JP3369273B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents

車両用乗員保護装置

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泰男 斉藤
聡 吉田
治可 林
淳 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、例えば車両の乗員を
衝突事故から保護するエアバッグの車両用乗員保護装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の車両用乗員保護装置として考え
られるものを図2に示す車両用乗員保護装置を例にとつ
て説明する。図2において、1は車載バッテリ、2は前
記バッテリ1の出力電圧を昇圧して出力するDC・DC
コンバータで、その入力端子は第1逆流防止用ダイオー
ド3を介してバッテリ1に接続されている。4は第2逆
流防止用ダイオードで、アノードが前記バッテリ1に接
続され、カソードは前記DC・DCコンバータ2の出力
端子に接続されている。5はバックアップコンデンサ
で、抵抗6を介して前記DC・DCコンバータ2の出力
端子に接続されている。 【0003】7は放電用ダイオードで、そのカソードは
DC・DCコンバータ2の出力端子に接続されると共
に、スイッチ回路8に接続されている。このスイッチ回
路8の出力は、雷管9、加速度スイッチ10を直列に介
して接地されている。また前記スイッチ回路8は、後述
のマイクロコンピュータ11からの制御信号をスイッチ
ングトランジスタのベース端子に入力してオン、オフ制
御する。 【0004】11は衝突判断機能と回路診断機能とを有
するマイクロコンピュータで、衝突判断機能として入力
端子Aに供給される加速度信号(図示されない加速度セ
ンサからの出力)を入力して、衝突の大きさを判断し乗
員に重大な障害をもたらすと判断した場合にはスイッチ
回路8のスイッチングトランジスタを所定時間の間、オ
ンさせるための制御信号を出力する。また、前記マイク
ロコンピュータ11の回路診断機能としては、前記雷管
9、後述の電源切り換え回路13等の故障診断をイグニ
ッションスイッチ30のオン時に行うもので、異常を発
見した場合にはその内容をメモリ14に記憶せしめる。 【0005】13は電源切り換え回路で、前記バックア
ップコンデンサ5とマイクロコンピュータ11の電源ラ
インとの間に介挿されて、前記マイクロコンピュータ1
1が回路系電源15(この電源電圧はDC・DCコンバ
ータ2の出力電圧よりも小さく設定されている)から給
電されなくなった場合、例えば衝突時にバッテリ1の端
子間が短絡、または断線してしまった場合には、スイッ
チングトランジスタ17bがオフして、次段のスイッチ
ングトランジスタ17Cがオンすることによりスイッチ
ングトランジスタ13aをオンせしめて前記バックアッ
プコンデンサ5から給電させるもので、その出力は前記
マイクロコンピュータ11の電源ラインに供給される。 【0006】15は回路系電源で、前記バッテリ1から
イグニッションスイッチ30、逆流防止用ダイオード1
を介して、給電されて、その電圧よりも低い所定の電
圧、例えば5ボルトを前記マイクロコンピュータ11、
駆動制御回路17に給電している。 【0007】16は逆流防止用ダイオード、17は直列
接続されたツエナーダイオード17a、スイッチングト
ランジスタ17b,17cを有する駆動制御回路で、入
力端子であるツエナーダイオード17aのカソードがイ
グニッションスイッチ30に接続され、また出力端子で
あるスイッチングトランジスタ17cのコレクタが前記
第2スイッチ回路13のスイッチングトランジスタ13
aのベースに接続されて、バッテリ1の出力ラインが断
線、短絡された場合、それを検出して該電源切り換えス
イッチ回路13のスイッチングトランジスタ13aに電
源異常信号を供給してオンせしめる。 【0008】18は駆動回路で、前記マイクロコンピュ
ータ11の出力端子と前記駆動制御回路17のスイッチ
ングトランジスタ17bのベース端子との間に接続され
て、イグニッションスイッチ30がオンされているとき
に前記マイクロコンピュータ11から診断信号を受ける
と、前記駆動制御回路17のトランジスタ17bをオフ
せしめて電源切り換え回路13の診断状態に入らせる。
なお、符号30はイグニッションスイッチである。 【0009】次に、上記構成の作用を説明する。まず、
マイクロコンピュタ11は、通常時は、バッテリ1から
イグニッションスイッチ30,逆流防止用ダイオード1
6を介して給電されており、入力端子Aに供給される加
速度信号に基づいて衝突の大きさを判断して、必要に応
じてスイッチ回路8のスイッチングトランジスタを所定
時間の間、オンせしめて雷管9へ所定量の電力を供給し
てエアバッグ等を作動させる。なお、このとき加速度ス
イッチ10の入出力間は閉成されているものとする。 【0010】つぎに、車両衝突によりバッテリ破壊が発
生した場合、駆動制御回路17のツエナーダイオード1
7aからスイッチングトランジスタ17bのベース電流
の供給が止まり、スイッチングトランジスタ17bがオ
フ、スイッチングトランジスタ17cがオンし、さらに
電源切り換え回路13のスイッチングトランジスタ13
aをオンしてバックアップコンデンサ5の電荷が電源切
り換え回路13を介して回路系電源15を介してマイク
ロコンピュータ11に供給され、衝突の大きさによって
は、マイクロコンピュータ11は、スイッチ回路8をオ
ンさせ、雷管9に電流を供給してエアバック等の乗員保
護装置を作動させる。 【0011】一方、イグニッションスイッチ30がオフ
された場合にも上記と同様にスイッチングトランジスタ
17bのベース電流の供給が止まり、駆動制御回路17
のスイッチングトランジスタ17bのベース電圧が0ボ
ルトにされることによって電源切り換え回路13のスイ
ッチングトランジスタ13aをオンせしめ、その時の電
源切り換え回路13の出力側の電圧が所定時間の間所定
電圧を維持するが、その間にマイクロコンピュータ11
は、加速度信号の大きさに基づいて衝突判断をして、衝
突と判断した場合には、その旨をメモリ14に記憶せし
める。なお、この記憶内容は、前記イグニッションスイ
ッチ30がオンされている走行時に表示される。さら
に、イグニッションスイッチ30がオンのときに、マイ
クロコンピュータ11から駆動回路18に診断信号が供
給されオン状態にされると、スイッチングトランジスタ
17bがオフに、また次段のスイツチングトランジスタ
17cがオンになり電源切り換え回路13がオンして、
バックアップコンデンサ5からマイクロコンピュータ1
1に給電されるので、それをマイクロコンピュータ11
が、検知して、スイッチングトランジスタ17b、17
c、電源切り換え回路13が正常であることを判断す
る。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな車両用乗員保護装置にあっては、駆動制御回路17
全体の診断ができない、すなわちスイッチングトランジ
スタ17bの前段に接続されているツエナーダイオード
17aの診断ができないという問題点があった。また、
駆動回路18のスイッチングトランジスタがオン状態で
破壊された場合には、常時電源切り換え回路13がオン
状態になり、回路系電源15から駆動制御回路17に常
時電力を供給しなくてはならないので、回路系電源15
にとつては過負荷になり回路の寿命が短くなるという恐
れがあった。 【0013】この発明は、このような問題点に着目して
なされたもので、駆動制御回路17を構成する半導体素
子を全て診断できるようにすることを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】この発明に係る車両用乗
員保護装置は、バッテリからイグニッションスイッチを
介して供給される電圧を昇圧して出力するDC・DCコ
ンバータと、該DC・DCコンバータの出力側に接続さ
れたバックアップコンデンサと、雷管と、前記DC・D
Cコンバータの出力端子と前記雷管との間に介挿された
スイッチ回路と、加速度信号に基づいて衝突事故の大き
さを判断して前記スイッチ回路をオン、オフ制御するた
めの制御信号を出力するとともに、前記雷管等を少なく
ても診断して、故障内容を記憶せしめる衝突判断機能と
回路診断機能とを有するマイクロコンピュータと、前記
バッテリから前記イグニッションスイッチを介して給電
されてDC・DCコンバータ以外の回路のうち少なくて
前記マイクロコンピュータに給電する回路系電源と、
前記イグニッションスイッチのオフまたは電源ライン断
線を検出する駆動制御回路と、前記駆動制御回路の検出
信号に基づいて前記マイクロコンピュータへの給電を前
記バッテリから前記バックアップコンデンサに切り換え
る電源切り換え回路とを備えてなる車両用乗員保護装置
において、前記診断回路は前記駆動制御回路から検出信
号が出力されたとき、前記電源切り換え回路が作動した
ことを記憶せしめ、かつ次に該イグニッションスイッチ
がオンされたときにその記憶内容を読み取り、異常の場
合には警報信号を出力してなる。 【0015】 【作用】この発明における車両用乗員保護装置による
と、イグニッションスイッチのオフ直後におけるバック
アップコンデンサ5からマイクロコンピュータ11への
給電時間内に駆動制御回路が正常に作動したか否かにつ
いてマイクロコンピュータが判断して、正常に作動した
と判断した場合には、その結果をE2 PROM等のメモ
リの所定の番地に書き込む。また、イグニッションスイ
ッチのオン時にマイクロコンピュータはメモリの所定の
番地に書き込まれているはずの前回の診断結果を読み込
み、前回正常に作動したか否かをチェックして、前回正
常に作動しなかったと判断した場合にはその結果を図示
されない表示装置を使用して運転者に知らせる。 【0016】 【実施例】以下、この発明を図1に基づいて説明する。
なお図1に基づいて構成を説明するが、図2において説
明したものと同一構成のもの、または均等なものには同
一符号を付してその説明を省略し、異なる構成について
のみ以下に説明する。 【0017】すなわち、図1において、図2における駆
動回路18がなく、マイクロコンピュータ11は、駆動
制御回路17のスイッチングトランジスタ17bのコレ
クタ電圧(符号Xで示されている)を入力していると共
に、マイクロコンピュータ11自身の電源ラインの電圧
を常時監視しており、イグニッションスイッチ30がオ
フ状態にされた直後に電源電圧が所定電圧まで低下した
とき、スイッチングトランジスタ17bがオフした時
の、コレクタ電圧、すなわち0ボルトを駆動制御回路1
7が正常であることを示す印としてマイクロコンピュー
タ11は判断し、それを示す旨をメモリ14の所定の番
地に記憶せしめる。 【0018】このとき、仮にツュナーダイオード17
a、スイッチングトランジスタ17b、17cのいずれ
か1つの素子が破壊されたりして正常でないならば、次
段のスイッチングトランジスタ17b、17c、電源切
り換え回路13のうちの少なくても1つの素子がイオン
しないことにより、スイッチングトランジスタ13aが
オンしないことになる。その結果、マイクロコンピュー
タ11はバックアップコンデンサ5から回路系電源15
を介して給電されず、メモリ14の所定の番地には駆動
制御回路17、電源切換え回路13が異常であるという
ことが記憶される。 【0019】それによって、マイクロコンピュータ11
は、次回イグニッションスイッチ30がオンされた時
に、前記メモリ14の所定番地の記憶内容を読み取り、
その内容に基づいて駆動制御回路17が正常であること
を示す印が記憶されていないと判断した場合には、少な
くとも駆動制御回路17、電源切換え回路13のいずれ
かが故障常状態にあるとして、図示されない表示装置に
表示せしめる。 【0020】 【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
れば、駆動制御回路を構成する半導体素子を全て診断す
ることが可能になるという効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施例の示す回路説明図である。 【図2】従来の回路の説明図である。 【符号の説明】 2 DC・DCコンバータ 3、4 逆流防止用ダイオード 6 突入電流防止用抵抗 5 バックアップコンデンサ 7 放電用ダイオード 8 電流制限回路 9 雷管 10 加速度スイッチ 11 マイクロコンピュータ 14 メモリ 13 電源切り換え回路 18 駆動回路 17 駆動制御回路
フロントページの続き (72)発明者 柴田 淳 埼玉県大宮市日進町2丁目1910番地 株 式会社カンセイ内 (56)参考文献 特開 平5−155309(JP,A) 特開 平5−264583(JP,A) 特開 平7−96815(JP,A) 実開 平4−69356(JP,U) 実開 平5−270352(JP,U) 実開 平4−69357(JP,U) 実開 平1−170054(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 バッテリ(1)からイグニッションスイ
    ッチ(30)を介して供給される電圧を昇圧して出力す
    るDC・DCコンバータ(2)と、該DC・DCコンバ
    ータの出力側に接続されたバックアップコンデンサ
    (5)と、雷管(9)と、前記DC・DCコンバータ
    (2)の出力端子と前記雷管(9)との間に介挿された
    スイッチ回路(8)と、加速度信号に基づいて衝突事故
    の大きさを判断して前記スイッチ回路(8)をオン、オ
    フ制御するための制御信号を出力するとともに、前記雷
    管(9)等を少なくても診断して、故障内容を記憶せし
    める衝突判断機能と回路診断機能とを有するマイクロコ
    ンピュータと、前記バッテリ(1)から前記イグニッシ
    ョンスイッチ(30)を介して給電されてDC・DCコ
    ンバータ(2)以外の回路のうち少なくても前記マイク
    ロコンピュータに給電する回路系電源(15)と、前記
    イグニッションスイッチ(30)のオフまたは電源ライ
    ン断線を検出する駆動制御回路(17)と、前記駆動制
    御回路(17)の検出信号に基づいて前記マイクロコン
    ピュータへの給電を前記バッテリから前記バックアップ
    コンデンサ(5)に切り換える電源切り換え回路(1
    3)とを備えてなる車両用乗員保護装置において、前記
    診断回路は前記駆動制御回路(17)から検出信号が出
    力されたとき、前記電源切り換え回路(13)が作動し
    たことを記憶せしめ、かつ次に該イグニッションスイッ
    チ(30)がオンされたときにその記憶内容を読み取
    り、異常の場合には警報信号を出力してなることを特徴
    とする車両用乗員保護装置。
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