JP3363409B2 - 光メモリ素子及びその製造方法 - Google Patents

光メモリ素子及びその製造方法

Info

Publication number
JP3363409B2
JP3363409B2 JP24463399A JP24463399A JP3363409B2 JP 3363409 B2 JP3363409 B2 JP 3363409B2 JP 24463399 A JP24463399 A JP 24463399A JP 24463399 A JP24463399 A JP 24463399A JP 3363409 B2 JP3363409 B2 JP 3363409B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic layer
recording
land
groove
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24463399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000235743A (ja
Inventor
順司 広兼
昇 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP24463399A priority Critical patent/JP3363409B2/ja
Priority to US09/461,799 priority patent/US6418091B1/en
Publication of JP2000235743A publication Critical patent/JP2000235743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3363409B2 publication Critical patent/JP3363409B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B11/00Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor
    • G11B11/10Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
    • G11B11/105Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field using a beam of light or a magnetic field for recording by change of magnetisation and a beam of light for reproducing, i.e. magneto-optical, e.g. light-induced thermomagnetic recording, spin magnetisation recording, Kerr or Faraday effect reproducing
    • G11B11/10582Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form
    • G11B11/10584Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the form, e.g. comprising mechanical protection elements
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B11/00Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor
    • G11B11/10Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field
    • G11B11/105Recording on or reproducing from the same record carrier wherein for these two operations the methods are covered by different main groups of groups G11B3/00 - G11B7/00 or by different subgroups of group G11B9/00; Record carriers therefor using recording by magnetic means or other means for magnetisation or demagnetisation of a record carrier, e.g. light induced spin magnetisation; Demagnetisation by thermal or stress means in the presence or not of an orienting magnetic field using a beam of light or a magnetic field for recording by change of magnetisation and a beam of light for reproducing, i.e. magneto-optical, e.g. light-induced thermomagnetic recording, spin magnetisation recording, Kerr or Faraday effect reproducing
    • G11B11/10582Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録再生装置に
適用される光ディスク、光テープ、光カード等の光メモ
リ素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、書き換え可能な光記録素子と
して、光磁気記録媒体や相変化記録媒体を用いた光ディ
スクが実用化されている。このような光ディスクでは、
半導体レーザから出射される光ビームを光記録媒体上に
集光照射することにより、光記録媒体の局部温度を上昇
させることにより記録消去が行われる。そして、記録消
去が起こらない強度の光ビームを光記録媒体に集光照射
し、その反射光の状態を判別することにより、記録情報
の再生が行われる。すなわち、光磁気記録媒体において
は、反射光の偏光状態の変化を検出すことにより磁化方
向の判別が行われ、相変化記録媒体においては反射光の
光量変化として記録マークが検出される。
【0003】このような光ディスクには、光ビームを特
定位置に集光照射するために、ランド及びグルーブと呼
ばれる凹凸により構成されるトラックがスパイラル状に
形成されている。近年、光ディスクの記録密度を大きく
するため、このトラックピッチが徐々に狭くなる傾向に
ある。
【0004】また、Jpn.J.Appl.Phys.
Vol.35(1996)pp.5701において、室
温において面内磁化状態であり、温度上昇とともに垂直
磁化状態となる再生磁性層と、垂直磁化膜からなる記録
磁性層とが静磁結合してなる光磁気記録媒体を用いて磁
気的超解像再生を実現することにより、さらなる記録密
度向上が検討されている。
【0005】さらに、特開平6−290496号公報に
おいては、相対的に磁壁坑磁力が小さな第1磁性層と、
相対的にキュリー温度が低い第2磁性層と、相対的に磁
壁坑磁力が大きく、キュリー温度の高い第3磁性層を順
次積層させた光磁気記録媒体並びに、この光磁気記録媒
体を用いて、記録マークの境界部に存在する磁壁を温度
勾配によって移動させ、この磁壁移動に伴う磁化反転
を、反射光の偏光状態の変化として検出する高密度記録
再生方法が提案されている。この方法においては、記録
マークの前方境界部の磁壁と後方境界部の磁壁とが分離
独立して形成されていることが、磁壁の移動を安定化し
再生特性を向上させる上で望ましい。
【0006】しかし、基板上に磁性膜を成膜してこの媒
体を作製すると、概ね一様な磁性膜が形成されるため、
ランドとグルーブの境界エッジ部分に磁壁が形成され、
前後の磁壁が完全に分離しているような磁性膜を形成す
ることは困難であった。このため、磁性膜の成膜後にト
ラックの両側を高出力のレーザーでアニールするなどし
てトラック側部の磁性膜を変質もしくは消失させる処理
を行い、この処理部にまたがるように記録マークを形成
することで前後の磁壁を分離させるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光磁気ディスク及び従来の超解像光磁気ディスクにおい
ては、トラックピッチを狭くした場合においては、トラ
ック方向への熱拡散が顕著となり、クロスライト又はク
ロストークが著しく大きくなるという問題があった。
【0008】また、特開平6−290496号公報に記
載の光磁気ディスクの場合、ディスク形成後、一枚一枚
のディスクについてレーザーアニール処理を行なうこと
が必要となり、ディスク製造工程が複雑となり、コスト
アップになるという問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の光メモリ素子は以下のようなものである。
【0010】第1の発明の光メモリ素子は、少なくとも
光学的に情報の記録および再生が可能な記録磁性層を有
してなる光メモリ素子において、ランドとグルーブとで
構成される情報トラックが設けられており、前記ランド
と前記グルーブとの間の側壁部分に形成された記録磁性
層が選択的に酸化されてなることを特徴とする。
【0011】第2の発明の光メモリ素子は、少なくとも
光学的に情報の記録が可能な記録層と、該記録層に記録
された情報が転写され、光学的に情報の再生が可能な再
生層とを有してなる光メモリ素子において、ランドとグ
ルーブとで構成される情報トラックが設けられており、
前記ランドと前記グルーブとの間の側壁部分に形成され
た再生磁性層及びまたは記録磁性層が選択的に酸化され
てなることを特徴とする。
【0012】第3の発明の光メモリ素子は、少なくとも
相対的に磁壁坑磁力が小さな第1の磁性層と、相対的に
キュリー温度が低い第2の磁性層と、相対的に磁壁坑磁
力が大きく、キュリー温度の高い第3磁性層を順次積層
させた磁壁移動光磁気メモリ素子において、ランドとグ
ルーブとで構成される情報トラックが設けられており、
該ランドと該グルーブとの間の側壁部分に形成された第
1磁性層が選択的に酸化されてなることを特徴とする。
【0013】第4の発明の光メモリ素子は、情報の光磁
気記録または光磁気記録された情報の再生が可能な光メ
モリ素子において、ランド及びグルーブの両方を情報ト
ラックとしており、前記ランド、前記グルーブ、及びそ
れらの間の側壁部分上にわたって形成されており、前記
ランドと前記グルーブとの間の側壁部分において選択的
に酸化されてなる、少なくとも1つの磁性層を有するこ
とを特徴とする。
【0014】第5の発明の光メモリ素子は、第1から第
4の発明の光メモリ素子のいずれかの光メモリ素子にお
いて、側壁と、ランド及びグルーブと、が成す角度をθ
としたとき、θ≧60°であることを特徴とする第6の
発明の光メモリ素子の製造方法は、第4の発明の光メモ
リ素子の製造方法であって、前記磁性層の上に、前記ラ
ンド及び前記グルーブ上において厚く前記側壁上で薄い
選択酸化層を形成する工程と、酸素雰囲気中または酸素
プラズマ中に保持することで、前記側壁部分に形成され
た磁性層を選択的に酸化する工程と、を含むことを特徴
とする。
【0015】第7の発明の光メモリ素子の製造方法は、
第4の発明の光メモリ素子の製造方法であって、選択酸
化される前記磁性層を形成後、酸素雰囲気中または酸素
プラズマ中に保持して、前記ランド及び前記グルーブ上
と、前記側壁部分に形成された前記磁性層を酸化する工
程と、前記ランド及び前記グルーブ上の磁性層表面の酸
化磁性層をスパッタエッチングにより取り除く工程と、
を含むことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕以下、本発
明を干渉構造の光磁気ディスクに適用した場合につい
て、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の第1の実施の形態の光磁
気ディスクの媒体構成を示している。図1の光磁気ディ
スクは、基板1上に、SiNからなる第1の透明誘電体
層2、TbFeCoからなる記録磁性層3、SiNから
なる第2の透明誘電体層4、AlTiからなる反射層
5、紫外線硬化樹脂からなるオーバーコート層6が順次
形成された構成を有している。
【0018】基板1の表面には、光ビームを所定位置に
導くことを目的としたランド及びグルーブと呼ばれる案
内溝がスパイラル状に形成されており、光ビームはラン
ド及びグルーブの位置を走査すべくアクチュエータ等の
制御手段によりトラッキングが行われる。
【0019】また、SiNからなる第1の透明誘電体層
2及び第2の透明誘電体層4は、ArガスとN2ガスを
用いて、Siターゲットから反応性スパッタリングによ
り形成され、TbFeCoからなる記録磁性層3及びA
lTiからなる反射層5は、それぞれ、Arガスを用い
て、TbFeCo合金ターゲット及びAlTi合金ター
ゲットからスパッタリングにより形成され、紫外線硬化
樹脂をスピンコートにより塗布した後、紫外線を照射す
ることにより形成されたオーバーコート層6が形成され
る。
【0020】このような光磁気ディスクでは、その記録
方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、半
導体レーザから出射される光ビームが基板1及び第1の
透明誘電体層2を通して、記録磁性層3へ絞りこまれ、
記録磁性層3をキュリー温度以上に温度上昇させると共
に外部磁界を加えることにより、記録磁性層3の磁化方
向を制御することにより記録が行われる。
【0021】また、再生は、同一光ビームを記録時より
も弱いパワーに設定し、極カー効果として知られる光磁
気効果によって、情報の再生が行われるようになってい
る。上記極カー効果とは、光入射表面に垂直な磁化の向
きにより、反射光の偏光面の回転の向きが逆方向になる
現象である。
【0022】次に、従来の光磁気ディスクの断面拡大図
を図6に示す。図6においては、ランド7及びグルーブ
8の部分に形成される第1の透明誘電体層2、記録磁性
層3、第2の透明誘電体層4のみが図示されている。記
録磁性層3を基板1上にスパッタリングにより形成した
場合、記録磁性層3は基板1上に概ね一様にかつ連続的
に形成されている。
【0023】このように、従来の光磁気ディスクにおい
ては、ランド7上の記録磁性層3とグルーブ8上との記
録磁性層3とが連続して形成されているため、ランド7
とグルーブ8との間の側壁9で容易に熱拡散10が発生
する。
【0024】そして、ランド7上の記録磁性層3とグル
ーブ8上の記録磁性層とが側壁9において磁気的に連続
しているため、高密度化のためトラックピッチを狭くし
た場合、ランド7及びグルーブ8の幅が狭くなり、特定
のランド7に高出力の光ビームを照射し記録及び消去を
行なった場合、隣接するグルーブ8へと容易に熱拡散1
0が発生するとともに、磁気的に連続した側壁9におい
て、ランド7からグルーブ8への磁壁移動が容易に発生
し、隣接するグルーブ8に存在していた記録情報が書き
換えられるというクロスライト及びクロス消去が発生す
ることになる。次に、本発明の第1の実施の形態の光磁
気ディスクの断面拡大図を図2に示す。図2において
は、記録磁性層3を形成した後、側壁9に形成された記
録磁性層3のみを酸化させた後、第2の透明誘電体層4
が形成されている。この後、反射層5、オーバーコート
層6が順次積層されることになる(図1参照)。
【0025】このように側壁9に形成された記録磁性層
3のみを酸化する方法について、図3を用いて説明す
る。
【0026】基板1上に、第1の透明誘電体層2や記録
磁性層3等の薄膜をスパッタリングで形成した場合、薄
膜は基板1上に概ね一様にかつ連続的に形成されるが、
ランド7及びグルーブ8と側壁9を比較すると、薄膜の
付着確率が異なるため、側壁9に形成される薄膜の膜厚
は、ランド7及びグルーブ8に形成される薄膜の膜厚の
半分程度になっている。記録磁性層3を形成した後、選
択酸化層11をスパッタリングにより極めて薄い膜厚で
形成した場合、側壁9に形成される選択酸化層11の膜
厚も、ランド7及びグルーブ8に形成される選択酸化層
11の膜厚の半分程度になっている。
【0027】この状態で、酸素を含む雰囲気中に保持し
た場合、ランド7及びグルーブ8上に形成された選択酸
化層11は、十分な膜厚と連続性を有しており酸素を透
過させず(12)、記録磁性層3を酸化から保護する。
一方、側壁9に形成された選択酸化層11は、その膜厚
が薄くなるとともに連続性もなくなってくることによ
り、容易に酸素が透過してしまう(13)。そのため、
側壁9に形成された記録磁性層3のみ酸化された記録磁
性層3が形成されることになる。
【0028】その後、選択酸化層をスパッタエッチング
により取り除いた後、第2の透明誘電体層4、反射層
5、オーバーコート層6を順次積層することにより光磁
気ディスクが完成する。
【0029】このように、側壁9に形成された記録磁性
層3が酸化することにより、側壁9での熱伝導率が低下
するとともに、側壁9のみの磁気特性が面内磁化状態と
なる。側壁9での熱伝導率低下が、ランド7とグルーブ
8との間の熱拡散を抑制するとともに、側壁9で磁気特
性が変化することにより、ランド7とグルーブ8とが磁
気的に切り離されるため、ランド7からグルーブ8への
磁壁移動が起こらなくなり、クロスライト及びクロス消
去が抑制されることになる。
【0030】(実施例1)本発明の光磁気ディスクの形
成方法及び記録再生特性の具体例について説明する。
【0031】(1) 光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。まず、SiターゲットとTbFeCo合金ターゲッ
トとAlTi合金ターゲットとをそれぞれ備えたスパッ
タ装置内に、ランド幅0.55μm、グルーブ幅0.5
5μm、溝深さ70nmのランド7及びグルーブ8から
なる案内溝を有しディスク状に形成されたポリカーボネ
ート製の基板1を配置する。ここで、側壁9とランド7
及びグルーブ8とが成す角度θは85度であった。
【0032】そして、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを
導入し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10 -3Torrの条件で、該基板1上にSiNからなる
第1の透明誘電体層2を膜厚80nmで形成する。
【0033】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、TbFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該第1の透明誘電体
層2上に、Tb0.27(Fe0.85Co0.150.73からなる
記録磁性層3を膜厚20nmで形成する。その記録磁性
層3は、垂直磁化膜であり、補償温度が80℃であり、
キュリー温度が260℃であった。
【0034】次にアルゴンガスを導入した状態で、Si
ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3Tor
rの条件で、該記録磁性層3上にSiからなる選択酸化
層11を、ランド7及びグルーブ8上で膜厚4nmとな
るように形成する。
【0035】次に、第1の透明誘電体層2及び記録磁性
層3及び選択酸化層11が形成された基板1をスパッタ
装置から取り出し、温度25℃、湿度30%の大気中に
24時間保持することにより、側壁9に形成された記録
磁性層3の選択酸化を行なった。
【0036】次に、選択酸化した基板1をスパッタ装置
内に配置し、スパッタ装置内を1×10-6Torrまで
真空排気した後、アルゴンガスを導入して、投入高周波
電力0.2W/cm2、ガス圧1×10-2Torrの条
件で、選択酸化層11をスパッタエッチングにより除去
した。
【0037】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、スパッタエッチングにより露出し
た記録磁性層3上にSiNからなる第2の透明誘電体層
4を膜厚20nmで形成する。次に、再度、スパッタ装
置内を1×10-6Torrまで真空排気した後、アルゴ
ンガスを導入して、AlTi合金ターゲットに電力を供
給して、ガス圧4×10 -3Torrの条件で、該第2の
透明誘電体層4上に、Al0.90Ti0.10からなる反射層
5を膜厚50nmで形成する。
【0038】次に、紫外線硬化樹脂をスピンコートによ
り塗布した後、紫外線を照射し、樹脂膜を硬化すること
によりオーバーコート層6を形成することにより光磁気
ディスクを作製した。
【0039】上記光磁気ディスクにおいて、第1の透明
誘電体層2及び第2の透明誘電体層4は、SiNに限ら
れるものではなく、 AlN,AlSiN,Ta23
の透明誘電体を用いることが可能であり、その膜厚は、
入射する光ビーム4に対して、良好な干渉効果が実現
し、媒体の極カー回転角が増大すべく設定される必要が
あり、例えば、光ビーム4の波長を680nmとした場
合、第1の透明誘電体層2の膜厚を60nm〜100n
m程度に設定し、第2の透明誘電体層4の膜厚を10n
m〜30nm程度に設定すれば良い。
【0040】また、記録磁性層3は、TbFeCoに限
られるものでなく、TbFe、DyFe、DyFeC
o、TbDyFe、TbDyFeCo、TbFeD、T
bFeCoD、DyFeD、DyFeCoD、TbDy
FeD、TbDyFeCoD(Dは、Y,Ti,V,C
r,Pd,Cu,Si,Alの中から選ばれる元素、ま
たは、それら2種類以上の元素からなる。)等の材料か
らなる垂直磁化膜を採用することが可能である。
【0041】また、選択酸化層11は、Siに限られる
ものでなく、Al、Ti、Ta等の金属、及び、それら
の窒化物を用いることが可能であり、ランド7及びグル
ーブ8上での選択酸化層11の膜厚が、3nm〜8nm
となるように形成されていることが望ましい。該膜厚
が、3nmより薄くなると、ランド7及びグルーブ8上
の記録磁性層3の酸化が進行してしまう。また、該膜厚
が、8nmより厚くなると、側壁9の記録磁性層3を酸
化することが困難となる。
【0042】また、スパッタエッチングの条件は、高周
波電力0.2W/cm2、ガス圧1×10-2Torrの
条件のみに限られるものではない。高周波電力として
は、0.05W/cm2〜0.5W/cm2がのぞまし
く、ガス圧としては、1×10-3Torr〜5×10-2
Torrが望ましい。0.05W/cm2より小さい電
力では、スパッタエッチングにおけるエッチング速度が
極めて遅くなり、プロセス時間が長くなり非現実的であ
る。0.5W/cm2より大きな電力を投入すると、基
板温度が上昇することにより、ポリカーボネート製の基
板が変形してしまう。1×10-3Torrより低いガス
圧、及び、5×10-2Torrり高いガス圧において
は、安定した放電を維持することが困難であった。
【0043】また、反射層5は、AlTiに限られるも
のでなく、Al,AlSi,AlNi等のAl合金を用
いることが可能である。
【0044】(2)記録再生特性 上記光磁気ディスクを、波長680nmの半導体レーザ
を用いた光磁気ピックアップで、線速2.5m/sの条
件で評価した結果について説明する。
【0045】まず、ある特定のランド7を走査すべく光
ビームをトラッキングし、記録再生用レーザを6mWで
連続照射しながら、2MHzの周波数で変調された、1
5kA/mの強度の記録磁界を印加することにより、記
録磁性層3に記録磁界の向きに対応した上向き磁化と下
向き磁化との繰り返しパターンを形成した後、記録再生
用レーザを1mWにして再生信号の信号対雑音比(CN
R1)を測定した結果、48.5dBのCNRが得られ
た。
【0046】次に、隣接するグルーブ8を走査すべく光
ビームをトラッキングさせ、記録再生用レーザを6mW
で連続照射しながら、+15kA/mの一定強度の磁界
を印加することにより、隣接するグルーブ8の磁化方向
を一方向へと揃えた後、記録再生用レーザを1mWにし
て、記録が行われたランド7に光ビームを戻して、再度
再生信号の信号対雑音比(CNR2)を測定すした結
果、41.0dBのCNRが得られた。ここで、CNR
1とCNR2との差ΔCNRを算出することにより、ク
ロス消去量を見積ることが可能である。
【0047】実施例1の光磁気ディスクの形成方法に記
載の本発明の光磁気ディスクと、実施例1の光磁気ディ
スクの形成方法において、選択酸化を行なわなかった従
来の光磁気ディスク(比較例1)についてのΔCNRを
比較した結果、比較例1の従来の光磁気ディスクについ
ては、CNR1が48.5dB、CNR2が36.0d
Bであり、ΔCNRが12.5dBとなり、隣接するグ
ルーブ8の消去を行なうことにより大きなクロス消去が
発生し、ランド7のCNRが著しく低下するのに対し
て、実施例1の本発明の光磁気ディスクにおいては、C
NR1が48.5dB、CNR2が41.0dBであ
り、ΔCNRが7.5dBとなり、クロス消去が効果的
に抑制されていることが確認された。
【0048】(実施例2)本発明においては、側壁9の
記録磁性層のみが選択的に酸化されることが必要であ
り、側壁9に形成される選択酸化層11が酸素を透過
し、ランド7及びグルーブ8上に形成される選択酸化層
11が酸素を透過しなように、選択酸化層11の膜厚が
制御されていることが必要となる。このような膜厚差
は、側壁9とランド7及びグルーブ8とが成す角度θに
より変化するため、該角度θをさまざまに変えた基板1
を用いて本発明の光磁気ディスクを作製し、それぞれの
ディスクにおけるCNR1及びΔCNRを測定した結果
を表1に示す。
【0049】
【表1】 比較例1のΔCNRが12.5dBであるのに対して、
該角度θが60度以上の場合に、12.5dBより小さ
なΔCNRが得られており、側壁9とランド7及びグル
ーブ8とが成す角度θが60度以上であることが必要で
ある。θが50度の場合、側壁9に形成された選択酸化
層11の膜厚が厚くなり、側壁9の記録磁性層3が酸化
されなかったために、ΔCNRが大きくなったものと考
えられる。側壁9の記録磁性層3のみを酸化するために
は、側壁9に形成される選択酸化層11ができるだけ薄
くなり、酸素が容易に透過可能になることが望ましく、
θは可能な限り90度に近いことが望ましい。
【0050】(実施例3)実施例1においては、該記録
磁性層3上に膜厚4nmのSiからなる選択酸化層11
を形成した後、温度25℃、湿度30%の大気中に24
時間保持することにより、側壁9に形成された記録磁性
層3の選択酸化を行なったが、保持温度を変えることに
より、保持時間を短縮することが可能となる。
【0051】表2は、実施例1と同様にして、第1の透
明誘電体層2、記録磁性層3、選択酸化層11を形成
し、湿度を30%に保ち、保持温度及び保持時間を変え
て選択酸化を行なった後、実施例1と同様にして、スパ
ッタエッチングを行い、第2の透明誘電体層4、反射層
5、オーバーコート層6を形成して作製した光磁気ディ
スクのCNR1及びΔCNRを測定した結果を示してい
る。
【0052】
【表2】 表2からわかるように、保持温度を高くすることによ
り、側壁9の記録磁性層3の酸化が促進され、保持時間
を短くすることができる。保持温度100℃の場合、保
持時間5分では、側壁9の記録磁性層3の酸化が不十分
であるため、ΔCNRが12.5dBと大きく、従来の
光磁気ディスクと同じクロス消去が発生したが、保持時
間を10分から20分と長くすることにより、ΔCNR
が低下し、実施例1と同程度のクロス消去を実現するこ
とができた。しかし、保持時間を30分から60分とさ
らに長くすると、ランド7又はグルーブ8上の記録磁性
層3まで酸化されることにより、初期の信号品質(CN
R1)が低下することが確認された。また、保持時間を
150℃とすると、基板であるポリカーボネートが変形
し、CNRの測定を行なうことができなかった。
【0053】以上のように、本発明の選択酸化において
は、保持温度を125℃以下の温度として、保持時間を
調整することにより、ランド7及びグルーブ8上の記録
磁性層3を酸化させずに、側壁9の記録磁性層3のみを
選択酸化することが可能となる。
【0054】(実施例4)実施例1においては、記録磁
性層3上に膜厚4nmのSiからなる選択酸化層11を
形成した後、温度25℃、湿度30%の大気中に24時
間保持することにより、側壁9に形成された記録磁性層
3の選択酸化を行なったが、本実施例においては、Si
からなる選択酸化層11が形成された後、選択酸化層1
1を酸素プラズマに晒すことにより、側壁9に形成され
た記録磁性層3の選択酸化を行なう。
【0055】実施例1と同様にして、、第1の透明誘電
体層2、記録磁性層3、選択酸化層11を形成した後、
スパッタ装置内を1×10-6Torrまで真空排気した
後、酸素ガスをスパッタ装置内に導入し、ガス圧1×1
-2Torrの条件で、基板1が配置された電極側に
0.05W/cm2の高周波電力を投入し、選択酸化層
11を酸素プラズマに2分間晒すことにより、記録磁性
層3の選択酸化を行なった。
【0056】次に、実施例1と同様にして、選択酸化層
11をスパッタエッチングにより除去し、第2の透明誘
電体層4、反射層5、オーバーコート層6を形成するこ
とにより光磁気ディスクを作製した光磁気ディスクのC
NR1及びΔCNRを測定した結果、CNR1が48.
0dBであり、ΔCNRが8.0dBとなり、実施例1
と同様にクロス消去が効果的に抑制されていることが確
認された。
【0057】本実施例によれば、選択酸化層11の形成
後、基板1をスパッタ装置から取り出すことなく、光磁
気ディスクを形成することが可能となるとともに、活性
化された酸素プラズマにより選択酸化が行われるため、
より短い時間で、側壁9の記録磁性層3を選択酸化する
ことが可能となる。
【0058】本実施例においては、ガス圧1×10-2
orr、投入高周波電力0.05W/cm2の条件で選
択酸化を行なったが、この条件のみに限られるものでは
ない。高周波電力としては、0.01W/cm2〜0.
20W/cm2が望ましく、ガス圧としては、1×10
-3Torr〜5×10-2Torrが望ましい。0.01
W/cm2より小さい電力では、酸化速度が極めて遅く
なり、プロセス時間が長くなり非現実的である。0.2
0W/cm2より大きな電力を投入すると、選択酸化層
11のスパッタエッチングが進み、側壁9の記録磁性層
3のみを酸化することが困難となる。また、1×10-3
Torrより低いガス圧、及び、5×10 -2Torrり
高いガス圧においては、安定した放電を維持することが
困難であった。
【0059】〔第2の実施の形態〕以下、本発明を少な
くとも再生磁性層と記録磁性層とが静磁結合してなる超
解像光磁気ディスクに適用した場合について、図面を用
いて詳細に説明する。
【0060】図4は、本発明の光磁気ディスクの断面図
を示している。図4の光磁気ディスクは、基板1上に、
SiNからなる透明誘電体層14、室温において面内磁
化状態であり温度上昇とともに垂直磁化状態となるGd
FeCoからなる再生磁性層15、SiNからなる非磁
性中間層16、TbFeCoからなる記録磁性層17、
SiNからなる保護層18、紫外線硬化樹脂からなるオ
ーバーコート層6が順次形成された構成を有している。
【0061】このような光磁気ディスクでは、その記録
方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、半
導体レーザから出射される光ビームが基板1及び透明誘
電体層14を通して、再生磁性層15及び記録磁性層1
7へ絞りこまれ、記録磁性層17をキュリー温度以上に
温度上昇させると共に外部磁界を加えることにより、記
録磁性層17の磁化方向を制御することにより記録が行
われる。
【0062】また、再生は、同一光ビームを記録時より
も弱いパワーに設定し、極カー効果として知られる光磁
気効果によって、情報の再生が行われるようになってい
る。上記極カー効果とは、光入射表面に垂直な磁化の向
きにより、反射光の偏光面の回転の向きが逆方向になる
現象である。ここで、再生磁性層15が室温において面
内磁化状態であり温度上昇とともに垂直磁化状態となる
ように組成調整されており、再生用光ビームが照射され
ることにより、温度上昇した領域のみの情報が記録磁性
層17から再生磁性層15へと転写され再生されること
により超解像再生が実現する。
【0063】第1の実施の形態は、側壁9の記録磁性層
3のみを選択酸化することにより、クロスライト及びク
ロス消去の発生を抑制するものであった。これに対し
て、第2の実施の形態は、少なくとも再生磁性層15も
しくは記録磁性層17のいずれかを選択酸化することに
より、クロストーク及びクロスライト及びクロス消去の
発生を抑制するものである。
【0064】(実施例5)本発明の光磁気ディスクの形
成方法及び記録再生特性の具体例について説明する。
【0065】(1) 光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。まず、SiターゲットとGdFeCo合金ターゲッ
トとTbFeCo合金ターゲットとをそれぞれ備えたス
パッタ装置内に、ランド幅0.45μm、グルーブ幅
0.45μm、溝深さ70nmのランド7及びグルーブ
8からなる案内溝を有し、ディスク状に形成されたポリ
カーボネート製の基板1を配置する。ここで、側壁9と
ランド7及びグルーブ8とが成す角度は、85度であっ
た。
【0066】そして、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを
導入し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10 -3Torrの条件で、該基板1上にSiNからなる
透明誘電体層14を膜厚80nmで形成する。
【0067】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、GdFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該透明誘電体層14
上に、Gd0.31(Fe0.80Co 0.200.69からなる再生
磁性層15を膜厚30nmで形成する。その再生磁性層
15は、室温において面内磁化状態であり温度上昇とと
もに垂直磁化状態となる特性を有しており、そのキュリ
ー温度が320℃であった。
【0068】次に、アルゴンガスを導入した状態で、S
iターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3To
rrの条件で、該再生磁性層15上にSiからなる選択
酸化層11を、ランド7及びグルーブ8上で膜厚4nm
となるように形成する。
【0069】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、酸素ガスをスパッタ装置内に導
入し、ガス圧1×10-2Torrの条件で、基板1が配
置された電極側に0.05W/cm2の高周波電力を投
入し、選択酸化層11を酸素プラズマに2分間晒すこと
により、再生磁性層15の選択酸化を行なった。
【0070】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、アルゴンガスを導入して、投入
高周波電力0.2W/cm2、ガス圧1×10-2Tor
rの条件で、選択酸化層11をスパッタエッチングによ
り除去した。
【0071】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、該再生磁性層15上にSiNから
なる非磁性中間層16を膜厚20nmで形成する。
【0072】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、TbFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該非磁性中間層16
上に、Tb0.24(Fe0.85Co 0.150.76からなる記録
磁性層17を膜厚40nmで形成する。その記録磁性層
17は、垂直磁化膜であり、補償温度が25℃であり、
キュリー温度が280℃であった。
【0073】次にアルゴンと窒素の混合ガスを導入し、
Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3
orrの条件で、該記録磁性層17上にSiNからなる
保護層18を膜厚20nmで形成する。
【0074】次に、紫外線硬化樹脂をスピンコートによ
り塗布した後、紫外線を照射し、樹脂膜を硬化すること
によりオーバーコート層6を形成することにより光磁気
ディスクを作製した。
【0075】(2) 記録再生特性 上記光磁気ディスクを、波長680nmの半導体レーザ
を用いた光磁気ピックアップで、線速2.5m/sの条
件で評価した結果について説明する。
【0076】ある特定のランド7を走査すべく光ビーム
をトラッキングし、記録再生用レーザを5.5mWで連
続照射しながら、2MHzの周波数で変調された、±1
5kA/mの強度の記録磁界を印加することにより、記
録磁性層17に記録磁界の向きに対応した上向き磁化と
下向き磁化との繰り返しパターンを形成した後、記録再
生用レーザを2mWにして隣接するグルーブ8を走査す
べく光ビームをトラッキングさせ、ランド7からもれ込
む信号量(CT)を測定することにより、クロストーク
量を見積ることが可能である。
【0077】実施例5の形成方法に記載の本発明の超解
像光磁気ディスクと、実施例5の超解像光磁気ディスク
の形成方法において、再生磁性層15の選択酸化を行な
わなかった従来の超解像光磁気ディスクについてのCT
を比較した結果、従来の超解像光磁気ディスクのCTが
12.5dB存在したのに対して、実施例5の超解像光
磁気ディスクのCTは6.5dBであり、再生磁性層1
5の選択酸化を行なうことにより、クロストークが大幅
に低減されることが確認された。
【0078】これは、実施例1において側壁9の記録磁
性層3が選択酸化されたのと同様に、側壁9の再生磁性
層15のみが選択酸化され、側壁9の再生磁性層15の
熱伝導率が小さくなることにより、ランド7からグルー
ブ8への熱拡散が抑制されたことと、側壁9の再生磁性
層15の面内磁気異方性をがより大きくなり、ランド7
とグルーブ8の磁気的結合が側壁9において遮断された
ことにより、クロストークが大幅に低減されたものと考
えられる。
【0079】実施例5においては、酸素プラズマを用い
た選択酸化について記述しているが、実施例1及び実施
例3と同様に、酸素雰囲気中に保持することにより、再
生磁性層15の選択酸化を行なっても良い。また、実施
例2と同様に、側壁9とランド7及びグルーブ8とが成
す角度θは、60度以上であることが望ましい。
【0080】また、実施例5においては、再生磁性層1
5を選択酸化することにより、クロストークが抑制され
ることを示しているが、同様にして記録磁性層17を選
択酸化することにより、クロスライト及びクロス消去を
抑制することが可能である。
【0081】〔第3の実施の形態〕以下、本発明を特開
平6−290496号公報において記載されている磁壁
移動光磁気ディスクに適用した場合について、図面を用
いて詳細に説明する。
【0082】図5は、本発明の第3の実施の形態の光磁
気ディスクの断面図を示している。図5の光磁気ディス
クは、基板1上に、SiNからなる透明誘電体層14、
相対的に磁壁坑磁力が小さな第1磁性層19、相対的に
キュリー温度が低い第2磁性層20、相対的に磁壁坑磁
力が大きくキュリー温度の高い第3磁性層21、SiN
からなる保護層18、紫外線硬化樹脂からなるオーバー
コート層6が順次形成された構成を有している。
【0083】このような光磁気ディスクでは、その記録
方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、半
導体レーザから出射される光ビームが基板1及び透明誘
電体層14を通して、第1磁性層19及び第2磁性層2
0及び第3磁性層21へ絞りこまれ、第3磁性層21を
キュリー温度以上に温度上昇させると共に外部磁界を加
えることにより、第3磁性層21の磁化方向を制御する
ことにより記録が行われる。
【0084】また、再生は、同一光ビームを記録時より
も弱いパワーに設定し、極カー効果として知られる光磁
気効果によって、情報の再生が行われるようになってい
る。上記極カー効果とは、光入射表面に垂直な磁化の向
きにより、反射光の偏光面の回転の向きが逆方向になる
現象である。
【0085】このような光磁気記録媒体においては、記
録マークの境界部に存在する磁壁を温度勾配によって移
動させ、この磁壁移動に伴う磁化反転を、反射光の偏光
状態の変化として検出することにより、高密度記録再生
が実現されるが、該磁壁を移動させるためには、記録マ
ークの前方境界部の磁壁と後方境界部の磁壁とが分離独
立して形成されていることが必要であり、磁性膜の成膜
後にトラックの両側を高出力のレーザーでアニールする
などしてトラック側部の磁性膜を変質もしくは消失させ
る処理を行い、この処理部にまたがるように記録マーク
を形成することで前後の磁壁を分離させるようにしてい
た。
【0086】本発明は、第1磁性層19の成膜後、側壁
9の第1磁性層19のみを選択酸化することにより、第
1磁性層19における記録マーク前後の磁壁を分離し、
該磁壁を移動させ、高密度記録再生を実現するものであ
る。
【0087】(実施例6)本発明の光磁気ディスクの形
成方法及び記録再生特性の具体例について説明する。
【0088】(1) 光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。まず、SiターゲットとGdFeSi合金ターゲッ
トとTbFe合金ターゲットとTbFeCo合金ターゲ
ットとをそれぞれ備えたスパッタ装置内に、ランド幅
0.45μm、グルーブ幅0.45μm、溝深さ70n
mのランド7及びグルーブ8からなる案内溝を有しディ
スク状に形成されたポリカーボネート製の基板1を配置
する。ここで、側壁9とランド7及びグルーブ8とが成
す角度θは、85度であった。
【0089】そして、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを
導入し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10 -3Torrの条件で、該基板1上にSiNからなる
透明誘電体層14を膜厚80nmで形成する。
【0090】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、GdFeSi合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該透明誘電体層14
上に、(Gd0.27Fe0.730. 85Si0.15からなる第1
磁性層19を膜厚30nmで形成する。その第1磁性層
19は、垂直磁化膜であり、補償温度が140℃、キュ
リー温度が180℃であった。
【0091】次に、アルゴンガスを導入した状態で、S
iターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3To
rrの条件で、該第1磁性層19上にSiからなる選択
酸化層11を、ランド7及びグルーブ8上で膜厚4nm
となるように形成する。
【0092】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、酸素ガスをスパッタ装置内に導
入し、ガス圧1×10-2Torrの条件で、基板1が配
置された電極側に0.05W/cm2の高周波電力を投
入し、選択酸化層11を酸素プラズマに2分間晒すこと
により、第1磁性層19の選択酸化を行なった。
【0093】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、アルゴンガスを導入して、投入
高周波電力0.2W/cm2、ガス圧1×10-2Tor
rの条件で、選択酸化層11をスパッタエッチングによ
り除去した。
【0094】次に、アルゴンガスを導入した状態で、T
bFe合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×1
-3Torrの条件で、該第1磁性層19上に、Tb
0.25Fe0.75からなる第2磁性層20を膜厚20nmで
形成する。その第2磁性層20は、垂直磁化膜であり、
補償温度が25℃であり、キュリー温度が140℃であ
った。
【0095】次に、アルゴンガスを導入した状態で、T
bFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4
×10-3Torrの条件で、該第2磁性層20上に、T
0. 27(Fe0.85Co0.150.73からなる第3磁性層2
1を膜厚20nmで形成する。その第3磁性層21は、
垂直磁化膜であり、補償温度が80℃であり、キュリー
温度が260℃であった。
【0096】次にアルゴンと窒素の混合ガスを導入し、
Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3
orrの条件で、該第3磁性層21上にSiNからなる
保護層18を膜厚20nmで形成する。
【0097】次に、紫外線硬化樹脂をスピンコートによ
り塗布した後、紫外線を照射し、樹脂膜を硬化すること
によりオーバーコート層6を形成することにより光磁気
ディスクを作製した。
【0098】(2) 記録再生特性 上記光磁気ディスクを、波長680nmの半導体レーザ
を用いた光磁気ピックアップで、線速2.5m/sの条
件で評価した結果について説明する。
【0099】まず、ある特定のランド7を走査すべく光
ビームをトラッキングし、記録再生用レーザを7mWで
連続照射しながら、5MHzの周波数で変調された、±
15kA/mの強度の記録磁界を印加することにより、
第3磁性層21に記録磁界の向きに対応した上向き磁化
と下向き磁化との繰り返しパターンを形成した後、記録
再生用レーザを2.4mWにして再生信号の信号対雑音
比(CNR)を測定した結果、42dBのCNRが得ら
れるとともに、磁壁移動にともなう矩形の再生波形が得
られていることが確認された。
【0100】一方、第1磁性層19の選択酸化を行なわ
ずに形成した光磁気ディスクについて、同様な記録再生
を行なったところ、磁壁移動にともなう矩形の再生波形
が見られず、かつ、22dB程度のCNRしか得られな
かった。
【0101】このように、磁性膜の成膜後にトラックの
両側を高出力のレーザーでアニールするなどしてトラッ
ク側部の磁性膜を変質もしくは消失させる処理を行う替
わりに、第1磁性層19の選択酸化を行ない、側壁9の
第1磁性層19のみを酸化することにより、第1磁性層
19における記録マーク前後の磁壁を分離し、該磁壁を
移動させ、高密度記録再生が可能となり、磁壁移動光磁
気ディスクの量産性を向上させることができるととも
に、低コスト化が実現する。
【0102】ここでは、再生動作に必要不可欠な第1磁
性層19のみの選択酸化のみについて記載したが、第1
の実施の形態及び第2の実施の形態において記述してい
るように、第2磁性層20及び第3磁性層21の成膜
後、該第2磁性層20及び第3磁性層21を選択酸化す
ることにより、クロスライト及びクロス消去を低減する
ことが可能である。
【0103】また、実施例6においては、酸素プラズマ
を用いた選択酸化について記述しているが、実施例1及
び実施例3と同様に、酸素雰囲気中に保持することによ
り、第1磁性層19の選択酸化を行なっても良い。ま
た、実施例2と同様に、側壁9とランド7及びグルーブ
8とが成す角度θは、60度以上であることが望まし
い。
【0104】(第4の実施の形態)本実施の形態では、
側壁に形成された記録磁性層のみを酸化する他の方法に
ついて説明する。図7〜9は、側壁9に形成された記録
磁性層3のみを酸化するもう一つの方法を説明する図で
ある。
【0105】基板1上に、第1の透明誘電体層2や記録
磁性層3等の磁性薄膜をスパッタリングで形成した場
合、薄膜は、基板1上に概ね一様にかつ連続的に形成さ
れるが、ランド7及びグルーブ8と側壁9を比較する
と、薄膜の付着確率が異なるため、側壁9に形成される
薄膜101の膜厚は、図7に示すように、ランド7及び
グルーブ8に形成される薄膜102の膜厚の半分程度に
なっている。
【0106】この状態で酸素を含む雰囲気中に保持した
場合、記録磁性層3の酸化は、図8に示すように、記録
磁性層3の表面から均一に進行していく。このため、側
壁9の記録磁性層101が完全に酸化され酸化磁性層1
03を形成し、ランド7及びグルーブ8上の記録磁性層
102は、その表面のみが酸化され表面酸化磁性層10
4が形成される。
【0107】次に、スパッタエッチングを行い、ランド
7及びグルーブ8上の記録磁性層102の表面酸化磁性
層104を除去することにより、図9に示すように、ラ
ンド7及びグルーブ8上には記録磁性層105が、側壁
9部分には酸化磁性層103が形成されることになる。
ここで、側壁9の酸化磁性層103もわずかにスパッタ
エッチングされるが、側壁9の角度θが大きい(例えば
85度)ため、スパッタ粒子の衝突確率が低いため、側
壁9部分に形成された酸化磁性層103はほとんどスパ
ッタエッチングされない。
【0108】その後、第2の透明誘電体層4、反射層
5、オーバーコート層6を順次積層することにより光磁
気ディスクが完成する。
【0109】このように、側壁9に形成された記録磁性
層3が酸化磁性層103となることにより、側壁9での
熱伝導率が低下するとともに、側壁9のみの磁気特性が
変化する。側壁9での熱伝導率低下が、ランド7とグル
ーブ8との間の熱拡散を抑制するとともに、側壁9で磁
気特性が変化することにより、ランド7とグルーブ8と
が磁気的に切り離されるため、ランド7上の記録磁性層
105からグルーブ8上の記録磁性層105への磁壁移
動が起こらなくなり、クロスライト及びクロス消去が抑
制されることになる。
【0110】(実施例7)本発明の光磁気ディスクの形
成方法及び記録再生特性の具体例について説明する。
【0111】(1)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。まず、SiターゲットとTbFeCo合金ターゲッ
トとAlTi合金ターゲットとをそれぞれ備えたスパッ
タ装置内に、ランド幅0.55μm、グルーブ幅0.5
5μm、溝深さ70nmのランド7及びグルーブ8から
なる案内溝を有し、ディスク状に形成されたポリカーボ
ネート製の基板1を配置する。ここで、側壁9とランド
7及びグルーブ8とが成す角度θは85度であった。
【0112】そして、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを
導入し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10 -3Torrの条件で、該基板1上にSiNからなる
第1の透明誘電体層2を膜厚80nmで形成する。
【0113】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、TbFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該第1の透明誘電体
層2上に、Tb0.27(Fe0.85Co0.150.73からなる
記録磁性層3を膜厚50nmで形成する。
【0114】次に、第1の透明誘電体層2及び記録磁性
層3が形成された基板1をスパッタ装置から取り出し、
温度75℃、湿度10%の大気中に2時間保持すること
により、側壁9の記録磁性層3を完全に酸化させ、酸化
磁性層103を形成するとともに、ランド7及びグルー
ブ8上の記録磁性層3の表面のみを酸化させ、表面酸化
層104を形成した。
【0115】次に、記録磁性層3の表面酸化を行なった
基板1をスパッタ装置内に配置し、スパッタ装置内を1
×10-6Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを
導入して、投入高周波電力0.2W/cm2、ガス圧1
×10-2Torrの条件で、記録磁性層3の表面に形成
された表面酸化層104をスパッタエッチングにより除
去した。記録磁性層3の表面を25nmほどスパッタエ
ッチングすることにより、該表面酸化層104を完全に
除去することができた。ここで、側壁9の酸化磁性層1
03もわずかにスパッタエッチングされるが、側壁9の
角度θが85度と大きく、スパッタ粒子の衝突確率が低
いため、膜厚20nm程度の酸化磁性層103が側壁部
分に残されていた。スパッタエッチング後の記録磁性層
105は、垂直磁化膜であり、補償温度が80℃であ
り、キュリー温度が260℃であった。
【0116】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、スパッタエッチングにより露出し
た記録磁性層3上にSiNからなる第2の透明誘電体層
4を膜厚20nmで形成する。
【0117】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、AlTi合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧
4×10-3Torrの条件で、該第2の透明誘電体層4
上に、Al0.90Ti0.10からなる反射層5を膜厚50n
mで形成する。
【0118】次に、紫外線硬化樹脂をスピンコートによ
り塗布した後、紫外線を照射し、樹脂膜を硬化すること
によりオーバーコート層6を形成することにより光磁気
ディスクを作製した。
【0119】上記光磁気ディスクにおいて、第1の透明
誘電体層2及び第2の透明誘電体層4は、SiNに限ら
れるものではなく、AlN,AlSiN,Ta23等の
透明誘電体を用いることが可能であり、その膜厚は、入
射する光ビームに対して、良好な干渉効果が実現し、媒
体の極カー回転角が増大すべく設定される必要があり、
例えば、光ビームの波長を680nmとした場合、第1
の透明誘電体層2の膜厚を60nm〜100nm程度に
設定し、第2の透明誘電体層4の膜厚を10nm〜30
nm程度に設定すれば良い。
【0120】また、記録磁性層3は、TbFeCoに限
られるものでなく、TbFe、DyFe、DyFeC
o、TbDyFe、TbDyFeCo、TbFeD、T
bFeCoD、DyFeD、DyFeCoD、TbDy
FeD、TbDyFeCoD(Dは、Y,Ti,V,C
r,Pd,Cu,Si,Alの中から選ばれる元素、ま
たは、それら2種類以上の元素からなる。)等の材料か
らなる垂直磁化膜を採用することが可能である。
【0121】また、表面酸化層104のスパッタエッチ
ングの条件は、高周波電力0.2W/cm2、ガス圧1
×10-2Torrの条件のみに限られるものではない。
高周波電力としては、0.05W/cm2〜0.5W/
cm2がのぞましく、ガス圧としては、1×10-3To
rr〜5×10-2Torrが望ましい。0.05W/c
2より小さい電力では、スパッタエッチングにおける
エッチング速度が極めて遅くなり、プロセス時間が長く
なり非現実的である。0.5W/cm2より大きな電力
を投入すると、基板温度が上昇することにより、ポリカ
ーボネート製の基板が変形してしまう。1×10-3To
rrより低いガス圧、及び、5×10-2Torrより高
いガス圧においては、安定した放電を維持することが困
難であった。
【0122】また、反射層5は、AlTiに限られるも
のでなく、Al,AlSi,AlNi等のAl合金を用
いることが可能である。
【0123】(2)記録再生特性 上記光磁気ディスクを、波長680nmの半導体レーザ
を用いた光磁気ピックアップで、線速2.5m/sの条
件で評価した結果について説明する。
【0124】最初に次のような評価を行った。即ち、ま
ず、ある特定のランド7を走査すべく光ビームをトラッ
キングし、記録再生用レーザを6mWで連続照射しなが
ら、2MHzの周波数で変調された15kA/mの強度
の記録磁界を印加することにより、記録磁性層105に
記録磁界の向きに対応した上向き磁化と下向き磁化との
繰り返しパターンを形成した。その後、記録再生用レー
ザを1mWにして再生信号の信号対雑音比(CNR1)
を測定した。その結果、48.0dBのCNRが得られ
ることが分かった。
【0125】次に、以下の評価を行った。即ち、まず、
隣接するグルーブ8を走査すべく光ビームをトラッキン
グさせ、記録再生用レーザを6mWで連続照射しなが
ら、+15kA/mの一定強度の磁界を印加することに
より、隣接するグルーブ8の磁化方向を一方向へと揃え
た。ぞの後、記録再生用レーザを1mWにして、記録が
行われたランド7に光ビームを戻して、再度再生信号の
信号対雑音比(CNR2)を測定した。その測定の結
果、41.5dBのCNRが得られることが分かった。
【0126】ここで、上述のCNR1とCNR2との差
ΔCNRを算出することにより、クロス消去量を見積る
ことが可能である。
【0127】ここで、実施例7の光磁気ディスクの製造
方法に従って作製した本発明の光磁気ディスクと、実施
例1において示した従来の光磁気ディスク(比較例1)
についてのΔCNRを比較する。比較例1の従来の光磁
気ディスクについては、CNR1が48.5dB、CN
R2が36.0dBであり、ΔCNRが12.5dBと
なり、隣接するグルーブ8の消去を行なうことにより大
きなクロス消去が発生し、ランド7のCNRが著しく低
下するのに対して、本実施例の光磁気ディスクにおいて
は、CNR1が48.0dB、CNR2が41.5dB
であり、ΔCNRが6.5dBとなり、クロス消去が効
果的に抑制されていることが確認された。
【0128】なお、本発明においては、側壁9に形成さ
れる記録磁性層3の膜厚が、ランド7及びグルーブ8の
上に形成される記録磁性層3の膜厚より十分薄く形成さ
れていることが必要である。このためには、側壁9とラ
ンド7及びグルーブ8とが成す角度θが、60度以上で
あることが望ましい。該角度θが60度より小さくなる
と、側壁9に形成される記録磁性層101の膜厚と、ラ
ンド7及びグルーブ8の上に形成される記録磁性層10
2の膜厚との差が小さくなり、スパッタエッチングによ
り表面酸化層103を取り除いた後も、側壁9に酸化さ
れていない記録磁性層3が残ってしまう。また、側壁9
に酸化磁性層103を確実に形成するためには、側壁9
に形成される記録磁性層101をできるだけ薄くして、
側壁9の酸化を確実に行なうことが望ましく、角度θは
可能な限り90度に近いことが望ましい。
【0129】また、実施例7においては、該記録磁性層
3の酸化を、温度75℃、湿度10%の大気中に2時間
保持することにより行なったが、保持温度をより高くす
ることにより、保持時間を短縮することが可能である。
また、記録磁性層3を酸素プラズマに晒すことにより、
記録磁性層3の酸化を行なうことにより、基板1をスパ
ッタ装置から取り出すことなく、光磁気ディスクを連続
形成することが可能となるとともに、活性化された酸素
プラズマにより酸化が行われるため、より短い時間で、
記録磁性層3の酸化を行なうことが可能となる。
【0130】更に、実施例1においては、選択酸化層1
1を設けることにより、側壁9に形成された磁性層の酸
化を行なったが、実施例7の製造方法によれば、選択酸
化層を設ける必要がなく、製造プロセスの簡略化が可能
となる。
【0131】(実施例8)次に、本実施の形態の酸化方
法を少なくとも再生磁性層15と記録磁性層17とが静
磁結合してなる超解像光磁気ディスクに適用した場合に
ついて詳細に説明する。
【0132】第2の実施の形態と同様に、本実施の形態
に示した方法によっても、側壁9に形成された再生磁性
層15及び記録磁性層17のみを酸化磁性層103とす
ることが可能となり、これにより、クロストーク及びク
ロスライト及びクロス消去の発生を抑制することが可能
となる。
【0133】次に、本発明の光磁気ディスクの形成方法
及び記録再生特性の具体例について説明する。
【0134】(1)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。まず、SiターゲットとGdFeCo合金ターゲッ
トとTbFeCo合金ターゲットとをそれぞれ備えたス
パッタ装置内に、ランド幅0.45μm、グルーブ幅
0.45μm、溝深さ70nmのランド7及びグルーブ
8からなる案内溝を有しディスク状に形成されたポリカ
ーボネート製の基板1を配置する。ここで、側壁9とラ
ンド7及びグルーブ8とが成す角度θは、85度であっ
た。
【0135】そして、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを
導入し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10 -3Torrの条件で、該基板1上にSiNからなる
透明誘電体層14を膜厚80nmで形成する。
【0136】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、GdFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該透明誘電体層14
上に、Gd0.31(Fe0.80Co 0.200.69からなる再生
磁性層15を膜厚60nmで形成する。
【0137】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、酸素ガスをスパッタ装置内に導
入し、ガス圧1.5×10-2Torrの条件で、基板1
が配置された電極側に0.08W/cm2の高周波電力
を投入し、再生磁性層15を酸素プラズマに3.5分間
晒すことにより、再生磁性層15の酸化を行なった。
【0138】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、アルゴンガスを導入して、投入
高周波電力0.2W/cm2、ガス圧1×10-2Tor
rの条件で、再生磁性層15の表面酸化層104を30
nmほどスパッタエッチングにより除去した。
【0139】再生磁性層15の表面酸化層104を30
nmほどスパッタエッチングすることにより、該表面酸
化層104を完全に除去することができた。ここで、側
壁9の酸化磁性層103もわずかにスパッタエッチング
されるが、側壁9の角度θが85度と大きく、スパッタ
粒子の衝突確率が低いため、膜厚25nmの酸化磁性層
103が側壁部分に残されていた。スパッタエッチング
後の膜厚30nmの再生磁性層15は、室温において面
内磁化状態であり、温度上昇とともに垂直磁化状態とな
る特性を有しており、そのキュリー温度が320℃であ
った。
【0140】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、該再生磁性層15上にSiNから
なる非磁性中間層16を膜厚20nmで形成する。
【0141】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、TbFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該非磁性中間層16
上に、Tb0.24(Fe0.85Co 0.150.76からなる記録
磁性層17を膜厚40nmで形成する。その記録磁性層
17は、垂直磁化膜であり、補償温度が25℃であり、
キュリー温度が280℃であった。
【0142】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、該記録磁性層17上にSiNから
なる保護層18を膜厚20nmで形成する。
【0143】次に、紫外線硬化樹脂をスピンコートによ
り塗布した後、紫外線を照射し、樹脂膜を硬化すること
によりオーバーコート層6を形成することにより光磁気
ディスクを作製した。
【0144】(2)記録再生特性 上記光磁気ディスクを、波長680nmの半導体レーザ
を用いた光磁気ピックアップで、線速2.5m/sの条
件で評価した結果、実施例5に記載の超解像光磁気ディ
スクとほぼ同程度の記録再生特性が得られた。側壁9の
再生磁性層15が酸化され、酸化磁性層103が形成さ
れることにより、側壁9における熱伝導率が小さくな
り、ランド7からグルーブ8への熱拡散が抑制されたと
ともに、側壁9の酸化磁性層103の面内磁気異方性が
より大きくなり、ランド7とグルーブ8の磁気的結合が
側壁9において遮断されたことにより、クロストークが
大幅に低減されたものと考えられる。
【0145】また、実施例8においては、再生磁性層1
5の側壁9に酸化磁性層103を形成することにより、
クロストークが抑制されることを示しているが、同様に
して記録磁性層17の側壁9に酸化磁性層103を形成
することにより、クロスライト及びクロス消去を抑制す
ることが可能である。
【0146】また、実施例8においては、酸素プラズマ
を用いた選択酸化について記述しているが、酸素雰囲気
中に保持することにより、第1磁性層19の酸化を行な
っても良い。また、実施例7と同様に、側壁9とランド
7及びグルーブ8とが成す角度θは、60度以上である
ことが望ましい。
【0147】更に、実施例5においては、選択酸化層1
1を設けることにより、側壁9に形成された磁性層の酸
化を行なったが、実施例8の製造方法によれば、選択酸
化層を設ける必要がなく、製造プロセスの簡略化が可能
となる。
【0148】(実施例9)以下、本実施の形態を特開平
6−290496号公報において記載されている磁壁移
動光磁気ディスクに適用した場合について、図面を用い
て詳細に説明する。
【0149】本実施例の光磁気ディスクは、第3の実施
の形態の光磁気ディスクと同じ構成であり、図5に示す
ように、基板1上に、SiNからなる透明誘電体層1
4、相対的に磁壁坑磁力が小さな第1磁性層19、相対
的にキュリー温度が低い第2磁性層20、相対的に磁壁
坑磁力が大きくキュリー温度の高い第3磁性層21、S
iNからなる保護層18、紫外線硬化樹脂からなるオー
バーコート層6が順次形成された構成を有している。
【0150】本実施例9では、側壁9の第1磁性層19
のみが酸化磁性層103であることにより、第1磁性層
19における記録マーク前後の磁壁を分離し、該磁壁を
移動させ、高密度記録再生を実現するものである。以
下、本発明の光磁気ディスクの形成方法及び記録再生特
性の具体例について説明する。
【0151】(1)光磁気ディスクの形成方法 上記構成の光磁気ディスクの形成方法について説明す
る。まず、SiターゲットとGdFeSi合金ターゲッ
トとTbFe合金ターゲットとTbFeCo合金ターゲ
ットとをそれぞれ備えたスパッタ装置内に、ランド幅
0.45μm、グルーブ幅0.45μm、溝深さ70n
mのランド7及びグルーブ8からなる案内溝を有しディ
スク状に形成されたポリカーボネート製の基板1を配置
する。ここで、側壁9とランド7及びグルーブ8とが成
す角度θは、85度であった。
【0152】そして、スパッタ装置内を1×10-6To
rrまで真空排気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを
導入し、Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×
10 -3Torrの条件で、該基板1上にSiNからなる
透明誘電体層14を膜厚80nmで形成する。
【0153】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し
て、GdFeSi合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrの条件で、該透明誘電体層14
上に、(Gd0.27Fe0.730. 85Si0.15からなる第1
磁性層19を膜厚60nmで形成する。
【0154】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、酸素ガスをスパッタ装置内に導
入し、ガス圧1×10-2Torrの条件で、基板1が配
置された電極側に0.05W/cm2の高周波電力を投
入し、第1磁性層19を酸素プラズマに4.5分間晒す
ことにより、第1磁性層19の酸化を行なった。
【0155】次に、スパッタ装置内を1×10-6Tor
rまで真空排気した後、アルゴンガスを導入して、投入
高周波電力0.2W/cm2、ガス圧1×10-2Tor
rの条件で、第1磁性層19の表面酸化層104を30
nmほどスパッタエッチングにより除去した。
【0156】第1磁性層19の表面酸化層104を30
nmほどスパッタエッチングすることにより、該表面酸
化層104を完全に除去することができた。ここで、側
壁9の酸化磁性層103もわずかにスパッタエッチング
されるが、側壁9の角度θが85度と大きく、スパッタ
粒子の衝突確率が低いため、膜厚25nmの酸化磁性層
103が側壁部分に残されていた。スパッタエッチング
後の膜厚30nmの第1磁性層19は、垂直磁化膜であ
り、補償温度が140℃、キュリー温度が180℃であ
った。
【0157】次に、アルゴンガスを導入した状態で、T
bFe合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4×1
-3Torrの条件で、該第1磁性層19上に、Tb
0.25Fe0.75からなる第2磁性層20を膜厚20nmで
形成する。その第2磁性層20は、垂直磁化膜であり、
補償温度が25℃であり、キュリー温度が140℃であ
った。
【0158】次に、アルゴンガスを導入した状態で、T
bFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧4
×10-3Torrの条件で、該第2磁性層20上に、T
0. 27(Fe0.85Co0.150.73からなる第3磁性層2
1を膜厚20nmで形成する。その第3磁性層21は、
垂直磁化膜であり、補償温度が80℃であり、キュリー
温度が260℃であった。
【0159】次にアルゴンと窒素の混合ガスを導入し、
Siターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3
orrの条件で、該第3磁性層21上にSiNからなる
保護層18を膜厚20nmで形成する。
【0160】次に、紫外線硬化樹脂をスピンコートによ
り塗布した後、紫外線を照射し、樹脂膜を硬化すること
によりオーバーコート層6を形成することにより光磁気
ディスクを作製した。
【0161】(2)記録再生特性 上記光磁気ディスクを、波長680nmの半導体レーザ
を用いた光磁気ピックアップで、線速2.5m/sの条
件で評価した結果について説明する。
【0162】まず、ある特定のランド7を走査すべく光
ビームをトラッキングし、記録再生用レーザを7mWで
連続照射しながら、5MHzの周波数で変調された、1
5kA/mの強度の記録磁界を印加することにより、第
3磁性層21に記録磁界の向きに対応した上向き磁化と
下向き磁化との繰り返しパターンを形成した後、記録再
生用レーザを2.4mWにして再生信号の信号対雑音比
(CNR)を測定した結果、41dBのCNRが得られ
るとともに、磁壁移動にともなう矩形の再生波形が得ら
れていることが確認された。
【0163】一方、第1磁性層19の酸化及びスパッタ
エッチングを行なわずに形成した光磁気ディスクについ
て、同様な記録再生を行なったところ、磁壁移動にとも
なう矩形の再生波形が見られず、かつ、20dB程度の
CNRしか得られなかった。
【0164】このように、磁性膜の成膜後にトラックの
両側を高出力のレーザーでアニールするなどしてトラッ
ク側部の磁性膜を変質もしくは消失させる処理を行う替
わりに、第1磁性層19の側壁9の部分のみに酸化磁性
層103を形成することにより、第1磁性層19におけ
る記録マーク前後の磁壁を分離し、該磁壁を移動させ、
高密度記録再生が可能となり、磁壁移動光磁気ディスク
の量産性を向上させることができるとともに、低コスト
化が実現する。
【0165】ここでは、再生動作に必要不可欠な第1磁
性層19の側壁9に酸化磁性層103を形成した場合に
ついて記載したが、第2磁性層20及び第3磁性層21
の成膜後、該第2磁性層20及び第3磁性層21の側壁
9に酸化磁性層103を形成することにより、クロスラ
イト及びクロス消去を低減することが可能である。
【0166】また、実施例9においては、酸素プラズマ
を用いた酸化について記述しているが、酸素雰囲気中に
保持することにより、第1磁性層19の酸化を行なって
も良い。また、実施例7と同様に、側壁9とランド7及
びグルーブ8とが成す角度θは、60度以上であること
が望ましい。
【0167】また、実施例6においては、選択酸化層1
1を設けることにより、側壁9に形成された磁性層の酸
化を行なったが、実施例9の製造方法によれば、選択酸
化層を設ける必要がなく、製造プロセスの簡略化が可能
となる。
【0168】
【発明の効果】以上のように、本発明では、ランドとグ
ルーブとの間の側壁において磁性層を酸化させるため、
クロストーク、クロスライト、クロス消去の少なくとも
いずれかを抑制することが可能となり、光メモリ素子の
高密度化を実現することができる。
【0169】特に、磁壁移動型の光メモリ素子において
は、酸化した側壁により、磁性層における記録マーク前
後の磁壁を分離して、磁壁を移動させることにより、高
密度記録再生が可能となる。また、磁壁移動光磁気ディ
スクの量産性を向上させることができるとともに、低コ
スト化が実現する。
【0170】さらに、特開平6−290496に記載さ
れているように、一枚一枚のディスクについてレーザー
アニール処理を行なうこと無く、磁壁移動型等の光メモ
リ素子を形成することが可能となり、低コスト化を実現
できる。
【0171】また、選択酸化層を設けた後、酸素プラズ
マを用いて選択酸化を行なえば、ディスク作製途中、ス
パッタ装置から取り出して選択酸化を行なう必要がなく
なり、光磁気ディスク作製にかかる時間を短縮すること
が可能となり、低コスト化を実現できる。
【0172】更に、磁性層の酸化を行った後、側壁部分
を残して他の酸化層をエッチングにより除去する手法に
よれば、製造プロセスの簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光磁気ディスクの
構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の光磁気ディスクの
一部拡大断面図である。
【図3】本発明の磁性層を選択酸化する方法を示す図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施の形態の光磁気ディスクの
構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の光磁気ディスクの
構成を示す断面図である。
【図6】従来の光磁気ディスクの一部断面拡大図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施の形態の光磁気ディスクの
製造方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態の光磁気ディスクの
製造方法における酸化を行った状態を説明する断面図で
ある。
【図9】本発明の第4の実施の形態の光磁気ディスクの
製造方法におけるスパッタエッチング行った状態を説明
する断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の透明誘電体層 3 記録磁性層 4 第2の透明誘電体層 5 反射層 6 オーバーコート層 7 ランド 8 グルーブ 9 側壁 10 熱拡散 11 選択酸化層 14 透明誘電体層 15 再生磁性層 16 非磁性中間層 17 記録磁性層 18 保護層 19 第1磁性層 20 第2磁性層 21 第3磁性層
フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−76719(JP,A) 特開2000−276794(JP,A) 特開 平6−290496(JP,A) 特開 平11−25534(JP,A) 特開 平11−120636(JP,A) 特開 昭62−80845(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光学的に情報の記録および再
    生が可能な記録磁性層を有してなる光メモリ素子におい
    て、 ランドとグルーブとで構成される情報トラックが設けら
    れており、前記ランドと前記グルーブとの間の側壁部分
    に形成された記録磁性層が選択的に酸化されてなること
    を特徴とする光メモリ素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも光学的に情報の記録が可能な
    記録層と、該記録層に記録された情報が転写され、光学
    的に情報の再生が可能な再生層とを有してなる光メモリ
    素子において、 ランドとグルーブとで構成される情報トラックが設けら
    れており、前記ランドと前記グルーブとの間の側壁部分
    に形成された再生磁性層及びまたは記録磁性層が選択的
    に酸化されてなることを特徴とする光メモリ素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも相対的に磁壁坑磁力が小さな
    第1の磁性層と、相対的にキュリー温度が低い第2の磁
    性層と、相対的に磁壁坑磁力が大きく、キュリー温度の
    高い第3磁性層を順次積層させた磁壁移動光磁気メモリ
    素子において、 ランドとグルーブとで構成される情報トラックが設けら
    れており、該ランドと該グルーブとの間の側壁部分に形
    成された第1磁性層が選択的に酸化されてなることを特
    徴とする光メモリ素子。
  4. 【請求項4】 情報の光磁気記録または光磁気記録され
    た情報の再生が可能な光メモリ素子において、 ランド及びグルーブの両方を情報トラックとしており、 前記ランド、前記グルーブ、及びそれらの間の側壁部分
    上にわたって形成されており、前記ランドと前記グルー
    ブとの間の側壁部分において選択的に酸化されてなる、
    少なくとも1つの磁性層を有することを特徴とする光メ
    モリ素子。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光メモリ素子において、側壁と、ランド及びグルーブ
    と、が成す角度をθとしたとき、 θ≧60° であることを特徴とする光メモリ素子
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の光メモリ素子の製造方
    法であって、 前記磁性層の上に、前記ランド及び前記グルーブ上にお
    いて厚く前記側壁上で薄い選択酸化層を形成する工程
    と、 酸素雰囲気中または酸素プラズマ中に保持することで、
    前記側壁部分に形成された磁性層を選択的に酸化する工
    程と、を含むことを特徴とする光メモリ素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の光メモリ素子の製造方
    法であって、 選択酸化される前記磁性層を形成後、酸素雰囲気中また
    は酸素プラズマ中に保持して、前記ランド及び前記グル
    ーブ上と、前記側壁部分に形成された前記磁性層を酸化
    する工程と、 前記ランド及び前記グルーブ上の磁性層表面の酸化磁性
    層をスパッタエッチングにより取り除く工程と、を含む
    ことを特徴とする光メモリ素子の製造方法。
JP24463399A 1998-12-15 1999-08-31 光メモリ素子及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3363409B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24463399A JP3363409B2 (ja) 1998-12-15 1999-08-31 光メモリ素子及びその製造方法
US09/461,799 US6418091B1 (en) 1998-12-15 1999-12-15 Magneto-optical recording medium having oxidized side wall between land and groove

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-355830 1998-12-15
JP35583098 1998-12-15
JP24463399A JP3363409B2 (ja) 1998-12-15 1999-08-31 光メモリ素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000235743A JP2000235743A (ja) 2000-08-29
JP3363409B2 true JP3363409B2 (ja) 2003-01-08

Family

ID=26536825

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24463399A Expired - Fee Related JP3363409B2 (ja) 1998-12-15 1999-08-31 光メモリ素子及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6418091B1 (ja)
JP (1) JP3363409B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002216403A (ja) * 2001-01-16 2002-08-02 Canon Inc 光磁気ディスクのアニール方法、及び光磁気ディスク
EP1449209A1 (en) * 2001-06-07 2004-08-25 Koninklijke Philips Electronics N.V. Optical data storage medium and use of such a medium
FR2827070B1 (fr) * 2001-07-04 2004-07-09 Commissariat Energie Atomique Support de stockage d'informations a reseau de plots aimantes lateralement et procede de fabrication de ce support
US6733915B2 (en) * 2001-12-27 2004-05-11 E. I. Du Pont De Nemours And Company Gas diffusion backing for fuel cells
WO2004038717A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Fujitsu Limited 光磁気記録媒体およびその形成方法
JP3958196B2 (ja) * 2002-11-28 2007-08-15 康雄 長 誘電体記録再生ヘッド及び誘電体記録再生装置
US20050188397A1 (en) * 2002-12-24 2005-08-25 Fujitsu Limited Magneto-optical recording medium and magneto-optical recording medium substrate manufacturing method
JP4274571B2 (ja) * 2003-05-01 2009-06-10 康雄 長 記録再生ヘッド及び記録再生装置
EP1667139A4 (en) 2003-08-25 2008-12-10 Yasuo Cho METHOD AND DEVICE FOR DETECTING SIGNAL AND DEVICE AND METHOD FOR REPRODUCING INFORMATION
JP2005174518A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Canon Inc 磁性記録媒体及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3332458B2 (ja) 1993-04-02 2002-10-07 キヤノン株式会社 光磁気記録媒体
US5712833A (en) * 1993-12-28 1998-01-27 Ogihara; Noriyuki Durable magneto-optical disk having a rare earth-transition amorphous magneto-optical layer
US6144631A (en) * 1998-04-30 2000-11-07 Mitsubishi Chemical Corporation Information recording medium, and readout method and readout apparatus therefor

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000235743A (ja) 2000-08-29
US6418091B1 (en) 2002-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3781823B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその再生方法
JP3429877B2 (ja) 光磁気記録媒体およびその再生方法並びに記録方法
JP3363409B2 (ja) 光メモリ素子及びその製造方法
JP2000306271A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法
JPH09180276A (ja) 光磁気記録媒体およびその再生方法
JP3545133B2 (ja) 光磁気記録媒体の再生方法及び光磁気記録媒体
JP3178025B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその製造方法
US20040057343A1 (en) Magnetic recording medium, method for producing the same and magnetic recording/reproducing apparatus
JPWO2005106869A1 (ja) 磁気記録媒体とその製造方法、製造装置、記録再生方法、および記録再生装置
JP2546477B2 (ja) 光磁気記録媒体とその記録再生方法及び記録再生装置
WO2006109446A1 (ja) 磁気記録媒体、その記録再生方法および記録再生装置
JP2001126328A (ja) 光磁気記録媒体
US7399539B2 (en) DWDD-type magneto-optic recording medium including buffer regions between recording track regions and method of producing the same
US6554974B2 (en) Method of manufacturing information recording medium
JP3882483B2 (ja) 光記録媒体の製造方法
JP3172051B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH08180497A (ja) 光磁気記録媒体の再生方法および光磁気記録媒体
JP3074104B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2004134064A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置
JP2929918B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその再生方法
JP2000173116A (ja) 光磁気記録媒体及び再生装置
JP2830385B2 (ja) 光磁気記録媒体の製造方法
JP3516865B2 (ja) 光磁気記録媒体及び再生装置
JP4080486B2 (ja) 光磁気記録媒体の形成方法
JPWO2004081931A1 (ja) 光記録媒体の製造方法及びその製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071025

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081025

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081025

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091025

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091025

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101025

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111025

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121025

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131025

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees