JP3172051B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP3172051B2
JP3172051B2 JP32632194A JP32632194A JP3172051B2 JP 3172051 B2 JP3172051 B2 JP 3172051B2 JP 32632194 A JP32632194 A JP 32632194A JP 32632194 A JP32632194 A JP 32632194A JP 3172051 B2 JP3172051 B2 JP 3172051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録、
再生、消去の少なくとも一つを行う光ディスク、光カー
ド等に用いられる光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光磁気記録媒体を含め、光メモリ
素子における記録密度を向上させる技術の開発が進めら
れている。
【0003】一般に、光磁気記録媒体の記録密度は、記
録、再生に使用される光ビームの径の記録媒体上におけ
る大きさに依存する。つまり、記録ビットの径および記
録ビットの間隔が、光ビームの径の大きさに比べて小さ
くなると、光ビームの径内に複数の記録ビットが入るた
め、各記録ビットを分離して再生することができなくな
る。記録密度を向上させるために光ビームの径の大きさ
を小さくするには、レーザ光の波長を短くすることが有
効であるが、現在市販されている半導体レーザは680
nmのものが最短であり、より短波長を有する半導体レ
ーザは、いまだ開発途上にある。そこで、現行の半導体
レーザを用いて、光ビームの径の大きさよりも小さい記
録ビットを再生する方法が研究されてきた。
【0004】これに対し、本願出願人は、先に出願した
特開平5−81717号において、基本的には、室温で
面内磁化、所定温度以上で垂直磁化となる特性を示す第
1磁性層と、室温からキュリー点まで垂直磁化となる特
性を示す第2磁性層とから構成されている光磁気記録媒
体を提案している。
【0005】上記の光磁気記録媒体では、記録時に、ま
ず、第1磁性層に対して、光ビームが照射される。する
と照射された部位の温度分布はガウス分布になるので、
光ビームの径より小さい領域のみが温度上昇する。温度
上昇に伴って、第1磁性層の温度上昇部位の磁化は、面
内磁化から垂直磁化に移行する。このとき、記録磁界が
印加されていると、上記照射部位は記録磁界の向きに従
う。
【0006】そして、冷却過程において、第1磁性層お
よび第2磁性層の2層間に作用する交換結合力により、
第1磁性層の磁化の向きが第2磁性層に転写される。こ
れにより、情報を第2磁性層の所望の部位に記録でき
る。
【0007】また、上記の光磁気記録媒体では、再生時
に、第1磁性層に光ビームが照射されると、照射された
部位の温度分布はガウス分布になるので、光ビームの径
より小さい領域のみの温度が上昇する。この温度上昇に
伴って、温度上昇部位の磁化は、面内磁化から垂直磁化
に移行する。つまり、第1磁性層と第2磁性層の2層間
の交換結合力により、第2磁性層の磁化の向きが第1磁
性層に転写される。温度上昇部位が面内磁化から垂直磁
化に移行すると、温度上昇部位のみが磁気光学効果を示
すようになり、温度上昇部位からの反射光に基づいて第
2磁性層に記録された情報が再生される。
【0008】そして、光ビームが移動して次の記録ビッ
トを再生するときは、先の再生部位の温度は低下し、垂
直磁化から面内磁化に移行する。これに伴って、この温
度の低下した部位は磁気光学効果を示さなくなり、第2
磁性層に記録された磁化は第1磁性層の面内磁化にマス
クされて再生されなくなる。これにより、雑音の原因で
ある隣接ビットからの信号が混入することがなくなる。
このように、所定温度以上の温度を有する領域のみを再
生に関与させるので、光ビームの径より小さい記録ビッ
トの再生が行え、記録密度は著しく向上することにな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、光ビームの径より小さい記録ビットの再
生が行え、記録密度は著しく向上することになるもの
の、第1磁性層と第2磁性層の二層間の交換結合が強い
ので、記録に必要な記録磁界が大きくなるという問題点
を有している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1に記載の光磁気記録媒体は、重
希土類金属−遷移金属合金系磁性材料からそれぞれなる
記録層と読み出し層とが相互に積層され、上記の記録層
は、室温からキュリー点まで垂直磁化となる特性を示す
一方、読み出し層は、室温で面内磁化、所定温度以上で
垂直磁化となる特性を示し、光ビームを照射すると共に
記録磁界を印加することで、記録層に記録磁界の向きに
応じた情報が記録される光磁気記録媒体において、上記
記録層に、非磁性希土類金属が添加されていることを特
徴としている。また、本発明の請求項2に記載の光磁気
記録媒体は、請求項1記載の光磁気記録媒体において、
上記読み出し層にも、非磁性希土類金属が添加されてい
ることを特徴としている。また、本発明の請求項3に記
載の光磁気記録媒体は、請求項1または2記載の光磁気
記録媒体において、上記非磁性希土類金属はイットリウ
ムであることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1の構成によれば、上記記録層へ非磁性
希土類金属が添加されているため、読み出し層と記録層
との間の界面磁壁エネルギーが小さくなり、上記二層間
の交換結合力が小さくなる。これにより、記録磁界を低
減することができる。請求項2の構成によれば、上記読
み出し層にも、非磁性希土類金属を添加したことによ
り、読み出し層と記録層との間の界面磁壁エネルギーが
さらに小さくなり、上記二層間の交換結合力がさらに小
さくなる。これにより、記録磁界をさらに低減すること
ができる。
【0012】
【実施例】〔試作例1〕 本発明の実施例を説明するための一試作例について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。本試作例に係る光磁気ディスク(光磁気記録媒体)
は、図1に示すように、透光性基板1上に、透光性を有
する誘電体層2と、読み出し層3と、記録層4と、保護
層5とを順次形成した構成になっている。さらに、普通
は、光磁気ディスクの保護のために、オーバーコート層
6が形成されている。
【0013】図2に、上記の読み出し層3の磁気状態図
を示す。縦軸は温度を示し、横軸は、合金中で希土類金
属の占める割合(図中ではREと記す)を示している。
この読み出し層3は、希土類遷移金属合金からなり、希
土類金属と遷移金属の磁気モーメントが釣り合う補償温
度(Tcomp)の近辺(図中、斜線で示される領域)では
垂直磁化を示し、そのキュリー温度(Tc1とする)以下
のそれ以外の領域では面内磁化を示す。
【0014】また、希土類金属と遷移金属の磁気モーメ
ントの温度特性は異なり、高温では遷移金属の磁気モー
メントが希土類金属のそれに比べて大きくなる。このた
め、上記読み出し層3として、補償温度Tcompが室温と
なるときの組成よりも希土類金属の量を多くした組成
(図中、Pで示される組成)の合金を用いる。この組成
の合金は、室温では希土類金属の磁気モーメントが遷移
金属の磁気モーメントよりも大きいので、面内磁化を示
し、所定温度以上になると、遷移金属の磁気モーメント
が、室温時の値よりも相対的に大きくなり、希土類金属
の磁気モーメントと釣り合うようになって、垂直磁化を
示すようになる。さらに昇温すると、遷移金属の磁気モ
ーメントが希土類金属の磁気モーメントよりも相対的に
大きくなり、面内磁化を示すようになる。すなわち、同
図において、室温からT1 までの温度では面内磁化を、
1 からT3 までの温度では垂直磁化を、T3 からTc1
までの温度では面内磁化をそれぞれ示す。
【0015】ここで、遷移金属の磁気モーメントが希土
類金属の磁気モーメントより大きいことを遷移金属リッ
チと称し、逆に、希土類金属の磁気モーメントが遷移金
属の磁気モーメントより大きいことを希土類金属リッチ
と称する。これによれば、読み出し層3は室温からT1
までの温度では希土類金属リッチであり、上記所定温度
よりさらに昇温したT3 からTc1までの温度では遷移金
属リッチである。
【0016】記録層4は、希土類遷移金属合金からな
り、その希土類金属として、大量の重希土類金属および
微量の軽希土類金属を含んでいる。そして、室温から記
録層4のキュリー温度(Tc2とする)まで垂直磁化とな
る特性を示す。また、室温からTc2まで遷移金属リッチ
であり、室温からTc2まで飽和磁化の向きが遷移金属の
磁気モーメントと一致している。
【0017】次に、本光磁気ディスクを用いた記録動作
について説明する。まず、読み出し層3に対して、光ビ
ームが照射される。すると照射された部位の温度分布は
ガウス分布になるので、光ビームの径より小さい領域の
みが温度上昇する。
【0018】この温度上昇に伴って、読み出し層3の温
度上昇部位の磁化は、面内磁化から垂直磁化に移行す
る。このとき、記録磁界が印加されていると、上記照射
部位は記録磁界の向きに従う。そして、冷却過程におい
て、読み出し層3および記録層4の2層間に作用する交
換結合力により、読み出し層3の磁化の向きが記録層4
に転写される。これにより、情報を記録層の所望の部位
に記録できる。
【0019】次に、本光磁気ディスクを用いた再生動作
について説明する。上記の構成によれば、再生動作時
に、基板1の側から集光レンズを介して再生光ビームが
読み出し層3に照射されると、再生光ビームの中心部近
傍に対応する読み出し層3の部位の温度が上昇し、T1
に達する。これは、再生光ビームが集光レンズにより回
折限界まで絞り込まれ、その光強度分布はガウス分布と
なり、読み出し層3の温度分布もほぼガウス分布となる
ためであり、T1 以上の温度を有する領域は、再生光ビ
ームの径(照射範囲)よりも小さくなっている。
【0020】このとき、例えば図1に示す磁化の向きに
記録層4が記録されているとすると、読み出し層3と記
録層4の二層間の交換結合力により、記録層4の磁化の
向きが読み出し層3に転写される。
【0021】再生光ビームの中心部近傍に対応する読み
出し層3の温度がT1 になった部位では、垂直磁化とな
り、磁気光学カー効果を示し、再生光ビームの中心部近
傍に対応する以外の読み出し層3の部位では、温度上昇
が生じず、面内磁化となり、磁気光学カー効果を殆ど示
さない。T1 以上の温度を有する領域のみを再生に関与
させるので、再生光ビームの径より小さい記録ビットの
再生が行え、記録密度は著しく向上することになる。
【0022】さらに、本試作例の光磁気ディスクにおい
ては、記録層4に軽希土類金属が添加されているので、
読み出し層3と記録層4との間の界面磁壁エネルギーが
小さくなり、上記二層間の交換結合力が小さくなる。こ
れにより、記録層4に記録するのに必要な磁界である記
録磁界を低減することができる。
【0023】以下に、本試作例の光磁気ディスクの一例
としてサンプル♯1を示す。透光性の基板1は、外径8
6mm、内径15mm、厚さ1.2mmの円盤状のガラス
からなっている。基板1の片側の表面には、図示してい
ないが、光ビーム案内用の凸凹状のガイドトラックが反
応性イオンエッチング法により直接形成されている。ト
ラックピッチは1.6μm、グルーブ(凹部)の幅は0.8
μm、ランド(凸部)の幅は0.8μmであり、反応性イ
オンエッチング法により、ガラスに直接形成された。
【0024】この基板1のガイドトラックが形成されて
いる側の面上に、反応性スパッタリングにより、膜厚8
0nmのAlNからなる誘電体層2と、Gd、Fe、Coターゲ
ットの同時スパッタリングにより膜厚50nmのGdFeCo
からなる読み出し層3と、NdDy、Fe、Coターゲットの同
時スパッタリングにより膜厚50nmのNdDyFeCoからな
る記録層4と、膜厚80nmのAlNからなる保護層5と
を積層した。
【0025】読み出し層3と記録層4との各成膜時のス
パッタリング条件は、到達真空度2.0×10-4Pa以
下、Arガス圧6.5×10-1Pa、放電電力300Wであ
り、誘電体層2および保護層5の各成膜時のスパッタリ
ング条件は、到達真空度2.0×10-4Pa以下、N2
ス圧3.0×10-1Pa、放電電力800Wである。
【0026】さらに、保護層5の上にアクリレート系紫
外線硬化樹脂をコーティングし、紫外線照射により硬化
させてオーバーコート層6を形成した。
【0027】読み出し層3は、希土類金属リッチ、キュ
リー温度Tc1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃
で垂直磁化となる特性を示し、記録層4は、遷移金属リ
ッチ、Tc2=200℃、室温での保磁力Hc2=120k
A/mである。
【0028】サンプル♯1の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定した。
【0029】測定結果は、図3に示すように、Pr =2
〜3.5mWの範囲でC/Nが最大となっており、このレ
ーザパワーで、読み出し層3の温度がT1 以上になり、
垂直磁化で磁気光学カー効果を示している。一方、Pr
=2mW以下では、読み出し層3の温度がT1 以下にな
り、面内磁化で磁気光学カー効果を示しにくいことがわ
かる。
【0030】次に、サンプル♯1の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、以下に示す比較用のサ
ンプルと比較した。
【0031】比較用のサンプルの構成を図5に示す。透
光性の基板1、誘電体層2、保護層5、オーバーコート
層6は、サンプル♯1と同じである。読み出し層103
は、Gd、Fe、Coターゲットの同時スパッタリングによる
膜厚50nmのGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュ
リー温度TC1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃
で垂直磁化となる特性を示し、記録層104は、Dy、F
e、Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚50
nmのDyFeCoであり、遷移金属リッチ、キュリー温度T
C2=200℃、室温での保磁力(HC2)=120kA/
mである。
【0032】測定結果を図4に示すが、図中、破線にて
示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和する
ときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図中、
実線にて示されるように、本試作例のサンプル♯1のC
/Nが飽和するときのHW の値は32kA/mである。
これにより、本試作例の光磁気ディスクにおいては、良
好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少して
いることがわかる。
【0033】なお、本試作例では、読み出し層3とし
て、Gd0.27(Fe0.70Co0.30)0.73を使用し、記録層4とし
て、 (Nd0.10Dy0.90)0.24(Fe0.80Co0.20)0.76 を使用し
ているが、これに限るものではない。特に、記録層4に
添加する軽希土類金属は、記録磁界を低減できればよ
く、上記Ndに限定されない。
【0034】〔試作例2〕 本発明の他の試作例について、図3、図6および図7に
基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の
便宜上、前記の試作例の図面に示した部材と同一の機能
を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を省
略する。本試作例に係る光磁気ディスク(光磁気記録媒
体)においては、図6に示すように、読み出し層23、
記録層24を除いては、透光性の基板1、誘電体層2、
保護層5、オーバーコート層6は、前記試作例1の場合
と同様である。
【0035】読み出し層23、記録層24は、それぞれ
希土類遷移金属合金からなり、その希土類金属として、
大量の重希土類金属および微量の軽希土類金属を含んで
いる。
【0036】読み出し層23は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層24は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0037】本試作例においては、記録・再生は前記
例1と同様に行われる。
【0038】本試作例の光磁気ディスクを用いて記録を
行えば、記録層24に軽希土類金属が添加されているの
で、前記試作例1で述べたのと同じ理由により、上記二
層間の交換結合力が小さくなるので、記録磁界を低減す
ることができる。
【0039】また、読み出し層23は、軽希土類金属が
添加されている分だけ、加えられていない場合と比べ
て、読み出し層23と記録層24との間の界面磁壁エネ
ルギーがさらに小さくなり、上記二層間の交換結合力が
さらに小さくなる。これにより、記録磁界をさらに低減
することができる。
【0040】以下、本試作例の光磁気ディスクの一例と
して、サンプル♯2を示す。読み出し層23は、NdGd、
Fe、Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚50
nmのNdGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュリー温
度TC1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直
磁化となる特性を示し、記録層24は、NdDy、Fe、Coタ
ーゲットの同時スパッタリングによる膜厚50nmのNd
DyFeCoであり、遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=2
00℃、室温での保磁力(HC2)=120kA/mであ
る。
【0041】サンプル♯2の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0042】次に、サンプル♯2の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0043】測定結果を図7に示すが、図中、破線にて
示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和する
ときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図中、
実線にて示されるように、本試作例のサンプル♯2のC
/Nが飽和するときのHW の値は28kA/mである。
これにより、本試作例の光磁気ディスクにおいては、記
録磁界が大きく減少していることがわかる。
【0044】なお、本試作例では、読み出し層23とし
て、 (Nd0.10Gd0.90)0.28(Fe0.70Co0.30)0.72 を使用
し、記録層24として、 (Nd0.10Dy0.90)0.24(Fe0.80Co
0.20)0.76 を使用しているが、これに限るものではな
い。特に、読み出し層23および記録層24にそれぞれ
添加する軽希土類金属は、記録磁界を低減できればよ
く、上記Ndに限定されない。
【0045】〔試作例3〕 本発明のさらに他の試作例について、図3、図8、およ
び図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。な
お、説明の便宜上、前記の試作例の図面に示した部材と
同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記してそ
の説明を省略する。本試作例に係る光磁気ディスク(光
磁気記録媒体)においては、図8に示すように、読み出
し層33、記録層34を除いては、透光性の基板1、誘
電体層2、保護層5、オーバーコート層6は、前記試作
例1の場合と同様である。
【0046】読み出し層33、記録層34は、それぞれ
希土類遷移金属合金からなり、その希土類金属として、
大量の重希土類金属および微量の軽希土類金属を含んで
いる。
【0047】読み出し層33は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層34は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0048】また、試作例1および2では読み出し層と
記録層の膜厚が同じであったが、本試作例においては、
読み出し層33の膜厚が記録層34の膜厚よりも薄くな
っている。
【0049】本試作例においては、記録・再生は前記
例1と同様に行われる。
【0050】本試作例の光磁気ディスクを用いて記録を
行えば、記録層34に軽希土類金属が添加されているの
で、前記試作例1で述べたのと同じ理由により、上記二
層間の交換結合力が小さくなるので、記録磁界を低減す
ることができる。また、読み出し層33は、軽希土類金
属が添加されているので、前記試作例2で述べたのと同
様の理由により、上記二層間の交換結合力がさらに小さ
くなる。これにより、記録磁界をさらに低減することが
できる。
【0051】以下、本試作例の光磁気ディスクの一例と
して、サンプル♯3を示す。読み出し層33は、NdGd、
Fe、Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚40
nmのNdGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュリー温
度TC1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直
磁化となる特性を示し、記録層34は、NdDy、Fe、Coタ
ーゲットの同時スパッタリングによる膜厚60nmのNd
DyFeCoであり、遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=2
00℃、室温での保磁力(HC2)=120kA/mであ
る。
【0052】サンプル♯3の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0053】次に、サンプル♯3の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0054】測定結果を図9に示すが、図中、破線にて
示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和する
ときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図中、
実線にて示されるように、本試作例のサンプル♯3のC
/Nが飽和するときのHW の値は24kA/mである。
これにより、本試作例の光磁気ディスクにおいては、良
好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少して
いることがわかる。
【0055】なお、本試作例では、読み出し層33とし
て、 (Nd0.10Gd0.90)0.28(Fe0.70Co0.30)0.72 を使用
し、記録層34として、 (Nd0.10Dy0.90)0.24(Fe0.80Co
0.20)0.76 を使用しているが、これに限るものではな
い。特に、読み出し層33および記録層34にそれぞれ
添加する軽希土類金属は、記録磁界を低減できればよ
く、上記Ndに限定されない。
【0056】〔試作例4〕 本発明のさらに他の試作例について、図3、図10、お
よび図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、説明の便宜上、前記の試作例の図面に示した部材
と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記して
その説明を省略する。
【0057】本試作例に係る光磁気ディスク(光磁気記
録媒体)においては、図10に示すように、読み出し層
43、記録層44を除いては、透光性の基板1、誘電体
層2、保護層5、オーバーコート層6は、前記試作例1
の場合と同様である。
【0058】読み出し層43、記録層44は、それぞれ
希土類遷移金属合金からなり、その希土類金属として、
大量の重希土類金属および微量の軽希土類金属を含んで
いる。
【0059】読み出し層43は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層44は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0060】また、本試作例においては、試作例3同
様、読み出し層43の膜厚が記録層44の膜厚よりも薄
くなっている。
【0061】本試作例においては、記録・再生は前記
例1と同様に行われる。また、前記試作例3で述べた
のと同様の理由により、記録に必要な記録磁界を低減す
ることができる。
【0062】以下、光磁気ディスクの一例としてサンプ
ル♯4を示す。
【0063】読み出し層43は、NdGd、Fe、Coターゲッ
トの同時スパッタリングによる膜厚30nmのNdGdFeCo
であり、希土類金属リッチ、キュリー温度TC1≧300
℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直磁化となる特性
を示し、記録層44は、NdDy、Fe、Coターゲットの同時
スパッタリングによる膜厚70nmのNdDyFeCoであり、
遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=200℃、室温で
の保磁力(HC2)=120kA/mである。
【0064】サンプル♯4の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0065】次に、サンプル♯4の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0066】測定結果を図11に示すが、図中、破線に
て示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和す
るときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図
中、実線にて示されるように、本試作例のサンプル♯4
のC/Nが飽和するときのHWの値は20kA/mであ
る。これにより、本試作例の光磁気ディスクにおいては
良好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少し
ていることがわかる。
【0067】さらに、試作例3の場合よりもさらに、読
み出し層の膜厚を記録層の膜厚よりも薄くすることによ
り、試作例3の場合よりもさらに記録磁界を低減できる
ことが分かる。
【0068】なお、本試作例では、読み出し層43とし
て、 (Nd0.10Gd0.90)0.28(Fe0.70Co0.30)0.72 を使用
し、記録層44として、 (Nd0.10Dy0.90)0.24(Fe0.80Co
0.20)0.76 を使用しているが、これに限るものではな
い。特に、読み出し層43および記録層44にそれぞれ
添加する軽希土類金属は、記録磁界を低減できればよ
く、上記Ndに限定されない。
【0069】〔実施例〕 本発明の実施例について、図3、図12および図13
に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明
の便宜上、前記の試作例の図面に示した部材と同一の機
能を有する部材には、同一の符号を付記してその説明を
省略する。本実施例に係る光磁気ディスク(光磁気記録
媒体)においては、図12に示すように、読み出し層5
3、記録層54を除いては、透光性の基板1、誘電体層
2、保護層5、オーバーコート層6は、前記試作例1の
場合と同様である。
【0070】読み出し層53は、希土類遷移金属合金か
らなる。また、記録層54は、磁性を示す希土類遷移金
属合金に、微量の非磁性希土類金属が添加されている。
【0071】読み出し層53は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層54は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0072】本実施例においては、記録・再生は前記
例1と同様に行われる。
【0073】本実施例の光磁気ディスクを用いて記録を
行えば、記録層54に非磁性希土類金属が添加されてい
るので、読み出し層53と記録層54との間の界面磁壁
エネルギーが小さくなり、上記二層間の交換結合力が小
さくなる。これにより、記録磁界を低減することができ
る。
【0074】以下、本実施例の光磁気ディスクの一例と
してサンプル♯5を示す。読み出し層53は、Gd、Fe、
Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚50nm
のGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュリー温度TC1
≧300℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直磁化と
なる特性を示し、記録層54は、YDy、Fe、Coターゲッ
トの同時スパッタリングによる膜厚50nmのYDyFeCo
であり、遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=200
℃、室温での保磁力(HC2)=100kA/mである。
【0075】サンプル♯5の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0076】次に、サンプル♯5の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0077】測定結果を図13に示すが、図中、破線に
て示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和す
るときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図
中、実線にて示されるように、本実施例のサンプル♯5
のC/Nが飽和するときのHWの値は20kA/mであ
る。これにより、本実施例の光磁気ディスクにおいては
良好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少し
ていることがわかる。
【0078】なお、本実施例では、読み出し層53とし
て、Gd0.27(Fe0.70Co0.30)0.73を使用し、記録層54と
して、 (Y0.10Dy0.90)0.26(Fe0.80Co0.20)0.74 を使用
しているが、これに限るものではない。特に、記録層5
4に添加する非磁性希土類金属は、記録磁界を低減でき
ればよく、上記Yに限定されない。
【0079】〔実施例〕 本発明の他の実施例について、図3、図14および図1
5に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説
明の便宜上、前記の試作例や実施例の図面に示した部材
と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記して
その説明を省略する。本実施例に係る光磁気ディスク
(光磁気記録媒体)においては、図14に示すように、
読み出し層63、記録層64を除いては、透光性の基板
1、誘電体層2、保護層5、オーバーコート層6は、前
試作例1の場合と同様である。
【0080】読み出し層63および記録層64は、それ
ぞれ、磁性を示す希土類遷移金属合金に微量の非磁性希
土類金属が添加されている。
【0081】読み出し層63は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層64は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0082】本実施例においては、記録・再生は前記
例1と同様に行われる。
【0083】本実施例の光磁気ディスクを用いて記録を
行えば、記録層64に非磁性希土類金属が添加されてい
るので、読み出し層63と記録層64との間の界面磁壁
エネルギーが小さくなり、上記二層間の交換結合力が小
さくなる。これにより、記録磁界を低減することができ
る。
【0084】また、読み出し層63は、非磁性希土類金
属が添加されている分だけ、加えられていない場合と比
べて、読み出し層63と記録層64との間の界面磁壁エ
ネルギーがさらに小さくなり、上記二層間の交換結合力
がさらに小さくなる。これにより、記録磁界をさらに低
減することができる。
【0085】以下、本実施例の光磁気ディスクの一例と
してサンプル♯6を示す。読み出し層63は、YGd、F
e、Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚50
nmのYGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュリー温
度TC1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直
磁化となる特性を示し、記録層64は、YDy、Fe、Coタ
ーゲットの同時スパッタリングによる膜厚50nmのY
DyFeCoであり、遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=2
00℃、室温での保磁力(HC2)=100kA/mであ
る。
【0086】サンプル♯6の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0087】次に、サンプル♯6の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0088】測定結果を図15に示すが、図中、破線に
て示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和す
るときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図
中、実線にて示されるように、本実施例のサンプル♯6
のC/Nが飽和するときのHWの値は16kA/mであ
る。これにより、本実施例の光磁気ディスクにおいては
良好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少し
ていることがわかる。
【0089】なお、本実施例では、読み出し層63とし
て、 (Y0.10Gd0.90)0.30(Fe0.70Co0.30)0.70 を使用
し、記録層64として、 (Y0.10Dy0.90)0.26(Fe0.80Co
0.20)0.74 を使用しているが、これに限るものではな
い。特に、読み出し層63および記録層64に添加する
非磁性希土類金属は、記録磁界を低減できればよく、上
記Yに限定されない。
【0090】〔実施例〕 本発明のさらに他の実施例について、図3、図16、お
よび図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、説明の便宜上、前記の試作例や実施例の図面に示
した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を
付記してその説明を省略する。本実施例に係る光磁気デ
ィスク(光磁気記録媒体)においては、図16に示すよ
うに、読み出し層73、記録層74を除いては、透光性
の基板1、誘電体層2、保護層5、オーバーコート層6
は、前記試作例1の場合と同様である。
【0091】読み出し層73は、希土類遷移金属合金か
らなり、その希土類金属として、大量の重希土類金属お
よび微量の軽希土類金属を含んでいる。記録層74は、
磁性を示す希土類遷移金属合金に微量の非磁性希土類金
属が添加されている。
【0092】読み出し層73は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層74は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0093】本実施例においては、記録・再生は前記
例1と同様に行われる。
【0094】本実施例の光磁気ディスクを用いて記録を
行えば、記録層74に非磁性希土類金属が添加されてい
るので、読み出し層73と記録層74との間の界面磁壁
エネルギーが小さくなり、上記二層間の交換結合力が小
さくなる。これにより、記録磁界を低減することができ
る。
【0095】また、読み出し層73は、軽希土類金属が
添加されている分だけ、加えられていない場合と比べ
て、読み出し層73と記録層74との間の界面磁壁エネ
ルギーがさらに小さくなり、上記二層間の交換結合力が
さらに小さくなる。これにより、記録磁界をさらに低減
することができる。
【0096】以下、本実施例の光磁気ディスクの一例と
してサンプル♯7を示す。読み出し層73は、NdGd、F
e、Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚50
nmのNdGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュリー温
度TC1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直
磁化となる特性を示し、記録層74は、YDy、Fe、Coタ
ーゲットの同時スパッタリングによる膜厚50nmのY
DyFeCoであり、遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=2
00℃、室温での保磁力(HC2)=100kA/mであ
る。
【0097】サンプル♯7の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0098】次に、サンプル♯7の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0099】測定結果を図17に示すが、図中、破線に
て示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和す
るときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図中
実線にて示されるように、本実施例のサンプル♯7のC
/Nが飽和するときのHW の値は16kA/mである。
これにより、本実施例の光磁気ディスクにおいては、良
好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少して
いることがわかる。
【0100】なお、本実施例では、読み出し層73とし
て、 (Nd0.10Gd0.90)0.28(Fe0.70Co0.30)0.72 を使用
し、記録層74として、 (Y0.10Dy0.90)0.26(Fe0.80Co
0.20)0 .74 を使用しているが、これに限るものではな
い。特に、読み出し層73に添加する軽希土類金属や、
記録層74に添加する非磁性希土類金属は、記録磁界を
低減できればよく、それぞれ、上記Nd、Yに限定されな
い。
【0101】〔試作例5〕 本発明のさらに他の試作例について、図3、図18、お
よび図19に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、説明の便宜上、前記の試作例1ないし4や実施例
の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には、同
一の符号を付記してその説明を省略する。本試作例に係
る光磁気ディスク(光磁気記録媒体)においては、図1
8に示すように、読み出し層83、記録層84を除いて
は、透光性の基板1、誘電体層2、保護層5、オーバー
コート層6は、前記試作例1の場合と同様である。
【0102】読み出し層83は、磁性を示す希土類遷移
金属合金に微量の非磁性希土類金属が添加されている。
記録層84は、希土類遷移金属合金からなり、その希土
類金属として、大量の重希土類金属および微量の軽希土
類金属を含んでいる。
【0103】読み出し層83は室温では希土類金属リッ
チであり、面内磁化を示す。昇温すると希土類金属の磁
気モーメントと遷移金属の磁気モーメントとが釣り合
い、垂直磁化を示す。記録層84は室温からキュリー温
度まで遷移金属リッチであり、室温からキュリー温度ま
で垂直磁化となる特性を示す。
【0104】本試作例においては、記録・再生は前記試
作例1と同様に行われる。
【0105】本試作例の光磁気ディスクを用いて記録を
行えば、記録層84に軽希土類金属が添加されているの
で、読み出し層83と記録層84との間の界面磁壁エネ
ルギーが小さくなり、上記二層間の交換結合力が小さく
なる。これにより、記録磁界を低減することができる。
【0106】また、読み出し層83は、非磁性希土類金
属が添加されている分だけ、加えられていない場合と比
べて、読み出し層83と記録層84との間の界面磁壁エ
ネルギーがさらに小さくなり、上記二層間の交換結合力
がさらに小さくなる。これにより、記録磁界をさらに低
減することができる。
【0107】以下、本試作例の光磁気ディスクの一例と
してサンプル♯8を示す。読み出し層83は、YGd、F
e、Coターゲットの同時スパッタリングによる膜厚50
nmのYGdFeCoであり、希土類金属リッチ、キュリー温
度TC1≧300℃、室温で面内磁化、約140℃で垂直
磁化となる特性を示し、記録層84は、NdDy、Fe、Coタ
ーゲットの同時スパッタリングによる膜厚50nmのNd
DyFeCoであり、遷移金属リッチ、キュリー温度TC2=2
00℃、室温での保磁力(HC2)=100kA/mであ
る。
【0108】サンプル♯8の光磁気ディスクに対して、
記録磁界(HW )=40kA/m、記録レーザパワー
(Pw )=6mWにて、記録ビット長=0.78μmの記
録ビットを記録し、再生レーザパワー(Pr )と信号対
雑音比(C/N)の関係を測定したところ、図3に示す
前記試作例1の場合と同様に、Pr =2〜3.5mWの範
囲でC/Nが最大となった。
【0109】次に、サンプル♯8の光磁気ディスクに対
して、Pw =6mW、Pr =2.5mWにて、記録ビット
長=0.78μmの記録ビットを記録・再生し、記録磁界
WとC/Nとの関係を測定し、試作例1で述べたのと
同じ比較用のサンプルと比較した。
【0110】測定結果を図19に示すが、図中、破線に
て示されるように、比較用のサンプルのC/Nが飽和す
るときのHW の値が48kA/mであるのに対し、図中
実線にて示されるように、本試作例のサンプル♯8のC
/Nが飽和するときのHW の値は16kA/mである。
これにより、本試作例の光磁気ディスクにおいては、良
好なC/Nを得るのに必要な記録磁界が大きく減少して
いることがわかる。
【0111】なお、本試作例では、読み出し層83とし
て、 (Y0.10Gd0.90)0.30(Fe0.70Co0.30)0.70 を使用
し、記録層84として、 (Nd0.10Dy0.90)0.24(Fe0.80Co
0.20)0.76 を使用しているが、これに限るものではな
い。特に、読み出し層83に添加する非磁性希土類金属
や、記録層84に添加する軽希土類金属は、記録磁界を
低減できればよく、それぞれ、上記Y、Ndに限定されな
い。
【0112】さらに、基板1、誘電体層2、保護層5、
オーバーコート層6も上記実施例に記載したものに限ら
れるものではない。
【0113】また、各実施例において、読み出し層が軽
希土類金属やPt、Pd等を含む合金である場合は、短波長
での磁気光学カー効果が高く、短波長再生光レーザを用
いることにより、さらに記録密度を向上させることが可
能になる。
【0114】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の光磁気記録媒体は、重希土類金属−遷移金属合金系磁
性材料からそれぞれなる記録層と読み出し層とが相互に
積層され、上記の記録層は、室温からキュリー点まで垂
直磁化となる特性を示す一方、読み出し層は、室温で面
内磁化、所定温度以上で垂直磁化となる特性を示し、光
ビームを照射すると共に記録磁界を印加することで、記
録層に記録磁界の向きに応じた情報が記録される光磁気
記録媒体において、上記記録層に、非磁性希土類金属が
添加されている構成である。
【0115】また、本発明の請求項2に記載の光磁気記
録媒体は、請求項1記載の光磁気記録媒体において、
記読み出し層にも、非磁性希土類金属が添加されている
構成である。また、本発明の請求項3に記載の光磁気記
録媒体は、請求項1または2記載の光磁気記録媒体にお
いて、上記非磁性希土類金属はイットリウムである構成
である。
【0116】上記請求項1ないし3記載の構成により、
記録磁界を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一試作例の光磁気ディスクの構成およ
びこの光磁気ディスクに対して再生動作をしていること
を示す説明図である。
【図2】図1の光磁気ディスクの読み出し層の磁気状態
を示すグラフである。
【図3】図1の光磁気ディスクのC/Nと記録レーザパ
ワーの関係を示すグラフである。
【図4】図1の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界の関
係を示すグラフである。
【図5】比較用の光磁気ディスクの構成およびこの光磁
気ディスクに対して再生動作をしていることを示す説明
図である。
【図6】本発明の他の試作例の光磁気ディスクの構成お
よびこの光磁気ディスクに対して再生動作をしているこ
とを示す説明図である。
【図7】図6の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界の関
係を示すグラフである。
【図8】本発明のさらに他の試作例の光磁気ディスクの
構成およびこの光磁気ディスクに対して再生動作をして
いることを示す説明図である。
【図9】図8の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界の関
係を示すグラフである。
【図10】本発明のさらに他の試作例の光磁気ディスク
の構成およびこの光磁気ディスクに対して再生動作をし
ていることを示す説明図である。
【図11】図10の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界
の関係を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例の光磁気ディスクの構成お
よびこの光磁気ディスクに対して再生動作をしているこ
とを示す説明図である。
【図13】図12の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界
の関係を示すグラフである。
【図14】本発明の他の実施例の光磁気ディスクの構成
およびこの光磁気ディスクに対して再生動作をしている
ことを示す説明図である。
【図15】図14の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界
の関係を示すグラフである。
【図16】本発明のさらに他の実施例の光磁気ディスク
の構成およびこの光磁気ディスクに対して再生動作をし
ていることを示す説明図である。
【図17】図16の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界
の関係を示すグラフである。
【図18】本発明のさらに他の試作例の光磁気ディスク
の構成およびこの光磁気ディスクに対して再生動作をし
ていることを示す説明図である。
【図19】図18の光磁気ディスクのC/Nと記録磁界
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 誘電体層 3、23、33、43、53、63、73、83 読み
出し層 4、24、34、44、54、64、74、84 記録
層 5 保護層 6 オーバーコート層 103 読み出し層 104 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−259824(JP,A) 特開 平5−89536(JP,A) 特開 平3−207038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重希土類金属−遷移金属合金系磁性材料か
    らそれぞれなる記録層と読み出し層とが相互に積層さ
    れ、上記の記録層は、室温からキュリー点まで垂直磁化
    となる特性を示す一方、読み出し層は、室温で面内磁
    化、所定温度以上で垂直磁化となる特性を示し、光ビー
    ムを照射すると共に記録磁界を印加することで、記録層
    に記録磁界の向きに応じた情報が記録される光磁気記録
    媒体において、 上記記録層に、非磁性希土類金属が添加されていること
    を特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】上記読み出し層にも、非磁性希土類金属が
    添加されていることを特徴とする請求項1記載の光磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】非磁性希土類金属は、イットリウムである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の光磁気記録媒
    体。
JP32632194A 1994-10-19 1994-12-27 光磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP3172051B2 (ja)

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