JPH11120631A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JPH11120631A
JPH11120631A JP9281997A JP28199797A JPH11120631A JP H11120631 A JPH11120631 A JP H11120631A JP 9281997 A JP9281997 A JP 9281997A JP 28199797 A JP28199797 A JP 28199797A JP H11120631 A JPH11120631 A JP H11120631A
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land
groove
substrate
recording
optical disk
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JP9281997A
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Masahiro Furuta
正寛 古田
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリングにより形成される薄膜の厚さ
に関して、ランド部とグルーブ部でその差を小さくし、
その結果、ランド部とグルーブ部に記録、消去、及び再
生を行う際のビーム強度の差が小さい光ディスクの製造
方法を提供する。 【解決手段】 ランド部とグルーブ部の両方に情報を記
録する光ディスクの製造方法であって、ランド部とグル
ーブ部が形成された基板の表面に、情報記録のための記
録層、及び前記記録層を保護するための保護層をスパッ
タリングにより形成する際、少なくとも一つの層を形成
する際に、基板または基板ホルダーにバイアス電圧を印
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの製造
方法に関するものであり、特に、光ディスクの構成要素
である薄膜のスパッタリングによる形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度に情報を記録することが可能で、
かつ、高速に再生することが可能な光ディスクは、オー
ディオや画像の用途、更にコンピュータ用の記録媒体と
して注目されている。再生専用のCDはオーディオ用や
コンピュータ用として広く普及している。また、1回の
み情報の記録が可能なライトワンスタイプや、一旦記録
した情報を何度も書換えることが可能な書き換え可能タ
イプ(re-writableタイプ)も普及してきている。特
に、書き換え可能タイプの1種である光磁気ディスク
は、100万回以上の情報の書き換えが可能であり、主と
してコンピュータ用の記録媒体として普及が進んでい
る。
【0003】光ディスクには、その記録原理により、情
報を磁化の向きの形で記録する光磁気タイプや、情報を
結晶、非結晶の形で記録する相変化タイプ等に分類され
る。光ディスクには、記録再生装置の光ピックアップか
ら出射されるレーザービームを情報列に沿って導くため
の、即ち、トラッキングのためのガイドが凹または凸の
形でスパイラル状に形成されている。この凹または凸状
のガイドのことをガイド溝と呼ぶ。ISO規格において
は、ピックアップから見て凹部、即ち遠い側をランドと
呼び、逆にピックアップから見て凸部、即ち近い側をグ
ルーブと呼ぶ。従来、情報はランドまたはグルーブのい
ずれか一方に記録されており、ランドに記録する場合を
ランド記録方式、グルーブに記録する場合をグルーブ記
録方式と呼んでいる。そして、ランドの中心から隣りの
ランドの中心までの距離、またはグルーブの中心から隣
りのグルーブの中心までの距離をトラックピッチと呼ん
でいる。
【0004】近年、画像ファイルを光ディスクに記録す
る機会が増加し、そのために、光ディスクの記録容量を
大きくするという要求が高まってきている。即ち、光デ
ィスクの記録密度を上げる要求が高まっている。光ディ
スクの記録密度を上げるには、トラックピッチを詰める
のが効果的である。勿論、そのためには記録マーク幅を
小さくする必要がある。従来トラックピッチは1.6μm
が標準であったが、最近では、1.4μmや1.2μm、更に
1.0μmの狭いトラックピッチが提案されている。
【0005】しかし、トラックピッチを狭くすると、隣
接したトラックに書き込まれた情報を同時に読み出して
しまう現象(光クロストークと呼んでいる)が起こる。
また、トラッキングに必要なトラッキング誤差信号がか
なり小さくなるので正確なトラッキングが困難になるこ
と等の問題が生じる。そこで、高密度に情報を記録する
ための別のアプローチとして、ランドグルーブ記録方式
が提案された。これは、これまでランドまたはグルーブ
のいずれか一方にしか情報を記録していなかったのに対
して、ランドとグルーブの両方に情報の記録を行うこと
で、トラックピッチを半分にして記録密度を高めるとい
うものである。例えば、ランド(またはグルーブ)の中
心から隣りのランド(またはグルーブ)の中心までの距
離が1.4μmの場合、ランドとグルーブの両方に記録を
行うことで、トラックピッチは0.7μmとなり記録密度
を実質的に2倍に高めることができる。
【0006】この方式においては、グルーブ深さを適当
な値にとれば、ランド(グルーブ)トラックを再生中
に、隣接するグルーブ(ランド)トラックの情報を同時
に読み出してしまうことを避けることができる。即ち、
光クロストークが起こるのを防止できるのである。ま
た、ランド(またはグルーブ)の中心間距離が小さい訳
ではないので、トラッキング誤差信号は十分な大きさを
確保することができる。
【0007】上記のように、光クロストークの防止とト
ラッキング誤差信号の維持については、一応の解決はで
きる。しかし、光記録では、光磁気タイプにしても相変
化タイプにしても、レーザービームの熱によりトラック
に情報の記録や消去が行われる。従って、トラックピッ
チが小さくなるに従って、あるトラックへの記録や消去
を行う際に発生する熱が隣接するトラックの温度を上昇
させる度合いが大きくなる。そして、ついには、隣接す
るトラックの情報を消去してしまう(クロスイレーズあ
るいは熱クロストークという)という問題が発生する。
トラックピッチをどこまで狭くできるかは、このクロス
イレーズによって決まる。ランド部とグルーブ部の段差
が40〜80nm程度の従来の光ディスクでは、光磁気タイプ
や相変化タイプで0.8μm程度、また、光変調オーバー
ライト光磁気タイプで0.9〜1.0μm程度までが限界であ
り、これ以上の狭いトラックは困難であると考えられて
いた。
【0008】この問題を解決したのが、ディープグルー
ブ(deep groove)である。即ち、ランドとグルーブの段
差を大きくすることで熱の移動距離を長くし、それによ
り、隣接するトラックへの熱の移動量を小さくしようと
するものである。非常に小さなマークを再生しようとす
ると、従来の再生ビームサイズでは、一度の複数のマー
クを再生してしまう(クロストーク)が起こる。従っ
て、必要な再生信号が得られない。そこで、メモリー層
とは別に再生層と呼ばれる磁性層を設けて、メモリー層
に記録された情報をマスクしておき、再生ビーム照射に
よって発生する温度分布のうちの一部の温度領域での
み、メモリー層の磁化を再生層に転写して再生するとい
う技術が提案されている。これを磁気超解像再生(MS
R)という。
【0009】光ディスクは一般に、予めランドとグルー
ブに相当する凹凸が形成された透明な基板の上に、1層
または複数層の情報の記録のために機能する層(以下、
記録層という)と、この層を保護するための誘電体層が
積層されて形成され、更に、その上に樹脂による保護層
が形成されている。これらの記録層や保護層は、スパッ
タリングにより形成される。スパッタリングは、真空チ
ャンバー内に設置されたターゲットの表面をアルゴンイ
オンにより微細な粒子として叩き出し、その粒子を基板
上に付着させることで薄膜を形成する方法である。アル
ゴンイオンにより叩き出された粒子は放射状に飛散す
る。従って、基板上には、種々の角度から飛んできた粒
子が付着することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、既に説明し
たように、光ディスク基板の表面には、ランド部とグル
ーブ部の段差が形成されている。従って、スパッタリン
グの際、ターゲットから叩き出された粒子がランド部に
遮られるために、グルーブ部には付着しにくいという現
象が起こる。ランド部とグルーブ部の段差が、従来の光
ディスクのように小さい場合には、この現象は顕著では
ないので、特に大きな問題にはならない。しかし、ラン
ド部とグルーブ部の段差が大きくなるにしたがって、こ
の現象は顕著になる。即ち、ディープグルーブの光ディ
スクでは、ランド部に形成される薄膜の厚さに比べて、
グルーブ部に形成される薄膜がかなり薄くなる。この様
子を図3に示す。
【0011】このような光ディスクではランド部とグル
ーブ部で熱容量が大きく異なるため、同じ強度のビーム
を照射しても、照射部分の到達温度はランド部とグルー
ブ部で大きく異なる。従って、同じビーム強度でランド
部とグルーブ部に記録を行うと、記録マークの太さや長
さに違いが出てしまう。即ち、ランド部とグルーブ部
で、記録マークが形成される温度(記録感度)が異なる
のである。そこで、ランド部とグルーブ部において、共
に同じ状態の記録を行うには、それぞれに対して異なっ
たビーム強度を設定する必要がある。この問題は記録に
限らず消去においても同様であり、ランド部とグルーブ
部の段差が大きな光ディスクでは、消去ビーム強度をラ
ンド部とグルーブ部で変えなければならないという問題
がある。
【0012】既に説明したように、グルーブ部に比べて
ランド部の熱容量は大きいため、ランド部に記録や消去
を行う際には、グルーブ部に記録や消去を行う場合に比
べて相対的に大きな強度のビームを照射する必要があ
る。従って、ランド部では大量の熱が発生し、これがグ
ルーブ部へ流れる。グルーブ部の熱容量は小さいのでラ
ンド部から流れてくるわずかの熱によっても大きく温度
上昇する。この結果、グルーブに記録されていた情報が
消去されてしまうという問題が発生する。
【0013】MSR再生を行う場合には、再生ビームに
よる温度分布を利用するため、ランド部とグルーブ部で
熱容量が大きく異なると、ランド部とグルーブ部で再生
ビーム強度を大きく変えなければならないという問題が
発生する。本発明は上記問題点を解決し、スパッタリン
グにより形成される薄膜の厚さに関して、ランド部とグ
ルーブ部でその差を小さくし、その結果、ランド部とグ
ルーブ部に記録、消去、及び再生を行う際のビーム強度
の差が小さい光ディスクの製造方法を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ランド部とグルーブ部の両方に情報を記録する光デ
ィスクの製造方法であって、ランド部とグルーブ部が形
成された基板の表面に、情報記録のための記録層、及び
前記記録層を保護するための保護層をスパッタリングに
より形成する際、少なくとも一つの層を形成する際に、
基板または基板ホルダーにバイアス電圧を印加すること
を特徴とする。このような構成により、ターゲットから
スパッタされた粒子は基板に対して垂直方向に加速され
るので、斜め方向の速度成分の影響が小さくなる。この
結果、グルーブ部にも薄膜が形成されやすくなり、ラン
ド部とグルーブ部でそれぞれ形成される薄膜の厚さの差
を小さくすることができる。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の光ディスクの製造方法において、ランド部とグルーブ
部の段差は80〜600 nmであることを特徴とする。このよ
うな構成により、ランド部とグルーブ部の段差の大きな
基板に対しても、ランド部とグルーブ部でそれぞれ形成
される薄膜の厚さの差を小さくすることができる。請求
項3に記載の発明は、請求項1及び2に記載の光ディス
クの製造方法において、情報記録のための記録層、及び
前記記録層を保護するための保護層のうち少なくとも一
つの層を形成する際に、基板は静止状態であることを特
徴とする。このような構成により、ターゲットからスパ
ッタされた粒子が基板に対して直角な方向に運動する関
係が保たれるので、ランド部とグルーブ部でそれぞれ形
成される薄膜の厚さの差をより小さくすることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にお
ける実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る光デ
ィスクの製造方法に用いるスパッタリング装置の概念図
である。図1のスパッタリング装置は、真空チャンバー
1、真空ポンプ2、スパッタリングガス導入部3、カソ
ード4、基板ホルダー5、放電用RF電源6、バイアス
用直流電源7、及びガス圧計8からなる。
【0017】真空チャンバー1の内部には、カソード4
と基板ホルダー5が装備されており、カソード4にはタ
ーゲットTが、また、基板ホルダー5には基板Sがそれ
ぞれ取付け可能となっている。真空ポンプ2は真空チャ
ンバー1内の空気を排気して圧力を下げる。また、真空
チャンバー1には、1個ないし複数個のスパッタリング
ガス導入部3が取付けられており、これらにより真空チ
ャンバー1内にスパッタリングガスあるいは反応性ガス
を供給できるようになっている。放電用RF電源6は、
カソードを通じターゲットにRF電圧を印加する。バイ
アス用直流電源7は、基板ホルダー5に直流電圧を印加
する。ガス圧計8は真空チャンバー内の圧力を指示す
る。
【0018】放電用RF電源6によりカソードを通じタ
ーゲットにRF電圧を印加すると、プラズマ状態となっ
たスパッタリングガス(例えばアルゴンガス)が、ター
ゲット表面に衝突しターゲット材料の粒子を叩き出す。
本発明の光ディスク製造方法では、スパッタリングを行
う際、バイアス用直流電源7により基板ホルダーに直流
電圧(バイアス電圧)を印加する。
【0019】図2は、図1に示したスパッタリング装置
を用いて本発明の光ディスクの製造方法により作製した
光ディスクの構造を示す垂直断面図である。図2に示す
ように、従来の製造方法により作製した光ディスク(図
3に示す)に比べて、ランド部とグルーブ部での形成さ
れる薄膜の厚さの差が小さい。
【0020】
【実施例】
(光磁気ディスクの作製)スパッタリング装置を用意す
る。このスパッタリング装置は、図1に示すスパッタリ
ング装置が複数連続し、1つの真空チャンバーから他の
真空チャンバーに真空状態を保ったまま移動できる構成
となっている。真空チャンバー1の一つの内部のカソー
ド4には、窒化シリコンターゲットが装着されており、
また別の真空チャンバー1の一つの内部のカソード4に
は、磁性材料としての、2種類のGdFeCoターゲット、Gd
Feターゲット、及びTbFeCoターゲットが装着されてい
る。カソード4には放電用RF電源6によりRF電圧を
印加することができる。また、別のDC(図示せず)電
源によりDC電圧を印加することもできる。
【0021】次に、表面にランド部とグルーブ部の段差
が50 nmから800 nmの範囲の種々の大きさを有する複数
の種類の光ディスク用基板を用意する。これらの基板の
ランド及びグルーブのピッチは1.4μmであり、スパイ
ラル状に形成されている。次に、真空チャンバー1内に
装備されている基板ホルダー5に、上記基板をセット
し、真空チャンバー1内を真空ポンプ2により、1×ex
p(−6)Pa以下の真空度まで排気する。次に、アルゴ
ンガスをチャンバー内に導入し、真空チャンバー1内の
圧力を3×exp(−3)Paとし、この状態で窒化シリコ
ンターゲットによりスパッタリングを行い、窒化シリコ
ン層を厚さ75 nm形成する。この際、放電用RF電源6
への投入電力を600Wとし、また、バイアス用直流電源
7により30Vの直流電圧を基板ホルダー5に印加する。
【0022】次に、基板キャリアを別の真空チャンバー
に移動し、再びアルゴンガスを導入してチャンバー内の
圧力を5×exp(−3)Paとする。この状態でGdFeCoの
合金ターゲットによりスパッタリングを行い、Gd25Fe60
Co15(原子%で、Gd25%、Fe60%、Co15%、以下同じ)
による再生層を窒化シリコン層の上に厚さ30 nm形成す
る。この際、放電用RF電源6への投入電力を400Wと
し、また、バイアス用直流電源7により20Vの直流電圧
を基板ホルダー5に印加する。
【0023】次に、アルゴンガスを導入してチャンバー
内の圧力を5×exp(−3)Paとした状態で、GdFeの合
金ターゲットによりスパッタリングを行い、Gd29Fe71に
よる中間層を再生層の上に厚さ50 nm形成する。この
際、放電用RF電源6への投入電力を400Wとし、ま
た、バイアス用直流電源7により20Vの直流電圧を基板
ホルダー5に印加する。
【0024】次に、アルゴンガスを導入してチャンバー
内の圧力を5×exp(−3)Paとした状態で、TbFeCoの
合金ターゲットによりスパッタリングを行い、Tb21Fe63
Co16によるメモリー層を中間層の上に厚さ50 nm形成す
る。この際、放電用RF電源6への投入電力を400Wと
し、また、バイアス用直流電源7により20Vの直流電圧
を基板ホルダー5に印加する。
【0025】次に、最初の窒化シリコン層の成膜と同様
の手順により、窒化シリコン層をメモリー層の上に厚さ
70nm成膜する。以上の手順でスパッタリングによる成膜
を行った後、更に樹脂保護膜を塗布して、磁気超解像再
生(MSR)可能な光磁気ディスクを作製する。 (記録)次に、光磁気記録再生装置を用意する。この装
置は、波長680nmの半導体レーザ光源と開口数(N.A.)
=0.55の光学系を持つ光ピックアップを装備している。
また、ディスクを回転させるためのスピンドルモータ
ー、磁界印加部、及び信号処理回路も装備している。
【0026】種々のランド部とグルーブ部の段差を有す
る作製した光磁気ディスクを光磁気記録再生装置にセッ
トして、9.0m/sの線速度で回転させる。ランド部にトラ
ッキングしながら9.0mWの強度のレーザービームを光ピ
ックアップの光学系により集光して光磁気ディスクに照
射する。同時に、消去方向に300 Oeの強さの磁界を印加
して、ランド部のメモリー層の磁化方向を消去方向に一
方向に揃えて初期化を行う。
【0027】次に、グルーブ部にトラッキングをかけな
がら同様の動作を行い、グルーブ部のメモリー層の磁化
方向を消去方向に一方向に揃えて初期化を行う。次に、
ランド部にトラッキングしながら、レーザービームをラ
ンドにおける最適記録レベルと1.0mWの間で15 MHzデュ
ーティー比50%でパルス変調しながら光磁気ディスクに
照射し、長さ0.3μmの単一周期のマークを記録する。
【0028】次に、グルーブ部にトラッキングしなが
ら、レーザービームをグルーブにおける最適記録レベル
と1.0mWの間で15 MHzデューティー比50%でパルス変調
しながら光磁気ディスクに照射し、長さ0.3μmの単一
周期のマークを記録する。 (再生による評価)マークを記録したランド部にトラッ
キングしながら、レーザービームを光磁気ディスクに照
射して再生を行い、再生信号のC/N(キャリアレベル
/ノイズレベル)値を測定する。この際、再生レーザー
ビーム強度を2.0mWから0.1mWおきに4.0mWまで増加させ
て、各強度におけるC/N値を評価する。
【0029】次に、マークを記録したグルーブ部にトラ
ッキングしながら、レーザービームを光磁気ディスクに
照射して再生を行い、再生信号のC/N(キャリアレベ
ル/ノイズレベル)値を測定する。この際、再生レーザ
ービーム強度を1.5mWから0.1mWおきに4.0mWまで増加さ
せて、各強度におけるC/N値を評価する。これらの結
果を図4に示す。図4は、ランド部とグルーブ部の段差
が60〜600 nmのサンプルの再生信号C/Nを示してい
る。図4において、再生ビーム強度が低い場合にC/N
値が低いのは、MSR再生が行われないために、再生層
にメモリー層の磁化が転写されないためと考えられる。
また、再生ビーム強度が高い場合にC/N値が低いの
は、再生ビームスポット内の全域で高温になってしまう
ためにMSR再生が行われなくなるためと考えられる。
【0030】図4より、本発明の光ディスクの製造方法
により作製した光ディスクでは、ランドにおける最適再
生ビーム強度とグルーブにおける最適再生ビーム強度は
共に約3.0mWであり、両者の差は極めて小さい。これ
は、ランド部とグルーブ部での熱容量の違いが小さい、
即ち、両者における薄膜の厚さの差が小さいことを示し
ている。勿論、最適記録ビーム強度及び最適消去ビーム
強度も、ランド部とグルーブ部での差は極めて小さい。
【0031】なお、ランド部とグルーブ部の段差が600
nmを超えたサンプルでは、ランド部及びグルーブ部にお
ける再生ビーム強度の際適値の隔たりが大きくなる。こ
れは、ランド部とグルーブ部の段差が600 nmを超える範
囲では、グルーブ部に薄膜が形成されにくくなり、ラン
ド部とグルーブ部における熱容量が大きく異なるためと
考えられる。
【0032】
【比較例】
(光磁気ディスクの作製)実施例と同じ図1に示すスパ
ッタリング装置を用い、また、実施例と同じ光ディスク
用基板を用いて光磁気ディスクを作製する。窒化シリコ
ン層を形成する際、別のDC電源(図示せず)を用い投
入電力を600Wとし、基板ホルダー5にはバイアス電圧
を印加しない。なお、放電用RF電源6は使用しない。
【0033】次に、基板キャリアを別の真空チャンバー
に移動して、厚さ30 nmのGd25Fe60Co15による再生層、
厚さ50 nmのGd29Fe71による中間層、及び厚さ50 nmのTb
21Fe63Co16によるメモリー層を順次形成するが、いずれ
の層の形成の際にも基板ホルダー5にはバイアス電圧の
印加を行わない。また、放電には、別のDC電源(図示
せず)を用い、RF電源は使用しない。
【0034】次に、最初の窒化シリコン層の成膜と同様
にスパッタリングを行い、窒化シリコン層をメモリー層
の上に厚さ70nm成膜する。以上の手順でスパッタリング
による成膜を行った後、更に樹脂保護膜を塗布して、磁
気超解像再生(MSR)可能な光磁気ディスクを作製す
る。 (記録及び再生による評価)上記の光磁気ディスクを、
実施例と全く同様にして、記録を行い、それを再生して
C/N値を評価する。
【0035】その結果を図5に示す。図5は、ランド部
とグルーブ部の段差が60〜600 nmのサンプルの再生信号
C/Nを示している。図5より、比較例の光ディスクで
は、ランドにおける最適再生ビーム強度は3.0mWである
のに対して、グルーブにおける最適再生ビーム強度は2.
5mWとなり、両者に大きな違いが生じることがわかる。
これは、ランド部の熱容量に比べてグルーブ部での熱容
量が小さい、即ち、ランド部の薄膜に比べてグルーブ部
の薄膜の厚さが小さいことを示している。勿論、最適記
録ビーム強度及び最適消去ビーム強度も、ランド部に比
べてグルーブ部ではかなり小さくなっている。
【0036】なお、ランド部とグルーブ部の段差が60 n
mより小さいサンプルでは、ランド部及びグルーブ部に
おける再生ビーム強度の際適値の隔たりが小さくなる。
これは、ランド部とグルーブ部の段差が60 nmより小さ
いサンプルでは、そもそもグルーブ部に薄膜が形成され
やすいので、ランド部とグルーブ部における熱容量が小
さいためと考えられる。ランド部とグルーブ部の段差が
600 nmを超えたサンプルでは、ランド部及びグルーブ部
における再生ビーム強度の際適値の隔たりが更に大きく
なることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明では、情報記録のための記録層や保護層をスパッタ
リングにより形成する際、基板または基板ホルダーにバ
イアス電圧を印加する。それにより、ターゲットからス
パッタされた粒子は基板に対して垂直方向に加速される
ので、斜め方向の速度成分の影響が小さくなり、グルー
ブ部にも薄膜が形成されやすくなる。その結果、ランド
部とグルーブ部で薄膜の厚さの差の小さい光ディスクを
提供することが可能となる。
【0038】請求項2に記載の発明では、ランド部とグ
ルーブ部の段差は80〜600 nmである。それにより、ラン
ド部とグルーブ部の段差の大きい光ディスクであって
も、ランド部とグルーブ部で薄膜の厚さの差の小さい光
ディスクを提供することが可能となる。請求項3に記載
の発明では、情報記録のための記録層や保護層をスパッ
タリングにより形成する際、基板は静止状態である。そ
れにより、ターゲットからスパッタされた粒子が基板に
対して直角な方向に運動する関係が保たれる。その結
果、ランド部とグルーブ部で薄膜の厚さの差の小さい光
ディスクを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光ディスクの製造方法に用いる
スパッタリング装置の基本的な構成を示す概念図であ
る。
【図2】 本発明の光ディスクの製造方法により作製し
た光ディスクの薄膜の厚さを説明する垂直断面図であ
る。
【図3】 従来技術の光ディスクの製造方法により作製
した光ディスクの薄膜の厚さを説明する垂直断面図であ
る。
【図4】 本発明の光ディスクの製造方法により作製し
た光ディスクのランド及びグルーブにおける再生ビーム
強度とC/N値の関係を説明するグラフである。
【図5】 従来技術の光ディスクの製造方法により作製
した光ディスクのランド及びグルーブにおける再生ビー
ム強度とC/N値の関係を説明するグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランド部とグルーブ部の両方に情報を記
    録する光ディスクの製造方法であって、 ランド部とグルーブ部が形成された基板の表面に、情報
    記録のための記録層、及び前記記録層を保護するための
    保護層をスパッタリングにより形成する際、少なくとも
    一つの層を形成する際に、基板または基板ホルダーにバ
    イアス電圧を印加することを特徴とする光ディスクの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光ディスクの製造方法
    において、 ランド部とグルーブ部の段差は80〜600 nmであることを
    特徴とする光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び2に記載の光ディスクの製
    造方法において、 情報記録のための記録層、及び前記記録層を保護するた
    めの保護層のうち少なくとも一つの層を形成する際に、
    基板は静止状態であることを特徴とする光ディスクの製
    造方法。
JP9281997A 1997-10-15 1997-10-15 光ディスクの製造方法 Pending JPH11120631A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100562217B1 (ko) * 2000-04-27 2006-03-22 오리진 일렉트릭 캄파니 리미티드 광디스크기판의 접합방법 과 장치, 및 액상물질의 공급방법
US7758982B2 (en) 2005-09-02 2010-07-20 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. SiN overcoat for perpendicular magnetic recording media

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