JP4671017B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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本発明は、ブロードエリア型半導体レーザなどの素子の光出力を安定化する機能を有する半導体レーザ装置に関する。
半導体レーザ(laser diode ;LD)は、CD(Compact Disk)またはDVD(Digital Versatile Disk)のような光ディスク装置における光源としての用途のほか、ディスプレイ,印刷機器,材料の加工または医療などさまざまな分野に応用されている。これらの応用分野においては出力の高いことが望ましい場合が多く、高出力半導体レーザに対する要望が高まっている。
出力を高くする一つの方法として、ストライプ状の発光領域を有する半導体レーザの場合、発光領域の幅、すなわちストライプ幅を広くすることが有効である。例えば、光ディスク用の半導体レーザでは、ストライプ幅の典型的な値が2μmないし3μm程度であるのに対して、高出力用として開発されている半導体レーザには、ストライプ幅を50μmないし100μmに広げたものも出現している。このようにストライプ幅を広くした半導体レーザは、ブロードエリア型半導体レーザと呼ばれている。なお、ここでいう「ブロードエリア型」の基準となるストライプ幅の明確な数値は規定されていないが、本明細書においては例えば概ね10μm以上のものをいうこととする。
特開平9−162478号公報
一般に半導体レーザには、出射後の光学系や照射対象からの反射によってレーザ自体に戻ってくる光、すなわち戻り光の影響を受けやすい性質がある。戻り光の影響を受けるとレーザ発振が不安定になるので、実用上望ましくないことに加え、場合によってはレーザの劣化や故障に至るおそれがある。
このような戻り光による影響は、上述したブロードエリア型半導体レーザの場合も同様に問題となっており、なおかつ高出力であるがゆえに、アイソレータや波長板などの外部素子を利用して戻り光の影響を抑制することも難しく、状況はより深刻であると言える。
また、光ディスクシステムなどすでに確立している応用例においては、戻り光対策も十分に講じられているが、ブロードエリア型半導体レーザの場合はさまざまな応用例が現在発展中の段階にあり、戻り光対策も十分とはいえない。
なお、従来では、戻り光の影響を抑えるため、例えば、レーザ出力を受光した信号に基づいてレーザに流す電流を変調することによりフィードバックをかけることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この方法では、レーザに流す電流を変調するようにしているので、光出力が変動しやすくなってしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、戻り光による影響を効果的に抑制することができ、安定した光出力を得ることができる半導体レーザ装置を提供することにある。
本発明による第1の半導体レーザ装置は、対向配置された第1端面および第2端面により内部共振器を構成し、主として第2端面側から光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の第1端面との間で外部共振器を構成し、半導体レーザ素子から出力された光の一部を半導体レーザ素子との間で共振させる反射光発生部と、半導体レーザ素子の光強度およびノイズに基づいて外部共振器内で共振する光の量を調整する共振条件制御部とを備え、反射光発生部は、光の出射方向に対して斜めに配置されたガラス板と、ガラス板での反射光を再びガラス板を経て半導体レーザ素子側へ戻す反射鏡とにより構成され、共振条件制御部は、半導体レーザ素子の動作中に半導体レーザ素子の光強度およびノイズを検出し、光強度およびノイズ信号を出力する光検出素子と、光検出素子の光強度およびノイズ信号に基づいてノイズ成分が所定値を超えた場合に制御信号を出力する透過率制御部と、ガラス板と反射鏡との間に配置され、透過率制御部から出力された制御信号に基づいて透過率が変化する透過率制御素子とを備えたものである。
本発明による第2の半導体レーザ装置は、対向配置された第1端面および第2端面により内部共振器を構成し、主として第2端面側から光を出射する半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の第1端面との間で外部共振器を構成し、半導体レーザ素子から出力された光の一部を半導体レーザ素子との間で共振させる反射光発生部と、半導体レーザ素子の光強度およびノイズに基づいて外部共振器内で共振する光の位相を調整する共振条件制御部とを備え、反射光発生部は、光の出射方向に対して斜めに配置されたガラス板と、前記ガラス板での反射光を再びガラス板を経て半導体レーザ素子側へ戻す反射鏡とにより構成され、共振条件制御部は、半導体レーザ素子の動作中に半導体レーザ素子の光強度およびノイズを検出し、光強度およびノイズ信号を出力する光検出素子と、光検出素子の光強度およびノイズ信号に基づいてノイズ成分が所定値を超えた場合に制御信号を出力するステージ制御部と、ガラス板と反射鏡との間に配置された位相補償板と、ステージ制御部から出力された制御信号に基づいて位相補償板を移動させるステージとを備えたものである。
本発明による第1または第2の半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子から光が出射されると、その一部が反射光発生部と半導体レーザ素子の第1端面との間で共振し、外部共振器が構成される。この外部共振器内で共振する光の量または位相が、半導体レーザ素子の光強度およびノイズに基づいて共振条件制御部により調整される。外部の光学系や照射対象等からの戻り光が発生して半導体レーザ素子の発振状態が不安定になった場合でも、半導体レーザ素子の光強度およびノイズの変化が外部共振器の共振条件にフィードバックされ、発振状態は自動的に安定化される。
本発明の第1または第2の半導体レーザ装置によれば、半導体レーザ素子から出射された光の一部を反射光発生部と半導体レーザ素子との間で共振させることにより外部共振器を意図的に構成すると共に、外部共振器内で共振する光の量または位相を、半導体レーザ素子の光強度およびノイズに基づいて共振条件制御部により調整するようにしたので、外部の光学系や照射対象等からの戻り光が入射したとしても発振状態は自動的に安定化する。また、半導体レーザ素子に流す電流などを変化させることは必ずしも必要ではないので、電流の変化に伴って光出力が変動してしまうことがなく、所望の光出力を確実に得ることができる。特に、幅10μm以上のストライプ状の発光領域を有するブロードエリア型の半導体レーザ素子を有する半導体レーザ装置に好適であり、ブロードエリア型半導体レーザの応用範囲を拡大することができる。
本発明の第1の半導体レーザ装置によれば、共振条件制御部が透過率制御素子を有するようにしたので、外部共振器内で共振する光の量を調整することにより共振条件を制御することができる。よって、比較的低いコストで、戻り光の影響の少ない半導体レーザ装置を実現することができる。
本発明の第2の半導体レーザ装置によれば、共振条件制御部が位相補償板を有するようにしたので、外部共振器内で共振する光の位相を調整することにより共振条件を制御する効果を高めることができ、より確実に戻り光の影響を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構成を表すものである。この半導体レーザ装置は、例えば、光による材料加工などに用いられるものであり、半導体レーザ素子10と、反射光発生部20と、共振条件制御部30とを有している。
半導体レーザ素子10は、対向配置された主出射側端面(第2端面)10Fおよび反対側端面(第1端面)10Rにより内部共振器が構成されており、主として主出射側端面10F側から光LBを出射するものである。これら主出射側端面10Fおよび反対側端面10Rには反射鏡膜(図示せず)がそれぞれ形成されており、主出射側端面10Fの反射鏡膜は例えば5%ないし25%の低反射率となるように調整され、反対側端面10Rの反射鏡膜は例えば85%ないし100%の高反射率となるように調整されている。また、この半導体レーザ素子10は、主出射側端面10Fと反対側端面10Rとの対向方向に延びるストライプ状の発光領域10Eを有する端面発光型のものである。発光領域10Eの幅に特に制限はなく、ブロードエリア型またはナローストライプ型のいずれであってもよい。
反射光発生部20は、例えば、半導体レーザ素子10の反対側端面10Rとの間で外部共振器を構成し、半導体レーザ素子10から出力された光LBの一部を半導体レーザ素子10との間で共振させるものである。反射光発生部20は、例えば、光LBの出射方向に対して垂直に配置されたガラス板21を有している。ガラス板21の種類は特に限定されず、例えば、石英ガラス、青色ガラスまたはケイ酸塩ガラスが挙げられる。中でもケイ酸塩ガラスは低コスト化に有利なので好ましい。また、反射光発生部20は、ガラス板21のほか、例えば、半導体レーザ素子10の波長に対する透過率が例えば95%ないし99.9%以上と高く、かつ光LBの一部、例えば0.1%ないし5%程度を反射させることができ、更に光LBの照射に対する耐性に優れた材料よりなるものであってもよい。反射率については0.1%よりも低いもの、あるいは、5%より高いものであってもよいが、5%より高い場合には、主たる用途に用いる光LBのパワーが低下するおそれがあることを考慮した上で適用する必要がある。
ガラス板21の位置は特に限定されないが、半導体レーザ素子10近傍に配置されることが好ましい。ガラス板21と半導体レーザ素子10との間の距離Dは、例えば30mmないし50mmであることが好ましい。なお、図示しないが、ガラス板21と半導体レーザ素子10との間にはコリメータレンズが配置されている。コリメータレンズは単一でもよく、あるいは複数の組み合わせでもよい。
共振条件制御部30は、半導体レーザ素子10の発振状態に基づいて外部共振器の共振条件が最適となるように制御するものである。これにより、この半導体レーザ装置では、外部の光学系や照射対象等からの戻り光が入射しても、その影響による発振状態の変化を外部共振器の共振条件にフィードバックして、発振状態を自動的に安定化することができるようになっている。
この共振条件制御部30は、例えば、光検出素子(フォトディテクタ)31と、駆動制御部32と、駆動素子33とを有している。光検出素子31は、半導体レーザ素子10の発振状態を検出し、光強度およびノイズ信号S1を出力するものである。また、光検出素子31は、例えば、半導体レーザ素子10の反対側端面10R近傍に配置され、反対側端面10R側から出力される光を検出するようになっている。
駆動制御部32は、光検出素子31の光強度およびノイズ信号S1に基づいて制御信号S2を出力するものである。
駆動素子33は、駆動制御部32から出力された制御信号S2に基づいて、最適位置となるようにガラス板21を光LBに平行な方向(矢印A方向)に移動させるものである。これにより、本実施の形態では、半導体レーザ素子10の発振状態に応じてガラス板21と半導体レーザ素子10の反対側端面10Rとの間の距離L、すなわち外部共振器の共振器長を調整することにより共振条件を制御することができるようになっている。
駆動素子33によるガラス板21の移動距離は、例えば数十μmないし3mm程度である。例えば、発光スペクトル幅を約2nmとすると移動距離は約0.16mmの範囲となる。駆動素子33は、このような微小な変位を制御可能であることが必要であり、例えば、圧電アクチュエータ、またはステッピングモータによる可動装置により構成されている。
図2は、半導体レーザ素子10の構成例を表すものである。この半導体レーザ素子10は、基板11上に、例えば、n型クラッド層12,活性層13,p型クラッド層14およびp側コンタクト層15の積層構造を有している。p側コンタクト層15およびp型クラッド層14の一部は細い帯状の突条部(リッジ)16とされており、その両側には埋込み層17が形成されている。
基板11は、例えば、厚さが100μm程度に薄膜化され、シリコン(Si)などのn型不純物を添加したn型GaAsにより構成されている。n型クラッド層12は、例えば、厚さが3μmであり、シリコンなどのn型不純物を添加したn型AlGaAs混晶により構成されている。
活性層13は、例えば、厚さが30nmであり、不純物を添加しないAlGaAs混晶により構成されている。図1に示した発光領域10Eは、活性層13のうち突条部16を介して電流が注入されることにより発光が起こる領域である。発光領域10Eの幅Wは上述したように特に限定されないが、例えば、ナローストライプ型の場合には2μmないし3μm程度、ブロードエリア型の場合には10μm以上とされている。
p型クラッド層14は、例えば、厚さが2μmであり、亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型AlGaAs混晶により構成されている。p側コンタクト層15は、例えば、厚さが1μmであり、亜鉛(Zn)などのp型不純物を添加したp型GaAsにより構成されている。埋込み層17は、例えば、n型GaAsにより構成されている。
p側コンタクト層15および埋込み層17の上にはp側電極(図示せず)が設けられている。p側電極は、例えば、チタン(Ti)層,白金(Pt)層および金(Au)層をp側コンタクト層15の側から順に積層し、熱処理により合金化した構造を有しており、p側コンタクト層15と電気的に接続されている。一方、基板11の裏面側にはn側電極(図示せず)が形成されている。n側電極は、例えば、金とゲルマニウム(Ge)との合金層,ニッケル(Ni)層および金(Au)層とを基板11の側から順に積層し、熱処理により合金化した構造を有しており、基板11を介してn型クラッド層12と電気的に接続されている。
この半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子10の発光領域10Eで発生した光LBは、主出射側端面10F側からレーザビームとして射出される。ここでは、反射光発生部20のガラス板21により半導体レーザ素子10の反対側端面10Rとの間で外部共振器が構成されており、半導体レーザ素子10から出力された光LBの一部が外部共振器内で共振する。この外部共振器での共振は、半導体レーザ素子10本来の内部共振器における共振との相互作用を起こす。この作用は、内部共振器で安定していた定在波が外部共振器により乱されるものであり、そのため、半導体レーザ素子10の発振状態が不安定になり、発光スペクトル形状が変化したりノイズが増加するなどの現象が発生する。このような発振状態の変化は光検出素子31により検出され、この光検出素子31の光強度およびノイズ信号S1に基づいて駆動制御部32および駆動素子33によりガラス板21が前後に移動する。これにより、ガラス板21と半導体レーザ素子10の反対側端面10Rとの間の距離L、すなわち外部共振器の共振器長が、発振状態が安定になるような最適な値に調整される。
また、実際の応用にあたってこの半導体レーザ装置を光学系に組み込んだ場合には、ガラス板21だけでなく、光学系や照射対象等からの戻り光が発生する可能性がある。そのような戻り光が半導体レーザ素子10に入ってきても、その状態で半導体レーザ素子10の発振状態が最も安定化するような位置にガラス板21が自動的に移動し、光LB自体は安定した状態に保たれる。
更に、半導体レーザ装置が組み込まれた光学系を調整することなどにより戻り光の状況が大きく変化した場合にも、それに応じて半導体レーザ素子10の発振状態が最も安定するような位置にガラス板21が自動的に移動し、光LB自体は安定な状態に保たれる。
図3は、このような半導体レーザ装置における共振条件の制御の一例を表す流れ図である。半導体レーザ素子10の動作中には、光検出素子31により、時刻t1,t2,…における半導体レーザ素子10の光強度およびノイズ等の発振状態が検出され、その検出結果は、光強度およびノイズ信号S1として駆動制御部32に供給される(ステップS101)。
駆動制御部32は、光強度およびノイズ信号S1に基づいて、時刻t1のノイズ成分(振幅)が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS102)。時刻t1のノイズ成分が所定値を超えていないと判断された場合(ステップS102;N)、処理は終了し、以後の光強度およびノイズ信号S1を待つ(ステップS102)。
時刻t1のノイズ成分が所定値を超えたと判断された場合(ステップS102;Y)、駆動制御部32は駆動素子33に対して制御信号S2を出力し、駆動素子33は制御信号S2に基づいてガラス板21をある特定の方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS103)。
ガラス板21を移動させたのち、駆動制御部32は、例えば光強度およびノイズ信号S1に基づいて、時刻t2のノイズ成分(振幅)が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS104)。時刻t2のノイズ成分が所定値を超えていないと判断された場合(ステップS104;N)、処理は終了し、以後の光強度およびノイズ信号S1を待つ(ステップS102)。
時刻t2のノイズ成分が所定値を超えたと判断された場合(ステップS104;Y)、駆動制御部32は、光強度およびノイズ信号S1に基づいて、時刻t2のノイズ成分が時刻t1のノイズ成分よりも小さくなったか否かを判断する(ステップS105)。時刻t2のノイズ成分が時刻t1のノイズ成分よりも小さくなったと判断された場合、駆動制御部32は駆動素子33に対して駆動信号S2を出力し、駆動素子33は制御信号S2に基づいてガラス板21を更に同じ方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS106)。そののち、駆動制御部32は、以後の光強度およびノイズ信号S1の供給を待つ(ステップS104)。
時刻t2のノイズ成分が時刻t1のノイズ成分よりも大きくなったと判断された場合、駆動制御部32は駆動素子33に対して制御信号S2を出力し、駆動素子は制御信号S2に基づいてガラス板21を逆方向へ所定距離だけ移動させる(ステップS107)。そののち、駆動制御部32は、以後の光強度およびノイズ信号S1の供給を待つ(ステップS104)。
このように本実施の形態では、半導体レーザ素子10から出力された光LBの一部を反射光発生部20と半導体レーザ素子10との間で共振させることにより外部共振器を意図的に構成すると共に、この外部共振器の共振条件が最適となるように半導体レーザ素子10の発振状態に基づいて共振条件制御部30による制御を行うようにしたので、外部の光学系や照射対象等からの戻り光が入射しても発振状態を自動的に安定化することができる。また、半導体レーザ素子10に流す電流などを変化させることは必ずしも必要ではないので、電流の変化に伴って光出力が変動してしまうことがなく、所望の光出力を確実に得ることができる。特に、幅10μm以上のストライプ状の発光領域10Eを有するブロードエリア型の半導体レーザ素子10を有する半導体レーザ装置に好適であり、ブロードエリア型半導体レーザの応用範囲を拡大することができる。
特に、反射光発生部20として光LBの出射方向に対して垂直にガラス板21を配置すると共に、ガラス板21を最適位置となるように共振条件制御部30により光LBに平行な方向Aに移動させるようにすれば、ガラス板21と半導体レーザ素子10の第1端面10Rとの間の距離L、すなわち外部共振器の共振器長が自動的に調整され、共振条件が最適になるように制御することができる。よって、簡素な構成で戻り光の影響を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構成を表すものである。この半導体レーザ装置は、外部共振器内で共振する光の量を調整することにより外部共振器の共振条件を制御するようにしたものであり、反射光発生部20および共振条件制御部30の構成が異なることを除いては、第1の実施の形態の半導体レーザ装置と同一の構成を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
反射光発生部20は、例えば、光LBの出射方向に対して斜めに配置されたガラス板21と、ガラス板21での反射光を再びガラス板21を経て半導体レーザ素子10側へ戻す反射鏡22とにより構成されている。ガラス板21の透過率、反射率、構成材料などは、第1の実施の形態と同様である。反射鏡22の反射率は特に限定されないが、例えば50%以上であることが好ましい。
共振条件制御部30は、光検出素子31と、透過率制御部34と、透過率制御素子35とを有している。透過率制御部34は、光検出素子31の光強度およびノイズ信号S1に基づいて制御信号S2を出力するものである。透過率制御素子35は、ガラス板21と反射鏡22との間に配置され、透過率制御部34から出力された制御信号S2に基づいて透過率が変化するものであり、例えば液晶光学素子など、透過率を任意に制御可能な光学素子により構成されている。これにより、本実施の形態では、外部共振器内で共振する光の量を調整することにより共振条件を制御することができるようになっている。
この半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子10の発光領域10Eで発生した光LBは、主出射側端面10F側からレーザビームとして射出される。ここでは、反射光発生部20により、光LBの一部が半導体レーザ素子10との間で共振する一方、半導体レーザ素子10の発振状態に基づいて共振条件制御部30により透過率制御素子35の透過率が調整されるようになっているので、外部共振器内で共振する光の量が、半導体レーザ素子10の発振状態に応じて最適な値に調整される。
本実施の形態においても、実際の応用にあたってこの半導体レーザ装置を光学系に組み込んだ場合には、反射光発生部20だけでなく、光学系や照射対象等からの戻り光が発生する可能性があるが、そのような戻り光が半導体レーザ素子10に入ってきても、その状態で半導体レーザ素子10の発振状態が最も安定化するように透過率制御素子35の透過率が自動的に調整される。よって、光LB自体は安定した状態に保たれる。
更に、半導体レーザ装置が組み込まれた光学系を調整することなどにより戻り光の状況が大きく変化した場合にも、同じく、それに応じて半導体レーザ素子10の発振状態が最も安定するように透過率制御素子35の透過率が調整され、光LB自体は安定な状態に保たれる。
このように本実施の形態では、共振条件制御部30として、光検出素子31と、光検出素子31の光強度およびノイズ信号S1に基づいて制御信号S2を出力する透過率制御部34と、制御信号S2に基づいて透過率が変化する透過率制御素子35とを設けるようにしたので、外部共振器内で共振する光の量を調整することにより共振条件を制御することができる。よって、比較的低いコストで、戻り光の影響の少ない半導体レーザ装置を実現することができる。
(第3の実施の形態)
図5は本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構成を表すものである。この半導体レーザ装置は、外部共振器内で共振する光の位相を調整することにより外部共振器の共振条件を制御するようにしたものであり、共振条件制御部30の構成が異なることを除いては、第2の実施の形態の半導体レーザ装置と同一の構成を有している。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
共振条件制御部30は、光検出素子31と、光検出素子31の光強度およびノイズ信号S1に基づいて制御信号S2を出力するステージ制御部36と、ガラス板21と反射鏡22との間に配置された位相補償板37と、ステージ制御部36から出力された制御信号S2に基づいて位相補償板37を移動させるステージ38とを有している。これにより、本実施の形態では、外部共振器内で共振する光の位相を調整することにより共振条件を制御することができるようになっている。
位相補償板37は、例えばバビネ・ソレイユ補償板により構成されている。ステージ38は、制御信号S2に基づいて位相補償板37を矢印B方向に並進させることができるようになっている。
この半導体レーザ装置では、半導体レーザ素子10の発光領域10Eで発生した光LBは、主出射側端面10F側からレーザビームとして射出される。ここでは、反射光発生部20により、光LBの一部が半導体レーザ素子10との間で共振する一方、半導体レーザ素子10の発振状態に基づいて共振条件制御部30により位相補償板37がステージ38上で並進するようになっているので、外部共振器内で共振する光の位相が、半導体レーザ素子10の発振状態に応じて最適に調整される。
本実施の形態においても、この半導体レーザ装置を光学系に組み込むことにより光学系や照射対象等からの戻り光が半導体レーザ素子10に入射した場合や、光学系を調整することなどにより戻り光の状況が大きく変化した場合においても、それに応じて半導体レーザ素子10の発振状態が最も安定化するように、外部共振器内で共振する光の位相が自動的に調整され、光LB自体は安定した状態に保たれる。
このように本実施の形態では、共振条件制御部30として、光検出素子31と、光検出素子31の光強度およびノイズ信号S1に基づいて制御信号S2を出力するステージ制御部36と、ガラス板21と反射鏡22との間に配置された位相補償板37と、ステージ制御部36から出力された制御信号S2に基づいて位相補償板37を移動させるステージ38とを設けるようにしたので、外部共振器内で共振する光の位相を調整することにより共振条件を最適になるように制御することができる。よって、共振条件を制御する効果を高めることができ、より確実に戻り光の影響を抑制することができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記第1の実施の形態では、ノイズ成分が所定値を超えたか否かに基づいて共振条件を制御する場合について説明したが、光強度変動が所定値を超えたか否かに基づいて制御するようにしてもよい。
また、例えば、上記第2の実施の形態では、透過率制御素子35を液晶光学素子により構成する場合について説明したが、透過率制御素子35を他の光学素子により構成するようにしてもよい。例えば、可変ND(Neutral Density )フィルタを、第3の実施の形態で説明したようなステージおよびステージ制御部により変位させることにより、外部共振器内で共振する光の量を調整するようにしてもよい。
更に、例えば、上記各実施の形態においては、光検出素子31を半導体レーザ素子10の反対側端面10R近傍に配置した場合について説明したが、光検出素子31は、例えば図6に示したように、ガラス板31Aを介して、半導体レーザ素子10の主出射側端面10F側に配置してもよい。
加えて、例えば、上記各実施の形態については、外部共振器の共振条件のみを制御する場合について説明したが、これに加えて、半導体レーザ素子10に流す電流の変調または高周波重畳などを行うようにしてもよい。なお、半導体レーザ素子10については、上記実施の形態で説明した構造、材料に限定されないことはいうまでもない。
本発明の半導体レーザ、特にブロードエリア型半導体レーザは、光ディスク装置の光源、ディスプレイ,印刷機器,材料の加工または医療など様々な分野に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置の概略構成を表す図である。 図1に示した半導体レーザ素子の構造を表す斜視図である。 図1に示した半導体レーザ装置の動作を表す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置の概略構成を表す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る半導体レーザ装置の概略構成を表す図である。 図1に示した半導体レーザ装置の変形例を表す図である。
符号の説明
10…半導体レーザ素子、10F…主出射側端面(第2端面)、10R…反対側端面(第1端面)、11…基板、12…n型クラッド層、13…活性層、13A…発光領域、14…p型クラッド層、15…p側コンタクト層、16…突条部、17…埋込み層、20…反射光発生部、21…ガラス板、22…反射鏡、30…共振条件制御部、31…光検出素子、32…駆動制御部、33…駆動素子、34…透過率制御部、35…透過率制御素子、36…ステージ制御部、37…位相補償板、38…ステージ、S1…光強度およびノイズ信号、S2…制御信号

Claims (7)

  1. 対向配置された第1端面および第2端面により内部共振器を構成し、主として第2端面側から光を出射する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子の第1端面との間で外部共振器を構成し、前記半導体レーザ素子から出力された光の一部を前記半導体レーザ素子との間で共振させる反射光発生部と、
    前記半導体レーザ素子の光強度およびノイズに基づいて前記外部共振器内で共振する光の量を調整する共振条件制御部と
    を備え、
    前記反射光発生部は、光の出射方向に対して斜めに配置されたガラス板と、前記ガラス板での反射光を再び前記ガラス板を経て前記半導体レーザ素子側へ戻す反射鏡とにより構成され、
    前記共振条件制御部は、前記半導体レーザ素子の動作中に前記半導体レーザ素子の光強度およびノイズを検出し、光強度およびノイズ信号を出力する光検出素子と、前記光検出素子の光強度およびノイズ信号に基づいてノイズ成分が所定値を超えた場合に制御信号を出力する透過率制御部と、前記ガラス板と前記反射鏡との間に配置され、前記透過率制御部から出力された制御信号に基づいて透過率が変化する透過率制御素子とを備え
    導体レーザ装置。
  2. 前記透過率制御素子は液晶光学素子であ
    求項記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記光検出素子は、前記半導体レーザ素子の第1端面側から出力される光を検出す
    求項記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記半導体レーザ素子は、幅10μm以上のストライプ状の発光領域を有する
    請求項記載の半導体レーザ装置。
  5. 対向配置された第1端面および第2端面により内部共振器を構成し、主として第2端面側から光を出射する半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子の第1端面との間で外部共振器を構成し、前記半導体レーザ素子から出力された光の一部を前記半導体レーザ素子との間で共振させる反射光発生部と、
    前記半導体レーザ素子の光強度およびノイズに基づいて前記外部共振器内で共振する光の位相を調整する共振条件制御部と
    を備え、
    前記反射光発生部は、光の出射方向に対して斜めに配置されたガラス板と、前記ガラス板での反射光を再び前記ガラス板を経て前記半導体レーザ素子側へ戻す反射鏡とにより構成され、
    前記共振条件制御部は、前記半導体レーザ素子の動作中に前記半導体レーザ素子の光強度およびノイズを検出し、光強度およびノイズ信号を出力する光検出素子と、前記光検出素子の光強度およびノイズ信号に基づいてノイズ成分が所定値を超えた場合に制御信号を出力するステージ制御部と、前記ガラス板と前記反射鏡との間に配置された位相補償板と、前記ステージ制御部から出力された制御信号に基づいて前記位相補償板を移動させるステージとを備え
    導体レーザ装置。
  6. 前記光検出素子は、前記半導体レーザ素子の第1端面側から出力される光を検出する
    請求項5記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記半導体レーザ素子は、幅10μm以上のストライプ状の発光領域を有する
    請求項6記載の半導体レーザ装置。
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