JP3364530B2 - 半導体レーザ装置、光ディスク装置のトラッキング機構及び画像記録装置 - Google Patents
半導体レーザ装置、光ディスク装置のトラッキング機構及び画像記録装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーザビームプリン
タ、光ディスク装置等において光源として使用される半
導体レーザ装置に関し、特に、注入電流を制御すること
により出射面におけるレーザ光のビーム位置を移動させ
ることが可能な半導体レーザ装置に関する。また、本発
明は、レーザ光のビーム位置を移動させることが可能な
半導体レーザ装置を使用した光ディスク装置のトラッキ
ング機構、及び、レーザビームプリンタ等の画像記録装
置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえば、レーザビームプリンタにおい
ては、半導体レーザから出たレーザビームを回転多面鏡
で反射させることにより偏向させて感光体の表面を主走
査方向に走査している。また、光ディスク装置において
は、レーザビームの照射位置を記録トラックに一致させ
るために、サーボモータにより駆動される可動光学系を
使用している。 【0003】しかしながら、回転多面鏡や可動光学系は
構成が複雑で大型であり、かつ機械的にレーザビームを
走査しているため高速の動作が制限されるという問題が
あった。 【0004】そこでこの問題を解決するために、半導体
レーザから出射されるレーザビームを半導体レーザの出
射面上で直接走査する技術が提案されている(たとえ
ば、D.R.Scifres他:「Beam scan
ning with twin−stripe inj
ection lasers」,Appl.Phys.
Lett.33(8),15 October,197
8,pp.702−704、特開平3−57633号公
報、特開昭63−23383号公報等参照)。 【0005】たとえば、上記特開昭63−23383号
公報においては、2本の注入電極を有する半導体レーザ
の一方の共振器端面側に、半導体レーザの活性層より広
い禁制帯幅を有する光導波領域が形成され、その光導波
領域には、光共振器方向と同一方向に、ストライプ状の
電流流入領域が1本ないし複数本形成された光ビーム偏
向型半導体レーザが提案されている。 【0006】ここでは、半導体レーザ部において2本の
注入電極によりそれぞれ独立に電流を流し、注入キャリ
ア濃度の勾配によって光の位相に変調がかかるために、
活性層での光の波面が曲がり、出射ビームが偏向する。
さらに、この偏向されたビームが光導波路部に導入さ
れ、光導波路に設置された複数本の注入電極によりキャ
リアが注入され、この光導波路内で位相が変調される。
ここでの注入電流値を適当に選べば、光導波路から出射
される時の出射面上でのビーム位置を移動することがで
きる。 【0007】しかしながら、上記特開昭63−2338
3号公報に記載の構成では、同一基板上に禁制帯幅の異
なる活性層と光導波層を形成しなければならず、このよ
うな半導体層の形成は非常に困難であるという問題があ
る。また、レーザビームの出射位置を大きく移動させる
ためには、光導波領域を長く形成しなければならない。
しかしながら、このように光導波領域が長くなると、光
導波領域内での光の広がりによる光損失や、光導波領域
の自由キャリアによる光吸収に起因した光損失が増大す
るという問題がある。また、出射位置により出射角度が
異なるため、半導体レーザから出射されたレーザビーム
を平行光とするために設けるコリメートレンズへの入射
光量が出射位置によって変化するという問題がある。さ
らに、光導波領域内で位相が変調されているために、出
射面上におけるレーザビームのスポット形状もレーザビ
ームを偏向させるとその偏向方向に歪んで非対称とな
り、出射位置によって変化するという問題がある。 【0008】また、上記Appl.Phys.Let
t.33(8),15 October,1978,p
p.702−704及び特公平3−57633号公報に
は、活性層におけるキャリア密度が共振器方向に対して
非対称であると、注入したキャリアによって生じる活性
層における屈折率分布も非対称となり、出射されるレー
ザビームが偏向されることが開示されている。これは2
本のストライプ状の電極からキヤリアを注入した時の、
活性層におけるキャリア密度分布が非対称となるためで
ある。 【0009】しかしながら、このようにキャリア密度分
布が非対称となると、レーザビームの断面すなわちプロ
ファイルが歪んでしまうという問題が生じる。特に、電
極間の距離が拡散長よりも長くなると、キャリア密度分
布は双峰性となって非対称性が強まり、その非対称性は
隣り合ったストライプ状電極間の距離に強く依存する。
このためレーザビームの断面の歪は一層顕著なものとな
る。また、レーザビームを偏向することにより走査を行
っているので、偏向の左右端部においては、レーザビー
ムが照射面に対して斜めに入射することになり、照射面
におけるビームスポットの形状が歪んでしまう。 【0010】レーザビームのプロファイルや照射面にお
けるビームスポットの形状が歪むと、光ディスク装置や
画像記録装置において、レーザビームを使用して情報や
画像を記録する際の記録密度が低下したり記録品質が低
下したりする問題が生じる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、半導体レーザ領域とは別に光導波領域を設けること
なく、半導体レーザのレーザビームの出射位置が移動で
き、レーザビームの移動によってもその出射方向は一定
で、かつレーザビームの形状がそのピークを中心に対称
となる半導体レーザ装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも3
つの互いに独立に制御可能な共振器方向に伸びるストラ
イプ状電極を共振器方向に垂直な方向に並べて配置した
半導体レーザ装置において、前記ストライプ状電極の幅
及び間隔を、キャリアの拡散長よりも小さくしたことを
特徴とする。 【0013】また本発明は、上記半導体レーザ装置の駆
動方法であって、前記少なくとも3つのストライプ状電
極から同時に電流を注入すると共に、3つのストライプ
状電極の中の両側のストライプ状電極から注入する電流
の量を相補的に変化させることを特徴とする。 【0014】 【作用】図1及び図2を参照して、本発明の作用を具体
的に例を挙げて説明する。 【0015】図1(a)は、1本のストライプ状電極を
有する半導体レーザ装置の概略断面図、同図(b)は、
同図(a)に示される半導体レーザ装置のキャリア密度
分布を示す説明図である。 【0016】レーザビームの出射方向に対して垂直で、
活性層に沿った横方向に光の閉じ込め構造のない、いわ
ゆる利得導波型レーザでは、光が利得をもっとも多く得
られる位置、すなわち活性層でのキャリア密度が最も高
くなる位置でレーザ発振が生じる。利得導波型レーザ
は、図1(a)に示すように、基板51上に第1のクラ
ッド層52、活性層53、第2のクラッド層54、コン
タクト層55が順次積層されている。コンタクト層55
上にはストライプ状電極56が形成され、また、基板5
1の裏面全面にも電極57が形成される。 【0017】図1(a)に示すような一つのストライプ
状電極56を有する半導体レーザの構造では、通常、ス
トライプ状電極56から注入されたキャリアは、コンタ
クト層55および第1のクラッド層54で広がり、さら
に活性層53において横方向に拡散し、その拡散長は大
体2〜3μmと見積もられている。したがって、活性層
53におけるキャリア密度の分布は、図1(b)に示す
ような形状となり、利得はキャリア密度にほぼ比例して
いるため、利得分布もこのキャリア密度と同様の分布と
なる。 【0018】そこで、本発明においては、図2(a)に
示すように、幅及び隣り合った距離がキャリアの拡散長
程度かもしくはそれよりも短い3本以上のストライプ状
の電極56A,56B,56Cを形成する。それぞれの
電極56A,56B,56Cから個別にキャリアを注入
した時のキャリア密度の分布は、それぞれ図2(b)に
A,B,Cで示す細線となるが、各電極から同時にキャ
リアを注入すると、これらの電極がキャリアの拡散長よ
りも近接しているために、それらは重ね合わされて図2
(b)の太線で示すように単一ピークを持ったキャリア
密度分布となり、単一の利得領域が形成され、一つのレ
ーザビームが出射される。 【0019】このように電極をキャリアの拡散長よりも
近接させ、さらにそれぞれの電極からのキャリアの注入
量を独立に制御することによって、キャリア密度分布の
形状も変えることができる。 【0020】したがって、二つの電極に注入されるキャ
リアの量を相補的に変化させることにより、キャリア密
度分布のピーク位置を一方の電極から他方の電極まで連
続的に移動させることができる。レーザビームの出射位
置はキャリア密度分布のピーク位置と一致するので、レ
ーザビームの出射位置も連続的に移動させることができ
る。すなわち、電極の間隔以下の精度でレーザビームの
出射位置を制御することが可能となる。 【0021】また、2本の電極のみでレーザビームの位
置を移動させる場合、隣り合った電極の間の距離がキャ
リアの拡散長よりも長いと、電極間にキャリアを注入で
きない領域が生じ、レーザビームを連続的に移動できな
い。したがって、隣り合った電極の間の距離はキャリア
の拡散長程度と制限されるため、レーザビームの移動で
きる距離も数μm程度に制限される。 【0022】そこで、幅及び隣り合つた距離がキャリア
の拡散長程度かもしくはそれよりも短い多数のストライ
プ状の電極を形成し、その内のいくつか近接した複数の
電極を選んでキャリアを注入することによって、ストラ
イプ状の電極が形成されている広い範囲の任意の位置に
利得領域を形成し、レーザビームを出射することができ
る。さらに、いくつかの電極からキャリアを注入し、特
定の位置からレーザビームを出射させた状態から、隣接
した電極ヘキャリアの注入量を連続的に変化させること
によって、半導体レーザから出射されるレーザビームの
出射位置を、活性層に沿った横方向に広い範囲に渡って
連続的に移動することもできる。 【0023】前述のようにストライプ状の電極の隣り合
った距離をキャリアの拡散長よりも短くすることによっ
て、キャリア密度分布を単峰性とし、非対称性を抑制す
ることができる。 【0024】また、2本の電極によってその電極間でレ
ーザビームの位置を移動させる場合では、レーザビーム
の位置と光出力を決めるとキャリア密度分布の形状は一
義的に決まってしまうため、非対称となったキャリア密
度分布を補正することができない。そこで、一つの利得
領域を形成するキャリア密度分布を常に3本以上の電極
からのキャリアの注入によって形成し、レーザビームの
位置を移動させると、電極の数が多い分だけ自由度が高
くなり、レーザビームの位置と光出力が決まっていて
も、キャリア密度分布の形状を変え、対称な形状となる
よう補正することができる。したがって、一つの利得領
域を形成するキャリア密度分布を形成するための電極の
数をさらに増やすことにより、任意のキャリア密度分布
を形成することができる。 【0025】また、一般に利得導波型レーザでは、横モ
ードが不安定で遠視野像は双峰性となりやすいが、電子
技術総合研究所研究報告No.934(1992年)に
よれば、利得導波構造の半導体レーザにおいても、活性
層におけるキャリア密度分布の中央部に凹みを設けるこ
とによって屈折率導波的となり、安定な横モードで単峰
性の遠視野像が得られることが報告されている。これ
は、キャリア密度によって屈折率が変化することを利用
し、凹みの領域での実効的な屈折率が高くなるためであ
る。しかしそこでは、2本の電極により利得領域を形或
しているため、凹みのあるキャリア密度分布を設ける範
囲は電極間の一部と狭い。 【0026】そこで、複数の電極からキャリアを注入
し、その際、両端から注入するキャリアの注入量に比べ
中央部の電極からのキャリアの注入量を減らしてキャリ
ア密度分布に凹みを設け、前述したように隣り合った電
極へとキャリアの注入量を連続的に変化させていくこと
により、安定な横モードで単峰性の遠視野像のレーザビ
ームを移動させることが可能となる。 【0027】さらに、出射されるレーザビームの移動を
細かく制御するために、共振器方向の前後で電極を分離
する。そして、出射側では電極からのキャリアの横方向
への広がりを変えることによって、横方向の屈折率を変
えて光の閉じ込めを行い、出射されるレーザビームの横
モードを制御する。一方、出射側とは反対側では電極か
らのキャリアの注入量を変えることによって、光出力を
制御する。これにより、光出力を横モードとは独立に変
えることができるため、横モードの制御の自由度が高く
なる。 【0028】 【実施例】図3は、本発明の第1の実施例を示す半導体
レーザ装置の斜視図である。 【0029】図3において、1はn型GaAs基板、2
はn型GaAs第一バッファ層、3はn型Al0.2 Ga
0.8 As第二バッファ層、4はn型Al0.4 Ga0.6 A
s第三バッファ層、5はn型Al0.6 Ga0.4 As第一
クラッド層、6は量子井戸活性層、7はp型Al0.6 G
a0.4 As第二クラッド層、8はp型GaAsコンタク
ト層、9A〜9Hはそれぞれ独立して設けられたストラ
イプ状のp側電極、10は絶縁膜、12A〜12Hは配
線、13A〜13Hはボンディングパッド、14はn側
電極、15は発光領域である。 【0030】図3に示す半導体レーザにおいて、ワイヤ
ー(図示せず)から注入された電流は、ボンディングパ
ッド13A〜13Hから配線12A〜12Hを通って各
ストライプ状のp側電極9A〜9Hに流れ、さらに量子
井戸活性層6に注入されることにより、発光領域15に
おいてレーザ発振が生じる。この時、各ストライプ状の
p側電極9A〜9Hに流れる電流量を制御することによ
ってレーザビームの位置を移動させる。このレーザビー
ムの位置移動の動作の詳細については後述する。 【0031】次に、図4を用いて上記半導体レーザ装置
の製造方法を説明する。 【0032】まず、図4(a)に示すように、Siドー
プGaAs基板1上に、Seドープでなる厚さ0.1μ
mのGaAs第一バッファ層2、Seドープでなる厚さ
0.1μmのAl0.2 Ga0.4 As第二バッファ層3、
Seドープでなる厚さ0.1μmのAl0.4 Ga0.6 A
s第三バッファ層4、SeドープAl0.6 Ga0.4 As
でなる厚さ1μmの第一クラッド層5、アンドープGa
Asでなる厚さ10nmの井戸層3層をアンドープAl
0.3 Ga0.7 Asでなる厚さ5nmの障壁層2層によっ
て分離し、これらをアンドープAl0.3 Ga0.7 Asで
なる厚さ0.1μmの光導波層2層で挟んだ量子井戸活
性層6、MgドーブAl0.6 Ga0.4 Asでなる厚さ1
μmの第二クラッド層7、MgドープGaAsでなる厚
さ0.1μmのコンタクト層8からなる半導体層をMO
CVD法により順次積層する。 【0033】このコンタクト層8上に、フォトリソグラ
フィによりフォトレジストにストライプ幅が0.5〜1
0μmでストライプ間の間隔が0.5〜5μmのストラ
イプ状の窓を8本形成する。次に、この上面全面にp側
電極9A〜9Hを厚さ50〜1000nm蒸着した後、
フォトレジストを除去することにより、フォトレジスト
上のp側電極9A〜9Hをリフトオフによって除去し、
図4(b)に示すようにストライプ幅が0.5〜10μ
mでストライプ間の間隔が0.5〜5μmのp側ストラ
イプ状電極9A〜9Hを互いに電気的に分離して形成す
る。ここではp側ストライプ状電極の数を8本としてい
るが、必要に応じてその数を変えてよい。 【0034】次いで、全面にスパッタにより絶縁膜とし
てSi3 N4 膜10を厚さ200nm着膜し、フォトリ
ソグラフィによってフォトレジストにp側ストライプ状
電極9A〜9Hのストライプ方向に対して平行な方向の
長さが1〜50μmでストライプ方向に対して垂直な方
向の長さが0.5〜10μmの窓に対応する部分をp側
ストライプ状電極9A〜9Hのそれぞれ上部に形成す
る。この場合、後で形成する配線が接触もしくは交差し
ないように、それぞれの窓はストライプ方向にずらして
配置する。その後、このフォトレジストを除去すること
によって、図4(c)に示すように、Si3 N4 膜10
に窓11A〜11Hを形成する。 【0035】その後、配線とボンディングパッドとなる
金属を全面に厚さ100〜1000nm蒸着する。これ
にフォトリソグラフィによって配線とポンディングパッ
ドのパターンをフォトレジストによって形成し、このフ
ォトレジストをマスクとして金属をエッチングした後、
フォトレジストを除去することによって配線12A〜1
2Hとボンディングパッドl3A〜13Hを形成する。
その後、GaAe基板1側を100μmにまで研磨した
後、n側電極14を蒸着することにより、図3に示した
半導体レーザ装置が形成される。 【0036】ここで用いる絶縁膜としては、SiO2 膜
やSi3 N4 膜のように電気的に絶縁体で、GaAsを
腐食しないものであればよい。また、p側電極となる金
属の材料にはAu,AuZn,Cr,Ti,Ptのいず
れかもしくはこれらの組合せたものを用いることができ
る。 【0037】また本発明の半導体レーザ装置は、前記実
施例の半導体組成以外で構成することもでき、例えばA
lGaInP混晶系、GaInAsP混晶系、AlIn
AsP混晶系、ZnSSe混晶系、CdZnSSe混晶
系等の材料系であっても実施可能である。 【0038】図5は、上記した半導体レーザ装置のスト
ライプ状電極の形状を表した平面図である。図5におい
て、ビームが出射される下側の端面から反対側の端面ま
で、均一な幅のp側ストライプ状電極が、コンタクト層
8上に共振器方向(図5において上下方向)に8本形成
されている。ここで本実施例においては、各ストライプ
状電極9A〜9Hの幅及び隣り合った距離が、キャリア
の拡散長程度かもしくはそれよりも短く選択されてい
る。 【0039】次に、半導体レーザの出射面におけるレー
ザのビーム位置を移動させるため、活性層6での電流密
度の分布を変える具体的な方法について、図6及び図7
を用いて詳細に説明する。図6は、活性層へ電流注入を
行うための光の出射方向に伸びた複数のストライプ状電
極が形成された半導体レーザにおいて、電極幅が3μm
以上で、間隔が2μm以上と広い場合に、二つの電極に
よりビーム位置を移動させる時の電流注入方法を示す図
である。図6(a)は、ストライプ状電極の配置を示す
断面図、同図(b)は電流密度分布の変化を示す説明
図、同図(c)は各ストライプ状電極の注入電流の変化
を示す説明図である。 【0040】まず、時間t=t0 で、電極9Aよりレー
ザの発振しきい電流以上の電流を注入することにより、
活性層6での電流密度の分布は細線で示したようにな
り、半導体レーザの出射端面における光分布は太線とな
り、ビーム出射位置は電流密度分布のピーク位置aとな
る。 【0041】次に、図6(b)に示すように、電極9A
からの電流注入を減らしながら、電極9Bから電流を注
入することによって、それぞれの電極9A,9Bから注
入された電流密度の分布は細線となる。但し、この細線
はそれぞれの電極9A,9Bに個別に電流を注入した場
合の分布を示している。電極9A,9Bに同時に電流を
注入すると、電極9A,9Bはキャリアの拡散長よりも
近接して配置されているので、活性層6における実際の
電流密度の分布はこれらの重ね合わせたものとなる。し
たがって、電流密度分布のピーク位置が電極9B側に移
動し、t=t1においては、ビーム出射位置もaから電
極9B側のbに移動する。 【0042】さらに、電極9Aからの電流注入を減ら
し、電極9Bからの注入電流量を増加させていくと、ビ
ーム位置は、t=t1 ,t2 ,t3 において、それぞれ
c、dを経て、電極9Bからの電流注入のみの場合のe
の位置へ移動する。同様にして、電極9Cおよびこれと
並列にならべた複数の電極から注入する電流量を制御す
ることにより、ビーム位置を連続的に移動させることが
できる。 【0043】上述したように、隣接した二つの電極の一
方の電極の電流を順次増加させながら、他方の電極の電
流を順次増加させることにより、電流密度分布のピーク
位置が移動し、これに伴ってビーム位置を連続的に移動
させることができる。 【0044】ところで、隣接した二つの電極に流れる電
流は、ビーム出射位置が二つの電極の中心にあるときを
除いて互いに異なっている。このように隣接した二つの
電極に流れる電流の値が異なっていると、電流密度分布
を詳細に観察すると、電流密度分布がピーク位置に関し
て左右非対称となる。たとえば、t=t3 においては、
電流密度分布の右側の傾斜は左側の傾斜に比べて急にな
っている。電流密度分布が非対称になると、レーザビー
ムの左右で発光条件が異なってしまい、真円であるべき
レーザビームのプロファイルが楕円等に歪んでしまう。
レーザビームのプロファイルが歪むと、このレーザビー
ムを使用して画像の記録や情報の記録を行う場合に、記
録密度の低下や記録品質の低下等の問題が生じる。 【0045】そこで、以下に示す実施例においては、三
つの電極を使用してビーム位置を移動させることによ
り、レーザビームのプロファイルの歪みを少なくしてい
る。 【0046】図7には、電極幅が3μm以下で間隔が2
μm以下と狭い場合において、三つの電極によりビーム
位置を移動させる時の電流注入方法を示す。図7(a)
は、ストライプ状電極の配置を示す断面図、同図(b)
は電流密度分布の変化を示す説明図、同図(c)は各ス
トライプ状電極の注入電流の変化を示す説明図である。 【0047】図7(b)に示すように、t=t0 におい
て、電極9Aと電極9Bの間にビーム位置がくるよう、
電極9Aと電極9Bから等しい電流を注入している状態
から、t=t1 〜t4 にかけて、電極9Bから注入する
電流を一定に保ったまま、電極9Aから注入する電流を
減らし、それと同時に電極9Cから注入する電流を増加
させる。 【0048】これによって、活性層6におけるそれぞれ
の電極9A,9B,9Cから注入された電流密度の分布
は細線に示す形状となり、実際の電流密度の分布はこれ
らの重ね合わせで、ビーム位置は電極9A,9B間側か
ら電極9B,9C間側に移動する。 【0049】同様に、並列にならべた複数の電極の、中
心となる電極から注入する電流を一定に保ち、両隣の電
極から注入する電流を相補的に増減させることによっ
て、ビーム位置を移動させることができる。 【0050】また、電極幅や間隔に拘わらず、電極数を
増やすことによってビーム位置の移動距離を長くするこ
ともできる。 【0051】また、さらに多数の電極から同時に電流を
注入することによって一つのビームを形成した場合、そ
れぞれの電極から注入する電流量を制御することでビー
ムのプロファイルの歪みを少なくすることができる。 【0052】すなわち、先に説明したように、二つの電
極のみを使用した場合には電流密度の分布が非対称とな
るが、図7に示す実施例においては、個別の電流密度の
分布で見たときの最大ピーク値を有する電流密度分布の
両側に、これよりもピーク値が低い電流密度分布が存在
するので、電流密度分布の形状は対称に近づく。したが
って、レーザビームの左右における発光条件が略等しく
なり、ビームのプロファイルの歪みが少なくなり、記録
密度の低下や記録品質の低下等の問題が生じることはな
い。 【0053】図8は、本発明の半導体レーザ装置におい
て使用されるストライプ状電極の他の形状を表した平面
図である。図8に示す実施例においては、複数のストラ
イプ状電極が、更に共振器方向(図8において上下方
向)にも分割され、出射面側電極群9A〜9Hと反射面
側電極群9I〜9Pが形成されている。反射面側電極群
9I〜9Pは出射面側電極群9A〜9Hに対して電極中
心間隔の半分だけ、共振器方向に垂直な方向にずれた位
置に設けられている。すなわち、出射面側電極の共振器
方向への中心線が、隣り合う二本の反射面側電極間の中
心に位置し、反射面側電極の共振器方向への中心線が、
隣り合う二本の出射面側電極の中心に位置している。各
電極は、それぞれに注入する電流が独立に制御されるよ
う電気的に分離して形成されている。 【0054】図8に示す実施例においては、共振器方向
に垂直な方向で見て隣接する一方の電極群の電極と他方
の電極群の電極とを組み合わせて使用することにより、
活性層におけるキャリア密度の分布を細かく制御するこ
とができる。 【0055】また、図8に示す実施例においては、以下
に説明するように、レーザビームの出射点を移動させる
際の横モード幅の広がりを抑えることができる。 【0056】図9(a)はストライプ状電極の配置を模
式的に示す平面図、同図(b)は電流密度分布の変化を
示す説明図、同図(c)は各ストライプ状電極の注入電
流の変化を示す説明図である。但し、図9(a)におい
ては、説明を簡単にするため五つのストライプ状電極し
か図示していない。 【0057】コンタクト層8上に、共振器方向の前部と
後部のそれぞれの領域にストライプ状電極9が形成さ
れ、電極9A,9B,9C側の端面がビームの出射面と
する。出射面側の電極9A,9B,9Cから注入された
電流密度分布は太線で、後部の電極9I,9Jから注入
された電流密度分布は細線で表している。 【0058】まず、時間t=t0で電極9Aと電極9I
から電流を注入することによってレーザ発振を生じさせ
る。この時、出射側では、電極9A下部の活性層に利得
領域が形成されているため、ビームは電極9A下部から
出射され、出射面における横モード幅は電極9Aから注
入された電流の活性層における広がりによる利得領域の
幅によって決まる。 【0059】次に、電極9Aからの電流を減少させると
同時に電極9Bからの電流を増加させる。この時、出射
側では、電極9A下部と電極9B下部の間に利得領域が
形成される。したがって、出射面における横モード幅は
電極9Aと電極9Bからの電流の活性層における広がり
によって決まる。そこで、t=t1 では電極9Aと電極
9Bから注入する全電流量を小さくすることによって、
出射面側の活性層における電流の広がりを小さくし、利
得領域の幅が大きくなることを抑えることができる。そ
の場合、同時に電極9Iからの電流量を増加させること
によって、電極9Aと電極9Bからの電流量が少なくな
った分を補い、光出力を一定に保つ。また、t=t2 、
t3 のように電極9Aと電極9Bからの電流量の比率を
変えることで、電極9Aと電極9B間でビーム位置を変
えることができる。 【0060】その後、電極9Aと電極9Iからの電流を
減少させると同時に電極9Bからの電流を増加させて、
t=t4では電極9Bと電極9Iからのみ電流を注入す
ることによって、出射側では、電極9B下部に利得領域
が形成され、ビームは電極9B下部から出射される。 【0061】これにより、ビームの広がりを制御しなが
ら、ビームを移動させることができる。その後、電極9
Iから電極9Jへスイッチングを行うことにより、同様
にして電極9B下部から電極9C下部へビームを移動さ
せることができる。このようなビームを移動させること
ができるストライプ状電極を多数ならべることによっ
て、出射面の広い範囲に渡ってビームを移動させること
が可能となる。 【0062】本発明の半導体レーザ装置は、たとえば、
光ディスク装置のトラッキング機構の光源として使用す
るのに適している。光ディスク装置では、光ディスク上
に、情報を記録したり、また記録された情報を光学的に
再生するためには、光学ヘッドから出射されるレーザビ
ームを光ディスク上のトラックの的確な位置に照射する
必要があり、このため光ディスク装置には、いわゆるト
ラッキングサーボ機構が設けられている。 【0063】本発明による半導体レーザ装置を用いるこ
とで、半導体レーザから出射されるレーザビームを直接
移動させることにより、レンズを機械的に変位させるこ
となく目的のトラック上にレーザビームを照射すること
ができる。 【0064】図10は、先に説明した半導体レーザ装置
を用いた光ディスク装置のトラッキングサーボ機構を示
す。また、図11は、光ディスクの情報トラックとレー
ザビームのスポットとの関係を示す。 【0065】図10及び図11において、24は光学的
に検出可能な標識の形で記憶された情報トラック24a
を持つ光学ディスク、20は光学ディスク24に入射す
るレーザビームを発生する半導体レーザ光源、27は半
導体レーザ装置20からビーム光路に沿って情報トラッ
ク24a及びこれに隣接する情報トラック24a間の非
記録領域24bの両方にまたがる部位へレーザビームを
差し向けるビーム差し向け装置としてのハーフミラー、
22は差し向けられたレーザビームを情報トラックと非
記録領域のまたがり部位に集束しかつそこからの反射ビ
ームを受け取る対物レンズ、23は対物レンズ22を保
持するレンズ固定セル、21は反射ビームを受け取り電
気信号に変換する光検出器、28は光検出器21からの
電気信号に基づいて半導体レーザ装置20に注入する電
流を制御するレーザ駆動装置、29はフィードバック回
路をそれぞれ示す。上記半導体レーザ装置20は、出射
位置の移動方向が情報トラック24aを横切る方向(矢
印Xで示す)となるように配置されている。 【0066】上記構成において、半導体レーザ装置20
から出た光をハーフミラー27で反射し、固定されたレ
ンズ22によって光学ディスク24上に集光し、光学デ
ィスク24で反射された光を検出器21によって検出す
ることによりトラックからのずれを感知する。 【0067】次いで、フィードバック回路29により半
導体レーザ装置20への電流注入を制御して、活性層6
に注入された電流密度の分布を変え、出射面における放
出されるレーザ光の強度分布を変化させ、これによっ
て、半導体レーザ装置20から出射されるレーザビーム
25の位置を情報トラック24aを横切る方向に移動さ
せて光学ディスク24上のスポット26の位置を、破線
で示すずれた位置から実線で示す正しい位置に修正する
トラッキングサーボ機構が構成される。 【0068】このシステムでは、半導体レーザ装置の直
接変調によってレーザ発振の生じる利得領域を形成し、
スポット位置を修正していることから、その周波数帯域
は数十MHzとなり、データの転送速度の高速化が可能
となる。 【0069】また、本発明の半導体レーザ装置は、レー
ザビームプリンタ等のレーザビームを用いた画像記録装
置の光源として使用するのに適している。 【0070】図12は、先に説明した半導体レーザを用
いた画像記録装置を示す。感光ドラム31の周囲には、
この感光ドラム31の表面を一様に帯電する帯電器32
と、表面が一様に帯電された感光ドラム31の表面に光
を照射して静電潜像を形成する露光装置33と、静電潜
像を現像して可視のトナー像を生成する現像器34と、
感光ドラム31上のトナー像を用紙等の記録媒体35上
に転写する転写器36と、転写後に感光ドラム31上に
残ったトナーを除去するクリーニング装置37と、静電
潜像を消去する除電器38等が順次配置されている。 【0071】上記露光装置33は、先に説明した出射点
を移動可能な半導体レーザ装置33aと、この半導体レ
ーザ装置33aから出射されたレーザビームをコリメー
トするコリメータレンズ33bと、コリメートされたレ
ーザビームを感光ドラム31上の主走査方向に走査する
ための走査ミラー33cと、レーザビームを感光ドラム
31上に集光させる結像レンズ33dとを備えている。
なお、半導体レーザ装置33aは、レーザビームの出射
点が感光ドラム31の円周方向、すなわち、副走査方向
(矢印Xで示す)に移動するように配置されている。 【0072】図12に示すレーザビームプリンタにおい
ては、基本的には図13(a)に示すように、感光ドラ
ム31上のレーザビームのスポットを感光ドラム31の
軸方向に移動させることにより主走査方向の走査を行
い、感光ドラムを回転させることにより、副走査方向の
走査を行う。 【0073】ここで本実施例のレーザビームプリンタに
おいては、図13(b)に示すように、1回の主走査を
行う間に半導体レーザ装置33aのレーザビームの出射
位置を副走査方向に複数回移動させながら画像の記録を
行う。半導体レーザ装置の出射点の移動による副走査
は、偏向ミラーによる機械的な副走査に比べて動作が極
めて高速であるので、1回の主走査期間内に多数のスポ
ットを記録することができる。これにより、1回の主走
査期間内において副走査方向に異なった位置に主走査方
向に連続するスポットが記録される。すなわち、1回の
主走査で2本の走査線を形成することができ、2ビーム
の半導体レーザ装置を使用した場合と同様な効果を上げ
ることができる。 【0074】なお、図12では、副走査方向に異なった
二つの位置で画像を形成しているが三つの以上の位置で
画像を形成することもできる。 【0075】 【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。 【0076】(1)半導体レーザ領域とは別に光導波領
域を設けることなく、半導体レーザのレーザビームの出
射位置が移動でき、レーザビームの移動によってもその
出射方向は一定で、かつレーザビームの形状がそのピー
クを中心に対称となる半導体レーザ装置を提供すること
ができる。 【0077】(2)光ディスク装置のトラッキングサー
ボ機構において、光ディスク上のビームスポット位置の
移動を半導体レーザの直接変調によって行うことができ
るため、高速動作が可能となる。また、従来用いていた
トラッキングを行うためのレンズを移動させるモータが
不要となり、トラッキングサーボ機構を小壓化すること
ができる。 【0078】(3)画像記録装置においては、レーザビ
ームをミラーによって主走査方向に走査させる間に、副
走査方向にレーザビームを移動させて走査させることに
より、1回の主走査で2ライン以上を形成することで並
列に記録ができるため、記録の高速化が可能となる。ま
た、レーザビームの位置を連続的に移動させることがで
きるため、レーザビームの出射位置が固定されたマルチ
ビームレーザで必要な飛び越し走査が不要となる。 【0079】(4)また、記録装置においては、レーザ
ビームをミラーによって主走査方向に走査させる間に、
副走査方向にレーザビームを移動させて走査させ、副走
査方向に光スポットの位置をずらして重ねることによ
り、一つのドットの形状を変調することができ、記録さ
れた画像の階調を高めることが可能となる。
タ、光ディスク装置等において光源として使用される半
導体レーザ装置に関し、特に、注入電流を制御すること
により出射面におけるレーザ光のビーム位置を移動させ
ることが可能な半導体レーザ装置に関する。また、本発
明は、レーザ光のビーム位置を移動させることが可能な
半導体レーザ装置を使用した光ディスク装置のトラッキ
ング機構、及び、レーザビームプリンタ等の画像記録装
置に関する。 【0002】 【従来の技術】たとえば、レーザビームプリンタにおい
ては、半導体レーザから出たレーザビームを回転多面鏡
で反射させることにより偏向させて感光体の表面を主走
査方向に走査している。また、光ディスク装置において
は、レーザビームの照射位置を記録トラックに一致させ
るために、サーボモータにより駆動される可動光学系を
使用している。 【0003】しかしながら、回転多面鏡や可動光学系は
構成が複雑で大型であり、かつ機械的にレーザビームを
走査しているため高速の動作が制限されるという問題が
あった。 【0004】そこでこの問題を解決するために、半導体
レーザから出射されるレーザビームを半導体レーザの出
射面上で直接走査する技術が提案されている(たとえ
ば、D.R.Scifres他:「Beam scan
ning with twin−stripe inj
ection lasers」,Appl.Phys.
Lett.33(8),15 October,197
8,pp.702−704、特開平3−57633号公
報、特開昭63−23383号公報等参照)。 【0005】たとえば、上記特開昭63−23383号
公報においては、2本の注入電極を有する半導体レーザ
の一方の共振器端面側に、半導体レーザの活性層より広
い禁制帯幅を有する光導波領域が形成され、その光導波
領域には、光共振器方向と同一方向に、ストライプ状の
電流流入領域が1本ないし複数本形成された光ビーム偏
向型半導体レーザが提案されている。 【0006】ここでは、半導体レーザ部において2本の
注入電極によりそれぞれ独立に電流を流し、注入キャリ
ア濃度の勾配によって光の位相に変調がかかるために、
活性層での光の波面が曲がり、出射ビームが偏向する。
さらに、この偏向されたビームが光導波路部に導入さ
れ、光導波路に設置された複数本の注入電極によりキャ
リアが注入され、この光導波路内で位相が変調される。
ここでの注入電流値を適当に選べば、光導波路から出射
される時の出射面上でのビーム位置を移動することがで
きる。 【0007】しかしながら、上記特開昭63−2338
3号公報に記載の構成では、同一基板上に禁制帯幅の異
なる活性層と光導波層を形成しなければならず、このよ
うな半導体層の形成は非常に困難であるという問題があ
る。また、レーザビームの出射位置を大きく移動させる
ためには、光導波領域を長く形成しなければならない。
しかしながら、このように光導波領域が長くなると、光
導波領域内での光の広がりによる光損失や、光導波領域
の自由キャリアによる光吸収に起因した光損失が増大す
るという問題がある。また、出射位置により出射角度が
異なるため、半導体レーザから出射されたレーザビーム
を平行光とするために設けるコリメートレンズへの入射
光量が出射位置によって変化するという問題がある。さ
らに、光導波領域内で位相が変調されているために、出
射面上におけるレーザビームのスポット形状もレーザビ
ームを偏向させるとその偏向方向に歪んで非対称とな
り、出射位置によって変化するという問題がある。 【0008】また、上記Appl.Phys.Let
t.33(8),15 October,1978,p
p.702−704及び特公平3−57633号公報に
は、活性層におけるキャリア密度が共振器方向に対して
非対称であると、注入したキャリアによって生じる活性
層における屈折率分布も非対称となり、出射されるレー
ザビームが偏向されることが開示されている。これは2
本のストライプ状の電極からキヤリアを注入した時の、
活性層におけるキャリア密度分布が非対称となるためで
ある。 【0009】しかしながら、このようにキャリア密度分
布が非対称となると、レーザビームの断面すなわちプロ
ファイルが歪んでしまうという問題が生じる。特に、電
極間の距離が拡散長よりも長くなると、キャリア密度分
布は双峰性となって非対称性が強まり、その非対称性は
隣り合ったストライプ状電極間の距離に強く依存する。
このためレーザビームの断面の歪は一層顕著なものとな
る。また、レーザビームを偏向することにより走査を行
っているので、偏向の左右端部においては、レーザビー
ムが照射面に対して斜めに入射することになり、照射面
におけるビームスポットの形状が歪んでしまう。 【0010】レーザビームのプロファイルや照射面にお
けるビームスポットの形状が歪むと、光ディスク装置や
画像記録装置において、レーザビームを使用して情報や
画像を記録する際の記録密度が低下したり記録品質が低
下したりする問題が生じる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、半導体レーザ領域とは別に光導波領域を設けること
なく、半導体レーザのレーザビームの出射位置が移動で
き、レーザビームの移動によってもその出射方向は一定
で、かつレーザビームの形状がそのピークを中心に対称
となる半導体レーザ装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも3
つの互いに独立に制御可能な共振器方向に伸びるストラ
イプ状電極を共振器方向に垂直な方向に並べて配置した
半導体レーザ装置において、前記ストライプ状電極の幅
及び間隔を、キャリアの拡散長よりも小さくしたことを
特徴とする。 【0013】また本発明は、上記半導体レーザ装置の駆
動方法であって、前記少なくとも3つのストライプ状電
極から同時に電流を注入すると共に、3つのストライプ
状電極の中の両側のストライプ状電極から注入する電流
の量を相補的に変化させることを特徴とする。 【0014】 【作用】図1及び図2を参照して、本発明の作用を具体
的に例を挙げて説明する。 【0015】図1(a)は、1本のストライプ状電極を
有する半導体レーザ装置の概略断面図、同図(b)は、
同図(a)に示される半導体レーザ装置のキャリア密度
分布を示す説明図である。 【0016】レーザビームの出射方向に対して垂直で、
活性層に沿った横方向に光の閉じ込め構造のない、いわ
ゆる利得導波型レーザでは、光が利得をもっとも多く得
られる位置、すなわち活性層でのキャリア密度が最も高
くなる位置でレーザ発振が生じる。利得導波型レーザ
は、図1(a)に示すように、基板51上に第1のクラ
ッド層52、活性層53、第2のクラッド層54、コン
タクト層55が順次積層されている。コンタクト層55
上にはストライプ状電極56が形成され、また、基板5
1の裏面全面にも電極57が形成される。 【0017】図1(a)に示すような一つのストライプ
状電極56を有する半導体レーザの構造では、通常、ス
トライプ状電極56から注入されたキャリアは、コンタ
クト層55および第1のクラッド層54で広がり、さら
に活性層53において横方向に拡散し、その拡散長は大
体2〜3μmと見積もられている。したがって、活性層
53におけるキャリア密度の分布は、図1(b)に示す
ような形状となり、利得はキャリア密度にほぼ比例して
いるため、利得分布もこのキャリア密度と同様の分布と
なる。 【0018】そこで、本発明においては、図2(a)に
示すように、幅及び隣り合った距離がキャリアの拡散長
程度かもしくはそれよりも短い3本以上のストライプ状
の電極56A,56B,56Cを形成する。それぞれの
電極56A,56B,56Cから個別にキャリアを注入
した時のキャリア密度の分布は、それぞれ図2(b)に
A,B,Cで示す細線となるが、各電極から同時にキャ
リアを注入すると、これらの電極がキャリアの拡散長よ
りも近接しているために、それらは重ね合わされて図2
(b)の太線で示すように単一ピークを持ったキャリア
密度分布となり、単一の利得領域が形成され、一つのレ
ーザビームが出射される。 【0019】このように電極をキャリアの拡散長よりも
近接させ、さらにそれぞれの電極からのキャリアの注入
量を独立に制御することによって、キャリア密度分布の
形状も変えることができる。 【0020】したがって、二つの電極に注入されるキャ
リアの量を相補的に変化させることにより、キャリア密
度分布のピーク位置を一方の電極から他方の電極まで連
続的に移動させることができる。レーザビームの出射位
置はキャリア密度分布のピーク位置と一致するので、レ
ーザビームの出射位置も連続的に移動させることができ
る。すなわち、電極の間隔以下の精度でレーザビームの
出射位置を制御することが可能となる。 【0021】また、2本の電極のみでレーザビームの位
置を移動させる場合、隣り合った電極の間の距離がキャ
リアの拡散長よりも長いと、電極間にキャリアを注入で
きない領域が生じ、レーザビームを連続的に移動できな
い。したがって、隣り合った電極の間の距離はキャリア
の拡散長程度と制限されるため、レーザビームの移動で
きる距離も数μm程度に制限される。 【0022】そこで、幅及び隣り合つた距離がキャリア
の拡散長程度かもしくはそれよりも短い多数のストライ
プ状の電極を形成し、その内のいくつか近接した複数の
電極を選んでキャリアを注入することによって、ストラ
イプ状の電極が形成されている広い範囲の任意の位置に
利得領域を形成し、レーザビームを出射することができ
る。さらに、いくつかの電極からキャリアを注入し、特
定の位置からレーザビームを出射させた状態から、隣接
した電極ヘキャリアの注入量を連続的に変化させること
によって、半導体レーザから出射されるレーザビームの
出射位置を、活性層に沿った横方向に広い範囲に渡って
連続的に移動することもできる。 【0023】前述のようにストライプ状の電極の隣り合
った距離をキャリアの拡散長よりも短くすることによっ
て、キャリア密度分布を単峰性とし、非対称性を抑制す
ることができる。 【0024】また、2本の電極によってその電極間でレ
ーザビームの位置を移動させる場合では、レーザビーム
の位置と光出力を決めるとキャリア密度分布の形状は一
義的に決まってしまうため、非対称となったキャリア密
度分布を補正することができない。そこで、一つの利得
領域を形成するキャリア密度分布を常に3本以上の電極
からのキャリアの注入によって形成し、レーザビームの
位置を移動させると、電極の数が多い分だけ自由度が高
くなり、レーザビームの位置と光出力が決まっていて
も、キャリア密度分布の形状を変え、対称な形状となる
よう補正することができる。したがって、一つの利得領
域を形成するキャリア密度分布を形成するための電極の
数をさらに増やすことにより、任意のキャリア密度分布
を形成することができる。 【0025】また、一般に利得導波型レーザでは、横モ
ードが不安定で遠視野像は双峰性となりやすいが、電子
技術総合研究所研究報告No.934(1992年)に
よれば、利得導波構造の半導体レーザにおいても、活性
層におけるキャリア密度分布の中央部に凹みを設けるこ
とによって屈折率導波的となり、安定な横モードで単峰
性の遠視野像が得られることが報告されている。これ
は、キャリア密度によって屈折率が変化することを利用
し、凹みの領域での実効的な屈折率が高くなるためであ
る。しかしそこでは、2本の電極により利得領域を形或
しているため、凹みのあるキャリア密度分布を設ける範
囲は電極間の一部と狭い。 【0026】そこで、複数の電極からキャリアを注入
し、その際、両端から注入するキャリアの注入量に比べ
中央部の電極からのキャリアの注入量を減らしてキャリ
ア密度分布に凹みを設け、前述したように隣り合った電
極へとキャリアの注入量を連続的に変化させていくこと
により、安定な横モードで単峰性の遠視野像のレーザビ
ームを移動させることが可能となる。 【0027】さらに、出射されるレーザビームの移動を
細かく制御するために、共振器方向の前後で電極を分離
する。そして、出射側では電極からのキャリアの横方向
への広がりを変えることによって、横方向の屈折率を変
えて光の閉じ込めを行い、出射されるレーザビームの横
モードを制御する。一方、出射側とは反対側では電極か
らのキャリアの注入量を変えることによって、光出力を
制御する。これにより、光出力を横モードとは独立に変
えることができるため、横モードの制御の自由度が高く
なる。 【0028】 【実施例】図3は、本発明の第1の実施例を示す半導体
レーザ装置の斜視図である。 【0029】図3において、1はn型GaAs基板、2
はn型GaAs第一バッファ層、3はn型Al0.2 Ga
0.8 As第二バッファ層、4はn型Al0.4 Ga0.6 A
s第三バッファ層、5はn型Al0.6 Ga0.4 As第一
クラッド層、6は量子井戸活性層、7はp型Al0.6 G
a0.4 As第二クラッド層、8はp型GaAsコンタク
ト層、9A〜9Hはそれぞれ独立して設けられたストラ
イプ状のp側電極、10は絶縁膜、12A〜12Hは配
線、13A〜13Hはボンディングパッド、14はn側
電極、15は発光領域である。 【0030】図3に示す半導体レーザにおいて、ワイヤ
ー(図示せず)から注入された電流は、ボンディングパ
ッド13A〜13Hから配線12A〜12Hを通って各
ストライプ状のp側電極9A〜9Hに流れ、さらに量子
井戸活性層6に注入されることにより、発光領域15に
おいてレーザ発振が生じる。この時、各ストライプ状の
p側電極9A〜9Hに流れる電流量を制御することによ
ってレーザビームの位置を移動させる。このレーザビー
ムの位置移動の動作の詳細については後述する。 【0031】次に、図4を用いて上記半導体レーザ装置
の製造方法を説明する。 【0032】まず、図4(a)に示すように、Siドー
プGaAs基板1上に、Seドープでなる厚さ0.1μ
mのGaAs第一バッファ層2、Seドープでなる厚さ
0.1μmのAl0.2 Ga0.4 As第二バッファ層3、
Seドープでなる厚さ0.1μmのAl0.4 Ga0.6 A
s第三バッファ層4、SeドープAl0.6 Ga0.4 As
でなる厚さ1μmの第一クラッド層5、アンドープGa
Asでなる厚さ10nmの井戸層3層をアンドープAl
0.3 Ga0.7 Asでなる厚さ5nmの障壁層2層によっ
て分離し、これらをアンドープAl0.3 Ga0.7 Asで
なる厚さ0.1μmの光導波層2層で挟んだ量子井戸活
性層6、MgドーブAl0.6 Ga0.4 Asでなる厚さ1
μmの第二クラッド層7、MgドープGaAsでなる厚
さ0.1μmのコンタクト層8からなる半導体層をMO
CVD法により順次積層する。 【0033】このコンタクト層8上に、フォトリソグラ
フィによりフォトレジストにストライプ幅が0.5〜1
0μmでストライプ間の間隔が0.5〜5μmのストラ
イプ状の窓を8本形成する。次に、この上面全面にp側
電極9A〜9Hを厚さ50〜1000nm蒸着した後、
フォトレジストを除去することにより、フォトレジスト
上のp側電極9A〜9Hをリフトオフによって除去し、
図4(b)に示すようにストライプ幅が0.5〜10μ
mでストライプ間の間隔が0.5〜5μmのp側ストラ
イプ状電極9A〜9Hを互いに電気的に分離して形成す
る。ここではp側ストライプ状電極の数を8本としてい
るが、必要に応じてその数を変えてよい。 【0034】次いで、全面にスパッタにより絶縁膜とし
てSi3 N4 膜10を厚さ200nm着膜し、フォトリ
ソグラフィによってフォトレジストにp側ストライプ状
電極9A〜9Hのストライプ方向に対して平行な方向の
長さが1〜50μmでストライプ方向に対して垂直な方
向の長さが0.5〜10μmの窓に対応する部分をp側
ストライプ状電極9A〜9Hのそれぞれ上部に形成す
る。この場合、後で形成する配線が接触もしくは交差し
ないように、それぞれの窓はストライプ方向にずらして
配置する。その後、このフォトレジストを除去すること
によって、図4(c)に示すように、Si3 N4 膜10
に窓11A〜11Hを形成する。 【0035】その後、配線とボンディングパッドとなる
金属を全面に厚さ100〜1000nm蒸着する。これ
にフォトリソグラフィによって配線とポンディングパッ
ドのパターンをフォトレジストによって形成し、このフ
ォトレジストをマスクとして金属をエッチングした後、
フォトレジストを除去することによって配線12A〜1
2Hとボンディングパッドl3A〜13Hを形成する。
その後、GaAe基板1側を100μmにまで研磨した
後、n側電極14を蒸着することにより、図3に示した
半導体レーザ装置が形成される。 【0036】ここで用いる絶縁膜としては、SiO2 膜
やSi3 N4 膜のように電気的に絶縁体で、GaAsを
腐食しないものであればよい。また、p側電極となる金
属の材料にはAu,AuZn,Cr,Ti,Ptのいず
れかもしくはこれらの組合せたものを用いることができ
る。 【0037】また本発明の半導体レーザ装置は、前記実
施例の半導体組成以外で構成することもでき、例えばA
lGaInP混晶系、GaInAsP混晶系、AlIn
AsP混晶系、ZnSSe混晶系、CdZnSSe混晶
系等の材料系であっても実施可能である。 【0038】図5は、上記した半導体レーザ装置のスト
ライプ状電極の形状を表した平面図である。図5におい
て、ビームが出射される下側の端面から反対側の端面ま
で、均一な幅のp側ストライプ状電極が、コンタクト層
8上に共振器方向(図5において上下方向)に8本形成
されている。ここで本実施例においては、各ストライプ
状電極9A〜9Hの幅及び隣り合った距離が、キャリア
の拡散長程度かもしくはそれよりも短く選択されてい
る。 【0039】次に、半導体レーザの出射面におけるレー
ザのビーム位置を移動させるため、活性層6での電流密
度の分布を変える具体的な方法について、図6及び図7
を用いて詳細に説明する。図6は、活性層へ電流注入を
行うための光の出射方向に伸びた複数のストライプ状電
極が形成された半導体レーザにおいて、電極幅が3μm
以上で、間隔が2μm以上と広い場合に、二つの電極に
よりビーム位置を移動させる時の電流注入方法を示す図
である。図6(a)は、ストライプ状電極の配置を示す
断面図、同図(b)は電流密度分布の変化を示す説明
図、同図(c)は各ストライプ状電極の注入電流の変化
を示す説明図である。 【0040】まず、時間t=t0 で、電極9Aよりレー
ザの発振しきい電流以上の電流を注入することにより、
活性層6での電流密度の分布は細線で示したようにな
り、半導体レーザの出射端面における光分布は太線とな
り、ビーム出射位置は電流密度分布のピーク位置aとな
る。 【0041】次に、図6(b)に示すように、電極9A
からの電流注入を減らしながら、電極9Bから電流を注
入することによって、それぞれの電極9A,9Bから注
入された電流密度の分布は細線となる。但し、この細線
はそれぞれの電極9A,9Bに個別に電流を注入した場
合の分布を示している。電極9A,9Bに同時に電流を
注入すると、電極9A,9Bはキャリアの拡散長よりも
近接して配置されているので、活性層6における実際の
電流密度の分布はこれらの重ね合わせたものとなる。し
たがって、電流密度分布のピーク位置が電極9B側に移
動し、t=t1においては、ビーム出射位置もaから電
極9B側のbに移動する。 【0042】さらに、電極9Aからの電流注入を減ら
し、電極9Bからの注入電流量を増加させていくと、ビ
ーム位置は、t=t1 ,t2 ,t3 において、それぞれ
c、dを経て、電極9Bからの電流注入のみの場合のe
の位置へ移動する。同様にして、電極9Cおよびこれと
並列にならべた複数の電極から注入する電流量を制御す
ることにより、ビーム位置を連続的に移動させることが
できる。 【0043】上述したように、隣接した二つの電極の一
方の電極の電流を順次増加させながら、他方の電極の電
流を順次増加させることにより、電流密度分布のピーク
位置が移動し、これに伴ってビーム位置を連続的に移動
させることができる。 【0044】ところで、隣接した二つの電極に流れる電
流は、ビーム出射位置が二つの電極の中心にあるときを
除いて互いに異なっている。このように隣接した二つの
電極に流れる電流の値が異なっていると、電流密度分布
を詳細に観察すると、電流密度分布がピーク位置に関し
て左右非対称となる。たとえば、t=t3 においては、
電流密度分布の右側の傾斜は左側の傾斜に比べて急にな
っている。電流密度分布が非対称になると、レーザビー
ムの左右で発光条件が異なってしまい、真円であるべき
レーザビームのプロファイルが楕円等に歪んでしまう。
レーザビームのプロファイルが歪むと、このレーザビー
ムを使用して画像の記録や情報の記録を行う場合に、記
録密度の低下や記録品質の低下等の問題が生じる。 【0045】そこで、以下に示す実施例においては、三
つの電極を使用してビーム位置を移動させることによ
り、レーザビームのプロファイルの歪みを少なくしてい
る。 【0046】図7には、電極幅が3μm以下で間隔が2
μm以下と狭い場合において、三つの電極によりビーム
位置を移動させる時の電流注入方法を示す。図7(a)
は、ストライプ状電極の配置を示す断面図、同図(b)
は電流密度分布の変化を示す説明図、同図(c)は各ス
トライプ状電極の注入電流の変化を示す説明図である。 【0047】図7(b)に示すように、t=t0 におい
て、電極9Aと電極9Bの間にビーム位置がくるよう、
電極9Aと電極9Bから等しい電流を注入している状態
から、t=t1 〜t4 にかけて、電極9Bから注入する
電流を一定に保ったまま、電極9Aから注入する電流を
減らし、それと同時に電極9Cから注入する電流を増加
させる。 【0048】これによって、活性層6におけるそれぞれ
の電極9A,9B,9Cから注入された電流密度の分布
は細線に示す形状となり、実際の電流密度の分布はこれ
らの重ね合わせで、ビーム位置は電極9A,9B間側か
ら電極9B,9C間側に移動する。 【0049】同様に、並列にならべた複数の電極の、中
心となる電極から注入する電流を一定に保ち、両隣の電
極から注入する電流を相補的に増減させることによっ
て、ビーム位置を移動させることができる。 【0050】また、電極幅や間隔に拘わらず、電極数を
増やすことによってビーム位置の移動距離を長くするこ
ともできる。 【0051】また、さらに多数の電極から同時に電流を
注入することによって一つのビームを形成した場合、そ
れぞれの電極から注入する電流量を制御することでビー
ムのプロファイルの歪みを少なくすることができる。 【0052】すなわち、先に説明したように、二つの電
極のみを使用した場合には電流密度の分布が非対称とな
るが、図7に示す実施例においては、個別の電流密度の
分布で見たときの最大ピーク値を有する電流密度分布の
両側に、これよりもピーク値が低い電流密度分布が存在
するので、電流密度分布の形状は対称に近づく。したが
って、レーザビームの左右における発光条件が略等しく
なり、ビームのプロファイルの歪みが少なくなり、記録
密度の低下や記録品質の低下等の問題が生じることはな
い。 【0053】図8は、本発明の半導体レーザ装置におい
て使用されるストライプ状電極の他の形状を表した平面
図である。図8に示す実施例においては、複数のストラ
イプ状電極が、更に共振器方向(図8において上下方
向)にも分割され、出射面側電極群9A〜9Hと反射面
側電極群9I〜9Pが形成されている。反射面側電極群
9I〜9Pは出射面側電極群9A〜9Hに対して電極中
心間隔の半分だけ、共振器方向に垂直な方向にずれた位
置に設けられている。すなわち、出射面側電極の共振器
方向への中心線が、隣り合う二本の反射面側電極間の中
心に位置し、反射面側電極の共振器方向への中心線が、
隣り合う二本の出射面側電極の中心に位置している。各
電極は、それぞれに注入する電流が独立に制御されるよ
う電気的に分離して形成されている。 【0054】図8に示す実施例においては、共振器方向
に垂直な方向で見て隣接する一方の電極群の電極と他方
の電極群の電極とを組み合わせて使用することにより、
活性層におけるキャリア密度の分布を細かく制御するこ
とができる。 【0055】また、図8に示す実施例においては、以下
に説明するように、レーザビームの出射点を移動させる
際の横モード幅の広がりを抑えることができる。 【0056】図9(a)はストライプ状電極の配置を模
式的に示す平面図、同図(b)は電流密度分布の変化を
示す説明図、同図(c)は各ストライプ状電極の注入電
流の変化を示す説明図である。但し、図9(a)におい
ては、説明を簡単にするため五つのストライプ状電極し
か図示していない。 【0057】コンタクト層8上に、共振器方向の前部と
後部のそれぞれの領域にストライプ状電極9が形成さ
れ、電極9A,9B,9C側の端面がビームの出射面と
する。出射面側の電極9A,9B,9Cから注入された
電流密度分布は太線で、後部の電極9I,9Jから注入
された電流密度分布は細線で表している。 【0058】まず、時間t=t0で電極9Aと電極9I
から電流を注入することによってレーザ発振を生じさせ
る。この時、出射側では、電極9A下部の活性層に利得
領域が形成されているため、ビームは電極9A下部から
出射され、出射面における横モード幅は電極9Aから注
入された電流の活性層における広がりによる利得領域の
幅によって決まる。 【0059】次に、電極9Aからの電流を減少させると
同時に電極9Bからの電流を増加させる。この時、出射
側では、電極9A下部と電極9B下部の間に利得領域が
形成される。したがって、出射面における横モード幅は
電極9Aと電極9Bからの電流の活性層における広がり
によって決まる。そこで、t=t1 では電極9Aと電極
9Bから注入する全電流量を小さくすることによって、
出射面側の活性層における電流の広がりを小さくし、利
得領域の幅が大きくなることを抑えることができる。そ
の場合、同時に電極9Iからの電流量を増加させること
によって、電極9Aと電極9Bからの電流量が少なくな
った分を補い、光出力を一定に保つ。また、t=t2 、
t3 のように電極9Aと電極9Bからの電流量の比率を
変えることで、電極9Aと電極9B間でビーム位置を変
えることができる。 【0060】その後、電極9Aと電極9Iからの電流を
減少させると同時に電極9Bからの電流を増加させて、
t=t4では電極9Bと電極9Iからのみ電流を注入す
ることによって、出射側では、電極9B下部に利得領域
が形成され、ビームは電極9B下部から出射される。 【0061】これにより、ビームの広がりを制御しなが
ら、ビームを移動させることができる。その後、電極9
Iから電極9Jへスイッチングを行うことにより、同様
にして電極9B下部から電極9C下部へビームを移動さ
せることができる。このようなビームを移動させること
ができるストライプ状電極を多数ならべることによっ
て、出射面の広い範囲に渡ってビームを移動させること
が可能となる。 【0062】本発明の半導体レーザ装置は、たとえば、
光ディスク装置のトラッキング機構の光源として使用す
るのに適している。光ディスク装置では、光ディスク上
に、情報を記録したり、また記録された情報を光学的に
再生するためには、光学ヘッドから出射されるレーザビ
ームを光ディスク上のトラックの的確な位置に照射する
必要があり、このため光ディスク装置には、いわゆるト
ラッキングサーボ機構が設けられている。 【0063】本発明による半導体レーザ装置を用いるこ
とで、半導体レーザから出射されるレーザビームを直接
移動させることにより、レンズを機械的に変位させるこ
となく目的のトラック上にレーザビームを照射すること
ができる。 【0064】図10は、先に説明した半導体レーザ装置
を用いた光ディスク装置のトラッキングサーボ機構を示
す。また、図11は、光ディスクの情報トラックとレー
ザビームのスポットとの関係を示す。 【0065】図10及び図11において、24は光学的
に検出可能な標識の形で記憶された情報トラック24a
を持つ光学ディスク、20は光学ディスク24に入射す
るレーザビームを発生する半導体レーザ光源、27は半
導体レーザ装置20からビーム光路に沿って情報トラッ
ク24a及びこれに隣接する情報トラック24a間の非
記録領域24bの両方にまたがる部位へレーザビームを
差し向けるビーム差し向け装置としてのハーフミラー、
22は差し向けられたレーザビームを情報トラックと非
記録領域のまたがり部位に集束しかつそこからの反射ビ
ームを受け取る対物レンズ、23は対物レンズ22を保
持するレンズ固定セル、21は反射ビームを受け取り電
気信号に変換する光検出器、28は光検出器21からの
電気信号に基づいて半導体レーザ装置20に注入する電
流を制御するレーザ駆動装置、29はフィードバック回
路をそれぞれ示す。上記半導体レーザ装置20は、出射
位置の移動方向が情報トラック24aを横切る方向(矢
印Xで示す)となるように配置されている。 【0066】上記構成において、半導体レーザ装置20
から出た光をハーフミラー27で反射し、固定されたレ
ンズ22によって光学ディスク24上に集光し、光学デ
ィスク24で反射された光を検出器21によって検出す
ることによりトラックからのずれを感知する。 【0067】次いで、フィードバック回路29により半
導体レーザ装置20への電流注入を制御して、活性層6
に注入された電流密度の分布を変え、出射面における放
出されるレーザ光の強度分布を変化させ、これによっ
て、半導体レーザ装置20から出射されるレーザビーム
25の位置を情報トラック24aを横切る方向に移動さ
せて光学ディスク24上のスポット26の位置を、破線
で示すずれた位置から実線で示す正しい位置に修正する
トラッキングサーボ機構が構成される。 【0068】このシステムでは、半導体レーザ装置の直
接変調によってレーザ発振の生じる利得領域を形成し、
スポット位置を修正していることから、その周波数帯域
は数十MHzとなり、データの転送速度の高速化が可能
となる。 【0069】また、本発明の半導体レーザ装置は、レー
ザビームプリンタ等のレーザビームを用いた画像記録装
置の光源として使用するのに適している。 【0070】図12は、先に説明した半導体レーザを用
いた画像記録装置を示す。感光ドラム31の周囲には、
この感光ドラム31の表面を一様に帯電する帯電器32
と、表面が一様に帯電された感光ドラム31の表面に光
を照射して静電潜像を形成する露光装置33と、静電潜
像を現像して可視のトナー像を生成する現像器34と、
感光ドラム31上のトナー像を用紙等の記録媒体35上
に転写する転写器36と、転写後に感光ドラム31上に
残ったトナーを除去するクリーニング装置37と、静電
潜像を消去する除電器38等が順次配置されている。 【0071】上記露光装置33は、先に説明した出射点
を移動可能な半導体レーザ装置33aと、この半導体レ
ーザ装置33aから出射されたレーザビームをコリメー
トするコリメータレンズ33bと、コリメートされたレ
ーザビームを感光ドラム31上の主走査方向に走査する
ための走査ミラー33cと、レーザビームを感光ドラム
31上に集光させる結像レンズ33dとを備えている。
なお、半導体レーザ装置33aは、レーザビームの出射
点が感光ドラム31の円周方向、すなわち、副走査方向
(矢印Xで示す)に移動するように配置されている。 【0072】図12に示すレーザビームプリンタにおい
ては、基本的には図13(a)に示すように、感光ドラ
ム31上のレーザビームのスポットを感光ドラム31の
軸方向に移動させることにより主走査方向の走査を行
い、感光ドラムを回転させることにより、副走査方向の
走査を行う。 【0073】ここで本実施例のレーザビームプリンタに
おいては、図13(b)に示すように、1回の主走査を
行う間に半導体レーザ装置33aのレーザビームの出射
位置を副走査方向に複数回移動させながら画像の記録を
行う。半導体レーザ装置の出射点の移動による副走査
は、偏向ミラーによる機械的な副走査に比べて動作が極
めて高速であるので、1回の主走査期間内に多数のスポ
ットを記録することができる。これにより、1回の主走
査期間内において副走査方向に異なった位置に主走査方
向に連続するスポットが記録される。すなわち、1回の
主走査で2本の走査線を形成することができ、2ビーム
の半導体レーザ装置を使用した場合と同様な効果を上げ
ることができる。 【0074】なお、図12では、副走査方向に異なった
二つの位置で画像を形成しているが三つの以上の位置で
画像を形成することもできる。 【0075】 【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。 【0076】(1)半導体レーザ領域とは別に光導波領
域を設けることなく、半導体レーザのレーザビームの出
射位置が移動でき、レーザビームの移動によってもその
出射方向は一定で、かつレーザビームの形状がそのピー
クを中心に対称となる半導体レーザ装置を提供すること
ができる。 【0077】(2)光ディスク装置のトラッキングサー
ボ機構において、光ディスク上のビームスポット位置の
移動を半導体レーザの直接変調によって行うことができ
るため、高速動作が可能となる。また、従来用いていた
トラッキングを行うためのレンズを移動させるモータが
不要となり、トラッキングサーボ機構を小壓化すること
ができる。 【0078】(3)画像記録装置においては、レーザビ
ームをミラーによって主走査方向に走査させる間に、副
走査方向にレーザビームを移動させて走査させることに
より、1回の主走査で2ライン以上を形成することで並
列に記録ができるため、記録の高速化が可能となる。ま
た、レーザビームの位置を連続的に移動させることがで
きるため、レーザビームの出射位置が固定されたマルチ
ビームレーザで必要な飛び越し走査が不要となる。 【0079】(4)また、記録装置においては、レーザ
ビームをミラーによって主走査方向に走査させる間に、
副走査方向にレーザビームを移動させて走査させ、副走
査方向に光スポットの位置をずらして重ねることによ
り、一つのドットの形状を変調することができ、記録さ
れた画像の階調を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一つのストライプ状電極を有する利得導波型
レーザの断面図と活性層におけるキャリア密度の分布を
示す図である。 【図2】 複数のストライプ状電極を有する利得導波型
レーザの断面図と活性層におけるキャリア密度の分布を
示す図である。 【図3】 本発明の第一の実施例である半導体レーザ装
置の斜視図である。 【図4】 本発明の第一の実施例である半導体レーザ装
置の製造手順を示す斜視図である。 【図5】 本発明の第一の実施例である半導体レーザ装
置のp側ストライプ状電極の形状を示す上面図である。 【図6】 半導体レーザ装置の二つの電極によりビーム
位置を移動させる時の電流注入方法を示す図である。 【図7】 半導体レーザ装置の三つの電極によりビーム
位置を移動させる時の電流注入方法を示す図である。 【図8】 本発明の別の実施例である半導体レーザ装置
のp側ストライプ状電極の形状を示す上面図である。 【図9】 半導体レーザ装置の共振器方向に分割された
電極によりビーム位置を移動させる時の電流注入方法を
示す図である。 【図10】 本発明の半導体レーザ装置を使用した光デ
ィスク装置のトラッキング機構を示す模式図である。 【図11】 図10に示すトラッキング機構の動作を説
明するため模式図である。 【図12】 本発明の半導体レーザ装置を使用した画像
記録装置を示す模式図である。 【図13】 図12に示す画像記録装置におけるレーザ
ビームの走査形態を示す説明図である。 【符号の説明】 1…GaAs基板、2…第一バッファ層、3…第二バッ
ファ層、4…第三バッファ層、5…第一クラッド層、6
…量子井戸活性層、7…第二クラッド層、8…コンタク
ト層、9…p側ストライプ状電極、10…絶縁膜、II
…窓、12……配線、13…ボンディングパッド、14
…n側電極,15…発光領域、20…半導体レーザ装
置、21…光検出器、22…レンズ固定セル、24…光
学ディスク、25…レーザビーム、26…スポット、2
7…ハーフミラー、28…レーザ駆動装置、29…フィ
ードバック回路、31…感光ドラム、32…帯電器、3
3…露光装置、34…現像器、35…記録媒体、36…
除電器、37…クリーニング装置、38…除電器
レーザの断面図と活性層におけるキャリア密度の分布を
示す図である。 【図2】 複数のストライプ状電極を有する利得導波型
レーザの断面図と活性層におけるキャリア密度の分布を
示す図である。 【図3】 本発明の第一の実施例である半導体レーザ装
置の斜視図である。 【図4】 本発明の第一の実施例である半導体レーザ装
置の製造手順を示す斜視図である。 【図5】 本発明の第一の実施例である半導体レーザ装
置のp側ストライプ状電極の形状を示す上面図である。 【図6】 半導体レーザ装置の二つの電極によりビーム
位置を移動させる時の電流注入方法を示す図である。 【図7】 半導体レーザ装置の三つの電極によりビーム
位置を移動させる時の電流注入方法を示す図である。 【図8】 本発明の別の実施例である半導体レーザ装置
のp側ストライプ状電極の形状を示す上面図である。 【図9】 半導体レーザ装置の共振器方向に分割された
電極によりビーム位置を移動させる時の電流注入方法を
示す図である。 【図10】 本発明の半導体レーザ装置を使用した光デ
ィスク装置のトラッキング機構を示す模式図である。 【図11】 図10に示すトラッキング機構の動作を説
明するため模式図である。 【図12】 本発明の半導体レーザ装置を使用した画像
記録装置を示す模式図である。 【図13】 図12に示す画像記録装置におけるレーザ
ビームの走査形態を示す説明図である。 【符号の説明】 1…GaAs基板、2…第一バッファ層、3…第二バッ
ファ層、4…第三バッファ層、5…第一クラッド層、6
…量子井戸活性層、7…第二クラッド層、8…コンタク
ト層、9…p側ストライプ状電極、10…絶縁膜、II
…窓、12……配線、13…ボンディングパッド、14
…n側電極,15…発光領域、20…半導体レーザ装
置、21…光検出器、22…レンズ固定セル、24…光
学ディスク、25…レーザビーム、26…スポット、2
7…ハーフミラー、28…レーザ駆動装置、29…フィ
ードバック回路、31…感光ドラム、32…帯電器、3
3…露光装置、34…現像器、35…記録媒体、36…
除電器、37…クリーニング装置、38…除電器
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 植木 伸明
神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロ
ックス株式会社内
(72)発明者 乙間 広己
神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロ
ックス株式会社内
(72)発明者 安川 薫
神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロ
ックス株式会社内
(72)発明者 布施 マリオ
神奈川県海老名市本郷2274番地富士ゼロ
ックス株式会社内
(56)参考文献 特開 平1−239979(JP,A)
特開 昭62−128583(JP,A)
特開 昭63−23383(JP,A)
特開 昭63−1090(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 互いに独立に制御可能な共振器方向に伸
びる複数のストライプ状電極を共振器方向に垂直な方向
に並べて配置した半導体レーザ装置において、 前記複数のストライプ状電極の幅及び間隔を、キャリア
の拡散長よりも小さくし、前記複数のストライプ状電極
のうち、隣接する少なくとも3つのストライプ状電極か
ら同時に電流を注入して各ストライプ状電極に対応した
キャリア密度分布の合成キャリア密度分布によるレーザ
ビームを出射させると共に、当該合成キャリア密度分布
の非対称性を抑制するように前記隣接する少なくとも3
つのストライプ状電極の中の両側のストライプ状電極か
ら注入する電流の量を相補的に変化させる駆動制御を、
所定方向の隣接するストライプ状電極に順次移すことに
より、近視野像としてのレーザビームの出射位置を前記
所定方向に移動させることを特徴とする半導体レーザ装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11314694A JP3364530B2 (ja) | 1993-10-12 | 1994-05-26 | 半導体レーザ装置、光ディスク装置のトラッキング機構及び画像記録装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25443393 | 1993-10-12 | ||
JP5-254433 | 1993-10-12 | ||
JP11314694A JP3364530B2 (ja) | 1993-10-12 | 1994-05-26 | 半導体レーザ装置、光ディスク装置のトラッキング機構及び画像記録装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07162100A JPH07162100A (ja) | 1995-06-23 |
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Family
ID=26452160
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11314694A Expired - Fee Related JP3364530B2 (ja) | 1993-10-12 | 1994-05-26 | 半導体レーザ装置、光ディスク装置のトラッキング機構及び画像記録装置 |
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JP4711324B2 (ja) * | 2004-03-25 | 2011-06-29 | 国立大学法人京都大学 | フォトニック結晶レーザ |
JP2006339450A (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-14 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザ装置 |
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JP6044887B2 (ja) * | 2012-10-15 | 2016-12-14 | 国立大学法人京都大学 | 半導体レーザ素子及び半導体レーザモジュール |
JP6265229B2 (ja) * | 2016-06-17 | 2018-01-24 | 国立大学法人京都大学 | 半導体レーザ素子 |
-
1994
- 1994-05-26 JP JP11314694A patent/JP3364530B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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