JP2004134064A - 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高密度に情報を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成することができる磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 ディスク基板11と、ディスク基板11の表面に垂直な方向に沿って磁気異方性を有する記録層15とを具備する磁気記録媒体1であって、記録層15は、記録層15の最短マーク長が所望の値にまで小さくなる程度に、室温における記録層15の保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcが十分大きくなるように形成されている。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、レーザ光の照射による温度上昇を利用して情報の記録及び消去を行い、且つ磁気光学効果を利用して記録信号の読み出しを行う磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録再生装置に関する。
 従来、情報記録媒体に光ビームを照射し、その反射光を検出して情報の再生が行える光メモリとして、位相ピットによって情報を記録するROM型のメモリ、光ビームの照射によって記録膜に孔を開けて情報を記録するライトワンス型の光メモリ、光ビームの照射によって記録膜の結晶相を変化させて情報を記録する相変化型光メモリ、および光ビームの照射と磁界の印加とによって記録層の磁化方向を変化させて情報を記録する光磁気メモリなど、種々の光メモリが提案されている。
 これらの光メモリにおいて、信号の再生分解能は、ほとんど再生光の波長λと対物レンズの開口数(N.A.)とで決まり、検出限界のピット周期はほぼλ/(2・N.A.)であった。しかし、再生光の波長λを短くしたり、対物レンズの開口数(N.A.)を大きくすることは容易でないため、記録媒体や再生方法を工夫して情報の記録密度を上げる試みがなされている。
 特に光磁気記録媒体では情報の記録密度を上げるための様々な試みが提案されている。例えば、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を光磁気記録媒体の表面に平行な方向に沿って次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、前述した再生光の波長λと対物レンズの開口数(N.A.)とで決まる検出限界を越えて再生分解能を向上させる技術が開示されている(特開平6−290496号公報参照)。この技術では、再生用光ビームに差し掛かると磁壁が移動する第1の磁性層である再生層が各情報トラック間で磁気的に分離されていると、特に良好な再生信号が得られる。
特開平6−290496号公報
 しかしながら、光磁気記録媒体の記録層に情報を高密度に記録するためには、微小な記録磁区を安定して記録して保持する必要があるが、記録磁区が微小であると、記録時に磁壁が移動して、記録磁区の形状および大きさが不安定になるという問題があった。
 特に、記録層の組成および製膜方法によっては、記録層の垂直磁気異方性が小さくなるために、微小な記録磁区を安定に形成することが難しいという問題を有していた。
 また、磁気的超解像方式を用いて、記録層の記録磁区を再生層に転写させるためには、記録層の垂直磁気異方性を利用した安定な磁気的結合が必要である。記録層の磁気特性に依存して転写特性が変化して転写が不安定になると、転写ノイズおよび磁壁移動に伴うノイズが大きくなり、再生信号の品質が低下するという問題があった。
 また、トラッキングのための溝を光磁気記録媒体のディスク基板に形成すると、溝幅および溝深さ等に伴ってディスク基板の表面形状が変化するため、記録層の垂直磁気異方性および記録膜間の交換結合力等の磁気特性が変化し易いという問題があった。
 本発明の目的は、情報を記録再生するための光スポットの回折限界以下において信号を高速に記録再生可能であって、記録磁区が微小であっても検出信号量が低下しないで信号を再生することができ、記録密度ならびに転送速度を大幅に向上でき、高密度に情報を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成することができる磁気記録媒体とその製造方法および磁気記録再生装置を提供することにある。
 本願発明の構成によれば、記録層のMsHcを大きくするので、マーク長が0.3μm以下の高密度に情報を記録した場合であっても、DWDD方式等の磁気的超解像を用いた再生によって優れた信号特性が得られる。しかも記録磁区が安定して形成保持されているために、繰り返し記録再生に対しても安定な磁気記録媒体とその製造方法および磁気記録再生装置を得ることができる。
 本発明に係る磁気記録媒体は、ディスク基板と、前記ディスク基板の表面に垂直な方向に沿って磁気異方性を有する記録層とを具備する磁気記録媒体であって、前記記録層は、前記記録層の最短マーク長が所望の値にまで小さくなる程度に、室温における前記記録層の保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcが十分大きくなるように形成されていることを特徴とする。
 本明細書において「磁気記録媒体」とは、光ビームによって情報が記録再生される光磁気記録媒体と、磁気ヘッドからの磁界によって情報が記録再生されるハードディスク等の磁気記録媒体との双方を含むものとする。
 本発明に係る磁気記録再生装置は、本発明に係る磁気記録媒体に形成された前記記録層へ記録情報を記録するために設けられた記録手段と、前記記録層に形成された記録磁区を再生層に転写し、転写された前記記録磁区の磁壁を移動させて前記記録情報を再生する再生手段とを具備することを特徴とする。
 本発明によれば、情報を記録再生するための光スポットの回折限界以下において信号を高速に記録再生可能であって、記録磁区が微小であっても検出信号量が低下しないで信号を再生することができ、記録密度ならびに転送速度を大幅に向上でき、高密度に情報を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成することができる磁気記録媒体とその製造方法および磁気記録再生装置を提供することができる。
 本実施の形態に係る磁気記録媒体においては、記録層の最短マーク長が所望の値にまで小さくなる程度に、室温における記録層の保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcが十分大きくなるように記録層が形成されている。このため、記録層のMsHcが大きくなるので、マーク長が0.3μm以下の高密度に情報を記録した場合であっても、DWDD方式等の磁気的超解像を用いた再生によって優れた信号特性が得られる。
 この実施の形態では、前記保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcは、Ms・Hc>3×106erg/cm3、の関係を満たすことが好ましい。
 前記記録層に記録された記録情報を再生するために前記記録層と前記ディスク基板との間に形成された再生層と、前記再生層と前記記録層との間の交換結合を制御するために前記再生層と前記記録層との間に形成された中間層とをさらに具備しており、前記記録情報は、前記記録層に記録磁区として熱磁気記録されており、前記記録磁区は、前記再生層へ転写され、前記再生層へ転写された前記記録磁区の間の磁壁が前記再生層の表面に平行な方向に沿って移動することによって前記記録情報が再生されることが好ましい。
 前記記録層に形成される記録情報のパターンに応じた記録マークの前記最短マーク長が、0.2マイクロメートル以下であることが好ましい。
 前記記録層が、少なくともTb、FeおよびCoまたは超格子構成を含むことが好ましい。
 前記記録層に含まれる前記Tb、FeおよびCoは、周期的に積層されていることが好ましい。
 前記記録層に含まれる前記Tb、FeおよびCoは、2nm以下の厚みで周期的に積層されていることが好ましい。
 前記記録層は、材料、あるいは、組成比の異なる層ごとに2nm以下の厚みで周期的に積層されていることが好ましい。
 前記記録層は、希土類リッチ組成の層と遷移金属リッチ組成の層とが周期的に積層されることによって構成されていることが好ましい。
 前記記録層は、少なくとも表面粗さがRa0.5nm以上である下地層の上に形成されていることが好ましい。
 前記下地層としては、基板、誘電体層もしくは磁性層を用いることが好ましい。
 前記記録層は、不活性ガスを用いた製膜によって形成されることが好ましい。
 前記不活性ガスは、Ne、Ar、KrおよびXeから選択される少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
 前記記録層は、Ne、Ar、KrおよびXe原子から選択される少なくとも1つを含んでいることが好ましい。
 前記記録層に形成される記録磁区の大きさは、少なくとも0.5μm以下であることが好ましい。
 前記ディスク基板上には、前記記録層に形成される記録磁区のパターンに応じたピット形状のパターンが形成されていることが好ましい。
 前記ディスク基板上には、前記記録層に形成される記録磁区の最小パターンよりも小さいピット形状の凹凸のパターンが形成されていることが好ましい。
 本実施の形態に係る磁気記録媒体の製造方法においては、記録層を形成するための下地層の表面の形状をエッチングすることにより変化させる。このため、記録層の保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcが十分大きくなるように記録層が形成される。その結果、記録層のMsHcが大きくなるので、マーク長が0.3μm以下の高密度に情報を記録した場合であっても、DWDD方式等の磁気的超解像を用いた再生によって優れた信号特性が得られる。
 この実施の形態では、前記下地層としては、基板、誘電体層もしくは磁性層を用いることが好ましい。
 前記エッチングは、イオン照射エッチング、プラズマエッチングを含むドライエッチングであることが好ましい。
 本実施の形態に係る磁気記録媒体の他の製造方法においては、記録層を形成する時には、真空室内の到達真空度を、1×10-5Pa以下に真空排気した後に、Arガス、Neガス、KrガスおよびXeガスから選択される少なくとも1つを前記真空室内に導入する。このため、記録層の保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcが十分大きくなるように記録層が形成される。その結果、記録層のMsHcが大きくなるので、マーク長が0.3μm以下の高密度に情報を記録した場合であっても、DWDD方式等の磁気的超解像を用いた再生によって優れた信号特性が得られる。
 この実施の形態では、前記記録層を形成する時における前記真空室内のO2、H2O、N2およびH2の分圧が、製膜圧力に対して100ppm以下であることが好ましい。
 前記真空室内において前記記録膜を形成する時の前記製膜圧力は、0.4Pa以上6.0Pa以下であることが好ましい。
 前記記録層を形成する時の堆積速度が、0.5nm/sec以上10nm/sec以下であることが好ましい。
 本実施の形態に係る磁気記録再生装置においては、記録層に形成された記録磁区を再生層に転写し、転写された前記記録磁区の磁壁を移動させて前記記録情報を再生する。このため、マーク長が0.3μm以下の高密度に情報を記録した場合であっても、DWDD方式等の磁気的超解像を用いた再生によって優れた信号特性が得られる。
 前記再生手段は、前記再生層に温度勾配を形成することによって、前記転写された記録磁区を拡大して前記記録情報を再生することが好ましい。
 前記再生手段は、外部からの高周波磁界を前記再生層に印加することによって、前記転写された記録磁区を外部磁界に応答して拡大して前記記録情報を再生することが好ましい。
 以下に、実施の形態をもって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り以下の実施の形態に限定されるものではない。
 (実施の形態1)
 以下、本発明をその実施の形態について図面を参照にして詳細に説明する。
 図1は本発明の実施の形態1に係る磁気記録媒体(以下、磁気ディスクともいう)の構造を示す断面図である。磁気ディスク1は、ポリカーボネートからなる透明なディスク基板11を備えている。ディスク基板11の上には、記録膜を保護し、媒体の光学的特性を調整するための誘電体層12が形成されている。
 誘電体層12の上には、記録膜18が形成されている。記録膜18は、磁壁の移動によって情報を検出するために形成された再生層13と、情報を保持しておくために形成された記録層15と、再生層13と記録層15との間の交換結合を制御するために再生層13と記録層15との間に形成された中間遮断層14(あるいは、中間層)とを含んでいる。記録層15の上には、記録膜18を保護するための誘電体層16と保護コート層17とがこの順番に形成されている。
 図1で示した本発明の実施の形態1における磁気記録媒体1は、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を再生層13の表面に平行な方向に沿って次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、再生用光ビームの波長と対物レンズの開口数とで決まる検出限界を越えて超解像再生が可能となるDWDD方式を適用することができるように構成されている。
 なお、上述した構成に積層した記録膜18は、磁壁の移動を利用して、再生信号の振幅を大きくする方法であるDWDD方式(Domain Wall Displacement Detection)を適用することができる構成の一例であり、例えば特開平6−290496号公報に記載される如く、大きな界面飽和保磁力を有する磁性膜を記録層15とし、小さな界面飽和保磁力を有する磁性膜を磁壁が移動する再生層13とし、比較的低いキュリー温度を有する磁性膜を切り換えのための中間遮断層14として用いている。しかしながら、本発明はこれに限定されない。DWDD方式を適用することができる磁性膜によって記録膜18を構成すればよく、この膜構成に限るものではない。
 上記したDWDD方式の再生原理を図2を参照しながら説明する。
 図2(a)は、回転している磁気ディスク1に形成された記録膜18の断面を模式的に示す図であり、ディスク基板11(図1)および誘電体層12(図1)の上に、再生層13(図1)、中間層14(図1)および記録層15(図1)の3層構成の記録膜18により構成され、さらに誘電体層16(図1)が形成され、その上に紫外線硬化樹脂の保護コート層17(図1)が形成されている。
 再生層13は磁壁抗磁力の小さい磁性薄膜材料によって構成されており、中間層14はキュリー温度の小さい磁性膜によって構成されており、記録層15は小さなドメイン径でも記録磁区を保持できる磁性膜によって構成されている。ここで従来の磁気記録媒体では、再生層にガードバンド等を形成することにより、閉じていない磁壁を含む磁区構造を形成している。
 図2(a)に示すように、情報信号は、記録膜18の記録層15に記録マーク長W1で熱磁気記録された記録磁区として形成されている。レーザ光スポットが照射されていない室温での記録膜18では、記録層15、中間層14および再生層13がそれぞれ強く交換結合している。このため、記録層15に形成された記録磁区はそのまま再生層13に転写形成される。
 図2(b)は、図2(a)の断面図に対応した位置xと記録膜18の温度Tとの間の関係を表す。図示されているように、記録信号の再生時には、磁気ディスク1が回転し、磁気ディスク1に形成されたトラックに沿ってレーザ光スポットが記録膜18へ照射される。この時、記録膜18は図2(b)に示すような温度分布を示し、中間層14(あるいは中間遮断層、スイッチング層)がキュリー温度Tc以上となる温度領域Tsが存在し、再生層13と記録層15との交換結合が遮断される。
 また、再生ビームが照射されると、図2(c) に示すように、ディスク回転方向のx方向に沿って磁壁エネルギー密度σに勾配が発生する。このため、図2(d)に示すように、位置xでの各層の磁壁に対して磁壁を駆動させる力Fが作用する。
 この記録膜18に作用する駆動力Fは、図2(d)に示すように磁壁エネルギー密度σがより低い方向に向かって磁壁を移動させるように作用する。再生層13は、磁壁抗磁力が小さく磁壁の移動度が大きい特性を有するので、閉じていない磁壁を有する再生層13では、この駆動力Fによって容易に磁壁が移動する。従って、再生層13の磁壁は、矢印で示したように、より温度が高く磁壁エネルギー密度σが小さい領域へ向かって磁壁移動範囲W2において瞬時に移動する。そして、再生ビームのレーザ光スポット内を磁壁が通過すると、レーザ光スポット内での再生層13の磁化はレーザ光スポットにおける広い領域で同じ方向に揃う。
 この結果、記録磁区の大きさに依らず、再生信号振幅は、常に一定の最大振幅になる。また、GMRヘッド等の磁気ヘッドを用いて信号を再生する場合にも、光ビーム等により記録膜18を昇温させることにより、同様に再生層13での転写磁区を拡大して、常に一定の最大振幅の再生信号を得ることができる。
 しかしながら、DWDD方式に従った従来の磁気ディスクでは、記録層から記録磁区が転写された再生層において磁壁を容易に移動させるために、再生層でのトラック間の交換結合を遮断することにより閉じていない磁壁を含む記録磁区構造を形成し、さらに、再生層における磁壁の駆動力よりも大きな保磁力を有する記録層により、微小な記録磁区であっても安定に記録する必要があった。また、記録磁区の形状が変動した場合には、変形した記録磁区が再生層へ転写されるので、再生信号が変動するという問題を有していた。
 次に、本願発明の実施の形態1における磁気ディスク1の構成と作製方法をさらに詳細に説明する。
 図1に示すように、ディスク基板11には、上述した磁性膜を含む多層に積層した記録膜18が形成されている。このディスク基板11には、略矩形型のグルーブ2が形成されており、グルーブ2の両側にはランド3が形成されている。グルーブ2の深さhは、ランド部3の上面から40nmである。また、本実施の形態に係る磁気ディスク1のトラックピッチは0.7μmであり、グルーブ2の幅は0.5μmである。
 図3は、本実施の形態の記録層15を製造するスパッタリング装置の構成を説明するための図である。まず、図3に示すように、直流マグネトロンスパッタリング装置のチャンバーの中に、グルーブ2(図1)が形成されたポリカーボネートからなる透明なディスク基板11に対向して、Bドープした図示しないSiターゲットを設置する。そして、ディスク基板11を図示しない基板ホルダーに固定した後、8×10ー6Pa以下の高真空になるまでチャンバー内をターボ分子ポンプで真空排気する。そして、真空排気をしたままArガスとN2ガスとを0.3Paとなるまでチャンバー内に導入する。次に、矢印に示す方向にディスク基板11を回転させながら、誘電体層12(図1)としてSiNを40nmの厚みに、反応性スパッタリング法により形成する。
 引き続き誘電体層12上には、同様に真空排気をしたまま、Arガスを0.5Paとなるまでチャンバー内に導入し、ディスク基板11を回転させながら、Gd、Fe、CoおよびAlそれぞれのターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング法によりGdFeCoAlからなる再生層13(図1)を30nmの厚みに形成する。次に、Arガスを1.8Paとなるまでチャンバー内に導入し、Tb、Dy、FeおよびCoそれぞれのターゲットを用いて、TbDyFeCoを含む中間遮断層14(図1)を15nmの厚みに形成する。
 次に、Tbターゲット4およびFeCoターゲット5を用いて、Arガスを1.5Paとなるまでチャンバー内に導入し、TbとFeCoとが周期的に積層するように記録層15(図1)を60nmの厚みに、DCマグネトロンスパッタリング法により形成する。ここで、TbFeCoの膜組成は、それそれのターゲット4および5の投入パワー比を調整することにより、所望の膜組成に合せることができる。また、この時のチャンバー内のArガス圧力に対する、O2、H2O、N2およびH2の分圧は、それぞれ製膜圧力に対して、10ppm、30ppm、40ppmおよび35ppmである。
 次に、0.3Paとなるまでチャンバー内にArガスとN2ガスとを導入し、ディスク基板11を回転させながら、SiNからなる誘電体層16(図1)を70nmの厚みに、反応性スパッタリング法により形成する。
 そして、誘電体層16の上に、エポキシアクリレート系樹脂を滴下した後、スピンコートにより6μmの膜厚に塗布し、紫外線ランプを照射して硬化させることにより保護コート層17(図1)を形成する。
 ここで、GdFeCoAlを含む再生層13は補償組成温度が150 ℃でキュリー温度が270℃である。TbDyFeCoを含む中間遮断層14はキュリー温度が150 ℃であり、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢である。また、TbFeCoを含む記録層15は補償組成温度が80 ℃であり、キュリー温度は310℃になるように各ターゲットの投入パワーを設定して組成を調整して製膜した。
 次に、記録層15の製造方法をさらに詳しく説明する。図3に示すように、Tbターゲット4およびFeCoターゲット5を用いて、Arガスを1.5Paとなるまでチャンバー内に導入する。そして、TbとFeCoとが周期的に積層するように記録層15を60nmの厚みに、DCマグネトロンスパッタリング法により形成する。
 ここで、記録層15のTbFeCo製膜時に、製膜速度とディスク基板11の回転数とを制御することにより、TbとFe、Coの遷移金属が1.5nmの厚みの周期的な積層構造を有する非晶質な膜構造の磁性薄膜を形成できる。具体的には、TbFeCoを含む記録層15を製膜する時には、40rpmで自公転の回転をディスク基板11がしながら、それぞれの元素粒子が、0.7nm/secの製膜レートで、それぞれ製膜されることにより、上記膜構造が得られる。また、TbFeCoの膜組成は、それそれのターゲットの投入パワー比を調整することにより、所望の膜組成に合せることができる。
 そして、このように、記録層15を少なくとも2.0nm以下の周期的な積層構造にすることにより、記録層15の飽和磁化Msと保磁力Hcとの積を増大させることができ、3.0×106erg/cm3以上のMs・Hcが得られる。
 本実施の形態に係る記録層15では、4.2×106erg/cm3という大きなMs・Hc値が実際に得られ、70nm以下の微小磁区を記録層15に記録した場合にも、安定した記録磁区を形成でき、繰り返し記録再生した場合にも、信号特性に優れた記録再生が可能となる。
 本実施の形態では、記録層15を製膜する時における到達真空度は、8×10-6Paであり、チャンバー内のArガス圧力に対する、O2、H2O、N2、H2分圧は、それぞれ製膜圧力に対して、10ppm、30ppm、40ppm、35ppmである。チャンバー内の不純ガスが増加すると、記録層15中に取り込まれるために、Ms・Hcが低下する傾向にある。しかしながら、本実施の形態に記載のように、記録層15を製膜する時における到達真空度は、1×10-5Pa以下であり、チャンバー内のArガス圧力に対する、O2、H2O、N2、H2分圧は、少なくとも100ppm以下であれば、Ms・Hcは増大する。
 ここで、図4に実施の形態1に係る磁気記録媒体に形成された記録層15の積層構造の周期に対するMs・Hcの依存性を示す。図4に示すように、記録層15のMs・Hcは、記録層15の積層周期が2.0nm以下になると増加が顕著になり、1.0nmの周期的な積層構造でほぼ最大となる。従って図4に示すように、Ms・Hc値が3.0×106erg/cm3以上であるためには、2.0nm以下の積層周期とする必要がある。
 次に、図5に、実施の形態1に係る光磁気記録媒に形成された記録層15のMs・Hcに対する、記録マーク長の記録限界の依存性を示す。図5に示すように、記録層15のMs・Hcが大きくなると、記録限界となる記録マーク長を短くすることができる。実施の形態1では、記録層15が周期的な積層構造を有しているので、記録層15に形成された微小な記録磁区は安定性に優れている。そして、記録層15のMs・Hc値が3.0×106erg/cm3以上であれば、80nm以下のマーク長の記録磁区であっても、安定に記録再生可能である。このため、DWDD方式に対応した記録膜を用いた場合にも、記録磁区を安定して再生層13に転写することができ、再生層13における磁壁の移動が容易であるため、信号振幅が拡大して、優れた記録再生信号が得られる。
 実施の形態1に係る磁気ディスク1では、矩形のランド3とグルーブ2が形成されており、記録トラック間をアニール処理する構成、あるいは、グルーブ2が深い構成のランド3を有する構成により、情報が記録されるトラック間が磁性的に遮断される。このため、再生層に転写された記録磁区の磁壁が容易に移動するので、前述したDWDD方式による記録再生が可能である。
 また、実施の形態1に係る磁気ディスク1では、閉じていない磁壁を含むグルーブ2間がランド3により分離され、グルーブ2に情報を記録する構成となっているが、本発明はこれに限定されない。ランド3に情報を記録する構成、あるいは、ランド3/グルーブ2の両方に情報を記録する構成であっても同等の特性が得られる。
 さらに、実施の形態1に係る磁気ディスク1では、トラックピッチが0.7μmであったが、情報の記録されるグルーブ2の幅が0.6μm以下の構成であって、記録情報の最短のマーク長が0.5μm以下、さらに好ましくは、0.3μmであれば、より効果が大きい。
 以上のように、実施の形態1の構成により、高密度に情報を記録した場合にも、DWDD方式に従って安定した再生信号特性が得られる。
 なお、実施の形態1に係る磁気記録媒体1に形成された記録層15は、TbとFeCoとが1.5nmの厚みで周期的に積層する構成であったが、上記した構成に限定されるものではなく、積層周期が0.4nm以上、2nm以下で周期的に積層した構成であって、記録層15の膜厚を50nm以上、より好ましくは、60nm以上200nm以下に形成した構成であれば、同等の効果が得られる。
 また、実施の形態1では、Tbターゲット4とFeCoターゲット5とに基づいてTbとFe、Coとの遷移金属が周期的に積層する構成について述べてきたが、Tbと、Feと、Coとがそれぞれ異なるターゲットに基づいて積層されてもよい。また、TbとFeとCoと以外の材料を含む構成であっても、2nm以下の積層周期を有するように記録層が構成されていればよい。
 以上のように、実施の形態1によれば、記録情報を書き換え可能な積層周期構成を有することにより、記録層15のMs・Hcを拡大することができる。このため、0.3μm以下の微小磁区を安定して形成することができ、磁壁を容易に移動させることができる。その結果、DWDD方式に従って、転写磁区の移動により拡大した再生信号を得ることができる。さらに、情報トラックでの記録磁区は安定した形状に形成されるために、記録再生時における隣接トラックからのクロスライト及びクロストークも低減できるものである。
 (実施の形態2)
 次に、本発明の実施の形態2を、図面に基づいて具体的に説明する。
 図6は本発明の実施の形態2における磁気ディスク20の構造を示す断面図である。磁気ディスク20は、ポリカーボネートからなるディスク基板21を備えている。ディスク基板21には、幅方向に並設されたトラックを構成するグルーブ29が形成されている。各グルーブ29の境界には逆V字型のランド30が、情報を記録するトラックを分離するように形成されている。
 実施の形態2に係るフォーマット方式の構成の一例を説明する。グルーブ29には、書き換え可能な領域と、サーボ用のウォブルピットとアドレスピットとが形成されたピット領域とがトラック上に交互に並設されている。サンプルサーボ方式等のフォーマット構成によりトラッキングサーボをかけながら、ビット領域からアドレスを検出し、書き換え可能な領域に情報を記録再生することができる。
 この時、レーザ光波長をλとすると、λ/20nからλ/3nの範囲、あるいは20nmから180nmの範囲にある深さをプリピット及びグルーブが有する構成により、アドレスピット等のプリピットを検出することができる。しかも、グルーブに記録された情報を、トラック間での磁気的な遮断によるDWDD方式に従って記録再生することができる。
 実施の形態2に係る磁気記録媒体20に形成されたポリカーボネートからなる透明な光ディスク基板21の上には、記録膜31を保護するとともに磁気記録媒体20の光学的特性を調整するための誘電体層22が形成されている。
 記録膜31は、誘電体層22の上に形成されている。この記録膜31は、情報を磁壁の移動によって検出するために形成された再生層23と、ゴースト信号を低減するための制御層24と、再生層23と記録層26との間の交換結合を制御するための中間遮断層25と、情報を保持しておくための記録層26との4層によって構成されている。記録層26の上には、記録膜31を保護するための誘電体層27が形成されており、誘電体層27の上には、保護コート層28が形成されている。
 そして、実施の形態2に係る磁気記録媒体20では、この構成により、前述した実施の形態1と同様に、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、再生用光ビームの波長と対物レンズの開口数とで決まる検出限界を越えて超解像再生が可能となる。
 ここで、グルーブ29の深さh1は、ランド30の上面から45nmである。グルーブ29は、ランド30により、隣接するグルーブ29に形成されたトラックから磁性的に独立している。実施の形態2に係る磁気ディスク20のトラックピッチは0.6μmであり、グルーブ幅は0.45μmである。
 このように構成された磁気記録媒体20は、以下のようにして製造される。まず、図6に示すように、グルーブ29が形成されたポリカーボネートからなる透明なディスク基板21上に、ZiS・SiO2ターゲットを設置する。そして、ディスク基板21を基板ホルダーに固定する。その後、6×10ー6Pa以下の高真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気する。次に、真空排気をしたままArガスを0.5Paとなるまでチャンバー内に導入する。そして、ディスク基板21を回転させながら、誘電体層22としてZiS・SiO2を高周波スパッタリングにより80nmの厚みに製膜する。
 次に、誘電体層22上に、GdFeCoCrからなる再生層23を形成するために、同様に真空排気をしたまま、Arガスを0.6Paとなるまでチャンバー内に導入し、ディスク基板21を回転させながら、Gd25Fe60Co11Cr4、Gd24Fe58Co10Cr8、Gd23Fe55Co9Cr13(組成はmol%)の組成からなる合金ターゲットを用いて、順次10nmずつ膜形成する。
 次に、TbFeCoCrによって構成される制御層24を10nmの厚みに、そして、TbDyFeCrによって構成される中間遮断層25を15nmの厚みに順次DCマグネトロンスパッタリング法により形成する。
 次に、TbFeCoCrによって構成される記録層26は、Krガスを2.6Paとなるまでチャンバー内に導入し、Tb22Fe58Co18Cr2とTb27Fe53Co20のターゲットを交互にDCスパッタリングしながら、組成の異なる磁性層を周期的に積層して100nmの厚みに製膜する。
 その後、0.6Paとなるまでチャンバー内にArガスを導入し、ディスク基板21を回転させながら、ZiS・SiO2からなる誘電体層26を100nmの厚みに、高周波スパッタリング法により形成する。
 そして、誘電体層27の上には、エポキシアクリレート系樹脂がスピンコートにより塗布され、紫外線を照射して硬化させることによりを含む保護コート層28を形成する。
 ここで、特に、実施の形態2に係る再生層23は、組成の異なる磁性膜3層で構成されている。即ち、GdFeCoCrの再生層23は、補償組成温度が160℃でキュリー温度が230℃の磁性層と、補償組成温度が140℃でキュリー温度が200℃の磁性層と、補償組成温度が120℃でキュリー温度が170℃の磁性層との3つの組成を含む磁性層により構成されている。
 TbFeCoCrの制御層24はキュリー温度が160℃であり、このキュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢である。TbDyFeCrの中間遮断層25はキュリー温度が145℃であり、このキュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢である。
 また、TbFeCoCrの記録層26は、図7の磁気記録媒体の製膜装置の構成図に示すように、真空室内で記録層26用の希土類リッチターゲット33および遷移金属リッチターゲット32に対向した位置に配置した図示しない基板ホルダーにディスク基板21を保持し、スパッタリングにより製膜する。ディスク基板21上には、誘電体層22、再生層23、制御層24および中間遮断層25が積層された後に、図7に示す希土類リッチターゲット31および遷移金属リッチターゲット32に基づいて、基板ホルダーを矢印に示す方向に回転させながら記録層26を形成する。記録層26の形成が完了するとディスク基板21は、基板ホルダーと共に、真空搬送機構により、図示しない別の真空室に移動して、さらに、誘電体層27が形成される。また、希土類リッチターゲット33および遷移金属リッチターゲット32の裏面にはマグネットが配置されたカソート゛が設けられており、この記録層26用のカソードには、直流電源により電力が供給され、DCマグネトロンスパッタリング法により、記録層26が形成される。
 TbFeCoCrの記録層26は、製膜時のKrガス圧力、製膜速度、および基板ホルダーに保持したディスク基板21の回転数を制御することにより、その磁性薄膜の構造を変化させることが可能である。具体的には、TbFeCoCrの記録層26は、ディスク基板21の回転数80rpm、製膜時のKrガス圧2.6Pa、Tb22Fe58Co18Cr2とTb27Fe53Co20とのそれぞれのターゲット33および32によって交互に製膜する製膜速度を1.5nm/secにすることにより、1.0nmの周期的な積層構造を有する記録層26を100nmの膜厚に形成できる。ここで、TbFeCoCrの記録層26は、希土類リッチ組成と遷移金属リッチ組成とが交互に積層されているが、記録層26全体の膜組成としては、補償組成温度が100 ℃であり、キュリー温度は270℃を示すように調整している。
 この時、製膜時に、Krガスを導入し、組成の異なるTbFeCoCr膜を周期的に積層構造にすることにより、記録層26のMs・Hcを増大することができる。
 実際、実施の形態2に係る記録層26では、3.8×106erg/cm3のMs・Hcが得られ、微小磁区を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成でき、繰り返し記録再生した場合にも、信号特性に優れた記録再生が可能となる。
 また、実施の形態2に係る周期的な積層構造の記録層26は、微小磁区の安定性に優れているため、80nm以下のマーク長の記録磁区であっても、安定に記録再生が可能であり、DWDD方式を適用することができる記録膜を用いた場合にも、記録層26から再生層23に記録磁区が転写され、磁壁を容易に移動させることができるため、信号振幅が拡大して、優れた記録再生信号が得られる。実際、実施の形態2では、95nmのマーク長の記録磁区であっても、安定して再生層23に転写され、磁壁が移動して再生できるため、磁区拡大再生により信号振幅が12%以下のジッタが得られた。また、線速を2.4m/sとして、光パルス磁界変調記録で信号を記録した場合には、再生パワー3.6mWにおいてジッタは最小となり、再生パワー±20%の範囲で再生ジッタがほとんど変化なく、十分に良好な再生信号特性が得られていることがわかる。
 なお、実施の形態2では、Tb22Fe58Co18Cr2とTb27Fe53Co20とのそれぞれのターゲットを交互に製膜し、1.0nmの周期的構造を有する膜を構成する例を述べてきたが、上記構成に限定されるものではなく、それぞれ必要な複数の組成の記録層用ターゲットを用いた構成で、2.0nm以下の周期的な積層構造を構成すれば、同様の効果が得られ、90nm以下のマーク長まで、記録再生できることを確認できた。
 また、ここで、記録層26のMs・Hcは、製膜時の真空排気速度、Kr流量、圧力にも依存性して変化し、真空排気速度は1×10-5Pa以下、さらに好ましくは8×10-6Pa以下、製膜時のKr圧力は0.5Pa以上、4.5Pa以下とすれば同等の効果がある。また、この時、真空ポンプの能力を考慮すれば、Krの流量も大きい方が良く、少なくとも20sccm以上は導入する方が好ましく、この時、記録膜の構造単位の間にKr原子が取り込まれており、記録層26のMs・Hcの増大効果も大きい。
 また、製膜時の磁性膜の堆積製膜速度に対する、記録層26のMs・Hcの観点からは、堆積製膜速度が20nm/sec以下の製膜速度であれば、Ms・Hcを増加させて膜形成することができる。しかしながら、製膜速度が1nm/sec未満になると、製膜するための時間が長くかかり、記録膜の磁気特性は希土類金属が減少する方向に劣化するために、グルーブ29からの再生信号量が急激に低下する。このことを避けるためには、記録層26を製造する時の投入パワーの調整、膜厚・膜分布補正板等の調整により、2nm/sec以上20nm/sec以下の製膜速度、さらにより好ましくは、4nm/sec以上10nm/sec以下の製膜速度に設定して製膜することが好ましい。
 以上のように、記録層26の限界の最短マーク長は、垂直磁気異方性に依存するが、実施の形態2のように、記録層26の飽和磁化と保磁力との積(Ms・Hc積)を3.0×106以上にすることにより、90nm以下のマーク長まで記録再生が可能となる。
 また、上記記録層26のMs・Hc積を増大させるためには、記録層26中におけるKr原子(あるいはAr、Xe等の不活性ガス)の含有量を増大させれば効果が大きい。EPMA(電子プローブX線マイクロアナライズ)、あるいはRBS(ラザフォード・バックスキャッタリング法)等により記録層26中のKr量を検出でき、実際、記録層26中のKr量(あるいはAr、Xe)が、0.5mol%以上4.0mol%以下の構成であれば同等の効果が得られる。
 したがって、DWDD方式による磁気記録媒体の信号特性を向上させるためには、記録層26が2nm以下の積層周期構造を有しており、さらに好ましくは、1.5nm以下の積層周期構造を有しておれば、90nm以下の短いマークを記録した場合にも十分に安定な膜面垂直方向に沿った磁気異方性が得られ、同等の高密度記録再生が可能となることがわかる。しかしながら、積層周期構造の周期が0.2nm未満まで小さくなると、膜面に垂直な方向に沿った磁気異方性は低下してくる。
 また、実施の形態2に係る記録層26における1.0nmの積層周期構造の特性では、信号再生時のジッタは、100nmから180nm範囲で最小となる。記録層26の膜厚の最適値は、記録層26の膜組成および磁気特性によって異なるが、積層周期構造を有する記録層では、比較的膜厚を大きくすることにより、記録再生特性が向上し、40nm以上300nm以下の記録層の膜厚、さらに好ましくは、80nm以上200nm以下の膜厚にすることにより、90nm以下の短いマークまで安定して記録磁区を形成し、安定して再生層に転写再生できることがわかる。
 以上のように実施の形態2によれば、DWDDを用いた記録再生が可能な磁性膜を有し、記録情報の書き換え可能なトラック領域と隣接トラックとの境界を磁気的に遮断し、記録層26が周期的な積層構造を備えた構成、より具体的には、記録層26が2nm以下、さらに好ましくは、1.5nm以下の周期的な積層構成を備えることにより、マーク長が小さい場合、特に最短マーク長が90nm以下の場合にもDWDD方式により転写磁区の移動による再生信号の拡大を可能にすることができる。
 以上のように、実施の形態2の構成により、DWDD方式により、高密度に記録再生した場合にも、安定した再生信号特性が得られる。
 (実施の形態3)
 次に、本発明の実施の形態3を、図面に基づいて具体的に説明する。
 図8は本発明の実施の形態3における磁気記録媒体40の構造を示す断面図である。磁気記録媒体40は、ポリオレフィンを含むディスク基板41を備えている。ディスク基板41の上には、幅方向に並設されたトラックが溝形状に形成されており、トラック間には、逆V字型のランドが、情報を記録するトラックを分離するように形成されている。
 実施の形態3に係る磁気記録媒体40は、前述した実施の形態2に係る磁気記録媒体20と同様の膜構成をしている。ポリオレフィンを含む透明なディスク基板41の上には、記録膜49を保護し、磁気記録媒体40の光学的特性を調整するための誘電体層42が形成されている。誘電体層42の上には、記録膜49が形成されている。記録膜49は、磁壁の移動によって情報を検出するための再生層43と、ゴースト信号を低減するための制御層44と、再生層43と記録層46との間の交換結合を制御するための中間遮断層45と、情報を保持しておく記録層46とを含んでいる。記録層46の上には、記録膜49を保護するための誘電体層47と保護コート層48とが順次形成されている。
 図8に示した実施の形態3に係る磁気記録媒体40は、実施の形態1に係る磁気記録媒体1と同様に、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を再生層43の表面に平行な方向に沿って次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、再生用光ビームの波長と対物レンズの開口数とで決まる検出限界を越えて超解像再生が可能となる磁気記録媒体に適用できる。
 実施の形態3に係る磁気ディスク40は、ディスク基板41上にこのような磁性層を含む多層積層膜を製膜して形成されている。グルーブの間にはランドが形成されており、グルーブの深さは、ランドの上面から75nmであり、ランドは逆V字型の形状を有する。このランドによりグルーブは互いに磁気的に独立している。また、実施の形態3に係る磁気ディスク40のトラックピッチは0.5μmであり、グルーブ幅は0.4μmである。
 このように構成された磁気記録媒体40は、実施の形態2に係る磁気記録媒体20と同様に、ターゲットに対向した位置に配置したディスク基板41上に薄膜を形成することにより作製する。
 まず、ディスク基板41上に、SiNによって構成された誘電体層42が80nmの厚みに反応性スパッタリング法により膜形成される。そして、記録膜49が、合金ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により膜形成される。具体的には、GdFeCoCrを含む再生層43は、Gd26Fe59Co11Cr4、Gd25Fe57Co10Cr8、Gd24Fe54Co9Cr13、およびGd23Fe51Co8Cr18(組成はmol%)の組成からなる4種類の合金ターゲットを用いて、順次10nmの厚みずつ膜形成する。次に、TbFeCoを含む制御層44を5nmの厚みに、さらにTbFeAlを含む中間遮断層45を10nmの厚みに、順次合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により膜形成する。
 ここで、実施の形態3に係る磁気記録媒体40では、中間遮断層45を形成した後、Arガス雰囲気中で、中間遮断層45の表面をイオンエッチングし、Ra0.6nm以上1.0nm以下の表面粗さに形成する。
 さらにその上に、TbFeCoを含む記録層46を、Krガスを導入し、DCマグネトロンスパッタリング法により100nmの厚みに膜形成する。記録層46の上には、SiNを含む誘電体層47を80nmの厚みに、反応性スパッタリング法により膜形成する。そして、さらに誘電体層47の上には、ウレタン系樹脂をスピンコートにより塗布し、紫外線を照射して硬化させることにより保護コート層48を形成する。
 ここで、GdFeCoCrの再生層43は補償組成温度が190 ℃でキュリー温度が270 ℃の層と、補償組成温度が155 ℃でキュリー温度が220℃の層と、補償組成温度が110 ℃でキュリー温度が170℃の層と、補償組成温度が80 ℃でキュリー温度が130 ℃の層との4つの組成の再生層により構成されている。この時、製膜時のAr圧力は0.8Pa、製膜速度は13nm/secである。
 TbFeCoの制御層44は、キュリー温度が165 ℃で、キュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢であり、Arガス圧力2.5Pa、製膜速度4nm/secで製膜する。TbFeAlの中間遮断層45は、キュリー温度が150 ℃で、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢であり、製膜時のArガス圧力は2.0Pa、製膜速度5nm/secで形成できる。
 TbFeCoの記録層46は、補償組成温度が30 ℃であり、キュリー温度は290℃になるように組成を調整した磁性膜である。この時、製膜時のKrガスの圧力は、3.5Pa、製膜速度は5nm/secで磁性膜を形成できる。
 上記の磁気記録媒体40の構成では、ディスク基板41上に形成した中間遮断層45の表面をプラズマエッチングしてエッチング層50を形成し、エッチング層50の上に記録層46を形成し、さらに、記録層46を製膜する時に、Krガスを用いることにより、記録層46のMs・Hcを増大させることができる。
 実際、実施の形態3に係る記録層46では、3.5×106erg/cm3の記録層46のMs・Hcが得られ、微小磁区を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成でき、繰り返し記録再生した場合にも、信号特性に優れた記録再生が可能となる。
 この時、実施の形態3では、中間遮断層45の表面粗さをRa0.6nm以上1.0nm以下としたが、Ra0.5nm以上であれば、記録層の保磁力を増大させる効果があり、大きなMs・Hcが得ることができる。
 また、実施の形態3に係る磁気記録媒体40は、静止対向型のスパッタリング方式を用いたため、ディスク基板41等を回転させながら製膜した場合に比べて、スパッタリング粒子の方向が変化せずに製膜できるため、ターゲット組成の分布に応じて記録膜49の組成の均一性が得られ、垂直方向に磁性膜を堆積成長させるため、記録層46製膜時の表面形状の効果を有効に利用でき、その効果もより大きい。
 さらに、DWDD方式の記録再生が可能な記録膜を用いた場合にも、製造時のタクトタイムを短縮できるため生産性が高く、高密度記録時の信号特性にも優れた磁気記録媒体を実現できる。
 さらに、ランドを用いた溝形状、あるいは、レーザアニール等により磁気的に遮断された領域を有する構成により、情報信号を書き換えるためのオーバーライト時におけるオーバーライトパワーマージンも拡大させることができるものである。特に、ポリオレフィンを含むディスク基板は、優れた転写性を利用して成形できるため、記録再生領域であるグルーブにおける隣接するトラック間の境界での結合を確実に切断することができるためその効果は大きい。さらに、ランドあるいはランドの傾斜部の面粗さをプラズマエッチングによって大きくすると、記録トラックでの磁気特性も変化するため、記録トラック間を確実に切断させることもできる。この時、トラックピッチは0.5μm、グルーブ幅0.4μm、グルーブに対するランドの高さは75nmのディスク基板では、グルーブの面粗さは1.5nm以下とすることができる。
 以上のように、実施の形態3の磁気記録媒体は、少なくとも記録層46を形成する前に、中間遮断層45をプラズマエッチングし、Krガス雰囲気中で記録層46を製膜することにより、より具体的には、0.5nm以上の面粗さの上に記録層46を形成した構成であって、記録層46の膜厚を50nm以上、より好ましくは、60nm以上200nm以下に形成した構成であれば、記録磁区の安定性に優れ、マーク長が短い場合にも優れた再生信号特性が得られる。
 (実施の形態4)
 次に、本発明の実施の形態4を図面に基づいて具体的に説明する。
 図9は本発明の実施の形態4に係る磁気記録媒体60の構造を示す断面図である。磁気記録媒体60は、ポリカーボネートを含むディスク基板61を備えている。ディスク基板61に幅方向に並設されたトラックにはグルーブが形成されており、グルーブ間の境界には矩形のランドが、情報を記録するトラックを分離するように形成されている。
 実施の形態4に係る磁気記録媒体60は実施の形態1に係る磁気記録媒体1とは記録膜が逆方向に積層された構成を有する。
 ポリカーボネートを含む透明なディスク基板61の上には、誘電体層67が形成されている。誘電体層67の上には、記録膜69が形成されている。記録膜69は、情報を保持しておくための記録層66と、再生層63と記録層66との間の交換結合を制御するための中間遮断層65と、ゴースト信号を低減するための制御層64と、磁壁の移動によって情報を検出するための再生層63とを含んでいる。再生層63の上には、記録膜69を保護し、磁気記録媒体60の光学的特性を調整するための誘電体層62が形成されている。さらに、誘電大層62の上には、潤滑剤を有する摺動コート層68が形成されている。
 実施の形態4に係る磁気記録媒体60は、再生用の光ビームがディスク基板61を介さずに照射されるという点が実施の形態1に係る磁気記録媒体1と異なるが、実施の形態1に係る磁気記録媒体1と同様に、再生用光ビームに差し掛かった再生層63における磁壁を再生層63の表面に平行な方向に沿って次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、再生光の波長と対物レンズの開口数とで決まる検出限界を越えて磁気的超解像再生が可能となる。
 実施の形態4に係る磁気ディスク60は、ディスク基板61上にこのような磁性層を含む多層積層膜を製膜して形成されている。グルーブの間にはランドが形成されており、グルーブの深さは、ランドの上面から50nmであり、ランドは矩形の形状を有する。このランドによりグルーブは互いに磁気的に独立している。また、実施の形態4に係る磁気ディスク60のトラックピッチは0.55μmであり、グルーブ幅は0.45μmである。
 磁気記録媒体60は、実施の形態3と同様に、ターゲットに対向したディスク基板61を配置して、ディスク基板61上に薄膜を形成することにより作製する。
 まず、ディスク基板61上に、SiNを含む誘電体層67を50nmの厚みに反応性スパッタリング法により膜形成する。ここで、実施の形態4に係る磁気記録媒体60では、Arイオンソースを用いて誘電体層67のSiNの表面にArイオンを照射してイオンエッチングし、Ra0.7nmの表面粗さの面を有するエッチング層70を形成する。
 さらにその上に磁性膜69を合金ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により形成する。まず、TbFeCoを含む記録層66を、7×10-6Pa以下に真空排気したあと、Krガスを導入し、DCマグネトロンスパッタリング法により100nmの厚みに形成する。記録層66の上には、TbFeCrを含む中間遮断層65が10nmの厚みに形成され、TbFeCoを含む制御層64が5nmの厚みに形成され、さらに、GdFeCoCrを含む再生層63が、Gd26Fe59Co10Cr5、Gd23Fe55Co7Cr15(組成はmol%)の組成からなる2種類の合金ターゲットを用いて、順次20nmの厚みずつ膜形成される。このように、記録膜69は順次合金ターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により形成される。
 さらに、SiNを含む誘電体層62が60nmの厚みに、反応性スパッタリング法により形成されている。そして、さらに誘電体層62の上には、アルミナ系微粒子からなる潤滑剤を含む溶剤をスピンコートにより塗布して、摺動コート層68が形成される。
 ここで、GdFeCoCrの再生層63は補償組成温度が190℃でキュリー温度が260℃の層と、補償組成温度が110 ℃でキュリー温度が180℃の層との2つの組成の再生層により構成されている。この時、製膜時のAr圧力は0.8Paであり、製膜速度は10nm/secである。
 また、TbFeCoの制御層64は、キュリー温度が155℃で、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢であり、Arガス圧力2.8Pa、製膜速度4nm/secで製膜される。TbFeCrの中間遮断層65は、キュリー温度が140℃で、キュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢であり、製膜時のArガス圧力は2.5Pa、製膜速度5nm/secで形成される。
 さらに、TbFeCoの記録層66は、補償組成温度が30℃であり、キュリー温度は300℃になるように組成を調整した磁性膜である。この時、製膜時のKrガスの圧力は、3.5Paであり、製膜速度は2.5nm/secである。
 上記の磁気記録媒体60の構成では、ディスク基板61上に形成したSiNを含む誘電体層67の表面をArイオン照射により表面粗さをRa0.7nmと大きくしたエッチング層70上に記録層66を形成し、さらに、記録層66を製膜する時に、Krガスを導入し圧力を大きくすることにより、記録層66中へのKrガスの取り込み量を大きくすることにより、記録層66のMs・Hcを増大させることができる。実際、実施の形態4に係る記録層66では、3.2×106erg/cm3の記録層66のMs・Hcが得られ、微小磁区を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成でき、繰り返し記録再生した場合にも、信号特性に優れた記録再生が可能となる。
 以上のように、実施の形態4に係る磁気記録媒体60によれば、TbFeCoを含む記録層66は、Krガスの製膜条件と、製膜前の表面粗さRaとを調整することにより、Ms・Hcを拡大させることができ、DWDDを用いた記録再生が可能な記録膜を実現できる。
 また、実施の形態4に係る磁気記録媒体60は、ターゲットに対向したディスク基板61へのスパッタリング方式を用い、スパッタリング粒子が垂直方向に記録膜69を堆積成長させて製膜できるため、記録膜69の組成の均一性が得られ、Ms・Hcを拡大の効果が大きく、高密度記録時の信号特性にも優れた磁気記録媒体を実現できる。
 さらに、ランドの形成、あるいは、レーザアニール等により、磁気的に遮断された領域を有する構成であるため、情報信号を書き換えによるオーバーライト時のパワーマージンも拡大させることができるものである。
 さらに実施の形態4では、光ビームを用いた記録再生方法について述べてきたが、本発明はこれに限定されない。GMRヘッド等の磁気ヘッド、あるいは、異なる波長の光ビームを用いて、記録再生する場合であっても、DWDD方式の光磁気記録媒体により、同等以上の効果が得られる。
 (実施の形態5)
 次に、本発明の実施の形態5を図面に基づいて具体的に説明する。
 図10は本発明の実施の形態5に係る磁気記録媒体80の構造を示す断面図である。磁気記録媒体80は、ガラスからなる基板にフォトポリマーを用いて溝およびピットが形成されたディスク基板81を備えている。
 ここで、実施の形態5に係る磁気記録媒体80は、前述した実施の形態4に係る磁気記録媒体60と同様の方向に記録膜が積層された構成を有する。
 フォトポリマーを硬化させることにより溝およびピットが形成されたガラス基板からなる透明なディスク基板81には、誘電体層87が形成されている。誘電体層87の上には、記録膜91が形成されている。記録膜91はは、情報を保持しておくために形成された記録層86と、後述する再生層83と記録層86との間の交換結合を制御するための中間遮断層85と、ゴースト信号を低減するための制御層84と、情報を磁壁の移動によって検出するために形成された再生層83とを含んでいる。再生層83の上には、記録膜91を保護し、磁気記録媒体80の光学的特性を調整するための誘電体層82と潤滑剤を有する摺動コート層88とが順次形成されている。
 実施の形態5に係る磁気記録媒体80は、実施の形態4に係る磁気記録媒体60と同様に、再生用光ビームがディスク基板81を通って照射されないが、再生用光ビームに差し掛かった再生層83の磁壁を再生層83の表面に平行な方向に沿って次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、再生光の波長と対物レンズの開口数とで決まる検出限界を越えて超解像再生が可能となる。
 また、上記構成により、GMRヘッド等の磁気ヘッドを用いても、磁気記録媒体80に記録された情報を記録再生することができる。
 実施の形態5に係る磁気記録媒体80は、このようにディスク基板81上に磁性層を含む多層積層膜を製膜して形成されている。ディスク基板81に形成されたグルーブの間にはランドが形成されており、グルーブの深さはランドの上面から55nmであり、ランドは逆V字型の形状を有する。このランドによりグルーブは互いに磁気的に独立している。また、実施の形態5に係る磁気記録媒体80のトラックピッチは0.5μmであり、グルーブ幅は0.4μmである。また、ディスク基板81にはアドレス情報を有するプリピットが形成されている。
 磁気記録媒体80は、前述した実施の形態4と同様に、ターゲットに対向した位置に配置したディスク基板81上に薄膜を形成することにより作製する。
 まず、ディスク基板81の上にフォトポリマーを塗布し、スタンパーを密着させた状態で紫外線を照射することによりフォトポリマーを硬化させ、スタンパーを剥離させて溝及びピットを有するフォトポリマー層(2P層)89をディスク基板81上に形成する。
 さらに実施の形態5に係る磁気記録媒体80では、ディスク基板81に形成した2P層89の表面を、Arイオンを照射することによりドライエッチングを行い、Ra1.0nmの表面粗さを有するエッチング層90を形成する。
 このように、ディスク基板81上に溝及びピットを形成し、Arイオンにより表面処理した後に、SiNを含む誘電体層87が30nmの厚みに反応性スパッタリング法により形成される。
 さらにその上の記録膜91は、合金ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により形成される。まず、TbFeCoを含む記録層86は、Xeガスを導入し、DCマグネトロンスパッタリング法により120nmの厚みに膜形成される。記録層86の上には、TbFeCoCrを含む中間遮断層85が10nmの厚みに形成され、TbFeCoを含む制御層84が10nmの厚みに形成され、さらに、GdFeCoCrを含む再生層83が、Gd24Fe53Co6Cr17、Gd25Fe57Co10Cr8、およびGd26Fe59Co12Cr5(組成はmol%)の組成を有する3種類の合金ターゲットを用いて、順次12nmの厚みずつ膜形成される。記録膜91に含まれるそれぞれの層は、順次合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により膜形成される。
 さらに、SiNを含む誘電体層82が50nmの厚みに、反応性スパッタリング法により膜形成される。そして、さらに誘電体層82の上には、パーフロロポリエーテル(PFPE)からなる潤滑剤を希釈して、ディッピングにより摺動コート層88として塗布される。
 ここで、GdFeCoCrの再生層83は、補償組成温度が140℃でキュリー温度が200℃の層と、補償組成温度が155℃でキュリー温度が240℃の層と、補償組成温度が190℃でキュリー温度が285℃の層との3つの組成により構成されている。この時、製膜時のAr圧力は0.8Paであり、製膜速度は15nm/secである。
 また、TbFeCoの制御層84は、キュリー温度が160℃で、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢であり、Arガス圧力2Pa、製膜速度3mm/secで製膜する。TbFeCoCrの中間遮断層85は、キュリー温度が145℃であり、キュリー温度と補償組成温度とがほぼ一致する組成を有している。それ以下の温度では希土類金属組成が優勢であり、製膜時のArガス圧力は2Pa、製膜速度4.5nm/secである。
 さらに、TbFeCoの記録層86は、補償組成温度が50℃であり、キュリー温度は310℃になるように組成を調整した磁性膜である。この時、製膜時のXeガスの圧力は1.5Pa、製膜速度は2.5nm/secある。
 上記の磁気記録媒体80の構成では、フォトポリマーを形成したディスク基板81の上をArイオンでエッチングすることにより、表面粗さをRa1.0nmと大きくしたエッチング層89上に、SiN誘電体層87、記録層86を形成し、さらに、記録層86を製膜する時に、Xeガスを用いることにより、記録層86中へのXeガスイオンの取り込み量により、記録層86のMs・Hcを増大させることができる。
 実際、実施の形態5に係る記録層86では、3.9×106erg/cm3の記録層86のMs・Hcが得られ、微小な記録マークを記録した場合にも、安定した記録磁区を形成でき、繰り返し記録再生した場合にも、信号特性に優れた記録再生が可能となる。
 また、実施の形態5に係る磁気記録媒体80は、対向型のスパッタリング方式を用いた場合には、ディスク基板81上にスパッタリング粒子の方向が変化せずに製膜できるため、ターゲット組成の分布に応じて記録膜91の組成の均一性が得られ、垂直方向に磁性膜を堆積成長させるため、その効果が大きく、しかも製造時のタクトタイムも短縮できる。さらに、実施の形態5に係る磁気記録媒体80では、2P層89の表面の面粗さを大きくし、またチルト等が小さく機械的特性に優れたガラス製のディスク基板81を用いることにより、GMRヘッド等の磁気ヘッドを用いても、同等以上の効果が得られる。
 以上のように実施の形態5に係る磁気記録媒体80によれば、DWDD方式を用いた再生が可能な磁性膜を有し、しかもMs・Hcを拡大した構造の記録層86により、高密度記録時の信号特性にも優れ、さらに、情報信号を繰り返し記録再生できる、優れた光磁気記録媒体を実現できるものである。
 (実施の形態6)
 次に、本発明の実施の形態6を図面に基づいて具体的に説明する。図11は本発明の実施の形態6に係る磁気記録媒体100の構造を示す断面斜視図である。実施の形態6に係る磁気記録媒体100は前述した実施の形態5に係る磁気記録媒体80と同様に記録層から順次積層された構成を有する。
 磁気記録媒体100は、ガラスによって構成された透明なディスク基板101を備えている。ディスク基板101には、フォトポリマー(2P)を用いて溝およびピットが形成されている。光ディスク基板101の上には、誘電体層102と記録膜103とがこの順番に形成されている。記録膜103は、情報を保持しておく記録層と、再生層と記録保持層の間の交換結合を制御するための中間遮断層と、ゴースト信号を低減するための制御層と、情報を磁壁の移動によって検出するための再生層とが順次積層されて形成されている。記録膜103を保護し、磁気記録媒体100の光学的特性を調整するための誘電体層104が記録膜103の上に形成されている。誘電体層104の上には、紫外線硬化樹脂の中に潤滑剤を含有した摺動コート層105が塗布されている。
 実施の形態6に係る磁気記録媒体100は、再生用光ビームがディスク基板101を通って照射されないが、前述した実施の形態4に係る磁気記録媒体60と同様に、再生用光ビームに差し掛かった再生層の磁壁を再生層の表面に平行な方向に沿って次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって、再生光の波長と対物レンズの開口数とで決まる検出限界を越えて超解像再生が可能となる。
 実施の形態6に係る磁気記録媒体100は、このようなディスク基板101上に記録層を含む多層に積層した記録膜103を製膜して形成されている。ディスク基板101上に形成されたグルーブの間にはランドが形成されており、グルーブの深さは、ランドの上面から30nmであり、ランドは逆U字型の形状を有する。このランドによりグルーブは互いに磁気的に独立している。また、実施の形態6に係る磁気記録媒体100のトラックピッチは0.45μmであり、グルーブ幅は0.4μmである。また、微少な記録磁区を形成するために、0.3μmのほぼ円形のパターンがグルーブ内の全面に形成されている。また、アドレス情報を有するプリピットも必要に応じて形成される。
 磁気記録媒体100は、前述した実施の形態4と同様に、ターゲットに対向した位置に配置したディスク基板101上に薄膜を形成することにより作製する。
 まず、ディスク基板101は、フォトポリマーを塗布し、スタンパーを密着させた状態で紫外線を照射することにより硬化させて、スタンパーを剥離させてグルーブ、微小の凹凸パターン及びピットをフォトポリマー層の表面に形成して製造する。
 このようにディスク基板101上にグルーブ、凹凸パターン及びピットを形成した後に、SiNを含む誘電体層102を30nmの厚みに反応性スパッタリング法によりディスク基板101上に形成する。
 さらに誘電体層102の上に、合金ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により記録膜103を形成する。まず、TbFeCoの記録層は、Arガスを導入し、DCマグネトロンスパッタリング法により70nmの厚みに形成する。記録層の上には、TbFeCoCrを含む中間遮断層を10nmの厚みに形成し、TbFeCoを含む制御層を10nmの厚みに形成し、さらに、GdFeCoCrを含む再生層を、Gd24Fe56Co7Cr13、Gd25Fe58Co10Cr7、およびGd26Fe59Co12Cr3(組成はmol%)の組成からなる3種類の合金ターゲットを用いて、順次10nmの厚みずつ形成する。記録膜103に含まれるそれぞれの層は、順次合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により形成される。
 さらに、SiNを含む誘電体層104を50nmの厚みに、反応性スパッタリング法により形成する。そして、さらに誘電体層104の上には、アルミナ系微粒子からなる潤滑剤をウレタン系の紫外線硬化樹脂に含有させた摺動コート層105が、スピンコートにより塗布され硬化されて形成される。
 ここで、GdFeCoCrの再生層は、補償組成温度が130℃でキュリー温度が185℃の層と、補償組成温度が150℃でキュリー温度が220℃の層と、補償組成温度が180℃でキュリー温度が280 ℃の層との3つの組成の磁性層により構成されている。この時、製膜時のAr圧力は0.5Paであり、製膜速度は10nm/secである。
 また、TbFeCoの制御層は、キュリー温度が185℃で、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢であり、Arガス圧力2Pa、製膜速度4nm/secで製膜する。TbFeCoCrの中間遮断層は、キュリー温度が160℃で、キュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢であり、製膜時のArガス圧力は2.5Pa、製膜速度5nm/secで形成できる。
 さらに、TbFeCoの記録層は、補償組成温度が60℃であり、キュリー温度は315℃になるように組成を調整した磁性膜である。この時、製膜時のArガスの圧力は3.5Pa、製膜速度は2.5nm/secである。
 上記の磁気記録媒体100の構成では、フォトポリマーを形成したディスク基板101の上に微小な0.3μm以下の凹凸パターンを形成し、SiN誘電体層、記録膜を形成すると、記録層の磁壁ピンニング及び微小な凹凸パターンによる磁気特性の変化により、保磁力Hcが増大し、Ms・Hcを増大させることができる。
 実際、実施の形態6に係る記録層では、3.5×106erg/cm3の記録層のMs・Hcが得られ、微小磁区を記録した場合にも、安定した記録磁区を形成でき、繰り返し記録再生した場合にも、信号特性に優れた記録再生が可能となる。
 また、実施の形態6では、図11に示すように、ガラス基板に2Pによりパターンを形成したディスク基板101は、グルーブ間の境界に形成され幅方向に並設された逆U字型のランドにより、情報を記録するトラック間ごとに磁気的に分離されている。
 以上のように実施の形態6に係る磁気記録媒体100によれば、DWDDを用いた再生が可能な磁性膜を有し、記録情報の書き換え可能なトラック領域と隣接トラックとの境界部分の領域とが磁気的に遮断されたディスク基板101上に、微細な凹凸パターンを形成した構成により、記録層のMsHc積を増大させることができる。このことにより、記録層の記録磁区を安定化でき、再生層への転写磁区における信号再生時の磁壁の移動度を確保できるために、再生信号を安定して検出することができる。
 ここで実施の形態6では、ガラス基板上の2Pに、微小な0.3μm以下の凹凸パターンを形成したが、本発明はこれに限定されない。ガラス基板上に、直接加工することにより凹凸パターンを形成した構成でもよい。また、ガラス基板を用いた構成により、ディスク基板は機械特性、表面性に優れた構成とすることができるので、GMRヘッド等の磁気ヘッドを用いた構成であっても、記録再生可能である。
 次に、実施の形態1〜6に係る磁気記録媒体の記録再生方法および記録再生装置を説明する。
 実施の形態1〜6に係る磁気記録媒体の記録再生方法および記録再生装置では、上記のように説明してきた実施の形態1〜6に係る磁気記録媒体を通常よりも高い再生パワーで記録再生可能な構成を有する磁気記録再生装置を用いて、磁気記録媒体の記録層に形成された記録磁区を再生層に転写させ、再生層での磁壁移動によって、記録情報の再生信号を検出する。
 このような磁気記録媒体の記録再生方法では、レーザ光により情報の記録、再生、消去を行う構成であって、再生時に、レーザ光スポットを磁気記録媒体に対して相対的に移動させながら、磁気記録媒体の再生層側から照射し、磁気記録媒体からの反射光を用いてトラッキング制御をかけながら、磁気記録媒体上にレーザ光スポットの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成する。この時の記録膜の温度分布は、記録層から中間層を介して生じる結合力よりも、再生層に形成されていた磁壁を温度が高い方向へ移動させようとする磁壁に生じる力が大きくなる温度よりも高い温度領域を有する温度分布となる。このような温度分布を再生層に形成することにより、光スポットの内部に、記録層からの情報の転写磁区を再生層に形成し、再生層での磁壁移動によって拡大形成された情報を、光スポットからの反射光の偏向面の変化として検出する。
 あるいは、レーザ光により磁気記録媒体を昇温させながら、磁気ヘッドを用いて情報の記録、消去を行い、GMRヘッドを用いて情報を再生する構成であってもよい。情報の記録時には、レーザ光スポットを前記磁気記録媒体に対して相対的に移動させながら照射し、磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の記録層、あるいは再生層側に配置し、記録情報に応じて磁界方向を変調させて、トラッキング制御をかけながら、前記磁気記録媒体の記録層に情報の記録、消去を行う。また、情報の再生時には、磁気記録媒体にレーザ光スポットを照射して磁気記録媒体の移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成し、再生層側に情報再生用のGMRヘッドを配置し、前記記録層から中間層を介して転写形成された記録情報の転写磁区が、再生層での温度勾配により、温度が高い方向へ移動しようとする磁壁移動によって拡大形成された情報を、前記GMRヘッドにより検出する。
 またこの時、前記再生層の深さ方向で膜組成の異なる場合には、段階的に転写した前記記録磁区の大きさが磁壁移動することにより拡大して、前記情報を検出する。さらに、前記磁気記録媒体の前記中間層を介して生じる結合力が、磁気的結合力、交換結合力、静磁結合力のいずれかである構成により、前記記録層と前記再生層との磁気的結合力による信号の転写可能な温度範囲においてのみ転写し、転写した磁区を拡大して信号を検出する。
 図12は本実施の形態に係る磁気記録媒体を利用した磁気記録再生装置の構成を示すブロック図であり、図13は磁気記録再生装置に設けられた光学ヘッド202の構成を説明するためのブロック図である。磁気記録再生装置は、光磁気ディスク201に光ビームを照射するための光学ヘッド202と、光磁気ディスク201を回転させるためのスピンドルモータ203と、スピンドルモータ203を制御し、光学ヘッド202によって光磁気ディスク201に照射される光ビームのトラッキングおよびフォーカスを制御するための制御器204と、レーザ駆動回路206と、磁界変調ヘッド207と、磁界変調ヘッド207を駆動するための駆動回路208と、光ビームのトラッキングおよびフォーカスを制御するためのサーボ信号を生成する制御回路210と、光磁気ディスク201に記録された信号を検出するヘッドアンプ211と、プリアンプ212と、信号処理回路213と、ローパスフィルタ214と、磁気記録再生装置の全体の動作を制御するマイコン215とを備えている。
 光学ヘッド202は、対物レンズ221と、偏光ビームスプリッタ222と、コリメートレンズ223と、半導体レーザを出射する半導体レーザのレーザ光源224と、レーザ光源224への重畳回路(高周波モジュール)205と、信号検出器209とを含んでいる。
 このように構成された磁気記録再生装置の動作を説明する。光磁気ディスク201を磁気記録再生装置に挿入すると、光学ヘッド202は、レーザ駆動回路206によって再生パワーに設定されたレーザ光を光磁気ディスク201へ照射する。制御器204は、光磁気ディスク201が所定の回転数によって回転するようにスピンドルモータ203を制御しながら、光学ヘッド202に設けられたアクチュエータのフォーカスおよびトラッキングを制御する。
 光磁気ディスク201に信号を記録するときは、光ビームのトラッキングおよびフォーカスを制御した状態で、光磁気ディスク201へ照射されるレーザ光の強度をレーザ駆動回路206によって記録パワーに設定する。そして、駆動回路208によって磁界変調ヘッド207の磁界を変調させながら、信号処理回路213から供給された情報信号を光磁気ディスク201に記録する。
 光磁気ディスク201から信号を再生するときは、記録時と同様に光ビームのトラッキングおよびフォーカスを制御した状態で、光磁気ディスク201へ照射されるレーザ光の強度をレーザ駆動回路206によって再生パワーに設定する。そして、ヘッドアンプ211が光磁気ディスク201に記録された信号を検出する。
 以下、磁気記録再生装置の動作をさらに詳細に説明する。光学ヘッド202に設けられたレーザ光源224から出射された直線偏光したレーザビームは、コリメートレンズ223によって平行光に変換され、図示しないビーム整形プリズムによって光強度分布がほぼ円形である平行光のビームが得られる。このレーザビームは、偏光ビームスプリッタ222を通り抜けてP偏光のレーザビームとなり、光磁気ディスク201に形成された記録層に対物レンズ221によって集光される。
 この時、記録層に記録されたデータ情報は、垂直磁化膜の磁化の方向(上向きまたは下向き)によって記録されている。記録層によって反射された反射光は、磁気光学効果による磁化状態に応じた偏光面の回転に応じて変化する。このように偏光面が回転した反射光は、ウォラストンプリズムによってP偏光とS偏光とに分離される。分離されたP偏光とS偏光とのそれぞれの光量は、図示しない分割された受光素子によって検出される。検出された光量は、検出回路209によってその差分信号が検出され、再生信号を得ることができる。
 この再生信号は、ヘッドアンプ211およびプリアンプ212によって増幅され、信号処理回路213によって復調されることによってデータ情報信号が検出される。
 ここで、記録情報を高密度化すると、記録層における垂直磁化膜の記録マークのサイズが小さくなる。このため、検出される信号量は必然的に小さくなる。そこで、実施の形態1においても述べたように、本実施の形態に係る磁気記録再生装置において、再生時におけるレーザ光パワーを従来の磁気記録再生装置の設定パワーよりも大きく設定することにより、DWDD方式に従って信号を再生することができる。このため、情報を高密度に記録した場合も、光学ヘッドの分解能よりも小さい記録マークを再生することができる。
 また本実施の形態に係る磁気記録再生装置において、磁界変調ヘッド207にGMRヘッド等の磁気ヘッドを組み合わせて構成すれば、実施の形態4に係る磁気ディスクにレーザ光を照射しながら磁壁を移動させることによって再生信号を拡大することができるので、磁気ヘッドによって信号を再生することも可能になる。
 以上のように、本実施の形態においては、DWDD方式を用いて再生可能な磁性膜を有し、記録情報の書き換え可能なトラック領域と隣接トラックとの境界部分の領域とが磁気的に遮断された構成を備えることにより、前記磁気記録媒体の磁壁の移動度を確保できる。また、記録層のMs・Hc積が大きい構成により、記録層の記録磁区を安定化でき、再生層への転写磁区の容易な磁壁の移動により、再生信号を安定して検出することが可能な光磁気記録媒体の記録再生方法を実現できる。
 なお、上述の各実施の形態における磁気記録媒体では、ポリカーボートあるいはポリオレフィンを形成し、あるいは、ガラス基板にフォトポリマーを用いて微細パターン、および、案内溝或いはプリピットを形成したディスク基板を用いた構成について述べてきたが、本発明はこれに限定されない。エポキシ系樹脂、その他のプラスチック材料、あるいは、ガラス基板に直接微細パターンを形成した構成であっても良く、さらに、ガラス基板とプラスチック材料とを組合わせたディスク基板であっても良い。
 また、ガラス基板にフォトポリマーで形成した微少なパターンとしては、0.3μmの円形パターンについて述べてきたが、本発明はこれに限定されない。少なくとも0.5μm以下のパターンであれば良く、あるいは、記録磁区の最小パターンよりも小さい凹凸であって、半球状、四角形、あるいはその他の形状の凹凸であっても、微細形状が揃っていて、記録磁区からの信号のノイズが発生しなければ、同様に記録層のMs・Hcを拡大する効果がある。
 また、本発明の実施の形態では、下地層のエッチングにより情報記録面の面粗さRaを1.0nm以上と大きくした構成について述べてきたが、製膜プロセス条件により、製膜時の下地の材料粒径を大きくすることにより記録面の面粗さRaを1.0nm以上とすれば、同様に記録層のMsHcを増大させた光磁気記録媒体を実現できる。
 さらに、本実施の形態におけるディスク基板では、光スポットのトラッキングガイドのためのスパイラル状あるいは環状の案内溝、あるいはプリピットを備えた構成の磁気記録媒体について述べてきたが、ディスク基板上に、アドレス情報を有する蛇行したスパイラル状の案内溝、あるいはサンプルサーボ方式等の蛇行したトラッキングガイドのためのプリピットを設けた構成のディスク基板を用いてもよい。また、本実施の形態に係るディスク基板のトラックピッチは0.55μm以上0.8μm以下、グルーブ幅は0.4μm以上0.6μm以下であるが、上記構成の情報記録トラックのグルーブ間が矩形型、あるいは逆V字型のランドあるいはグルーブにより、記録トラック間が遮断され、トラックピッチが1.0μm以下で、情報の記録されるランドあるいはグルーブの間に0.2μm以上0.8μm以下の幅を有するグルーブあるいはランドが構成されていればよい。また、さらにトラックピッチを小さくすることにより、さらに高密度な光磁気記録媒体が可能となる。
 また、上述の実施の形態に係る磁気記録媒体では、第1及び第2の誘電体層としてSiN膜、及び、ZnSSiO2膜を用いた構成について述べてきたが、ZnS膜あるいはその他のカルコゲン化物の誘電体膜、TaO2等の酸化物の膜、AlN等の窒化物の膜、或いは、それらの化合物の薄膜を用いても良い。また、誘電体層の膜厚は、2nm以上300nm以下の範囲で、エンハンス効果により信号量を増大させる構成であれば良い。
 また、上述の実施の形態に係る磁気記録媒体での各層を構成する磁性膜として、再生層としてはGdFeCoAlおよびGdFeCoCr、制御層、中間遮断層としては、TbDyFeCo、TbDyFeCr、TbFeCoCr、TbFeCoおよびTbFeAl、記録層としてTbFeCoおよびTbFeCoCr膜をそれぞれ使用して積層した構成の記録膜からなる磁気記録媒体について述べてきたが、TbFe、TbHoFe、TbCo、GdCo、GdTbFe、GdTbFeCo、GdTbHoFeCo、DyFeCoおよびGdFeCoSi等の希土類−遷移金属系フェリ磁性の非晶質合金、あるいはそれらの混合材料、あるいは、MnBi、MnBiAlあるいはPtMnSn等のMn系磁性膜の多結晶材料を用いた光磁気材料、あるいは、ガーネット、PtCo、PdCoなどの白金族−遷移金属合金、Pt/Co、Pd/Co、Pr/Feなどの金、白金族−遷移金属周期構造合金膜などを用いても良い。
 また、上述した材料を含み、かつ、材料または組成の異なる複数の記録層より構成された記録膜、あるいは、それらを混合した材料であってもよい。また、上述の磁性層には、Cr、Al、Ti、PtおよびNbなどの耐食性改善のための元素を添加しても、MsHcを所定値より大きくする構成であれば、同等以上の効果が得られる。
 また、特に、Pt/Co、Pr/Feの結晶構造を有する材料、あるいは、希土類金属−遷移金属を超格子的に積層した構成であれば、Ms・Hc値が、1×108erg/cm3の大きな値が得られるが、この場合にも、同様の効果が得られる。
 さらに、本実施の形態では、再生層、制御層、中間遮断層および記録層等を積層した記録膜の膜構成としては、30nm以上60nm以下の膜厚の再生層、5nm以上15nm以下の膜厚の制御層あるいは中間遮断層、60nm以上120nm以下の膜厚の記録層について述べてきたが、上記膜厚に限定されるものではなく、本願発明の特性を満たすように、記録層と再生層との間で十分な磁気的結合力が得られれば、膜厚が5nm以上200nm以下の範囲であれば良い。また、より好ましくは、例えば、再生層を10nm以上100nm以下、制御層を5nm以上50nm以下、中間遮断層を5nm以上50nm以下、及び記録層を30nm以上250nm以下とすることにより、同等の効果が得られる。
 また、本実施の形態に係る磁気記録媒体における記録層は、それぞれの金属材料を用いたターゲットによる多元スパッタリング、あるいは必要な材料を混合した合金ターゲットを用いてマグネトロンスパッタリング法によって、製膜時の到達真空度が1.0×10-5Pa以下であって、製膜時の導入ガスの圧力を0.6Pa以上6.0Pa以下に設定して膜形成すれば作製可能である。
 この時導入するガスとしては、少なくともArガス、Neガス、KrガスおよびXeガスを含めば良い。さらに、上述の製膜時の圧力に対して、O2、H2O、N2、H2の分圧は、100ppm以下であればさらにその効果が大きい。ここで、スパッタリングガスの圧力に対するそれらの分圧は、真空室にガス分析管を接続することにより容易に測定できる。
 また、上述の実施の形態における磁気記録媒体の記録層は、0.7nm/sec以上5nm/sec以下の製膜時の堆積速度で膜形成していたが、0.5nm/sec以上10nm/sec以下であれば、製造プロセスにおける製膜時のAr、Ne、KrおよびXe等のガス圧やバイアス磁界、或いは周期的な積層方法などの製膜条件、更には使用する装置に関わる要因パラメータによって、形成される記録膜の組成が変化した場合にも、膜中に不活性ガスを含有した構成が可能であり、所望の記録層を形成することができる。
 さらに、多元スパッタリング方式、あるいは、静止対向型のスパッタリング方式等の製膜装置条件を制御することにより、MsHcを大きくする構成であれば、記録層の信号を確実に転写し、再生層においてスムーズに磁壁移動させて磁区拡大による再生を行うことができる。
 また、記録再生特性を改善させるために、記録補助層、転写制御層、あるいはその他の磁性膜を用いた構成であっても良い。さらに、中間遮断層としては、膜厚方向での組成あるいは磁壁エネルギー密度を変化させた多層構成の磁性膜を設けても良い。
 さらに、上述の記録層からの記録再生信号を、短波長、高N.A.の光学ヘッド、あるいは、高感度なGMR磁気ヘッド、TMRヘッド等によって検出する方法を用いれば、上記記録層単層の構成、あるいは、磁気的超解像、磁壁移動による磁区拡大を用いない多層膜構成であっても、同等の効果が得られる。
 さらに、記録層の上の誘電体層に直接保護コート層を形成した構成について述べてきたが、記録層に直接、あるいは、誘電体層を介して熱吸収層を形成した構成であってもよい。また、その場合の熱吸収層の材料としては、AlTi、Al、Cu、AgおよびAuの少なくとも1つを含む合金材料であって、記録膜よりも熱伝導率の大きい材料であれば良い。
 さらに、誘電体層の上には、オーバーコート層(保護層)としてエポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、あるいは、摺動コート層としてアルミナ系の潤滑材を形成した構成について述べてきたが、その他の紫外線硬化型の樹脂、あるいは熱硬化型の樹脂等、或いはホットメルト接着剤など、あるいはそれらの材料と摺動コート材料を組み合わせた構造を採用することも可能である。
 さらに、DWDD方式を用いた磁気記録媒体とその記録再生方式について述べてきたが、それ以外の磁壁移動タイプの磁区拡大再生方式、シュリンク動作による再生磁区の拡大再生方式あるいは再生磁界交番型の再生方式等であっても、信号品質を高め、記録密度の高密度化を得るために記録再生方式を用い、Ms・Hcを拡大させた記録層であれば、微小磁区の安定性に優れ、再生層に容易に転写再生できる高感度で高密度記録再生が可能という優れた効果が得られる。
 上記のように、本実施の形態により、記録膜の温度勾配を利用した磁壁移動型拡大再生方式により、記録密度ならびに転送速度を大幅に向上させる磁気記録媒体において、記録情報の書き換えを行う記録層のMsHcを拡大した構成により、高密度記録した場合にも記録磁区の安定化と、DWDD方式による転写磁区の安定した移動による再生信号の拡大を可能にすることができる。
 また、記録層を2nm以下の積層周期を有する構成、記録層の下地層の面粗さを1.0nm以上とする構成、あるいは、50nm以下のパターンを形成した上に記録層を形成した構成により、記録マーク長が小さい場合にも優れたDWDD方式による光磁気記録再生が可能であり、記録情報の繰り返し記録再生特性に優れた光磁気記録媒体を実現できる。
 このように、本実施の形態によれば、光学的な回折限界による制約を受けることなく、磁気記録媒体に高密度に記録されている情報信号の再生時の分解能を高めることができ、あるいは、高密度記録時の記録磁区幅の減少による、GMRヘッドの検出感度の低下による影響を受けることなく、情報信号の記録再生が可能となる。
 また、高密度化によるデータ転送レートの向上が可能であり、記録磁区の再生層への転写特性を安定化させることにより、DWDD方式による転写磁区の再生信号特性の安定性にも優れており、更に、再生信号振幅の増大も可能であり、高密度で且つ信号特性の信頼性に優れた光磁気記録媒体が提供される。さらに、重畳信号を低減しての再生が可能なので各種マージンが広がり、磁気記録媒体の製造コスト、および、記録再生装置のコストを下げることができるという、優れた効果を奏するものである。
 本発明は、光ビームによって情報が記録再生される光磁気記録媒体と、磁気ヘッドからの磁界によって情報が記録再生されるハードディスク等の磁気記録媒体との双方に適用することができる。
実施の形態1に係る磁気記録媒体の構造を示す断面図である。 (a)は実施の形態1に係る磁気記録媒体に形成された記録膜の断面を模式的に示す図であり、 (b)は記録膜の表面に平行な方向に沿った位置と記録膜の温度との間の関係を示すグラフであり、 (c)は記録膜の表面に平行な方向に沿った位置と記録膜の磁壁エネルギー密度との間の関係を示すグラフであり、 (d)は記録膜の表面に平行な方向に沿った位置と磁壁の駆動力との間の関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る磁気記録媒体の記録層を形成する方法を説明するための模式図である。 実施の形態1に係る磁気記録媒体に形成された記録層の積層構造の周期とMs・Hcとの間の関係を示すグラフである。 実施の形態1に係る磁気記録媒体に形成された記録層のMs・Hcと記録マーク長の記録限界との間の関係を示すグラフである。 実施の形態2に係る磁気記録媒体の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る磁気記録媒体の記録層を形成する方法を説明するための模式図である。 実施の形態3に係る磁気記録媒体の構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る磁気記録媒体の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る磁気記録媒体の構成を示す断面図である。 実施の形態6に係る磁気記録媒体の構成を示す斜視図である。 磁気記録再生装置の構成を示すブロック図である。 他の磁気記録再生装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 磁気記録媒体
11 ディスク基板
12 誘電体層
13 再生層
14 中間層
15 記録層
16 誘電体層
17 保護コート層

Claims (27)

  1.  ディスク基板と、
     前記ディスク基板の表面に垂直な方向に沿って磁気異方性を有する記録層とを具備する磁気記録媒体であって、
     前記記録層は、前記記録層の最短マーク長が所望の値にまで小さくなる程度に、室温における前記記録層の保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcが十分大きくなるように形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2.  前記保磁力Hcと飽和磁化Msとの積Ms・Hcは、
     Ms・Hc>3×106erg/cm3
     の関係を満たす、請求項1記載の磁気記録媒体。
  3.  前記記録層に記録された記録情報を再生するために前記記録層と前記ディスク基板との間に形成された再生層と、
     前記再生層と前記記録層との間の交換結合を制御するために前記再生層と前記記録層との間に形成された中間層とをさらに具備しており、
     前記記録情報は、前記記録層に記録磁区として熱磁気記録されており、
     前記記録磁区は、前記再生層へ転写され、
     前記再生層へ転写された前記記録磁区の間の磁壁が前記再生層の表面に平行な方向に沿って移動することによって前記記録情報が再生される、請求項1記載の磁気記録媒体。
  4.  前記記録層に形成される記録情報のパターンに応じた記録マークの前記最短マーク長が、0.2マイクロメートル以下である、請求項1記載の磁気記録媒体。
  5.  前記記録層が、少なくともTb、FeおよびCoまたは超格子構成を含む、請求項1記載の磁気記録媒体。
  6.  前記記録層に含まれる前記Tb、FeおよびCoは、周期的に積層されている、請求項5記載の磁気記録媒体。
  7.  前記記録層に含まれる前記Tb、FeおよびCoは、2nm以下の厚みで周期的に積層されている、請求項5記載の磁気記録媒体。
  8.  前記記録層は、材料、あるいは、組成比の異なる層ごとに2nm以下の厚みで周期的に積層されている、請求項5記載の磁気記録媒体。
  9.  前記記録層は、希土類リッチ組成の層と遷移金属リッチ組成の層とが周期的に積層されることによって構成されている、請求項5記載の磁気記録媒体。
  10.  前記記録層は、少なくとも表面粗さがRa0.5nm以上である下地層の上に形成されている、請求項1記載の磁気記録媒体。
  11.  前記下地層としては、基板、誘電体層もしくは磁性層を用いる、請求項10記載の磁気記録媒体。
  12.  前記記録層は、不活性ガスを用いた製膜によって形成される、請求項1記載の磁気記録媒体。
  13.  前記不活性ガスは、Ne、Ar、KrおよびXeから選択される少なくとも1つを含んでいる、請求項12記載の磁気記録媒体。
  14.  前記記録層は、Ne、Ar、KrおよびXe原子から選択される少なくとも1つを含んでいる、請求項1記載の磁気記録媒体。
  15.  前記記録層に形成される記録磁区の大きさは、少なくとも0.5μm以下である、請求項1に記載の磁気記録媒体。
  16.  前記ディスク基板上には、前記記録層に形成される記録磁区のパターンに応じたピット形状のパターンが形成されている、請求項1に記載の磁気記録媒体。
  17.  前記ディスク基板上には、前記記録層に形成される記録磁区の最小パターンよりも小さいピット形状の凹凸のパターンが形成されている、請求項1に記載の磁気記録媒体。
  18.  請求項10記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
     前記記録層を形成するための下地層の表面の形状をエッチングすることにより変化させることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  19.  前記下地層としては、基板、誘電体層もしくは磁性層を用いる、請求項18記載の磁気記録媒体の製造方法。
  20.  前記エッチングは、イオン照射エッチング、プラズマエッチングを含むドライエッチングである、請求項18記載の磁気記録媒体の製造方法。
  21.  請求項3記載の磁気記録媒体の製造方法であって、
     前記記録層を形成する時には、真空室内の到達真空度を、1×10-5Pa以下に真空排気した後に、Arガス、Neガス、KrガスおよびXeガスから選択される少なくとも1つを前記真空室内に導入することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  22.  前記記録層を形成する時における前記真空室内のO2、H2O、N2およびH2の分圧が、製膜圧力に対して100ppm以下である、請求項21記載の磁気記録媒体の製造方法。
  23.  前記真空室内において前記記録膜を形成する時の前記製膜圧力は、0.4Pa以上6.0Pa以下である、請求項22記載の磁気記録媒体の製造方法。
  24.  前記記録層を形成する時の堆積速度が、0.5nm/sec以上10nm/sec以下である、請求項21記載の磁気記録媒体の製造方法。
  25.  請求項1記載の磁気記録媒体に形成された前記記録層へ記録情報を記録するために設けられた記録手段と、
     前記記録層に形成された記録磁区を再生層に転写し、転写された前記記録磁区の磁壁を移動させて前記記録情報を再生する再生手段とを具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
  26.  前記再生手段は、前記再生層に温度勾配を形成することによって、前記転写された記録磁区を拡大して前記記録情報を再生する、請求項25記載の磁気記録再生装置。
  27.  前記再生手段は、外部からの高周波磁界を前記再生層に印加することによって、前記転写された記録磁区を拡大して前記記録情報を再生する、請求項25記載の磁気記録再生装置。
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