JPH07153111A - 光ヘッド - Google Patents

光ヘッド

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JPH07153111A
JPH07153111A JP5296583A JP29658393A JPH07153111A JP H07153111 A JPH07153111 A JP H07153111A JP 5296583 A JP5296583 A JP 5296583A JP 29658393 A JP29658393 A JP 29658393A JP H07153111 A JPH07153111 A JP H07153111A
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light
optical
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JP5296583A
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English (en)
Inventor
Shiyouhei Kobayashi
章兵 小林
Eiji Yamamoto
英二 山本
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型かつ低コストで、特性の安定した光ヘッ
ドを提供する。 【構成】 ほぼ同一の位置から波長の異なる少なくとも
2つの光ビームを、それらの光出力を独立に制御して出
射し得る半導体レーザ(20)と、この半導体レーザ(20)か
ら出射される少なくとも2つの光ビームを光記録媒体(4
5)に集光する光学系(42,43,44)と、光記録媒体(45)で反
射される少なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも
1つの光ビームを受光する光検出器(51)とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に、波長の異なる
複数の光ビームを、複数の記録層を有する光記録媒体に
照射して情報を記録したり、再生したりするのに用いる
光ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の光ヘッドとして、例えば特開昭
63−29348号公報に開示されているものがある。
この光ヘッドは、図6に示すように、波長780nmの
光ビームを発するレーザ光源1と、波長830nmの光
ビームを発するレーザ光源2とを用い、これらレーザ光
源1,2からの光ビームをそれぞれコリメータレンズ
3,4で平行光とした後、ハーフミラー5で合成し、そ
の合成された光ビームをビームスプリッタ6および1/
4波長板7を透過させた後、対物レンズ8により光磁気
ディスク9に照射するようにしている。
【0003】光磁気ディスク9は、透明基板10上に、
非磁性層11、第1光磁気記録層12、非磁性中間層1
3、第2光磁気記録層14、非磁性層15および反射層
16を順次に積層して構成され、透明基板10を経て第
1光磁気記録層12に、レーザ光源1からの波長780
nmの光ビームが合焦状態で集光され、第2光磁気記録
層14にレーザ光源2からの波長830nmの光ビーム
が合焦状態で集光させるようになっている。また、これ
ら第1,第2光磁気記録層12,14での反射光は、対
物レンズ8および1/4波長板7を経てビームスプリッ
タ6に入射し、ここで入射光路と分離された後、円柱レ
ンズ17を経て光検出器18で受光され、その出力に基
づいてフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー
信号を検出するようになっている。なお、光磁気ディス
ク9の反射層16側で、対物レンズ8と対向する位置に
は、電磁石19が配置されている。
【0004】この光ヘッドにおいては、波長の異なる2
つのレーザ光源1,2を用いて、2つの光磁気記録層1
2,14を有する光磁気ディスク9に情報を記録するよ
うにしているので、高密度記録ができるという利点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光ヘッドにおいては、分離した2つのレーザ光
源1,2を用い、これらレーザ光源1,2からの波長の
異なる2つの光ビームをハーフミラー5で合成するよう
にしているため、全体が大型になり、コストも高くなる
という問題がある。また、レーザ光源1,2の相対的な
位置関係を安定に保つことが困難であるために、2つの
光ビームの各々に対して、フォーカスエラー信号および
トラッキングエラー信号を検出する必要がある。このた
め、構成が複雑になると共に、特性が安定しないという
問題がある。
【0006】なお、波長の異なる2つの光ビームを合成
するためのハーフミラー5を不要にするために、波長の
異なる2つの半導体レーザチップを同一のパッケージに
マウントしたものも提案されている。しかし、この場合
には、2つの半導体レーザチップを高精度で位置決めす
る必要があるため、レーザ光源の製造が困難で、光ヘッ
ドがコスト高になるという問題がある。
【0007】この発明は、上述した従来の問題点に着目
してなされたもので、小型かつ低コストで、安定した特
性が得られるよう適切に構成した光ヘッドを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、ほぼ同一の位置から波長の異なる少
なくとも2つの光ビームを、それらの光出力を独立に制
御して出射し得る半導体レーザと、この半導体レーザか
ら出射される前記少なくとも2つの光ビームを光記録媒
体に集光する光学系と、前記光記録媒体で反射される前
記少なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの
光ビームを受光する光検出器とを設ける。
【0009】
【作用】かかる構成において、半導体レーザのほぼ同一
の位置から、光出力を独立に制御されて出射される波長
の異なる少なくとも2つの光ビームは、光学系により光
記録媒体に集光され、この光記録媒体で反射される少な
くとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの光ビー
ムは、光検出器で受光される。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、この発明の第1実施例を示す
ものである。この実施例では、半導体レーザ20とし
て、本願人が特願平4−255030号において提案し
た半導体発光素子を用いる。この半導体発光素子は、ほ
ぼ同一位置から波長の異なる複数の光ビームを出射する
もので、化合物半導体により導電型の層列としてp型/
n型/p型またはn型/p型/n型の層構造を形成し、
この層構造内の2つのpn接合近傍にそれぞれ近接する
層よりバンドギャップエネルギーの小さい組成の2つの
活性層を備え、これら2つの活性層を伝導帯と価電子帯
との間の遷移波長が互いに異なるように形成すると共
に、各活性層を独立に発光させる電流注入手段を設けて
なる。
【0011】図2は、かかる半導体発光素子の基本的な
構成例を示す概略斜視図である。この半導体発光素子に
おいては、p型の半導体基板(例えばGaAs)21上
に、p型のバッファ層(例えばGaAs)22、n型の
ブロック層(例えばGaAs)23が順次形成されてい
る。これら、ブロック層23およびバッファ層22の所
定の位置には、バッファ層22の底部には達しないよう
に、p型の拡散層24が形成されている。
【0012】ブロック層23上には、p型の第1クラッ
ド層(例えばAlGaAs)25、第1活性層26、n
型の分離層27、第2活性層28およびp型の第2クラ
ッド層(例えばAlGaAs)29が順次形成されてい
る。これらの各層は、メサ状に除去され、この除去され
た部分およびその上部にn型の埋め込み層30が形成さ
れていると共に、埋め込み層30で両側から挟むよう
に、第2クラッド層29の上方にp型の拡散層(例え
ば、In0.49Ga0.51P)31が形成されている。ま
た、半導体基板21の下面には、p型電極32が形成さ
れ、埋め込み層30および拡散層31上には、絶縁膜3
3に形成された開口部に、それぞれn型電極35および
p型電極34が形成されている。
【0013】かかる構成の半導体発光素子において、第
1活性層26および第2活性層28は、2つの互いに遷
移波長が異なる活性層で、これらが第1クラッド層2
5、分離層27および第2クラッド層29により電気的
に分離されている。上部のp型電極34より注入された
電流I2 は、p型の拡散層31、p型の第2クラッド層
29、第2活性層28、n型の分離層27およびn型の
埋め込み層30を通って、接地電極に引き出される。同
様に、下部のp型電極32に注入された電流I1は、p
型の半導体基板21、p型のバッファ層22、p型の拡
散層24、p型の第1クラッド層25、第1活性層2
6、n型の分離層27およびn型の埋め込み層30を通
って、接地電極に引き出される。なお、n型のブロック
層23は、第1活性層26に電流注入する際の無効成分
を阻止するように作用する。
【0014】この半導体発光素子によれば、光利得を有
する遷移波長の異なる第1,第2活性層26,28を、
それぞれ独立して電流駆動できるので、第1,第2活性
層26,28で利得を得た特定波長の光の強度をそれぞ
れ独立して制御することができると共に、第1,第2活
性層26,28で利得を得た光を同時に出力することも
できる。
【0015】この実施例では、第1,第2の活性層2
6,28にSCH(ヘテロ)構造を採用し、さらに光利
得を有する層をバルク結晶により形成して、第1活性層
26から波長830nmの光を、第2活性層28から波
長780nmの光をそれぞれ出射させるようにすると共
に、第1,第2活性層26,28にそれぞれ注入する電
流I1 ,I2 の大きさを独立して制御して、各活性層か
ら出射される波長の光出力を独立して制御する。また、
第1,第2活性層26,28の厚さ方向の中心間の距離
を、共振器の長さが例えば300μmの場合において、
およそ0.5μm以下として、両活性層による光導波路
を光学的に強結合とし、これにより波長の異なる2つの
レーザ光を実質的に1つの導波路から出射させるように
する。
【0016】図1において、半導体レーザ20のほぼ同
一位置から出射された波長830nmの光ビーム(第1
の光ビーム)および波長780nmの光ビーム(第2の
光ビーム)は、共通のコリメータレンズ42、ビームス
プリッタ43および対物レンズ44を透過させて、第
1,第2の光記録層45a,45bを有する光記録媒体
45に集光させる。
【0017】ここで、コリメータレンズ42および対物
レンズ44は、色収差を有するため、光記録媒体45に
集光される第1,第2の光ビームの集光位置は、光軸方
向にずれる。この実施例では、この色収差による第1,
第2の光ビームの集光位置のずれ量と、光記録媒体45
の第1,第2の光記録層45a,45bの間隔とをほぼ
一致させ、これにより波長830nmの第1の光ビーム
を第1の光記録層45aに、波長780nmの第2の光
ビームを第2の光記録層45bにそれぞれ集光させる。
【0018】第1の光記録層45aで反射される第1の
光ビームは、対物レンズ44を経てビームスプリッタ4
3で反射させ、さらに波長分離プリズム46で反射させ
て、第1の集光レンズ47を経て第1の光検出器50で
受光する。また、第2の光記録層45bで反射される第
2の光ビームは、対物レンズ44を経てビームスプリッ
タ43で反射させた後、波長分離プリズム46、第2の
集光レンズ48およびシリンドリカルレンズ49を透過
させて、第2の光検出器51で受光する。
【0019】このようにして、第1の光記録層45aに
対しては、第1の光ビームを記録すべき情報に応じて書
き込みパワーとして記録を行い、また第1の光ビームを
再生パワーとして、その第1の光記録層45aでの反射
光を第1の光検出器50で受光して情報を再生する。同
様に、第2の光記録層45bに対しては、第2の光ビー
ムを記録すべき情報に応じて書き込みパワーとして記録
を行い、また第2の光ビームを再生パワーとして、その
第2の光記録層45bでの反射光を第2の光検出器51
で受光して情報を再生する。
【0020】また、フォーカスエラー信号およびトラッ
キングエラー信号は、第2の光検出器51の出力に基づ
いて、それぞれ非点収差法およびプッシュプル法により
得る。なお、この実施例において、フォーカスエラー信
号およびトラッキングエラー信号は、第1の光記録層4
5aで反射される第1の光ビームを用いて、同様にして
得ることもできるし、あるいは第1,第2の光ビームの
双方を用いて得ることもできる。しかし、第1,第2の
光ビームは、半導体レーザ20のほぼ同一位置から出射
され、コリメータレンズ42および対物レンズ44にお
ける色収差以外は同一条件にあるので、いずれか一方の
光ビームを用いて、フォーカスエラー信号およびトラッ
キングエラー信号を得るだけで十分である。
【0021】この実施例によれば、半導体レーザ20と
して、ほぼ同一位置から波長の異なる2つの光ビームを
出射するものを用いているので、従来例で説明したよう
な波長の異なる2つの光ビームを合成するためのハーフ
ミラーが不要になると共に、波長の異なる半導体チップ
を高精度で位置決めする必要もない。したがって、全体
を小型かつ低コストにできる。
【0022】図3は、この発明の第2実施例を示すもの
である。この実施例では、第1実施例と同様の半導体レ
ーザ20を用い、この半導体レーザ20のほぼ同一位置
から出射された波長830nmの第1の光ビームおよび
波長780nmの第2の光ビームを、色収差を補正した
コリメータレンズ55でそれぞれ平行光とした後、ビー
ム整形プリズム56でそれぞれの光ビームの断面形状を
ほぼ円形に変換して、対物レンズ44により第1実施例
と同様に第1,第2の光記録層45a,45bを有する
光記録媒体45に集光させる。
【0023】ここで、ビーム整形プリズム56は、波長
分散を有するため、第1,第2の光ビームは、このビー
ム整形プリズム56を出射すると、互いの光軸が傾く。
さらに、ビーム整形プリズム56により互いの光軸が傾
いた第1,第2の光ビームを対物レンズ44に入射させ
ると、対物レンズ44は色収差を有するため、光記録媒
体45に集光される第1,第2の光ビームの集光位置
は、光軸方向にずれる。この実施例では、第1実施例と
同様に、この第1,第2の光ビームの集光位置のずれ量
と、光記録媒体45の第1,第2の光記録層45a,4
5bの間隔とをほぼ一致させ、これにより波長830n
mの第1の光ビームを第1の光記録層45aに、波長7
80nmの第2の光ビームを第2の光記録層45bにそ
れぞれ集光させる。
【0024】第1の光記録層45aで反射される第1の
光ビームは、対物レンズ44を経てビーム整形プリズム
56の内面で反射させた後、集光レンズ57およびシリ
ンドリカルレンズ58を経て光検出器59で受光する。
また、同様に、第2の光記録層45bで反射される第2
の光ビームも、対物レンズ44を経てビーム整形プリズ
ム56の内面で反射させた後、集光レンズ57およびシ
リンドリカルレンズ58を経て光検出器59で受光す
る。なお、光検出器59は、第1の光ビームの反射光を
受光する第1の受光領域59aと、第2の光ビームの反
射光を受光する第2の受光領域59bとをもって構成す
る。
【0025】このようにして、第1の光記録層45aに
対しては、第1の光ビームを記録すべき情報に応じて書
き込みパワーとして記録を行い、また第1の光ビームを
再生パワーとして、その第1の光記録層45aでの反射
光を光検出器59の第1の受光領域59aで受光して情
報を再生する。同様に、第2の光記録層45bに対して
は、第2の光ビームを記録すべき情報に応じて書き込み
パワーとして記録を行い、また第2の光ビームを再生パ
ワーとして、その第2の光記録層45bでの反射光を光
検出器59の第2の受光領域59bで受光して情報を再
生する。
【0026】また、フォーカスエラー信号およびトラッ
キングエラー信号は、光検出器59の第1の受光領域5
9aおよび/または第2の受光領域59bの出力に基づ
いて、それぞれ非点収差法およびプッシュプル法により
得る。なお、この実施例においも、第1,第2の光ビー
ムは、半導体レーザ20のほぼ同一位置から出射され、
ビーム整形プリズム56における波長分散および対物レ
ンズ44における色収差以外は同一条件にあるので、い
ずれか一方の光ビームを用いて、フォーカスエラー信号
およびトラッキングエラー信号を得るだけで十分である
ことは、第1実施例と同様である。
【0027】この実施例によれば、ビーム整形プリズム
56による波長分散によって、第1,第2の光ビームの
光軸を互いに非平行となるようにしたので、第1実施例
の効果に加えて、光の利用効率を高めることができると
共に、波長分離プリズムを必要としないので、より小型
かつ低コストにできる。
【0028】なお、この発明は、上述した実施例にのみ
限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能
である。例えば、上述した実施例では、半導体レーザ2
0として、波長の異なる2つのレーザ光を出力する半導
体発光素子を用いたが、かかる半導体発光素子の構成を
基本とし、その少なくとも一つの活性層から出力するレ
ーザ光の波長を切り換え可能にして、3波長以上のレー
ザ光を発振し得る半導体発光素子を用いることもでき
る。図4AおよびBは、上記の2波長のレーザ光を出力
する場合と、3波長以上のレーザ光を出力する場合とに
おける、半導体発光素子の活性層を中心とする部分に関
する、層厚方向の位置と各層のバンドギャップエネルギ
ーとの関係を示すものである。
【0029】図4Aは、第1活性層26および第2活性
層28の各々が、バンドギャップエネルギーの極小とな
る層を一つ有する場合を示す。この場合には、上述した
ように各々の活性層26,28に注入する電流I1 ,I
2 に応じて、各々の活性層26,28のバンドギャップ
エネルギーに対応した波長λ1 ,λ2 のレーザ光に対し
て光利得が最大となり、レーザの共振器からの光フィー
ドバックを介して2波長のレーザ光を独立して出力する
ことができる。また、図4Bは、第1活性層26および
第2活性層28の各々が、バンドギャップエネルギーの
極小となる層を二つ有する場合を示す。この場合には、
各々の活性層26,28に注入する電流I1 ,I2 の大
小によって、各々の活性層26,28の光利得のピーク
波長を切り替えることにより、以下の原理に基づいてレ
ーザ光の波長を切り替えることができる。
【0030】すなわち、活性層に注入されたキャリア
は、最もバンドギャップエネルギーの小さい層に集まる
傾向にあるので、第1活性層26に注入する電流I1
小さい場合には、この第1活性層26により発生する光
利得は、バンドギャップエネルギーが相対的に小さな層
に対応する光波長λ12付近にピークをもち、この波長で
レーザ発振する。また、一つの活性層内のバンドギャッ
プエネルギーの極小となる二つの層にキャリアが注入さ
れる状態は、これら二つの層の間のエネルギーバリア層
を越えて輸送されるキャリアの速度にも依存する。この
輸送速度は、エネルギーバリア層のエネルギーギャップ
や厚さによって決まり、注入電流を大きくすると(電子
に比べて有効質量の大きい)、正孔がエネルギーバリア
層を越えて輸送される割合が低下する。したがって、注
入電流I1 が大きくなると、正孔の注入源となるp型半
導体層に遠く、相対的にバンドギャップエネルギーの小
さな層に対する正孔の注入割合が低下して、相対的にバ
ンドギャップエネルギーの大きな層に対応する波長λ11
付近で光利得が最大となり、この波長でレーザ発振する
ことになる。
【0031】以上のようなメカニズムによって、一つの
活性層に注入する電流の大小により、レーザ発振に寄与
する半導体層を切り替えて、図5に示すように、レーザ
光の波長を切り替えることができる。したがって、図4
Bの構成においては、電流I 1 ,I2 の大きさを制御す
ることにより、半導体発光素子全体として異なる4波長
λ11,λ12,λ21,λ22のレーザ発振が可能となる。た
だし、同時発振は、各活性層26,28から1波長ずつ
の2波長となる。なお、このような多波長発振が可能な
半導体発光素子に関しては、本願人が特願平4−255
030号において提案した上述以外の素子構成も利用可
能である。
【0032】また、上述した実施例では、光記録媒体と
して光記録層を2層有するものを用いたが、半導体レー
ザとして、上記のように3波長以上のレーザ光を発振し
得る半導体発光素子を用いて、3層以上の光記録層を有
する光記録媒体に対して情報の記録、再生を行い得るよ
う構成することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ほぼ
同一の位置から波長の異なる少なくとも2つの光ビーム
を、それらの光出力を独立に制御して出射し得る半導体
レーザを用いるようにしたので、2つの波長の異なる光
ビームを合成するための光学素子が不要になると共に、
2つの波長の異なる半導体レーザチップを高精度で位置
決めする必要もなく、さらにフォーカスエラー信号およ
びトラッキングエラー信号も、それぞれ少なくとも1つ
の光ビームから検出するだけで十分となる。したがっ
て、小型かつ低コストで、特性の安定した光ヘッドを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す図である。
【図2】図1に示す半導体レーザの一例の構成を示す図
である。
【図3】この発明の第2実施例を示す図である。
【図4】図2に示す半導体レーザの活性層近傍における
層構造の二つの例を示すもので、図4Aは2波長発振可
能な活性層の構成を、図4Bは4波長発振可能な活性層
の構成をそれぞれ示す図である。
【図5】図4Bに示す構成によるレーザ光の波長の切り
換え特性を示す図である。
【図6】従来の技術を説明するための図である。
【符号の説明】
20 半導体レーザ 42 コリメータレンズ 43 ビームスプリッタ 44 対物レンズ 45 光記録媒体 45a 第1の光記録層 45b 第2の光記録層 46 波長分離プリズム 47 第1の集光レンズ 48 第2の集光レンズ 49 シリンドリカルレンズ 50 第1の光検出器 51 第2の光検出器 55 コリメータレンズ 56 ビーム整形プリズム 57 集光レンズ 58 シリンドリカルレンズ 59 光検出器 59a 第1の受光領域 59b 第2の受光領域

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ同一の位置から波長の異なる少なく
    とも2つの光ビームを、それらの光出力を独立に制御し
    て出射し得る半導体レーザと、この半導体レーザから出
    射される前記少なくとも2つの光ビームを光記録媒体に
    集光する光学系と、前記光記録媒体で反射される前記少
    なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの光ビ
    ームを受光する光検出器とを有することを特徴とする光
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記光検出器の出力に基づいてフォーカ
    スエラー信号を検出するよう構成したことを特徴とする
    請求項1記載の光ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記光検出器の出力に基づいてトラッキ
    ングエラー信号を検出するよう構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の光ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記光学系を、異なる波長の光ビームの
    光軸方向が互いに非平行となる波長分散特性を有するも
    のをもって構成したことを特徴とする請求項1、2また
    は3記載の光ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記光学系を、異なる波長の光ビームの
    集光位置が光軸方向にずれる色収差を有するものをもっ
    て構成したことを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の光ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記色収差による光ビームの集光位置の
    光軸方向のずれ量を、前記記録媒体の複数の記録層の間
    隔とほぼ等しくしたことを特徴とする請求項5記載の光
    ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記半導体レーザは、化合物半導体より
    なるp型/n型/p型またはn型/p型/n型の導電型
    の層構造と、この層構造内の2つのpn接合近傍に設け
    た互いに遷移波長の異なる2つの活性層と、これら各活
    性層を独立に駆動する電流注入手段とを有することを特
    徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載の光ヘ
    ッド。
JP5296583A 1993-11-26 1993-11-26 光ヘッド Pending JPH07153111A (ja)

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JP5296583A JPH07153111A (ja) 1993-11-26 1993-11-26 光ヘッド

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006338875A (ja) * 2006-09-08 2006-12-14 Konica Minolta Holdings Inc 光ピックアップ装置及びその光源ユニット
CN1323387C (zh) * 1999-06-22 2007-06-27 松下电器产业株式会社 光盘装置以及光盘的读出方法
JP2008226452A (ja) * 2008-06-20 2008-09-25 Konica Minolta Holdings Inc 光ピックアップ装置及びその光源ユニット

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