JP3366907B2 - コネクタ装置 - Google Patents

コネクタ装置

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JP3366907B2
JP3366907B2 JP2001074198A JP2001074198A JP3366907B2 JP 3366907 B2 JP3366907 B2 JP 3366907B2 JP 2001074198 A JP2001074198 A JP 2001074198A JP 2001074198 A JP2001074198 A JP 2001074198A JP 3366907 B2 JP3366907 B2 JP 3366907B2
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弘徳 柳本
信保 池谷
年寛 ▲吉▼田
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THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両のド
アインナパネル側に設けた雌コネクタにドアトリム側に
設けた雄コネクタを嵌合させると共にドアトリム側から
嵌合を解除することができるコネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は、従来のコネクタ装置を適用し
た車両のドアの構造を示し、ドア1のドアインナパネル
2とドアトリム3との接合によりインナパネル2に組み
付けられている補機例えば、パワーウインドモータの雌
コネクタ7とドアトリム3に設けてある雄コネクタ8と
を嵌合させて電気的に接続するようにしている。
【0003】しかしながら、かかる構造のコネクタにお
いては、ドアインナパネル2にドアトリム3を組み付け
る際にコネクタ7と8との嵌合状態を目視により確認す
ることができないために、コネクタ同士の位置合わせが
し難く作業性が悪いばかりでなく、コネクタが不完全な
嵌合となっていても分からずに組み付けてしまい接続が
不完全になることがあるいう問題がある。
【0004】そこで、コネクタの嵌合が不完全になら
ず、また、コネクタ同士の嵌合が不完全な場合でもその
異常を検知し、コネクタ同士の嵌合を確実にするように
したコネクタの接続構造が提案されている(例えば、特
開平11−54210号公報)。このコネクタの接続構
造は、一方の組付体(ドアインナパネル)に雌コネクタ
を設け、他方の組付体(ドアトリム)に設けたコネクタ
フレーム内に雄コネクタを収納し、且つコネクタフレー
ム内面に設けたバネ状の係止片により2〜4方向から保
持する一方、雌コネクタに設けた係止解除部によりバネ
状の係止片を雄コネクタから押し離しながら当該雌コネ
クタを雄コネクタに嵌合させるようにし、更に、これら
の両コネクタの壁部に嵌合確認用の孔を設けると共に、
嵌合時にコネクタ同士が正しい状態で係止されていなく
てもこれらのコネクタからコネクタフレームを離脱させ
ることができるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記コ
ネクタの接続構造においては、バネ状の係止片により2
〜4方向の面で保持しているので力の掛かり方が偏ると
確実にコネクタフレームからコネクタを離脱させること
ができない。一方の組付体(ドアインナパネル)に他方
の組付体(ドアトリム)が斜方向、或いは円弧を描いて
組み付けられると、コネクタフレームからコネクタが離
脱するための係止片への力の掛かり方が不安定になり、
確実に離脱することができない。組付体と被組付体とを
離脱するときに両方のコネクタの係止が不十分なために
離脱することができなかったり、正規な位置に戻らなか
ったりする場合がある。また、補機を外す際に補機側の
コネクタと他方のコネクタとが外れるタイミングと、コ
ネクタフレームから他方のコネクタへ係止が掛かるタイ
ミングが微妙な離脱の荷重で変わってくるためにハーネ
スを引き出し過ぎたり、コネクタが確実に元の位置にセ
ットされない場合がある等の問題がある。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、組付体同士の組み付け方向に柔軟に対処してコネク
タ同士を嵌合させることができ、且つコネクタの不完全
な嵌合を感知することができ、更に、組み付けた組付体
を離脱する際にコネクタを容易に離脱可能としたコネク
タ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明では、雌コネクタと、雄コネクタ
と、一側の組付体に固定されて前記雌コネクタを保持す
る雌コネクタホルダと、他側の組付体に固定されて前記
雄コネクタを保持する雄コネクタホルダとから成るコネ
クタ装置であって、前記雌コネクタは、前記雄コネクタ
と係合する係止爪と、前記雄コネクタホルダと係合する
係合溝と、前記係合溝の開口端に設けられた係止部とが
設けられ、前記雄コネクタは、前記雌コネクタと完全に
嵌合したときに前記雌コネクタの係止爪が係合する係合
凹部と、前記雄コネクタの後端に装着され、弾性部材で
形成され外周に係合凹溝が設けられたホルダとが設けら
れ、前記雌コネクタホルダは、前記雌コネクタに設けら
れた支持軸を介して前記雌コネクタを回動可能に支持す
ると共に前記雄コネクタと嵌合させる際に前記雌コネク
タを所定の角度に係止する節度機構が設けられ、前記雄
コネクタホルダは、前記ホルダの係合凹溝に係合して前
記雄コネクタを支持する係合部と、前記雌コネクタと前
記雄コネクタが完全嵌合した後前記雄コネクタホルダが
更に押されたときに前記係合部が前記係合凹溝から外
れ、前記雌コネクタの係止部を越えて係合溝に係合さ
れ、前記雌コネクタと前記雄コネクタとが不完全嵌合状
態のときには前記係止部に係止されて係合を阻止される
係止部が設けられていることを特徴とする。
【0008】雌コネクタホルダは、一側の組付体に固定
され、雄コネクタホルダは、他側の組付体に固定され
る。雌コネクタは、節度機構により雌コネクタホルダに
対して斜め上方に臨んで取り付けられ、雄コネクタを斜
め上方から嵌合させることが可能となる。他側の組付体
が一側の組付体に押されて装着されると雄コネクタが雌
コネクタに挿入され、雄コネクタが雌コネクタに完全に
嵌合すると係止爪が雄コネクタの係合凹部に係合する。
雄コネクタが雌コネクタと完全に嵌合した状態におい
て、雄コネクタホルダの係止部が雌コネクタの係合溝に
入り込む。そして、他側の組付体が更に装着方向に押さ
れると、係合部が雄コネクタの係合凹溝を弾性変形させ
ながら乗り越えて前進し、係止爪と係止部との間の隙間
を通して係合溝内に入り込み係止される。雌コネクタ
は、雄コネクタとの嵌合に伴い回動し節度機構が解除さ
れる。雄コネクタが雌コネクタに完全に嵌合しないとき
には、雄コネクタホルダ移動しても、係止部が係合溝へ
の挿入を阻止される。これにより、作業者は、コネクタ
が不完全嵌合状態にあることを感知することができる。
【0009】雌コネクタと雄コネクタとの嵌合を解除す
るときには、他側の組付体を引き出すと、これに伴い雄
コネクタホルダが雌コネクタの係合溝から引き出され、
係合部が雄コネクタ12のホルダの係合凹溝に再び嵌合
する。他側の組付体が更に引き出されると、係合部が係
合凹溝に係止されて雄コネクタが引き出され、係合凹部
から雌コネクタの係止爪が外れて係合が解除される。他
側の組付体が更に引き出されると、雄コネクタが雌コネ
クタから完全に離れて嵌合が解除される。雄コネクタ
が、ホルダの係合凹溝が雄コネクタホルダの係合部と嵌
合する位置まで戻らないと、雄コネクタとの嵌合を解除
することができない。これにより、雌コネクタと雄コネ
クタを確実に離脱させることができ、雄コネクタは、雄
コネクタホルダの元の位置に戻ることができる。
【0010】請求項2の発明では、請求項1のコネクタ
装置において、雌コネクタには係止爪に沿って軸方向に
スリットが設けられ、雄コネクタには前記スリットと対
応して軸方向に貫通する孔が設けられ、雄コネクタホル
ダには前記雄コネクタの孔及び雌コネクタのスリットを
挿通する嵌合検知ピンが設けられて成り、前記嵌合検知
ピンは、前記雌コネクタと雄コネクタが完全嵌合した後
前記雄コネクタホルダが更に押されて前記雄コネクタか
ら外れて前進したときに前記雄コネクタの孔から突出し
て雌コネクタのスリットに挿入され、前記雌コネクタと
雄コネクタが不完全嵌合状態のときに前記係止爪により
係止されて前記スリットへの挿入が阻止されることを特
徴とする。
【0011】雄コネクタが雌コネクタと完全に嵌合する
と、雌コネクタのスリットに嵌合検知ピンが挿通可能と
なる。雄コネクタが雌コネクタと完全に嵌合した状態に
おいて、雄コネクタホルダが更に装着方向に押される
と、雄コネクタホルダが雄コネクタから抜け出して前進
し、雄コネクタが雄コネクタホルダから縁切りされる。
このとき雄コネクタホルダの嵌合検知ピンが雄コネクタ
の孔から突出して雌コネクタのスリット係止部に挿入さ
れる。
【0012】雄コネクタと雌コネクタの嵌合開始された
ときに何らかの原因で雄コネクタが雄コネクタホルダか
ら外れた場合、嵌合検知ピンが雄コネクタの孔から突出
する。このとき嵌合検知ピンが雌コネクタの係止爪に突
き当たり、雄コネクタホルダが中途半端な位置に停止す
る。これにより、組み付け途中でコネクタが半嵌合状態
にあることを検知することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
より説明する。図1は、本発明に係るコネクタ装置の第
1実施形態を示し、一側前方からみた組立斜視図、図2
は、図1に示すコネクタ装置の他側後方から見た組立斜
視図である。図3は、図1において雌コネクタ及び雄コ
ネクタを夫々コネクタホルダに装着した状態の斜視図、
図4は、図1に示す雌コネクタの断面図、図5は、図3
に示す雌コネクタを雌コネクタホルダに装着した状態の
断面図である。
【0014】図1及び図2に示すようにコネクタ装置1
0は、雌コネクタ11と、雄コネクタ12と、雌コネク
タ11を保持する雌コネクタホルダ(以下単に「コネク
タホルダ」という)13と、雄コネクタ12を保持する
雄コネクタホルダ(以下単に「コネクタホルダ」とい
う)14とにより構成されている。雌コネクタ11の受
け口11aは、内周面が開口端(前端)に向かってテー
パ状に拡開して雄コネクタ12が嵌合する際のガイドと
され、上、下両面の略中央に長手方向(雄コネクタ12
との嵌合方向)に沿って係合溝11bが設けられてい
る。図4に示すように、係合溝11bの底面には開口端
から略中央までの長さに亘り舌片状の係止爪11cが形
成されており、各先端11dが内方に略J字状をなして
湾曲されている。この係止爪11cは、矢印で示す方向
に弾性変形可能とされている。
【0015】これらの係合溝11bの前端には夫々係止
部11eが架橋して設けられており、その前端部11f
が外方に略テーパ状に拡開されている。また、図1、図
2に示すように雌コネクタ11の両側面には、夫々開口
端近傍の略中央に支持軸11gが突設されており、当該
支持軸11gと並んで長手方向に沿って略直線上に小孔
11h、11iが設けられている。
【0016】図1、図2及び図5に示すようにコネクタ
ホルダ13は、前側が開口する平面視略U字状をなし、
左、右の各側壁13aの内面に夫々前端略中央位置から
後方に向かって支持部13b、係止片13c、13dが
並んで設けられている。支持部13bは、上下方向に長
く、上部前側に切欠13b’が設けられた略C字形状を
なしており、雌コネクタ11の支持軸11gが切欠11
b’から挿入されて上下方向に摺動可能、且つ回動可能
とされる。係止片13cは、図6に示すように舌片状を
なし、2点鎖線で示すように弾性変形可能とされ、下端
に係止用突起部13c’が設けられている。係止片13
dについても係止片13cと同様に形成されている。こ
れらの係止片13c、13dの各突起部13c’、13
d’は、雌コネクタ11の側部に設けられている孔11
h、11iに係合可能とされている。そして、前側の係
止片13cが後側の係止片13dよりも僅かに短く形成
されている。これらの孔11h、11jと係止片13
c、13dとにより節度機構16が構成され、後述する
ように雄コネクタ12と嵌合させる際に雌コネクタ11
を所定の角度に係止する。コネクタホルダ13の後壁1
3eの中央には接続用の電線を引き出すための孔13f
が、四隅には組付体に固定するための取付孔13gが設
けられている。
【0017】図5に2点鎖線で示すように雌コネクタ1
1は、支持軸11gがコネクタホルダ13の支持部11
bに嵌合支持された状態において、係止片13c、13
dの突起部13c’、13d’が雌コネクタ11の孔1
1h、11iに嵌合されると、斜め上方に臨んで支持さ
れる。これにより、後述するように雌コネクタ11を取
り付けた一方の組付体と雄コネクタ12を取り付けた他
方の組付体との組み付け方向に柔軟に対処してこれらの
コネクタ11と12とを嵌合させることができる。
【0018】図1、図2及び図7に示すように雄コネク
タ12は、上、下両面の略中央に夫々係合凹部12aが
設けられており、後端にホルダ15が装着固定されてい
る。係合凹部12aは、当該雄コネクタ12が雌コネク
タ11に完全に嵌合した状態において雌コネクタ11の
係止爪11cの先端11dが係合可能とされる。ホルダ
15は、全周に亘り係合凹溝15aが設けられており、
前壁部15bが低く、後壁部15cが高く形成されてい
る。このホルダ15は、弾性部材例えば、EPDM・ウ
レタンゴムにより形成されている。
【0019】図1及び図2に示すようにコネクタホルダ
14は、角筒形状をなし雄コネクタ12が軸方向に移動
可能とされ、上、下両壁14aの前端略中央に夫々前方
に突出して係止部14bが設けられている。係止部14
bは、雌コネクタ11の係合溝11bに係合可能とさ
れ、先端14cが外側に拡がる略楔状をなしている。こ
の係止部14bは、雌コネクタ11と雄コネクタ12と
の半嵌合時に雌コネクタ11の係止爪11c、係止部1
1eと協働してコネクタホルダ14の前進(係合)を阻
止し、半嵌合状態であることを作業者に感知させる。
【0020】コネクタホルダ14の前端には、略全周に
亘り係合部14dが設けられており、雄コネクタ12の
後端に装着されているホルダ15の係合凹溝15aに係
合可能とされている。コネクタホルダ14の後端には取
付部としてのフランジ14eが設けられており、取付孔
14fが設けられている。また、一側の側壁には、接続
用の電線を引き出すためのスリット14gが設けられて
いる。
【0021】図3に示すように、雌コネクタ11は、コ
ネクタホルダ13に装着され、図5に2点鎖線で示すよ
うに支持軸11gが支持部13bに嵌合されて回動及び
上下方向に移動可能に支持される。そして、雌コネクタ
11は、両側面の孔11h、11iにそれぞれコネクタ
ホルダ13の係止片13c、13dの突起部13c’、
13d’が嵌合されて斜め上方に臨んで支持される。雄
コネクタ12は、コネクタホルダ14に嵌挿され、後端
に装着されているホルダ15の係合凹溝15aにコネク
タホルダ14の係合部14dが嵌合されて支持される。
これらの雌コネクタ11、雄コネクタ12、コネクタホ
ルダ13、14は、可撓性を有する樹脂部材により形成
されている。
【0022】以下に作用を説明する。図8に示すように
コネクタホルダ13は、一側の組付体としてのドアイン
ナパネル18に固定され、コネクタホルダ14は、他側
の組付体としてのドアトリム19に固定される。雌コネ
クタ11は、節度機構16によりコネクタホルダ13に
対して斜め上方に臨んで係止保持されていることで、ド
アトリム19に固定されている雄コネクタ12を斜め上
方から嵌合させることが可能となり、更に、雄コネクタ
12に装着されている弾性部材により形成されているホ
ルダ15を介してコネクタホルダ14に保持されている
ので、ドアトリム19を斜め上方から、或いは矢印Aの
ように円弧を描くように組み付けても柔軟に対処するこ
とができ、ドアインナパネル18に自由度を有して取り
付けることが可能となる。
【0023】矢印Aのようにドアトリム19がドアイン
ナパネル18に押されて装着されると、雄コネクタ12
が雌コネクタ11の受け口11aから挿入され、これに
伴い図9に示すように雌コネクタ11の各係止爪11c
が外側に弾性変形してその先端11dが雄コネクタ12
の上、下両面に当接して摺動する。ドアトリム19が更
に押されて図10に示すように雄コネクタ12が雌コネ
クタ11に完全に嵌合すると、係止爪11cの先端11
dが雄コネクタ12の上、下両面の嵌合凹部12aに入
り込んで嵌合する。
【0024】雄コネクタ12が雌コネクタ11と完全に
嵌合した状態において、コネクタホルダ14の係止部1
4bの先端14cが雌コネクタ11の係合溝11bの先
端部11fに沿って係合溝11bの先端に入り込む。そ
して、ドアトリム19が更に装着方向に押されると、コ
ネクタホルダ14の係合部14dが雄コネクタ12の係
合凹溝15aの前壁15bを弾性変形させながら乗り越
えて係合凹溝15aから抜け出して前進し、係止爪11
cと係止部11eとの間の隙間を通して係合溝11b内
に入り込み、先端部14cが係止部11eに係止され
る。これにより、雄コネクタ12からコネクタホルダ1
4が縁切りされる。
【0025】また、雌コネクタ11は、雄コネクタ12
との嵌合に伴い支持軸11gを支点として回動し(図
5)、側面の孔11h、11iがコネクタホルダ13の
係止片13c、13dを外側に弾性変形させて突起部1
3c’13d’から外れて節度機構16による節度が解
除され、嵌合が完了したときにコネクタホルダ13の中
央に水平に支持される。この状態において、コネクタ装
置10の長さ、即ち、コネクタホルダ13の後面13e
とコネクタホルダ14の後面14e’との間の長さが図
10に示すように所定の長さLとなり、ドアインナパネ
ル18にドアトリム19が密着して完全に装着される。
【0026】雄コネクタ12が何らかの原因で雌コネク
タ11に完全に嵌合しない即ち、コネクタ不完全嵌合状
態のときには、図11に示すように雌コネクタ11の
上、下の各係止爪11cの先端11dが夫々雄コネクタ
11の上、下両面に当接した状態にあり、係止部11e
との間隔が狭くなっている。この状態でドアトリム19
が装着方向に押され、コネクタホルダ14の係合部14
dがホルダ15の係合凹溝15aの前壁15bを乗り越
えて前進しても、係止部14bの先端14cが係止爪1
1cと係止部11eとにより係合溝11bへの挿入を阻
止されて当該位置に係止される。そして、この係止され
た状態においては、コネクタ装置10の長さが図11に
示すように長さL’となり、前記した長さLよりも長く
なりドアインナパネル18とドアトリム19との間に隙
間が生じる。これにより、作業者は、コネクタ11と1
2とが不完全嵌合状態にあることを感知することができ
る。このときには、作業者は、ドアトリム19を戻して
再度装着し直し、コネクタ11と雄コネクタ12とを完
全に嵌合させる。
【0027】図10に示すように雌コネクタ11と雄コ
ネクタ12とが完全に嵌合された状態から嵌合を解除す
るときには、ドアトリム19を矢印B方向に引き出す
と、これに伴いコネクタホルダ14が雌コネクタ11の
係合溝11bから引き出され、係合部14dが雄コネク
タ12の後端のホルダ15の係合凹溝15aに再び嵌合
する。そして、ドアトリム19が更に引き出されると、
係合部14dが係合凹溝15aの後壁15cに係止され
て雄コネクタ11が引き出され、係合凹部12aから雌
コネクタ11の係止爪11cの先端11dが外れて係合
が解除される。ドアトリム19が更に引き出されると、
雄コネクタ12が雌コネクタ11から完全に離れて嵌合
が解除される。このように、雄コネクタ12が、ホルダ
15の係合凹溝15aがコネクタホルダ14の係合部1
4dと嵌合する位置まで戻らないと、雄コネクタ12と
の嵌合を解除することができない。これにより、雌コネ
クタ11と雄コネクタ12を確実に離脱させることがで
き、雄コネクタ12は、コネクタホルダ14の元の位置
に戻ることができる。
【0028】図12は本発明に係わるコネクタ装置の第
2実施形態を示し、嵌合検知手段を設けて、組み付け途
中で半嵌合状態(不完全嵌合状態)の検知を可能とし、
ワンアクションでの嵌合検知を可能としたものである。
コネクタ装置10は、雌コネクタ21と、雄コネクタ2
2と、雌コネクタ21を保持する雌コネクタホルダ(図
示せず)と、雄コネクタ22を保持するコネクタホルダ
24とにより構成されている。
【0029】雌コネクタ21の受け口21aは、内周面
が開口端に向かってテーパ状に拡開して雄コネクタ22
が嵌合する際のガイドとされ、上面の内側に雄コネクタ
22の開口部22aが嵌合するための間隔を存して舌片
状の係止爪21bが、基端から開口端近傍まで延出して
形成されており、先端21cが外方に略J字状をなして
湾曲されている。この係止爪21bは、矢印のように弾
性変形可能とされている。
【0030】係止爪21bと雌コネクタ本体部22Aと
の間にはコネクタホルダ24の嵌合検知ピン24dが挿
通可能なスリット21dが係止爪21bに沿って軸方向
に設けられている。雌コネクタ21の両側面は、第1実
施形態の雌コネクタ11と同様に構成されており、前記
雌コネクタ11と同様に雌コネクタホルダ13(図1)
に保持されるようになっている。
【0031】雄コネクタ22は、開口部22aの底部近
傍上面略中央に係合孔22bが設けられており、後端に
ホルダ23が装着固定されている。係合孔22bは、当
該雄コネクタ22が雌コネクタ21に完全に嵌合した状
態において雌コネクタ21の開口部22a内に挿入され
た係止爪21bの先端21cが内側から係合可能とされ
ている。雄コネクタ22には雌コネクタ21のスリット
21dと対応して嵌合検知ピン24dが挿通する孔22
dが軸方向に設けられている。ホルダ23は、第1実施
形態に示すホルダ15と同様にEPDM・ウレタンゴム
等の弾性部材により形成され、全周に亘り係合凹溝23
aが設けられており、前壁部23bが低く、後壁部23
cが高く形成されている。
【0032】コネクタホルダ24は、角筒形状の収納部
24aと端板24bからなり、収納部24aに雄コネク
タ22が軸方向に移動可能に収納され、収納部24aの
前端には略全周に亘り内方にフランジ状に突出した係合
部24cが設けられており、雄コネクタ22の後端に装
着されているホルダ23の係合凹溝23aに係合可能と
されている。コネクタホルダ24の端板24bの内面に
は嵌合検知ピン24dが軸方向に垂設されている。
【0033】嵌合検知ピン24dは、雄コネクタ22の
孔22d、雌コネクタ21のスリット21dに挿通可能
とされており、雄コネクタ22がコネクタホルダ24に
図示のように保持されている状態において孔22dに挿
入され、先端が孔22dの開口端と略面一をなしてい
る。また、コネクタホルダ24の側壁には接続用の電線
を引き出すためのスリット(図示せず)が設けられてい
る。コネクタホルダ24は、第1実施形態のコネクタホ
ルダ14と同様に他方の組付体としてのドアトリムに取
り付けられる。これらの雌コネクタ21、雄コネクタ2
2、コネクタホルダ24は、可撓性を有する樹脂部材に
より形成されている。
【0034】図13に示すように雄コネクタ22が雌コ
ネクタ21の受け口21aから挿入されて嵌合が開始さ
れ、雌コネクタ21の係止爪21bが雄コネクタ22の
開口部22aの先端部により内方にスリット21dの開
口端を塞ぐように弾性変形され、先端21cが雄コネク
タ22の開口部22aの内面を摺動する。図14に示す
ように雄コネクタ22が雌コネクタ21と完全に嵌合す
ると、係止爪21bが弾性により元の状態に復帰して先
端21cが雄コネクタ22の上面の嵌合孔22bに入り
込んで係合する。これにより、両コネクタが嵌合状態に
保持される。そして、スリット21dの先端が開口され
て嵌合検知ピン24dが挿通可能となる。
【0035】雄コネクタ22が雌コネクタ21と完全嵌
合した状態において、コネクタホルダ24が更に装着方
向に押されると、図15に示すようにコネクタホルダ2
4の係合部24cがホルダ23の係合凹溝23aの前壁
23bを弾性変形させながら乗り越えて当該係合凹溝2
3aから抜け出して前進し、先端が雌コネクタ21の受
け口21aに当接して係止される。これにより、雄コネ
クタ22がコネクタホルダ24から縁切りされる。この
ときコネクタホルダ24の嵌合検知ピン24dが雄コネ
クタ22の孔22dから突出して雌コネクタ21のスリ
ット21dに挿入される。
【0036】図16に示すように雄コネクタ22が雌コ
ネクタ21の受け口21aから挿入され、雌コネクタ2
1の係止爪21bが雄コネクタ22の開口部22aの先
端部により内方に湾曲されて嵌合開始されたときに何ら
かの原因で雄コネクタ22のホルダ23がコネクタホル
ダ24から外れた場合、嵌合検知ピン24dが雄コネク
タ22の孔22dから突出する。このとき雌コネクタ2
1の係止爪21bが内方に湾曲されてスリット21dの
開口端を塞いでいるために嵌合検知ピン24dの先端が
係止爪21bに突き当たり、コネクタホルダ24が中途
半端な位置に停止する。これにより、作業者は、組み付
け途中でコネクタが半嵌合状態(不完全嵌合状態)にあ
ることを検知することができる。従って、作業者は、ワ
ンアクションでの嵌合検知が可能となり、作業性の向上
が図られる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、雌
コネクタが雌コネクタホルダに節度機構により雄コネク
タとの嵌合方向に係止され、雄コネクタが弾性を有する
ホルダにより保持されているので、被組付体と組付体が
斜め又は円弧を描くようにして組み付けられても柔軟に
対応して嵌合・離脱の両方に対応することができる。一
側の組付体と他側の組付体を離脱するとき、雄コネクタ
ホルダが雄コネクタのホルダの係合凹溝に戻らないと雄
・雌コネクタの嵌合係止が解除できないために、雄・雌
コネクタが確実に離脱でき、雄コネクタが雄コネクタホ
ルダの元の位置に戻ることができる。また、組付体を組
み付ける際に衝撃が大きくても雄・雌コネクタが嵌合途
中であれば、これらの雄・雌コネクタの係止が結合しな
いので雄コネクタホルダの係止部が雌コネクタの係合溝
に係合しないのでコネクタの不完全嵌合を感知すること
ができる。
【0038】請求項2の発明によれば、雄コネクタと雌
コネクタの嵌合開始されたときに雄コネクタが雄コネク
タホルダから外れた場合、嵌合検知ピンが雄コネクタの
孔から突出し、雌コネクタの係止爪により係止されて雄
コネクタホルダが中途半端な位置に停止することで、組
み付け途中でコネクタが半嵌合状態にあることを検知す
ることができ、作業者は、ワンアクションでの嵌合検知
が可能となり、作業性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコネクタ装置の第1実施形態の一
側前方からみた組立斜視図である。
【図2】図1に示すコネクタ装置の他側後方から見た組
立斜視図である。
【図3】図1において雌コネクタ及び雄コネクタを夫々
コネクタホルダに装着した状態の斜視図である。
【図4】図1に示す雌コネクタの断面図である。
【図5】図3に示す雌コネクタを雌コネクタホルダに装
着した状態の断面図である。
【図6】図5に示すコネクタホルダの係止片の説明図で
ある。
【図7】図1に示す雄コネクタの断面図である。
【図8】図3に示すコネクタ装置の雌コネクタをドアイ
ンナパネルに、雄コネクタをドアトリムに取り付けて、
これらを嵌合させる場合の説明図である。
【図9】図8に示すコネクタ装置の嵌合途中の説明図で
ある。
【図10】図9に示すコネクタ装置の嵌合完了時の説明
図である。
【図11】図8に示すコネクタ装置の不完全嵌合状態の
説明図である。
【図12】本発明に係るコネクタ装置の第2実施形態の
断面図である。
【図13】図12に示すコネクタ装置の嵌合開始の説明
図である。
【図14】図13に示すコネクタ装置の嵌合完了時の説
明図である。
【図15】図14に示すコネクタ装置の雄コネクタがコ
ネクタホルダから縁切りされた状態の説明図である。
【図16】図12に示すコネクタ装置の半嵌合状態を検
知する説明図である。
【図17】従来のコネクタ装置を適用した車両のドアの
ドアインナパネルとドアトリムの説明図である。
【符号の説明】
10 コネクタ装置 11、21 雌コネクタ 11b 係合溝 11c、21b 係止爪 11g 支持軸 12、22 雄コネクタ 12a 係合凹部 13 雌コネクタホルダ 13c、13d 係止片 14、24 雄コネクタホルダ 14b 係止部 14d 係合部 15、23 ホルダ 16 節度機構 18 ドアインナパネル(一側の組付体) 19 ドアトリム(他側の組付体) 24d 嵌合検知ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−54210(JP,A) 特開 平11−67346(JP,A) 特開 平11−111395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 13/64 H01R 13/629

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌コネクタ(11)と、雄コネクタ(1
    2)と、一側の組付体に固定されて前記雌コネクタ(1
    1)を保持する雌コネクタホルダ(13)と、他側の組
    付体に固定されて前記雄コネクタ(12)を保持する雄
    コネクタホルダ(14)とから成るコネクタ装置(1
    0)であって、 前記雌コネクタ(11)は、前記雄コネクタ(12)と
    係合する係止爪(11c)と、前記雄コネクタホルダ
    (14)と係合する係合溝(11b)と、前記係合溝
    (11b)の開口端に設けられた係止部(11e)とが
    設けられ、 前記雄コネクタ(12)は、前記雌コネクタ(11)と
    完全に嵌合したときに前記雌コネクタ(11)の係止爪
    (11c)が係合する係合凹部(12a)と、前記雄コ
    ネクタ(12)の後端に装着され、弾性部材で形成され
    外周に係合凹溝(15a)が設けられたホルダ(15)
    とが設けられ、 前記雌コネクタホルダ(13)は、前記雌コネクタ(1
    1)に設けられた支持軸(11g)を介して前記雌コネ
    クタ(11)を回動可能に支持すると共に前記雄コネク
    タ(12)と嵌合させる際に前記雌コネクタ(11)を
    所定の角度に係止する節度機構(16)が設けられ、 前記雄コネクタホルダ(14)は、前記ホルダ(15)
    の係合凹溝(15a)に係合して前記雄コネクタ(1
    2)を支持する係合部(14d)と、前記雌コネクタ
    (11)と前記雄コネクタ(12)が完全嵌合した後前
    記雄コネクタホルダ(14)が更に押されたときに前記
    係合部(14d)が前記係合凹溝(15a)から外れ、
    前記雌コネクタ(11)の係止部(11e)を越えて係
    合溝(11b)に係合され、前記雌コネクタ(11)と
    前記雄コネクタ(12)とが不完全嵌合状態のときには
    前記係止部(11e)に係止されて係合を阻止される係
    止部(14b)が設けられていることを特徴とするコネ
    クタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のコネクタ装置(10)
    において、 雌コネクタ(21)には係止爪(21b)に沿って軸方
    向にスリット(21d)が設けられ、 雄コネクタ(22)には前記スリット(21d)と対応
    して軸方向に貫通する孔(22d)が設けられ、 雄コネクタホルダ(24)には前記雄コネクタの孔(2
    2d)及び雌コネクタのスリット(21d)を挿通する
    嵌合検知ピン(24d)が設けられて成り、 前記嵌合検知ピン(24d)は、前記雌コネクタ(2
    1)と雄コネクタ(22)が完全嵌合した後前記雄コネ
    クタホルダ(24)が更に押されて前記雄コネクタ(2
    2)から外れて前進したときに前記雄コネクタの孔(2
    2d)から突出して雌コネクタのスリット(21d)に
    挿入され、前記雌コネクタ(21)と雄コネクタ(2
    2)が不完全嵌合状態のときに前記係止爪(21b)に
    より係止されて前記スリット(21d)への挿入が阻止
    されることを特徴とするコネクタ装置。
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