JPH1153763A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JPH1153763A
JPH1153763A JP9206723A JP20672397A JPH1153763A JP H1153763 A JPH1153763 A JP H1153763A JP 9206723 A JP9206723 A JP 9206723A JP 20672397 A JP20672397 A JP 20672397A JP H1153763 A JPH1153763 A JP H1153763A
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JP
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groove
thickness
recording layer
recording
disk
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JP9206723A
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English (en)
Inventor
Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノイズが少なく、しかもクロスイレーズを低
減して高密度記録が可能な光ディスクを提供する。 【解決手段】 トラッキングガイド用のグルーブが設け
られたディスク基板と、ディスク基板のグルーブ面およ
びランド面上に形成された記録層を含む薄膜を具備した
光ディスクにおいて、グルーブ面上の記録層の厚さとラ
ンド面上の記録層の厚さとが実質的に同一であり、グル
ーブの側壁面上に設けられた記録層の厚さが側壁面にわ
たって実質的に均一であり、側壁面上に設けられた記録
層の厚さがグルーブ面およびランド面上に設けられた記
録層の厚さよりも薄い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ビームを照射して
情報の記録再生を行う光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】光ビームを照射して情報の記録再生を行
う光ディスクは、非接触・高速アクセス、高密度記録、
媒体可搬性を兼備し、計算機周辺記憶装置、映像・音声
ファイル装置などに利用されている。計算機の演算速度
の高速化、動画像を含めた各種情報量の増大に伴って、
光ディスクの大容量化に対する要求はますます高まって
いる。
【0003】書換え形光ディスクの記憶容量を増加する
技術としては、(a)光源である半導体レーザーの短波
長化;(b)微弱信号の再生を可能にするPRML方
式;(c)記録マークのエッジ位置に情報を記録するマ
ーク長記録;(d)ランド・グルーブ記録;(e)各種
の超解像再生;などが提案され、一部は実用化されてい
る。
【0004】上記のランドグルーブ記録(以下、L−G
記録と記す)は、トラッキングガイド用のグルーブが設
けられたディスク基板のランドおよびグルーブの両方に
記録マークを形成する方法である。この方法は、従来の
オンランド記録またはイングルーブ記録に比べ、記録密
度を倍増することができ、大容量化の効果が大きい。L
−G記録を実現するうえでは、記録時のクロスイレーズ
と再生時のクロストークを低減することが重要になる。
【0005】再生クロストークについては、グルーブの
深さを調整して光学的干渉作用により、ランドを再生し
ているときにはグルーブが見えず、グルーブを再生して
いるときにはランドが見えないようにすれば、十分に小
さくできる。
【0006】記録時のクロスイレーズは、特に記録温度
と消去温度が異なる記録方法、例えば相変化光記録媒体
で顕著である。例えばランドに記録マークを形成すると
きには、ランド幅と同程度の領域が記録層の融点以上に
昇温される。このとき、レーザービームの等温線はほぼ
ガウス形のプロファイルを示すため、隣接するグルーブ
の端部は結晶化温度以上に昇温される。ただし、結晶化
温度以上に昇温されている時間が記録層の結晶化時定数
よりも短ければ、ランドに1回記録しただけでは、隣接
グルーブの記録マークの端部は変質しない。しかし、隣
接グルーブのマークはそのままの状態で、ランドへのオ
ーバーライトを繰り返すと、隣接グルーブの記録マーク
の端部が結晶化温度以上に昇温されている積算時間が結
晶化時定数を超え、その記録マークの端部が消去されて
しまう。
【0007】また、光磁気記録においても反磁界や漏洩
磁界(交換結合積層媒体ではさらに界面磁界などの媒体
内部磁界)の影響により、上向き磁化を形成する温度と
下向き磁化を形成する温度は一致せず、相変化記録と同
様にクロスイレーズが問題になる。
【0008】上述したクロスイレーズを回避する技術と
してディープグルーブ(以下、DGと記す)方式が提案
されている(例えば、第8相変化記録研究会シンポジウ
ム予稿集pp.77−81)。一般に、L−G記録にお
いてクロストークなしに再生できるグルーブの深さd
は、光ディスクの動作波長をλ、光ディスク基板の屈折
率をnとすると、次式で与えられる。
【0009】 d=λ/4n±λk/12n(kは自然数) DG方式は、一般的に採用されている第1干渉条件(k
=1)ではなく、第2以上の干渉条件(k=2以上)を
満たすように深いグルーブを設ける技術である。なお、
DGの深さは記録媒体膜の特性にも依存する。このた
め、相変化光記録媒体の場合には、非晶質マークからの
反射光と結晶部からの反射光の位相が一致するように、
グルーブの深さを微調整する必要がある。また、光磁気
記録媒体の場合には、上向き磁化からの反射光の楕円率
と下向き磁化からの反射光の楕円率とが一致するよう
に、グルーブの深さを微調整する必要がある。これらの
微調整は光学設計によって実現可能である。
【0010】このDG方式は干渉条件を満たしているの
で、再生時のクロストークを低減できる。しかも、グル
ーブの深さが深いので、隣接するランドまたはグルーブ
への熱流を低減してクロスイレーズを防止する効果も得
られる。また、DGの利点を十分に引き出すうえでは、
グルーブのテーパ角は垂直に近いほうが好ましいことも
確認されている。
【0011】しかし、DGを有するディスク基板上に通
常のスパッタリング法で媒体膜を形成すると、ノイズが
大きくなるという問題があった。本発明者の研究によれ
ば、ノイズが大きくなる原因は、ディスク基板上での媒
体膜の堆積状態の不均一性によることが明らかになっ
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ノイ
ズが少なく、しかもクロスイレーズを低減して高密度記
録が可能な光ディスクを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスクは、
トラッキングガイド用のグルーブが設けられたディスク
基板と、ディスク基板のグルーブ面およびランド面上に
形成された記録層を含む薄膜を具備した光ディスクにお
いて、グルーブ面上の記録層の厚さとランド面上の記録
層の厚さとが実質的に同一であり、グルーブの側壁面上
に設けられた記録層の厚さが側壁面にわたって実質的に
均一であり、側壁面上に設けられた記録層の厚さがグル
ーブ面およびランド面上に設けられた記録層の厚さより
も薄いことを特徴とする。
【0014】本発明の他の光ディスクは、トラッキング
ガイド用のグルーブが設けられたディスク基板と、ディ
スク基板のグルーブ面およびランド面上に形成された記
録層を含む薄膜を具備した光ディスクにおいて、グルー
ブ面上の記録層の厚さとランド面上の記録層の厚さとが
実質的に同一であり、グルーブ面上の記録層とランド面
上の記録層とが互いに分離していることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の光ディスクは、トラッキングガイド用の
グルーブが設けられたディスク基板のグルーブ面および
ランド面上に記録層を含む薄膜が形成された構造を有す
る。本発明の光ディスクは、相変化光記録媒体でもよい
し、光磁気記録媒体など他の光記録媒体でもよい。ま
た、これらの光ディスクの動作波長は特に限定されな
い。
【0016】本発明の光ディスクでは、グルーブ面上に
設けられた記録層の厚さとランド面上に設けられた記録
層の厚さが実質的に同一である。また、グルーブの側壁
上に設けられた記録層の厚さが側壁面にわたって実質的
に均一で側壁上に設けられた記録層の厚さがグルーブ面
およびランド面上に設けられた記録層の厚さよりも薄く
なっているか、または側壁上には記録層が存在せずにグ
ルーブ面上の記録層とランド面上の記録層とが互いに分
離している。
【0017】本発明の光ディスクは、記録層の厚さが均
一であるためノイズを効果的に低減できる。しかも、側
壁面上の記録層の厚さが薄いかまたは側壁面上に記録層
が存在しないため、側壁面上の記録層を通しての、ラン
ド面上の記録層からグルーブ面上の記録層への熱流およ
びその逆方向の熱流が少なく、クロスイレーズを低減す
ることができ、高密度記録を実現できる。これらの効果
は、側壁面が基板表面に対して垂直なディープグルーブ
を有する光ディスクで最も顕著に現われる。
【0018】上述したような本発明の光ディスクは、基
板面に垂直に入射する粒子を優先的に利用して成膜する
ことにより製造することができる。例えば、好適な方法
として、スパッタ装置のターゲットと基板との間にコリ
メータを設けてスパッタリングすることにより記録層を
成膜する方法が挙げられる。コリメータは基板面に垂直
な方向に複数の通過孔を有し、いわゆるフィルターとし
て機能する部材である。このコリメータの通過孔の長さ
と直径との比を調整することにより、スパッタ粒子の基
板への入射方向の異方性の度合を制御することができ
る。通過孔の長さ/直径の比が小さいほど、スパッタ粒
子の基板への入射方向の異方性は向上するが、堆積速度
は遅くなる。これらの観点から、通過孔の長さ/直径の
比は、1〜10、さらには2〜5であることが好まし
い。また、スパッタガスの圧力は、従来は一般的には
0.6Pa以上に設定していたが、本発明では0.5P
a以下、さらに0.03〜0.3Paに設定することが
好ましい。スパッタガスの圧力を低くすると、ターゲッ
トからスパッタされた粒子が基板表面に到達する前に他
のガス原子と衝突して散乱する確率が低くなるので、基
板面へ垂直に入射するスパッタ粒子の比率を多くするこ
とができる。
【0019】その他に、ロングスロースパッタ法を適用
してもよい。この方法は、ターゲットと基板との間隔を
通常(数cm〜10cm)の倍以上、好ましくは30c
m以上に設定し、さらにガス圧を好ましくは0.3Pa
以下に設定し、ターゲットから放出されるスパッタ粒子
のうち直進するもののみを基板上に到達させる方法であ
る。この方法ではスパッタ装置が多少大型になるが、コ
リメータを利用するスパッタリングと同等の効果を得る
ことができる。また、生産性は劣るが、真空蒸着法を用
いてもよい。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1〜図6に示す相変化光ディスクA〜Fを作製
した。図1〜図6はいずれも、ディスク基板1上に薄膜
2が形成されている状態を、光ディスクのトラックと垂
直な方向で切断したときの断面で示している。ディスク
基板1には、所定の凹凸形状を有するトラッキングガイ
ド用のグルーブが予め設けられている。薄膜2は後述す
るように5層構造となっており、そのうちの記録層を2
Rで示す。これらの図において、Gはグルーブ、Lはラ
ンド、Sは側壁を示す。tG はグルーブ面上の薄膜の厚
さ、tL はランド面上の薄膜の厚さ、tS は側壁面上の
薄膜の厚さを示す。tS は側壁面に対して垂直な方向で
測定した薄膜の厚さである。所定のスパッタ装置を用
い、スパッタ条件を変化させることにより、グルーブ
面、ランド面および側壁面上での薄膜の厚さを制御し
た。
【0021】ディスク基板、スパッタ装置、相変化光デ
ィスクの積層構造、およびスパッタ条件について説明す
る。 (1)ディスク基板 以下のようにして所定のグルーブ形状を有するディスク
基板を作製した。
【0022】直径220mmのガラス原盤にフォトレジ
ストをスピンコートし、プリベークして所定の厚さに調
整した。このときのフォトレジストの厚さが、ほぼグル
ーブの深さに相当する。このガラス原盤をKrイオンレ
ーザーを光源とするレーザーカッティング装置にセット
し、スパイラル状に露光した。このとき、各々100ト
ラックが同一幅のグルーブおよびランドからなるよう
に、露光幅を0.85μmから0.25μmまで0.0
5μm刻みで半径方向に沿って変化させた。また、原盤
の線速とKrイオンレーザービームの強度および焦点位
置を調整して、作製されるグルーブの側壁のテーパ角度
を調整した。レジストの露光部を除去して現像し、ガラ
ス原盤上にレジストパターンを形成した。レジストパタ
ーン上にAuを均一にスパッタして、メッキ用電極を形
成した。電解メッキして、Au電極上にNiメッキ膜を
成長させた。Niメッキ膜を原盤から剥離し、Niスタ
ンパーを作製した。Niスタンパーをインジェクション
成形機にセットし、ポリカーボネートを注入してディス
ク基板を作製した。
【0023】レジストの厚さを約140nmとし、原盤
の線速とKrイオンレーザービームの強度および焦点位
置を調整することにより、グルーブの深さが140nm
で側壁面がグルーブ面およびランド面に対して垂直なデ
ィスク基板を作製し、ディスクA〜Cの作製に用いた。
【0024】レジストの厚さを約140nmとし、原盤
の線速とKrイオンレーザービームの強度および焦点位
置を調整することにより、グルーブの深さが140nm
で側壁面がグルーブ面に垂直な方向から約15°傾斜し
たディスク基板を作製し、ディスクDの作製に用いた。
【0025】ディスクA〜Dの作製に使用したディスク
基板はいわゆるディープグルーブを有するものである。
レジストの厚さを約70nmとし、原盤の線速とKrイ
オンレーザービームの強度および焦点位置を調整するこ
とにより、グルーブの深さが68nmで側壁面がグルー
ブ面に垂直な方向から約30°傾斜したディスク基板を
作製し、ディスクE、Fの作製に用いた。
【0026】ディスクE、Fの作製に使用したディスク
基板は第1干渉条件を満たす通常の深さのグルーブを有
するものである。 (2)スパッタ装置 図7に本発明の光ディスクを作製するために用いたスパ
ッタ装置を概略的に示す。なお、この図では多室スパッ
タ装置の1室のみを示している。チャンバー11は排気
系12により排気され、ガス供給系13からスパッタガ
スが供給される。チャンバー11内のマグネットを備え
たターゲットホルダ14上にターゲット15が設置され
る。ターゲット15にはスパッタリング電源16から電
力が供給される。ターゲット15に対向するように、搬
送ホルダ17上にディスク基板1が設置される。搬送ホ
ルダ17はモータ18により回転される。ターゲット1
5とディスク基板1との間にはコリメータ19が設置さ
れる。コリメータ19としては、通過孔の長さ/直径の
比が2または5のものを使用した。このように通過孔の
長さ/直径の比が異なるコリメータを用いることによ
り、ディスク基板へ入射するスパッタ粒子の異方性を変
化させた。
【0027】実際の成膜には、図7と同様な構成を有し
堆積する薄膜に応じたターゲットがセットされた複数の
チャンバーと、予備排気を行い成膜後のディスクを取り
出すためのローディング/アンローディング室とを備え
た多室スパッタ装置を使用する。
【0028】図示しないが、従来の光ディスクを作製す
るために用いられたスパッタ装置はコリメータ19を備
えていない。このため、ディスク基板へ入射するスパッ
タ粒子の異方性を制御することはできない。
【0029】(3)相変化光ディスクの積層構造 図8に相変化光ディスクの積層構造を示す。このディス
クは、ディスク基板1上に、厚さ10nmのAuからな
る半透明層21、厚さ150nmのZnS−SiO2
らなる第1干渉層22、厚さ15nmのGeSbTeか
らなる相変化光記録層23、厚さ60nmのZnS−S
iO2 からなる第2干渉層24、厚さ50nmのAlM
oからなる反射層25を有するものである。上記の各層
の厚さはランド面またはグルーブ面上での設定厚さを示
しており、合計の設定厚さは285nmである。
【0030】上記の5層構造は、GeSbTe記録層2
3において、結晶部の光吸収率が非晶質記録マークの光
吸収率よりも高くなるように調整されている。このよう
な構造を採用することにより、オーバーライトジッター
が低減し、マーク長記録による高密度化が可能になる。
【0031】(4)スパッタ条件 各層の成膜は以下のような手順で行う。ディスク基板を
搬送ホルダーにセットし、ローディング室に入れて予備
排気した後、所定のターゲット(Au)がセットされた
最初のチャンバーへ搬送する。このチャンバーを真空排
気し、モータによりディスク基板を自転させる。ディス
クを自転させるのは、成膜される薄膜の厚さをディスク
の周方向に沿って均一化するためである。ただし、ディ
スクは必ずしも自転させる必要はない。ガス供給系から
スパッタガスとしてArを供給し、チャンバー内を所定
の圧力に設定した。スパッタリング電源から電力を投入
し、ターゲット付近にマグネトロンプラズマを生成させ
てスパッタを開始した。ディスク基板上に所定の厚さの
薄膜(Au)を堆積した後、電源をオフする。ディスク
基板を搬送ホルダとともに次のチャンバーへ搬送し、上
記と同様にして次の薄膜(ZnS−SiO2 )を堆積す
る。このような操作を繰り返して順次その他の薄膜を成
膜する。最後に、成膜が完了したディスク基板をアンロ
ーディング室へ搬送し、外部へ取り出す。
【0032】スパッタ時のスパッタガスの圧力を調整す
ることにより、ディスク基板へ入射するスパッタ粒子の
異方性を変化させた。この場合、スパッタガス圧力を低
くするほど、ディスク基板へ垂直に入射するスパッタ粒
子の比率を多くすることができる。
【0033】次に、図1〜図6のディスクの製造時の条
件と成膜された薄膜の形状について説明する。図1に示
すディスクAは、垂直なDGを有するディスク基板と、
通過孔の長さ/直径の比が2のコリメータを備えたスパ
ッタ装置を用い、各層のスパッタ時のArガス圧力を
0.2Paに設定して製造した。この媒体膜の厚さは、
グルーブ面上で約285nm、ランド面上で約285n
m、側壁面上で約50nmであった。記録層(2R)の
厚さは、グルーブ面上およびランド面上で設定通りの1
5nm、側壁面上で約3nmであった。各面上での膜厚
変動量は±10%未満であり、ほぼ均一であった。
【0034】図2に示すディスクBは、垂直なDGを有
するディスク基板と、通過孔の長さ/直径の比が5のコ
リメータを備えたスパッタ装置を用い、各層のスパッタ
時のArガス圧力を0.2Paに設定して製造した。こ
の媒体膜の厚さは、グルーブ面上で285nm、ランド
面上で285nmであり、側壁面上には薄膜はほとんど
堆積していない。各面上での膜厚変動量は±10%未満
であり、ほぼ均一であった。
【0035】図3に示すディスクCは、垂直なDGを有
するディスク基板と、コリメータを備えていないスパッ
タ装置を用い、各層のスパッタ時のArガス圧力を0.
6Paに設定して製造した。このディスクでは、ランド
面上の薄膜の厚さは285nmでほぼ均一であった。し
かし、グルーブ面上の薄膜は、グルーブの中央付近では
約285nmであるが、側壁に近い側で厚さが薄くなっ
ており、側壁面上の薄膜との境界付近での厚さは約14
0nmであった。また、側壁面上の薄膜は、グルーブに
近い側で薄くグルーブ面上の薄膜との境界部付近での厚
さは約50nmであるのに対し、ランドに近い側では1
00nmを超える厚さに成長していた。記録層(2R)
の厚さは、グルーブ面上およびランド面上で15nm、
側壁面上でもランド面に近い部分では約15nmであっ
た。これは、上記の成膜条件では、基板面へ入射するス
パッタ粒子の方向がランダムであることによる。ランド
と側壁とのエッジ部付近で薄膜が異常成長しているの
は、スパッタ粒子の入射頻度が最も高いためである。こ
の影響により、側壁面および側壁面とグルーブ面との境
界付近は陰になり(シャドーイング効果)、スパッタ粒
子が被着しにくくなったと考えられる。
【0036】図4に示すディスクDは、テーパーのつい
たDGを有するディスク基板と、通過孔の長さ/直径の
比が5のコリメータを備えたスパッタ装置を用い、各層
のスパッタ時のArガス圧力を0.2Paに設定して製
造した。この媒体膜の厚さは、グルーブ面上で285n
m、ランド面上で285nm、側壁面上で70nmであ
った。記録層(2R)の厚さは、グルーブ面上およびラ
ンド面上で設定通りの15nm、側壁面上で約4nmで
あった。各面上での膜厚変動量は±10%未満であり、
ほぼ均一であった。側壁面上の薄膜の厚さは、グルーブ
面またはランド面上の薄膜の厚さに側壁のテーパ角の正
弦を乗じたものにほぼ等しい。これは基板面へのスパッ
タ粒子の入射角分布から説明できる値である。
【0037】図5に示すディスクEは、テーパーのつい
た通常深さのグルーブを有するディスク基板と、通過孔
の長さ/直径の比が5のコリメータを備えたスパッタ装
置を用い、各層のスパッタ時のArガス圧力を0.2P
aに設定して製造した。この媒体膜の厚さは、グルーブ
面上で285nm、ランド面上で285nm、側壁面上
で160nmであった。記録層(2R)の厚さは、グル
ーブ面上およびランド面上で設定通りの15nm、側壁
面上で約8nmであった。各面上での膜厚変動量は±1
0%未満であり、ほぼ均一であった。側壁面上の薄膜の
厚さは、ディスクAの側壁面上の薄膜の厚さにディスク
Eの側壁のテーパ角の余弦を乗じ、これにディスクDの
側壁面上の薄膜の厚さを加えたものにほぼ等しい。これ
は基板面へのスパッタ粒子の入射角分布から説明できる
値である。
【0038】図6に示すディスクFは、テーパーのつい
た通常深さのグルーブを有するディスク基板と、コリメ
ータを備えていないスパッタ装置を用い、各層のスパッ
タ時のArガス圧力を0.6Paに設定して製造した。
この媒体膜の厚さは、グルーブ面上、ランド面上、側壁
面上のいずれでも設定厚さの285nm程度でほぼ均一
であった。記録層(2R)の厚さは、グルーブ面上、ラ
ンド面上、側壁面上のいずれでも15nm程度でほぼ均
一であった。
【0039】以上のようにして製造した相変化光ディス
クA〜Fについて、以下のようにして記録再生試験を行
い、クロスイレーズ特性を調べた。この試験には、光源
波長650nm、焦点レンズの開口数(NA)0.6の
光ディスク評価装置を用いた。
【0040】まず、相変化光ディスクの記録層を初期結
晶化した。次に、光ディスクを光ディスク評価装置に設
置し、トラック幅の異なる位置ごとに記録再生試験を行
った。この場合、光ヘッドを所定のトラックピッチに設
定されたディスク半径位置にトラッキングし、隣接する
5本(3本のランドと2本のグルーブを含む)のトラッ
クに記録マーク列を形成した。その後、中心のトラック
(ランド)に1000回のオーバーライトを行った。そ
して、隣接するグルーブの初期記録信号を再生してジッ
ターを測定した。この試験では、オーバーライトによっ
てクロスイレーズが顕著になると、隣接するグルーブの
記録マークの端部が乱れるためジッターが増加する。
【0041】このような試験をトラックピッチの異なる
位置で実施した結果を図9にまとめて示す。図9におい
て、トラックピッチが広い(例えば0.75μm)とき
のジッターの大きさ自体に着目すると以下のことがわか
る。ディスクC以外はウィンドウ幅(30ns)の0.
1(10%)未満のジッター値を示している。一方、デ
ィスクCはウィンドウ幅の10%を超えるジッター値を
示しておりトラックピッチが広い場合でも信号品質が悪
い。これは、ディスクCは図3に示されるようにグルー
ブ面上の薄膜の厚さが不均一であるため、グルーブの初
期記録信号を再生する試験で信号品質の劣化が顕著に表
れるためである。
【0042】図9では、トラックピッチが大きい方から
小さい方へ向かって見ていったときに、ジッターが上昇
し始めるトラックピッチの狭いディスクほど、クロスイ
レーズが小さく高密度記録に適していると判断すること
ができる。したがって、ディープグルーブを有するディ
スクでは、ディスクBが最も高密度記録に適しており、
ディスクAとディスクDも高密度記録に優れており、デ
ィスクCが最も劣っている。通常深さのグルーブを有す
るディスクでは、ディスクEの方がディスクFよりも高
密度記録に適している。ディスクA〜Dの比較およびデ
ィスクE、Fの比較から、側壁面上の記録層の厚さが薄
く横方向への熱流が小さいほど、高密度記録に適してい
ることがわかる。また、ディープグルーブを有するディ
スクA、B、Dと通常深さのグルーブを有するディスク
Eとを比較すると、前者のディープグルーブを有するデ
ィスクの方が高密度記録に適していることが明らかであ
る。ディープグルーブを有するディスクのうちでは、側
壁面上に記録層が存在するディスクA、Dでも0.5μ
m程度まで狭トラック化でき、側壁面上に記録層がほと
んど存在しないディスクBでは0.45μm程度まで狭
トラック化できる。
【0043】なお、ディスクBでもトラックピッチを狭
くしすぎると、ランドへのオーバーライト時にグルーブ
上の記録マークの端部がレーザースポットの中心部に近
い領域によって照射されるため、結晶化温度以上に昇温
されるため、クロスイレーズが生じやすくなる。このよ
うに、ディスクBでも狭トラック化すると光ディスクの
動作原理に基づいて不可避的にクロスイレーズが生じる
ため、狭トラック化にも限界がある。
【0044】さらに、ランド面またはグルーブ面上の膜
厚(設定膜厚)と側壁面上での膜厚との比がどの程度で
あれば、クロスイレーズを低減して効果的に狭トラック
化できるかについて検討した。この場合、図7のコリメ
ータの通過孔の長さ/直径の比を様々に変化させて試料
を作製した。その結果、tS /tL (またはtG )を
0.4(40%)程度にするとトラックピッチを約0.
1μm狭くできる効果があることが判明した。tS /t
L の値は、70%程度で実質的な効果が得られ、40%
以下で顕著、20%以下で極めて顕著になる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、デ
ィスク基板上に均一な記録層を形成することによりノイ
ズを少なくし、しかも側壁面上の記録層の厚さを薄くす
ることによりクロスイレーズを低減して高密度記録が可
能な光ディスクを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相変化光ディスクAの断面図。
【図2】本発明に係る相変化光ディスクBの断面図。
【図3】従来の相変化光ディスクCの断面図。
【図4】本発明に係る相変化光ディスクDの断面図。
【図5】本発明に係る相変化光ディスクEの断面図。
【図6】従来の相変化光ディスクFの断面図。
【図7】本発明に係る相変化光ディスクを製造するため
に用いられたスパッタ装置の構成図。
【図8】相変化光ディスクの積層構造を示す断面図。
【図9】本発明に係る相変化光ディスクのトラックピッ
チとジッターとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…ディスク基板 2…薄膜 11…チャンバー 12…排気系 13…ガス供給系 14…ターゲットホルダ 15…ターゲット 16…スパッタリング電源 17…搬送ホルダ 18…モータ 19…コリメータ 21…半透明層 22…第1干渉層 23…相変化光記録層 24…第2干渉層 25…反射層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキングガイド用のグルーブが設け
    られたディスク基板と、ディスク基板のグルーブ面およ
    びランド面上に形成された記録層を含む薄膜を具備した
    光ディスクにおいて、グルーブ面上の記録層の厚さとラ
    ンド面上の記録層の厚さとが実質的に同一であり、グル
    ーブの側壁面上に設けられた記録層の厚さが側壁面にわ
    たって実質的に均一であり、側壁面上に設けられた記録
    層の厚さがグルーブ面およびランド面上に設けられた記
    録層の厚さよりも薄いことを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 トラッキングガイド用のグルーブが設け
    られたディスク基板と、ディスク基板のグルーブ面およ
    びランド面上に形成された記録層を含む薄膜を具備した
    光ディスクにおいて、グルーブ面上の記録層の厚さとラ
    ンド面上の記録層の厚さとが実質的に同一であり、グル
    ーブ面上の記録層とランド面上の記録層とが互いに分離
    していることを特徴とする光ディスク。
JP9206723A 1997-07-31 1997-07-31 光ディスク Pending JPH1153763A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7636289B2 (en) 2004-08-27 2009-12-22 Ricoh Company, Ltd. Optical-recording medium, method for producing the same, and method for recording and reproducing optical-recording
KR101049985B1 (ko) 2003-08-07 2011-07-19 파나소닉 주식회사 광학적 정보 기록 매체와 그 제조 방법, 제조 장치, 기록재생 방법 및 기록 재생 장치

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