JP4238442B2 - 相変化型光ディスクの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学的に情報の記録、再生が可能な光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の相変化型光ディスク20としては、図3に示される如く案内溝が形成された第1基板11上に第1保護層12と相変化型記録層13と第2保護層14と反射層15とをこの順番に設け、反射層15上に保護膜16を形成したものが一般的に知られている。なお、17は接着剤層、18は第2基板である。レーザ光は、第1基板11面側から入射される。そして、このような光ディスク20は、例えば対物レンズの開口率(NA)0.6の光学系を使用したDVD−RAMやDVD−RWとして知られている。
【0003】
最近では更に記録容量を高めるために、記録波長を短くし、高NAの対物レンズを用いたシステムが提案されている。例えば記録再生に、波長400nm付近の半導体レーザを用い、NA0.85の光学系を使用して20GB以上の容量を実証しているものである。しかるに、高NA化した場合に、透過する基板の厚さによる収差を抑えるため基板の光ビーム入射側の板厚を薄くする必要がある。ところが薄い基板上に案内溝を形成したり、記録媒体を成膜することは、製造上の難易度が高く、また基板の反りも大きくなる。
【0004】
このため、図4に示される如く比較的板厚の厚い第1の基板1上に、まず反射層2と記録層4と保護層3,5からなる積層膜を順次設け、その後に板厚の薄い第2の基板7を接着剤層6を介して貼り合わせて相変化型光ディスク10としたものが知られている。あるいは積層膜の表面に透明層をコートして形成することが特開平9−63120号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、基板面11側からレーザ光を照射して記録再生を行う従来の順方向に積層するタイプの光ディスク20では、反射層15の結晶粒界の影響はほとんど無視することができた。すなわち、レーザ光の入射面側から反射層の堆積が行われ核生成が微細に生じるため、反射層15の界面は、平滑な表面を形成することが可能だからである。しかしながら、高NAの光学系を用いた大容量光ディスク10では、従来の光ディスク20とは逆側の面である反射層2の表面側から記録ならびに再生光を照射して反射層2からの戻り光を検出するため、反射層2の表面の平坦度が信号品質に大きく影響を及ぼす。それは、現在反射層2として広く使われているAl並びにAl合金の薄膜は、柱状の結晶を生成し易く、これに起因して反射層2表面が荒れるためである。
【0006】
この表面の生成過程は次のように考えられる。基板に薄膜原子が衝突してできた原子対などが核になり、核生成が生じる。薄膜形成の初期では薄膜の構造は島状である。次いで島の大きさの増加が生じ、優先方位をもって結晶成長する。島が大きくなり,隣同士の島が接触するようになったところで島の横方向への成長は完了し、垂直方向への成長が始まる。
【0007】
そして、基板上に薄膜が堆積するにしたがい、ランダムな方向から飛来するスパッタリング粒子が柱状結晶の間に入り込めなくなり、シャドウィング効果によって柱状結晶間にボイドが生成され、柱状結晶先端の先細りが起こり、凹凸5-10nmの大きな表面を形成するためである。その結晶粒径は、100nm以上を示す場合もあり、この結晶粒界にボイドが生成されるため粒子の配向性が悪く、膜の表面での光の散乱が大きく、このため大きなノイズが発生する。例えばDVDの最短マークである3T信号(長さ0.4μm、幅0.3μm、ピット深さ65nm)に対し、無視できないほどの大きさとなる。
【0008】
さらに短波長化して青色の半導体レーザを使用した場合には、記録マークやエンボスピットあるいは記録再生光の案内溝のサイズが小さくなるため、結晶粒径の大きな反射層の形成によりこれらのパターンが埋められてしまい再生信号が取り出せなくなってしまうこともある。
【0009】
さらに、従来の順方向に積層するタイプの光ディスク20とは逆の順番で積層膜を形成するので、一番最初に形成される反射層2の形態がこの後に設ける保護層3,5や記録層4に反映されることになり、平坦度が損なわれた積層膜が形成されることになる。このため、従来の光ディスク20に比べ、ノイズが高く、ジッタが高くなる。そして、これにともない、書き換え回数も低下する。
【0010】
例えば、この反射層2の形成に際し、特開平9−63120号公報ではイオンビームスパッタリング法が用いらている。この成膜方法はDVDやCDの作製に使われているDCマグネトロンスパッタと異なり装置を新たに導入する必要があり生産コストが増加する。また、記録層を成膜する直流(DC)マグネトロンスパッタと保護膜を成膜する交流(RF)スパッタならびにイオンビームスパッタを一体の成膜装置に組み込む事は技術的に難しい。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の相変化型光ディスクの製造方法を提供する。
所定の材料からなり所定の厚さを有する反射層を備えた相変化型光ディスクを製造する相変化型光ディスクの製造方法において、第1の基板上に前記所定の材料をDCスパッタリング法により第1の成膜速度で成膜して第1の反射膜を形成し、前第1の反射膜上に前記所定の材料をDCスパッタリング法により前記第1の成膜速度よりも速い第2の成膜速度で成膜して単層または複数の層からなる2の反射膜を形成し、前記第1の反射膜と前記第2の反射膜とからなる前記反射層を形成する第のステップと、前記第のステップ後に、前記反射層上に第1の保護層を形成する第のステップと、前記第のステップ後に、前記第1の保護層上に相変化型の記録層を形成する第のステップと、前記第のステップ後に、前記相変化型の記録層上に第2の保護層を形成する第のステップと、前記第のステップ後に、前記第2の保護層と第2の基板とを接着剤層を介して貼り合わせる第のステップと、を有する相変化型光ディスクの製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る相変化型光ディスク10の一実施例を示す断面図である。図中1は第1の基板で、レーザー光を案内するプリグルーブ、プリピットあるいは書き換えができない再生信号をエンボスピットで設ける。基板1の材質は、ポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル等のプラスチック基板やガラス基板が用いられる。また、第1の基板を通して、レーザー光は入射しないのでアルミニウム板のような透光性を有しない金属板を用いることもできる。レーザー光を案内するプリグルーブやプリピットは、直接、射出成形されたり、スタンパー上にフォトポリマーを滴下しその上に平滑な第1の基板を載せてポリマーを硬化する2P法(フォトポリマー法)で形成される。
【0013】
また、CAV(constant angular velocity 角速度一定)やCLV(constant linear velocity線速度一定)あるいはZCAV(zone constant angular velocity )やZCLV(zone constant linear velocity )のフォーマットがされ、各セクターの先頭にはアドレス信号がエンボスピットとしてあらかじめ記録されてもよい。ユーザーが使用する情報エリアは、空溝で構成され、必要に応じてウォブルされている。グルーブ記録またはランド記録またはランドグルーブ記録方式が選択される。ランドとグルーブに記録を行う場合には、ランド部とグルーブ部の再生信号がそれぞれ同等になるようランドとグルーブの幅が決められる。トラックピッチは、0.1〜1.6μm、溝深さは、10〜200nmが好ましい。
【0014】
第1の基板1を真空成膜装置に設置し、第1反射層21と第2以上の反射層22、23と第1保護層3と相変化型記録層4と第2保護層5とを順次形成する。成膜方法は、抵抗加熱型や電子ビーム型の真空蒸着、直流や交流スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンビームスパッタリング、イオンプレーティング等が用いられる。
【0015】
反射層2は、同一材料からなる2層以上の反射層から構成される。例えば、第1反射層21と、第2の反射層22と、第n(nは3以上)反射層23とから構成される。まず、第1反射層21の成膜速度は、第2以上の反射層22、23の成膜速度よりも遅くする。こうすることにより、第1反射層21の金属の表面荒さ(粒径)が最も小さくなりこの上に堆積する第2以上の反射層22、23の粒径は、第1反射層21よりは大きいものの、分割しない場合よりも減少してその表面性が平滑になる。図2に結晶粒径の分布を示す。この図2より明らかな如く、再生時のキャリアレベルが増大しノイズが減少する。さらに書き換えによる、ジッタの増加が抑制され、書き換え回数が延びる。
【0016】
第1の基板1側の反射層(第1反射層)21を低成膜速度で堆積すると、前記第1反射層21の表面の荒さが低減する理由は、次のように考えられる。低成膜速度で堆積すると基板上での核生成数が増えるため、薄膜形成の初期段階での島の大きさが小さくなり、柱状結晶の径(粒径)が細くなる。すなわち、粒子の配向性が良くなる。また、島と島の間にもスパッタリング粒子が入り込むためボイドの発生も少なくなり先細りも減少する。また、スパッタプロセスを分割することは、結晶成長が継続しないようにする効果もある。こうして結晶粒径が細かくなり緻密で平坦な薄膜が形成されることにより、光の散乱が小さくなる。
【0017】
反射層2は、Al、Au、Ag、Cu,Ni,In,Ti,Cr,Pt、Siなどの金属あるいは半導体、これらの合金や半導体が用いられる。金属単体よりも金属あるいは半導体を添加した方が結晶粒が小さくなるので好ましい。また、高温高湿下における安定性を改善する上でも添加物を含ませた方がよい。例えば、Al−Ti、Al−Cr、Al−Zr、Al−Si、Ag−Pd−Cu等の合金が上げられる。波長400nm台の青色半導体レーザを使用するときは、Al系やAg系の合金を用いた方が高い反射率を得ることができる。
【0018】
第1反射層21の膜厚は5〜100nm、第2以上の反射層22の膜厚は、30〜200nmとするのがよい。反射層2は、たとえば一つのカソードを使って、同一真空槽内で第1反射層21と第2以上の反射層22、23を順次積層したり、2つ以上のカソードを使い、別々の真空槽で第1反射層と第2以上の反射層22、23を順次積層したりして形成する。
【0019】
基板を1枚ずつ搬送し、各層を複数の真空槽で成膜する枚葉式スパッタ装置を用い、全体の膜厚が150nmの反射層2を形成する場合、1つ目の真空槽で第1反射層21を成膜速度2nm/sで形成し、2つ目と3つ目の真空槽で第2および第3反射層を成膜速度6.5nm/sで形成すれば、10秒間という短時間でディスクを次々と成膜することができる。第1反射層21の成膜速度を低下させるため、第2反射層22以上を第1反射層21よりも高速で成膜することにより積層膜全体の成膜に要する時間を短縮することができる。反射層2を3分割以上にすればさらに成膜時間を短縮することが可能である。
【0020】
第1保護層3ならびに第2保護層5は、金属の酸化物、窒化物、硫化物やこれらの混合物が用いられる。例えば、ZnS−SiO2、ZnS,SiO2、Ta2O5、Si3N4、AlN、Al2O3、AlSiON,ZrO2、TiO2などの単体あるいはこれらの混合物が用いられる。
【0021】
第1保護層3の膜厚は第2保護層5よりも薄く、いわゆる急冷構造をとり、熱的ダメージを軽減するために膜厚は2〜50nmとするのがよい。好ましくは第1保護層3の成膜速度は、第2保護層5の成膜速度よりも遅くする。こうすると書き換えによる、ジッタの増加が抑制され、書き換え回数が延びる。
【0022】
4は相変化型記録層でアモルファス−結晶間の反射率変化あるいは位相変化を利用する相変化材料が用いられる。Ge−Sb−Te系、Ag−In−Te−Sb系、Cu−Al−Sb−Te系などTeあるいはSbを主成分とした合金があげられる。この相変化型記録層4の膜厚は、10〜100nm、好ましくは、記録感度を上げ、かつ再生信号を増大させるために、10〜30nmとするのがよい。さらに、図示はしないが相変化型記録層4の片面あるいは両面に、消去率を向上するための結晶化促進層や、経時変化を低減し書き換え性能を向上するための不純物拡散抑制層や、付着力強化層を設けることもできる。
【0023】
5は第2保護層で第1保護層3と同じ材料が用いられる。第2保護層5の膜厚は、10〜200nmの範囲にある。使用する光源の波長によって最適膜厚は変動するが、好ましくは、再生信号を増大させるために、40〜150nmとするのがよい。記録レーザ光が青色(波長400nm程度)の場合には、40〜60nmにすると変調度が大きく取れる。
【0024】
接着剤層6は、成膜したディスクを大気中に取り出し、第2保護層5上に紫外線硬化樹脂を塗布して形成される。膜厚は、1〜200ミクロンである。塗布方法としては、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、ブレードコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法等が用いられる。接着剤層6としての紫外線硬化樹脂は、少なくともプレポリマ−、単官能アクリレ−トモノマ−、多官能アクリレ−トモノマ−等と光重合開始剤からなる。この接着剤層6は、記録再生光の波長に対し、吸収がなく透明である。成膜から第2の基板7の貼り合わせまで時間をあける場合や、工程上、成膜済み基板の搬送が必要な場合には、紫外線硬化樹脂による保護膜を1〜20μm設けるのが好ましい。
【0025】
7は第2の基板で、ポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル等の透光性のプラスチック基板やガラス基板が用いられる。この第2の基板7の厚さは、0.01mm〜1.2mmである。NAが大きい場合には、球面収差の影響を抑制するため基板厚は薄くなる。必要に応じて第2の基板7上にハードコートや帯電防止剤を設けることもできる。記録装置への装着性やハンドリング上の保護性を向上するために、媒体をカートリッジに入れて使用することもできる。
【0026】
こうして作製した光ディスク10にレーザー光やフラッシュランプ等を照射して、相変化型記録層4を結晶化温度以上に加熱し、初期化処理を行う。実用的には、光ディスク10に照射されるレーザビームはトラック幅よりも大きなビーム径を有し、好ましくは半径方向に長く、ディスクを回転しながら複数のトラックを同時に初期化する。
【0027】
【実施例1】
トラックピッチ0.74μm、溝深さ30nmのプリグルーブ(グルーブ幅0.3μm、ランド幅0.44μm)が設けられた板厚0.6mmのポリカーボネート基板(第1の基板)1上に、第1反射層21、第2反射層22、第1保護層3、相変化記録層4、第2保護層5をスパッタリングによって順次成膜し積層膜とした。具体的には、真空度1×10−6Torr以下に排気した後、Arガスを流し2mTorrの雰囲気で積層膜を形成した。積層膜を形成するに際し、はじめに反射層2を2分割して全体で150nm形成した。まず、Al(99.99%)をDC(直流)スパッタリングして第1反射層21として20nm設けた。成膜速度は0.1nm/sと低速で行った。
【0028】
次に、一度DC電源のパワ−を切った後に、新たにパワ−を入れ直し同一ターゲットで第2反射層22を第1反射層の6倍の成膜速度0.6nm/sで130nm設けた。この上にZnS−SiO2(80:20mol%)をRF(高周波)スパッタリングして第1保護層3として17nm設けた。成膜速度は0.08nm/sである。ついで相変化記録層4としてAg4(at%)In4(at%)Sb63(at%)Te29(at%)をDCスパッタリング法で20nm形成した。この上に第2保護層5としてZnS−SiO2(80:20mol%)をRFスパッタリング法で75nm成膜した。成膜速度は0.2nm/sである。
【0029】
真空チャンバーからディスクを取り出した後、接着剤層6として紫外線硬化樹脂(住友化学製 XR98)を第2保護層5上にスピンコートし、未硬化の状態のうちに板厚0.6mmのポリカーボネート基板(第2の基板)7をのせて貼り合わせ、紫外線をこの第2の基板7を通して照射して接着剤層6を硬化させて光ディスク10を得た。接着剤層6の膜厚は、8μmであった。
【0030】
次に、この光ディスク10の記録再生特性を調べた。
まず、光ディスク10を回転しながら第2の基板7側からレーザー光を照射して相変化記録層4をアモルファス状態から反射率の高い結晶状態へ相変化させて初期化した。基板7側から相変化記録層4のグルーブ部に記録を行った。グルーブは、レーザー光の入射方向からみて凸状になっている。
【0031】
記録の条件は、記録レーザ波長は635nm、対物レンズのNAは0.6で、変調信号や記録ストラテジ等はDVD−RWのBOOKver.0.9に従った。ピークパワー15.0mW,バイアスパワー7.5mW。ボトムパワー0.5mWでレーザ光を変調して記録し、0.7mWの再生光で再生を行った。標準偏差σをウィンド幅Twで割った値であるジッタをならびに最短マークである3T信号のキャリアとノイズレベルを測定した。初期ジッタは、9.1%、ダイレクトオーバーライト1000回後のジッタは2.5%増加した。初期のキャリアレベルは23.4dBm、初期のノイズレベルは71.5dBmであった。この条件で作製した光ディスク20は、ノイズが低く多数回の書き換え後でも十分に低いジッタを示し、従来の光ディスク20と同等の信号品質を示した。
【0032】
【実施例2】
実施例1と同様に反射層2を2分割して形成した。第1反射層21として100nm設けた。成膜速度は0.1nm/sと低速で行った。次に、第2反射層22を第1反射層21の6倍の成膜速度0.6nm/sで50nm設けた。これ以外は実施例1と同様にして光ディスク10を作製し、記録再生特性を調べた。初期ジッタは、10.2%、ダイレクトオーバーライト1000回後のジッタは1.8%増加した。初期のキャリアレベルは23.9dBm、初期のノイズレベルは70.5dBmであった。この条件で作製した光ディスク10は、ノイズが低く多数回の書き換え後でも十分に低いジッタを示し、従来の光ディスク20と同等の信号品質を示した。
【0033】
【実施例3】
実施例1と同様の材料構成で、反射層2だけを3分割して形成した。第1反射層21として低速の成膜速度0.1nm/sで50nm設けた。次に、第2反射層22として低速の成膜速度0.2nm/sで50nm設けた。さらに第3反射層23として高速の成膜速度0.6nm/sで50nm設けた。これ以外は実施例1と同様にして光ディスク10を作製し、記録再生特性を調べた。初期ジッタは、10.0%、ダイレクトオーバーライト1000回後のジッタは1.6%増加した。初期のキャリアレベルは23.7dBm、初期のノイズレベルは70.3dBmであった。この条件で作製した光ディスク10は、ノイズが低く多数回の書き換え後でも十分に低いジッタを示し、従来の光ディスク20と同等の信号品質を示した。
【0034】
以上、実施例1〜実施例3より明らかな如く、第1の反射層21の成膜速度を第2のそれより遅く設定したことにより、第1の反射層21の表面粗さ(粒径)が第2のそれより低減されるので、粒子の配向性が良くなり、表面での光の散乱が小さくなるので、再生時のキャリアが増大しノイズが減少する。さらに書き換えによる、ジッタの増加が抑制され、書き換え回数が延びるものである。
【0035】
【比較例1】
反射層2を分割せずに形成した。成膜速度0.6nm/sで150nm設けた。これ以外は実施例1と同様にして光ディスク20を作製し、記録再生特性を調べた。初期ジッタは、16.7%、ダイレクトオーバーライト1000回後のジッタは5.0%増加した。初期のキャリアレベルは24.8dBm、初期のノイズレベルは60.5dBmであった。この条件で作製した光ディスク10は、初期状態からノイズが高く、DVDのシステムが破綻するジッタ値15%を越えて信号品質が順方向に成膜した光ディスクよりも劣っていた。
【0036】
【比較例2】
実施例1と同様に反射層を2分割して形成した。第1反射層21として60nm設けた。成膜速度は0.6nm/sと高速で行った。次に、第2反射層22を第1反射層の1/6の低速の成膜速度0.1nm/sで90nm設けた。これ以外は実施例1と同様にして光ディスク10を作製し、記録再生特性を調べた。初期ジッタは、23.3%、ダイレクトオーバーライト1000回後のジッタは測定できなかった。初期のキャリアレベルは23.3dBm、初期のノイズレベルは59.5dBmであった。この条件で作製した光ディスク10は、初期状態からノイズが高く、DVDのシステムが破綻するジッタ値15%を越えて信号品質が順方向に成膜した光ディスク20よりも劣っていた。
【0037】
このように、比較例1,比較例2の構成によれば、反射層2を分割しない構成、及び分割したとしても第1反射層21の成膜速度を第2反射層22の成膜速度より早く設定してあるので、第1反射層21の表面粗さが増大し、従って、再生時のキャリアが減少しノイズが増大する。更に、書き換えによるジッタが増大し、書き換え回数が減少するものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の光ディスクと同等のジッタならびに書き換え回数を得ることができると共に、反射層を2層以上に分割するだけでよいので、容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相変化型光ディスクの一実施例を示す断面図である。
【図2】反射層の結晶粒径の分布を示す断面図である。
【図3】従来の相変化型光ディスクの一実施例を示す断面図である。
【図4】従来の相変化型光ディスクの他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1基板
2 反射層
3 第1保護層
4 相変化型記録層
5 第2保護層
6 接着剤層
7 第2基板
10 相変化型光ディスク
21 第1反射層
22 第2反射層

Claims (1)

  1. 所定の材料からなり所定の厚さを有する反射層を備えた相変化型光ディスクを製造する相変化型光ディスクの製造方法において、
    第1の基板上に前記所定の材料をDCスパッタリング法により第1の成膜速度で成膜して第1の反射膜を形成し、前第1の反射膜上に前記所定の材料をDCスパッタリング法により前記第1の成膜速度よりも速い第2の成膜速度で成膜して単層または複数の層からなる2の反射膜を形成し、前記第1の反射膜と前記第2の反射膜とからなる前記反射層を形成する第のステップと、
    前記第のステップ後に、前記反射層上に第1の保護層を形成する第のステップと、
    前記第のステップ後に、前記第1の保護層上に相変化型の記録層を形成する第のステップと、
    前記第のステップ後に、前記相変化型の記録層上に第2の保護層を形成する第のステップと、
    前記第のステップ後に、前記第2の保護層と第2の基板とを接着剤層を介して貼り合わせる第のステップと、
    を有する相変化型光ディスクの製造方法。
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