JP3364476B2 - バンド本体の固定杆 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の壁面等に
沿って配されるパイプを抱持支承するバンド本体を上記
壁面等に固定させる固定杆に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４（ａ）は、従来のバンド本体の固定
杆を示す分解斜視図、（ｂ）は、従来のバンド本体の固
定杆を示す斜視図、（ｃ）は、（ｂ）の縦断面図であ
る。

【０００３】この固定杆１００は、図４（ａ）で示すよ
うに、平板の長手方向に長孔１１１を形成した基板部１
０１と、この基板部１０１側に略膨出させた円板状の鍔
体１０２と、全周に亘ってネジ山１１３を形成したボル
ト軸１０３とで構成している。

【０００４】このような固定杆１００は、図４（ｂ）、
（ｃ）で示すように、基板部１０１の基端と、鍔体１０
２の表面中央とを接合させ、両者をスポット溶接などで
固着すると共に、鍔体１０２の裏面中心にボルト軸１０
３を接合させ、同様に固着することで形成している。

【０００５】図５は、図４で示したバンド本体の固定杆
の使用状態を示す分解斜視図及び断面図である。

【０００６】上述のように形成された固定杆１００は、
建築物の壁面等に埋設したアンカー雌ネジ１２０に、ボ
ルト軸１０３を螺合して固定される。

【０００７】そして、壁面等に固定された固定杆１００
の基板部１０１を、パイプＰを抱持したバンド本体１１
０の一対の取付片部１１２、１１２で挟み込み、この取
付片部１１２、１１２に形成した１組の孔部１１３、１
１３の一方からボルト１１４を長孔１１１を介して貫通
し、他方をナット１１５で螺合する。

【０００８】このようにして、バンド本体１１０と固定
杆１００とを固定することで、パイプＰを抱持支承した
バンド本体１１０を壁面等に固定するのである。

【発明が解決しようとする課題】しかし、固定杆１００
は、図４（ａ）で示したように、基板部１０１と、鍔体
１０２と、ボルト軸１０３という３つの部材で構成して
いる。

【０００９】そのため、固定杆１００を構成する部品点
数が多く、製造コストが高いという問題がある。

【００１０】また、固定杆１００は、上記３つの部材１
０１、１０２、１０３を溶接等で固着する構造にしてい
るので、固定杆１００の製造が複雑且つ高コストとなっ
てしまう問題もある。

【００１１】さらに、基板部１０１及びボルト軸１０３
は、鍔体１０２の表裏面に対して各々垂直に固着するこ
とが要求されるため、基板部１０１及びボルト軸１０３
の鍔体１０２に対する垂直精度を出す事が難しいという
問題もある。

【００１２】本発明は、かかる課題を解決することを目
的としたもので、部品点数を減少できると共に簡単且つ
安価に製造することができ、しかも基板部及びネジ山を
形成した挿入板部の鍔体に対する垂直精度を高めること
のできるバンド本体の固定杆を提供する。

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に係るバンド本体の固定杆は、パイプをバ
ンド本体で抱持支承し、このバンド本体を壁面等に固定
させるための固定杆であって、平板の基板部に上記バン
ド本体の一対の取付片部に設けた孔部と重合する長孔を
形成すると共に、上記平板の前部両側を切欠して挿入板
部を形成し、且つ、この挿入板部の両側にネジ山を形成
した足本体と、上記足本体の挿入板部を貫通する貫通孔
を設けた鍔体と、より構成され、上記足本体の挿入板部
を、上記鍔体の貫通孔に貫通させ、両者を固着して形成
した構造にしている。

【００１３】請求項１では、足本体と鍔体との２つの部
材で構成している。そのため、固定杆を構成する部品点
数を減少でき、コストダウンを図ることができる。

【００１４】また、ネジ山を形成した挿入板部は、一枚
の平板を加工して形成されているので、平板にボルトを
突設してネジ山を形成した場合に比べて簡単且つ安価に
固定杆を製造することができ、しかも基板部及びネジ山
を形成した挿入板部の鍔体に対する垂直精度を高めるこ
とができる。

【００１５】請求項２に係るバンド本体の固定杆は、請
求項１において、上記鍔体の貫通孔にはネジ溝を形成
し、上記足本体の挿入板部を、上記鍔体の貫通孔に螺合
させて両者を固着して形成した構造にしている。

【００１６】請求項２では、足本体と鍔体とを螺合させ
て固着するので、作業現場で簡単に組立できる。

【００１７】請求項３に係るバンド本体の固定杆は、請
求項１において、上記平板の切欠した側端部には、前方
に向けて１組の突片を形成すると共に、この突片を貫通
する１組の角孔を、上記鍔体の貫通孔の両側に形成し、
上記足本体の挿入板部及び突片を、上記鍔体の貫通孔及
び角孔に各々貫通し、上記突片と鍔体とを溶接又はカシ
メ止めして両者を固着して形成した構造にしている。

【００１８】請求項３では、足本体の突片と鍔体は、溶
接又はカシメ止めして固着するので、足本体と鍔体を確
実に固着できる。

【００１９】請求項４に係るバンド本体の固定杆は、請
求項１〜３の何れかにおいて、上記挿入板部の先端に
は、先細のガイド片部を設けた構造にしている。

【００２０】請求項４では、ガイド片部を設けているの
で、足本体の挿入片部を壁等に埋設したアンカー雌ネジ
に容易に螺合して固定できる。

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るバンド本体の
固定杆を図面に基づき説明する。

【００２１】図１（ａ）は、本発明に係るバンド本体の
固定杆を示す分解斜視図、（ｂ）は、本発明に係るバン
ド本体の固定杆を示す斜視図、（ｃ）は、（ｂ）の縦断
面図である。

【００２２】この固定杆Ａは、図１（ａ）で示すよう
に、足本体１と鍔体２の２つの部材で構成している。

【００２３】足本体１は、平板の長手方向に長孔１１ａ
を開設して基板部１１を形成すると共に、上記平板の前
部両側、即ち基板部１１の前端側を切欠して挿入板部１
２を形成し、且つ、この挿入板部１２の両側にネジ山１
２ａを形成している。

【００２４】鍔体２は、足本体１の挿入板部１２を貫通
する貫通孔２１を設けている。

【００２５】そして、足本体１の挿入板部１２を、鍔体
２の貫通孔２１に貫通させて両者を固着する構造にして
本発明に係る固定杆Ａを形成して成る。

【００２６】図１では、鍔体２の貫通孔２１にネジ溝２
１ａを形成し、足本体１の挿入板部１２に形成したネジ
山１２ａを、この鍔体２の貫通孔２１のネジ溝２１ａに
螺合させて両者を固着して固定杆Ａを形成する構造にし
ている。

【００２７】このように、本発明に係る固定杆Ａは、足
本体１と鍔体２の２つの部材で構成している。そのた
め、固定杆Ａを構成する部品点数を減少でき、コストダ
ウンを図ることができる。

【００２８】また、ネジ山１２ａを形成した挿入板部１
２は、一枚の平板を加工して形成されているので、平板
にボルトを突設してネジ山を形成した従来の固定杆に比
べて簡単且つ安価に固定杆Ａを製造することができる。

【００２９】しかも、ネジ山１２ａを形成した挿入板部
１２と、基板部１１とは、一枚の平板を加工して形成さ
れているので、基板部１１と挿入板部１２を同一の中心
線上に確実に位置づけでき、鍔体２に対する垂直精度を
高めることができる。

【００３０】さらに、図１で示すように、鍔体２の貫通
孔２１にネジ溝２１ａを形成して、足本体１と鍔体２と
を螺合させて固着するので、固定杆Ａを作業現場などで
簡単に組立することができる。

【００３１】図２（ａ）は、本発明に係るバンド本体の
固定杆の他の実施例を示す分解斜視図、（ｂ）は、本発
明に係るバンド本体の固定杆の他の実施例を示す斜視
図、（ｃ）は、（ｂ）の縦断面図である。

【００３２】なお、図１と共通する部位には、共通の番
号を付し、その説明は省略する。

【００３３】この固定杆Ａは、図２（ａ）で示すよう
に、足本体１と鍔体２の２つの部材で構成している。

【００３４】図２では、上記平板の切欠した側端部に
は、つまり、基板部１１の前側両端には、前方に向けて
１組の突片１１ｂ、１１ｂを形成すると共に、この突片
１１ｂ、１１ｂを貫通する１組の角孔２２、２２を、鍔
体２の貫通孔２１の両側に対応して形成している。

【００３５】そして、この固定杆Ａは、足本体１の挿入
板部１２及び突片１１ｂ、１１ｂを、鍔体２の貫通孔２
１及び角孔２２、２２に各々貫通し、この突片１１ｂ、
１１ｂと鍔体２とを溶接又はカシメ止めして両者を固着
して形成した構造にしている。

【００３６】このような構造の固定杆Ａによれば、足本
体１の突片１１ｂ、１１ｂと鍔体２は、溶接又はカシメ
止めして固着されるので、足本体１と鍔体２を確実に固
着できる。

【００３７】図３は、図１、２で示したバンド本体の固
定杆の使用状態を示す分解斜視図及び断面図である。

【００３８】上述のように形成した固定杆Ａは、建築物
の壁面又は床面等に埋設したアンカー雌ネジ３に、挿入
板部１２のネジ山１２ａを螺合して固定する。

【００３９】ここで、挿入板部１２の先端を先細に形成
したガイド片部１２ｂを設けることも考えられる。この
ようなガイド片部１２ｂを設ければ、足本体１の挿入片
部１２を壁面等に埋設したアンカー雌ネジ２に対して容
易に螺合して固定できる。

【００４０】そして、壁面等に固定された固定杆Ａの足
本体１を、パイプＰを抱持したバンド本体４の一対の取
付片部４１、４１で挟み込み、この取付片部４１、４１
に形成した１組の孔部４２、４２の一方からボルト４３
を足本体１の長孔１１を介して貫通し、他方をナット４
４で螺合する。

【００４１】このようにして、バンド本体４と固定杆Ａ
とを固定することで、パイプＰを抱持支承したバンド本
体４を壁面等に固定するのである。

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果があ
る。

【００４２】請求項１に係るバンド本体の固定杆によれ
ば、足本体と鍔体との２つの部材で構成している。その
ため、固定杆を構成する部品点数を減少でき、コストダ
ウンを図ることができる。

【００４３】また、ネジ山を形成した挿入板部は、一枚
の平板を加工して形成されているので、平板にボルトを
突設してネジ山を形成した場合に比べて簡単且つ安価に
固定杆を製造することができ、しかも基板部及びネジ山
を形成した挿入板部の鍔体に対する垂直精度を高めるこ
とができる。

【００４４】請求項２に係るバンド本体の固定杆によれ
ば、足本体と鍔体とを螺合させて固着するので、作業現
場で簡単に組立できる。

【００４５】請求項３に係るバンド本体の固定杆によれ
ば、足本体の突片と鍔体は、溶接又はカシメ止めして固
着するので、足本体と鍔体を確実に固着できる。

【００４６】請求項４に係るバンド本体の固定杆によれ
ば、ガイド片部を設けているので、足本体の挿入片部を
壁等に埋設したアンカー雌ネジに容易に螺合して固定で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明に係るバンド本体の固定杆を
示す分解斜視図、（ｂ）は、本発明に係るバンド本体の
固定杆を示す斜視図、（ｃ）は、（ｂ）の縦断面図

【図２】（ａ）は、本発明に係るバンド本体の固定杆の
他の実施例を示す分解斜視図、（ｂ）は、本発明に係る
バンド本体の固定杆の他の実施例を示す斜視図、（ｃ）
は、（ｂ）の縦断面図

【図３】図１、２で示したバンド本体の固定杆の使用状
態を示す分解斜視図及び断面図

【図４】（ａ）は、従来のバンド本体の固定杆を示す分
解斜視図、（ｂ）は、従来のバンド本体の固定杆を示す
斜視図、（ｃ）は、（ｂ）の縦断面図

【図５】図４で示したバンド本体の固定杆の使用状態を
示す分解斜視図及び断面図

【符号の説明】

Ａ 固定杆 Ｐ パイプ １ 足本体 １１ 基板部 １１ａ 長孔 １１ｂ 突片 １２ 挿入板部 １２ａ ネジ山 １２ｂ ガイド片部 ２ 鍔体 ２１ 貫通孔 ２１ａ ネジ溝 ２２ 角孔 ４ バンド本体 ４１ 取付片部 ４２ 孔部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F16L 3/08

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パイプをバンド本体で抱持支承し、このバ
   ンド本体を壁面等に固定させるための固定杆であって、 平板の基板部に上記バンド本体の一対の取付片部に設け
   た孔部と重合する長孔を形成すると共に、上記平板の前
   部両側を切欠して挿入板部を形成し、且つ、この挿入板
   部の両側にネジ山を形成した足本体と、 上記足本体の挿入板部を貫通する貫通孔を設けた鍔体
   と、より構成され、 上記足本体の挿入板部を、上記鍔体の貫通孔に貫通さ
   せ、両者を固着して形成した構造にしているバンド本体
   の固定杆。
2. 【請求項２】請求項１において、 上記鍔体の貫通孔にはネジ溝を形成し、上記足本体の挿
   入板部を、上記鍔体の貫通孔に螺合させて両者を固着し
   て形成した構造にしているバンド本体の固定杆。
3. 【請求項３】請求項１において、 上記平板の切欠した側端部には、前方に向けて１組の突
   片を形成すると共に、この突片を貫通する１組の角孔
   を、上記鍔体の貫通孔の両側に形成し、上記足本体の挿
   入板部及び突片を、上記鍔体の貫通孔及び角孔に各々貫
   通し、上記突片と鍔体とを溶接又はカシメ止めして両者
   を固着して形成した構造にしているバンド本体の固定
   杆。
4. 【請求項４】請求項１〜３の何れかにおいて、 上記挿入板部の先端には、先細のガイド片部を設けた構
   造にしているバンド本体の固定杆。