JP3302991B2 - 粒径分布測定装置 - Google Patents

粒径分布測定装置

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JP3302991B2 JP32497399A JP32497399A JP3302991B2 JP 3302991 B2 JP3302991 B2 JP 3302991B2 JP 32497399 A JP32497399 A JP 32497399A JP 32497399 A JP32497399 A JP 32497399A JP 3302991 B2 JP3302991 B2 JP 3302991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子群の粒径分布
を測定するための粒径分布測定装置に関する。詳細に
は、粒径区間のシフトや粒径区分の細分化手順を記憶さ
せた解析部を採用することによって、食品、薬品、セラ
ミックスなどの原料粉体や燃料、塗料等の液滴群などの
粒子群の粒径分布を高精度に測定できるようにした粒径
分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、固体や液体の粒状物質から構
成される粒子群を取り扱う種々の科学・産業分野では、
その粒子群の基本的特性を表す粒径分布を、より高精度
に測定する技術が求められている。
【0003】この技術要請に対して、近年、粒子群をレ
ーザ光束によって照射し、その散乱強度の角度依存性か
ら粒径分布を推定する、一般にレーザ回析法と呼ばれる
測定技術が普及している。
【0004】このレーザ光回析法の基本構成を、図6に
基づいて、簡易に説明する。まず、単色のレーザ光11
を発振する光源10を備え、この光源10から発振され
たレーザ光11を平行光束13とするためのコリメータ
12が配置される。
【0005】そして、所定の測定領域14に存在する粒
子群15に照射された平行光束13の散乱光を受光して
測定光を形成するためのレンズ16が配置されている。
このレンズ16の焦点位置Fには、散乱光強度の角度依
存性を検出するための光電変換素子が環状に形成された
複数のセンサ18が同心円状に配列されている受光セン
サ部17が設けられている。
【0006】この受光センサ部17には、散乱光の散乱
角に対応する光強度分布信号19を処理する信号処理部
20が接続され、この信号処理部からの処理データ21
に基づいて、解析部22で粒径分布を算定する。
【0007】ここで、解析部22に記憶される従来の粒
径分布算定方法について説明する。まず、各センサ18
が受ける散乱エネルギーは、単位時間に入射する散乱光
強度のセンサの面積に亘る積分で表される。
【0008】例えば、i番目のセンサの散乱エネルギー
Eiは、粒子群15の体積基準粒径分納関数W(D)と
粒径Dの単一粒子の散乱光のθ方向成分を表す散乱強度
関数i(D,θ)の積を粒径については0から∞、角度
についてはそのセンサの見込む散乱角の範囲[θi-
θi+]にわたる積分で表される。
【0009】即ち、積分方程式、
【数1】 この式を以下「式1」ということにする。尚、上記式1
にあるCは、粒子群の量に比例する変数である。
【0010】この積分方程式をW(D)について解くこ
とが、粒径分布を決定することになるが、その解法には
大別して二つある。まず、解法の一つは、W(D)とし
て対数正規分布などの粒径分布関数を用い、そのパラメ
ータ(通常、代表粒径と分布の広がりに関する2個のパ
ラメータ)と粒子の量に関する定数Cを、E(Eiを要
素とするベクトル)の実際の測定値と上記式1によって
求められた予測値とがもっとも一致するように繰り返し
計算により求める方法である(以下「解法I」とい
う。)。
【0011】この解法Iは、確率分布が負の値になると
いうことが絶対無く、非常に均一な単分散粒子に対し
て、高い粒径分解能が得られるという利点があり、以下
に説明するもう一つの解法にはない特徴がある。
【0012】もう一つの解法は、式1を線形化し、最小
二乗法的に解く方法である(以下「解法II」とい
う。)。具体的には、粒径範囲を有限個の区分に分け、
W(Dj)をj区分の確率密度(あるいはその粒径区分
に入る粒子の総体積)とし、e(eiを要素とベクト
ル)を線形近似による誤差、散乱エネルギーの測定の誤
差、散乱理論と実際の散乱現象との誤差の総和とする
と、次式が得られる。
【0013】
【数2】 この式を以下「式2」ということにする。或いは、
【数3】 この式を以下「式3」ということにする。ここで、ki
jは係数で、球形粒子の散乱理論路により与えられるi
(D,θ)と積分公式を用いることによって予め計算さ
れる。
【0014】上記式3をそのまま解くと、上記式1の積
分方程式の本質的な問題のためにほとんどの場合、W
(Dj)のいくつかが負の値になってしまうので、W
(D)の滑らかさを要求する適度な拘束のもとに式3を
満たすW(Di)≧0を求める。尚、拘束の強さは、前
述の測定誤差等を考慮して求められる。
【0015】このように、従来の粒径分布測定装置の解
析部22には、予め上記した解法I又はIIが記憶さ
れ、粒径分布を算定している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の粒径分布測定装置の粒径分布算定手段には、次の技
術的課題があった。まず、上記解法Iでは、測定対象の
粒子群の粒径分布が、用いる分布関数のモデルによって
正確に表されるかどうか、ということが課題となる。例
えば、即ち、粒子群の粒径分布の表示に頻繁に使用され
る対数正規分布やロージンラムラー分布は、単一ピーク
の関数であるので、複数のピークを持つ粒子群には適用
できない。これらの粒径分布関数を複数組み合わせると
いう手段も考えられるが、多変数の非線形最適化の問題
になり、通常最適解の検索が非常に困難となる。
【0017】次に、上記解法IIでは、粒径分布の算定
の際に、算定対象となる「粒径区間」を固定しているこ
とに起因する課題がある。即ち、測定粒子の粒径が、予
め固定された粒径区間の範囲に余裕をもって入っている
場合は問題が生じないが、測定粒子の大粒径側が粒径区
間の上限を超えたり、測定粒子の小粒径側が粒径区間の
下限を超えたりすることがある。
【0018】このような場合、上記解法IIでは粒径区
間の最大粒径区分又は最小粒径区分を中心に頻度にしわ
寄せが発生し、実際の粒径分布と誤差が生じてしまうと
いう問題が起きてしまう。即ち、代表粒径は過小評価あ
るいは過大評価されてしまうことになる。
【0019】測定可能な最大及び最小粒径は、そのレン
ズの焦点距離に略比例するので、適切な焦点距離のレン
ズに取り替える手段を採用することによって、この問題
は解決できるが、レンズの取り替え作業や光学調整が煩
雑となるのに加え、焦点距離を変えることに伴う分解能
の変化を回避したい。
【0020】更に、粒径分布算定の際の分解能に関する
技術的課題がある。具体的には、上記解法IIによれ
ば、原理的には、複数(2,3程度)のピークを持った
粒径分布の測定に適用できるという利点がある一方、設
定された粒径区分の幅が固定されているため、粒径区分
の幅よりも狭い範囲に分布する粒子群の粒径分布を高精
度に測定できないという課題が存在する。
【0021】粒径の分解能を高めるには、当初から一定
の粒径区間内の区分数を増加させておくという手段が考
えられるが、センサー数や増幅器の数もそれに応じて増
加させる必要があるため、コストアップの要因となって
しまう。
【0022】また、粒径の分解能を高めると同時に粒径
区間も広げようとすると、一般に「ゴースト」と呼ばれ
る現象を発生させてししまう。即ち、微小な粒子が全く
含まれない粒子群を測定しているにもかかわらず、微小
粒径側にも粒子がわずかであるが存在するという結果を
出してしまう。
【0023】これは、最大粒径と最小粒径との比(ダイ
ナミックレンジ)が非常に大きくなると、上記式3にお
ける係数kijの最大のものと最小のものとの比率が極
端に大きくなって、わずかの誤差によって微小粒径側の
W(Dj)が過度に影響を受けてしまうことに起因す
る。このことは、粒径区間は、必要最小限に止めるべき
であり、粒径区分の個数もむやみに大きくしないこと
が、高精度の測定を可能にすることを示している。
【0024】そこで本発明は、上記解法IIの技術的課
題を解決するため、粒径区間のシフトや粒径区分の細分
化手順を記憶させた解析部を採用して、粒子群の粒径分
布を高精度に測定できるようにした粒径分布測定装置を
提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下の手段を採用する。請求項1では、
レーザ光源から出射されて平行光束とされたレーザ光を
測定空間中の粒子群に照射させることにより発生した散
乱光を、光電変換素子からなるセンサが同心円状に複数
配列された受光センサで受光し、この散乱光の散乱角に
対応する光強度分布信号を前記受光センサに接続された
信号処理部で処理した後、解析部で粒径分布を算定する
構成の粒径分布測定装置において、次の手段を採用す
る。即ち、前記センサ数以下の連続する粒径区分で構成
され、最小粒径を下限、最大粒径を上限とする当初粒径
区間を設定し、前記粒径区分の確率密度が負にならない
範囲で、その確率密度に対する予測散乱エネルギーベク
トルと実測散乱エネルギーベクトルとが最も一致するよ
うに各粒径区分の確率密度を求めたときに、最大粒径区
分と最小粒径区分のいずれか一方の確率密度が所定値を
越えた場合には、前記予測散乱エネルギーベクトルと実
測散乱エネルギーベクトルとが最も一致する粒径区間
を、最大粒径区分の確率密度が所定値を越える場合には
より大粒径側へ、最小粒径区分の確率密度が所定値を越
える場合にはより小粒径側へ、1粒径区分ずつシフトさ
せることにより得られた新粒径区間に基づいて、前記粒
子群の粒径分布を得る算定手順を前記解析部に予め記憶
させた。この手段によれば、測定粒子の大粒径側が粒径
区間の上限を超えたり、測定粒子の小粒径側が粒径区間
の下限を超えたりする場合でも、実際の粒径分布と誤差
が生じてしまうことが無く、代表粒径が過小評価あるい
は過大評価されてしまうことがなくなる。また、煩雑な
レンズの取り替え作業や光学調整の必要がなく、焦点距
離を変えることに伴う分解能の変化も回避できる。
【0026】請求項2にでは、請求項1と同様の構成の
粒径分布測定装置において、次の手段を採用する。即
ち、センサ数以下の連続する粒径区分で構成され、最小
粒径を下限、最大粒径を上限とする当初粒径区間に基づ
いて実測散乱エネルギーを解析した結果、確率密度が現
出した正の連続する粒径区分の数が所定数より小さい場
合には、該粒径区分を含む粒径区間を前記センサ数以下
の新たな粒径区分に細分化することにより、各センサが
捉えた散乱エネルギーを各粒径区分の確率密度で表現し
た計算式で、各粒径区分の確率密度が負にならない範囲
で理論エネルギーベクトルと実測散乱エネルギーベクト
ルとが最も一致するように細分化を繰り返して各粒径区
分の確率密度を求める算定手順を予め解析部に記憶させ
た。この手段では、粒径分布算定の際の分解能を高める
ことができ、粒径区分の幅よりも狭い範囲に分布する粒
子群の粒径分布を高精度に測定できる。また、予め一定
の粒径区間内の区分数を増加させるという手段を採用し
ていないため、センサー数や増幅器の数も増加させる必
要がなく、コストアップとならない。更に、粒径の分解
能を高めると同時に粒径区間も広げるという手段を採用
していないため、「ゴースト」現象を発生させることが
なく、高精度の測定が可能となる。
【0027】請求項3では、請求項1記載の当初粒径区
間に基づいて実測散乱エネルギーを解析した結果、確率
密度が現出した正の連続する粒径区分の数が所定数より
小さい場合には、該粒径区分を含む粒径区間を前記セン
サ数以下の新たな粒径区分に細分化することにより、各
センサが捉えた散乱エネルギーを各粒径区分の確率密度
で表現した計算式で、各粒径区分の確率密度が負になら
ない範囲で理論エネルギーベクトルと実測散乱エネルギ
ーベクトルとが最も一致するように細分化を繰り返して
各粒径区分の確率密度を求める算定手順を予め解析部に
記憶させた。
【0028】この請求項3に係る粒径分布測定装置で
は、請求項1記載の手段に加えて、請求項に2の手段を
兼ね備えているので、測定粒子の大粒径側が粒径区間の
上限を超えたり、測定粒子の小粒径側が粒径区間の下限
を超えたりする場合でも、実際の粒径分布と誤差が生じ
てしまうことが無いだけでなく、粒径分布算定の際の分
解能を高めることも可能となる。
【0029】請求項4では、請求項1から3のいずれか
に記載された粒径分布測定装置を、隣り合う粒径区分の
境界の粒径が等比級数を形成するように構成した。この
手段では、測定対象となる粒子群が、広範囲に及ぶ粒径
を備えた粒子から構成されている場合でも、その粒子群
の粒径分布を、設計上幅が限られている、所定の粒径区
間内でも、効率よく測定することができる。
【0030】請求項5では、請求項4記載の粒径分布測
定装置を、隣り合う粒径区分の境界の粒径が等比級数を
形成するように構成された粒径区分の前記細分化におい
て、細分化された新たな粒径区分の境界の粒径も等比級
数を形成するようにした。この手段では、細分化された
新たな粒径区分の境界の粒径が、当初の粒径区分と同様
の等比級数を形成するようにしたので、その粒径分布の
解析方法を当初と同一のアルゴリズムで行うことができ
るので便利である。
【0031】以上説明した請求項1から5に記載された
本願発明に係る粒径分布測定装置は、粒径区間のシフト
や粒径区分の細分化手順を記憶させた解析部を採用する
ことによって、食品、薬品、セラミックスなどの原料粉
体や燃料、塗料等の液滴群などの粒子群の粒径分布を高
精度に測定できるという技術的意義を有する。
【0032】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る粒径測定装置
の実施形態について、好適な実施例に基づいて、添付図
面を参照して説明する。本発明に係る粒径測定装置で
は、粒径の分布幅は最大でも100倍程度以下の粒子群
の粒径測定を対象にしている。
【0033】工業的に製造される粒状物質は、粒径の制
御が行われているのが普通で、その粒径分布の幅はそれ
ほど大きくないか、あるいは文字通り単分散と言えるほ
どに良く揃っている。これらの粒状物質の粒径分布を高
精度に、高い分解能で測定したいという要請が強い。
【0034】このとき、予め解析部に設定されている当
初粒径区間の上限又は下限を越える粒子の存在を無視し
ないようにして測定精度を高めるとともに、粒径測定装
置の所定箇所に設置された、図示しない受光センサのセ
ンサ数を増やすことなく、粒径測定の分解能を向上させ
て、分布幅の非常に狭い粒子群の測定に対しても精密に
測定できれば大変好適となる。
【0035】この技術的思想に基づいて、具体的に案出
された本願発明の実施形態について説明する。
【0036】まず、第1実施例として、従来技術の説明
で使用した図6と同様の基本構成を備えた粒径測定装置
において、受光センサに配設されるセンサ(素子)の数
と、解析部に予め設定された粒径区分Tの数を予め一致
させておき、その粒径区分Tの集合からなる粒径区間S
を設定する。
【0037】最初の粒径区間(以下「当初粒径区間」と
いう。)S1に基づく解析によって、最大粒径区分Tm
axあるいは最小粒径区分Tminのいずれかにおいて
現出された確率密度(又は頻度)が、0あるいは所定値
以下でない場合(所定値を越えた場合)には、当初粒径
区間S1をシフトさせるようにする。
【0038】具体的には、図1(a)に示すように、最
大粒径区分Tmaxの確率密度が、粒径区分Tの確率密
度が負にならない範囲で、その確率密度に対する予測散
乱エネルギーベクトルと実測散乱エネルギーベクトルと
が最も一致するように各粒径区分Tの確率密度を求めた
ときに、0あるいは所定値以下でない場合(所定値を越
えた場合)には、当初粒径区間S1を大粒径側に1区分
だけシフトし、新粒径区間S2を設定する(図1(b)
参照)。
【0039】この新粒径区間S2に基づいて、この新粒
径区間S2と既設のセンサ(素子)の散乱エネルギーと
の間に成り立つ関係を表す上記式2により、再び粒径分
布を解析し、散乱エネルギーの予測値と実際の測定値と
を比較して、その誤差を評価する。
【0040】この誤差が最も小さくなるまで、即ち、予
測散乱エネルギーベクトルと実測散乱エネルギーベクト
ルとが最も一致するまで、粒径区分Sのシフトを繰り返
すことによって(S1→S2→S3→)、粒子群の実際
の粒径分布(の範囲)に適合した粒径分布測定を行うこ
とができるようにする(図1(a)、(b)、(c)参
照)。
【0041】一方、図2(a)に示すように、最小粒径
区分Tminの確率密度(又は頻度)が、0あるいは所
定値以下でない場合(所定値を越えた場合)には、当初
粒径区間S1を小粒径側に1区分だけシフトし、新粒径
区間S2を設定する(図2(b)参照)。
【0042】この新粒径区間S2に基づいて、この新粒
径区間S2と既設のセンサ(素子)の散乱エネルギーと
の間に成り立つ関係を表す上記式2により、粒径分布を
解析し、散乱エネルギーの予測値と実際の測定値とを比
較して誤差を評価する。
【0043】この誤差が最も小さくなるまで、粒径区分
Sのシフトを繰り返すことによって(S1→S2→S3
→)、粒子群の実際の粒径分布(の範囲)に適合した粒
径分布測定を行う(図2(a)、(b)、(c)参
照)。
【0044】尚、図3、図4は、それぞれ、大粒径側、
小粒径側に粒径区間Sをシフトしたときの上記式3によ
る解析(演算)の概念を、図1、図2に一致させて示し
たものであるので、参照されたい。
【0045】続いて、図5に基づいて、第2実施例につ
いて説明する。受光センサから送られてきた信号を、解
析部で最初に解析した結果、連続する粒径区分Tのうち
少ない数の区分T’(例えば、図3に示すような3区分
k−1、k、k+1)内にしか粒子が存在しないことが
判明した場合、図5に示すように、粒径区分Tを細分化
(例えば、2分割)して、新らしい粒径区分(以下「新
粒径区分」という。)tを再設定する。
【0046】この新粒径区分tと既設のセンサ(素子)
の散乱エネルギーとの間に成り立つ関係を表す上記式2
に基づいて解析し、散乱エネルギーの予測値と実際の測
定値とを比較して、その誤差を評価する。
【0047】この誤差が最小になるまで、この細分化操
作(手順)を繰り返すことによって、少ない数の粒径区
分S’の範囲に分布する粒子群の粒径分布を、より正確
に推定することが可能となる。
【0048】尚、上記式2又は式3の係数kijは、前
もっていくつかの粒径区分の細かさについて計算し、二
次元の配列として解析部のメモリーに保存して、必要に
応じて適当な配列を読み込んで使用する。
【0049】上記第1実施例における粒径区間をシフト
する構成と第2実施例の粒径区分を細分化する構成の両
方を兼ね備える構成を採用することもでき、これを第3
実施例とすることができる。
【0050】ここで、上記粒径分布測定装置において、
隣り合う粒径区分Tの境界の粒径が等比級数を形成する
ように構成すれば、広範囲は粒径を備えた粒子の集合で
ある粒子群の粒径分布を、幅が限られている所定の粒径
区間S内で、効率よく測定することができるので、好適
である。
【0051】また、第2、第3実施例のように、粒径区
分Tを細分化するという解析手段を備えている粒径分布
測定装置では、隣り合う粒径区分Tの境界の粒径が等比
級数を形成するように構成するとともに、その粒径区分
Tの細分化作業においても、細分化された新たな粒径区
分の境界の粒径も等比級数を形成するようにすると便利
である。例えば、当初の粒径区分Tの上限粒径と下限粒
径の幾何平均を新たな粒径区分の境界とすることによっ
て、細分化された新たな粒径区分を連続した等比級数で
区分することができる。
【0052】その理由は、細分化された新たな粒径区分
の境界の粒径が、当初の粒径区分と同様の等比級数を形
成しているので、粒径分布の解析を当初と同一のアルゴ
リズムで行うことができるからである。
【0053】以上説明した、本願発明に係る粒径分布測
定装置は、種々の粒径分布測定装置に適用できる粒径分
布解析手段を備えたもので、例えば、流動層内部に測定
部が配設されたインライン型の粒径分布装置にも適用で
きることは言うまでもない。また、種々の性状を備えた
粒子群の粒径分布に的確に適合した測定が可能となるた
め、高精度かつ汎用性の高い粒径分布測定装置を提供す
ることができる。
【0054】
【発明の効果】本願発明に係る粒径分布測定装置によれ
ば、測定範囲の上限あるいは下限の外側に粒径分布の裾
が広がるような粒子群に対しても、その程度が小さけれ
ば、レンズやセンサを取り替えることなく、より高精度
にその粒径分布を測定できる。
【0055】また、比較的分布幅の狭い粒子群や単分散
の粒子群に対して、レンズやセンサーを取り替えること
無く、粒径測定の分解能を高めることができるので、従
来の方法では実際よりも広い分布として測定されがちな
粒径分布の揃った粒子群や、液晶のスペーサ粒子に代表
される粒径の極めて良く揃った粒子群の分布や粒径を高
精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粒径分布測定装置の解析部に設定
された粒径区間が大粒径側にシフトされていく概念を示
す図 (a)当初粒径区間を示す図 (b)大粒径側に1区分だけ粒径区間がシフトされた状
態を示す図 (c)更に、大粒径側に1区分だけ粒径区間がシフトさ
れた状態を示す図
【図2】本発明に係る粒径分布測定装置の解析部に設定
された粒径区間が小粒径側にシフトされていく概念を示
す図 (a)当初粒径区間を示す図 (b)小粒径側に1区分だけ粒径区間がシフトされた状
態を示す図 (c)更に、小粒径側に1区分だけ粒径区間がシフトさ
れた状態を示す図
【図3】式3に基づいて、本発明に係る粒径分布測定装
置の解析部に設定された粒径区間が大粒径側にシフトさ
れていく概念を示す図
【図4】式3に基づいて、本発明に係る粒径分布測定装
置の解析部に設定された粒径区間が小粒径側にシフトさ
れていく概念を示す図
【図5】本発明に係る粒径分布測定装置の解析部に設定
された粒径区分が細分化される概念を示す図
【図6】従来の粒径分布測定装置の全体的な基本構成を
示す図
【符号の説明】
S 粒径区間 S1 当初粒径区間 S2、S3… (シフトされた)新粒径区間 T 粒径区分 t (細分化された)新粒径区分 Tmax 最大粒径区分 Tmin 最小粒径区分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 15/02 G01N 15/14 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源から出射されて平行光束とさ
    れたレーザ光を測定空間中の粒子群に照射させることに
    より発生した散乱光を、光電変換素子からなるセンサが
    同心円状に複数配列された受光センサで受光し、この散
    乱光の散乱角に対応する光強度分布信号を前記受光セン
    サに接続された信号処理部で処理した後、解析部で粒径
    分布を算定する構成の粒径分布測定装置において、 前記センサ数以下の連続する粒径区分で構成され、最小
    粒径を下限、最大粒径を上限とする当初粒径区間を設定
    し、 前記粒径区分の確率密度が負にならない範囲で、その確
    率密度に対する予測散乱エネルギーベクトルと実測散乱
    エネルギーベクトルとが最も一致するように各粒径区分
    の確率密度を求めたときに、最大粒径区分と最小粒径区
    分のいずれか一方の確率密度が所定値を越えた場合に
    は、 前記予測散乱エネルギーベクトルと実測散乱エネルギー
    ベクトルとが最も一致する粒径区間を、最大粒径区分の
    確率密度が所定値を越える場合にはより大粒径側へ、最
    小粒径区分の確率密度が所定値を越える場合にはより小
    粒径側へ、1粒径区分ずつシフトさせることにより得ら
    れた新粒径区間に基づいて、前記粒子群の粒径分布を得
    る算定手順を前記解析部に予め記憶させたことを特徴と
    する粒径分布測定装置。
  2. 【請求項2】 レーザ光源から出射されて平行光束とさ
    れたレーザ光を測定空間中の粒子群に照射させることに
    より発生した散乱光を、光電変換素子からなるセンサが
    同心円状に複数配列された受光センサで受光し、この散
    乱光の散乱角に対応する光強度分布信号を前記受光セン
    サに接続された信号処理部で処理した後、解析部で粒径
    分布を算定する構成の粒径分布測定装置において、 前記センサ数以下の連続する粒径区分で構成され、最小
    粒径を下限、最大粒径を上限とする当初粒径区間に基づ
    いて実測散乱エネルギーを解析した結果、確率密度が現
    出した正の連続する粒径区分の数が所定数より小さい場
    合には、該粒径区分を含む粒径区間を前記センサ数以下
    の新たな粒径区分に細分化することにより、各センサが
    捉えた散乱エネルギーを各粒径区分の確率密度で表現し
    た計算式で、各粒径区分の確率密度が負にならない範囲
    で理論エネルギーベクトルと実測散乱エネルギーベクト
    ルとが最も一致するように細分化を繰り返して各粒径区
    分の確率密度を求める算定手順を予め解析部に記憶させ
    たことを特徴とする粒径分布測定装置。
  3. 【請求項3】 前記当初粒径区間に基づいて実測散乱エ
    ネルギーを解析した結果、確率密度が現出した正の連続
    する粒径区分の数が所定数より小さい場合には、該粒径
    区分を含む粒径区間を前記センサ数以下の新たな粒径区
    分に細分化することにより、各センサが捉えた散乱エネ
    ルギーを各粒径区分の確率密度で表現した計算式で、各
    粒径区分の確率密度が負にならない範囲で理論エネルギ
    ーベクトルと実測散乱エネルギーベクトルとが最も一致
    するように細分化を繰り返して各粒径区分の確率密度を
    求める算定手順を予め解析部に記憶させたことを特徴と
    する請求項1記載の粒径分布測定装置。
  4. 【請求項4】 隣り合う粒径区分の境界の粒径が等比級
    数を形成するように構成されたことを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載された粒径分布測定装置。
  5. 【請求項5】 隣り合う粒径区分の境界の粒径が等比級
    数を形成するように構成された粒径区分の前記細分化に
    おいて、細分化された新たな粒径区分の境界の粒径も等
    比級数を形成するようにしたことを特徴とする請求項4
    記載の粒径分布測定装置。
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