JP3010973B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JP3010973B2
JP3010973B2 JP5126892A JP12689293A JP3010973B2 JP 3010973 B2 JP3010973 B2 JP 3010973B2 JP 5126892 A JP5126892 A JP 5126892A JP 12689293 A JP12689293 A JP 12689293A JP 3010973 B2 JP3010973 B2 JP 3010973B2
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electrolyte secondary
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム複合コバルト
酸化物を正極活物質とする非水電解液二次電池に関する
ものであり、特にその電池特性改善に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、民生用電子機器のポータブル化、
コードレス化が急激に進んでいる。現在、これら電子機
器の駆動用電源としての役割を、ニッケル−カドミウム
電池或いは密閉形小型鉛蓄電池が担っているが、ポータ
ブル化、コードレス化が進展し、定着するに従い、駆動
用電源となる二次電池の高エネルギー密度化、小型軽量
化の要望が強くなっている。また、近年は小型のカムコ
ーダの急速な市場の拡大に代表されるように、高率充放
電が可能な電池が要望されている。
【0003】このような状況から、特開昭63−595
07号公報等において高い充放電電圧を示すリチウム複
合コバルト酸化物、例えばLiCoO2 を正極活物質に
用い、リチウムイオンの挿入、離脱を利用した密閉形の
非水電解液二次電池が提案されている。
【0004】ところが、このようなリチウム二次電池
は、これが短絡、過充電、逆充電等で誤使用された場合
に電池内にガスが発生し、内圧が上昇して破裂、爆発
し、その機能を失ったり、周辺機器に損傷を与える事が
あった。そこで特開昭54−137734号公報や実公
昭59−15398号公報等において、電池内圧の上昇
に伴い、ケースや封口部よりも先に破壊してガスを電池
系外に排出する圧力破断形の薄板弁体(ダイアフラム)
を用いた防爆安全装置が提案されている。
【0005】しかし、このような防爆機能が作動しても
過充電や、逆充電状態は継続される。特に過充電状態が
継続された場合、電解液の分解や活物質の分解によりガ
ス内圧が高まり、このような防爆安全装置を有する電池
においてもガスの排出が追従せず、急激に温度上昇した
り、強い爆発を招く恐れがあった。
【0006】このような、過充電状態における電池の爆
発を未然に防止するため、その改良案として特開平2−
112151号公報、特開平2−288063号公報で
は、電池内圧の上昇に伴いリードと防爆弁を剥離もしく
は切断して電流を遮断する防爆安全装置が提案されてい
る。この防爆安全装置は、図7(A)および(B)に示
したように内圧の上昇に伴い外方向に変形を生じる防爆
弁21に、リード遮断用ストリッパー22を接触して取
り付け、所定の電池内圧に達したときリード板23が防
爆弁31より剥離するか、リード板23自体が破断する
ようにして、電流を遮断し、爆発を防止するものであ
る。
【0007】尚、図中24は端子板、25は絶縁パッキ
ング、26は絶縁板、27は極板群、28は電池ケース
を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に金属集
電体の表面に炭素質材料の層を形成した負極板もしく
は、リチウム、リチウム合金からなる負極板と、金属集
電体の両面にリチウム複合コバルト酸化物(Lix Co
2 :0.05≦x≦1.10)の粉末を主たる正極活
物質とした正極活物質層を形成した正極板とを用い、圧
力破断形の防爆安全装置を用いた電池を構成し、過充電
試験を行ったところ、防爆安全装置が作動する前に電池
温度が急激に上昇し、破裂、爆発に至る事が明らかとな
った。
【0009】このような現象について本発明者等が検討
を行った結果、以下の事が原因である事が明らかとなっ
た。
【0010】電池が過充電状態になる事によって電解液
が分解され、液渇れを起こす。また正極活物質中のリチ
ウムの大半(60%以上)が負極側に移動する事により
リチウム複合コバルト酸化物の層構造が破壊され、極板
抵抗が上昇する。このような現象によって電池の内部抵
抗が上昇し過充電電流のジュール熱により電池自体が発
熱する。過充電状態の電池がある温度以上に加熱される
と活物質自身が分解し急激な発熱反応を生じる事により
電池が破裂、爆発を起こすものである事がわかった。
【0011】このような問題を解決するために、例えば
特開平4−328278号公報或いは特開平4−329
269号公報では、正極活物質であるリチウム複合コバ
ルト酸化物中に炭酸リチウムやシュウ酸リチウムを正極
中に含有させる方法が提案されている。
【0012】これは炭酸リチウムやシュウ酸リチウムは
電池が過充電状態になった際に電気化学的に分解し、炭
酸ガスを排出する。これによって電池が過充電状態にな
った場合に電池温度が上昇する前に内圧が上昇し、確実
に防爆安全装置を作動させようとするものである。
【0013】また、特開平4−329268号公報では
活物質合成時にリチウムとコバルトのモル比をCo/L
i比で1以下のリチウムがリッチな条件で合成するか、
若しくは前記モル比を1対1で合成したものに炭酸リチ
ウムを混合し熱処理する事によってリチウム複合コバル
ト酸化物表面に炭酸リチウムで覆われた部分をもたせる
事によって高電流での過充電に対する安全性の確保を図
っている。
【0014】しかし、特開平4−329268号公報に
も述べられているように、単に炭酸リチウムを混合した
だけでは高電流での過充電をおこなった際に、ガス発生
による内圧上昇が温度上昇に追従できず破裂、爆発に至
る場合があった。
【0015】また、Co/Li比を1以下の条件で合成
したり、炭酸リチウムを添加した後に熱処理を加えたリ
チウム複合コバルト酸化物は焼結が著しく進行し、一次
粒子が非常に大きくなる傾向がある。
【0016】このように一次粒子が大きく成長したリチ
ウム複合コバルト酸化物を用いて電池を作成した場合、
粒子の比表面積が著しく小さくなるため高電流での充放
電時に分極が大きくなり、電池の放電容量が小さくなる
問題があった。
【0017】更に、正極板は、生産性、特性を考慮して
活物質であるLiCoO2 の粉末に、アセチレンブラッ
ク等の導伝剤、フッ素樹脂系結着剤を混合し、カルボキ
シメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状に
し、このペーストをアルミ箔の両面にそれぞれ塗着する
事によって作成される事が多いが、このようにCo/L
i比が1以下の条件で合成したリチウム複合コバルト酸
化物は、ペーストがアルカリ性になるため集電体である
アルミニウム表面を腐食し、極板の抵抗が大きくなる。
このように、極板抵抗の大きな極板を用いて電池を構成
した場合、電池の内部抵抗が大きくなり、放電容量が小
さくなる問題があった。
【0018】この腐食の問題を避けるためには非水溶媒
でペーストを作製する必要があるが、作業安全性を含め
ると生産工程および設備とその保全が複雑となる。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、これら従来技
術の問題を解決するために、負極板と、金属集電体の両
面にリチウム複合コバルト酸化物(Lix CoO2
0.05≦x≦1.10)の粉末を主たる正極活物質と
した正極活物質層を形成した正極板と、非水電解液と、
電池内圧の上昇に応じて電流遮断機能を備えた防爆封口
板とを備えた非水電解液二次電池において、前記正極活
物質であるリチウム複合コバルト酸化物にMCO3 (M
はMn、Co、Niの何れか1種)を添加するものであ
る。
【0020】その添加量は確実に防爆安全装置を作動さ
せるため0.5重量%以上である事が望ましく、また電
池の放電容量を確保する意味から5重量%以下である事
が望ましい。
【0021】また、MnCO3 もしくはNiCO3 を添
加した正極板は水分除去のため150℃以上で乾燥する
事が望ましく、炭酸塩を熱分解させないため250℃以
下の温度で乾燥する事が望ましい。このことから150
〜250℃の温度範囲で乾燥処理し、電池を構成する事
が望ましく、最も効果が大きい。
【0022】また、CoCO3 は約190℃程度で熱分
解するため、CoCO3 を添加した正極板は150〜1
80℃の温度範囲で乾燥処理する事が望ましく、この様
な条件で電池を構成した場合、最も効果的である。
【0023】
【作用】電池内圧の上昇に応じて電流を遮断する防爆封
口板を備えた非水電解液二次電池において、正極活物質
であるリチウム複合コバルト酸化物(Lix CoO2
0.05≦x≦1.10)にMCO3 (MはMn、C
o、Niの何れか1種)を添加すると、電池が過充電状
態になった場合において、正極中のリチウムが完全にデ
インターカレーションする前にMCO3 (MはMn、C
o、Niの何れか1種)の分解反応が優先的に進行する
ため、正極板の抵抗の上昇を抑制する事が可能であり、
その結果、電池の温度上昇を抑制できる。
【0024】更に、MCO3 (MはMn、Co、Niの
何れか1種)が分解することによって炭酸ガスを放出す
るため電池の内圧が電池温度の上昇よりも早期に上昇
し、確実に防爆安全装置を作動させる事が可能となる。
【0025】また、MCO3 (MはMn、Co、Niの
何れか1種)の分解反応速度は、炭酸リチウムよりも著
しく大きいため、単に正極活物質中に混合するだけで高
電流での過充電でも十分に作用する事が可能である。
【0026】更に、混合するだけで十分な効果が得られ
るため、製造工程上も非常に容易であり、Co/Li比
をリチウム過剰の条件で合成する必要がないため、比表
面積の大きいリチウム複合コバルト酸化物を活物質とし
て使用する事が可能であり、高電流での充放電において
も電池の分極が小さく高容量を維持できる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面とともに説明す
る。
【0028】(実施例1)図1に本実施例1で用いた円
筒型電池の縦断面図を示す。図1において1は耐有機電
解液性のニッケルメッキ鋼板を加工した電池ケース、2
は絶縁パッキングを示す。極板群3は、正極板4及び負
極板5がセパレータ6を介して複数回渦巻状に巻回され
てケース1内に収納されている。そして上記正極板4か
らは正極リード7が引き出されて後述の防爆封口板10
の金属製内蓋14に接続され、負極板5からは負極リー
ド8が引き出されて電池ケース1の底部に接続されてい
る。9は絶縁板で極板群3の上下部にそれぞれ設けられ
ている。電解液注液後に防爆封口板10は電池ケース1
の環状段部1aの上に設置され、電池ケース1上端をか
しめて取り付けられ電池を密閉している。
【0029】図2及び図3は、本発明の実施例に用いた
電流遮断機能を備えた防爆封口板10を示す図である。
この封口板10は、可撓性の金属製防爆弁11、絶縁リ
ング12、中央に突起部13aを設けた金属製有孔端子
板13、金属製内蓋14、及び端子板15より構成さ
れ、金属製防爆弁11は、絶縁リング12を介して金属
製有孔端子板13の突起部13aの上面に溶着により溶
着部Sが形成され電気的に接続されている。なお、金属
製防爆弁11と金属製有孔端子板13の突起部13aと
の溶着は、超音波溶着若しくは、抵抗溶接、レーザー溶
接等により接続することが適切である。
【0030】また、金属製有孔端子板13及び、金属製
内蓋14には、通気孔13b、14bが設けられてお
り、電池内圧が金属製防爆弁11に十分加えられるよう
構成されている。
【0031】次に、防爆封口板10が、電池内圧の上昇
に応じて電流を遮断する動作について、図3(A)及び
(B)を参照して説明する。
【0032】短絡、過充電若しくは、逆充電等により電
池内圧が上昇した場合、この電池内圧が金属製内蓋1
4、金属製有孔端子板13に設けられた通気孔14b、
13bを通して金属製防爆弁11に伝えられる。金属製
防爆弁11はその外周部が電池ケース1によりかしめら
れ固定されているため、電池内圧が所定の値に達する
と、図3(B)に示すように中心部が上方へ持ち上げら
れ、この応力によって前記溶着部Sが剥離され金属製有
孔端子板13との接続が解かれて電流が遮断される。
【0033】負極板5は、コークスを加熱処理した炭素
粉100重量部に、フッ素樹脂系結着剤10重量部を混
合し、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させて
ペースト状にし、このペーストを銅箔の表面に塗着し、
乾燥後圧延し、負極板とした。
【0034】以下、正極活物質の合成および正極板の作
成について詳しく説明する。正極活物質であるリチウム
複合コバルト酸化物は、炭酸コバルトと炭酸リチウムを
Co/Li比が1対1になるように混合し、空気雰囲気
下、900℃で5時間焼成する事によって合成した。
【0035】なお、リチウム複合コバルト酸化物中に残
留する炭酸リチウムは、定量を行った結果ほとんど検出
されなかった。
【0036】正極板4は、まず正極活物質であるLiC
oO2 の粉末100重量部に、アセチレンブラック3重
量部、グラファイト粉末4重量部、フッ素樹脂系結着剤
7重量部を混合した物に、炭酸マンガン2重量部を更に
混合し、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させ
てペースト状にする。このペーストをアルミ箔の両面に
塗着し、圧延後250℃で乾燥して正極板としている。
【0037】このようにして作成した正極板を用いて作
成した電池を電池Aとした。そして正、負極板4、5そ
れぞれに各リード板7、8を取り付け、セパレータ6を
介して渦巻き状に巻回し、直径13.8mm、高さ50
mmの電池ケース1内に収納した。
【0038】電解液には炭酸エチレンと炭酸ジエチルの
等容積混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム1モル/リ
ットルの割合で溶解したものを用いて極板群3に注入し
た後、電池を密封口し、試験電池とした。
【0039】(実施例2)添加剤として炭酸コバルトを
2重量部を混合し、乾燥時の温度を175℃とする他は
全て実施例1と同様に電池を作成し、電池Bとした。
【0040】(実施例3)添加剤として炭酸ニッケルを
2重量部を混合し、乾燥時の温度を250℃とする他は
全て実施例1と同様に電池を作成し、電池Cとした。
【0041】(比較例1)まず、炭酸コバルトと炭酸リ
チウムをCo/Li比が1対1になるように混合し、空
気雰囲気下、900℃で5時間焼成する事によって合成
したリチウム複合コバルト酸化物100重量部に、アセ
チレンブラック3重量部、グラファイト粉末4重量部、
フッ素樹脂系結着剤7重量部を混合した物を、カルボキ
シメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にす
る。このペーストをアルミ箔の両面に塗着し、圧延後2
50℃で乾燥して正極板とした。
【0042】このようにして作成した正極板を用いる他
は全て実施例1と同様に電池を作成し、電池Dとした。
【0043】(比較例2)添加剤として炭酸リチウム2
重量部を混合し、乾燥時の温度を250℃とする他は全
て実施例1と同様に電池を作成し、電池Eとした。
【0044】(比較例3)まず、炭酸コバルトと炭酸リ
チウムをCo/Li比が0.9になるように混合し、空
気雰囲気下、900℃で5時間焼成する事によって合成
したリチウム複合コバルト酸化物100重量部に、アセ
チレンブラック3重量部、グラファイト粉末4重量部、
フッ素樹脂系結着剤7重量部を混合した物を、カルボキ
シメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にす
る。このペーストをアルミ箔の両面に塗着し、圧延後2
50℃で乾燥して正極板とした。
【0045】このようにして作成した正極板を用いる他
は全て実施例1と同様に電池を作成し、電池Fとした。
【0046】このようにして作成した前記各電池につい
て1A及び5A(それぞれ2、10C相当)の電流で過
充電試験を行い、電池側面の温度及び電池の内圧の測定
を行った。
【0047】1A(2C相当)で過充電試験を行ったと
きの電池内圧、電池温度と過充電時間との関係を図4に
示した。
【0048】過充電時間の結果からみると過充電状態の
電池は約120℃付近から活物質の分解、ガス発生を伴
う急激な発熱反応を起こす事から、電池温度は100℃
以下に抑制する事が望ましい。
【0049】また、通常防爆安全装置は、電池が搭載さ
れる機器の使用温度範囲(通常20〜85℃)において
は作動してはならないため、5気圧以上(通常10気圧
程度)に設定される。
【0050】図4から明らかなように、添加剤を加えな
い比較例1の電池Dでは内圧の上昇とほぼ同時に温度が
上昇する事から、防爆安全装置が作動する時点での電池
温度は100℃付近に達しており、実際に破裂、爆発に
至る例がみられた。
【0051】これに対し、本実施例及び比較例2、3に
おける正極中に炭酸塩MCO3 (MはMn、Co、Ni
の何れか1種)が存在する電池(A〜C、E、F)では
電池温度が上昇する前に電池内圧が上昇するため、防爆
安全装置が確実に作動し、破裂、爆発を回避する事がで
きた。
【0052】図5に5A(10C相当)で過充電試験を
行った場合の電池内圧と温度挙動を示した。
【0053】図5(A)に示したように、本実施例にお
ける電池A〜Cおよび比較例3における電池Fでは10
時間率の高電流での過充電においても添加剤の分解反応
は十分に追従しており、電池温度が上昇する前に電池内
圧が上昇し防爆安全装置が確実に作動した。
【0054】比較例1の添加剤を加えない電池Dの場合
は、図5(B)に示したように内圧の上昇とほぼ同時に
温度が上昇する事から、防爆安全装置が作動する時点で
の電池温度は100℃付近に達しており、実際に破裂、
爆発に至る例がみられた。
【0055】また、比較例2における炭酸リチウムを添
加した電池Eでは図5(C)図に示したように電池内圧
は早期に上昇を始めるものの、電流値が大きいために分
解反応が追従せず、防爆安全装置が作動する時点での電
池温度は100℃付近に達しており、実際に破裂、爆発
に至る例がみられた。
【0056】本発明の実施例および比較例の電池を各5
0個作成し、過充電試験を行い、破裂、爆発に至った個
数を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1から明らかなように、本発明の実施例
では確実に防爆安全装置が作動することが確認された。
【0059】また、放電電流500mA、1A(それぞ
れ1、2C相当)で高率放電試験を行い、高率放電率
(各放電電流での放電容量/100mAでの放電容量×
100(%))を求めた。尚、放電終止電圧は3Vであ
る。
【0060】高率放電試験の結果を図6に示した。本発
明の実施例の電池(A〜C)および添加剤を加えない比
較例1の電池Dでは0.5時間率(2C)の高率放電電
流においても高率放電率は90%以上が確保される。
【0061】これに対し、炭酸リチウムを添加した比較
例2の電池Eでは、0.5時間率(2C)での高率放電
率が77%と低下した。これは、炭酸リチウムが極板作
成時に集電体であるアルミ表面を腐食し、極板の抵抗が
大きくなった事が原因と考えられる。
【0062】また、Co/Li比を0.9として合成し
たリチウム複合コバルト酸化物を正極活物質として用い
た比較例3の電池Fでは、高率放電特性が更に低下し、
0.5時間率(2C)での放電では高率放電率は62%
であった。
【0063】このように高率放電特性が著しく低下した
のは、リチウム複合コバルト酸化物の一次粒子の形状が
非常に大きくなったために、比表面積が減少し、粒子内
部のリチウムの拡散が高電流に追従できなかったためと
考えられる。
【0064】以上、説明したように、本発明実施例の正
極中にMCO3 (MはMn、Co、Niの何れか1種)
が含有されている電池を用いれば、高電流での過充電に
対しても確実に防爆安全装置が作動し、且つ、通常に使
用する場合においても、高率放電特性の優れた電池を提
供する事が可能である。
【0065】また、正極板の乾燥温度を本発明の温度範
囲以上(MnCO3 、NiCO3 は250℃以上、Co
CO3 では180℃以上)の温度で行った場合、炭素塩
が分解し、添加剤が酸化物に変化するため、効果は低下
する。
【0066】更に、正極板の乾燥温度を本発明の温度範
囲未満にした場合、十分に水分が除去されないため、通
常の充放電時に分解し、ガス発生等による電池の漏液の
原因になる等悪影響があるため好ましくない。
【0067】また、本発明の添加剤の添加量が0.5重
量%未満の場合、過充電時に十分なガス量が得られない
ため破裂、爆発に至る例があり望ましくない。
【0068】更に、添加量が5重量%を越える場合で
は、過充電時、高率充放電時においても電池特性に何等
悪影響は与えないが、活物質重量が減少するため、電池
の放電容量が小さくなり好ましくない。
【0069】なお、正極活物質合成時にこれらの炭酸塩
(炭酸マンガン、炭酸ニッケル)を添加した場合、これ
らの金属原子がリチウム複合コバルト酸化物のコバルト
原子と置換する形で取り込まれ、炭酸塩は反応系外へ排
出されてしまうため、同様の効果は得られない。
【0070】また、本実施例では、コバルト源として炭
酸コバルトを使用したが、四三酸化コバルト、一酸化コ
バルト、硝酸コバルト、水酸化コバルト等のコバルト
塩、若しくはこれらコバルト塩の混合物を使用した場合
でも、同様の効果が得られた。
【0071】上記実施例においては円筒型の電池を用い
て評価を行ったが、角型等電池形状が異なっても同様の
効果が得られた。
【0072】また、上記実施例において負極には炭素材
料を用いたが、リチウム金属や、リチウム合金を負極と
して用いても同様の効果が得られる。
【0073】また、上記実施例において電解質として六
フッ化リン酸リチウムを使用したが、他のリチウム含有
塩、例えば過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、六フッ化
ヒ酸リチウム等でも同様の効果が得られる。
【0074】更に、上記実施例では炭酸エチレンと炭酸
ジエチルの混合溶媒を用いたが、他の非水溶媒例えば、
プロピレンカーボネート等の環状エステル、テトラヒド
ロフラン等の環状エーテル、ジメトキシエタン等の鎖状
エーテル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル等の非
水溶媒や、これらの多元系混合溶媒を用いても同様の効
果が得られた。
【0075】
【発明の効果】本発明による、電池内圧の上昇に応じて
電流を遮断する防爆封口板を備えた非水電解液二次電池
において、正極活物質層中にMCO3 (MはMn、C
o、Niの何れか1種)を添加剤として加えた電池は、
高率充放電特性に優れ、且つ、高電流での過充電時にお
いても確実に内圧が上昇するため、電池温度が上昇する
前に防爆安全装置が確実に作動する安全な非水電解液二
次電池を提供することが出来る。
【0076】更に、添加剤の量を0.5〜5重量%とす
る事で安全性を確保しつつ、電池容量の大きい電池を提
供する事が出来る。
【0077】また、正極の乾燥温度を炭酸マンガンおよ
び炭酸ニッケルについては150〜250℃、炭酸マン
ガンの場合には150〜180℃で乾燥する事によっ
て、安全性を確保しつつ、電池の信頼性の確保された電
池を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による非水電解液二次電池の
断面図
【図2】上記実施例の防爆封口板の断面図
【図3】上記実施例の防爆封口板の作動状態を説明する
ための断面図
【図4】本発明の実施例及び比較例における1Aでの過
充電時の電池内圧および温度の関係を示す図
【図5】本発明の実施例及び比較例における5Aでの過
充電時の電池内圧および温度の関係を示す図
【図6】本発明の実施例及び比較例における高率放電特
性を示す図
【図7】従来の防爆安全装置の一例を示す断面図
【符号の説明】
1 電池ケース 1a 環状段部 2 絶縁パッキング 3 極板群 4 正極板 5 負極板 6 セパレータ 7 正極リード 8 負極リード 9 絶縁板 10 防爆封口板10 11 金属製防爆弁11 12 絶縁リング 13 金属製有孔端子板 13a 突起部 13b 通気孔 14 金属製内蓋 14b 通気孔 15 端子板 S 溶着部
フロントページの続き (72)発明者 鶴田 邦夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 善一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−329269(JP,A) 特開 平4−328278(JP,A) 特開 平5−242913(JP,A) 特開 平6−243870(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/12 101 H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/58 H01M 10/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極板と、金属集電体の両面にリチウム
    複合コバルト酸化物(Lix CoO2 :0.05≦x≦
    1.10)の粉末を主たる正極活物質とした正極活物質
    層を形成した正極板と、非水電解液と、電池内圧の上昇
    に応じて電流遮断機能を備えた防爆封口板とを備えた非
    水電解液二次電池において、前記正極活物質層中にMC
    3 (MはMn、Co、Niの何れか1種)が含有され
    ている事を特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 前記MnCO3 を含有する正極板は、1
    50〜250℃の温度範囲で乾燥処理された物である事
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 前記CoCO3 を含有する正極板は、1
    50〜180℃の温度範囲で乾燥処理された物である事
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 前記NiCO3 を含有する正極板は、1
    50〜250℃の温度範囲で乾燥処理された物である事
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電池。
  5. 【請求項5】 前記MCO3 (MはMn、Co、Niの
    何れか1種)の含有量が0.5〜5重量%である事を特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の非水電解液二
    次電池。
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