JP3371816B2 - 粒子濃度測定方法および装置並びに粒子計測装置 - Google Patents
粒子濃度測定方法および装置並びに粒子計測装置Info
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Description
ロゾル中の粒子濃度の測定方法および装置と、懸濁液も
しくはエアロゾル中の粒子濃度並びに粒度分布を同時に
測定することのできる粒子計測装置に関する。
および気体中に粒子群が分散してなるエアロゾルは、食
品、医薬品、化学工業、セラミックス等の種々の分野に
おいて取り扱われており、その懸濁液もしくはエアロゾ
ル中の粒子濃度は、粒度分布とともに重要な項目とされ
ている。
測定方法ないし装置については種々の方式のものが知ら
れているが、そのうち、レーザ回折・散乱法と称される
方式のものは所要時間が他の方式に比して極端に短くて
よい等の多くの利点を有しており、特にプロセスでのオ
ンライン測定等において多用されている。このレーザ回
折・散乱法に基づく粒度分布測定装置においては、液体
または気体を媒体としてそこに粒子群を分散させた懸濁
液またはエアロゾルの状態でレーザ光を照射することに
よって得られる回折・散乱光の空間強度分布を測定し、
その光強度分布がミーの散乱理論ないしはフラウンホー
ファの回折理論に則ることを利用して、回折・散乱光の
空間強度分布の測定結果から粒子群の粒度分布を算出す
る。
濃度についても幾つかの測定方法が知られているが、オ
ンライン測定等によって短時間のうちに再現性よく高精
度に測定する方法ないし装置は知られていない。
は気体中の粒子濃度を短時間のうちに再現性よく高精度
に測定することのできる粒子濃度測定方法と、その方法
を利用した粒子濃度測定装置、および1回の測定のもと
に液体もしくは気体中の粒子濃度とその粒度分布を測定
することのできる粒子計測装置を提供することを、その
課題としている。
法は、懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子濃度を測定す
る方法であって、被測定懸濁液もしくはエアロゾルにレ
ーザ光を照射して得られる回折・散乱光の強度を、レー
ザ光の照射方向前方所定領域を含む所定の角度範囲にお
いて測定し、その測定した回折・散乱光強度の総量値
と、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子と材質の
等しい粒子を分散質とする複数種の既知濃度の懸濁液も
しくはエアロゾルを測定対象として同じ角度範囲で測定
した回折・散乱光強度の総量値に基づいてあらかじめ求
めておいた濃度−回折・散乱光強度総量値の関係を用い
て、被測定懸濁液もしくはエアロゾルの濃度を求めるこ
とによって特徴づけられる(請求項1)。
発明方法を利用した粒子濃度測定装置であって、被測定
懸濁液もしくはエアロゾルにレーザ光を照射する照射光
学系と、そのレーザ光の照射により発生する回折・散乱
光の空間強度分布を、レーザ光の照射方向前方所定領域
を含む所定の角度範囲において測定する光センサ群と、
その光センサ群による回折・散乱光の空間強度分布の測
定結果から懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子群の粒度
分布を算出する粒度分布演算手段と、上記光センサ群に
よる各角度での回折・散乱光強度を相互に積算した回折
・散乱光の総量値と、被測定懸濁液もしくはエアロゾル
中の粒子と同じ材質の粒子を分散質とする懸濁液もしく
はエアロゾルにおける濃度−回折・散乱光強度の総量値
情報を用いて、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の粒
子濃度を算出する粒子濃度演算手段を備えていることに
よって特徴づけられる(請求項2)。
に係る発明方法を利用して、懸濁液もしくはエアロゾル
中の粒子濃度と、その粒度分布とを1回の計測のもとに
同時に測定することのできる装置であり、被測定懸濁液
もしくはエアロゾルにレーザ光を照射する照射光学系
と、そのレーザ光の照射により発生する回折・散乱光の
空間強度分布を、レーザ光の照射方向前方所定領域を含
む所定の角度範囲において測定する光センサ群と、その
光センサ群による回折・散乱光の空間強度分布の測定結
果から懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子群の粒度分布
を算出する粒度分布演算手段と、上記光センサ群による
各角度での回折・散乱光強度を相互に積算した回折・散
乱光の総量値と、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の
粒子と同じ材質の粒子を分散質とする懸濁液もしくはエ
アロゾルにおける濃度−回折・散乱光強度の総量値情報
を用いて、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子濃
度を算出する粒子濃度演算手段を備えていることによっ
て特徴づけられる(請求項3)。
散乱光強度または回折・散乱光の空間強度分布の測定領
域は、少なくとも前方(レーザ光の照射方向)所定角度
領域を含ませる。これは、粒子群からの回折・散乱光を
全方位において測定することが実質的に困難であるこ
と、粒子による回折・散乱光の強度は、その前方所定角
度領域への光、つまりレーザ光の照射方向前方への回折
・散乱光が圧倒的に高いこと(図3の実測結果参照)に
基づくものであって、少なくとも前方所定角度領域への
回折・散乱光強度を測定すれば、その光強度の総量から
高い精度のもとに粒子濃度を算出し得ることが確かめら
れている(図5参照)。
分散飛翔状態の粒子群にレーザ光を照射することによっ
て発生する回折・散乱光の総量の強度が、粒子濃度に比
例することを利用している。
光を照射することによって生じる回折・散乱光の空間強
度分布はその粒子群の粒度分布に依存するが、その回折
・散乱光の各方位への強度の和は、照射レーザ光の強度
が一定であれば、粒子の大きさと個数に比例する。従っ
て、同じ材質の粒子を分散質とする懸濁液もしくはエア
ロゾルであれば、その回折・散乱光強度は粒子濃度に比
例する(図5参照)。そこで、被測定懸濁液もしくはエ
アロゾルと同じ粒子を分散質とする複数種の既知濃度の
懸濁液もしくはエアロゾルについての回折・散乱光強度
を測定して図5のように濃度−回折・散乱光強度の関係
を求めておけば、被測定懸濁液もしくはエアロゾルの回
折・散乱光強度の測定結果から、直ちにその粒子濃度を
求めることができる。
においては、懸濁液もしくはエアロゾルにレーザ光を照
射することによって得られる回折・散乱光を、複数の光
センサで測定することによってその空間強度分布を測定
することにより、レーザ回折・散乱法に基づいて粒度分
布を算出する一方、各センサによる強度の積算値が、上
述の回折・散乱光強度と等しくなることを利用してその
粒子濃度を求める。つまり、この請求項3に係る発明で
は、懸濁液もしくはエアロゾルに対してレーザ光を照射
して得られる回折・散乱光を、複数のセンサ群で受光し
てその空間強度分布を1回実測することにより、懸濁液
もしくはエアロゾル中の粒子群の粒度分布と粒子濃度と
を実質的に同時に求めることができる。
を示すブロック図で、請求項3に係る発明についての実
施の形態を表している。レーザ光源1からの出力光はコ
リメータレンズ2によって平行光束に成形された後、フ
ローセル3に照射される。フローセル3には、液体中に
粒子群Pが分散してなる懸濁液Sが流されており、レー
ザ光は粒子群Pによって回折または散乱される。
角度領域へのものについては集光レンズ4を介してリン
グディテクタ5により検出され、また、それよりも散乱
角度の大きなものは側方散乱光センサ6および後方散乱
光センサ7によって検出される。リングディテクタ5
は、図2にその正面図を例示するように、互いに異なる
半径のリング状または半リング状もしくは1/4リング
状の受光面を持つ光センサ素子Lを同心状に配置した構
成を持ち、集光レンズ4によって集光された前方所定角
度領域の回折・散乱光の強度を、空間的に連続した複数
の微小角度ごとに測定することができる。
換器8によってデジタル化された後、演算装置9のメモ
リ91内に格納される。演算装置9には、レーザ回折・
散乱法に基づく公知の算法によってメモリ91内に記憶
されている回折・散乱光強度分布データを粒子群Pの粒
度分布に換算する粒度分布演算部92と、同じくメモリ
91内に記憶されている回折・散乱光強度分布データを
相互に積算して、その積算値を懸濁液中の粒子濃度に換
算する粒子濃度演算部93を備えている。これらの各演
算部による演算結果は、CRT10に表示されるととも
にプリンタ11に記憶されるように構成されている。
算機能を実行するプログラムがインストールされたコン
ピュータによって構成されるが、図1では説明の簡略化
のために機能ごとのブロック図で示している。
演算部91における演算については、レーザ回折・散乱
法に基づく粒度分布測定装置における演算と全く同等で
あるためにその詳細は省略するが、要は粒子群Pによる
回折・散乱光の空間強度分布の測定結果(ベクトル)
を、ミーの散乱理論またはフラウンホーファの回折理論
に基づいて求められる変換係数行列を用いて、粒子群P
の粒度分布(ベクトル)に変換する。
ングディテクタ5内の各光センサ素子L・・・・L、側方散
乱光センサ6および後方散乱光センサ7からの各光強度
検出出力を相互に加算して積算値を求め、その積算値
と、被測定懸濁液S内の粒子群Pと同じ材質の粒子群を
分散質とする複数種の既知濃度の懸濁液の回折・散乱光
強度を実測してあらかじめ求めた関係式とを用いて、懸
濁液Sの粒子濃度を算出する。この粒子濃度の測定の実
例を、以下、実験例を参照しつつ説明する。
粒子群とし、媒液として蒸留水(和光純薬社製)で希釈
することにより、100ppm、80ppm、60pp
m、40ppm、および20ppmの粒子濃度(重量濃
度)に希釈し、超音波分散させたうえで参照懸濁液とし
て測定に供した。
の装置(実際にはレーザ照射光学系と回折・散乱光の測
光光学系並びに粒度分布演算部92は島津製作所製のS
ALD2000Jを使用)により回折・散乱光の空間強
度分布を測定した。その結果を図3に示す。この図3の
グラフにおいて、横軸は光センサ素子の番号で、小さい
番号のセンサ素子ほど回折・散乱角度の小さい位置に置
かれていることを表している。また、図中Rで示す範囲
が、リングディテクタ5内の光センサ素子L・・・・Lを示
している。この図3のグラフから、粒子群Pによる回折
・散乱光はリングディテクタ5が置かれている領域、つ
まり前方所定角度領域のものが圧倒的に高い強度である
ことが判る。
測定結果を用いて、各参照懸濁液中の粒子群の粒度分布
を算出した結果を図4に示す。この図4からは、粒子濃
度によらず再現性のよい粒度分布の測定を行えているこ
とが確かめられる。
の空間強度分布を、各参照懸濁液ごとに積算して、その
各積算値と粒子濃度との関係をプロットしたグラフを図
5に示す。この図5から明らかなように、懸濁液にレー
ザ光を照射して得られる回折・散乱光の空間強度分布の
積算値、つまり、少なくとも前方所定角度領域で測定し
た回折・散乱光強度は、その懸濁液の粒子濃度と厳密な
比例関係が成り立つことが判る。従って、この図5に示
した回折・散乱光強度分布の積算値と粒子濃度との関係
をあらかじめ測定しておき、演算装置9に関係式等の形
で設定しておけば、以後、同じ材質の粒子群を分散質と
する懸濁液の回折・散乱光の空間強度分布を測定してそ
れを積算することにより、その被測定懸濁液の粒子濃度
を直ちに算出することができる。
ば、懸濁液Sにレーザ光を照射して得られる回折・散乱
光の空間強度分布を1回測定することにより、その懸濁
液S中の粒子群Pの粒度分布と粒子濃度とを求めること
ができる。
の形態である粒子濃度測定装置について述べる。図6は
その構成を示すブロック図である。この例においては、
レーザ光源1、コリメータレンズ2とからなる照射光学
系、および懸濁液Sを流すためのフローセル3、更には
集光レンズ4については先の実施の形態と同等であり、
回折・散乱光を測定する測光光学系並びに演算装置が先
の例と相違している。すなわち、先の例におけるリング
ディテクタ5の配設位置に、その各センサ素子L・・・・L
の総面積と同等の面積の1つの受光面を有する光センサ
50を設けて、前方所定角度領域の回折・散乱光強度を
直接的に測定し得るようになっている。また、先の例に
おける側方散乱光センサ6および後方散乱光センサ7は
省略している。
モリ91と粒子濃度演算部93に相当する機能のみを有
しており、粒度分布演算部92に相当する機能は有して
おらず、従ってこの実施の形態では、懸濁液Sの粒子濃
度のみを測定する機能を有している。
て発生する回折・散乱光は、光センサ50によって圧倒
的に高強度の前方所定角度領域での光強度が測定され
る。この光強度測定結果は、図3にRで示した領域にお
ける光強度分布の各積算値に相当し、従って、その光セ
ンサ50の出力を用いて、前記図5に示したものと同等
の回折・散乱光強度−粒子濃度の関係をあらかじめ求め
ておけば、被測定懸濁液Sの回折・散乱光強度の測定結
果から直ちにその粒子濃度を算出することができる。
光センサ6および後方散乱光センサ7の出力は、粒度分
布の計測に際しては特に微粒子域の測定に重要な役割を
果たすのであるが、粒子濃度の計測に際しては回折・散
乱光の総量の強度が意味を持ち、また、その回折・散乱
光は前方所定領域へのものが圧倒的に高強度であること
から、図6の実施の形態のように粒子濃度のみを計測す
る場合には側方散乱光センサおよび後方散乱光センサは
特に必要としない。
Pが液体中に分散した懸濁液の粒子濃度またはそれに加
えて粒度分布を測定したが、本発明は、粒子群Pが気体
中に分散したエアロゾルの粒子濃度ないしは粒度分布に
ついても、全く同様に測定し得ることは勿論である。
明によれば、懸濁液もしくはエアロゾルに対してレーザ
光を照射することによって得られる回折・散乱光を、レ
ーザ光の照射方向前方所定領域を含む所定の角度範囲で
測定するだけで、その懸濁液もしくはエアロゾル中の粒
子濃度を求めることができ、各種懸濁液またはエアロゾ
ルを取り扱う分野において、例えばオンライン測定等に
よって極めて短時間のうちに高精度の粒子濃度の測定が
可能となる。
液もしくはエアロゾルに対してレーザ光を照射すること
によって生じる回折・散乱光の空間強度分布を1回測定
することにより、その懸濁液またはエアロゾル中の粒子
群の粒度分布と粒子濃度を実質的に同時に測定すること
ができ、各種懸濁液もしくはエアロゾルを取り扱うプロ
セス等における効率化や品質管理等に有用な情報の提供
を実現できる。
ブロック図である。
る。
数の懸濁液のそれぞれによる回折・散乱光の空間強度分
布の測定結果を示すグラフである。
の粒子群の粒度分布を示すグラフである。
・散乱光強度分布の積算値と懸濁液濃度との関係を示す
グラフである。
成を示すブロック図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子濃度
を測定する方法であって、被測定懸濁液もしくはエアロ
ゾルにレーザ光を照射して得られる回折・散乱光の強度
を、レーザ光の照射方向前方所定領域を含む所定の角度
範囲において測定し、その測定した回折・散乱光強度の
総量値と、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子と
材質の等しい粒子を分散質とする複数種の既知濃度の懸
濁液もしくはエアロゾルを測定対象として同じ角度範囲
で測定した回折・散乱光強度の総量値に基づいてあらか
じめ求めておいた濃度−回折・散乱光強度総量値の関係
を用いて、被測定懸濁液もしくはエアロゾルの濃度を求
めること特徴とする粒子濃度測定方法。 - 【請求項2】 懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子濃度
を測定する装置であって、 被測定懸濁液もしくはエアロゾルにレーザ光を照射する
照射光学系と、 そのレーザ光の照射により発生する回折・散乱光強度
を、レーザ光の照射方向前方所定領域を含む所定の角度
範囲において測定する回折・散乱光強度測定手段と、 その光強度測定手段による回折・散乱光強度の総量値の
測定結果と、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子
と同じ材質の粒子を分散質とする懸濁液もしくはエアロ
ゾルにおける濃度−回折・散乱光強度の総量値情報を用
いて、被測定懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子濃度を
算出する粒子濃度演算手段と、 を備えていることを特徴とする粒子濃度測定装置。 - 【請求項3】 懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子濃度
および粒度分布を同時に測定する装置であって、 被測定懸濁液もしくはエアロゾルにレーザ光を照射する
照射光学系と、 そのレーザ光の照射により発生する回折・散乱光の空間
強度分布を、レーザ光の照射方向前方所定領域を含む所
定の角度範囲において測定する光センサ群と、 その光センサ群による回折・散乱光の空間強度分布の測
定結果から懸濁液もしくはエアロゾル中の粒子群の粒度
分布を算出する粒度分布演算手段と、 上記光センサ群による各角度での回折・散乱光強度を相
互に積算した回折・散 乱光の総量値と、被測定懸濁液も
しくはエアロゾル中の粒子と同じ材質の粒子を分散質と
する懸濁液もしくはエアロゾルにおける濃度−回折・散
乱光強度の総量値情報を用いて、被測定懸濁液もしくは
エアロゾル中の粒子濃度を算出する粒子濃度演算手段を
備えていることを特徴とする粒子計測装置。
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