JP2006339450A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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正雄 今城
Yoshihito Hirano
嘉仁 平野
Kiyohide Sakai
清秀 酒井
Kimio Shigihara
君男 鴫原
Tetsuya Yagi
哲哉 八木
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Abstract

【課題】 半導体レーザ素子内のビームモードを外部から制御可能であり、さらに利得分布を所望の基本モードに合わせて形成することができ、プラズマ効果による活性層内の屈折率分布を任意に制御できる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】 共振軸に沿ったスリット構造となるように各電極21a〜21eをストライプ方向に複数個並べて半導体レーザ素子11上に配置し、これら電極21a〜21eに印加する電流強度をそれぞれ調整することにより半導体レーザ素子11の利得分布を制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体レーザ装置に係り、特にレーザ加工や波長変換装置に用いられてレーザ光の横モードを制御する半導体レーザ装置に関するものである。
縦モード及び横モード単一レーザは、レーザ加工及び波長変換装置等に用いられ、その高出力化が要求されている。半導体レーザ(LD;Laser Diode)励起固体レーザは、モード制御性が高く、単一モードを維持したまま高出力化が望める。しかしながら、量産化を考えた場合、部品点数が多くなるため低コスト化が困難になる。一方、LDは、量産性に優れるため低コスト化が期待できるが、モードが不安定になりやすい課題を有している。
従来のLDとしては、MOPA(Master Oscilator Power Amprifier)型や、α−DFB(α-Distributed Feadbuck Braggrefrector)型等の開発がなされているが、両者とも構成が複雑で量産化には多くの課題を残している。一方、ブロードエリア型LDでは、構造が比較的簡単であるため低コスト化が期待でき、製品化に最も近いLDとして注目されている。
ブロードエリア型LDは、活性層を横方向に拡大することによって出力増加による端面破壊等を抑制しているが、横方向のモード制御が実質的に行われないためにモードが不安定になり、多モード発振が起こりやすい。この課題を克服するためには、外部からモードを制御して安定化させる技術が必要となっている。
上述の不具合を解消する従来の半導体レーザ装置として、例えば特許文献1に開示されるブロードエリアレーザがある。この装置では、接触抵抗の異なる第1電極と第2電極で構成された電流注入部を有し、活性層中心部で比較的高い電流強度をもたせることが可能であり、その両端部で比較的低い電流強度を分布させることができる。これにより、横基本モードが発振し易く、他の高次モードを抑制することができる。
特許第2889628号公報
特許文献1で代表される従来の半導体レーザ装置では、下記のような課題がある。
先ず、特許文献1の装置について具体的に説明する。図7は、特許文献1に開示される従来の半導体レーザ装置をレーザ光軸方向に垂直な面で切った断面図である。図に示すように、このレーザは、裏面にn型電極9を設けたn型半導体基板1上にn型クラッド層2、活性層3、p型クラッド層4、p型キャップ層5を順番に積層し、この積層構造上のレーザ光軸方向に沿った中央部(図中の領域A及び領域B)を除いて絶縁層6が積層されている。
そして、この絶縁層6を被覆して前記中央部のレーザ光軸方向に沿った端部である領域Bでp型キャップ層5に接触するようにp型第1電極7が積層される。さらに、このp型第1電極7を被覆してレーザ光軸方向に沿った最中央部である領域Aでp型キャップ層5に接触するようにp型第2電極8が積層される。なお、p型第1電極7は、p型第2電極8より接触抵抗が高く設定されている。
この構成では、レーザ光軸方向に沿った領域A及び領域Bが電流通過領域となるが、第2電極8より第1電極7の方が接触抵抗が高いため、電流密度が第2電極8が被覆した領域A上で高く、第1電極7が被覆する領域B上では比較的低い分布となる。このため、利得が活性層中心部のみで高くなり、両端では低い形状をもつようになる。これにより、横基本モードが発振し易く、他の高次モードを抑制することができる。
一般に、高出力の基本モード発振を得るには、端面破壊等の問題を回避してストライプ幅を広げる手段が最も有効である。しかしながら、上述した従来の構成における共振器長は、半導体レーザ素子に依存して数ミリ程度であるため、根本的に基本モードが成立し得るモードフィールド径が小さい。このため、ストライプ幅を広げようとして領域A及び領域Bを拡大させると高次モードの利得が上昇してしまい、高次モードを抑制したまま高出力化するのは困難である。
また、上記構成では2段階しか電流強度を変化できず、比較的中心部に利得が高い低次モードは抑制が弱くなるという課題があった。また、設計時の素子構造により電流分布が一意的に決定されるため、個々の素子によって状態が異なる局所的なフィラメント発振には対応できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、半導体レーザ素子内のビームモードを外部から制御可能な外部共振型レーザを構成し、さらに利得分布を所望の基本モードに合わせて形成することができる上、プラズマ効果による活性層内の屈折率分布を任意に制御することができる半導体レーザ装置を得ることを目的とする。
この発明に係る半導体レーザ装置は、電流注入により発光する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子内の利得分布形状を調節する利得形状調節手段と、半導体レーザ素子を介してその同軸上に各々配置され、半導体レーザ素子から出力された当該軸方向の光を共振させる反射手段と、半導体レーザ素子と同軸上で反射手段間に配置され、これら反射手段間で共振する光のビーム径を調節するビーム径調節手段とを備えるものである。
この発明によれば、電流注入により発光する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子内の利得分布形状を調節する利得形状調節手段と、半導体レーザ素子を介してその同軸上に各々配置され、半導体レーザ素子から出力された当該軸方向の光を共振させる反射手段と、半導体レーザ素子と同軸上で反射手段間に配置され、これら反射手段間で共振する光のビーム径を調節するビーム径調節手段とを備えるので、半導体レーザ素子内のビームモードを外部から制御可能であり、さらに半導体レーザ素子内の利得分布形状を調節することにより利得分布を所望の基本モードに合わせて形成するができ、高次モードを抑制することができるという効果がある。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による半導体レーザ装置の構成を示す図であり、共振器方向をz軸、z軸に垂直で紙面の上下方向をy軸、z軸及びy軸に垂直な方向をx軸と定義する。本実施の形態1による半導体レーザ装置は、共振器方向であるz軸に沿って半導体レーザ素子11、第1のシリンドリカルレンズ(ビーム径調節手段)12、第2のシリンドリカルレンズ(ビーム径調節手段)13及び平面ミラー(反射手段)14がz軸方向に同軸に設置される。
半導体レーザ素子11では、誘導放出したレーザ光をほぼ全て反射するコーティングがz軸と垂直な面(反射手段)11aに施されており、またレーザ光を透過する反射防止コーティングが面11bに施されている。これらのコーティングは、例えば誘電体薄膜を積層して構成される。
第1のシリンドリカルレンズ12は、y軸方向のビームモードを調節するものであり、第2のシリンドリカルレンズ13は、x軸方向のビームモードを調節する。平面ミラー14は、z軸方向に入射するレーザ光強度の一部を反射する。
図2は、図1中の半導体レーザ素子の構成を示す図である。半導体レーザ素子11には、裏面にn型電極15を形成したn型半導体基板16上にn型クラッド層17、活性層及びガイド層18、p型クラッド層19及びキャップ層20が順次積層される。これは、図2中のx軸方向(ストライプ方向)に利得領域を拡大したブロードエリア型構造である。
x軸方向の利得領域は、所望の出力を得るために端面破壊が起きない程度に広げられている。y軸方向は、活性層及びガイド層18とn型クラッド層17及びp型クラッド層19とで光を閉じこめる導波構造を形成している。なお、半導体レーザ素子11の組成は、例えば利得をもつ活性層にInGaAs、ガイド層及びクラッド層17にAlGaAsを用いている。p型電極21a〜21e(利得形状調節手段)は、z軸方向に伸びたスリット構造を形成し、図示の例ではp型電極21cを中心としてx軸方向に沿って5個並んで積層されている。
次に動作について説明する。
半導体レーザ素子11に電流注入すると、半導体レーザ素子11に光利得が発生する。半導体レーザ素子11で増幅されたレーザ光は、面11aと平面ミラー14との間で構成される共振器内で発振し、出力光は平面ミラー14から取り出される。通常、基本モード発振を得るには、基本モードの利得を増加させるとともに、高次モードの利得を閾値以下に減らし、又は高次モードの損失を増加させることが条件としてあげられる。
y軸方向のビームモードは、半導体レーザ素子11内の導波路構造により基本モードのみが励振するように設計されている。しかしながら、半導体レーザ素子11内でのモードフィールド径が1μm程度であるので、半導体レーザ素子11の面11bから出力されるレーザ光は、すぐに広がってしまい、それだけでは前記共振器内を周回できない。そこで、本実施の形態1では、第1のシリンドリカルレンズ12を用いて共振器内を周回可能なビーム径に変換する。
一方、x軸方向のビームモードは、半導体レーザ素子11のx軸方向の利得領域が広いため、それ単体では基本モードのみを励振できない。この場合、基本モード発振を得るには、半導体レーザ素子11内に分布する利得を基本モードにおいて、できるだけ多く消費することで高次モード利得を抑制する。従って、本実施の形態1では、第2のシリンドリカルレンズ13を用いて半導体レーザ素子11内に形成される基本モードビーム径を大きくする。これにより、半導体レーザ素子11内に発生している利得を基本モード励振に多く寄与させることができる。
しかしながら、電流注入により形成された利得分布がx軸方向に一様であった場合、基本ビームモードで利得を消費するとその両端はガウシアンモードの裾にあたるため、誘導放出後の利得分布は中心付近よりも両端の方が高くなり、不必要な高次モードが発振してしまう。この不具合を回避するために、本実施の形態1では、半導体レーザ素子11を以下のように動作させる。
先ず、p型電極21a〜21eに各々電流を注入する。このときの電流強度は、中心に位置するp型電極21cを最大とし、端に配置された電極になるつれて電流強度が小さくなるように設定する。図3は、x軸方向に配置したp型電極21a〜21eに注入した電流強度とそれにより生じる光の利得分布との関係を示すグラフである。
図3のグラフで示されるように、光の利得は注入電流強度に応じて変化するため、活性層の中心を最大で端に近づくに伴い減少していく。基本モードは強度が中心付近に集中しているため中心付近の利得寄与が大きく、逆に高次モードは比較的端に分布しているため両端の利得寄与が大きい。従って、本実施の形態1のように中心付近に利得を集中させることにより、発振モードは基本モードが優位になり、高次モードは抑制される。
この実施の形態1によれば、電極構造を共振軸に沿ったスリット構造となるように各電極21a〜21eをストライプ方向(x軸方向)に複数個並べて配置し、これら電極21a〜21eに印加する電流強度をそれぞれ調整することにより半導体レーザ素子11の利得分布を制御するので、基本モードを発振させ、高次モードを抑制することができる。
また、半導体レーザ素子11以外に複雑なビームモード調整手段が不要であるため、部品点数が少なく、装置全体を小型化することができ、且つ安価に制作することができる。
なお、上記実施の形態1では、p型電極21は5個並べて積層したが、得たい利得分布形状によって電極数を変えても良い。例えば9個並べた場合、5個の場合と比べて利得形状を調節する自由度が増えるため、さらに発振モードを調節し易くなる。
また、上記実施の形態1では、p型電極21をスリット状に複数個並べて積層したが、素子11を上下逆転し、n型電極15を同様にスリット状電極として複数個並べた構成にしてもよい。この場合も同様に利得分布を調節できるため、高次モード発振を抑制することができる。
さらに、上記実施の形態1において平面ミラー14に波長選択性を持たせてもよい。例えば、所望の波長のみを一部反射するボリューム型グレーティング素子を用いた場合、出力波長は単一波長で発振するため、波長変換装置等に有効な高品質のビームが得られる。
さらに、上記実施の形態1では、面11aを反射コーティングして共振器の一端を担う構成例を示したが、面11aのコーティングをレーザ光に対して全部透過する特性を持たせ、さらに外側に別途反射ミラーを配置して共振器を構成してもよい。この構成によっても同様に第2のシリンドリカルレンズ12を調節することにより半導体レーザ素子11内の基本モードビーム径を大きくすることができ、p型電極21により利得分布を制御可能であるため、基本モードの発振が可能となる。
さらに、上記実施の形態1の構成による共振器内に波長変換素子を新たに設置してもよい。この場合、半導体レーザ素子で誘導放出されるレーザ波長を基本波とし、前記波長変換素子で変換された波長を変換波とする。そして、平面ミラー14の反射特性が、基本波に対して全て反射、変換波に対して全て透過になるようにコーティングし、波長変換素子の半導体レーザ素子側の端面を基本波に対して全て透過、変換波に対して全て反射になるようにコーティングする。これにより、共振器内部波長変換構造になり、高効率に変換波を得ることができる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2による半導体レーザ装置の構成図であり、図1と同様に共振器方向をz軸、z軸に垂直で紙面の上下方向をy軸、z軸及びy軸に垂直な方向をx軸と定義する。本実施の形態2による半導体レーザ装置は、共振器方向であるz軸に沿って半導体レーザ素子22、第1のシリンドリカルレンズ(ビーム径調節手段)12、第2のシリンドリカルレンズ(ビーム径調節手段)13及び平面ミラー(反射手段)14がz軸方向に同軸に設置される。
半導体レーザ素子22は、z軸と垂直な面(反射手段)22aに対してレーザ光をほぼ全て反射する全反射コーティングを施し、面22bに対してレーザ光がほぼ全て透過する反射防止コーティングを施している。この他の構成要素は、図1と同一或いは同様の機能であり、同一符号を付して重複する説明を省略する。
図5は、図4中の半導体レーザ素子の構成を示す図である。半導体レーザ素子22は、ストライプ幅が拡大された通常のブロードエリア型半導体レーザに対して、y軸方向に光を閉じこめた導波路構造でx軸方向に空間伝播するように形成した半導体スラブ導波路(半導体導波路)がバットジョイントした構造である。以降、ブロードエリア型半導体レーザ部を活性領域と呼び、半導体スラブ導波路部を位相制御領域と呼ぶ。図示の例では、領域Aが位相制御領域に対応し、領域Bが活性領域に対応する。
また、半導体レーザ素子22は、裏面にn型電極15を形成したn型半導体基板16上にn型クラッド層17、導波路コア層23、p型クラッド層19及びキャップ層20が順次積層される。p型電極24は、領域Bの活性領域上に積層され、z軸方向に沿って領域Bのほぼ全長に伸びており、x軸方向には所望の出力に対して端面破壊が生じない程度に活性層幅と同等に広げられている。
p型電極(位相制御手段)21a〜21eは、領域Aの位相制御領域上に積層されてz軸方向に伸びたスリット構造を形成し、図示の例ではp型電極21cを中心としてx軸方向に沿って5個並んで積層されている。
次に動作について説明する。
p型電極24に電流注入すると、領域Bの活性領域では利得が生じる。ここで、電極24は一様に広く積層されているため、利得分布も活性層全体に一様に広がっている。一様な利得分布にガウシアンビームが通過すると、ビームの外側、つまり活性層の端側には消費されない利得が残り、局所的な発熱で屈折率分布が生じる。
屈折率分布は、通過するビームの位相分布、つまり波面を乱す要因となる。そこで、本実施の形態2では、これを補償するために位相制御領域を新たに設けている。一般に、半導体導波路に電流を流すとプラズマ効果により屈折率が低くなる。
図6は、x軸方向に配置したp型電極21a〜21eに注入した電流強度とそれに伴う屈折率の変動量との関係を示すグラフである。図6に示すように、本実施の形態2では、電流強度を中央のp型電極21cで最小とし、電極配置が両端になるにつれて電流強度が大きくなるように調節する。これにより、導波路内のx軸方向の屈折率分布が、図6に示されるような形状になる。
上述したように、本実施の形態2では、領域Bの活性領域から出力したレーザ光が、領域Aの位相制御領域を通過することにより、波面が一様になるように制御される。つまり、p型電極21a〜21eに注入する電流強度を適切に調節することにより領域Bから出力するレーザ光の位相を任意に制御できる。例えば、フィラメント発振等により位相が乱れたレーザ光が領域Bの活性領域から出力されても、領域Aの位相制御領域で電流制御を行うことにより位相をそろえることができる。
次に共振器内のビームモードについて説明する。
本実施の形態2において、レーザ光は、半導体レーザ素子22の面22aと平面ミラー14との間で構成される共振器内を周回して発振する。y軸方向のビームモードは、半導体レーザ素子22内の導波路構造により基本モードのみが励振するように構成する。
しかしながら、半導体レーザ素子22内でのモードフィールド径が1μm程度であるので、半導体レーザ素子22の面22bから出力されるレーザ光は、すぐに広がってしまい、それだけでは上記共振器内を周回できない。このため、本実施の形態2では、第1のシリンドリカルレンズ12を用いて共振器内を周回可能なビーム径に変換する。
また、x軸方向のビームモードは、第2のシリンドリカルレンズ13を用いて半導体レーザ素子22で生じる利得を基本ビームモードで消費できるように最適化し、領域Bの活性層領域で乱れた波面を領域Aの位相制御領域によって補償することで、平面ミラー14から基本ビームモードを出力することができる。
この実施の形態2によれば、半導体レーザ素子22に位相制御領域を新たに設け、電極構造を共振軸に沿ったスリット構造とし、ストライプ方向(x軸方向)に複数個並べて電流注入を制御することにより出力ビームの位相分布を制御するので、基本モードを発振させることができる上、高次モードを抑制できる。
また、この実施の形態2によれば、半導体レーザ素子22以外に複雑なビームモード調整手段が不要であるので、部品点数を少なくすることができ、装置全体の小型化が図られ、且つ安価に制作することができる。
なお、上記実施の形態2の構成では、p型電極21は5個並べて積層したが、得たい利得分布形状によって電極数を変えても良い。例えば9個並べた場合、5個の場合と比べて利得形状を調節する自由度が増えるため、さらに発振モードを調節し易くなる。
また、上記実施の形態2の構成では、p型電極21をスリット状に複数個並べて積層する構成例を示したが、素子を上下逆転し、n型電極を同様にスリット状電極として複数個並べてもよい。この場合も同様に利得分布を調節できるため、高次モード発振を抑制することができる。
さらに、上記実施の形態2の構成において、平面ミラー14に波長選択性を持たせてもよい。例えば、所望の波長のみを一部反射するボリューム型グレーティング素子を用いた場合、出力波長は単一波長で発振するため波長変換装置等に有効な高品質のビームを得ることができる。
さらに、上記実施の形態2では、面22aに施した反射コーティングにより共振器の一端を担う構成例を示したが、レーザ光に対して全部透過する特性のコーティングを面22aに施し、さらに外側に別途反射ミラーを配置して共振器を構成してもよい。この構成であっても、第2のシリンドリカルレンズ12を調節することにより半導体レーザ素子22内の基本モードビーム径を大きくし、p型電極21に注入する電流強度を調節することにより位相を制御すれば、基本モードの発振が可能となる。
さらに、上記実施の形態2で示した共振器内に波長変換素子を新たに設置してもよい。この場合、半導体レーザ素子22で誘導放出されるレーザ波長を基本波とし、波長変換素子で変換された波長を変換波とする。そして、平面ミラー14の反射特性を、基本波に対しては全て反射とし、変換波に対しては全て透過とする。さらに、波長変換素子の半導体レーザ素子側の端面を、基本波に対しては全て透過で、変換波に対しては全て反射になるようにコーティングする。これにより、共振器内部波長変換構造になり、高効率に変換波を得ることができる。
この発明の実施の形態1による半導体レーザ装置の構成を示す図である。 図1中の半導体レーザ素子の構成を示す図である。 x軸方向に配置したp型電極に注入した電流強度とそれにより生じる光の利得分布との関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態2による半導体レーザ装置の構成を示す図である。 図4中の半導体レーザ素子の構成を示す図である。 x軸方向に配置したp型電極に注入した電流強度とそれに伴う屈折率の変動量との関係を示すグラフである。 従来の半導体レーザ装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
11,22 半導体レーザ素子、11a,11b,22a,22b 面(反射手段)、12 第1のシリンドリカルレンズ(ビーム径調節手段)、13 第2のシリンドリカルレンズ(ビーム径調節手段)、14 平面ミラー(反射手段)、15 n型電極、16 n型半導体基板、17 n型クラッド層、18 活性層及びガイド層、19 p型クラッド層、20 キャップ層、21a〜21e p型電極(利得形状調節手段、位相制御手段)、23 導波路コア層、24 p型電極。

Claims (6)

  1. 電流注入により発光する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子内の利得分布形状を調節する利得形状調節手段と、
    前記半導体レーザ素子を介してその同軸上に各々配置され、前記半導体レーザ素子から出力された当該軸方向の光を共振させる反射手段と、
    前記半導体レーザ素子と同軸上で前記反射手段間に配置され、これら反射手段間で共振する光のビーム径を調節するビーム径調節手段とを備えた半導体レーザ装置。
  2. 利得形状調節手段は、半導体レーザ素子に電流を注入する電極であって、反射手段により構成される共振器の軸方向に沿った長手方向を有するスリット形状の電極を、前記半導体レーザ素子上にそのストライプ方向に複数個並べて配置してなることを特徴とした請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 利得形状調節手段は、半導体レーザ素子のストライプ方向に複数個並べて配置した電極のうち、前記半導体レーザ素子の中心付近に配置した電極に注入する電流の強度を最大とし、その端部方向に配置されるにつれて前記電極に注入する電流強度が小さくなるように調節することを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ装置。
  4. 電流注入により発光する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子内の利得分布形状を調節する利得形状調節手段と、
    前記半導体レーザ素子を介してその同軸上に各々配置され、前記半導体レーザ素子から出力された当該軸方向の光を共振させる反射手段と、
    前記半導体レーザ素子と同軸上で前記反射手段間に配置され、これら反射手段間で共振する光のビーム径を調節するビーム径調節手段と、
    前記半導体レーザ素子内にそのストライプ方向の光成分の位相分布を制御する位相制御手段とを備えた半導体レーザ装置。
  5. 半導体レーザ素子は、ストライプ幅を拡大したブロードエリア型の半導体レーザ素子に対してその同軸上に前記ストライプ幅に等しいモードフィールド径の導波路構造を有する半導体導波路を接合して構成され、
    位相制御手段は、前記半導体レーザ素子に電流を注入する電極であって、反射手段により構成される共振器の軸方向に沿った長手方向を有するスリット形状の電極を、前記半導体導波路上にストライプ方向に複数個並べて配置してなることを特徴とする請求項4記載の半導体レーザ装置。
  6. 位相制御手段は、半導体レーザ素子のストライプ方向に複数個並べて配置した電極のうち、前記半導体レーザ素子の中心付近に配置した電極に注入する電流の強度を最大とし、その端部方向に配置されるにつれて前記電極に注入する電流強度が小さくなるように調節することを特徴とする請求項5記載の半導体レーザ装置。
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