JP2001332810A - レーザ装置 - Google Patents

レーザ装置

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JP2001332810A
JP2001332810A JP2000151469A JP2000151469A JP2001332810A JP 2001332810 A JP2001332810 A JP 2001332810A JP 2000151469 A JP2000151469 A JP 2000151469A JP 2000151469 A JP2000151469 A JP 2000151469A JP 2001332810 A JP2001332810 A JP 2001332810A
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laser device
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gain
waveguide
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Kenji Matsumoto
研司 松本
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ装置において、基本横モードで安定
に、かつ高出力でレーザ光を発振させる。 【解決手段】 電流注入により光利得を発生する活性層
を含む複数の半導体層からなる利得媒質10と、その利
得媒質に対向して設置させた光学部材である凹レンズ2
0とを備え、利得媒質10の活性層に垂直な一端面に形
成されている第一の反射面17と凹レンズ20の凹面に
形成された第二の反射面21とによりレーザ共振器を構
成する。利得媒質内には屈折率段差による導波路はな
く、共振器面である第一および第二の反射面17,21
により共振器内における光ビームの導波路が決定される
ため、利得媒質10の光出射端面18における光密度が
大きくなりすぎないように、かつ、基本横モード発振す
るように、共振器長および第二の反射面21の曲率によ
りビーム径を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ装置に関
し、詳細には、活性層を備えた半導体素子を利得媒質と
し、該利得媒質の一端面と外部に設けられた反射面とに
よる外部共振器構造を備えたレーザ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体レーザは、レーザ光が回折
限界まで集光可能である性質を用い、光通信用光源、ま
た光ディスク装置用光源として広く用いられるに至って
いる。しかしながら、半導体レーザから放射される光な
らば全て回折限界まで集光可能であるわけではなく、半
導体レーザの出射端面において、位相が揃っている光、
すなわち基本横モードで発光している光のみが回折限界
まで集光可能である。一方、基本横モードのみでなく、
高次の横モードが混在して発光している、様々な位相の
光が混在している状態では、回折限界まで集光できな
い。
【0003】一般に、基本横モード動作は、発光断面積
を小さくすればするほど、安定となることが広く知られ
ている。そのため、基本横モード発振する半導体レーザ
を構成する際には、導波路のサイズは厚さ方向に1μm
以下、発光層の幅方向に2〜4μm程度で設計されて製
造されている。特に、導波路のサイズとして発光層の幅
方向の幅を狭めれば狭めるほど、安定に基本横モードで
発光する素子を高い歩留まりで製造可能となることは、
経験的にも広く知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基本横
モード発振させるために幅方向を狭め発光断面積を狭く
することは、半導体レーザの出射端面における光密度の
上昇を必然的に招くこととなる。この出射端面における
光密度の増大は半導体レーザの構成材料の劣化を招き、
素子の寿命を短くする一要因となる。すなわち、光密度
の増大により端面劣化が生じるため、発光断面積の狭い
半導体レーザにおいては高出力を得ることが困難であ
る。
【0005】一方、高出力動作を達成するための一つの
方法として、活性層の幅方向に50−100μmの幅の
広い導波路を備えた構造とすることが挙げられる。導波
路の断面積が広くなるため、端面における光密度は低く
なり素子端面の劣化が抑えられて高出力が可能となる。
しかしながら、このように幅広の導波路とすると、基本
横モード発振とはならず、多モード発振となる。
【0006】上述のように、基本横モードでの安定動作
は活性領域の断面積を小さくすることにより得られ、一
方、光出力の増大化は活性領域の断面積を広くすること
によって得られる。したがって、基本横モードの安定化
と光出力の高出力化とを同時に達成することは非常に困
難であった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、基本横モードで安定に、かつ高出力でレーザ
光を発振するレーザ装置を提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザ装置は、
電流注入により光利得を生じる活性層を含む複数の半導
体層からなり、前記活性層に垂直な一端面に第一の反射
面を備えた利得媒質と、前記利得媒質の前記一端面と対
向する他端面側の外部に配置された、前記第一の反射面
と共に基本横モード発振せしめる共振器を構成する反射
光を集束せしめる第二の反射面を有する光学ユニットと
を備え、前記光利得により生じた誘導光の導波路が、前
記共振器により決定されるものであることを特徴とする
ものである。
【0009】すなわち、本発明のレーザ装置は、利得媒
質として半導体素子を利用し、その半導体素子の一端面
と外部に設けられた外部ミラー(第二の反射面を有する
光学ユニット)とにより共振器を構成するものである。
【0010】なお、前記利得媒質の前記導波路となる領
域は、発振するレーザ波長に対して透過性を有するもの
であることが望ましい。
【0011】また、前記利得媒質の前記導波路となる領
域には、屈折率差による導波路構造が形成されていない
ことが望ましく、このように利得媒質の内部構造による
屈折率導波路を形成しない構造とするために、例えば、
前記活性層と該活性層を挟む前記半導体層との屈折率の
差による効果を打ち消すための層を設けるとよい。
【0012】また、前記光学ユニットは、前記活性層の
幅方向よりも厚み方向に光を集束させる機能を有するも
のであることが望ましく、単一の光学部材からなるもの
であってもよいし、いかなる光学部材の組合せからなる
ものであってもよい。具体的には、前記第二の反射面の
曲率を、該第二の反射面で反射される光を前記活性層の
幅方向よりも厚み方向に集束させるもの、前記利得媒質
と前記第二の反射面との間にシリンドリカルレンズを備
え、前記第二の反射面の曲率が等方的であるものさら
に、前記利得媒質と前記第二の反射面との間に円柱状面
を備え、前記第二の反射面の曲率が等方的であるもの等
が挙げられる。
【0013】なお、前記活性層のうち前記導波路に対応
する領域に対してのみ電流を注入する構造を備えること
が望ましい。「前記導波路に対応する領域に対してのみ
・・」とは、導波路と完全に一致する領域だけでなく、
その周囲を一部含むものであってもよいが、活性層全体
に電流を注入するものではないことを意味する。
【0014】
【発明の効果】本発明のレーザ装置は、活性層を備えた
半導体素子からなる利得媒質と、その利得媒質の一端面
と外部に配された光学ユニットの反射面とにより共振器
を構成し、この共振器により基本横モードで発振し、ま
た、共振器内部において光利得により生じた誘導光の導
波路もこの共振器により決定されるものであるため、従
来の半導体レーザ素子のように、半導体内部構造により
導波路および横モードが決定される場合と比較して、基
本横モードを一義的に容易に発振可能であり、また、光
出射端面における導波路の断面積を容易に広げることが
できるため、高出力の発振をすることができる。
【0015】前記利得媒質の前記導波路となる領域が発
振するレーザ波長に対して透過性を有するものであるこ
とにより、内部構造により導波路が限定されることな
く、光密度を低く維持しつつ基本横モード発振を可能と
する。
【0016】前記利得媒質の前記導波路となる領域には
屈折率差による導波路構造が形成されていないことによ
り、利得媒質内部の構造により導波路が決定されないた
め、光密度を低く維持しつつ基本横モード発振を可能と
する。
【0017】また、前記光学ユニットが、前記活性層の
幅方向よりも厚み方向に光を集束させる機能を有するも
のであることにより、一般に非常に薄く形成される活性
層に対して光を集中させることができるので、効率よく
光利得を得ることができ、高出力発振がより容易に可能
となる。
【0018】前記活性層のうち前記導波路に対応する領
域に対してのみ電流を注入する構造を備えたことによ
り、電流を活性層全体に注入する場合と比較して、導波
路となる領域で効率よく光利得を生じさせることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の具
体的な実施の形態を説明する。
【0020】図1は本発明の第一の実施の形態であるレ
ーザ装置の概略構成を示す斜視図である。本レーザ装置
は、電流注入により光利得を発生する活性層を含む複数
の半導体層からなる利得媒質10と、その利得媒質に対
向して設置させた光学部材である凹レンズ20とを備
え、利得媒質10の活性層に垂直な一端面に形成されて
いる反射面17と凹レンズ20の凹面状の反射面21と
によりレーザ共振器が構成されている。
【0021】まず、半導体素子である利得媒質10につ
いて説明する。該利得媒質10はn−GaAs基板1
1、波長980nmにて光利得を発生するInGaAs量子井戸活
性層からなる利得層12、 p−GaAs上部層13および該
上部層13の間に形成されたn-GaAs電流阻止層14から
なる。なお、利得層12は活性層以外に歪緩和層等を備
えていてもよい。基板上に各層を積層するにあたっては
気相成長法およびフォトリソグラフィ工程を用いる。な
お、基板11、上部層13および電流阻止層14は、レ
ーザ発振波長に対して透明な材料とする。
【0022】上記のような半導体層を形成後、利得層1
2に電流を注入するため基板11側および上部層13側
にそれぞれn側電極15、p側電極16を形成する。ま
た、基板11および上部層13の厚みは、後述のレーザ
共振器により形成される光ビームが電極15,16に散
乱されて光損失を生じないような値とする。例えば光ビ
ームの直径が100 μmならば、それぞれの厚さを100 μ
m程度とする。
【0023】次に、結晶の劈開性を利用して劈開により
素子を切り出す。この際、対向する二端面を構成する劈
開面のうち一端面にレーザ光に対応した波長における高
反射膜、他端面に無反射膜を形成することにより、一端
面をレーザ共振器を構成する第一の反射面17とし、他
端面を光出射端面18とする。また、この利得媒質10
は電流注入により発熱するため、導電性のろう材(In
等)を用い、図示しないヒートシンクに基板11側を実
裝する。そして、素子に対してワイヤーボンドを行い電
流注入可能な構造とする。
【0024】図2は、図1に示すI−I線断面図であ
り、電流阻止層14が形成された箇所での断面図であ
る。ここでは共振器により形成される光ビームの導波路
を示すビームパターン100 も示されている。電流阻止層
14は、導波路中で効率よく利得を発生させるべく電流
注入領域を限定するために設けられるものであり、この
電流注入のための電流注入窓を有する。この窓は、スト
ライプ状であってもよいし、ビームパターン100 に沿う
ように末広がりに形成されていてもよいが、特にビーム
パターン100 に略一致するように末広がり形状のほうが
より効率よく利得を発生させることができるので好まし
い。
【0025】一方、凹レンズ20は、レーザ共振器の第
二の反射面となる凹面21にはレーザ光に対応した波長
における高反射膜、もしくは低反射膜が形成されてお
り、レーザ光出射面となる他面22にはレーザ光に対応
した波長における無反射膜が形成されている。なお、凹
面21に形成される反射膜の反射率は利得媒質で発生す
る利得に応じて決められるもので、利得が大きくない場
合には、高い反射率とする必要がある。
【0026】本レーザ装置は、利得層12に電流を注入
することにより、InGaAsからなる量子井戸活性層におい
て利得が発生し、この利得により生じた誘導光が共振器
内で増幅されてレーザ発振する。
【0027】本レーザ装置においては、利得媒質10の
一端面に形成された平面(第一の反射面)17と、この
利得媒質10の外部に設けられた凹面(第二の反射面)
21とにより共振器が構成されており、この外部に設け
られた第二の反射面21の位置により容易に共振器長を
調節することができ、凹レンズ20としても種々の曲率
のものを適宜選択して利用することができる。
【0028】前述のように利得媒質10を構成する各層
は、レーザ発振波長に対し透明な材料からなっており、
内部に屈折率段差による屈折率導波構造も備えていない
ため、光ビームの導波路は2枚の反射面からなる共振
器、特に共振器長と凹レンズ20の凹面21の曲率によ
り決定されるものとなる。
【0029】従来の屈折率導波構造を備えた半導体レー
ザ素子においては、光ビームが狭い導波路内に限定され
るが、上述のように本発明のレーザ装置においては導波
路が共振器構造にのみ依存して形成されるため、利得媒
質10の光出射端面18における光密度は低くなる。光
密度が低いため利得媒質構成材料の劣化を引き起こさ
ず、高出力の光が出力可能となる。
【0030】また、従来より、横モードは導波路により
制御されており、ここでは導波路を共振器長および凹面
の曲率により定めることができるので、この共振器長お
よび凹面の曲率として基本横モードによる発光を行うよ
うにそれぞれの値を選択する。これにより容易に基本横
モード発振が可能となる。
【0031】なお、本レーザ装置においては、利得部の
共振器長方向の長さを1mmとし、発振波長980nmで1
Wまで光出力-電流特性上異常なく発振することができ
た。また、近視野像の乱れもなく、良好な光出力が得ら
れ、実際にシステム搭載時においても安定な光出力を得
ることができた。
【0032】上記第一の実施の形態においては光学部材
として凹レンズ20を利用し、そのの凹面を共振器面と
したものを利用したが、レーザ光を基本横モードで共振
できる光学ユニットであればこれに限るものではない。
例えば別の光学部材として平凸レンズを利用することも
できる。図3に平凸レンズ120を用いた場合の利得媒
質10および平凸レンズの断面図を示す。平凸レンズ1
20の平面121側を利得媒質10に近い側に配し、こ
の面にレーザ光の波長に対する無反射膜を形成する。一
方、凸面122にはレーザ光の波長に対する低反射もし
くは高反射膜を形成してこの面を共振器の第二の反射面
とする。凸面122は利得媒質10からみると凹面であ
り上述の凹レンズ20を用いた場合と同じ効果が得られ
る。
【0033】次に、本発明の第二の実施の形態のレーザ
装置について説明する。図4は、本発明の第二の実施の
形態であるレーザ装置の概略構成を示す斜視図である。
ここでは、第一の実施形態のレーザ装置と同等の要素に
は同符合を付し詳細な説明を省略する。
【0034】本レーザ装置は、電流注入により光利得を
発生する活性層を含む複数の半導体層からなる利得媒質
30と、その利得媒質に対向して設置させた光学部材で
ある凹レンズ40とを備え、利得媒質30の活性層に垂
直な一端面に形成されている第一の反射面と凹レンズ4
0の凹面に形成された第二の反射面とによりレーザ共振
器が構成されている。
【0035】利得媒質30は上記第一の実施形態におい
て用いられた利得媒質10とほぼ同様であるが、上部層
13’の厚みが10μm程度と薄く形成される。また、利
得媒質30をヒートシンク50に実装する際、上部層1
3’側を実装する。ここで、上部層13’の厚みは10μ
mであり、第一の実施形態の場合と比較しても非常に薄
いため利得層12がヒートシンク50に近くなり効率よ
く放熱できる。したがって、発熱による特性劣化を抑制
することができる。
【0036】凹レンズ40は、その縦方向と横方向とで
異なる曲率を有し、利得層12を中心として利得層12
の幅方向よりも厚み方向に光を集束せしめるように配置
される。この凹レンズ40の凹面41にはレーザ光の波
長に対する低反射もしくは高反射膜が形成されており、
この凹面41が共振器の第二の反射面を構成し、光出射
面となる他面42にはレーザ光の波長に対する無反射膜
が形成されている。この凹レンズ40により、利得媒質
の光出射端面18において扁平な光ビーム形状を形成す
ることができ、ここでは光出射端面18において利得層
12の幅方向に100μm、厚み方向に10μm程度の扁平
な光ビーム形状になるような曲率を備えるものとする。
【0037】上述のようにして、利得層12に対しその
厚み方向に薄い光ビーム径となるため、上部層13’の
厚みが10μm程度の薄いものであっても、電極による光
の散乱による光出力の低下は生じない。また、光ビーム
が利得層12の厚み方向に10μm以下と薄いために、利
得の発生源である薄い活性層とも十分な相互作用するこ
とができるため、十分な利得を得ることができさらに高
出力の光が出力可能となる。なお、上部層を薄く形成す
ることにより、その結晶成長にかかる時間も短縮でき、
材料ガスのコストも安価に抑えることができる。
【0038】次に、第三の実施の形態のレーザ装置につ
いて図6を参照して説明する。本発明のレーザ装置は第
二の実の施形態と光学ユニットの構成が異なる。同等の
要素には同符合を付し詳細な説明を省略する。
【0039】本レーザ装置における光学ユニット60
は、共振器の第二の反射面となる面を備えた凹レンズ6
1とシリンドリカルレンズ64とからなる。
【0040】凹レンズ61は、等方的な曲率を備えた共
振器の第二の反射面となる凹面62とレーザ出射面とな
る他面63とを備え、凹面62にはレーザ光に対応した
波長における高反射膜もしくは低反射膜が形成されてお
り、他面63にはレーザ光に対応した波長における無反
射膜が形成されている。
【0041】また、シリンドリカルレンズ64は、各面
にレーザ光に対応した波長における無反射膜が形成され
ている。
【0042】凹レンズ61の凹面62の曲率とシリンド
リカルレンズの曲率は、それぞれを組み合わせた光学系
において、利得層12に対し幅方向よりも厚み方向に光
を集束せしめる曲率を選択する。ここでは、利得媒質1
0’の光出射端面18において、利得層12の厚み方向
には10μm前後、幅方向には100μm程度の光ビーム径
となるような曲率とする。
【0043】凹レンズ61とシリンドリカルレンズ64
からなる光学ユニット60は、第二の実施の形態と同様
の扁平な光ビーム径を形成するものであるが、前述の縦
横で曲率の異なる凹レンズを用いる場合と比較して安価
に構成することができる。
【0044】なお、扁平な光ビーム形状を形成するため
の光学ユニット(光学部材)は、上述の例に限るもので
はない。例えば、円柱面と球面とを有するレンズを用い
てもよい。
【0045】図6,7に球、円柱面を有するレンズを適
用した場合のレーザ装置の利得層12における横断面図
(a)およびそれを上方から見た図(b)を示す。
【0046】図6に示す光学部材150は、円柱の一部
のような断面(円柱面)151と等方的な曲率の凹面1
52を有しており、円柱面151が利得媒質30側とな
るように配されている。円柱面151にはレーザ光に対
応した波長における無反射膜が形成されており、シリン
ドリカルレンズと同等な役割を果たす。また、凹面15
2にはレーザ光に対応した波長における高反射膜もしく
は低反射膜が形成されており、この凹面152が共振器
の第二の反射面となる。
【0047】図6(a),(b)に示すように、円柱面
151は利得層12の幅方向にのみ曲率を有し、この曲
率は凹面152の曲率より小さい。凹面152によりビ
ーム径を利得媒質端面における利得層12の厚み方向に
10μm程度となるように成形し、円柱面151によりそ
のビーム径を幅方向に広がりを持たせるようにして、幅
方向には100μm程度とする。
【0048】図7に示す光学部材160は、円柱の一部
のような断面(円柱面)161と等方的な曲率の凹面1
62を有しており、円柱面161が利得媒質30側とな
るように配されている。円柱面161にはレーザ光に対
応した波長における無反射膜が形成されており、シリン
ドリカルレンズと同等な役割を果たす。また、凹面16
2にはレーザ光に対応した波長における高反射膜もしく
は低反射膜が形成されており、この面162が共振器の
第二の反射面となる。
【0049】図7(a),(b)に示すように、円柱面
161は利得層12の厚み方向にのみ曲率を有し、この
曲率は利得層12側からみると凸状の曲率となってい
る。凹面162によりビーム径を利得媒質端面における
利得層12の幅方向に100μm程度となるように成形
し、円柱面161によりそのビーム径を利得層12厚み
方向にさらに集束させて厚み方向に10μm程度となるよ
うにする。
【0050】これらのように球面と円柱面を有するレン
ズは、凹レンズにおいて縦横の曲率を変化させたものと
比較して安価に構成することができる。
【0051】さて、上記の各実施の形態においては、屈
折率差よる影響はないものとしているが、一般には、活
性層とそれを支持する基板、上部層では屈折率が異な
る。また、レーザ発振において発生した熱や、活性層へ
の電流注入により屈折率は変化するために、活性層とそ
れを支持する基板、上部層との間に屈折率差が生じる場
合もある。
【0052】そこで、これらの屈折率の差を見込んで、
あらかじめ、その効果を打ち消すための層設けておくこ
とが好ましい。図8に屈折率の差による効果を打ち消す
ための層を設けた場合の利得媒質の例を屈折率分布とと
もに示す。図示のように、基板146、上部層140に
比べ活性層143の屈折率が大きい場合、屈折率の低い
層141、145をそれぞれの層の間に設けることによ
り、屈折率を平均的にならして屈折率の差により生じる
効果を打ち消すようにする。なお、図中、140’およ
び146’の各層は、それぞれ上部層140、基板14
6と同等の組成の層である。
【0053】なお、上述の各実施の形態においては、電
流阻止層を上部層と逆極性の層とする半導体のPN接合を
利用した内部電流阻止方式を採用したが、例えば高抵抗
層を形成することにより電流の流れを制限するような方
式をとってもよい。
【0054】また、量子井戸構造において、複数の井戸
からなるキャリアの閉じ込め層、歪み補償層を設ける等
の従来の半導体レーザ素子における性能向上にかかわる
施策は本発明のレーザ装置における利得媒質に適用する
ことができる。
【0055】また、上記利得媒質である半導体素子の構
造は、n型基板を用いた場合について記述しているが、
p型基板を用いてもよく、この場合上記すべての導電性
を反転すればよい。
【0056】さらに、上記実施の形態においてはGaAs系
半導体についてのみ記述しているが、GaN 系、InP 系、
またその他の半導体を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態のレーザ装置の概略構
成を示す斜視図
【図2】図1のI−I線断面図
【図3】第一の実施形態において共振器の別の態様を示
す図
【図4】本発明の第二の実施形態のレーザ装置の概略構
成を示す斜視図
【図5】本発明の第三の実施形態のレーザ装置の概略構
成を示す斜視図
【図6】第三の実施形態において共振器の別の態様を示
す図
【図7】第三の実施形態において共振器のさらに別の態
様を示す図
【図8】屈折率差を打ち消すための構造を備えた利得媒
質の断面図
【符号の説明】
10 利得媒質 11 基板 12 利得層 13 上部層 14 電流阻止層 17 第一の反射面 18 光出射端面 20 凹レンズ 21 第二の反射面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流注入により光利得を生じる活性層を
    含む複数の半導体層からなり、前記活性層に垂直な一端
    面に第一の反射面を備えた利得媒質と、 前記利得媒質の前記一端面と対向する他端面側の外部に
    配置された、前記第一の反射面と共に基本横モード発振
    せしめる共振器を構成する、反射光を集束せしめる第二
    の反射面を有する光学ユニットとを備え、 前記光利得により生じた誘導光の導波路が、前記共振器
    により決定されるものであることを特徴とするレーザ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記利得媒質の前記導波路となる領域
    が、発振するレーザ波長に対して透過性を有するもので
    あることを特徴とする請求項1記載のレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記利得媒質の前記導波路となる領域に
    は、屈折率差による導波路構造が形成されていないこと
    を特徴とする請求項1または2記載のレーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記活性層と該活性層を挟む前記半導体
    層との屈折率の差による効果を打ち消すための層を設け
    たことを特徴とする請求項3記載のレーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記光学ユニットが、前記活性層の幅方
    向よりも厚み方向に光を集束させる機能を有するもので
    あることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載
    のレーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記第二の反射面の曲率が、該第二の反
    射面で反射される光を前記活性層の幅方向よりも厚み方
    向に集束させるものであることを特徴とする請求項5記
    載のレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記光学ユニットが、前記利得媒質と前
    記第二の反射面との間にシリンドリカルレンズを備え、
    前記第二の反射面の曲率が等方的であることを特徴とす
    る請求項5記載のレーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記光学ユニットが、前記利得媒質と前
    記第二の反射面との間に円柱状面を備え、前記第二の反
    射面の曲率が等方的であることを特徴とする請求項5項
    記載のレーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記活性層のうち前記導波路に対応する
    領域に対してのみ電流を注入する構造を備えたことを特
    徴とする請求項1から8いずれか1項記載のレーザ装
    置。
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