JP3208275B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP3208275B2
JP3208275B2 JP03191195A JP3191195A JP3208275B2 JP 3208275 B2 JP3208275 B2 JP 3208275B2 JP 03191195 A JP03191195 A JP 03191195A JP 3191195 A JP3191195 A JP 3191195A JP 3208275 B2 JP3208275 B2 JP 3208275B2
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    • G11B11/10586Record carriers characterised by the selection of the material or by the structure or form characterised by the selection of the material
    • G11B11/10589Details
    • G11B11/10593Details for improving read-out properties, e.g. polarisation of light

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録装置に適用
される、 例えば光磁気ディスク、光磁気テープ、光磁
気カード等の光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスクは、書き換えが可能な光
ディスクとして研究開発が進められており、その一部は
既にコンピューター用の外部メモリとして実用化がなさ
れている。
【0003】記録媒体として垂直磁化膜を用いる光磁気
ディスクでは、光を利用して記録再生を行うため、面内
磁化膜を用いたフロッピーディスクあるいはハードディ
スクに比べて、記録容量を大きくすることができる。と
ころが、光磁気ディスクの記録密度は、光磁気ディスク
上の光ビームスポットの大きさに制約を受ける。これ
は、記録ビット径及び記録ビットの間隔が光ビームスポ
ットの大きさに比べて小さくなると、光ビームスポット
の中に複数のビットが入るため、各記録ビットを分離し
て再生することができないためである。
【0004】記録密度を向上させるためビームスポット
の大きさを小さくするには、レーザー光の波長を短くす
ることが有効であるが、現在市販されている半導体レー
ザーは680nmの波長のものが最短であり、 より短
波長を有する半導体レーザーはいまだ開発途上にある。
したがって、現在市販されている波長のレーザーを用
いて光磁気ディスクの記録密度をさらに大きくすること
は困難である。
【0005】これに対して、例えばMagnet−Op
tical RecordingInternatio
nal Symposium’94,Post Dea
dLine Technical Digests,
p.14では、記録層と再生層の2つの磁性層を備えた
光磁気ディスクを用いて磁界を印加しながら再生するこ
とで、光ビームスポットより小さいビットを読み出すこ
とができ、記録密度を向上できることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
磁界を印加しながら再生する方法では、再生時に必要な
磁界が800Oe以上と比較的大きなものであるため、
磁界発生装置に電磁石を用いた場合には消費電力が大き
くなるという問題点がある。また、消費電力を考慮して
磁界発生装置に永久磁石を用いた場合には装置が大型化
するという問題点がある。
【0007】本発明ではこれらの問題点に鑑み、再生時
に必要な磁界を小さくでき、消費電力が小さく、磁界発
生装置の小型化の妨げとなる永久磁石を必要としない光
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明の光磁気記録媒体では、光磁気記録した情報を
読み出すための垂直磁気異方性をもち、180℃に補償
温度を有する希土類遷移金属合金からなる磁性層である
再生層と、情報を光磁気記録するための垂直磁気異方性
をもち、室温で遷移金属副格子磁化が希土類金属副格子
磁化より優勢である組成の希土類遷移金属合金からなる
磁性層である記録層とを含む磁気多重層を有し、前記再
生層の厚みをh1、室温(ta)における保磁力をHc
1(ta)、飽和磁化をMs1(ta)、前記記録層の飽和磁
化をMs2(ta)、再生層と記録層の間にできる磁壁の
磁壁エネルギをσw(ta)、室温以上の所定温度(tm)
以上の温度(t)における前記再生層の保磁力をHc
1(t)、飽和磁化をMs1(t)、前記記録層の飽和磁化を
Ms2(t)、再生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エ
ネルギをσw(t)とするとき、 Hc1(ta)+σw(ta)/2Ms1(ta)h1 <-Hc1(t)+σw(t)/2Ms1(t)h1 40nm≦h1≦120nm 1×10-4≦σw(ta)≦1×10-3(J/m2) 0.06(T)≦Ms2(ta)≦0.2(T) を満たすことを特徴としている。
【0009】
【0010】また、光磁気記録した情報を読み出すため
の垂直磁気異方性をもち、180℃に補償温度を有する
希土類遷移金属合金からなる磁性層である再生層と、情
報を光磁気記録するための垂直磁気異方性をもち、室温
で遷移金属副格子磁化が希土類金属副格子磁化より優勢
である組成の希土類遷移金属合金からなる磁性層である
記録層とを含む磁気多重層を有し、前記再生層の厚みを
1、室温(ta)における保磁力をHc1(ta)、飽和磁
化をMs1(ta)、前記記録層の飽和磁化をMs2(t
a)、再生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エネルギ
をσw(ta)、室温以上の所定温度(tm)以上の温度
(t)における前記再生層の保磁力をHc1(t)、飽和磁
化をMs1(t)、前記記録層の飽和磁化をMs2(t)、再
生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エネルギをσw
(t)とするとき、 Hc1(ta)+σw(ta)/2Ms1(ta)h1 <-Hc1(t)+σw(t)/2Ms1(t)h1 40nm≦h1≦120nm 1×10-4≦σw(ta)≦1×10-3(J/m2) 0.07(T)≦Ms1(ta)≦0.2(T) 0.06(T)≦Ms2(ta)≦0.2(T) を満たすことを特徴としている。
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】再生時に必要な印加磁界の大きさは、再生層の
保磁力、膜厚、飽和磁化及び再生層と記録層の界面に蓄
えられる磁壁エネルギによって範囲が設定される。した
がって、本発明の光磁気記録媒体では、前述の条件をそ
れぞれ満たす構成であることから、再生時に必要な印加
磁界を小さくすることができる。
【0014】
【実施例】・参考例1 参考例1 の光磁気ディスク(光磁気記録媒体)は、図1
に示すように基板1、透明誘電体層2、再生層3、記録
層5、保護層6及びオーバーコート層7がこの順に積層
された構造をしており、再生光ビーム21が対物レンズ
22を介して再生層3を照射し、光磁気ディスクを挟ん
で対物レンズと対向する位置に磁石23が配置される構
成となっている。ここでは、磁気2重層を有する試料と
して、ガラス基板1上にAlN誘電体膜2を70nm、
再生層3の膜厚は種々に変化させ、記録層5を50n
m、AlN誘電体膜6を50nm積層したものを作製し
た。再生層3にはフェリ磁性体であるGdFeCo希土
類遷移金属合金を用いる。GdFeCo希土類遷移金属
合金層は補償温度が180℃で、キュリー温度は330
℃である。また、上記記録層5にはフェリ磁性体である
DyFeCo希土類遷移金属合金を用いる。DyFeC
o希土類遷移金属合金層は補償温度が室温で、キュリー
温度は240℃である。
【0015】図3及び図4は、磁気2重層を有する試料
のうち、GdFeCo再生層3の膜厚が50nmのもの
をガラス基板側より630nmの光を照射して測定した
ときの、室温及び160℃でのカーヒステリシスループ
を示すものである。実線の矢印はループの軌跡が描かれ
る方向を表している。図中白抜きで示した矢印は、代表
的な磁界での上記磁気二重層中の遷移金属副格子磁化の
磁化方向を模式的に示したもので、上がGdFeCo層
3の遷移金属副格子磁化、下がDyFeCo層5の遷移
金属副格子磁化を示している。また、波線で示した矢印
は外部磁界の方向である。外部磁界が正のときは膜面に
垂直に、上向きに磁界が印加されることを表し、外部磁
界が負のときは下向きに磁界が印加されている。 遷移
金属副格子磁化の方向を表す白抜きの矢印は、この外部
磁界の方向に対応してその方向が示されている。外部磁
場は−1.5kOeから+1.5kOeの範囲で変化さ
せた。図3は室温のもので、 図4は160℃における
結果を表している。
【0016】室温でH1以上の大きさの外部磁界を垂直
方向に印加すると、図3に示すようにGdFeCo層3
の遷移金属副格子磁化は外部磁界に従った方向を向く。
図では、H1以上の磁界では外部磁界に従って下を向き
(室温ではGdFeCo層3は希土類金属副格子磁化が
遷移金属副格子磁化より優勢であるため、磁化が外部磁
界に従うときは遷移金属副格子磁化は外部磁界と逆方向
を向く)、H2以下の磁界ではDyFeCo層5との交
換結合力に従って上を向く。なお図において、DyFe
Co層5の遷移金属副格子磁化の向きが全ての外部磁界
で同一方向(図では上向き)であるのは、DyFeCo
層5が室温に補償温度をもっており、−1.5≦H≦
1.5(kOe)の範囲で外部磁界を変化させても磁化
反転を起こさないためである。
【0017】また、160℃でH3以上の大きさの外部
磁界を垂直方向に印加すると、図4に示すようにGdF
eCo層3の遷移金属副格子磁化は外部磁界に従って下
を向き、H4以下の磁界ではDyFeCo層5との交換
結合力に従って上を向く。なお図において、DyFeC
o層5の遷移金属副格子磁化の向きが常に上向きである
のは、 DyFeCo層5が−1.5≦H≦1.5(k
Oe)の範囲で磁化反転を起こさないためである。
【0018】再生動作時には、図1に示す再生光ビーム
21が、基板1側から対物レンズ22を介して再生層3
に照射される。再生光ビーム21が照射された再生層3
の領域は、中心近傍で温度が最も上昇し、周辺の部位よ
りも高温になる。これは、再生光ビーム21が対物レン
ズ22により回折限界まで絞り込まれているためその光
強度分布がガウス分布になり、光磁気ディスク上の光ビ
ーム照射部の温度分布もほぼガウス分布になるためであ
る。
【0019】中心近傍の温度が上昇し、周辺部位の温度
が室温付近になるように再生光ビーム21の強度を設定
した場合、光ビーム径よりも小さい中心近傍の領域のみ
が再生に関与する。これは、再生層3の昇温した中心近
傍の領域は、図4に示すようにH3以上またはH4以下の
外部磁界で副格子磁化の向きが変化する特性を有する一
方、周辺部位では温度が室温に近いため、図3に示すよ
うにH1以上またはH2以下の外部磁界で副格子磁化の向
きが変化する特性を有していることによる。したがっ
て、磁石23を用いてH1とH4の間にある外部磁界Hr
を印加した場合、再生層3の光ビーム照射部の中心近傍
の遷移金属副格子磁化は、上記外部磁界Hrの強度がH
4よりも小さいので記録層5からの交換結合力に従った
方向を向き、周辺部位の遷移金属副格子磁化は、上記外
部磁界Hrの強度がH1よりも大きいので磁石23から
印加した外部磁界Hrに従った方向を向くこととなる。
【0020】本参考例で用いた磁気2重層は H1<H4 (1) なる条件を満たしており、そこで H1<Hr<H4 (2) を満たす外部磁界Hrを再生時に印加すれば、再生光ビ
ーム21の中心近傍の温度上昇部のみで記録層5の情報
が再生層3に転写され、情報再生に関与する。つまり温
度上昇部以外の読み出し層3の遷移金属副格子磁化は、
記録層5の情報をマスクする働きをする。
【0021】そして、再生光ビーム21が移動して(実
際には光磁気ディスクが回転して)次の記録ビットを再
生する時には、先の再生部位の温度は室温近くまで下が
るため、再生層3の遷移金属副格子磁化が記録層5の遷
移金属副格子磁化に従うことはなく、周辺部位と同様に
外部磁界Hrに従った方向を向くため、先の再生部位は
マスクされることになる。
【0022】ここで、室温での再生層の保磁力をHc1
(室温)、室温での両層界面の磁壁エネルギをσw(室
温)、室温での再生層の飽和磁化をMs1(室温)、再
生層の膜厚をh1、160℃での再生層の保磁力をHc1
(160℃)、160℃での両層界面の磁壁エネルギをσ
w(160℃)、160℃での再生層の飽和磁化をMs
1(160℃)とすると、上記H1、H4はそれぞれ 1 =Hc 1 (室温)+σw(室温)/2Ms 1 (室温)h 1
(3) H4=−Hc1(160℃)+σw(160℃)/2Ms1(1
60℃)h1 (4) である。(3)、(4)式を(2)式に代入すると、H
1(室温)+σw(室温)/2Ms1(室温)h1<Hr <−Hc1(160℃)+σw(160℃)/2Ms1(160℃)h1 (5) となり、外部磁界Hrの範囲が設定される。また、光磁
気ディスクに用いた2重層は(1)式より、 Hc1(室温)+σw(室温)/2Ms1(室温)h1 <−Hc1(160℃)+σw(160℃)/2Ms1(160℃)h1 (6) を満たす必要がある。
【0023】この現象を実現するために再生時に必要な
印加磁界(Hr)は、H1とH4の値を調べることで評価
できる。再生層の膜厚を変化させてH1、H4の値を測定
した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、再生層膜厚を40nm以上とす
ることで比較的小さな印加磁界で再生を行えることがわ
かる。また、IS10089規格(ISOの5.25”
書き換え型光ディスクについて定めた規格)において
は、印加される磁界は600Oe以下であるように定め
られている。したがってこの規格を考慮すれば、再生層
膜厚として40nm以上が必要であるといえる。
【0026】また、図5のグラフは記録ビット長さと再
生信号品質(C/N)との関係を示すものである。この
実験では、ディスクの線速は5m/secに設定し、記
録周波数を変えて記録を行い、そのC/Nを測定した。
光ピックアップの半導体レーザの波長は780nm、対
物レンズ開口数N.A.は0.55のものを用いた。再
生レーザパワーは2.5mWとし、再生時の印加磁界は
各々のディスクで最適な値を選んだ。図中Aで示す曲線
が従来の光磁気ディスクの測定結果で、再生レーザパワ
ーは1mW、また、再生時に磁界は印加しなかった。
【0027】従来の光磁気ディスクは、基板上にAlN
80nm/DyFeCo20nm/AlN25nm/A
lNi30nmをこの順に積層し、AlNi上にオーバ
ーコート層を設けた構成をとっている。すなわち従来の
光磁気ディスクは、希土類遷移金属合金であるDyFe
Co磁性層が1層だけあり、その両側を透明誘電体層か
つ保護層であるAlNで挟み込み、最後に反射膜である
AlNiを設けた構造である。
【0028】この構造は反射膜構造と呼ばれ、既に市販
がなされている3.5インチサイズ単板仕様の光磁気デ
ィスクの代表的な構成である。従来の光磁気ディスクに
おいて、記録ビット長さが短い場合にC/Nが低いの
は、ビット長さが小さくなるにつれ光ビームの照射径の
中に存在するビットの数が増え、ひとつひとつのビット
を識別できなくなるからである。
【0029】ピックアップの光学的分解能を表す一つの
指標として、カットオフ空間周波数があり、これは光源
であるレーザの波長と対物レンズの開口数により定まる
ものである。本実験に用いた光ピックアップの波長(7
80nm)と開口数の値(0.5)を用いてカットオフ
周波数を求め、これを記録ビット長さに換算すると、 780nm/(2*0.55)/2=0.355μm になる。言い換えると、本実験に用いた光ピックアップ
の光学的分解能の限界はビット長さで0.355μmで
ある。上記の従来の光磁気ディスクの測定結果はこれを
反映して、0.35μmでのC/Nがほぼ0になってい
る。
【0030】一方、本参考例の光磁気ディスクは再生層
膜厚を適当な値とすれば、光学的分解能である0.35
5μmよりも短いビットにおいても従来の光磁気ディス
クに比べて大きなC/Nの値が得られている。図より明
らかなように再生層膜厚が40nm以上120nm以下
のときに従来の光磁気ディスクより優れた信号品質が得
られる。再生層膜厚が40nm以上100nm以下であ
るならばさらに望ましい。
【0031】以上より、再生層膜厚h1を40nm以上
にすることにより従来より印加磁界を小さくすることが
でき、さらに、優れた再生信号品質を得るために再生層
膜厚は40nm以上120nm以下にする必要があるこ
とがわかる。
【0032】・参考例2 (5)式より、再生時に必要な印加磁界には室温での界
面の磁壁エネルギσwの大きさが関係してくることがわ
かる。そこで磁壁エネルギσwの影響を調べるために、
図6に示すように基板1、透明誘電体層2、再生層3、
中間層4、記録層5、保護層6、及びオーバーコート層
7がこの順に積層された構成の光磁気ディスクを作製し
た。
【0033】再生層3には、補償温度が180℃、キュ
リー温度が330℃であるGdFeCo希土類遷移金属
合金層を用い、膜厚は50nmとした。記録層5には、
補償温度が室温で、キュリー温度が240℃であるDy
FeCo希土類遷移金属合金層を用い、膜厚は50nm
とした。AlN誘電体膜2の膜厚は70nm、AlN誘
電体膜6の膜厚は50nmである。中間層にはGdFe
Co膜を20nm挿入し、この中間層の垂直磁気異方性
エネルギ(Ku)の大きさを変化させることで、再生層
/記録層間の磁壁エネルギσw(室温)を変化させたデ
ィスクを用意した。表2に磁壁エネルギσw(室温)の
値とビット長さ0.5μmでのC/N及び再生時の最適
の印加磁界を示す。測定は、参考例1と同様の方法を用
いておこなった。
【0034】
【表2】
【0035】表2より、磁壁エネルギσwが1.0×1
-4≦σw(室温)≦1.0×10-3(J/m2)のとき、最
適な印加磁界が600Oe以下と従来よりも小さくな
り、かつ通常の光磁気ディスクよりもC/Nの値が大き
く(即ち、分解能が向上した)なった。σw(室温)≦8
×10-5(J/m2)のときは分解能が向上せず、2×10
-3(J/m2)≦σw(室温)のときは最適な印加磁界が60
0Oeより大きくなる。したがって、印加する外部磁界
を小さくすることができ、かつC/Nの大きな値を得る
には、磁壁エネルギσwが1.0×10-4≦σw(室
温)≦1.0×10-3(J/m)の条件を満たす必要が
あることがわかる。
【0036】・参考例3 続いて、再生層の室温での飽和磁化が再生に必要な印加
磁界に与える影響を調べるために図6に示す構成のディ
スクを作製した。再生層3には、YGdFeCo希土類
遷移金属合金層を用いた。YGdFeCo希土類遷移金
属合金層は補償温度が180℃で、膜厚は50nmであ
る。 組成はYGdFeCoとし非磁性希土類金属であ
るYを添加することで、補償温度を変化させずに室温で
の飽和磁化を変化させた。中間層4にはGdFeCo膜
を20nm挿入し、再生層/記録層間の磁壁エネルギσ
w(室温)は4×10-4(J/m2)とした。記録層5には
補償温度が室温で、キュリー温度が240℃であるDy
FeCo希土類遷移金属合金層を用い、膜厚は50nm
とした。AlN誘電体膜2の膜厚は70nm、AlN誘
電体膜6の膜厚は50nmとした。図7はYx(GdF
eCo)1-xの、xの値と室温での飽和磁化の関係をプ
ロットしたものである。表3に再生層の室温での飽和磁
化の値と、0.5μm長でのC/N及び再生時の最適の
印加磁界を示す。測定は、参考例1で述べたものと同様
の方法を用いた。
【0037】
【表3】
【0038】表3より、再生層の室温での飽和磁化が
0.2(T)以下となると、最適な印加磁界が減少する
効果があることがわかる。C/Nの値が再生層の飽和磁
化の減少とともに小さくなるのはY添加量を多くすると
キュリー温度が下がるためである。したがって、室温に
おける再生層の飽和磁化MsがMs1≦0.2(T)の
条件を満たすことにより、印加する磁界をより小さくす
ることができる。
【0039】・実施例1 記録層の室温での飽和磁化が再生に必要な磁界に与える
影響を調べるために図6に示すディスクを作製した。再
生層3には、補償温度が180℃で、キュリー温度が3
30℃であるGdFeCo希土類遷移金属合金層を用
い、膜厚は50nmとした。中間層4には膜厚20nm
のGdFeCo膜を挿入し、再生層/記録層間の磁壁エ
ネルギσw(室温)を4×10-4(J/m2)とした。
記録層5には膜厚50nmのDyFeCo希土類遷移金
属合金層を用い、Dy濃度を変化させることで室温での
記録層の飽和磁化を変化させた。AlN誘電体膜2の膜
厚は70nm、AlN誘電体膜6は50nmとした。
【0040】図8はDyx(FeCo)1-xで表される
yFeCo希土類遷移金属の、xの値と室温での飽和磁
化の関係をプロットしたものである。図8によれば、x
>0.23のとき希土類金属副格子磁化が遷移金属副格
子磁化に対して優勢となり、x<0.23のとき遷移金
属副格子磁化の方が優勢となる。
【0041】表4に記録層の室温での飽和磁化の値と、
優勢な副格子磁化の種類、0.5μm長でのC/Nの
値、及び再生時の最適の印加磁界の値を示す。測定は、
参考例1で述べたものと同様の方法を用いた。
【0042】
【表4】
【0043】表4より、室温において遷移金属副格子磁
化が希土類金属副格子磁化よりも優勢であり、かつ室温
での飽和磁化の値が0.06(T)以上となるとき、最
適な印加磁界が減少していることがわかる。飽和磁化の
値が0.15(T)以上でC/N値が小さくなるのは、
記録層のキュリー温度付近でカーヒステリシスループの
角形が劣化するためである。
【0044】以上より、室温において記録層の遷移金属
副格子磁化が希土類金属副格子磁化よりも優勢となる組
成であり、かつ室温での記録層の飽和磁化が0.06
(T)以上であるとき、印加する磁界をより小さくでき
ることがわかる。
【0045】・実施例2 参考例3、実施例1 で述べたように、記録層、再生層の
室温での飽和磁化の値は再生に必要な磁界に影響を及ぼ
す。そこで記録層、再生層の室温での飽和磁化の値を同
時に変化させたときの影響を調べるために図6に示すデ
ィスクを作製した。再生層3には補償温度が180℃
で、室温での飽和磁化が0.16(T)であるYGdF
eCo希土類遷移金属合金層を用い、膜厚は50nmと
した。中間層4にはGdFeCo膜を20nm挿入し、
再生層/記録層間の磁壁エネルギσw(室温)は4×1
-4(J/m2)とした。記録層5にはDyFeCo希
土類遷移金属合金層を用い、膜厚は50nm、室温では
遷移金属副格子磁化が優勢で、飽和磁化は0.11
(T)とした。AlN誘電体膜2の膜厚は70nm、A
lN誘電体膜6の膜厚は50nmである。
【0046】表5に0.5μm長でのC/Nの値、及び
再生時の最適の印加磁界の値を示す。測定は参考例1
述べたものと同様の方法を用いておこなった。
【0047】
【表5】
【0048】表5より、上記の条件で最適な印加磁界は
150Oeとなり、前述の参考例1、2、3、実施例1
と比較して最も小さなものとなった。また、C/N値も
大きな値が得られており、参考例3及び実施例1に示し
た再生層3の室温での飽和磁化及び記録層5の飽和磁化
の条件を同時に満たすことにより、さらに印加する磁界
を小さくできることがわかる。
【0049】以上の実施例において、再生層、中間層お
よび記録層の組成、膜厚、合金の種類等は、ここに挙げ
た例に限定されるものではない。希土類遷移金属合金
は、希土類と遷移金属の比率を変えれば保磁力や磁化の
大きさ、界面での磁壁エネルギが大きく変わる材料系で
あるので、上記GdFeCo、YGdFeCo、DyF
eCoの比率を変えればこれに伴って上述の補償温度、
磁壁エネルギ、飽和磁化も変化する。また、希土類遷移
金属合金は希土類と遷移金属の比率を変えれば希土類と
遷移金属の磁化が釣り合う補償温度が変わる材料である
ことから、再生層に用いたGdFeCoやYGdFeC
oに替えてGdDyFeCo、NdGdFeCo、Gd
Co等を使用することが可能であり、また、記録層に用
いたDyFeCoに替えてTbFeCo、GdTbF
e、GdTbFeCo、GdDyFeCo、NdGdF
eCo等を使用することも可能である。再生層に用いた
YGdFeCoは、飽和磁化を調整するためにYを添加
しているが、Y以外の非磁性金属やNiもまた希土類遷
移金属合金に添加された場合飽和磁化を下げる効果があ
るので、Yに換えて添加することも可能である。中間層
のGdFeCoには、他の希土類遷移金属合金やそれに
添加元素を加えたものを使用することも可能である。
また、膜厚方向に組成を連続的に変化させて、 見かけ
上磁気2重層とした磁気多重層で界面の磁壁エネルギを
調整することも可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体は、以上のよう
に、再生時に必要な磁界の大きさを小さくすることがで
きる。これにより記録再生装置の省電力化が実現でき、
また、用いる磁界発生装置も電磁石と小型であることか
ら、装置全体の小型化も実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1の光磁気記録媒体の構成及び再生動作
を説明する模式図である。
【図2】参考例1で用いた試料の断面図である。
【図3】図2に示す光磁気記録媒体における磁気2重層
の再生層側からみた室温でのカーヒステリシスループを
示す図である。
【図4】図2に示す光磁気記録媒体における磁気2重層
の再生層側からみた160℃でのカーヒステリシスループ
を示す図である。
【図5】参考例1に係るC/N値とビット長さとの関係
を再生層の厚みを変えて測定した結果を表す図である。
【図6】参考例2、3、実施例1、2で用いた磁気三重
層を有する光磁気記録媒体の断面図である。
【図7】参考例3に係る再生層へのY添加量と室温での
飽和磁化の関係を表すグラフである。
【図8】実施例1に係る記録層の組成と室温での飽和磁
化の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 透明誘電体層 3 再生層 4 中間層 5 記録層 6 保護層 7 オーバーコート層 21 光ビーム 22 レンズ 23 外部磁界発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−305835(JP,A) 特開 平4−355238(JP,A) 特開 平5−258372(JP,A) 特開 平6−259827(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光磁気記録した情報を読み出すための垂
    直磁気異方性をもち、180℃に補償温度を有する希土
    類遷移金属合金からなる磁性層である再生層と、情報を
    光磁気記録するための垂直磁気異方性をもち、室温で遷
    移金属副格子磁化が希土類金属副格子磁化より優勢であ
    る組成の希土類遷移金属合金からなる磁性層である記録
    層とを含む磁気多重層を有し、前記再生層の厚みを
    1、室温(ta)における保磁力をHc1(ta)、飽和磁
    化をMs1(ta)、前記記録層の飽和磁化をMs2(t
    a)、再生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エネルギ
    をσw(ta)、室温以上の所定温度(tm)以上の温度
    (t)における前記再生層の保磁力をHc1(t)、飽和磁
    化をMs1(t)、前記記録層の飽和磁化をMs2(t)、再
    生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エネルギをσw
    (t)とするとき、 Hc1(ta)+σw(ta)/2Ms1(ta)h1 <-Hc1(t)+σw(t)/2Ms1(t)h1 40nm≦h1≦120nm 1×10-4≦σw(ta)≦1×10-3(J/m2) 0.06(T)≦Ms2(ta)≦0.2(T) を満たすことを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 光磁気記録した情報を読み出すための垂
    直磁気異方性をもち、180℃に補償温度を有する希土
    類遷移金属合金からなる磁性層である再生層と、情報を
    光磁気記録するための垂直磁気異方性をもち、室温で遷
    移金属副格子磁化が希土類金属副格子磁化より優勢であ
    る組成の希土類遷移金属合金からなる磁性層である記録
    層とを含む磁気多重層を有し、前記再生層の厚みを
    1、室温(ta)における保磁力をHc1(ta)、飽和磁
    化をMs1(ta)、前記記録層の飽和磁化をMs2(t
    a)、再生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エネルギ
    をσw(ta)、室温以上の所定温度(tm)以上の温度
    (t)における前記再生層の保磁力をHc1(t)、飽和磁
    化をMs1(t)、前記記録層の飽和磁化をMs2(t)、再
    生層と記録層の間にできる磁壁の磁壁エネルギをσw
    (t)とするとき、 Hc1(ta)+σw(ta)/2Ms1(ta)h1 <-Hc1(t)+σw(t)/2Ms1(t)h1 40nm≦h1≦120nm 1×10-4≦σw(ta)≦1×10-3(J/m2) 0.07(T)≦Ms1(ta)≦0.2(T) 0.06(T)≦Ms2(ta)≦0.2(T) を満たすことを特徴とする光磁気記録媒体。
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