JP2003060288A - 半導体レーザ - Google Patents
半導体レーザInfo
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- JP2003060288A JP2003060288A JP2001247187A JP2001247187A JP2003060288A JP 2003060288 A JP2003060288 A JP 2003060288A JP 2001247187 A JP2001247187 A JP 2001247187A JP 2001247187 A JP2001247187 A JP 2001247187A JP 2003060288 A JP2003060288 A JP 2003060288A
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Abstract
(57)【要約】
【課 題】 本発明は、注入キャリア密度に基づく屈
折率分布を均一にすることにより、FFP形状を単峰化
し安定させた半導体レーザを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 基板上に少なくとも第1導電型の第1ク
ラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層がこの
順に積層されている積層構造を有し、第2クラッド層の
上部にストライプ状の電流注入領域を有する半導体レー
ザであって、前記電流注入領域内に、電流注入領域の共
振器長方向と平行な中央線を対称軸として線対称に一本
のストライプ状電流非注入領域が設けられていることを
特徴とする半導体レーザ。
折率分布を均一にすることにより、FFP形状を単峰化
し安定させた半導体レーザを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 基板上に少なくとも第1導電型の第1ク
ラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層がこの
順に積層されている積層構造を有し、第2クラッド層の
上部にストライプ状の電流注入領域を有する半導体レー
ザであって、前記電流注入領域内に、電流注入領域の共
振器長方向と平行な中央線を対称軸として線対称に一本
のストライプ状電流非注入領域が設けられていることを
特徴とする半導体レーザ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定したFFPを
有する半導体レーザ、特にブロードエリア型半導体レー
ザに関するものである。
有する半導体レーザ、特にブロードエリア型半導体レー
ザに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、書き込み光ディスクの高速化、レ
ーザプリンタの高速化、光通信の高速化への要求が高ま
っており、それに伴い高出力半導体レーザの開発が盛ん
に行われている。例えば、半導体レーザで高出力を得る
ために、ストライプ幅を広くとるという手法がある。光
密度を光学損傷(COD)が生じるレベル以下に低減す
ることで、高出力を実現できる。そして、現に電流注入
領域のストライプ幅が約10μm以上のブロードエリア
型半導体レーザと呼ばれる半導体レーザが、高出力半導
体レーザとして、例えばレーザプリンタの光源等に使用
されている。
ーザプリンタの高速化、光通信の高速化への要求が高ま
っており、それに伴い高出力半導体レーザの開発が盛ん
に行われている。例えば、半導体レーザで高出力を得る
ために、ストライプ幅を広くとるという手法がある。光
密度を光学損傷(COD)が生じるレベル以下に低減す
ることで、高出力を実現できる。そして、現に電流注入
領域のストライプ幅が約10μm以上のブロードエリア
型半導体レーザと呼ばれる半導体レーザが、高出力半導
体レーザとして、例えばレーザプリンタの光源等に使用
されている。
【0003】しかし、従来のブロードエリア型半導体レ
ーザは、下記のような問題点を有していた。すなわち、
一般的に注入電流の多いところでは、屈折率が下がる
(プラズマ効果)性質があるので、特にブロードエリア
型半導体レーザにおいては、注入キャリア密度に基づく
屈折率がストライプ端部で高くなり、中央部で低くな
る。そのためストライプ端部に光が集まり、それゆえに
ストライプ端部では位相が遅れ、逆に中央部では位相が
進み、導波波面が進行方向に対してストライプ中央部を
凸とした形状に湾曲する。この結果、出射される光の水
平方向の遠視野像(Far Field Pattern : FFP)が複峰
化するという問題があった。そのようなFFP形状は印
刷などのビームの均一性を要求する応用で、例えば印字
ムラが生じるなどの不都合の原因となっていた。そのた
め、半導体レーザ、特にブロードエリア型半導体レーザ
において、FFPが複峰化しないよう改善が望まれてい
た。
ーザは、下記のような問題点を有していた。すなわち、
一般的に注入電流の多いところでは、屈折率が下がる
(プラズマ効果)性質があるので、特にブロードエリア
型半導体レーザにおいては、注入キャリア密度に基づく
屈折率がストライプ端部で高くなり、中央部で低くな
る。そのためストライプ端部に光が集まり、それゆえに
ストライプ端部では位相が遅れ、逆に中央部では位相が
進み、導波波面が進行方向に対してストライプ中央部を
凸とした形状に湾曲する。この結果、出射される光の水
平方向の遠視野像(Far Field Pattern : FFP)が複峰
化するという問題があった。そのようなFFP形状は印
刷などのビームの均一性を要求する応用で、例えば印字
ムラが生じるなどの不都合の原因となっていた。そのた
め、半導体レーザ、特にブロードエリア型半導体レーザ
において、FFPが複峰化しないよう改善が望まれてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、注入キャリ
ア密度に基づく屈折率分布を均一にすることにより、F
FP形状を単峰化し安定させることを目的とする。
ア密度に基づく屈折率分布を均一にすることにより、F
FP形状を単峰化し安定させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行った結果、ゲインガイド構造または利得導波型構造
と呼ばれる構造、すなわち、活性層の一部のみに電流を
流すための電流狭窄構造を有しているブロードエリア型
半導体レーザにおいて、電流注入領域内に、電流注入領
域の共振器長方向と平行な中央線を対称軸として線対称
に一本のストライプ状電流非注入領域が設けることによ
り、注入キャリア密度に基づく屈折率分布を均一化する
ことができるということを知見した。その結果、FFP
を単峰化させ、安定したFFPを得ることができる。本
発明者らは、さらに検討を重ね、本発明を完成させるに
至った。
を行った結果、ゲインガイド構造または利得導波型構造
と呼ばれる構造、すなわち、活性層の一部のみに電流を
流すための電流狭窄構造を有しているブロードエリア型
半導体レーザにおいて、電流注入領域内に、電流注入領
域の共振器長方向と平行な中央線を対称軸として線対称
に一本のストライプ状電流非注入領域が設けることによ
り、注入キャリア密度に基づく屈折率分布を均一化する
ことができるということを知見した。その結果、FFP
を単峰化させ、安定したFFPを得ることができる。本
発明者らは、さらに検討を重ね、本発明を完成させるに
至った。
【0006】すなわち、本発明は、(1)基板上に少な
くとも第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電
型の第2クラッド層がこの順に積層されている積層構造
を有し、第2クラッド層の上部にストライプ状の電流注
入領域を有する半導体レーザであって、前記電流注入領
域内に、電流注入領域の共振器長方向と平行な中央線を
対称軸として線対称に一本のストライプ状電流非注入領
域が設けられていることを特徴とする半導体レーザ、
(2)半導体レーザが、ブロードエリア型レーザである
ことを特徴とする前記(1)に記載の半導体レーザ、
(3)電流非注入領域の厚さが、第2クラッド層の厚さ
より小であることを特徴とする前記(1)に記載の半導
体レーザ、(4)電流非注入領域のストライプ幅が、電
流注入領域のストライプ幅の10〜50%であることを
特徴とする前記(1)に記載の半導体レーザ、(5)レ
ーザ出射端面において、電流注入領域内に電流非注入領
域が設けられていないことを特徴とする前記(1)に記
載の半導体レーザ、(6)第1クラッド層と活性層の間
に第1導電型の第1ガイド層が、活性層と第2クラッド
層の間に第2導電型の第2ガイド層が設けられているこ
とを特徴とする前記(1)に記載の半導体レーザ、に関
する。
くとも第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電
型の第2クラッド層がこの順に積層されている積層構造
を有し、第2クラッド層の上部にストライプ状の電流注
入領域を有する半導体レーザであって、前記電流注入領
域内に、電流注入領域の共振器長方向と平行な中央線を
対称軸として線対称に一本のストライプ状電流非注入領
域が設けられていることを特徴とする半導体レーザ、
(2)半導体レーザが、ブロードエリア型レーザである
ことを特徴とする前記(1)に記載の半導体レーザ、
(3)電流非注入領域の厚さが、第2クラッド層の厚さ
より小であることを特徴とする前記(1)に記載の半導
体レーザ、(4)電流非注入領域のストライプ幅が、電
流注入領域のストライプ幅の10〜50%であることを
特徴とする前記(1)に記載の半導体レーザ、(5)レ
ーザ出射端面において、電流注入領域内に電流非注入領
域が設けられていないことを特徴とする前記(1)に記
載の半導体レーザ、(6)第1クラッド層と活性層の間
に第1導電型の第1ガイド層が、活性層と第2クラッド
層の間に第2導電型の第2ガイド層が設けられているこ
とを特徴とする前記(1)に記載の半導体レーザ、に関
する。
【0007】また、本発明は、(7)基板上に少なくと
も第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電型の
第2クラッド層がこの順に積層されている積層構造を有
し、第2クラッド層の上部をストライプ状に形成して電
流注入領域とし、かつストライプの両側を電流非注入領
域としたストライプ型半導体レーザであって、前記電流
注入領域内に、電流注入領域の共振器長方向と平行な中
央線を対称軸として線対称に一本のストライプ状電流非
注入領域が設けられていることを特徴とする半導体レー
ザ、(8)半導体レーザが、ブロードエリア型レーザで
あることを特徴とする前記(7)に記載の半導体レー
ザ、(9)電流注入領域内の電流非注入領域の厚さが、
第2クラッド層の厚さより小であることを特徴とする前
記(7)に記載の半導体レーザ、(10)電流注入領域
内の電流非注入領域のストライプ幅が、電流注入領域の
ストライプ幅の10〜50%であることを特徴とする前
記(7)に記載の半導体レーザ、(11)レーザ出射端
面において、電流注入領域内に電流非注入領域が設けら
れていないことを特徴とする前記(7)に記載の半導体
レーザ、(12)第1クラッド層と活性層の間に第1導
電型の第1ガイド層が、活性層と第2クラッド層の間に
第2導電型の第2ガイド層が設けられていることを特徴
とする前記(7)に記載の半導体レーザ、に関する。
も第1導電型の第1クラッド層、活性層、第2導電型の
第2クラッド層がこの順に積層されている積層構造を有
し、第2クラッド層の上部をストライプ状に形成して電
流注入領域とし、かつストライプの両側を電流非注入領
域としたストライプ型半導体レーザであって、前記電流
注入領域内に、電流注入領域の共振器長方向と平行な中
央線を対称軸として線対称に一本のストライプ状電流非
注入領域が設けられていることを特徴とする半導体レー
ザ、(8)半導体レーザが、ブロードエリア型レーザで
あることを特徴とする前記(7)に記載の半導体レー
ザ、(9)電流注入領域内の電流非注入領域の厚さが、
第2クラッド層の厚さより小であることを特徴とする前
記(7)に記載の半導体レーザ、(10)電流注入領域
内の電流非注入領域のストライプ幅が、電流注入領域の
ストライプ幅の10〜50%であることを特徴とする前
記(7)に記載の半導体レーザ、(11)レーザ出射端
面において、電流注入領域内に電流非注入領域が設けら
れていないことを特徴とする前記(7)に記載の半導体
レーザ、(12)第1クラッド層と活性層の間に第1導
電型の第1ガイド層が、活性層と第2クラッド層の間に
第2導電型の第2ガイド層が設けられていることを特徴
とする前記(7)に記載の半導体レーザ、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る半導体レーザは、基
板上に少なくとも第1導電型の第1クラッド層、活性
層、第2導電型の第2クラッド層がこの順に積層されて
いる積層構造を有する。さらに、本発明に係る半導体レ
ーザにおいては、第1クラッド層と活性層の間に第1導
電型の第1ガイド層を、活性層と第2クラッド層の間に
第2導電型の第2ガイド層を有していても良い。また、
基板と第1クラッド層との間に第1導電型の第1コンタ
クト層を、第2クラッド層の上に第2導電型の第2コン
タクト層を有していても良い。また、基板と第1クラッ
ド層との間に、または第1コンタクト層を有する場合は
基板と第1コンタクト層との間に、バッファ層を有して
いても良い。
板上に少なくとも第1導電型の第1クラッド層、活性
層、第2導電型の第2クラッド層がこの順に積層されて
いる積層構造を有する。さらに、本発明に係る半導体レ
ーザにおいては、第1クラッド層と活性層の間に第1導
電型の第1ガイド層を、活性層と第2クラッド層の間に
第2導電型の第2ガイド層を有していても良い。また、
基板と第1クラッド層との間に第1導電型の第1コンタ
クト層を、第2クラッド層の上に第2導電型の第2コン
タクト層を有していても良い。また、基板と第1クラッ
ド層との間に、または第1コンタクト層を有する場合は
基板と第1コンタクト層との間に、バッファ層を有して
いても良い。
【0009】本発明の半導体レーザにおいて用いる基板
としては、サファイア基板、SiC、Si、GaAs、
GaN、スピネルまたはZnO等の公知の基板を用いて
よい。該基板上に積層される上記半導体層は、公知の半
導化合物を用いてよい。中でも、III−V族半導化合物
を用いるのが好ましい。III−V族半導化合物とは、化
学式InaAlbGacNxAsyPz(a,b,c≦
1,a+b+c=1,x,y,z≦1,x+y+z=
1)において組成比a,bおよびcならびにx、yおよ
びzをそれぞれの範囲内で変化させたすべての組成の半
導体を含むものを基本とする。さらに、III族元素であ
るIn、Al、Gaの一部をBに置き換えたものや、V
族元素であるN、As、Pの一部をSbに置き換えたも
のも含まれる。本発明に係る半導体レーザにおいては、
活性層と、第1クラッド層および第2導電型の第2クラ
ッド層とが異なる半導化合物からなるいわゆるダブルヘ
テロ(DH)接合積層構造を備えていることが好まし
い。
としては、サファイア基板、SiC、Si、GaAs、
GaN、スピネルまたはZnO等の公知の基板を用いて
よい。該基板上に積層される上記半導体層は、公知の半
導化合物を用いてよい。中でも、III−V族半導化合物
を用いるのが好ましい。III−V族半導化合物とは、化
学式InaAlbGacNxAsyPz(a,b,c≦
1,a+b+c=1,x,y,z≦1,x+y+z=
1)において組成比a,bおよびcならびにx、yおよ
びzをそれぞれの範囲内で変化させたすべての組成の半
導体を含むものを基本とする。さらに、III族元素であ
るIn、Al、Gaの一部をBに置き換えたものや、V
族元素であるN、As、Pの一部をSbに置き換えたも
のも含まれる。本発明に係る半導体レーザにおいては、
活性層と、第1クラッド層および第2導電型の第2クラ
ッド層とが異なる半導化合物からなるいわゆるダブルヘ
テロ(DH)接合積層構造を備えていることが好まし
い。
【0010】本発明に係る半導体レーザには、通常、p
側電極およびn側電極が設けられている。p側電極また
はn側電極の位置およびその構造・組成は特に限定され
ず、自体公知の構造・組成などに従ってよい。具体的に
は、例えば、第2導電型電極が、第2クラッド層上、第
2コンタクト層がある場合は第2コンタクト層上に設け
られ、第1導電型電極が基板の裏面に設けられている構
造が挙げられる。また、p側電極としては、例えばパラ
ジウム(Pd)、白金(Pt)および金(Au)が順次
積層された構成の電極が挙げられる。また、n側電極と
しては、例えばチタン(Ti),アルミニウム(Al)
および金(Au)が順次積層された電極が挙げられる。
側電極およびn側電極が設けられている。p側電極また
はn側電極の位置およびその構造・組成は特に限定され
ず、自体公知の構造・組成などに従ってよい。具体的に
は、例えば、第2導電型電極が、第2クラッド層上、第
2コンタクト層がある場合は第2コンタクト層上に設け
られ、第1導電型電極が基板の裏面に設けられている構
造が挙げられる。また、p側電極としては、例えばパラ
ジウム(Pd)、白金(Pt)および金(Au)が順次
積層された構成の電極が挙げられる。また、n側電極と
しては、例えばチタン(Ti),アルミニウム(Al)
および金(Au)が順次積層された電極が挙げられる。
【0011】本発明に係る半導体レーザは、活性層の一
部のみに電流を流すための電流狭窄構造を有している。
すなわち、第2クラッド層の上部にストライプ状の電流
注入領域を有する。第2クラッド層の上部にストライプ
状の電流注入領域を有する構造としては特に限定されな
いが、好ましい実施態様として以下のような構造が挙げ
られる。
部のみに電流を流すための電流狭窄構造を有している。
すなわち、第2クラッド層の上部にストライプ状の電流
注入領域を有する。第2クラッド層の上部にストライプ
状の電流注入領域を有する構造としては特に限定されな
いが、好ましい実施態様として以下のような構造が挙げ
られる。
【0012】上記構造としては、例えば、第2クラッド
層の上部にストライプ状の電流非注入領域を設け、電流
非注入領域以外の領域が電流注入領域となる構造が挙げ
られる。該ストライプ状の電流非注入領域は、半導体レ
ーザの両端に位置することが特に好ましい。すなわち、
2本のストライプ状の電流非注入領域で挟まれるよう
に、半導体レーザの中央部にストライプ状の電流注入領
域が設けられている構造が特に好ましい。
層の上部にストライプ状の電流非注入領域を設け、電流
非注入領域以外の領域が電流注入領域となる構造が挙げ
られる。該ストライプ状の電流非注入領域は、半導体レ
ーザの両端に位置することが特に好ましい。すなわち、
2本のストライプ状の電流非注入領域で挟まれるよう
に、半導体レーザの中央部にストライプ状の電流注入領
域が設けられている構造が特に好ましい。
【0013】上記ストライプ状の電流非注入領域は、イ
オンインプランテーション、エッチング法または結晶成
長法により作製することができる。より具体的には、第
2クラッド層の上部に、例えばB+,H+,N+などの
イオンを注入すること(イオンインプランテーション)
により、かかる領域の電気抵抗を増大させ、電流非注入
領域とすることができる。また、第2クラッド層の上部
を選択的にエッチングすることにより、もしくは第2ク
ラッド層の途中から選択的に結晶成長させることによ
り、第2クラッド層の上部を凹凸形状とし、次いで、凹
部に例えばSiO 2等の絶縁膜を埋設することによっ
て、凹部を電流非注入領域、凸部を電流注入領域にする
ことができる。かかる方法により作製される構造を有す
る本発明に係る半導体レーザの具体的態様を図1および
2に示した。
オンインプランテーション、エッチング法または結晶成
長法により作製することができる。より具体的には、第
2クラッド層の上部に、例えばB+,H+,N+などの
イオンを注入すること(イオンインプランテーション)
により、かかる領域の電気抵抗を増大させ、電流非注入
領域とすることができる。また、第2クラッド層の上部
を選択的にエッチングすることにより、もしくは第2ク
ラッド層の途中から選択的に結晶成長させることによ
り、第2クラッド層の上部を凹凸形状とし、次いで、凹
部に例えばSiO 2等の絶縁膜を埋設することによっ
て、凹部を電流非注入領域、凸部を電流注入領域にする
ことができる。かかる方法により作製される構造を有す
る本発明に係る半導体レーザの具体的態様を図1および
2に示した。
【0014】また、上記ストライプ状の電流非注入領域
は、第2クラッド層または第2コンタクト層がある場合
は第2コンタクト層の上に、例えばSiOの絶縁膜を設
けることにより作製することもできる。かかる構造は、
いずれも公知の方法に従って作製することができる。か
かる方法により作製される構造を有する本発明に係る半
導体レーザの具体的態様を図3に示した。
は、第2クラッド層または第2コンタクト層がある場合
は第2コンタクト層の上に、例えばSiOの絶縁膜を設
けることにより作製することもできる。かかる構造は、
いずれも公知の方法に従って作製することができる。か
かる方法により作製される構造を有する本発明に係る半
導体レーザの具体的態様を図3に示した。
【0015】上記構造の他の態様としては、第2クラッ
ド層の上部をリッジ構造とすることが挙げられる。この
とき、かかるリッジ構造は、テーパー状であってもよい
し、垂直であっても良い。かかる構造は、例えば、フォ
トリソグラフィとエッチングの組み合わせなど公知の方
法に従って作製することができる。リッジ構造を有する
本発明に係る半導体レーザの具体的態様を図4に示し
た。
ド層の上部をリッジ構造とすることが挙げられる。この
とき、かかるリッジ構造は、テーパー状であってもよい
し、垂直であっても良い。かかる構造は、例えば、フォ
トリソグラフィとエッチングの組み合わせなど公知の方
法に従って作製することができる。リッジ構造を有する
本発明に係る半導体レーザの具体的態様を図4に示し
た。
【0016】上記構造のさらに他の態様としては、図5
に示したように、第2クラッド層3の上の一部に、第2
コンタクト層9を設けることが挙げられる。なお、図2
〜5に、それぞれの半導体レーザにおける電流注入幅W
を示した。
に示したように、第2クラッド層3の上の一部に、第2
コンタクト層9を設けることが挙げられる。なお、図2
〜5に、それぞれの半導体レーザにおける電流注入幅W
を示した。
【0017】本発明に係る半導体レーザでは、上述のよ
うな「第2クラッド層の上部にストライプ状の電流注入
領域を有する構造」において、前記電流注入領域内に、
電流注入領域の共振器長方向と平行な中央線を対称軸と
して線対称に一本のストライプ状電流非注入領域が設け
られていることを特長とする。ここで、「電流注入領域
の共振器長方向と平行な中央線」とは、半導体レーザの
共振器長方向に垂直な任意の断面における電流注入幅の
中点を連続して結んだときに描かれる軌跡をいう。電流
注入領域内の中央部に上記のような電流非注入領域を設
けることにより、中央部の注入電流が少なくなるため、
プラズマ効果による屈折率の低下が緩和され、屈折率分
布が均一になるという利点を有する。その結果、光の位
相も均一化されるので、出射される光の水平方向の遠視
野像(FFP)が安定する。
うな「第2クラッド層の上部にストライプ状の電流注入
領域を有する構造」において、前記電流注入領域内に、
電流注入領域の共振器長方向と平行な中央線を対称軸と
して線対称に一本のストライプ状電流非注入領域が設け
られていることを特長とする。ここで、「電流注入領域
の共振器長方向と平行な中央線」とは、半導体レーザの
共振器長方向に垂直な任意の断面における電流注入幅の
中点を連続して結んだときに描かれる軌跡をいう。電流
注入領域内の中央部に上記のような電流非注入領域を設
けることにより、中央部の注入電流が少なくなるため、
プラズマ効果による屈折率の低下が緩和され、屈折率分
布が均一になるという利点を有する。その結果、光の位
相も均一化されるので、出射される光の水平方向の遠視
野像(FFP)が安定する。
【0018】本発明に係る半導体レーザでは、上記電流
注入領域内の電流非注入領域のストライプ幅が、電流注
入領域のストライプ幅の約10〜50%程度であること
が好ましい。なお、図2〜5で示した半導体レーザにお
いて、電流注入領域のストライプ幅をWで、電流非注入
領域のストライプ幅をBで表した。
注入領域内の電流非注入領域のストライプ幅が、電流注
入領域のストライプ幅の約10〜50%程度であること
が好ましい。なお、図2〜5で示した半導体レーザにお
いて、電流注入領域のストライプ幅をWで、電流非注入
領域のストライプ幅をBで表した。
【0019】本発明に係る半導体レーザにおいて、電流
注入領域内の電流非注入領域を作製する方法は特に限定
されず、公知の方法に従ってよい。具体的には、例え
ば、上記電流非注入領域は、イオンインプランテーショ
ン、エッチング法または結晶成長法により作製すること
ができる。イオンインプランテーション、エッチング法
または結晶成長法は上述と全く同様に行えばよい。この
とき、上記電流注入領域内の電流非注入領域の厚さは、
第2クラッド層の厚さより小であることが好ましい。す
なわち、該電流非注入領域は、活性層までは達していな
いことが好ましい。
注入領域内の電流非注入領域を作製する方法は特に限定
されず、公知の方法に従ってよい。具体的には、例え
ば、上記電流非注入領域は、イオンインプランテーショ
ン、エッチング法または結晶成長法により作製すること
ができる。イオンインプランテーション、エッチング法
または結晶成長法は上述と全く同様に行えばよい。この
とき、上記電流注入領域内の電流非注入領域の厚さは、
第2クラッド層の厚さより小であることが好ましい。す
なわち、該電流非注入領域は、活性層までは達していな
いことが好ましい。
【0020】本発明に係る半導体レーザにおいて、上述
した電流狭窄構造が「第2クラッド層の上部にストライ
プ状の電流非注入領域を設け、電流非注入領域以外の領
域を電流注入領域とする構造」である場合、電流注入領
域内の電流非注入領域は、イオンインプランテーショ
ン、エッチング法または結晶成長法により作製すること
が好ましい。イオンインプランテーションにより電流注
入領域の中央部においてストライプ状に電流非注入領域
を設けた本発明に係る半導体レーザの具体的態様を図1
および2に示した。
した電流狭窄構造が「第2クラッド層の上部にストライ
プ状の電流非注入領域を設け、電流非注入領域以外の領
域を電流注入領域とする構造」である場合、電流注入領
域内の電流非注入領域は、イオンインプランテーショ
ン、エッチング法または結晶成長法により作製すること
が好ましい。イオンインプランテーションにより電流注
入領域の中央部においてストライプ状に電流非注入領域
を設けた本発明に係る半導体レーザの具体的態様を図1
および2に示した。
【0021】また、上記電流非注入領域は、SiO2な
どの絶縁膜により作製することができる。SiO2など
の絶縁膜により電流注入領域の中央部においてストライ
プ状に電流非注入領域が設けた本発明に係る半導体レー
ザの具体的態様を図3に示した。図3に示すように、こ
の場合、上述した電流狭窄構造も、同じく絶縁膜を積層
することにより作製することが好ましい。
どの絶縁膜により作製することができる。SiO2など
の絶縁膜により電流注入領域の中央部においてストライ
プ状に電流非注入領域が設けた本発明に係る半導体レー
ザの具体的態様を図3に示した。図3に示すように、こ
の場合、上述した電流狭窄構造も、同じく絶縁膜を積層
することにより作製することが好ましい。
【0022】上述した電流狭窄構造が、図4に示すよう
な「第2クラッド層4の上部をリッジ構造とする構造」
である場合は、電流注入領域内の電流非注入領域は、イ
オンインプランテーション、エッチング法または結晶成
長法により作製してもよいし、SiO2などの絶縁膜を
設けることにより作製してもよい。
な「第2クラッド層4の上部をリッジ構造とする構造」
である場合は、電流注入領域内の電流非注入領域は、イ
オンインプランテーション、エッチング法または結晶成
長法により作製してもよいし、SiO2などの絶縁膜を
設けることにより作製してもよい。
【0023】本発明に係る半導体レーザのさらに他の態
様としては、図5に示すように、第2クラッド層3の上
に2本のストライプ状の第2コンタクト層9を設けるこ
とが挙げられる。このとき、2本のストライプ状第2コ
ンタクト層9はそれぞれのストライプ幅が同じであるこ
とが好ましい。このような構造とすることによって、2
本のストライプ状の第2コンタクト層に挟まれている一
本のストライプ状電流非注入領域が、電流注入領域の中
央に設けられていることとなる。
様としては、図5に示すように、第2クラッド層3の上
に2本のストライプ状の第2コンタクト層9を設けるこ
とが挙げられる。このとき、2本のストライプ状第2コ
ンタクト層9はそれぞれのストライプ幅が同じであるこ
とが好ましい。このような構造とすることによって、2
本のストライプ状の第2コンタクト層に挟まれている一
本のストライプ状電流非注入領域が、電流注入領域の中
央に設けられていることとなる。
【0024】本発明に係る半導体レーザでは、上述のよ
うな電流注入領域内の電流非注入領域が、レーザ出射端
面においては設けられていないことが好ましい。すなわ
ち、電流注入領域内の電流非注入領域が、レーザ出射端
面にまで達していないことが好ましい。このように電流
注入領域内の電流非注入領域が半導体レーザ長手方向の
一部にのみ形成されている方が、FFPのみならずNF
Pも安定化するためより好ましい。
うな電流注入領域内の電流非注入領域が、レーザ出射端
面においては設けられていないことが好ましい。すなわ
ち、電流注入領域内の電流非注入領域が、レーザ出射端
面にまで達していないことが好ましい。このように電流
注入領域内の電流非注入領域が半導体レーザ長手方向の
一部にのみ形成されている方が、FFPのみならずNF
Pも安定化するためより好ましい。
【0025】本発明に係る半導体レーザは、ブロードエ
リア型半導体レーザであることが好ましい。ブロードエ
リア型半導体レーザとは、横モードが多モード形状を示
す半導体レーザをいう。より具体的には、ブロードエリ
ア型半導体レーザとしては、ストライプ幅が約10μm
程度以上である半導体レーザが挙げられる。
リア型半導体レーザであることが好ましい。ブロードエ
リア型半導体レーザとは、横モードが多モード形状を示
す半導体レーザをいう。より具体的には、ブロードエリ
ア型半導体レーザとしては、ストライプ幅が約10μm
程度以上である半導体レーザが挙げられる。
【0026】以下、図面を参照して、本発明の好ましい
実施形態を説明する。しかし、本発明はこれに限定され
るものではない。図1は、本発明にかかる半導体レーザ
素子の斜視図であり、図2は図1におけるA−A’断面
図である。本実施例に係る半導体レーザ素子10は、n
型GaAs基板6上に、n型Al0.5Ga0.5As
からなるクラッド層5、活性層4およびp型Al0.5
Ga0.5Asからなるクラッド層3のダブルヘテロ
(DH)接合積層構造を備えている。また、活性層4
は、AlxGa1−xAs(0<x<1)からなるバリ
ア層と、AlyGa1−yAs(0<y<1、x>y)
からなる井戸層とからなる多重量子井戸構造を有してい
る。
実施形態を説明する。しかし、本発明はこれに限定され
るものではない。図1は、本発明にかかる半導体レーザ
素子の斜視図であり、図2は図1におけるA−A’断面
図である。本実施例に係る半導体レーザ素子10は、n
型GaAs基板6上に、n型Al0.5Ga0.5As
からなるクラッド層5、活性層4およびp型Al0.5
Ga0.5Asからなるクラッド層3のダブルヘテロ
(DH)接合積層構造を備えている。また、活性層4
は、AlxGa1−xAs(0<x<1)からなるバリ
ア層と、AlyGa1−yAs(0<y<1、x>y)
からなる井戸層とからなる多重量子井戸構造を有してい
る。
【0027】p型クラッド層3の上部は、例えばストラ
イプ幅Wが約100μm程度と広いリッジ状ワイドスト
ライプとして形成され、リッジ状ワイドストライプの両
側は電流非注入領域1となっている。2本のストライプ
状電流非注入領域1に挟まれている領域が電流注入領域
となっている。さらに、p型クラッド層3の上部には、
前記電流注入領域内に1本の帯状の電流非注入領域2が
共振器長方向に延在している。かかる電流非注入領域2
は、図1に示すようにレーザ出射端面には達していな
い。また、かかる電流非注入領域2のストライプ幅Bは
約10μm程度である。電流非注入領域1および電流非
注入領域2は、B+等のイオンインプランテーションに
より電気抵抗を増大させた化合物半導体層として構成さ
れている。
イプ幅Wが約100μm程度と広いリッジ状ワイドスト
ライプとして形成され、リッジ状ワイドストライプの両
側は電流非注入領域1となっている。2本のストライプ
状電流非注入領域1に挟まれている領域が電流注入領域
となっている。さらに、p型クラッド層3の上部には、
前記電流注入領域内に1本の帯状の電流非注入領域2が
共振器長方向に延在している。かかる電流非注入領域2
は、図1に示すようにレーザ出射端面には達していな
い。また、かかる電流非注入領域2のストライプ幅Bは
約10μm程度である。電流非注入領域1および電流非
注入領域2は、B+等のイオンインプランテーションに
より電気抵抗を増大させた化合物半導体層として構成さ
れている。
【0028】電流非注入領域1および電流非注入領域2
の厚さは、それぞれ独立して設定することができる。た
だし、上述したように電流非注入領域2は、活性層まで
達していないことが好ましい。本実施態様においては、
上記のようにイオンインプランテーションにより電流非
注入領域1および2を同時に形成しているので、半導体
レーザの両側に設けられている電流非注入領域1と電流
注入領域内にある電流非注入領域2とが同じ深さに形成
されている。
の厚さは、それぞれ独立して設定することができる。た
だし、上述したように電流非注入領域2は、活性層まで
達していないことが好ましい。本実施態様においては、
上記のようにイオンインプランテーションにより電流非
注入領域1および2を同時に形成しているので、半導体
レーザの両側に設けられている電流非注入領域1と電流
注入領域内にある電流非注入領域2とが同じ深さに形成
されている。
【0029】また、本実施態様に係る半導体レーザにお
いては、図示していないが、例えばTi/Pt/Auの
多層金属膜からなるp側電極が、p型クラッド層3上お
よび電流非注入領域1および電流非注入領域2上に形成
される。また、例えばAu/Ge/Ni/Auの多層金
属膜からなるn側電極が基板6の裏面に形成される。
いては、図示していないが、例えばTi/Pt/Auの
多層金属膜からなるp側電極が、p型クラッド層3上お
よび電流非注入領域1および電流非注入領域2上に形成
される。また、例えばAu/Ge/Ni/Auの多層金
属膜からなるn側電極が基板6の裏面に形成される。
【0030】本発明に係る半導体レーザの製造方法の好
ましい実施態様として、図1および2に示した半導体レ
ーザの製造方法を以下に述べる。まず、減圧下、例えば
100Torr程度の減圧下で、有機金属気層成長(M
OCVD)法によるエピタキシャル成長法により、Ga
As基板6上にn型クラッド層5、活性層4およびp型
クラッド層3の各化合物半導体層を成膜する。エピタキ
シャル成長法は、MOCVD法に限定されず、例えばハ
ライド気相成長法または分子線エビタキシー(Molecula
r Beam Epitaxy;MBE)法など公知の方法を用いてよ
い。
ましい実施態様として、図1および2に示した半導体レ
ーザの製造方法を以下に述べる。まず、減圧下、例えば
100Torr程度の減圧下で、有機金属気層成長(M
OCVD)法によるエピタキシャル成長法により、Ga
As基板6上にn型クラッド層5、活性層4およびp型
クラッド層3の各化合物半導体層を成膜する。エピタキ
シャル成長法は、MOCVD法に限定されず、例えばハ
ライド気相成長法または分子線エビタキシー(Molecula
r Beam Epitaxy;MBE)法など公知の方法を用いてよ
い。
【0031】これらの窒化物半導体層の成長原料は、当
業界で常用されている公知の化合物を用いてよい。例え
ば、III族元素のGaを原料としてはトリメチルガリウ
ム((CH3)3Ga;TMG)を、III族元素のAl
の原料としては、トリメチルアルミニウム((CH3)
3Al;TMAl)を、V族元素のAsの原料として
は、水素化ヒ素(AsH3)を用いるのが好ましい。ま
た、キャリアガスは、例えば、水素(H2)と窒素(N
2)との混合ガスを用いるのが好ましい。ドーパント
は、n型ドーパントとして例えばモノシラン(Si
H4)を、p型ドーパントとして例えばビス=メチルシ
クロペンタジエニルマグネシウム((CH3C5H4)
2Mg;MeCp2Mg)あるいはビス=シクロペンタ
ジエニルマグネシウム((C5H5)2Mg;Cp2M
g)を用いるのが好ましい。
業界で常用されている公知の化合物を用いてよい。例え
ば、III族元素のGaを原料としてはトリメチルガリウ
ム((CH3)3Ga;TMG)を、III族元素のAl
の原料としては、トリメチルアルミニウム((CH3)
3Al;TMAl)を、V族元素のAsの原料として
は、水素化ヒ素(AsH3)を用いるのが好ましい。ま
た、キャリアガスは、例えば、水素(H2)と窒素(N
2)との混合ガスを用いるのが好ましい。ドーパント
は、n型ドーパントとして例えばモノシラン(Si
H4)を、p型ドーパントとして例えばビス=メチルシ
クロペンタジエニルマグネシウム((CH3C5H4)
2Mg;MeCp2Mg)あるいはビス=シクロペンタ
ジエニルマグネシウム((C5H5)2Mg;Cp2M
g)を用いるのが好ましい。
【0032】ついで、p型クラッド層3の上部に電流非
注入領域1および電流非注入領域2をイオンインプラン
テーション(イオン注入法)により形成する。イオンイ
ンプランテーションは自体公知の方法に従ってよいが、
例えば、以下のような工程で行うことが好ましい。ま
ず、最上層に例えば光を受けると溶解するレジストを形
成する。通常のリソグラフィにより、電流非注入領域部
分が開口となるようにマスクを形成する。そして光照射
を行うと、マスクで覆われていない部分が溶解し、レジ
ストで覆われていない部分ができる。そこにイオン注入
を施すことにより、その領域の電気抵抗が増大し、電流
非注入領域1および電流非注入領域2が形成される。注
入されるイオン種としては、例えばB+、H+またはN
+等を用いることができる。
注入領域1および電流非注入領域2をイオンインプラン
テーション(イオン注入法)により形成する。イオンイ
ンプランテーションは自体公知の方法に従ってよいが、
例えば、以下のような工程で行うことが好ましい。ま
ず、最上層に例えば光を受けると溶解するレジストを形
成する。通常のリソグラフィにより、電流非注入領域部
分が開口となるようにマスクを形成する。そして光照射
を行うと、マスクで覆われていない部分が溶解し、レジ
ストで覆われていない部分ができる。そこにイオン注入
を施すことにより、その領域の電気抵抗が増大し、電流
非注入領域1および電流非注入領域2が形成される。注
入されるイオン種としては、例えばB+、H+またはN
+等を用いることができる。
【0033】上記イオンインプランテーションの他の好
ましい態様を以下に述べる。まず、p型クラッド層3上
に電流非注入領域1を露出させるような開口パターンを
有するイオン注入用マスクを例えばAl膜等で作り、例
えばB+等のイオンをイオン注入して電気抵抗を増大さ
せ、電流非注入領域1を形成する。続いて、電流非注入
領域2を露出させるような開口パターンを有するイオン
注入用マスクを例えばAl膜等で作り、例えばB+等の
イオンをイオン注入して電気抵抗を増大させ、電流非注
入領域2を形成する。このようにすることにより、電流
非注入領域1と電流非注入領域2の厚さを、独立して設
定することができる。
ましい態様を以下に述べる。まず、p型クラッド層3上
に電流非注入領域1を露出させるような開口パターンを
有するイオン注入用マスクを例えばAl膜等で作り、例
えばB+等のイオンをイオン注入して電気抵抗を増大さ
せ、電流非注入領域1を形成する。続いて、電流非注入
領域2を露出させるような開口パターンを有するイオン
注入用マスクを例えばAl膜等で作り、例えばB+等の
イオンをイオン注入して電気抵抗を増大させ、電流非注
入領域2を形成する。このようにすることにより、電流
非注入領域1と電流非注入領域2の厚さを、独立して設
定することができる。
【0034】また、上記方法では、電流非注入領域1と
電流非注入領域2を別工程で形成させているが、これら
を同時に形成させてもよい。すなわち、p型クラッド層
3に、電流非注入領域1および電流非注入領域2を露出
させるような開口パターンを有するイオン注入用マスク
を例えばAl膜等で形成し、例えばB+等のイオンをイ
オン注入して電気抵抗を増大させ、電流非注入領域1お
よび電流非注入領域2を形成する。
電流非注入領域2を別工程で形成させているが、これら
を同時に形成させてもよい。すなわち、p型クラッド層
3に、電流非注入領域1および電流非注入領域2を露出
させるような開口パターンを有するイオン注入用マスク
を例えばAl膜等で形成し、例えばB+等のイオンをイ
オン注入して電気抵抗を増大させ、電流非注入領域1お
よび電流非注入領域2を形成する。
【0035】本発明においては、イオンインプランテー
ションの代わりに、エッチング法を用いてもよい。エッ
チング法は自体公知の方法に従ってよいが、例えば、以
下のような工程で行うことが好ましい。まず、第2クラ
ッド層3の上の電流注入領域を形成したい部分にSiO
2等でマスクし、エッチングを行う。これによりマスク
されていない部分のみがエッチングされるため、第2ク
ラッド層3の上部は凹凸形状になる。次いで、凹部に、
例えばSiO2等の絶縁膜を埋設することにより、凹部
を電流非注入領域1および2、凸部を電流注入領域にす
ることができる。なお、上記と同様に、電流非注入領域
1と電流非注入領域2を、それぞれ個別に設けてもよ
い。すなわち、まず、上記のような方法で電流非注入領
域1を作製し、次いで同じ操作を繰り返して電流非注入
領域2を作製しても良い。
ションの代わりに、エッチング法を用いてもよい。エッ
チング法は自体公知の方法に従ってよいが、例えば、以
下のような工程で行うことが好ましい。まず、第2クラ
ッド層3の上の電流注入領域を形成したい部分にSiO
2等でマスクし、エッチングを行う。これによりマスク
されていない部分のみがエッチングされるため、第2ク
ラッド層3の上部は凹凸形状になる。次いで、凹部に、
例えばSiO2等の絶縁膜を埋設することにより、凹部
を電流非注入領域1および2、凸部を電流注入領域にす
ることができる。なお、上記と同様に、電流非注入領域
1と電流非注入領域2を、それぞれ個別に設けてもよ
い。すなわち、まず、上記のような方法で電流非注入領
域1を作製し、次いで同じ操作を繰り返して電流非注入
領域2を作製しても良い。
【0036】エッチング方法としては、ウェットエッチ
ング法およびドライエッチング法などの方法が挙げられ
るが、ドライエッチング法が好ましい。ドライエッチン
グ法としては、具体的には、例えば反応性イオンドライ
エッチング(RIE)法または反応性イオンビームドラ
イエッチング(RIBE)法が挙げられる。
ング法およびドライエッチング法などの方法が挙げられ
るが、ドライエッチング法が好ましい。ドライエッチン
グ法としては、具体的には、例えば反応性イオンドライ
エッチング(RIE)法または反応性イオンビームドラ
イエッチング(RIBE)法が挙げられる。
【0037】また、イオンインプランテーションの代わ
りに、結晶成長法を用いてもよい。結晶成長法は自体公
知の方法に従ってよいが、例えば、以下のような工程で
行うことが好ましい。まず、第2クラッド層3を途中ま
で結晶成長させたのち、電流非注入領域を形成したい部
分にマスクし、結晶成長を続ける。これによりマスク開
口部になった部分は結晶成長を続けるため、第2クラッ
ド層の上部が凹凸形状になる。次いで、凹部に、例えば
SiO2等の絶縁膜を埋設することにより、凹部を電流
非注入領域1および2、凸部を電流注入領域にすること
ができる。なお、上記と同様に、電流非注入領域1と電
流非注入領域2を、それぞれ個別に設けてもよい。ま
た、結晶成長をさせる方法としては、上述のような公知
の方法を用いてよい。
りに、結晶成長法を用いてもよい。結晶成長法は自体公
知の方法に従ってよいが、例えば、以下のような工程で
行うことが好ましい。まず、第2クラッド層3を途中ま
で結晶成長させたのち、電流非注入領域を形成したい部
分にマスクし、結晶成長を続ける。これによりマスク開
口部になった部分は結晶成長を続けるため、第2クラッ
ド層の上部が凹凸形状になる。次いで、凹部に、例えば
SiO2等の絶縁膜を埋設することにより、凹部を電流
非注入領域1および2、凸部を電流注入領域にすること
ができる。なお、上記と同様に、電流非注入領域1と電
流非注入領域2を、それぞれ個別に設けてもよい。ま
た、結晶成長をさせる方法としては、上述のような公知
の方法を用いてよい。
【0038】次いで、第2クラッド層3上に、パラジウ
ム(Pd)、白金(Pt)および金(Au)を順次蒸着
してp側電極を形成する。一方、基板6の裏面にチタン
(Ti),アルミニウム(Al)および金(Au)を順
次蒸着してn側電極を形成する。これにより、図1およ
び2に示す半導体レーザ10を作製することができる。
ム(Pd)、白金(Pt)および金(Au)を順次蒸着
してp側電極を形成する。一方、基板6の裏面にチタン
(Ti),アルミニウム(Al)および金(Au)を順
次蒸着してn側電極を形成する。これにより、図1およ
び2に示す半導体レーザ10を作製することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の半導体レーザは、電流注入領域
の中央部に電流非注入領域を設けることにより、注入キ
ャリア密度が均一化される。その結果、注入キャリア密
度が不均一であることにより生じる導波波面の凸湾曲を
矯正することができ、水平方向の遠視野像(FFP)を
単峰化することができる。このように、FFPが単峰化
されている半導体レーザは、例えばプリンターなどに応
用した場合印字ムラが生じにくいなど、ビームの均一性
を要求する分野において有用である。
の中央部に電流非注入領域を設けることにより、注入キ
ャリア密度が均一化される。その結果、注入キャリア密
度が不均一であることにより生じる導波波面の凸湾曲を
矯正することができ、水平方向の遠視野像(FFP)を
単峰化することができる。このように、FFPが単峰化
されている半導体レーザは、例えばプリンターなどに応
用した場合印字ムラが生じにくいなど、ビームの均一性
を要求する分野において有用である。
【図1】本発明に係る半導体レーザの斜視模式図であ
る。
る。
【図2】図1のA−A’断面の模式図である。
【図3】本発明に係る他の態様の半導体レーザにおける
共振器長方向に垂直な断面の模式図である。
共振器長方向に垂直な断面の模式図である。
【図4】本発明に係るさらに他の態様の半導体レーザに
おける共振器長方向に垂直な断面の模式図である。
おける共振器長方向に垂直な断面の模式図である。
【図5】本発明に係るさらに他の態様の半導体レーザに
おける共振器長方向に垂直な断面の模式図である。
おける共振器長方向に垂直な断面の模式図である。
1 電流非注入領域
2 電流非注入領域
3 p型クラッド層
4 活性層
5 n型クラッド層
6 GaAs基板
8 絶縁膜
9 コンタクト層
10 半導体レーザ
Claims (7)
- 【請求項1】 基板上に少なくとも第1導電型の第1ク
ラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層がこの
順に積層されている積層構造を有し、第2クラッド層の
上部にストライプ状の電流注入領域を有する半導体レー
ザであって、前記電流注入領域内に、電流注入領域の共
振器長方向と平行な中央線を対称軸として線対称に一本
のストライプ状電流非注入領域が設けられていることを
特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】 半導体レーザが、ブロードエリア型レー
ザであることを特徴とする請求項1に記載の半導体レー
ザ。 - 【請求項3】 電流非注入領域の厚さが、第2クラッド
層の厚さより小であることを特徴とする請求項1に記載
の半導体レーザ。 - 【請求項4】 電流非注入領域のストライプ幅が、電流
注入領域のストライプ幅の10〜50%であることを特
徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。 - 【請求項5】 レーザ出射端面において、電流注入領域
内に電流非注入領域が設けられていないことを特徴とす
る請求項1に記載の半導体レーザ。 - 【請求項6】 第1クラッド層と活性層の間に第1導電
型の第1ガイド層が、活性層と第2クラッド層の間に第
2導電型の第2ガイド層が設けられていることを特徴と
する請求項1に記載の半導体レーザ。 - 【請求項7】 基板上に少なくとも第1導電型の第1ク
ラッド層、活性層、第2導電型の第2クラッド層がこの
順に積層されている積層構造を有し、第2クラッド層の
上部をストライプ状に形成して電流注入領域とし、かつ
ストライプの両側を電流非注入領域としたストライプ型
半導体レーザであって、前記電流注入領域内に、電流注
入領域の共振器長方向と平行な中央線を対称軸として線
対称に一本のストライプ状電流非注入領域が設けられて
いることを特徴とする半導体レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001247187A JP2003060288A (ja) | 2001-08-16 | 2001-08-16 | 半導体レーザ |
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---|---|---|---|
JP2001247187A JP2003060288A (ja) | 2001-08-16 | 2001-08-16 | 半導体レーザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003060288A true JP2003060288A (ja) | 2003-02-28 |
Family
ID=19076574
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006339450A (ja) * | 2005-06-02 | 2006-12-14 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体レーザ装置 |
US7612953B2 (en) | 2007-10-05 | 2009-11-03 | Sony Corporation | Optical element module and image pickup device |
US7965749B2 (en) | 2007-10-03 | 2011-06-21 | Sony Corporation | Laser diode and method of manufacturing the same |
JPWO2019053854A1 (ja) * | 2017-09-14 | 2019-11-07 | 三菱電機株式会社 | 半導体レーザ装置 |
Citations (2)
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