JP3371713B2 - 有機電解液二次電池 - Google Patents
有機電解液二次電池Info
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
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Description
に関するものである。
液二次電池は、高エネルギ−密度であるメリットを活か
して、主にVTRカメラやノ−トパソコン、携帯電話等
のポ−タブル機器に使用されている。特に近年は負極に
炭素材等の、リチウムを吸蔵、放出可能な材料を用いた
いわゆるリチウムイオン二次電池が普及している。この
電池の内部構造は、通常以下に記述するような捲回式に
される。すなわち、正極、負極共に活物質は金属箔に塗
着される。そして、セパレ−タを挟んで正極、負極が直
接接触しないように捲回され、容器となる円筒形の缶に
収納、電解液注液後、キャップ封口されている。電池組
立時では負極活物質として用いる炭素材は、いわばリチ
ウムが放出しきった状態、即ち放電状態である。従っ
て、通常正極も放電状態の活物質、例えばLiCoO2
(コバルト酸リチウム)やLiNiO2(ニッケル酸リ
チウム)などが用いられる。そして、初充電することに
よって電池として機能させることができる。こうして必
要に応じて充電、放電できるリチウムイオン二次電池と
なる。
電池は、電極反応に関与する物質が化学的に活性な材料
であること、水分の混入により性能劣化する有機電解液
を用いていること等の理由により、電池外界と電池内部
構成物とが完全に隔離された密閉構造をとる。従って、
何らかの原因で電池内圧が上昇した場合には電池が破裂
し、周辺機器に損傷を与えてしまうことがある。さら
に、電池が爆発した場合には、周辺機器の破損のおそれ
がある。特にリチウム二次電池の場合には、過充電時に
その確率が極めて高くなる。通常、リチウム二次電池
は、充電、放電時の電流、電圧を適正に保つための電気
回路で保護されているが、この保護回路が故障した場合
に充電上限電圧の制御が効かず、充電の進行に伴い電池
電圧が上昇し、電解液が電気分解、ガス発生し、電池内
圧が上昇する。この状態がさらに持続すると、内部抵抗
の上昇によるジュ−ル熱と、電解液や電解液の分解生成
物と活物質の化学反応による反応熱で、電池温度が急激
に上昇する。このような状態にある電池は、破裂、爆発
に至る確率が高くなる。
内圧の上昇に応じて作動する電流遮断機構が電池に組み
込まれた密閉型構造とし、過充電で電池内圧が上昇した
場合に充電電流を断ち切り、それ以上の電気量が電池に
流入しないようにしている。しかし、たとえ充電電流が
断ち切られたとしても、上記化学反応が伴った場合には
電池の温度上昇を即座に止めることはできない。そこで
電流遮断装置が作動する圧力を低くすると、40〜60
℃といった暖められた周囲環境温度(ノ−トパソコン内
では頻繁にこのくらいの温度になる。)で、電池を通常
条件(保護回路で守られた条件)で使用している場合に
おいてさえ、電流遮断機構が作動してしまう。従って、
電流遮断機構の作動圧力は、あまり低く設定できない制
約がある。このようにリチウム二次電池は、誤使用、誤
操作、誤動作により、場合によっては破裂、爆発等危険
な壊れ方をするので、電池の安全性を確保することは、
この上ない重要な課題である。
細に分析した結果、電流遮断機構作動時の電池温度に関
わりなく、すなわちそれほど電池内圧が上昇しなくて
も、上記化学反応を伴い、およそ130℃を越えると、
電池が破裂する確率が高くなることがわかった。このよ
うな問題を解決するために、いくつかの改善がなされて
きた。たとえば、特開平4−328278号公報、特開
平4−329269号公報では正極に炭酸リチウムや蓚
酸リチウムを含有させ、電池が過充電状態になったとき
に炭酸リチウムや蓚酸リチウムを電気化学的に分解、炭
酸ガスを発生させ、早い段階で電池内圧上昇、電池内圧
上昇に応じて作動する電流遮断機構を作動させることが
提案されている。とりわけ、特開平4−329268号
公報では、リチウムとコバルトの配合モル比をLi/C
o=1.0より大きくしたリチウムリッチな条件で正極
活物質を合成、あるいは、Li/Co=1.0で合成し
た正極活物質と炭酸リチウムとを混合、熱処理すること
で正極活物質に炭酸リチウム層を含有させている。しか
し、このような方法で合成した正極活物質粒子は通常平
均粒子径が10〜25μmと大きく成長したものとな
る。粒子が大きく成長した正極活物質を用いて電池とし
た場合に、活物質の比表面積が小さいために電流密度が
大きくなり、高率放電特性、低温放電特性が悪くなると
いうデメリットがある。さらに単に炭酸リチウムを正極
に混合しただけでは、大きな電流で過充電状態になった
場合に炭酸リチウムの分解による炭酸ガスの発生、電池
内圧の上昇が電池温度上昇に追随できず、著しい破壊が
発生することがある。これらの問題を補うために、特開
平6−338323号公報や特開平8−102331号
公報では正極に炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ニッ
ケルを添加したり、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸ルビジウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸バリウムを含有させたりしている。しかし、それで
も、本発明の発明者がトレ−ス実験を実施したところ、
その効果は必ずしも十分なものではなっかった。このよ
うな状況を精力的に、詳細に検討した結果、その原因は
前記炭酸塩の平均粒子径にあることが判明した。また、
前記各公報では、炭酸塩が電気化学的に分解、炭酸ガス
を発生させるという記載がなされているが、本発明者の
詳細な分析によると、前記炭酸塩のみが分解するのでは
なく、有機電解液との相互作用によって有機電解液とと
もに分解、ガス発生することが判明した。しかも発生し
たガスは炭酸ガスではなく、主に酸素、炭化水素系のガ
スであることが判明した。従って、前記炭酸塩の平均粒
子径が大きいと、その表面積が小さくなるために電解液
との相互作用を伴った分解反応が十分促進されず、十分
電池内圧を上昇させ、所望のタイミングで電流遮断機構
を作動させることは困難である。
電位で、上記炭酸塩は電気化学的に分解されるが、電池
が大電流で過充電状態になった場合には、電池電圧が急
速に上昇するため、上記炭酸塩の分解電圧を超え、有機
電解液の分解電圧へと、いとも簡単に到達し、破裂、爆
発することが多々あった。また、上記種々金属の炭酸塩
を正極に含ませても、過充電時には電解液の分解を抑制
することはできず、それに伴う電池温度の上昇も抑制す
ることはできない。本発明が解決しようとする課題は、
前述のような過充電時の化学反応による電池温度の上昇
を抑制し、電池の破裂や爆発といった著しい破壊を抑制
することである。
め、本発明は、正極と負極と有機電解液が密閉容器に収
納され、当該密閉容器が、所定圧力よりも高い電池内圧
で開放作動する弁機構を有してなる有機電解液二次電池
において、電池内圧上昇で作動する電流遮断機構を備
え、該電流遮断機構は、前記弁機構が開放作動する電池
内圧より低い電池内圧で作動するものであり、前記正極
が炭酸ストロンチウム(SrCO3)を含有しており、
該炭酸ストロンチウムは、その含有量が正極活物質重量
に対して0.2〜15%であり、その平均粒子径が30
μm以下であることを特徴とする。
により、電池の過充電時においても有機電解液の電気化
学的な分解を抑制することができる。また、万が一上記
過充電が過剰なものとなり、有機電解液及び/又は炭酸
ストロンチウムの電気化学的分解が促進した場合でも有
機電解液二次電池が、電池内圧上昇で作動する電流遮断
機構を備え、前記電流遮断機構は、弁機構が開放作動す
る電池内圧より低い電池内圧で作動する構成を備えるこ
とにより、過剰な電池内圧上昇に対しては電池内のガス
を電池外部へ逃がすことができ、より電池の安全性が高
まる。
に図面を参照しながら説明する。図1は本発明を実施し
た円筒形リチウム二次電池の断面図である。1は正極集
電体で厚さ20μmのアルミニウム箔である。平面サイ
ズは50mm×450mmである。2は正極活物質層
で、リチウムイオンを電極反応種とし、リチウムを放
出、吸蔵可能な正極活物質LiCoO2と導電助剤であ
るグラファイトと、バインダ−であるポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)と、電解液とから構成される。正極活
物質層2の詳細な作製方法を記す。LiCoO2(平均
粒径約1〜2μm)粉末とグラファイト(平均粒径約
0.5μm)粉末とPVDFを重量比で80:10:1
0に十分混合し、そこへ分散溶媒となるN−メチル−2
−ピロリドンを適量加え、十分に混練、分散させ、イン
ク状にする。さらにそこへ炭酸ストロンチウム(キシダ
化学(株)製)を所定量加え、再び混練、分散させる。こ
の混練物をロ−ルtoロ−ルの転写により正極集電体1
の両面に塗着、乾燥し、正極活物質層2を得る。(但
し、この段階では電解液は入っていない。)正極活物質
層2の厚さは正極集電体1の両面各々100μmであ
る。3は負極集電体で厚さ10μmの銅箔ある。平面サ
イズは50mm×490mmである。4は負極活物質層
で、リチウムイオンを電極反応種とし、リチウムを放
出、吸蔵することのできる負極活物質としての無定形炭
素と、バインダ−であるポリフッ化ビニリデン(PVD
F)と、電解液とから構成される。負極活物質層4の詳
細な作製方法を記す。無定形炭素とPVDFを重量比で
90:10となるように混合しそこへ分散溶媒となるN
−メチル−2−ピロリドンを適量加え、十分に混練、分
散させ、インク状にする。この混練物をロ−ルtoロ−
ルの転写により負極集電体3の両面に塗着、乾燥し、負
極活物質層4を得る。(但し、この段階では電解液は入
っていない。)負極活物質層2の厚さは負極集電体3の
両面各々100μmである。5はセパレ−タで、厚さ2
5μmの微多孔性のポリエチレンフィルムである。正
極、負極の間にセパレ−タ5が配置されるように捲回
し、負極缶6に挿入する。そして負極集電体に予め溶接
させておいたタブ端子を負極缶6に溶接する。7は正極
キャップで8は正極タブ端子である。正極タブ端子8は
予め正極集電体1に溶接しておき、正極キャップ7に溶
接する。次に、電解液5mlを負極缶6内に注入する。
電解液は1mol/lのLiPF6が溶解された、炭酸
プロピレンと炭酸ジメチルと炭酸ジエチルの混合溶媒で
あり、その混合比は体積にして30:55:15であ
る。9は絶縁性のガスケットである。正極キャップ7を
負極缶上部に配置し、ガスケット9を介して負極缶上部
をかしめ、電池を密閉する。ここで、正極キャップ7内
には、電池内圧の上昇によって作動する電流遮断機構
(圧力スイッチ)と前記電流遮断機構が作動する電池内
圧よりも高い電池内圧によって開放作動する弁機構が組
み込まれている。前記圧力スイッチとは、具体的には、
電池内圧の上昇によって作動する可動部材により正極集
電端子と、正極外部端子(電池の外観から、正極端子と
表現される部材)との電気的接続を断つ機構からなるも
のである。また、前記弁機構は非復帰型、つまり一旦電
池内圧が過剰に高まり、弁が作動すると元の状態(電池
を密閉する状態)に復帰しないものを使用した。但し復
帰型の弁機構を採用しても構わない。上記「電池内圧に
よって作動する電流遮断機構」には、電池内圧が6〜8
kg/cm2で作動するものを用いた。また、上記「電
流遮断機構が作動する電池内圧よりも高い電池内圧によ
って開放作動する弁機構」の弁には、電池内圧が10〜
15kg/cm2で開放するものを用いた。これらの値
は任意に設定可能である。電池の使用目的等により設計
すればよい。例えば弁について言うと、弁の材質、厚
み、面積等を調整することで容易に設計変更が可能であ
る。
とで、過充電時において、電池電圧上昇を伴った場合、
速やかにガス発生、電池内圧上昇を促進させ、早い段階
で電流遮断機構を作動、電池温度上昇を抑制することが
できる。この作用は、炭酸ストロンチウムの粒子径に依
存しにくい。さらに、急速に電池電圧が上昇し、上記炭
酸塩の分解電圧を超え、有機電解液の分解電圧へと達し
た場合には、詳細なメカニズムはは明らかではないが、
炭酸ストロンチウムが電解液の分解を抑制するため、電
池内での化学反応を抑制する、あるいは、化学反応によ
って生じる電池温度の上昇を緩やかにすることができ
る。よって電池内圧が急激に上昇すること、電池温度が
異常上昇するようなこともない。
(実施例)及び以下に述べる従来例1〜従来例12の電
池を作製し、比較検討した。従来例1は、正極に炭酸ス
トロンチウムを加えないで、その他は全く上記実施例と
同条件で作製した。従来例2は、正極に炭酸リチウム、
従来例3は、蓚酸リチウム、従来例4は炭酸マンガン、
従来例5は炭酸コバルト、従来例6は炭酸ニッケル、従
来例7は炭酸ナトリウム、従来例8は炭酸カリウム、従
来例9は炭酸ルビジウム、従来例10は炭酸カルシウ
ム、従来例11は炭酸マグネシウム、従来例12は炭酸
バリウムを所定量添加したものである。
ストロンチウムやその他の各種炭酸塩、蓚酸塩の添加量
は、正極活物質LiCoO2の重量に対して0.05〜
20%とした。また、各種炭酸塩、蓚酸塩の平均粒径は
1μm〜40μmとした。作製した電池は以下に示す条
件で充電し、放電の後、2.8Aで連続的に充電し続
け、過充電状態にした。そのときの電池の破壊状況を表
1、表2に示す。表中の数値は、上段が電池放電容量
(mAh)、下段が電池を過充電状態にしたときの破裂
あるいは爆発発生率(%)である。また表中の括弧内に
記した物質は正極に含ませた添加材名である。なお、本
過充電テストは周囲温度30℃で実施し、炭酸ストロン
チウムや各種炭酸塩の平均粒径は5μmとした。充電:
4.2V定電圧、上限電流100mA、20h、周囲温
度25℃放電:100mA定電流、終止電圧2.8V、
周囲温度25℃
酸ストロンチウムを添加したことにより、過充電に陥っ
た場合の破裂、爆発といった電池の著しい破壊が抑制さ
れる。炭酸ストロンチウムが重量で正極活物質に対して
0.2重量%以上になるとさらに顕著な効果が得られ
る。一方、炭酸ストロンチウムの添加量が15重量%を
越えると、放電容量が急激に低下する。この理由は、添
加物の電子伝導度が低いために電池の内部抵抗が大きく
なったことによると思われる。
ストロンチウムの平均粒径を、5、10、15、20、
25、30、35、40μmとし、添加量を5%とした
ときの、電池の破裂、爆発の発生率(%)を示したもの
である。
裂、爆発の発生率が0%となり、好ましいものである。
平均粒径が30μmを越えると効果がいくぶん小さくな
るのは、炭酸ストロンチウムの表面積が小さくなり、電
池電圧上昇に対する感度が鈍くなり、ガス発生速度が遅
くなるためと思われる。
電池が破裂、爆発に至っていたが、従来例2〜12では
確率が低下している。しかし、炭酸ストロンチウムを添
加した実施例の電池のように、ほぼ完全に電池の破裂、
爆発を回避したわけではない。その理由を検討するため
に、満充電状態にある各電池の電極を正極、負極ともに
一部を取り出し、正極を作用極、負極を対極として高電
圧側に走査した。走査速度は0.1mV/sec、試験
温度は30℃条件は次のとおりである。試験に供するた
めに切り出した電極の寸法は、正極が20mm×20m
m、負極が21mm×21mmである。切り出した正極
と負極はセパレ−タをはさんで対向させた2極式セル
で、同電解液中で電圧走査した。尚、ここでは参照電極
は採用していない。その理由は、電圧走査中の対極(負
極)電位が殆ど変化しないためである。従って負極に金
属リチウム、リチウム合金を用いたり、無定形炭素以外
の、リチウムを吸蔵、放出することのできる負極材料、
例えば黒鉛のような結晶性の高い炭素材料等を用いても
図2に示す結果と同様の結果が得られると考えられる。
は正極に炭酸ストロンチウムを添加した実施例の電池の
電極を用いて電圧走査した結果、図3は、正極には何も
添加しない従来例1の電池の電極を用いて電圧走査した
結果、図4は正極に炭酸リチウムを添加した従来例2の
電池の電極を用いて電圧走査した結果、図5は正極に蓚
酸リチウムを添加した従来例3の電池の電極を用いて電
圧走査した結果、図6は正極に炭酸マンガンを添加した
従来例4の電池の電極を用いて電圧走査した結果、図7
は正極に炭酸カリウムを添加した従来例8の電池の電極
を用いて電圧走査した結果、図8は正極に炭酸マグネシ
ウムを添加した従来例11の電池の電極を用いて電圧走
査した結果をそれぞれ示す。図2〜図8において4.6
V付近に観測される電流ピークは、電解液や添加剤の電
気化学的分解に起因するピークではなく、正極の酸化ピ
ークである。図3の、正極には何も添加しない従来例1
の電池の電極を用いて電圧走査した結果では、約5.1
Vから電解液の分解に相当する電流値の上昇が観測され
る。これは電池が過充電状態となり、約5.1V以上と
なると、電池が破裂、爆発に至る確率がかなり高くなる
という試験結果と一致している。図4の正極に炭酸リチ
ウムを添加した従来例2の電池の電極を用いて電圧走査
した結果では、電解液の分解に相当する電流が流れる電
圧よりも低い、約5Vで炭酸リチウムと電解液との分解
反応に相当する電流ピ−クが観測され、特開平4−32
8278号公報の記述内容と一致している。しかし、
5.5V付近から急激に電解液の分解に起因する電流値
の上昇が観測され、図2のような、正極に炭酸ストロン
チウムを含有させた際の電解液分解抑制効果はみられな
かった。ところが図5〜図8に示されているように、そ
の他各種炭酸塩や蓚酸リチウムを添加した従来例3、従
来例4、従来例8、従来例11の電池の電極を用いて電
圧走査した結果では、電解液の分解に相当する電流が流
れる電圧よりも低い電圧で、添加物と電解液との分解反
応に相当する電流は観測されない。従って添加物の効果
は殆どないといえる。
査した結果(図3〜図8)では、いずれも5.1Vを超
えると電解液の分解反応に相当する電流値の上昇が観測
される。従って、図3〜図8は、比較的大きな電流で電
池が急激に過充電状態に陥った場合に、破裂、爆発を抑
制できないことを示唆している。
ウムを添加した、本発明の電池の電極を用いて電圧走査
した結果では、約5.1Vで炭酸ストロンチウムと電解
液との分解反応に相当する電流ピ−クが観測され、それ
よりも高い電圧では、電解液の分解反応に相当する電流
が殆ど観測されない。従って、正極に炭酸ストロンチウ
ムを添加した電池は、比較的大きな電流で電池が急激に
過充電状態に陥った場合に、破裂、爆発を抑制できるこ
とがわかる。
用いたが、その他の正極活物質、例えばLiNiO2、
LiMnO2、等を用いても本実施例と同様の効果が得
られる。
裂、爆発といった有機電解液二次電池の著しい破壊を有
効に回避することができた。とりわけ比較的大きな電流
で電池が急激に過充電状態に陥った場合にも、破裂、爆
発を抑制できた。また本発明の電池が急激に過充電状態
に陥り、電解液の分解電圧に突入した場合には、炭酸ス
トロンチウムの電解液の分解を抑制する効果を発揮す
る。つまり炭酸ストロンチウムには、電解液の分解電
圧よりも低い電圧でガス発生する機能と、電池がたと
え電解液の分解電圧に突入しても、電解液の分解を抑制
する機能、という2つの機能がある。電池内圧上昇によ
って作動する電流遮断機構を備えた場合には、前記の
機能を利用して、さらに次のことが可能である。本発明
の電池が過充電状態となると、電解液が分解する電圧よ
りも低い電圧で炭酸ストロンチウムと電解液との相互作
用でガス発生し、電池内圧上昇によって作動する電流遮
断機構を速やかに作動させ、過充電電流を断ち切り、電
池温度の上昇を抑制し、電池の破裂、爆発を回避する。
従って、本発明による電池の安全性を確保する効果は、
これまでに提案されている添加物の効果を遥かに上回る
ほど大きい。
である。
電池の電極を用いて電圧走査した結果を示したものであ
る。
を用いて電圧走査した結果を示したものである。
の電極を用いて電圧走査した結果をを示したものであ
る。
の電極を用いて電圧走査した結果を示したものである。
の電極を用いて電圧走査した結果を示したものである。
の電極を用いて電圧走査した結果を示したものである。
の電池の電極を用いて電圧走査した結果を示したもので
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】正極と負極と有機電解液が密閉容器に収納
され、当該密閉容器が、所定圧力よりも高い電池内圧で
開放作動する弁機構を有してなる有機電解液二次電池に
おいて、電池内圧上昇で作動する電流遮断機構を備え、
該電流遮断機構は、前記弁機構が開放作動する電池内圧
より低い電池内圧で作動するものであり、前記正極が炭
酸ストロンチウムを含有しており、該炭酸ストロンチウ
ムは、その含有量が正極活物質重量に対して0.2〜1
5%であり、その平均粒子径が30μm以下であること
を特徴とする有機電解液二次電池。 - 【請求項2】正極が充電、放電に伴い、リチウムを放
出、吸蔵することのできる材料であり、負極がリチウム
金属、リチウム合金、リチウムを吸蔵、放出することの
できる材料の中から選ばれる請求項1に記載の有機電解
液二次電池。 - 【請求項3】正極が充電、放電に伴い、リチウムを放
出、吸蔵することのできる材料であり、負極がリチウム
を吸蔵、放出することのできる炭素材である請求項1又
は2に記載の有機電解液二次電池。
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