JP3349403B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP3349403B2 JP20598797A JP20598797A JP3349403B2 JP 3349403 B2 JP3349403 B2 JP 3349403B2 JP 20598797 A JP20598797 A JP 20598797A JP 20598797 A JP20598797 A JP 20598797A JP 3349403 B2 JP3349403 B2 JP 3349403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録再生装
置に適用される光磁気ディスク、光磁気テープ、光磁気
カード等の光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、書き換え可能な光記録媒体と
して、光磁気記録媒体が実用化されている。このような
光磁気記録媒体では、光磁気記録媒体上に集光された半
導体レーザから出射される光ビームのビーム径に対し
て、記録用磁区である記録ビット径及び記録ビット間隔
が小さくなってくると、再生特性が劣化してくるという
欠点が生じている。
【0003】このような欠点は、目的とする記録ビット
上に集光された光ビームのビーム径内に隣接する記録ビ
ットが入るために、個々の記録ビットを分離して再生す
ることができなくなることが原因である。
【0004】上記の欠点を解消するために、特開平6−
150418号公報において、室温において面内磁化状
態であり、温度上昇と共に垂直磁化状態となる再生層と
記録層との間に非磁性中間層を設け、再生層と記録層と
が静磁結合した構造の光磁気記録媒体が提案されてい
る。
【0005】これにより、面内磁化状態にある部分の記
録磁区情報がマスクされ、集光された光ビームのビーム
径内に隣接する記録ビットが入る場合においても、個々
の記録ビットを分離して再生することが可能となること
が示されている(第1従来例)。
【0006】また、Appl.Phys.Lett.6
9(27)p4257〜4259、“Magnetic
domain expansion readout
ofor amplification of an
ultra high density magnet
o−optical recording signa
l”には、記録層と再生層の間に非磁性の中間層を挟ん
だ同様の構成において、記録層から発生する磁界によ
り、再生層に、記録層の磁区よりも大きな磁区を形成し
ながら転写して再生する磁区拡大方式が示されている
(第2従来例)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
第1従来例では、さらに小さい記録ビット径及びさらに
小さい記録ビット間隔で記録再生を行った場合、再生信
号強度が低下し、十分な再生信号が得られなくなるとい
う問題のあることが確認された。
【0008】また第2従来例も、記録密度が高くなり、
再生磁区の下に、数多くのビットが存在する場合は、記
録層の複数のビットからの磁界を再生層が受けることに
なり、真に再生すべきビットからの磁界を正しく再生層
が受けることができなくなってしまう問題点があった。
【0009】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的は、小さい記録ビッ
ト径及びさらに小さい記録ビット間隔で記録再生を行っ
た場合においても、十分な再生信号を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の光磁気記録媒体
は、室温で面内磁化状態であり所定温度以上の温度で垂
直磁化状態となる再生層と、該再生層に静磁結合する垂
直磁化膜からなる記録層と、を有する光磁気記録媒体に
おいて、前記再生層と前記記録層との間で前記再生層か
ら離間して配され、前記所定温度近傍にキュリー温度を
有する面内磁化層を有しているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。
【0012】図1に本発明の光磁気ディスクの再生原理
を、図2に従来の光磁気ディスクの再生原理を説明する
光磁気記録媒体の断面図を示す。
【0013】まず、従来の超解像再生動作について説明
する。従来の再生方式は図2に示すように、記録層4か
ら発生する磁界を、再生層1で受け、再生層1の磁区に
転写するものである。このため、少なくとも温度上昇し
た時点では、垂直磁化状態となる希土類金属と遷移金属
との合金からなる再生層1と、室温に補償温度を有する
希土類金属と遷移金属との合金からなる記録層4との間
に非磁性中間層2が形成され、再生層1と記録層4とが
静磁結合した構成である。
【0014】ここで、光ビーム5が再生層側から集光照
射されると、媒体には光ビーム5の強度分布に対応した
ガウシアン分布状の温度分布が形成される。この温度分
布の形成に伴い、記録層4の磁化が増大して記録層4か
ら発生する漏洩磁界が増大して、その漏洩磁界により再
生層1の磁化方向が決定される、すなわち、再生層1に
記録層4の磁化が転写される。この転写された部分の情
報が再生されることにより、超解像再生動作が実現す
る。
【0015】この再生方法において、図6に示すよう
に、再生層1で安定に存在する磁区の大きさを、例えば
再生用レーザーとして波長650nmのものを使用する
場合にはそのビームスポットサイズの1μm程度の大き
さに設定して、記録層4の磁区の大きさよりも大きくす
れば、再生時において再生層1から発生する信号が増大
することになる。
【0016】しかしながら、再生層1における磁化の方
向は記録層4からの漏洩磁界により決定されるものであ
り、記録層4に高密度に情報が記録された場合には、以
下に示すように、記録層4からの磁化転写が良好に行え
なくなる。すなわち、図6のように全面消去状態で孤立
ビット100が形成された状態では再生層1における垂
直磁化の方向がその孤立ビット100からの磁界の影響
のみを受けるため有効に機能するが、高密度に記録した
場合、図7に示すように隣接記録ビット101の影響が
出てくる。隣接ビット100の磁化方向は記録ビット1
01の逆方向を向いているため、本来再生すべき磁化が
弱まり、磁気転写が著しく困難になる。このため、目的
とする範囲の情報が正しく再生できず、外部の浮遊磁界
等の影響を受けやすくなる。
【0017】一方、図1に示す本発明の磁区拡大光磁気
記録媒体においては、記録層4に隣接して、面内磁化層
3が形成されており、面内磁化層3により記録層4の内
の所定温度(以下、臨界温度と記す)以上に加熱されて
いないの部分11からの磁化をマスクする。すなわち、
面内磁化層3により、記録層4の上記部分11からの磁
化が再生層1に伝わることを防止する。
【0018】このように、磁気マスク状態が保持される
ことにより、臨界温度以上の部分のみのマスクをはずす
ことが可能となり、図1に示すように再生層1において
安定に存在する磁区の大きさが記録磁区の大きさよりも
大きい場合においても、記録層4において臨界温度以上
に加熱された所望の記録磁区のみの情報を再生すること
が可能となる。
【0019】ここで、面内磁化層3は、上記臨界温度以
上の範囲における記録層4と再生層1の静磁結合を有効
に働かせるため、臨界温度以上の温度において、磁化を
持たないか、あるいは、磁化の大きさが臨界温度以下の
温度における磁化の大きさに比較して小さいことが望ま
しく、また、面内磁化層3のキュリー温度は記録層4の
キュリー温度よりも低いことが望ましい。さらに、室温
において記録層4の磁化が漏洩して再生層1に影響を与
えることを抑制するため、室温において面内磁化層3の
磁化の大きさは記録層4の磁化の大きさよりも大きいこ
とが望ましい。
【0020】また、再生層1は、レーザービームで再生
される際、安定した磁区の大きさが大きい方が信号量が
増え、ノイズの原因が少なくなるため、好ましい。ま
た、記録層4からの磁界に応じて、磁壁が動く必要があ
り、保磁力の小さい特性が有利である。
【0021】また、この光磁気記録媒体から情報を再生
する際、再生層1に作られた磁区を、一旦消去していく
ことが、スムーズな再生動作につながるため、再生用の
レーザービームをパルス発光させれば、レーザーが消光
している間に磁区を消滅させるとともに、レーザーが発
光している間に媒体温度を上昇させて、再生層に記録層
の記録磁区を転写させ信号再生を行うことができ、再生
信号品質をより高品質とすることができる。
【0022】(実施の形態1)本発明の実施の形態につ
いて図3に基づいて説明すれば以下の通りである。本実
施の形態では、光磁気記録媒体として光磁気ディスクを
適用した場合について説明する。
【0023】本実施の形態に係る光磁気ディスクは、図
3に示すように、基板6、透明誘電体層7、再生層1、
非磁性中間層2、面内磁化層3、記録層4、保護層8、
オーバーコート層9が、この順にて積層されたディスク
本体を有している。
【0024】このような光磁気ディスクでは、その記録
方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、半
導体レーザから出射される光ビーム5が対物レンズによ
り再生層1に絞り込まれ、極カー効果として知られてい
る光磁気効果によって情報が記録再生されるようになっ
ている。上記極カー効果とは、入射表面に垂直な磁化に
より、反射光の偏光面の回転の向きが回転する現象で、
磁化の向きで回転方向が変わる現象である。
【0025】基板6は、例えばポリカーボネート等の透
明な基材からなり、ディスク状に形成される。
【0026】透明誘電体層7は、AlN、SiN、Al
SiN、TiO2等の屈折率の大きな材料で構成される
ことが望ましく、その膜厚は、入射するレーザ光に対し
て、良好な干渉効果が実現し、媒体のカー回転角が増大
すべく設定される必要があり、再生光の波長をλ、透明
誘電体層7の屈折率をnとした場合、透明誘電体層7の
膜厚は(λ/4n)程度に設定される。例えば、レーザ
光の波長を680nmとした場合、透明誘電体層7の膜
厚を40nm〜100nm程度に設定すれば良い。
【0027】再生層1は、希土類遷移金属合金からなる
磁性膜であり、その磁気特性が、室温において面内磁化
状態であり、温度上昇にともない垂直磁化状態となるよ
うに組成調整されている。
【0028】非磁性中間層2は、AlN、SiN、Al
SiN等の誘電体の1層、または、Al、Ti、Ta等
の非磁性金属合金の1層、または上記誘電体と上記金属
の2層からなり、再生層1と記録層4とが静磁結合すべ
く、そのトータル膜厚が1〜40nmに設定されてい
る。
【0029】面内磁化層3は、希土類遷移金属合金、ま
たは、希土類金属、または、遷移金属を主成分とする磁
性膜であり、膜面に水平な方向に磁化を有する膜であ
る。図1において説明したように、面内磁化層3は、臨
界温度以下の温度で記録層4の垂直磁化から発生する磁
界を面内磁化でマスクし、再生層1への磁界の漏洩を防
ぐ。臨界温度以上においては、磁化のマスク効果を失
い、記録層4から発生する漏洩磁界が再生層へ透過しや
すくなるように、組成調整されている。
【0030】記録層4は、希土類遷移金属合金からなる
垂直磁化膜からなり、その膜厚が、20〜80nmの範
囲に設定されている。
【0031】保護層8は、AlN、SiN、AlSi
N、SiC等の誘電体、または、Al、Ti、Ta等の
非磁性金属合金からなり、再生層1や記録層4に用いる
希土類遷移金属合金の酸化を防止する目的で形成される
ものであり、その膜厚が5nm〜60nmの範囲に設定
されている。
【0032】オーバーコート層9は、紫外線硬化樹脂ま
たは熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、紫外線
を照射するか、または、加熱するかによって形成され
る。
【0033】以下、上記構成の光磁気ディスクの具体例
について(1)形成方法、(2)記録再生特性に分けて
説明する。
【0034】(1)形成方法 まず、Alターゲットと、GdFeCo合金ターゲット
と、GdFeAl合金ターゲットと、GdDyFeCo
合金ターゲットとをそれぞれ備えたスパッタ装置内に、
プリグルーブ及びプリピットを有しディスク状に形成さ
れたポリカーボネート製の基板6を基板ホルダーに配置
する。スパッタ装置内を1×10-6Torrまで真空排
気した後、アルゴンと窒素の混合ガスを導入し、Alタ
ーゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3Torr
の条件で、基板6にAlNからなる透明誘電体層7を膜
厚80nmで形成した。
【0035】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、
GdFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガス圧
4×10-3Torrとし、上記透明誘電体層7上に、G
0.30(Fe0.80Co0.200.70からなる再生層1を膜
厚20nmで形成した。その再生層1は、室温において
面内磁化状態であり、120℃の温度で垂直磁化状態と
なる特性を有し、その補償温度が300℃、そのキュリ
ー温度が320℃であった。
【0036】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Alターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、再生層1上にAlNからなる非磁
性中間層2を膜厚20nmで形成した。
【0037】次に、GdFeAl合金ターゲットに電力
を供給して、ガス圧4×10-3Torrとし、上記非磁
性中間層2上に、(Gd0.11Fe0.890.75Al0.25
らなる面内磁化層3を膜厚30nmで形成した。その面
内磁化層3は、キュリー温度が120℃であり、室温か
らキュリー温度まで、膜面に平行な方向に磁化を有する
面内磁化層であった。
【0038】次に、再度、スパッタ装置内を1×10-6
Torrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、
GdDyFeCo合金ターゲットに電力を供給して、ガ
ス圧4×10-3Torrとし、上記面内磁化層3上に、
(Gd0.50Dy0.500.23(Fe0.80Co0.200.77
らなる記録層4を膜厚40nmで形成した。その記録層
4は、25℃に補償温度を有し、キュリー温度が275
℃であった。
【0039】次に、アルゴンと窒素の混合ガスを導入
し、Alターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10
-3Torrの条件で、記録層4上にAlNからなる保護
層8を膜厚20nmとして形成した。
【0040】次に、上記保護層8上に、紫外線硬化樹脂
をスピンコートにより塗布して、紫外線を照射すること
によりオーバーコート層9を形成した。
【0041】(2)記録再生特性 上記ディスクを、波長680nmの半導体レーザを用い
た光ピックアップで測定したCNR(信号対雑音比)の
マーク長依存性を図4に示す。なお、ここでは上記した
本実施の形態の光磁気記録媒体を実施例1として示して
いる。
【0042】また、比較のため、面内磁化層3の存在し
ない構成の光磁気ディスクのCNRのマーク長依存性も
比較例1として同図に記載する。なお面内磁化層の存在
しない光磁気ディスクの媒体は、本実施の形態の媒体構
成において、面内磁化層3を取り除いた構成である。ま
た、ここで示すCNRのマーク長依存性は、マーク長に
対応する長さの記録磁区をマーク長の2倍の長さの記録
磁区ピッチで連続形成した時の信号対雑音比を表すもの
である。
【0043】マーク長0.3μmの両者のCNRを比較
すると、比較例1の場合に34.0dBであるのに対し
て、実施例1の場合41.5dBと7.5dBのCNR増
加が観測されている。これは、面内磁化層3により、記
録層4に対する磁化マスクが効き、再生分解能が上がっ
たことによるものである。
【0044】次に、表1は、実施例1における再生層1
と面内磁化層3の膜厚を変えて、0.3μmでのCNR
を測定した結果を示すものである。
【0045】
【表1】
【0046】表1において、面内磁化層膜厚0nmは、
面内磁化層3を形成していない比較例1の結果を示して
いる。面内磁化層3の膜厚を2nmと極めて薄くした場
合においても、面内磁化マスクの強化が実現することに
より、CNRが1dB上昇する。面内磁化層3の膜厚と
しては、30nmまで面内磁化マスクの強化が実現する
ことにより、CNRが上昇して行くが、それ以上厚くす
るとCNRは低下する。これは、記録層と再生層の間が
離れてしまうこと。面内磁化マスクが強化され過ぎ、磁
気的なアパーチャーが開きにくくなっている影響を受け
て、再生層の完全な垂直磁化状態が得られなくなること
によるものであると考えられる。以上のことより、比較
例1よりも高いCNRの得られる面内磁化層3の膜厚
は、2〜40nmの範囲であることが分かる。
【0047】また、再生層1の膜厚を8nmにすると、
再生信号が小さくなり、そのCNRは比較例1よりも低
くなってしまう。さらに、再生層1の膜厚を120nm
にすると、再生層1に発生する磁壁エネルギーが増加
し、温度上昇した部分において完全な垂直磁化状態が得
られなくなり、そのCNRは比較例1よりも低くなって
しまう。表1から、比較例1よりも高いCNRの得られ
る再生層1の膜厚は、10〜80nmの範囲であること
が分かる。
【0048】次に、表2は、実施例1における非磁性中
間層2の膜厚を変えて、0.3μmでのCNR、及び、
消去に必要な磁界(消去磁界)を測定した結果を示すも
のである。
【0049】
【表2】
【0050】表2から、非磁性中間層2の膜厚が0.5
nmの場合、CNRが著しく低下していることがわか
る。これは、非磁性中間層2の膜厚が薄すぎるため、良
好な静磁結合状態が得られなかったことによるものと考
えられる。非磁性中間層2の膜厚が1nmの時、最大の
CNRが得られ、非磁性中間層2の膜厚が大きくなるに
つれて、静磁結合力が小さくなるとともにCNRが低下
していくことがわかる。上記比較例1よりも高いCNR
の得るためには、非磁性中間層2の膜厚を1〜80nm
の範囲に設定する必要のあることがであることが分か
る。
【0051】さらに、非磁性中間層2の膜厚を厚くする
ことにより、再生層1と記録層4との静磁結合力が小さ
くなることにより、消去磁界が小さくなることがわか
る。消去磁界を実用的な31kA/m以下の範囲にする
ためには、非磁性中間層2の膜厚を4nm以上とするこ
とが更に望ましい。
【0052】(実施の形態2)本実施の形態では、上記
した実施の形態1で示した光磁気ディスクの具体例にお
いて、面内磁化層3として異なる組成のものを用いた例
について説明する。
【0053】実施の形態1においては、面内磁化層3と
してキュリー温度が120℃の(Gd0.11Fe0.89
0.75Al0.25を用いた場合の記録再生特性を示したが、
本実施の形態においては、面内磁化層3のAl含有率を
変えて記録再生特性を調査した結果を記述する。
【0054】表3は、面内磁化層3を膜厚30nmの
(Gd0.11Fe0.89XAl1-Xとして、X(atom
比)の値を変えて、面内磁化層3のキュリー温度T
C2と、波長680nmの半導体レーザを用いた光ピック
アップで測定した0.3μmでのCNR(信号対雑音
比)とを測定した結果を示すものである。
【0055】
【表3】
【0056】表3において、面内磁化層3を形成してい
ない比較例1において得られたCNR(34.0dB)
よりも高いCNRが得られるのは、0.30<X<1.0
0の範囲であることがわかる。本実施の形態において用
いた再生層1は、実施の形態1と同じものであり、12
0℃の温度で垂直磁化状態となる。すなわち、面内磁化
層3は、120℃以下の温度において、再生層の面内磁
化マスクを強調することができればよく、面内磁化層3
のキュリー温度の最適値は、120℃ということにな
る。しかし、本実施の形態に示すように、面内磁化層3
のキュリー温度が、60℃以上、220℃以下におい
て、比較例1よりも高いCNRが得られており、面内磁
化層のキュリー温度を60℃以上220℃以下とするこ
とにより、磁化マスクを形成することが可能となる。
【0057】また、本実施の形態においては、面内磁化
層3として、GdFeAlを用いた結果について記述し
ているが、上記キュリー温度範囲(60℃〜220℃)
で面内磁化であることを満足すればよく、他に、NdF
e、NdFeAl、DyFe、DyFeAlからなる面
内磁化層3を用いることが可能である。
【0058】(実施の形態3)本実施の形態は、実施の
形態1の具体例において、面内磁化層3として他の材料
のものを用いた場合の例について説明する。
【0059】実施の形態1においては、キュリー温度が
120℃の(Gd0.11Fe0.890.75Al0.25を用いた
場合の記録再生特性を示したが、本実施の形態において
は、面内磁化層3として、Al以外の金属元素を用いた
結果について記述する。
【0060】表4は、面内磁化層3に膜厚20nmの
(Gd0.11Fe0.890.750.25を用いた時の面内磁化
層3のキュリー温度TC2と、波長680nmの半導体レ
ーザを用いた光ピックアップで測定した0.3μmでの
CNR(信号対雑音比)とを測定した結果を示すもので
ある。ここで、Zとしては、Ti、Ta、Pt、Au、
Cu、Al0.5Ti0.5、Al0.5Ta0.5を用いた。
【0061】
【表4】
【0062】表4より、Zとして、Ti、Ta、Pt、
Au、Cu、Al0.5Ti0.5、Al0.5Ta0.5を用いた
すべての場合において、比較例1よりも高いCNRが得
られていることがわかる。実施の形態2において記述し
たように、面内磁化層3のキュリー温度が60℃〜22
0℃の範囲にあればよく、他に、NdFeTi、NdF
eTa、DyFeTi、DyFeTaからなる面内磁化
層を用いることが可能である。
【0063】(実施の形態4)本発明の実施の形態4に
ついて図5に基づいて説明すれば以下の通りである。本
実施の形態では、光磁気記録媒体として光磁気ディスク
を適用した場合について説明する。但し、実施の形態1
〜3と同一部分については説明を省略する。
【0064】本実施の形態4に係る光磁気ディスクは、
図5に示すように、基板6、透明誘電体層7、再生層
1、非磁性中間層2、反射層10、面内磁化層3、記録
層4、保護層8、オーバーコート層9が、この順にて積
層されたディスク本体を有している。
【0065】実施の形態1においては、面内磁化層3の
膜厚が10nmより小さくなった場合、再生層1と非磁
性中間層2とを透過した光ビーム5が記録層4により反
射され、再生信号に記録層4の情報が混入することにな
る。
【0066】本実施の形態4の光磁気ディスクは、実施
の形態1に記載の光磁気ディスクにおいて、非磁性中間
層2と面内磁化層3との間に、反射層10が形成された
構成を有している。このようにすることにより、再生層
1を透過した光ビーム5は反射層10により反射され、
再生信号に記録層4の不要な情報が混入することを防ぐ
ことが可能となる。
【0067】以下、本実施の形態の光磁気ディスクの具
体例について(1)形成方法、(2)記録再生特性に分
けて説明する。
【0068】(1)形成方法 本実施の形態の光磁気ディスクは、実施の形態1の光磁
気ディスクの形成方法において、非磁性中間層2と面内
磁化層3との間に、Alからなる反射層10を形成して
おり、基板6、透明誘電体層7、再生層1、非磁性中間
層2、面内磁化層3、記録層4、保護層8、オーバーコ
ート層9は、実施の形態1と同様にして、再生層1の膜
厚を17.5nmとし、面内磁化層3の膜厚を7.5nm
として形成した。
【0069】ここで、Al反射層10は、非磁性中間層
2を形成した後、再度、スパッタ装置内を1×10-6
orrまで真空排気した後、アルゴンガスを導入し、A
lターゲットに電力を供給して、ガス圧4×10-3To
rrとし、上記非磁性中間層2上に、Alからなる反射
層10を膜厚2〜80nmで形成した。
【0070】(2)記録再生特性 表5は、本実施の形態の光磁気ディスクにおける反射層
10の膜厚を変えて、波長680nmの半導体レーザを
用いた光ピックアップで測定した0.3μmでのCNR
(信号対雑音比)を示すものである。
【0071】
【表5】
【0072】表5において、反射層膜厚0nmは、反射
層10を形成していない比較例2の結果を示している。
反射層10の膜厚を2nmと極めて薄くした場合におい
ても、記録層4からの情報再生遮断の効果が見られ、C
NRが0.5dB上昇する。反射層10の膜厚を厚くす
ることにより、CNRは徐々に大きくなり、該膜厚20
nmでCNRが極大となる。これは、反射層膜厚増加に
伴い、記録層4からの情報再生遮断の効果がより顕著に
なるためである。該膜厚30nm以上でCNRが低下し
ているが、記録層4と再生層1との距離が大きくなるこ
とにより、両者間に働く静磁結合力が弱くなることによ
るものである。以上のことより、比較例2よりも高いC
NRの得るためには、反射層10の膜厚を2〜50nm
の範囲で設定する必要があることがわかる。
【0073】(実施の形態5)本実施の形態では、実施
の形態4の具体例における反射層10として異なる材料
のものを使用した場合について説明する。
【0074】実施の形態4では、Alを用いた再生特性
について記述しているが、本実施の形態においては、そ
の記録特性を改善すべく、反射層10として、AlとA
l以外の金属との合金を用いた結果について記述する。
【0075】表6は、反射層10を膜厚20nmのAl
1-XFeXとして、X(atom比)の値を変えて、波長
680nmの半導体レーザを用いた光ピックアップで測
定した0.3μmでのCNR(信号対雑音比)と消去磁
界の大きさを示している。
【0076】
【表6】
【0077】表6より、Fe含有量が多くなるにしたが
って、すなわち、Xが0.10よりも大きくなるにつれ
て、CNRが徐々に小さくなっているが、いずれのCN
Rも比較例2よりも大きく、反射層10を形成した効果
が見られる。一方、消去磁界を見ると、純粋なAlから
なる反射層10を用いた場合、50kA/mと大きな消
去磁界が必要であるのにたいして、Xを0.02以上0.
50以下に設定することにより、消去磁界を小さくする
ことが可能であった。
【0078】次に、表7は、反射層10を膜厚20nm
のAl1-XNiXとして、X(atom比)の値を変え
て、波長680nmの半導体レーザを用いた光ピックア
ップで測定した0.3μmでのCNR(信号対雑音比)
と消去磁界の大きさを示している。
【0079】
【表7】
【0080】表7より、Feを含有した場合と同様に、
Xを0.02以上0.50以下に設定することにより、消
去磁界を小さくすることが可能であった。
【0081】Fe、Ni以外に、Co、Gd、Tb、D
y、Nd等の磁性金属を同様にしてAlに含有させるこ
とにより、消去磁界を小さくすることが可能である。
【0082】(実施の形態6)本実施の形態では、実施
の形態4の具体例における反射層10として更に異なる
材料のものを用いた場合について説明する。
【0083】実施の形態5においては、反射層10とし
て、Alに磁性金属元素を含有させた結果について記述
しているが、本実施の形態においては、Alに非磁性金
属元素を含有させた場合の記録特性改善について記述す
る。
【0084】表8は、反射層10を膜厚20nmのAl
1-XTiXとして、X(atom比)の値を変えて、波長
680nmの半導体レーザを用いた光ピックアップで測
定した0.3μmでのCNR(信号対雑音比)と消去磁
界の大きさを示している。
【0085】
【表8】
【0086】表8より、Ti含有量が多くなるにしたが
って、すなわち、Xが0.10よりも大きくなるにつれ
て、CNRが徐々に小さくなっているが、いずれのCN
Rも比較例2よりも大きく、反射層10を形成した効果
が見られる。一方、消去磁界を見ると、純粋なAlから
なる反射層10を用いた場合、50kA/mと大きな消
去磁界が必要であるのに対して、Xを0.02以上0.9
8以下に設定することにより、消去磁界を小さくするこ
とが可能であった。
【0087】次に、表9は、反射層10として、Ti以
外の非磁性元素をAlに含有した場合の消去磁界低減効
果について示すものであり、反射層10をAl0.50.5
として、ZをTi以外の非磁性金属を用いた場合におけ
る、波長680nmの半導体レーザを用いた光ピックア
ップで測定した0.3μmでのCNR(信号対雑音比)
と消去磁界の大きさを示している。
【0088】
【表9】
【0089】表9より、Zとして非磁性金属であるT
a、Pt、Au、Cu、Siを用いた場合において、い
ずれのCNRも比較例2よりも大きく、反射層10を形
成した効果が見られる。一方、消去磁界を見ると、Al
にTiを含有させた場合と同様に、消去磁界を小さくす
ることが可能であった。
【0090】尚、以上の実施の形態1〜6では再生層1
として室温で面内磁化状態であり高温状態で垂直磁化状
態となる磁性層を用いているが、少なくとも信号再生領
域(再生時に所定温度(再生温度)以上に加熱された領
域)で垂直磁化状態となるものであれば使用することが
できる。
【0091】また、実施の形態1〜6では面内磁化層3
を使用しているが、この層の代わりに室温で面内磁化
状態であり高温で垂直磁化状態となる磁性層や、遷移
金属副格子磁化の方向が記録層4と同じ方向を向き、し
かも遷移金属副格子磁化と希土類金属副格子磁化の総和
が記録層4と逆方向を向く垂直磁化層を使用することが
できる。さらに、実施の形態1〜6の面内磁化層3や上
記の磁性層は記録層4に隣接している必要はなく、
記録層4に静磁結合しているものであってもよい。
【0092】以下に以上の実施の形態で説明した光磁気
記録媒体及びその再生方法の効果を説明する。
【0093】(1)本発明の光磁気記録媒体では、少な
くとも室温において再生層に記録層からの磁化が伝わる
ことを抑制できるため、再生時に隣接する記録磁区から
の磁化の影響を排除して、所望の記録磁区からの情報の
みを取り出すことが可能となり、記録密度の増大が実現
できる。これにより小さいビット径及び小さい記録ビッ
ト間隔での記録再生が可能となる。
【0094】(2)また、再生層の安定磁区の面積を記
録磁区の面積よりも大きくすることで、再生信号量を増
大することができ信号品質を向上できる。
【0095】(3)また、再生層が室温で面内磁化状態
であれば、よけいな信号を再生しなくてもよく有利であ
る。再生層に生成された磁区の外側は、すべてノイズ成
分となる可能性があり、このように室温で面内磁化を示
すようにすれば、記録層より転写して拡大した磁区のみ
が垂直であり、垂直領域からのみの信号再生が可能とな
る。
【0096】(4)さらに、面内磁化層を磁化マスクに
用いると、面内磁化層により、室温では記録層から発生
する磁界を吸収して再生層における記録層からの磁界を
遮断できる。一方、再生用のレーザービームを照射によ
り加熱された場合には、磁化が減少するため、上記磁界
の遮断効果がなくなり、その加熱領域において記録層か
らの磁束が再生層に漏れて、再生層を記録情報に応じた
垂直磁化にすることができる。ここでは、加熱された微
小領域からのみの情報が再生層に伝わることになるた
め、小さい記録ビット長及び小さい記録ビット間隔で記
録再生を行った場合においても、十分な再生信号を得る
ことができる。
【0097】(5)また、上記面内磁化層の室温におけ
る磁化を記録層の室温における磁化よりも大きくしてお
けば、上記磁界の遮断効果を確実に行うことができる。
【0098】(6)さらに、再生時の加熱により、面内
磁化層はキュリー温度以上となり磁化が消失し、記録層
はその時点において記録された情報を保持するためキュ
リー温度以下としておくことが望ましい、すなわち、記
録層のキュリー温度を面内磁化層のキュリー温度よりも
低く設定しておくことが望ましい。
【0099】(7)また、再生層は、再生特性が求めら
れるため、記録層よりもキュリー温度が高い方が有利で
ある。
【0100】(8)光磁気ディスク基板上に、透明誘電
体層、再生層、非磁性中間層、面内磁化層、記録層、保
護層を順次形成すれば、記録層に小さく記録されたビッ
ト情報の1部を、面内磁化層による磁化マスクで選択
し、再生層の磁区で大きく拡大して再生でき、高密度記
録においても、十分大きな信号強度が得られる。また、
非磁性中間層により再生層と面内磁化層との交換結合を
完全に遮断し、再生層と記録層との間に良好な静磁結合
を実現することが可能となる。
【0101】(9)上記(8)において面内磁化層の膜
厚を2nm以上40nm以下とすれば、面内磁化層によ
る記録層のマスク効果が良好な状態に設定される。ま
た、安定した磁区拡大再生が可能となる。
【0102】(10)上記(8)において、再生層の膜
厚が、10nm以上80nm以下であれば、再生層にお
ける磁区を安定させることが可能となるとともに、光の
干渉効果が大きくなり良好な再生信号を得ることが可能
となる。
【0103】(11)上記(8)において、非磁性中間
層の膜厚を1nm以上80nm以下とすれば、非磁性中
間層膜厚が最適化されることにより、良好な静磁結合状
態が実現され、磁気的超解像再生を実現できるととも
に、光学的な干渉効果も大きくなるという効果を奏す
る。
【0104】(12)上記(8)において、非磁性中間
層と記録層との間に反射層を形成しておけば、再生層の
膜厚が薄くなり、再生層を透過した再生用の光ビームが
反射層により反射され、信号再生にとって不要な記録層
からの情報再生を、光学的に完全に遮断することが可能
となり、信号再生特性が改善される。
【0105】(13)上記(12)において、反射層を
Alとして、その膜厚を2nm以上40nm以下とすれ
ば、Alからなる反射層膜厚が最適化されることによ
り、再生用の光ビームが反射層により反射され、磁気的
超解像再生信号再生特性が改善されるとともに、再生層
と記録層との間に働く静磁結合力を良好な状態に維持す
ることが可能となる。
【0106】(14)上記(12)において、反射層を
Alと磁性金属との合金とすれば、反射層合金は、Al
に比べて熱伝導率が低いため、レーザービームによる加
熱時の媒体温度分布が急峻になり、良好な磁気増幅再生
を実現することが可能となるとともに、反射層上に形成
される記録層の磁気特性が改善され、より小さな消去磁
界で消去可能な光磁気記録媒体を提供することが可能と
なる。
【0107】(15)上記(14)において、反射層を
Al1-XFeXとして、X(atom比)を0.02以上
0.50以下とすれば、良好な磁気増幅再生を実現する
ことが可能となるとともに、反射層上に形成される記録
層の磁気特性が最適化され、より小さな消去磁界で消去
可能な光磁気ディスクを提供することが可能となる。
【0108】(16)上記(14)において、反射層を
Al1-XNiXとして、X(atom比)を0.02以上
0.50以下とすれば、良好な磁気増幅再生を実現する
ことが可能となるとともに、反射層上に形成される記録
層の磁気特性が最適化され、より小さな消去磁界で消去
可能な光磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【0109】(17)上記(12)において、反射層を
Alと非磁性金属との合金すれば、良好な磁気増幅再生
を実現することが可能となるとともに、反射層上に形成
される記録層の磁気特性が改善され、より小さな消去磁
界で消去可能な光磁気ディスクを提供することが可能と
なる。
【0110】(18)上記(17)において、非磁性金
属をTi、Ta、Pt、Au、Cu、Siのいずれかの
元素とすれば、良好な磁気増幅再生を実現することが可
能となるとともに、反射層上に形成される記録層の磁気
特性が改善され、より小さな消去磁界で消去可能な光磁
気ディスクを提供することが可能となる。
【0111】(19)上記(17)において、非磁性金
属をAl1-XTiXとして、X(atom比)が0.02
以上0.98以下とすれば、良好な磁気増幅再生を実現
することが可能となるとともに、反射層上に形成される
記録層の磁気特性が最適化され、より小さな消去磁界で
消去可能な光磁気ディスクを提供することが可能とな
る。
【0112】(20)上記(8)において、面内磁化層
をGdFe合金、GdFeAl合金、GdFeTi合
金、GdFeTa合金、GdFePt合金、GdFeA
u合金、GdFeCu合金、GdFeAlTi合金、G
dFeAlTa合金のいずれかの合金とすれば、再生層
の安定した磁区が可能となり、記録層から出てくる磁界
に対し、正しく反応することができ、良好な磁区拡大再
生を実現することが可能となる。
【0113】(21)上記(8)において、面内磁化層
を(Gd0.11Fe0.89XAl1-Xとし、X(atom
比)を0.30以上1.00以下とすれば、面内磁化層の
磁気特性が最適化されることにより、記録層と面内磁化
層との間の良好な交換結合状態を実現することができ、
良好な磁区拡大再生を実現できる。
【0114】(22)上記(8)において、面内磁化層
のキュリー温度を60℃以上220℃以下とすれば、面
内磁化層のキュリー温度が最適化されることにより、面
内磁化層のキュリー温度以下の温度では、記録層の磁化
を面内磁化で再生層から遮断し(磁化マスクし)、面内
磁化層のキュリー温度以上の温度で、面内磁化層と再生
層との間の静磁結合を良好に保ち、安定な磁区拡大再生
を実現することが可能となる。
【0115】(23)本発明の光磁気記録媒体から情報
を再生する際、再生層に作られた磁区を、一旦消去して
いくことが、スムーズな再生動作につながるため、再生
用のレーザービームをパルス発光させれば、レーザーが
消光している間に磁区を消滅させるとともに、レーザー
が発光している間に媒体温度を上昇させて、再生層に記
録層の記録磁区を転写させ信号再生を行うことができ、
再生信号品質をより高品質とすることができる。
【0116】
【発明の効果】本発明では、再生層が垂直磁化状態とな
る温度近傍にキュリー温度を有する面内磁化層を、再生
層と記録層の間で再生層から離れた位置に有しているた
め、室温においては記録層から再生層への磁化の漏洩を
抑制できる。また、再生時に加熱された時には記録層か
らの磁化ゐ再生層に転写することができる。したがっ
て、隣接記録ビットの影響を受けない良好な再生動作を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気ディスクの一例における再生原
理を説明する図である。
【図2】従来の光磁気ディスクの再生原理を説明する図
である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光磁気ディスクの
記録媒体の膜構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光磁気ディスクの
記録再生特性を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係る光磁気ディスクの
記録媒体の膜構成を示す図である。
【図6】従来の光磁気ディスクにおける磁区拡大再生の
原理を説明する図である。
【図7】従来の光磁気ディスクにおける磁区拡大再生の
問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 再生層 2 非磁性中間層 3 面内磁化層 4 記録層 5 光ビーム 6 基板 7 透明誘電体層 8 保護層 9 オーバーコート層 10 反射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広兼 順司 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−295479(JP,A) 特開 平10−21595(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で面内磁化状態であり所定温度以上
    の温度で垂直磁化状態となる再生層と、該再生層に静磁
    結合する垂直磁化膜からなる記録層と、を有する光磁気
    記録媒体において、 前記再生層と前記記録層との間で前記再生層から離間し
    て配され、前記所定温度近傍にキュリー温度を有する面
    内磁化層を有していることを特徴とする光磁気記録媒
    体。
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