生じることが防止さ
れ、またこの場合には、蓋開閉レバーにおける蓋ロック
位置からロック解除位置までの移動が回動移動によって
生じる構成であれば、この蓋開閉レバーの押し板側に浮
き上がりが生じる。これによって、異物の噛み込みが生
じていることがユーザーに容易に認識されて異物の排除
が行われることになるので、安全性がさらに向上する。
【0088】請求項4の電気ポットにおいては、容器本
体にさらに電動ポンプが設けられ、容器本体に電源が接
続されている状態では軽いタッチで電動ポンプによる給
湯を行わせるようにすることができるので、さらに使い
勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電気ポットの全体
構成を示すものであって、同図(a)は平面図、同図
(b)は縦断面図である。
【図2】上記電気ポットの上部側の構成を示すものであ
って、同図(a)は縦断面図、同図(b)は蓋体の前側
の構成を示す要部断面図である。
【図3】上記蓋体における蓋開閉レバーの動作状態を示
すものであって、同図(a)は蓋体を開けるときに蓋開
閉レバーの前端側を上方から押して回動させたときの状
態を示す要部断面図、同図(b)は蓋開閉レバーをさら
に回動させて蓋ロック解除状態となったときの状態を示
す要部断面図、同図(c)は、蓋開閉レバーと押し板と
のオーバーラップ領域に異物が侵入したときの状態を説
明するための要部断面図である。
【図4】従来の電気ポットを示すものであって、同図
(a)は平面図、同図(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 1a 貯湯空間 2 蓋体 12 電動ポンプ 25 押し板 25a 上壁面 25b 円筒壁 26 ベローズポンプ(エアーポンプ) 27 ベローズ 45 蓋開閉レバー 45a レバー操作面 45c 押動部 46 ロック爪(ロック手段) 47 バネ(付勢手段) δ 第1隙間 γ 第2隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21 A47J 41/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体に形成された貯湯空間を上方か
    ら覆う蓋体に押し板と蓋開閉レバーとを相互に隣接させ
    て設けると共に、押し板の下側にエアーポンプを配置
    し、押し板を蓋体の上面から下降させることによりエア
    ーポンプが収縮変形して加圧されたエアーが貯湯空間に
    供給され給湯されるように形成する一方、蓋開閉レバー
    を蓋ロック位置からロック解除位置へと移動させて蓋体
    を開けるようにした電気ポットであって、 前記押し板を、上壁面と、その周縁から下方に垂下する
    円筒壁とで構成し、前記円筒壁の内側近傍に前記エアー
    ポンプを構成する蛇腹状のベローズの上部を配置すると
    ともに、前記蓋開閉レバーにおけるレバー操作面の端部
    の下側に前記上壁面を位置させて、前記押し板と蓋開閉
    レバーとの相互に隣接する領域が上下に重なるように形
    成してある電気ポット。
  2. 【請求項2】 押し板と蓋開閉レバーとの上下に重なる
    領域間に、所定の第1隙間を設けていることを特徴とす
    る請求項1の電気ポット。
  3. 【請求項3】 蓋体に、容器本体に係合して蓋ロック状
    態で保持するためのロック手段と、このロック手段を容
    器本体との係合位置に向けて付勢する付勢手段とを設け
    る一方、蓋開閉レバーに、この蓋開閉レバーが蓋ロック
    位置からロック解除位置に移動するときにロック手段に
    当接してこのロック手段を係合位置から非係合位置へと
    押動する押動部を設けると共に、蓋開閉レバーが蓋ロッ
    ク位置に位置するときの押動部とロック手段との間に、
    所定の第2隙間を設けていることを特徴とする請求項1
    又は2の電気ポット。
  4. 【請求項4】 容器本体に貯湯空間内の湯を給湯するた
    めの電動ポンプを設けていることを特徴とする請求項
    1、2又は3の電気ポット。
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