JP3365720B2 - 揺動式プラズマト−チ - Google Patents

揺動式プラズマト−チ

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JP3365720B2
JP3365720B2 JP05445597A JP5445597A JP3365720B2 JP 3365720 B2 JP3365720 B2 JP 3365720B2 JP 05445597 A JP05445597 A JP 05445597A JP 5445597 A JP5445597 A JP 5445597A JP 3365720 B2 JP3365720 B2 JP 3365720B2
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野 忠 星
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接,切断,穿
孔,加熱等に用いるプラズマトーチに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば隅肉溶接などの角部の溶接を行う
場合に、プラズマアークによる溶接が行われている。こ
れは、プラズマアーク溶接はアークの熱集中性が良く、
尚かつ指向性が良いことから角部の狭あい部迄アークの
ふらつきなくアーク熱を照射,溶融溶接が出来る特性に
よる。しかし、溶接する部材の形状によっては接合部が
密着しておらず、絞られた形状のプラズマアークを用い
て溶接材ギャップの大きな溶接を行う場合がある。図6
には、これらの例を示す。図6の(a)は、ベ−ス鋼板
W2に、隙間(ギャップd)を置いて平行な鋼板W1の
端縁をプラズマト−チTで重ね隅肉溶接する態様であ
り、(b)は、パイプW3,W4同志を周面で溶接する
態様であり、(c)は、板金ケースW6の角部分などの
プレス曲げ加工部に部品W5の平面を溶接する態様であ
り、(d)は、自動車外板の溶接の際の板継ぎのよう
に、板状の被溶接材W7の端部を、それを受ける鋼板の
段差部に埋めるように溶接する態様である。これらを行
なうプラズマアーク溶接は、アークの熱集中性が良い反
面、適正脚長が最大3〜4mmと短く、図6の(a)〜
(d)に示すような溶接ギャップ又は脚長の大きな溶接
を行うと、溶接ビードがブリッジしないなどの不具合を
生じる可能性がある。また隅肉溶接においても、大脚長
の溶接を行うと、例えば図6の(c)において、垂直に
配置された部品W5の溶融金属が重力により下方向に落
ちて不均衡なビードとなる上、部品W5にアンダーカッ
トなどの不具合を生じることもある。さらに、トーチが
狙い位置から少しでもずれると、不均一ビードとなった
り、アンダ−カットを生じたり、ブリッジしない等の不
具合が生じるので高精度な倣いが必要であり、高精度な
倣い機構を用いると溶接装置が複雑で高価となる。作業
者の手作業で倣いを行なう場合は、作業能率が低下す
る。
【0003】これらの問題点を解決する為に、特開平2
−210799号公報においては、プズマガスの軸方向
の流速を抑制し、プラズマのキンク(Kink)不安定
性による変形力を利用して、アークを高速回転させる方
法が提案されている。また、特開平4−178282号
公報には、トーチ内に複数個の電極を設けて交流電源よ
り交流電圧を供給し、磁気発生装置によりプラズマアー
クを回転運動させ、母材を広範囲に照射加熱する方法が
示されている。これによれば、幅広な脚長のプラズマ溶
接が実現される。
【0004】しかし、特開平2−210799号公報に
示す方法では、キンク不安定性を利用しているため定量
的な回転数,回転角度及び均一性のある熱分布等を得る
ことが難かしい。すなわち、均一なビードが得られにく
い。また、特開平4−178282号公報に示す方法で
は、電極を複数個必要とする上、回転駆動用の磁気発生
装置が必要となる等、装置としては大型となり広い作業
スペースを必要とする。又装置が複雑で高価である。
【0005】そこで発明者は、アークの熱集中性が高い
にもかかわらず、ア−クの作用領域を広くすることを目
的として、揺動式プラズマト−チを開発した(特願平7
−325463号(特開平9−164486号))。こ
の揺動式プラズマト−チは、放電電極のワ−ク指向線に
対して外開口が偏位したノズルを有するノズル部材を設
け、該ノズル部材を前記ワ−ク指向線を実質上中心にし
て回転駆動しつつプラズマア−ク溶接を行なう。即ち、
該ノズルの中心線が円錐面を描くように回転するので、
該ノズルから出るプラズマも同じく円錐面を描くように
回転する。該円錐の下底側でプラズマが加工対象材に当
るので、時系列平均で見ると、加工対象材に対してプラ
ズマ作用領域が広い。
【0006】特願平7−325463号(特開平9−1
64486号)による方法は、放電電極であるタングス
テン棒の消耗を遅らすために、外部より溶接トーチの内
部に送り込むプラズマガスには、不活性ガスを使用して
いた。
【0007】一方、プラズマト−チのノズル部を2重ノ
ズル方式にしたト−チが提案されている。これは、鉄や
アルミニウム材料の切断を行なう場合に、プラズマガス
に活性ガスを使用することが有効であることから、保護
用ガス(電極ガス)には不活性ガスを使用し、プラズマ
ガスに活性ガスを使用するものである。特公昭35−8
924号公報の発明は、2重ノズル方式の基本的な形式
であり、放電電極であるタングステン棒の消耗を遅らす
ためにタングステン電極の周りに不活性被包ガス(電極
ガス)を吹き出し、電極ガスの外周部分に活性の加工ガ
ス(プラズマガス)を吹き出す。また特開昭50−30
766号公報に示された方法は、2重ノズル方式のノズ
ル部を使用し、タングステン電極の周りに吹き出す不活
性ガスの流量を調整することにより放電電極の消耗を遅
くしている。これらの方法ではプラズマアーク溶接時に
於けるアークの熱集中性が良い反面、プラズマ作用領域
が狭い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電極の消耗
を低減することを第1の目的とし、アークの熱集中性を
高めることを第2の目的とし、プラズマトーチによる加
工領域を広くすることを第3の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の揺動式プラズマト−チは、放電電極
(1);該放電電極(1)の長軸方向を取り囲み、放電電極の
ワ−ク指向線(Lo)と同軸な第1ノズル(2a)を備える第1
ノズル部材(2);前記放電電極(1)と第1ノズル部材(2)
とが形成する内空間に、電極ガスを供給する第1ガス通
路(GP1);第1ノズル部材(2)の長軸方向を取り囲み、前
記放電電極(1)のワ−ク指向線(Lo)に対して外開口が偏
位した第2ノズル(3a)を有する第2ノズル部材(3);第
1ノズル部材(2)と第2ノズル部材(3)が形成する内空間
にプラズマ用ガスを供給する第2ガス流路(GP2);第2
ノズル部材(3)とその外側のシ−ルドキャップ(6)との間
にシ−ルドガスを供給する第3ガス流路(GP3);およ
び、第2ノズル部材(3)を前記ワ−ク指向線(Lo)を実質
上中心にして回転駆動する駆動手段(M,mr,32,33,37);
を備える。
【0010】なお、理解を容易にするためにカッコ内に
は、図面に示し後述する実施例の対応要素の記号を、参
考までに付記した。
【0011】この揺動式プラズマト−チによれば、第1
ノズル部材(2)と第2ノズル部材(3)で2重ノズルとなっ
ており、放電電極(1)とその外套である第1ノズル部材
(2)との内空間に、ガス流路(GP1)を介して電極ガスが供
給され、第1ノズル部材(2)とその外套である第2ノズ
ル部材(3)との内空間に、ガス流路(GP2)を介して、プラ
ズマ用ガスが供給され、そしてシ−ルドキャップ(6)か
らシ−ルドガスが吹出される。放電電極(1)は、その外
周を流れる電極ガスにより酸素源と隔離されるので電極
の消耗が少ない。従ってこの電極ガスの更に外周を流れ
るプラズマ用ガスには、不活性ガスのみならず活性ガ
ス、又は活性ガスと不活性ガスの混合ガスを使用するこ
とが出来る。第2ノズル部材(3)のノズル(3a)は、ワ−
ク指向線(Lo)に対して偏位(θ)したものであるので、第
2ノズル部材(3)を駆動手段(M,mr,32,33,37)により回転
駆動すると、ノズル(3a)の中心線が円錐面を描くように
回転して、該ノズル(3a)から出るプラズマも同じく円錐
面を描くように回転する。該円錐の下底側でプラズマが
加工対象材に当るので、時系列平均で見ると、加工対象
材に対してプラズマ作用領域が広い。したがってト−チ
の狙い位置が少々ずれても、意図した箇所にプラズマア
ークが作用する。溶接においては、倣い精度が低くても
よく、また、脚長の長い溶接や合わせ部ギャップ大の溶
接が可能となる。なお、第2ノズル部材(3)のノズル(3
a)の内開口はワーク指向線(Lo)に対して実質上整合する
のが好ましいが、ワーク指向線(Lo)に対して少々偏位し
てもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
(2) 放電電極(1);該放電電極(1)の長軸方向を取り
囲み、放電電極のワ−ク指向線(Lo)に対して外開口が偏
位した第1ノズル(2a)を備える第1ノズル部材(2);前
記放電電極(1)と第1ノズル部材(2)とが形成する内空間
に、電極ガスを供給する第1ガス通路(GP1);第1ノズ
ル部材(2)の長軸方向を取り囲み、前記放電電極(1)のワ
−ク指向線(Lo)に対して偏位しかつ第1ノズル(2a)と整
合した第2ノズル(3a)を有する第2ノズル部材(3);第
1ノズル部材(2)と第2ノズル部材(3)が形成する内空間
にプラズマ用ガスを供給する第2ガス流路(GP2);第2
ノズル部材(3)とその外側のシ−ルドキャップ(6)との間
にシ−ルドガスを供給する第3ガス流路(GP3);およ
び、第1ノズル部材(2)および第2ノズル部材(3)を前記
ワ−ク指向線(Lo)を実質上中心にして同方向に同速度で
回転駆動する駆動手段(M,mr,32,33,37);を備える揺動
式プラズマト−チ。
【0013】これによれば、第2ノズル部材(3)のみで
なく、第1ノズル部材(2)も同時に駆動手段(M,mr,32,3
3,37)により回転駆動して、それらのノズル(2a,3a)から
出るプラズマを円錐面を描くように回転させる。従って
該円錐の下底側でプラズマが加工対象材に当るので、時
系列平均で見ると、加工対象材に対してプラズマ作用領
域が広い。第1ノズル部材(2)のノズル(2a)が偏位して
おり、この偏位に第2ノズル部材(3)のノズル(3a)が整
合するので、上記(1)の態様の場合よりも、ワ−ク指
向線(Lo)に対する第2ノズル(3a)の偏位量を大きくする
ことができる。つまり、加工対象材に対してプラズマ作
用領域を広くすることができる。
【0014】(3)第1ノズル部材(2)と第2ノズル部
材(3)を、絶縁材(40)で一体に結合した、請求項2記載
の揺動式プラズマト−チ。これによれば、駆動手段(M,m
r,32,33,37)で第1ノズル部材(2)と第2ノズル部材(3)
の一方を回転駆動すると、他方が同方向に同一速度で回
転する。
【0015】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0016】
【実施例】
−第1実施例− 図1に、本発明の第1実施例の溶接トーチTを示す。以
下、各図においてz方向を上とし、y方向を右とすると
ともにyz平面に垂直な方向x(図1においては紙面の
裏から表へ向う方向)を溶接トーチTの溶接方向とす
る。図1は隅肉溶接を行う態様を示しており、溶接トー
チTは、xz面より約45度傾いた状態を示している。
【0017】xy平面に水平な地上基礎(図示せず)上
に水平に水平金属平板Wyが置かれ、水平金属平板Wy
には垂直にしかもx軸に対して平行となるように垂直金
属平板Wzが立てられている。この2枚の金属平板W
y,Wzは、溶接トーチTを支持する作業者又は溶接ロ
ボットにより双方の接触点(交接線)Oをx方向に溶接
される。
【0018】この実施例では、タングステン棒(溶接電
極)1は直線状の棒体であり、その先端が加工対象材
(ワ−ク)を狙う線すなわちワ−ク指向線Loは、タン
グステン棒1の中心線と合致する。作業者又は溶接ロボ
ットは、タングステン棒1の中心線でもあるワ−ク指向
線Loが交接線Oに交わるように狙い、溶接トーチTを
傾けて支持する。
【0019】以下、水平金属平板Wyは水平板Wyと称
し、垂直金属平板Wzは垂直板Wzと称するとともに、
交接線Oを狙い位置とも称す。なお、水平板Wyおよび
垂直板Wzは本実施例においては、同じ材料のSM400Aで
ある。
【0020】溶接トーチTの基体Bは、中空の略円筒状
の部材の外周面にアームを装着したものである。基体B
のアーム部分の内部には冷却水(入水,戻水),電極ガ
ス,プラズマガス,シールドガスの流路が形成されてお
り、基体Bの内周面に連通する。水路は水を外部より基
体Bの内部に送り込み、溶接トーチTの内部に絶縁水路
20a,20bを介して循環させて再び外部に放出する
(図1に実線矢印で示す)。電極ガス流路は、外部より
不活性ガスを溶接トーチTの内部,即ち放電電極1の周
辺に送り込む(図1に点線矢印で示す)。プラズマガス
流路は、外部よりプラズマガスを溶接トーチTの内部に
送り込む(図1に1点鎖線矢印で示す)。また、シール
ドガス流路は、外部よりシールドガスを溶接トーチTの
内部に送り込む(図1に2点鎖線矢印で示す)。
【0021】以下、溶接トーチTの狙い位置Oに向う方
向を先端方向とし、その反対方向を尾端方向とすれば、
基体Bの尾端部には基体Bより直径の小さい略円筒形の
電極台8の先端部が挿入されており、基体Bの内周面に
一体固着されている。電極台8の先端部の周面には軸中
心を同一にしたリング状の溝が刻まれており、基体Bの
内周面の壁との間に水路を形成する。該水路には、絶縁
水路20aを介して冷却水が流入し、基体Bのアーム部
分の内部の戻水路にこれを放出している。
【0022】基体Bより突出した電極台8の円筒状の尾
端部の内部には、先端部をスリットの切込みにより周方
向に4分割したチャック9が挿入され、締込まれてい
る。
【0023】チャック9は、中心線Loに沿って延びる
先端が円錐形に突出したタングステン棒1を挾持する。
電極台8の後端部は案内リング10内に進入してネジ結
合しており、案内リング10はカバーCで覆われてい
る。カバーCの案内リング10を電極台8に対してねじ
込むことによりチャック9の尾端部が電極台8の尾端部
の内部の円錐内壁面(テーパ面)に押し付けられて、タ
ングステン棒1の軸心に向かう方向に曲がろうとしてタ
ングステン棒1を強圧する。これによりタングステン棒
1は電極台8に対して一体に固着されている。すなわ
ち、電極台8は基体Bに対して一体であるので、タング
ステン棒1は基体Bに対して一体である。
【0024】一方、基体Bの円柱形内空間には略円筒形
である第1ノズル座2bの尾端に固着された絶縁スペー
サ7があり、絶縁スペーサ7の尾端は電極台8の先端に
固着された状態で受けられる。第1ノズル座2b内壁及
び絶縁スペ−サ7内壁に支持されて、第1ノズル部材2
が装着されている。すなわち円錐形に突出したタングス
テン棒1の先端を囲むように、中空の略円錐形である第
1ノズル部材2の先端が位置している。第1ノズル部材
2先端の、タングステン棒1先端の円錐形にならうよう
な開口がノズル2aである。ノズル2aの内開口中心は
中心線(中心線=ワ−ク指向線Loの位置)にある。
【0025】第1ノズル部材2には軸中心を同一にした
リング状の水路が刻まれており、その一部はシ−ル2s
1,2s2を介して第1ノズル座2b内壁との間に入出水路
を形成している。第1ノズル部材2を冷却する為の冷却
水は、基体Bのアーム部分内部の入水路より流入し、第
1ノズル部材2を冷却後、絶縁水路20bに流出する。
基体Bの先端寄り内側には、略円筒形である第2ノズ
ル座3bが絶縁座3iを介して固定されている。第2ノ
ズル座3bの内壁にはベアリング3b1,3b2を介して中
空筒状の第2ノズル部材3が支持され、軸心すなわち中
心線Loを中心とする回転が自在である。第2ノズル部
材3の先端部にあるノズル3aは、第2ノズル部材3の
中心線Lo(中心線=ワ−ク指向線Loの位置)に対し
てθの角度をなしている。第2ノズル部材3の尾端には
歯車37が嵌合してあり、この歯車37にタイミングベ
ルト33が結合されている。タイミングベルト33には
もう1つの歯車32が結合しており、この歯車32は電
気モ−タMの回転軸maに固着されている。したがっ
て、電気モ−タMが回転すると、第2ノズル部材3が回
転する。第2ノズル部材3が回転すれば、ノズル3aの
外開口は、第2ノズル部材3の中心線Lo(中心線=ワ
−ク指向線Loの位置)に対してθの角度を持って回転
する。
【0026】第2ノズル部材3には軸中心を同一にした
リング状の水路が刻まれており、その一部はシ−ル3s
1,3s2を介して第2ノズル座3b内壁との間に入出水路
を形成している。第2ノズル部材3を冷却する為の冷却
水は、絶縁水路20bより流入し、第2ノズル部材3を
冷却後、絶縁水路20aに流出する。
【0027】第2ノズル座3bの先端部は基体Bより突
出しており、この部分の外周には雄ねじが切ってある。
この先端部の外周にシ−ルドキャップ6がねじ結合して
いる。すなわち、第2ノズル座3bとシ−ルドキャップ
6は一体である。
【0028】基体Bのシールドガス流路に送り込まれる
シールドガスは、第2ノズル座3bに設けられた通気穴
を介して、第2ノズル部材3の外壁とシ−ルドキャップ
6の内壁が形成する空間に送り込まれて、シ−ルドキャ
ップ6先端の第3ノズル6aから第2ノズル3aの外空
間に出る。第2ノズル部材3と第2ノズル座3bとの接
触面はベアリング3b1,3b2及びシ−ル3s1,3s2を介し
て回転自在な状態を保持しつつ、水及びガスタイトな状
態を保つ。
【0029】基体Bのプラズマガス流路に送り込まれる
プラズマガスは、第1ノズル座2bに設けられた通気穴
を介して、第2ノズル部材3尾端より第2ノズル部材3
の内壁と第1ノズル部2の外壁が形成する空間に送り込
まれて、第2ノズル部材3の先端部にある第2ノズル外
開口3aから外空間に出る。ノズル3aの外開口は中心
線Loに対してθの角度をなし、ノズル3aの外開口
は、中心線すなわちワ−ク指向線Loより偏位してい
る。
【0030】また、第1ノズル部材2の内壁にはリング
状のセンタリングストーン4が固着されている。タング
ステン棒1はこのセンタリングストーン4の中心を貫通
し、その軸心は第1ノズル2aの中心軸すなわち中心線
Loと実質上一致している。センタリングストーン4に
は、第1ノズル2aの内開口に対向する先端面からその
裏側の後端面に通じる通気孔が開けられている。基体B
の電極ガス流路に送り込まれる不活性電極ガスは、第1
ノズル部材2の内壁とタングステン棒1の間の空間に送
り込まれ、センタリングストーン4の通気孔を通って第
2ノズル部材3の内空間に出て、第2ノズル部材3のノ
ズル3aの外開口から外空間に放出される。
【0031】ここまでに説明した中で、従来使用されて
いたプラズマ溶接トーチとの構造上の大きな違いは、第
1ノズル部材2と第2ノズル部材3から構成する2重ノ
ズル構造を持つこと、および第2ノズル部材3が第2ノ
ズル座3b,ベアリング3b1,3b2を介して、基体B,
第1ノズル部材2およびタングステン棒1に回転自在に
支持されている点である。従来のプラズマトーチにおい
て、2重ノズル構造を持つ態様は使用されていたが、そ
のノズル部は基体Bに対して固定された状態にあった。
あるいは揺動式プラズマト−チは提案されていたが、2
重ノズル構造を持つものは無かった。
【0032】2重ノズル構造を持つプラズマ溶接トーチ
の使用態様としては、まずタングステン棒1と先端チッ
プ(第1ノズル部)間に高周波電圧を印加してパイロッ
トアークを発生させる。次にタングステン棒1と被溶接
材との間に主電圧を印加してパイロットアークを被溶接
材に移行させ、主アークを発生させるのが一般的であ
る。
【0033】本実施例の溶接トーチTでは、まずタング
ステン棒1と第1ノズル部材2の間に高周波電圧を印加
してパイロットアークを発生させる。この時タングステ
ン棒1と第1ノズル部材2の間に供給される電極ガスは
不活性ガスである。次にタングステン棒1と第2ノズル
部材3の間に電圧を印加してパイロットアークを第2ノ
ズル部材3に移行させる。この時第1ノズル部材2と第
2ノズル部材3の間に供給されるプラズマガスは活性ガ
ス又は混合ガスであってもよい。更にタングステン棒1
と被溶接材との間に主電圧を印加してパイロットアーク
を被溶接材に移行させ、主アークを発生させる。この時
第2ノズル部材3とシ−ルドキャップ6の間に供給され
るシ−ルドガスは不活性ガスであるが、還元用の水素ガ
スを含むものであってもよい。
【0034】タングステン棒1は電極ガス(不活性ガ
ス)で被包されているのでタングステン棒は酸素と隔離
され、この為タングステン電極1の消耗が少ない。従っ
てプラズマガスに活性ガスを使用することが出来る。ま
た、プラズマガスに不活性ガスを使用する場合、電極ガ
スの流量を半減以下、又は停止しても良く、その分タン
グステン棒の寿命は長くなる。またア−クを第1ノズル
部材2と第2ノズル部材により2段階で絞っているの
で、1段ノズルタイプに比べア−クが硬直しており、す
なわち高指向性であり、ト−チと被溶接材との間隔が離
れていても、深い溶込みが得られる。またア−クのふら
つきが少なく、ア−ク電圧が高くなる為、同一電流でも
高温で熱集中性の高いア−クが得られる。
【0035】前述の機構に加えてさらに第2ノズル部材
3を回転駆動する機構を備える。これにより、発生した
主アークは、第2ノズル部材3の回転により第2ノズル
3aの外開口が描く円錐面と同様な円錐面を描くように
回転する。以下に図を参照しながら説明する。
【0036】図2に、図1の2A−2A線断面を示す。
溶接トーチTの基体Bの外周には、略箱型である支持部
材30が垂直に固着されており、支持部材30の外壁に
は電気モータMが、中心線Loと平行に支持されてい
る。モータMの回転軸maが中心線Loと平行に先端方
向に突出している。回転軸maには歯車32が固着され
ている。歯車32にはタイミングベルト33が装着され
ており、タイミングベルト33は第2ノズル部材3の尾
端部に固着された歯車37に掛け渡されている。支持部
材30の内壁には、タイミングベルト33の回転方向と
垂直に案内溝30aがある。案内溝30aには、ベルト
押えロ−ラとしてのベアリング34が装着されたU字型
のスライダ36が案内されており、ボルト35の締めつ
けにより案内溝30a内の位置を固定される。タイミン
グベルト33はベアリング34により外周を内側に向け
て押圧されており、ボルト35を緩めて案内溝30aに
沿ってスライダ36の位置を動かすことにより、ベアリ
ング34のタイミングベルト33の押圧の度合を変える
ことができる。
【0037】例えば図1および図2に実線矢印mrで示
す方向にモータMの回転軸maが回転した場合を考え
る。回転軸maとそれに固着された歯車32が実線矢印
mr方向に回転することにより、タイミングベルト33
を介して歯車37とそれが固着された第2ノズル部材3
が実線矢印mrで示す方向に回転し、従って第2ノズル
3aの外開口が同様に回転する。
【0038】図3の(a)は、溶接トーチTの先端部分
の拡大縦断面図であり、(b)は、第2ノズル部材3の
第2ノズル3aの外開口をワ−ク側から1点鎖線矢印3
Bで示した方向より見た図である。前述のように、第2
ノズル部材3の先端に設けられた第2ノズル3aは、そ
の中心線(穴中心線)がワ−ク指向線Lo(=タングス
テン棒1の中心線Lo)に対してθだけ傾斜している。
第2ノズル部材3が実線矢印mrで示す方向に回転した
時、第2ノズル部材3が1回転する時間を4分割した時
間を単位時間とすると、ある時点(:実線の丸3a)
を基準とし、それから単位時間が経過するごとにその瞬
間のノズル3aの位置をそれぞれ,,として
(b)に点線の丸で示す。すなわち、ノズル3aの外開
口は、中心線Loを中心とする円を画いて回転する。
【0039】次に本実施例による隅肉溶接の態様を説明
する。図1及び図7を参照されたい。 まず、パイロッ
ト電源Vpの電源スイッチS1をオン(図7の(A)。
以下同様)とし、更に第1パイロットア−クスイッチR
p1をオン(D)にする。すると基体Bの第1ノズル部
材2に連通する水路(金属製パイプ)にパイロット電源
Vpの正極が接続される。電極台8(タングステン電極
1と同電位)に連通する戻水路(金属製パイプ)にはパ
イロット電源Vpの負極が高周波結合用のトランスを介
して接続されている。同時に第1ガス流路Gp1を介し
てタングステン電極1と第1ノズル部材2との内空間に
電極ガスを、及び第2ガス流路Gp2を介して第1ノズ
ル部材2と第2ノズル部材3との内空間にプラズマ用ガ
スを供給(B),(C)する。
【0040】高周波電源Vhの電源スイッチS3をオン
(E)にすると、パイロット電源電圧に高周波電圧が重
畳して高電圧となり、タングステン棒1と第1ノズル部
材2先端のノズル2a間に、第1ノズルパイロットア−
クが発生(F)する。第1ノズルパイロットアークの発
生後、高周波電源Vhの電源スイッチS3をオフ(E)
にして高周波電圧の印加を停止する。
【0041】次に第2パイロットア−クスイッチRp2
をオン(G)にする。すると第2ノズル部材3とシ−ル
ドキャップ6との内空間にシ−ルドガスを通すための第
3ガス流路Gp3(金属製パイプ)にパイロット電源V
pの正極が接続される。するとタングステン棒1と第1
ノズル部材2先端に発生している第1ノズルパイロット
ア−クが、タングステン棒1と第2ノズル部材3先端ま
で伸長し、第2ノズルパイロットア−ク(H)となる。
そこで第1パイロットア−クスイッチRp1をオフ
(D)にする。しかしタングステン棒1と第2ノズル部
材3先端間には、第2ノズルパイロットア−クが継続す
る。
【0042】次に主電源Vsの電源スイッチS2をオン
(I)とする。主電源Vsの正極は垂直板Wzあるいは
水平板Wy(本実施例においては水平板Wy)に接続さ
れており、電極台8に連通する戻水路(金属製パイプ)
には主電源Vsの負極が高周波結合用のトランスを介し
て接続されている。ここで第3ガス流路Gp3を介して
第2ノズル部材3とシ−ルドキャップ6との内空間にシ
−ルドガスを供給(J)する。
【0043】第2ノズルパイロットアークが発生した状
態において主電源Vsにより主電圧を印加すると、タン
グステン棒1と主電源Vsの負極が接続された垂直板W
zあるいは水平板Wy(本実施例においては水平板W
y)との間に主アークが発生(K)する。
【0044】主ア−クを停止する場合には、シ−ルドガ
スの供給を停止し、電源スイッチS2をオフにすればよ
く、この場合第2ノズルパイロットア−クは継続した状
態にしておく。
【0045】溶接再開時にはシ−ルドガスを供給し、主
電源Vsの電源スイッチS2をオンにすれば主ア−クが
発生する。全ての溶接作業が終了した時には、電極ガス
及びプラズマ用ガスの供給を停止し、第2パイロットア
−クスイッチRp2をオフとして第2ノズルパイロット
ア−クも停止する。
【0046】尚、タングステン棒1と、第1ノズル部材
2と、第2ノズル部材3及びシ−ルドキャップ6との相
互間は、絶縁スペ−サ−7,絶縁座3i,絶縁水路20
a/20bにより電気的に絶縁されている。
【0047】主アークの発生後、必要に応じて作業者又
は溶接ロボットがモータM(が接続されたモ−タドライ
バ)に正転あるいは逆転の通電指令を与えると、モータ
Mがそれに従い、正転又は逆転する。モータMの出力軸
maが溶接進行方向xに対して図1,図2,図3および
後に提示する図4に、実線矢印mrで示す方向に回転す
るよう通電指令を与えた場合について述べる。
【0048】図4の(a)は、第2ノズル部材3が図3
の(b)にで示される位置にある時の溶接ト−チTの
先端部分の縦断面を示す斜視図であり、(b)は、第2
ノズル部材3の第2ノズル3aの外開口から出たプラズ
マがワ−クと当る位置(溶接位置)を示す斜視図であ
る。第2ノズル部材3の回転に伴い、溶接位置が図3の
(b)に示す→→→と変化し、第2ノズル3a
の外開口より噴射されるプラズマは、図4の(b)に示
すような交接線Oを中心として螺旋を画きながら垂直板
Wz,水平板Wy上を移動する。すなわち交接線Oに沿
って垂直板Wzと水平板Wyとを溶接してゆく。
【0049】図5は、第2ノズル3aの外開口の指向方
向が第2ノズル部材3の回転に伴い変化した場合の、狙
い位置Oに対する実際の溶接位置の変化を、図3の
(b)の〜対応で示したものであり、(a)はに
対応し、(b)は,に対応するとともに(c)は
に対応している。これによりプラズマが狙い位置Oを中
心に幅広に振られているのが分かる。この状態で図4の
(a)に示す溶接進行方向から溶接ワイヤを供給して溶
接する。この様にプラズマが位置で先ず隅部を先行加
熱するので、隅部での溶接性が良い。
【0050】上述の第1実施例によれば、2重ノズルを
使用することにより、タングステン電極1の周囲には不
活性電極ガスを通流し、タングステン電極1に対する酸
素供給を遮断した上で、プラズマ用ガスに活性ガスを使
用することができ、その場合でもタングステン電極1の
消耗が少ない。
【0051】また、第2ノズル部材3の第2ノズル3a
の外開口が中心線Loを中心として回転するので、放射
されるプラズマアークが狙い位置Oを中心とした大脚長
のビードを形成することが出来る。すなわち、プラズマ
トーチを用いて図6に示すような溶接ギャップの大きな
被溶接材をも溶接し得る。そして、溶融した金属にはプ
ラズマアークのアーク力により垂直板Wz側へ常に押し
上げる力が作用する為、垂直板Wz側へ常に金属が供給
されてビードは等脚長となる。第2ノズル部材3の回転
速度は電気モータMの回転と同様に一定であるので一点
にアークが集中することなく、また、アークの回転力に
より溶融プールを撹拌平滑にするので、表面が平坦でム
ラの無いビードが安定して得られる。
【0052】さらに、回転流とすることによりプラズマ
アークの狙いの範囲が広がるので、狙い位置Oよりトー
チTの狙いが多少ずれてもブリッジするようになり、高
精度の高価な倣いを必要としない上に高速で大脚長のビ
ードが形成できるので、プラズマトーチの被溶接材の種
類に対する応用範囲が広がるとともに、溶接作業効率が
向上する。
【0053】次に第1実施例の揺動式プラズマト−チを
使用して隅肉溶接を実施した結果について述べる。溶接
条件は次の通りである。 *第1ノズル 径φ=3.2mm *第2ノズル 径φ=2.8mm 角度θ=15° *溶接材料 SM400A 板厚6t *溶接ワイヤ YM−28S φ1.2 *ト−チ条件 電極ガス 0.1リットル/min(Ar) プラズマガス 0.8リットル/min(Ar) スタンドオフ 8mm シールドガス 10リットル/min(Ar+7%H2) タングステン棒 2%トリューム入りタングステン φ3.2mm トーチ前進角 5° トーチ傾斜角 45° *溶接速度 15cm/min *電流 150A *溶接ワイヤ速度 125cm/min *ノズル回転数 10Hz。
【0054】上記溶接条件における隅肉溶接の状態を図
10に示し、図11には従来の、揺動しない2重ノズル
を使用した隅肉溶接の状態を示す。図11の(a)に示
す様に、ワイヤが溶けた溶融プ−ルの上からア−クで熱
している為、ワ−クの隅部まで熱が伝わり難く、隅部で
の融合が不良となる。図11の(b)は大脚長溶接を示
し、ワイヤが溶けた溶融プ−ルは重力により水平板Wh
側に多く付き易く、下凸形の変形ビ−ドになり易い。
【0055】本実施例の2重ノズルを有する揺動式プラ
ズマト−チを使用した隅肉溶接の状態を図10に示す。
ア−クを回転させている為に、図4の(b)のの位置
(進行方向中央で隅部)に於いても、ア−クが直接ワ−
ク隅部に当るので隅部での溶融が良い。溶融プ−ルは、
同図,,の位置で形成されており、ワ−ク隅部
に於いても確実に融合し、溶接不良は発生しなかった。
【0056】また、回転ア−クを使用するので、図4の
(b)の,,の順番にア−クが回転し、ア−ク力
により溶融金属を水平板Wh側から垂直板Wz側に持ち
上げる為に垂直板Wz側へ常にメタルが供給されるの
で、大脚長溶接に於いても下凸の変形ビ−ドになること
は無く、等脚ビ−ドとなった。
【0057】−第2実施例− 図8に第2実施例の溶接ト−チTを示す。溶接ト−チT
の構造は第1実施例の図1に示したものと類似である
が、第1実施例では固定していた第1ノズル部材2が、
第2実施例に於いては第2ノズル部材3と共に回転する
構造となっている所が相違している。
【0058】このため、第1ノズル部材2と第2ノズル
部材3との間には、略円筒状の絶縁カラ−40が挿入さ
れており、第1ノズル部材2と第2ノズル部材3は、こ
の絶縁カラ−40に固着されている。即ち第2ノズル部
材3は第1ノズル部材2と一体固着である。従って、第
2ノズル部材3が電気モ−タM,歯車32,タイミング
ベルト33,歯車37を介して回転駆動されると、第1
ノズル部材2も同時に回転駆動される。
【0059】図9に、図8の2A−2A線から見た、絶
縁カラ−40の横断面を示す。絶縁カラ−40は、絶縁
円筒の外周面を120度毎に3個所、軸方向に切除した
形状の空間sp1,sp2,sp3を備えている。絶縁
カラ−40を第1ノズル部材2と第2ノズル部材3との
間に挿入した時にも、該3個所の切除部分は空間として
確保され、該空間がプラズマガス通路として使用され
る。
【0060】第1ノズル部材2のノズル2aは、第2ノ
ズル部材3の第2ノズル3aと同様に、タングステン棒
1の中心線(=ワ−ク指向線Lo)に対してθの角度を
有している。ノズル2aと3aの外開口の中心線が同一
になる位置で第1ノズル部材2と第2ノズル部材3を絶
縁カラ−40を介して連結してある。従ってタングステ
ン棒1先端部からワ−クに向うプラズマアークは、ノズ
ル2aと第2ノズル3aを通過し、プラズマアークの中
心線は、タングステン棒1の中心線(=ワ−ク指向線L
o)に対してθの角度を持つ。
【0061】第1ノズル部材2の内壁にはリング状のセ
ンタリングストーン4が固着されている。タングステン
棒1はこのセンタリングストーン4の中心を貫通し、そ
の軸心はト−チの中心線Loと実質上一致している。セ
ンタリングストーン4には、第1ノズル2aの内開口に
対向する先端面からその裏側の後端面に通じる通気孔が
開けられている。基体Bの電極ガス流路に送り込まれる
不活性電極ガスは、第1ノズル部材2の内壁とタングス
テン棒1の間の空間に送り込まれ、センタリングストー
ン4の通気孔を通って第2ノズル部材3の内空間に出
て、第2ノズル部材3の第2ノズル3aの外開口から外
空間に放出される。
【0062】なお、センタリングストーン4は第1ノズ
ル部材2に固着されているので、第1ノズル部材2が回
転すれば、中心線Loを中心として回転する。それに対
してタングステン棒1はチャック9により電極台8を介
して基体Bに対して固定されている。すなわち回転しな
い。しかしセンタリングストーン4はタングステン棒1
に対し回転自在であるので、第1ノズル部材2の回転を
妨げることはない。
【0063】第2実施例の溶接ト−チTの他部分は、第
1実施例と同様であるので説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の溶接トーチTの縦断面
図である。
【図2】 図1に示す溶接トーチTの揺動機構を示す横
断面図(図1の2A線断面図)である。
【図3】 (a)は、図1に示す溶接トーチTの先端部
分の拡大縦断面図であり、(b)は、トーチTの先端部
を(a)の1点鎖線矢印3Bで見た平面図である。
【図4】 (a)は、図1に示す溶接トーチTが図3に
で示される位置にある時の溶接トーチTの先端部分の
縦断面を示す斜視図であり、(b)は、ノズル2aの回
転による垂直板Wz,水平板Wy上の溶接位置を示す斜
視図である。
【図5】 (a)は、図1に示すノズル2aの位置が図
3の(b)に示すの位置にある時の、第1ノズル部材
2のノズルから噴射するプラズマの方向を示す縦断面
図、(b)はノズル2aの位置が図3の(b)に示す
,の位置にある時の縦断面図、(c)はノズル2a
の位置が図3の(b)に示すの位置にある時の縦断面
図である。
【図6】 (a)は、上下方向に隙間のある状態で配置
された板状の被溶接材W1,W2の溶接部分のギャップ
dを表す横断面図であり、(b)は、並行に並べられた
パイプ状の被溶接材の溶接部分のギャップdを表す横断
面図であり、(c)は、垂直に立てられた被溶接材W5
の表面と90度に折り曲げられた被溶接材W6の角部に
よる溶接部分のギャップdを表す横断面図であり、
(d)は、板状の被溶接材W7の端部と、表面に段差の
ある被溶接材の段差部による溶接部分のギャップdを表
す横断面図である。
【図7】 図1に示す溶接ト−チTのパイロットア−ク
及びメインア−クの着火順序を示すタイムチャ−トであ
る。
【図8】 本発明の第2実施例の溶接トーチTの縦断面
図である。
【図9】 図8に示した溶接ト−チTに使用している絶
縁カラ−40の断面を示す横断面図である。
【図10】 図1に示す溶接ト−チTを隅肉溶接に使用
した時の溶接状態を示す横断面図である。
【図11】 (a)は、従来の揺動しない2重ノズルを
隅肉溶接に使用した時の溶接状態を示す横断面図であ
り、(b)は、これを大脚長溶接に使用した時の溶接状
態を示す横断面図である。
【符号の説明】
1:タングステン棒 2:第1ノズル部材 2a:第1ノズル 2b:第1ノズル座 2s1,2s2:シ−ル 3:第2ノズル部材 3a:第2ノズル 3b:第2ノズル座 3i:絶縁座 3b1,3b2:ベアリ
ング 3s1,3s2:シ−ル 4:センタリングス
トーン 6:第3ノズル部材 6a:第2ノズル 7:絶縁スペーサ 8:電極台 9:チャック 10:案内リング 20a,20b:絶縁水路 30a:案内溝 30,31:支持部材 32,37:歯車 33:タイミングベルト 34:ベアリング 35:ボルト 36:スライダ 40:絶縁カラ− B:基体 C:カバー GP1:第1ガス通
路 GP2:第2ガス通路 GP3:第3ガス通
路 Lo:ワ−ク指向線 M:モータ ma:回転軸 O:接触点(狙い位
置) Rp1:第1パイロットア−クスイッチ Rp2:第2パイロットア−クスイッチ S1:パイロット電源スイッチ S2:主電源スイッ
チ S3:高周波電源スイッチ sp1,sp2,s
p3:空間 T:溶接トーチ Vh:高周波電源 Vp:パイロット電源 Vs:主電源 Wy:水平金属平板(水平板) Wz:垂直金属平板
(垂直板) θ:偏位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−50249(JP,A) 特開 平3−236191(JP,A) 特開 昭54−16344(JP,A) 特開 昭48−68196(JP,A) 実開 昭63−196375(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 10/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電電極;該放電電極の長軸方向を取り囲
    み、放電電極のワ−ク指向線と同軸な第1ノズルを備え
    る第1ノズル部材;前記放電電極と第1ノズル部材とが
    形成する内空間に、電極ガスを供給する第1ガス通路;
    第1ノズル部材の長軸方向を取り囲み、前記放電電極の
    ワ−ク指向線に対して外開口が偏位した第2ノズルを有
    する第2ノズル部材;第1ノズル部材と第2ノズル部材
    が形成する内空間にプラズマ用ガスを供給する第2ガス
    流路;第2ノズル部材とその外側のシ−ルドキャップと
    の間にシ−ルドガスを供給する第3ガス流路;および、 第2ノズル部材を前記ワ−ク指向線を実質上中心にして
    回転駆動する駆動手段;を備える揺動式プラズマト−
    チ。
  2. 【請求項2】放電電極;該放電電極の長軸方向を取り囲
    み、放電電極のワ−ク指向線に対して外開口が偏位した
    第1ノズルを備える第1ノズル部材;前記放電電極と第
    1ノズル部材とが形成する内空間に、電極ガスを供給す
    る第1ガス通路;第1ノズル部材の長軸方向を取り囲
    み、前記放電電極のワ−ク指向線に対して偏位しかつ第
    1ノズルと整合した第2ノズルを有する第2ノズル部
    材;第1ノズル部材と第2ノズル部材が形成する内空間
    にプラズマ用ガスを供給する第2ガス流路;第2ノズル
    部材とその外側のシ−ルドキャップとの間にシ−ルドガ
    スを供給する第3ガス流路;および、 第1ノズル部材および第2ノズル部材を前記ワ−ク指向
    線を実質上中心にして同方向に同速度で回転駆動する駆
    動手段;を備える揺動式プラズマト−チ。
  3. 【請求項3】第1ノズル部材と第2ノズル部材を、絶縁
    材で一体に結合した、請求項2記載の揺動式プラズマト
    −チ。
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