JP3608937B2 - 半導体レーザ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ装置及びこれを応用した光情報記録(再生)装置等のシステムに係り、特にレーザ共振器から出射される出射光のエネルギー強度分布の均一性が良好で且つその大発光径化に好適な高出力半導体レーザ装置並びにその製造方法、及びこれを応用した上記システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、レーザ光の近視野像(Near Field)を均一且つ広くするレーザ共振器を検討すべく、
S. Wang他によるアプライド・フィジクス・レターズ誌(Appl. Phys. Lett.)のVol.48 pp.1770−1772, 1986に記載された回折結合型フェーズド・アレイ型半導体レーザ共振器構造の検討を行った。
【0003】
当該文献においては、図12のように半導体レーザ共振器を幅2Wの複数のストライプ状導波路を間隔dで並行させ、且つこれらの導波路から出るレーザ光を当該共振器端面近傍で導波構造の無い領域(長さLの非導波領域)に結合させるように構成していた。そして、この導波構造の無い領域での光の回折による発光モードの結合により各ストライプを位相同期させる技術が開示され、回折結合されるレーザ光の位相シフト、及び端面反射率等に関して議論がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、個々のストライプ状導波路から一旦導波構造の無い領域に出射したレーザ光が共振器端面で反射して戻るときに、共振器端面から当該ストライプ状導波路までレーザ光を導く導波機構がないため、この部分で大きな結合損失を発生することを本発明者は意識した。即ち、半導体レーザの共振器の特性には、共振器長方向に於けるレーザ光の往復(図12にて太線の矢印で模式的に示す)による光の損失が大きく影響する。そして、このような結合損失を補い、所望の強度のレーザ光を共振器から輻射させるためには、半導体レーザに供給する動作電流を増大せざるを得ないという問題が浮上するのである。
【0005】
また、上記従来技術では、フレア部分(導波路幅が実質的に広がる図12の右側の上記非導波領域)で発生した高次横モードが、そのまま通常幅のストライプ(図12の左側におけるハッチング部に仕切られたストライプ状導波路)に戻るため発振モードも安定しないと言う問題があった。
【0006】
従って、上記文献の開示に基づく半導体レーザを光情報記録再生装置(CDRやDVDのドライバーに代表される記録媒体への情報書き込みと再生が可能な装置)や、レーザビームプリンタの光源に応用した場合、レーザビームを被照射領域に大口径且つ所望の強度で照射する場合、次の難点が生じる。
【0007】
第1に、ビーム径を大きくするために半導体レーザへの供給電流を上げねばならない。即ち、光情報記録再生装置では、記録媒体をイニシャライズ(当該媒体に既に記録された情報を消去)するために、記録媒体をアモルファス化し、又はピットを平坦に埋める際、通常の記録媒体への情報記録に要する強度以上のレーザビームを出すことが望まれるが、上記光損失を補うために半導体レーザへの供給電流を通常の情報記録時より更に高める必要がある。
【0008】
第2に、発振モードの不安定性を補うために、光情報記録再生装置では半導体レーザと記録媒体との間の光学系を改良しなければならない。即ち、レーザビームの近視野像における光強度の乱れを上記光学系で補償せねばならないのである。
【0009】
以上の問題は、光情報記録再生装置に限らず、レーザビームプリンタにおいても、塗りつぶしのプリンティングを施す際に浮上するのである。
【0010】
これらの問題を解決し、共振器から輻射されるレーザ光の近視野像を通常の光学系でも広く且つ均一にさせ、且つ光強度を所望の値に維持することが本発明の解決すべき課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明では、複数本存在するストライプ状導波路の形状をレーザ出射端面近傍でストライプ幅が徐々に広がるフレア型とし、出射端面近傍でのみレーザ光のエネルギー分布が互いに重なる形状とした。これにより、出射端面近傍で一旦広がったレーザ光が、フレア部分で通常幅のストライプに集光され、良好な結合効率で基の(通常幅の)ストライプに帰還する。
【0012】
このとき、フレア状ストライプによる集光はストライプの外側の光強度分布を強くする傾向があるため、通常幅のストライプに対して奇数次の高次モードを発生させた。このような場合、フレア領域と通常幅領域の接続部分では、フレア領域のストライプ幅を通常幅領域の1.5倍乃至4倍に設定して当該ストライプを通常幅ストライプと接続させることを推奨する。また、当該接続部分に於けるストライプ幅の変化が光強度分布の形状が追随しない所定量以内の距離で起きる構造とすることも推奨する。
【0013】
このような構造において、フレア領域の電流注入密度が窓領域(フレア領域より出射端面側に位置する領域)以外の領域に比べ小さくなるように設定すれば、無効な電流注入を押さえることができ、一層の素子特性向上が可能であった。さらに、このようなフレア部分の電流注入の不均一を、アレイ状ストライプから出射した光の相互干渉により発生する光強度の不均一を補正するような分布に設定すれば、一層均一性の好い発光形状を得ることが可能であった。
【0014】
以上の議論に基づき、本発明者は、次の半導体レーザ及びこれを応用した光情報記録再生装置を提案する。
【0015】
本発明による半導体レーザは、基板と、この基板上部に直接遷移型の半導体結晶からなる活性層と、当該活性層を挟むように形成された活性層より広い禁制帯幅を有し且つ互いに異なる導電型を有する半導体結晶からなる2種類のクラッド層とを含む積層構造を有し、この積層構造の端面の結晶面を反射鏡として共振器を構成した半導体レーザに於いて、上記反射鏡をなす結晶面間を結ぶ方向に延伸する複数のストライプ状導波路を並列に形成し、このストライプ状導波路の夫々には共振器内部から上記反射鏡の少なくとも一方に向けて、第1のストライプ幅を有する第1領域(上記通常のストライプ領域)、第1領域と光学的に結合し且つ第1のストライプ幅より広く且つ少なくとも部分的に上記反射鏡の一方に向けて拡がる第2のストライプ幅を有する第2領域(上記フレア領域)、第2領域と光学的に結合し且つ隣接するストライプ状導波路と光学的に結合する第3領域(便宜的に光結合領域と呼ぶ)とをこの順に設けたことに基本的な特徴を有する。
【0016】
上記反射鏡の少なくとも一方とは、所謂レーザ出射端面を指し、半導体レーザの用途により、双方の反射鏡の夫々に向けて上記複数のストライプ状導波路に第1乃至第3の領域を設けても本発明の実施を阻むものでない。
【0017】
また、後述の実施例からも明らかなように、第2領域は上記レーザ光出射端面に向けて幅が広がる構造を有し、上記基板主面上から見ると朝顔の花に似た形状を呈することからフレア(Flare)領域と便宜的に呼ぶ。更に、上記第3領域では、第1及び第2領域で離間したストライプ状導波路を相互に結合させることにより、出射端面近傍でのみ個々のストライプ状導波路から発振されるレーザ光のエネルギー分布を互いに重ね合わすものである。第3の領域に於いて隣接するストライプ状領域を光学的に結合することは、個々のストライプ状導波路を離間する領域を取り払うことのみならず、この領域の幅を第1及び第3領域に対して薄く(換言すれば、ストライプ幅を第2のストライプ幅以上に)しても、本発明の半導体レーザ素子は実現できる。
【0018】
以上の基本的な半導体レーザ光像は、次の観点で構成要件を改善することが推奨される。
【0019】
第1には、上記第1領域と上記第2領域が光学的に結合する部分(通常幅領域とフレア領域との接続部分)において、上記第2領域のストライプ導波路の幅をこれに結合する上記第1領域のストライプ導波路の幅の1.5倍乃至4倍の範囲に設定することである。また上記第2領域のストライプ幅は、上記第1領域と光学的に結合する部分から直に拡げず、この光学的結合部分の幅を維持して上記第3領域に向けて延伸する部分(後述の実施例1に於いて中間幅ストライプとして詳述)を第2領域を導波する光強度分布の形状が追随しない所定の距離分設け、この部分の他端(第3領域側)からストライプ幅を広げてもよい。また、第1領域にはストライプ幅を第2領域との光学的結合部分に向けて狭めた部分(実施例2で詳述する逆フレアストライプ)を設けてもよい。
【0020】
第2には、注入される動作電流の密度が上記第1領域で最も高く、次いで上記第2領域(フレア領域)、第3領域(光結合領域)の順に低減するよう、これらの導波路領域への電流供給に係る半導体層を構成することが推奨される。これについては、実施例2にて詳述する。電流注入密度は、電流阻止領域の形状のみならず、クラッド層等に拡散される不純物濃度を変化させてもよい。また、レーザ光の発振に直接関与しない、ストライプ状導波路間を仕切る領域や、上記第3領域と出射端面との間に設けられた低屈折率の窓領域は、上記第3領域以上に電流注入を抑制するように構成されることは言うまでもない。
【0021】
第3には、上記第2領域(フレア領域)に個別のストライプからレーザ光が出射することに伴う発光強度の不均一を平滑化するように、ストライプ状導波路の周囲、特にその両側に屈折率の分布を設けることを推奨する。これは、実施例3及び4に於いて詳述するが、実施例4の如く、電流注入を局所的として、電流注入の不均一により屈折率分布を形成してもよい。
【0022】
なお、上述の本発明の半導体レーザに関し、上記ストライプ状導波路は、上記クラッド層又はこれに相当する半導体層(光導波層等)の一方に設ける(活性層には設けない)所謂リッジ装荷型として構成しても、又は活性層と上記クラッド層(又はこれに相当する半導体層)の少なくとも一方とを含めて設ける所謂埋込へテロ型として構成しても本発明の実施に支障はなく、また、活性層への電流注入領域をストライプ状に規制してもよいものとする。一方、上記活性層は、厚さ2〜20nm程度の量子井戸層をこれより禁制帯幅の広い障壁層で挟む所謂量子井戸構造としてもよく、この場合、量子井戸層は直接遷移型の半導体結晶で構成されることが要請されるが、障壁層に関してはこの限りでない。活性層を量子井戸構造とした場合、上記量子井戸層の屈折率がレーザ光導波の鍵となる。そこで、特公昭63−51557号に開示される技術の如く、当該量子井戸構造の光導波領域の両側に不純物を導入し、この量子井戸層の禁制帯幅を上昇させる(換言すれば、屈折率を低減する)ことによりストライプ状導波路を構成してもよい。この手法は、半導体レーザの端面における光吸収を回避するための所謂窓領域形成のために提案されたため、後述の実施例3及び4では上記ストライプ状導波路を構成する領域を含めて窓構造と便宜的に呼ぶ。なお、実施例3及び4においては、上記公告公報の如く量子井戸構造を無秩序化せず、むしろそのヘテロ接合構造を保ったまま各々の組成を変化させるよう不純物拡散を穏やかに行うことで、より確実な光導波が実現できる。
【0023】
また、本発明の半導体レーザ装置の応用システムとしては、半導体レーザ装置と、これに駆動電流を供給する半導体レーザ制御装置と、半導体レーザ装置からのレーザ光照射により情報が記録される記録媒体と、半導体レーザ装置から記録媒体までレーザ光を導く光学系と、記録媒体と光学系との位置を制御する位置制御装置と、半導体レーザ制御装置に命令信号を送る信号装置とを有し、上記半導体レーザ装置は共振器長方向に並列に延伸した複数のストライプ状導波路を有し且つこのストライプ状導波路の夫々には該共振器の内部から上記光学系との結合部分に向けて第1のストライプ幅を有する第1領域、第1領域と光学的に結合し且つ第1のストライプ幅より広く且つ少なくとも部分的に上記反射鏡の一方に向けて拡がる第2のストライプ幅を有する第2領域、並びに第2領域と光学的に結合し且つ隣接するストライプ状導波路と光学的に結合する第3領域がこの順に設けられ且つ上記複数のストライプ状導波路毎に電流注入が行えるように構成され、上記信号装置は少なくとも上記記録媒体への情報書き込みを指示する第1の信号及び上記記録媒体の記録情報を消去する第2の信号を上記半導体レーザ制御装置に送るように構成され、上記半導体レーザ制御装置は上記駆動電流を上記半導体レーザ装置のストライプ状導波路毎に供給するよう該半導体レーザ装置と配線され且つこの駆動電流の供給は上記信号装置から上記第2の信号を授受したときに上記第1の信号を授受したときより多くの上記ストライプ状導波路になされるように構成されることを特徴とする光情報記録装置がある。この応用システムに関しては、実施例5にて図解する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体レーザ装置の具体的な実施の形態を実施例1乃至4により、そのシステム応用としての光情報記録装置を実施例5により関連図面を参照して夫々説明する。
【0025】
<実施例1>
本発明第1の実施例の半導体レーザの構造を図1から図3を用いて説明する。
【0026】
101はGaAs基板を示しており、このGaAs基板101の面方位は(100)面である。この基板上にn型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ1.8μm程度のn型クラッド層102、Al0.3Ga0.7Asからなる厚さ70nmの光ガイド層103で挾持されている厚さ10nmの(Al0.25Ga0.750.85In0.15As単一量子井戸活性層104、p型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ0.3μm程度の第一p型クラッド層105、p型Al0.3Ga0.7Asからなる厚さ0.1μm程度のp型導波路形成層106、p型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ1.2μm程度の第二p型クラッド層107、p型GaAsキャップ層108を順次結晶成長した。
【0027】
このようなウエハに気相化学堆積法を用いて二酸化珪素膜109を設け、この二酸化珪素膜109をホトリソグラフ技術を用いて図1に示すようなフレア構造を有するストライプが20本並行して並んだ形状に加工した。
【0028】
フレア構造を有するストライプは、幅3μmの通常幅ストライプ110と幅6μm長さ100μmの中間幅ストライプ111、幅が6μmから10μmに広がった長さ30μmのフレア状ストライプ112及び長さ30μmの結合領域113により構成される。
【0029】
硫酸系のエッチング液を用いて、このようなウエハの二酸化珪素膜109におおわれていない領域のp型GaAsキャップ層108、第二p型クラッド層107、p型導波路形成層106及び第一p型クラッド層105の一部をエッチングした。さらに、この二酸化珪素膜109を選択成長マスクとして用い、有機金属気相成長法によるn型Al0.5Ga0.5As電流ブロック層114及びn型GaAs層115の選択成長を行った。
【0030】
第一p型クラッド層105、第二p型クラッド層107、n型電流ブロック層114の組成がともにAl0.5Ga0.5Asであるため、これらの層の屈折率は等しく、これらの層に埋め込まれたAl0.3Ga0.7Asからなるp型導波路形成層106のみが屈折率が大きいため、p型導波路形成層106が残されているリッジ状ストライプの部分に光が導波される。
【0031】
二酸化珪素膜109を取り除いた後、n型GaAs層115およびp型GaAsキャップ層108上には、p型GaAsからなるコンタクト層116を結晶成長し、これを介してAu・Zn合金からなるp側電極117が設けられている。そして、GaAs基板101の裏面には、Au・Ge合金からなるn側電極118が設けられている。このような構造のウエハを長さ約600μmにへき開してレ−ザチップとした。以上のような工程により形成された半導体レーザの断面構造を図2に示す。
【0032】
本構造において、通常幅ストライプ110から前方端面に向かって進行するレーザ光はフレア状ストライプ112及び結合領域113で互いに融合し、出射端面においてはぼ均一な光強度分布をもつ。一旦均一な分布となったレーザ光が端面で反射され通常幅ストライプ110に帰還する際には、フレア状ストライプ112がレーザ光を通常幅ストライプに集光する働きを持ち、効率よくレーザ光を帰還させる。
【0033】
しかし、この場合、フレア状ストライプ112により集光される光の強度分布は図3に示すような中央が弱く周辺が強い光強度分布となるため、通常幅ストライプ中に2次以上の偶数次高次モード123を発生させる。このような高次モードは通常幅ストライプの基本横モード動作を乱し均一な発光強度分布を妨げる。
【0034】
しかし、図3のようにフレア状ストライプ112と通常幅領域の間に中間の幅の領域を設けると基本横モードと2次横モードの伝搬速度の違いにより中間幅領域を進むレーザビームは収縮する。基本横モードと2次横モードの位相ずれがπ程度になる位置でスポット径は最小となり、この幅は中間幅ストライプの幅の1/2から1/3である。この位置でストライプの幅を急激に1/2から1/3に細めると、収縮したスポットは通常幅ストライプの基本横モードに整合し、通常幅ストライプに進行したレーザ光はほとんどが基本横モードとなり、均一な発光強度分布を維持することが可能となる。
【0035】
本実施例の半導体レーザは波長810nm、しきい値電流約200mAで室温連続発振し、最大光出力は約5Wで、端面における光強度分布の変動は10%以内であった。
【0036】
<実施例2>
本発明第2の実施例の半導体レーザの構造を図4から図6を用いて説明する。
【0037】
101はGaAs基板を示しており、このGaAs基板101の面方位は(100)面である。この基板上にn型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ1.8μm程度のn型クラッド層102、多重量子井戸活性層201、p型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ0.3μm程度の第一p型クラッド層105、p型Al0.3Ga0.7Asからなる厚さ0.1μm程度のp型導波路形成層106、p型Al0.5Ga0.5Asからなる厚さ1.2μm程度の第二p型クラッド層107、p型GaAsキャップ層108を順次結晶成長した。
【0038】
多重量子井戸活性層201は5層のGaAs0.80.2バリア層202(厚さ4nm)にはさまれた4層のGa0.85In0.15As0.80.2ウエル層203(厚さ8nm)により構成される。これらの層により構成される活性層の平均的格子定数はGaAsの格子定数よりも小さくなるため、周辺の結晶から引っ張り応力をうけるが、端面近傍においては応力が緩和されるため禁制帯幅が元の結晶よりも広がり端面における光吸収を抑止する効果がある。
【0039】
このようなウエハに気相化学堆積法を用いて二酸化珪素膜109を設け、この二酸化珪素膜109をホトリソグラフ技術を用いて図4に示すようなフレア構造を有するストライプが20本並行して並んだ形状に加工した。
【0040】
本構造のフレア状導波路の形状は、より平坦な光強度分布を得るためにストライプ幅の変化を実施例1のような直線的な輪郭を有するものではなく、導波路に平行な方向の位置に対し余弦関数に従って連続的に変化する余弦型フレアストライプ204を有するものとした。この場合、実施例1と異なり、中間幅領域とフレア領域の機能は明確に区別されておらず、中間幅領域の長さを明確に定義することはできないが、ビーム伝搬法を用いた通常の導波路解析技術によりスポット径が十分小さくなる位置をしることができ、この位置でストライプ幅を急に細くすることにより実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
硫酸系のエッチング液を用いて、このようなウエハの二酸化珪素膜109におおわれていない領域のp型GaAsキャップ層108、第二p型クラッド層107、p型導波路形成層106及び第一p型クラッド層105の一部をエッチングした。さらに、ホトリソグラフ技術を用いて二酸化珪素膜109を中間幅領域、フレア領域、及び結合領域の一部で除去した後、残った二酸化珪素膜109を選択成長マスクとして用い、有機金属気相成長法によるn型Al0.5Ga0.5As電流ブロック層114及びn型GaAs層115の選択成長を行った。
【0042】
このとき、中間幅領域に相当する余弦型フレアストライプの前部205では、二酸化珪素膜109はドット形状の二酸化珪素膜207を一定密度で残した図6に示すような形状となっており、この領域の電流注入密度を下げて無効な電流を節約する機能がある。また、余弦型フレアストライプの後部206及び光結合領域113の二酸化珪素膜109は同様なドット形状に加工されているが、これらの領域では、ドットの密度はストライプの中央及び隣接するストライプとの接続部分で高く(高注入密度領域208)、その他の領域で低く(低注入密度領域209)なっている。高注入密度領域208の屈折率は低注入密度領域210の屈折率に比べ小さくなるため、このようなドット密度の変調により、光密度が高くなりやすい高注入密度領域208の光強度を弱め発光強度の均一化が可能となる。
【0043】
また、本実施例のストライプ構造においては、中間幅領域と通常幅領域の境界部分にフレア部分とは逆向きに通常幅ストライプの幅まで広がった逆フレアストライプ210を設けた。これにより、通常幅ストライプ110の幅を最適値に保ったまま、中間幅領域と通常幅領域の境界部分のフィルタ効果を強化することが可能であった。互いに光り結合したアレイ状レーザにおいては隣接するストライプ同士が同位相で発振する順位相モードと隣接するストライプ同士が逆位相で発振する逆位相モードが発振可能であり、逆位相モードの発振を抑止することが大きな課題の一つであった。本発明の位相フィルタ構造は、2次モードを多く含むほど通常導波路との結合が好くなるため、2次モードの発生の少ない逆位相モードよりも2次モード成分の多く発生する順位相モードが発光しやすくなるという利点もあった。
【0044】
また、本実施例ではアレイ状半導体レーザ内部に発生する温度の不均一を避けるために、アレイ状レーザの外側に発振に寄与しないダミーストライプ211を設けた。
【0045】
二酸化珪素膜109を取り除いた後、n型GaAs層115およびp型GaAsキャップ層108上には、p型GaAsからなるコンタクト層116を結晶成長し、これを介してAu・Zn合金からなるp側電極117が設けられている。そして、GaAs基板101の裏面には、Au・Ge合金からなるn側電極118が設けられている。このような構造のウエハを長さ約600μmにへき開してレ−ザチップとした。以上のような工程により形成された半導体レーザの断面構造を図6に示す。
【0046】
本実施例の半導体レーザは波長810nm、しきい値電流約200mAで室温連続発振し、最大光出力は約5Wで、端面における光強度分布の変動は10%以内であった。
【0047】
<実施例3>
本発明第3の実施例の半導体レーザの構造を図7から図9を用いて説明する。
【0048】
301はGaAs基板を示しており、このGaAs基板301の面方位は(100)面から(110)方向に7度傾斜している。この基板上にn型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる厚さ1.8μm程度のn型クラッド層302(Siドープ7x1017cm )、多重量子井戸活性層303、p型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる厚さ1.5μm程度のp型クラッド層304(Znドープ5x1017cm )、p型In0.5Ga0.5P層305(Znドープ5x1017cm )、およびn型GaAsキャップ層306(Siドープ1x1018cm )を順次結晶成長した。
【0049】
活性層303は厚さ5nmのIn0.55Ga0.45P層307と厚さ5nmのIn0.45(Ga0.5Al0.50.55P層308が4周期積層した多重量子井戸構造となっている。
【0050】
つぎに、このような半導体積層構造を持ったウエハにZnO膜を拡散源とした亜鉛の選択拡散を施し、図7に斜線で示した高禁制帯幅の窓領域309を形成した。窓領域309の形成は前記のようなウエハのGaAsキャップ層306を通常のホトリソグラフ技術を用い3本のストライプが並行した形状に加工した後、ECRスパッタ法によりZnO膜310を被着し、さらにホトリソグラフ技術によりこのZnO膜310を図8に示すような両側のストライプの外側からストライプ上までの領域と、中央のストライプの上に残る形状に加工する。このような状態のウエハを窒素中で500℃から700℃で10分から60分間加熱すると結晶中に亜鉛が拡散し禁制帯幅が広がった窓領域309が形成される。この時、このような禁制帯幅が広がった領域はn型GaAsキャップ層306の残っている領域にも拡大するが、このような拡大窓領域311では直接亜鉛拡散を行った領域に比べ不純物濃度の増大がすくなく、結晶性がよくなる。このことは、直接亜鉛拡散を行った領域のホトルミネッセンス発光強度が拡散前の約50分の1に低下するのに対し、n型GaAsキャップ層306下に拡大した拡大窓領域311ではホトルミネッセンス発光強度の低下がほとんど見られないことからも確認できる。このような拡大窓領域311を半導体レーザの導波構造の形成に用いることにより共振器損失が5cm 以下の良好な導波路を形成することが可能であった。
【0051】
このような構造のZnO膜を塩酸系のエッチング液により除去した後、ECRスパッタ法によりSiO膜312を被着し、さらにホトリソグラフ技術によりこのSiO膜312を図9に示すような両側のストライプの外側からストライプ上までの領域に残る形状に加工する。次にAu・Zn合金からなるp側電極117を被着した。
【0052】
このとき、中央のn型GaAsキャップ層306ストライプ上にもZnO膜310を残した結果、n型GaAsキャップ層306がp型に反転しており、亜鉛拡散により形成された実屈折導波型の導波構造の中央に自己整合的に電流通路が形成される。
【0053】
このウエハのGaAs基板301を機械的研磨及び化学エッチングにより100μmまでうすくして、その裏面Au・Ge合金からなるn側電極118を設けた。このような構造のウエハを長さ約600μmにへき開してレ−ザチップとした。
【0054】
へき開は図7のフレア構造が端面になるように位置を定めた。また、本構造の場合実施例1及び2の構造に比べストライプ内外の屈折率の差が小さくなるためアレイ状ストライプの両端で発生する1次横モード成分を除去できないので、1次横モードの発生を押さえるために両端のストライプの光結合領域に約10μmの拡張光結合領域313を設けた。また、本実施例でも、実施例2と同様にアレイ状半導体レーザ内部に発生する温度の不均一を避けるために、アレイ状レーザの外側に発振に寄与しないダミーストライプ211を設けた。このようなダミーストライプには前記の1次高次モード発生を押さえる効果もあった。
【0055】
本実施例の半導体レーザは波長680nm、しきい値電流約200mAで室温連続発振し、最大光出力は約5Wで、端面における光強度分布の変動は5%以内であった。
【0056】
<実施例4>
本発明第4の実施例の半導体レーザの構造を図10及び11を用いて説明する。本実施例では、基板主面上から見たストライプ状導波路の構造の紹介を省くが、その概要は実施例3とほぼ同一とする。なお、図10及び11の断面図は実施例3の図8と同様に一つのストライプ状導波路に関して例示したものであり、本発明の実施においては、これが並行して複数個並ぶようにイメージされたい。
【0057】
401はGaAs基板を示しており、このGaAs基板401の面方位は(100)面から(110)方向に7度傾斜している。この基板上にp型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる厚さ1.8μm程度のp型クラッド層402(Mgドープ7x1017cm )、多重量子井戸活性層303、n型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる厚さ1.5μm程度のn型クラッド層403(Siドープ5x1017cm )、n型In0.5Ga0.5P層404(Siドープ5x1017cm )、およびn型GaAsキャップ層405(Siドープ1x1018cm )を順次結晶成長した。
【0058】
活性層303は厚さ5nmのIn0.55Ga0.45P層307と厚さ5nmのIn0.45(Ga0.5Al0.50.55P層308が4周期積層した多重量子井戸構造となっている。
【0059】
つぎに、このような半導体積層構造を持ったウエハにZnO膜310を拡散源とした亜鉛の選択拡散を施し、図10に斜線で示した窓領域309を形成した。窓領域309の形成は前記のようなウエハのGaAsキャップ層405を通常のホトリソグラフ技術を用いストライプ状に加工した後、ECRスパッタ法によりZnO膜310を被着し、さらにホトリソグラフ技術によりこのZnO膜310を図10に示すようなストライプの両側に残る形状に加工する。このような状態のウエハを窒素中で500℃から700℃で10分から60分間加熱すると結晶中に亜鉛が拡散し禁制帯幅が広がった窓領域309が形成される。
【0060】
このような構造のZnO膜310を塩酸系のエッチング液により除去した後、Au・Ge合金からなるn側電極118を被着した。n型GaAsキャップ層405に対してはこの電極により接触抵抗1x10 Ω/cmという良好な接触抵抗が得られた。一方、亜鉛拡散を行ったAlGaInP層はp型ドーパントである亜鉛を高濃度に含むが、拡散により形成された多数の点欠陥が亜鉛の活性化を妨げるためp型キャリア濃度は1x1016cm 程度にとどまるため、拡散領域に被着した電極と半導体層の間には5V以上の電気障壁が形成される。このため、半導体レーザの導波構造に電流を狭窄するための構造を特に形成しなくとも、亜鉛拡散により生じた高抵抗層が自己整合的に電流狭窄層の機能を兼ねる。
【0061】
このウエハのGaAs基板401を機械的研磨及び化学エッチングにより100μmまでうすくして、その裏面にAu・Zn合金からなるp側電極117を設けた。このような構造のウエハを長さ約600μmにへき開してレ−ザチップとした。図11に、その完成イメージを断面構造としてしめす。
【0062】
本実施例の半導体レーザは波長680nm、しきい値電流約200mAで室温連続発振し、最大光出力は約5Wで、端面における光強度分布の変動は5%以内であった。
【0063】
<実施例5>
本発明の半導体レーザ装置の応用により実現されるシステムの一例として、本発明による光情報記録装置の構成を図13に示す。
【0064】
図13は、コンパクトディスク(CD)プレーヤーやコンピュータのCD−ROM、或いはDVD−RAM等の光ディスクメモリに代表される光情報記録再生装置の概要図を示すものであり、半導体レーザ装置501と、これに駆動電流を供給する半導体レーザ制御装置511と、半導体レーザ装置からのレーザ光照射により情報が記録される記録媒体(光ディスク)551と、半導体レーザ装置から記録媒体までレーザ光を導く光学系531,532,533,534と、記録媒体と光学系との位置を制御する位置制御装置561と、半導体レーザ制御装置に命令信号を送る信号装置521とからなる。
【0065】
上記光学系を構成する要素は、偏光ビームスプリッタ531、コリメータレンズ532、1/4波長板533、対物レンズ534からなる。更に記録媒体の情報の再生及び記録媒体と光学系とのフォーカス誤差のモニタのためのハーフミラー535及び受光素子(4分割フォトダイオード)541a,541b及び受光情報を処理する情報処理ユニット542が設けられる。これらの光学系の構成は、例えば、西原、裏共著「光エレクトロニクス入門」(コロナ社刊行)の第157頁に掲載されている。
【0066】
上記半導体レーザ装置は、既に実施例1乃至4にて詳述したとおり、複数のストライプ状導波路502(本実施例では3本を例示)を有し、夫々の導波路毎に設けられた電極パッド503には、ストライプ状導波路502a,502b,502c毎に上記半導体レーザ制御装置511からの信号線513a,513b,513cが接続されている。即ち、上記ストライプ状導波路502a,502b,502c毎に独立して駆動電流が供給されるように構成されている。
【0067】
さて、上記半導体レーザ制御装置511において、上記信号線513a,513b,513c上にはスイッチ514a,514b,514cが設けられ、その後段にはレーザ駆動用電源512が配置される。各スイッチは、上記信号装置521からの信号を受けて開閉するように構成され、スイッチ514bにおいては、信号線522bにより供給される記録すべき情報に応じて駆動電流をオン・オフすることでストライプ状導波路502bからのレーザ光を直接変調し、情報を記録媒体に書き込む。
【0068】
上記信号装置521は、上記CDプレーヤー、DVD−RAM等に於ける制御パネル、CD−ROMにおけるコンピュータ端末に相当するが、説明を簡単にするため、前者の例で図示してある。制御パネルには、情報書き込み(Write)命令用釦522aと記録媒体初期化(Initialize)命令用釦が設けてあり、オペレータ(光情報記録再生装置のユーザ)が所望の釦を押すことで上記光ディスク551への記録情報(音声、映像、又はその他のディジタル情報)の書き込みや、消去を行うことができる。
【0069】
情報書き込み命令用釦522aにより入力された命令信号は、信号線522bを通り、上記スイッチ514bのみに開閉制御信号を送る。このとき、信号装置521はこれに入力される記録すべき情報(Information to be recorded)のディジタル信号を信号線522bを通して送り、この信号に合わせてスイッチ514bを開閉する。その結果、半導体レーザ装置501のストライプ状導波路502bからレーザ光504b(間隔の粗い点線で表示)が放出され、記録媒体551に設けられたトラック(図示せず)毎にその材料を結晶化させ又は当該トラックにピットを形成して情報を記録する。なお、前者の方式においては、図13の光学系に若干の変更があり、また記録媒体の上記光学系とは反対側に磁界印加手段を設けるが、この詳細に関しては「光エレクトロニクス入門」の第159頁の「光磁気ディスク」等を参照していただきたい(本発明により特に改良される技術要素がないため)。
【0070】
情報書き込み命令用釦522aからの命令信号の入力に応じて、信号装置521から信号線524を通して上記位置制御装置561にも円形の記録媒体を第1の角速度とその半径方向のシフトを第1のピッチで行うように命令信号が伝達される。ここでいう第1の角速度とは、上記スイッチ514bによりパルス状に放射されるレーザビームの情報を確実に上記記録媒体のトラックに照射する条件を満たす工業規格で決められるものであり、これが遅すぎても速すぎても記録媒体551に記録した情報の再生に支障を来す。この問題は、角速度が遅すぎた場合、トラック上に異なる情報成分によるレーザビーム・スポットが重なることから容易に理解できよう。
【0071】
一方、記録媒体初期化命令用釦から入力された命令信号は、信号線523bを通り、上記スイッチ514a,514b,514cの全てに伝達され、これらを全てオンする。その結果、半導体レーザ装置501のストライプ状導波路502a,502b,502cの全てが連続発振(CW発振)を起こし、これらから輻射されるレーザビームは合波して、ビーム系の広いレーザ光504a(間隔の細かい点線で表示)が放出される。本発明の光情報記録方式によれば、レーザ光504aは上記情報記録時と光学系及び駆動電流量を調整することなく均一且つ広い近視野像が実現できるため、
記録媒体551に設けられた複数のトラックに、これらに記録された情報を消去するに十分なレーザビームを一挙に照射することができる。そのビーム照射幅は、200μmに達する。
【0072】
このため、記録媒体の初期化の時間を次のようにして高速化できるのが本発明の光情報記録装置の長所である。即ち、記録媒体初期化命令用釦523aからの命令信号の入力に応じて、信号装置521から信号線524を通して上記位置制御装置561に記録媒体551の回転角速度又は半径方向のシフトピッチ或いはその双方の高速化を命令するように構成する。
【0073】
記録媒体の回転の角速度に関しては、上記第1の角速度に代えて、これより速い第2の角速度で記録媒体を回転させるようロータ562を制御する。ここで、半径方向のシフトピッチを情報記録時と同じペースとしても、一つのトラックにレーザビームが数十周に亘り照射されるため、この照射回数のダブりだけ理論的には第2の角速度は高速化できる。但し、高速回転に伴い、光学系531乃至534と記録媒体551とのフォーカス精度を損ないやすく、またロータ562と記録媒体551との結合も不安定となる。
【0074】
そこで、第2の角速度の高速化に代えて、半径方向のシフトを第1のピッチより大きい第2のピッチで行う手法を採用し、またこれと第2の角速度の高速化を併用することが推奨される。半径方向のシフトピッチのみに頼ると、円形のレーザビームスポットの宿命として、ビーム中心と外縁とでトラック毎に照射むらが生じることに注意されたい。
【0075】
以上の検討に鑑み、また、光情報記録装置にに要請される性能に応じ、記録媒体初期化に於ける上記位置調整装置561の制御方法は、記録媒体の角速度の高速化、又はこれと上記光学系との位置シフトピッチの増大、或いは双方の併用のいずれかに設定される。また、いずれの場合も、半導体レーザ制御装置の構成が単純化できる利点は損なわれない。
【0076】
以上のことから、本発明の概要で説明した如く、光情報記録(再生)装置において、上記半導体レーザ装置501を共振器長方向に並列に延伸した複数のストライプ状導波路502を有し且つこのストライプ状導波路の夫々に共振器の内部から上記光学系531との結合部分に向けて第1のストライプ幅を有する第1領域、第1領域と光学的に結合し且つ第1のストライプ幅より広く且つ少なくとも部分的に上記反射鏡の一方に向けて拡がる第2のストライプ幅を有する第2領域、並びに第2領域と光学的に結合し且つ隣接するストライプ状導波路と光学的に結合する第3領域がこの順に設けられ且つ上記複数のストライプ状導波路毎に電流注入503が行えるように構成し、上記信号装置521は少なくとも上記記録媒体への情報書き込みを指示する第1の信号522及び上記記録媒体の記録情報を消去する第2の信号523を上記半導体レーザ制御装置511に送るように構成し、且つ上記半導体レーザ制御装置511は上記駆動電流(電源512から供給)を上記半導体レーザ装置501のストライプ状導波路502a,b,c毎に供給するように半導体レーザ装置と配線され513a,b,c且つこの駆動電流の供給は上記信号装置から上記第2の信号を授受したとき(514a,b,cを開閉)に上記第1の信号を授受したとき(514bのみを開閉)より多くの上記ストライプ状導波路になされるように構成するという本発明の要旨によれば、時間を掛けたくない記録媒体の初期化の高速化による使い勝手の向上が実現できることは明らかであろう。
【0077】
なお、本実施例では、ストライプ状導波路の本数を3本として説明したが、これを2本に減じても、4本以上似ましても、更に情報記録時に駆動するストライプ状導波路の本数を2本以上にしても、上記発明の要旨を変えない限り本発明の実施を阻むのもでない。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば半導体レーザの出力を出力以外の特性を劣化させずに大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例の半導体レーザのストライプ構造を基板主面上から見た図。
【図2】本発明第1の実施例の半導体レーザの断面図。
【図3】本発明の動作原理の説明図。
【図4】本発明第2の実施例の半導体レーザのストライプ構造。
【図5】本発明第2の実施例の半導体レーザの断面図。
【図6】本発明第2の実施例の電流注入形状の説明図。
【図7】本発明第3の実施例の半導体レーザのストライプ構造を基板主面上から見た図。
【図8】本発明第3の実施例の半導体レーザの作製工程説明図。
【図9】本発明第3の実施例の半導体レーザの断面図。
【図10】本発明第4の実施例の半導体レーザの作製工程説明図。
【図11】本発明第4の実施例の半導体レーザの断面図(図10の完成イメージ)。
【図12】従来技術による共振器構造を示す概略図。
【図13】本発明の実施例5の光情報記録装置の概念図。
【符号の説明】
101…GaAs基板、102…n型Al0.5Ga0.5Asクラッド層、103…Al0.3Ga0.7As光ガイド層、104…(Al0.25Ga0.750.85In0.15As単一量子井戸活性層、105…p型Al0.5Ga0.5As第一p型クラッド層、106…p型Al0.3Ga0.7As導波路形成層、107…p型Al0.5Ga0.5As第二p型クラッド層、108…p型GaAsキャップ層、109…二酸化珪素膜、110…通常幅ストライプ、111…中間幅ストライプ、112…フレア状ストライプ、113…結合領域、114…n型Al0.5Ga0.5As電流ブロック層、115…n型GaAs層、116…p型GaAsからなるコンタクト層、117…Au・Zn電極、118…Au・Ge電極、119…出射光の強度分布、120…帰還光、121…フレアによる集光光の強度分布、122…基本横モード成分、123…2次横モード成分、201…多重量子井戸活性層、202…GaAs0.80.2バリア層、203…Ga0.85In0.15As0.80.2ウエル層、204…余弦型フレアストライプ、205…余弦型フレアストライプの前部、207…ドット形状の二酸化珪素膜、206…余弦型フレアストライプの後部、208…高注入密度領域、209…低注入密度領域、210…逆フレアストライプ、211…ダミーストライプ、301…GaAs基板、302…n型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層、303…多重量子井戸活性層、304…p型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層、305…p型In0.5Ga0.5P層、306…n型GaAsキャップ層、307…In0.55Ga0.45P層、308…In0.45(Ga0.5Al0.50.55P層、309…窓領域、310…ZnO膜、311…拡大窓領域、312…SiO膜、313…拡張領域、401…GaAs基板、402…p型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層、403…n型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層、404…n型In0.5Ga0.5P層。

Claims (7)

  1. 基板と、該基板上部に直接遷移型の半導体結晶からなる活性層並びに該活性層を挟むように形成された活性層より広い禁制帯幅を有し且つ互いに異なる導電型を有する半導体結晶からなる2種類のクラッド層を含む積層構造を有し、該積層構造の端面の結晶面を反射鏡として共振器を構成する半導体レーザにおいて、上記反射鏡をなす結晶面間を結ぶ方向に延伸する複数のストライプ状導波路が並列に形成され、該ストライプ状導波路の夫々には共振器内部から上記反射鏡の少なくとも一方に向けて、第1のストライプ幅を有する第1領域、該第1領域と光学的に結合し且つ第1のストライプ幅より広く且つ少なくとも部分的に上記反射鏡の一方に向けて拡がる第2のストライプ幅を有する第2領域、該第2領域と光学的に結合し且つ隣接するストライプ状導波路と光学的に結合する第3領域がこの順に設けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 上記第1領域と上記第2領域とが光学的に結合する部分において、上記第2領域のストライプ導波路の幅をこれに結合する上記第1領域のストライプ導波路の幅の1.5倍乃至4倍の範囲に設定することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 上記第2領域は、上記第1領域との光学的結合部分におけるストライプ幅を有するストライプ部を該光学的結合部分から該第2領域を導波する光強度分布の形状が追随しない所定の距離分設けたことを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 上記導波路に注入される動作電流の密度が、上記第1領域で最も高く、次いで上記第2領域、上記第3領域の順に低減するよう構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  5. 上記ストライプ状導波路の周囲の領域には、屈折率の分布が形成されたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の半導体レーザ装置。
  6. 上記屈折率の分布は、上記ストライプ状導波路への電流注入を不均一としたことによる請求項5に記載の半導体レーザ装置。
  7. 半導体レーザ装置と、該半導体レーザ装置に駆動電流を供給する半導体レーザ制御装置と、該半導体レーザ装置からのレーザ光照射により情報が記録される記録媒体と、該半導体レーザ装置から該記録媒体までレーザ光を導く光学系と、該記録媒体と該光学系との位置を制御する位置制御装置と、該半導体レーザ制御装置に命令信号を送る信号装置とを有し、上記半導体レーザ装置は共振器長方向に並列に延伸した複数のストライプ状導波路を有し且つ該ストライプ状導波路の夫々には該共振器の内部から上記光学系との結合部分に向けて第1のストライプ幅を有する第1領域、該第1領域と光学的に結合し且つ第1のストライプ幅より広く且つ少なくとも部分的に上記反射鏡の一方に向けて拡がる第2のストライプ幅を有する第2領域、並びに該第2領域と光学的に結合し且つ隣接するストライプ状導波路と光学的に結合する第3領域がこの順に設けられ且つ上記複数のストライプ状導波路毎に電流注入が行えるように構成され、上記信号装置は少なくとも上記記録媒体への情報書き込みを指示する第1の信号及び上記記録媒体の記録情報を消去する第2の信号を上記半導体レーザ制御装置に送るように構成され、上記半導体レーザ制御装置は上記駆動電流を上記半導体レーザ装置のストライプ状導波路毎に供給するよう該半導体レーザ装置と配線され且つ該駆動電流の供給は上記信号装置から上記第2の信号を授受したときに上記第1の信号を授受したときより多くの上記ストライプ状導波路になされるように構成されることを特徴とする光情報記録装置。
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