JP3460937B2 - 光磁気記録媒体およびその再生方法 - Google Patents
光磁気記録媒体およびその再生方法Info
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Description
変調して情報の記録・再生を行う光磁気記録媒体および
その再生方法に関し、特に、再生層と記録層とを備え、
再生時には記録層の磁区が再生層に拡大転写される光磁
気記録媒体およびその再生方法に関するものである。
録媒体として、磁気光学効果を用いた光磁気記録媒体が
知られている。そして、この光磁気記録媒体の記録密度
をより高くするために、数々の研究,検討がなされてい
る。
スクにおいて、ディスク上の記録ビットを読み取るため
には、光ビームを目的の記録ビット上に正確に集光しな
ければならない。このため、光磁気ディスクの記録再生
には、トラッキングサーボを用いて、ディスクの半径方
向に光ビームのスポットを制御する必要がある。この制
御において、ディスクの所定の位置からの光ビームのず
れを、トラッキングエラーという。
数々の技術が知られているが、これらの中でも一般的な
ものは、光磁気ディスクのディスク基板に案内溝を設け
て制御を行う、プッシュプル法と呼ばれる方法である。
この方法は、ディスクに形成された案内溝に光ビームの
一部を照射し、この案内溝からの反射回折光の強度分布
からディスクのトラッキングエラーを検出し、ビームス
ポットの照射位置の制御信号となるトラッキングエラー
信号を得る方法である。
高密度記録化のために有利であり、従来の光磁気記録媒
体の記録再生では多く採用されている。このため、この
方法によって得られるトラッキングエラー信号の特性
と、情報の再生信号である光磁気信号の特性とが共によ
くなるように、案内溝の幅の長さや深さについての研究
がなされてきた。そして、これらの適切な大きさは、ビ
ームスポットの大きさ等からある程度決定されることが
知られている。例えば、一般的なビームスポットを用い
た場合、幅は0.6μm〜1μmのオーダー、深さは数
10nm〜100nmのオーダーとなる。また、ビーム
スポットの大きさは、光の波長や集光レンズの開口率等
によって決定される。
して、トラック・ウォブリング法を用いたサンプル・サ
ーボ・トラッキング法がある。このサンプル・サーボ・
トラッキング法では、データ領域に記録されている情報
の再生と、上記サーボ領域を使用したトラッキング制御
とが、時間的空間的に完全に分離されて行われる。従っ
て、光磁気ディスクには、あらかじめサーボ情報が記さ
れたサーボ・バイトと呼ばれる領域が、情報が記録され
ている領域と分離されて、所定の間隔で設けられてい
る。このサーボ・バイトには、クロックの生成を行なう
ためのクロック・ピットとトラッキングエラー信号の検
出を行なうためのサーボ・ピットとが埋めこまれてい
る。
側には、2つのサーボ・ピットが、トラックからそれぞ
れ等距離の部分に形成されている。また、これら2つの
サーボピットは、ディスクの周方向には互いにずれて位
置している。そして、このディスクの記録・再生の際、
それぞれのサーボ・ピットからの反射光量が等量になる
ように、光ピックアップの対物レンズが制御される。こ
れにより、2つのサーボ・ピットの中心にあるトラック
上に、ビームスポットを追従させることが可能となる。
は、ビームスポット内にサーボ・ピットが複数個入って
しまうと、各サーボ・ピットの反射光を区別できなくな
る。このため、光磁気ディスクの高密度記録化を進める
ためには、トラック上のサーボ・ピットの位置関係その
他に工夫を加える必要がある。
サンプル・サーボ・トラッキング法を採用したトラッキ
ング装置が開示されている。この装置は、光ディスクの
隣接するトラックにウォブルピット(サーボ・ピット)
を共用させ、さらに、このウォブルピットから得られる
トラッキングエラー信号の極性を隣接するトラック間で
切り換えることによって、少ないサーボ領域でのトラッ
キング制御を行うものである。このため、この従来の装
置では、光ディスクのトラックピッチを狭くしてトラッ
ク方向(ディスクの半径方向)の記録密度を高めること
が可能となっている。
記録磁区である記録ビットの径および記録ビットの間隔
が小さくなると、光磁気記録媒体の再生特性は劣化す
る。この原因は、再生にかかる記録ビット上に集光され
た光ビームのビーム径内に、隣接する記録ビットが入っ
てしまい、個々の記録ビットを分離して再生することが
できなくなることにある。
用磁気学会講演概要集(1996),22pE−4,
「磁区拡大再生による超高密度光磁気ディスク」』に
は、記録層と再生層との間に非磁性の中間層を挟んだ構
成の光磁気ディスク、および、その再生方法が開示され
ている。この光磁気ディスクでは、記録層から発生する
磁界により記録層の磁区よりも大きな磁区が再生層に転
写される。そして、この再生層から、情報の再生を行う
ようになっている。このように、記録層の磁区を再生層
に拡大し、この再生層に形成された磁区を光ビームで読
み取る再生方法を、磁区拡大再生という。
の説明図である。磁区拡大再生方法としては種々の方法
が提案されているが、例えば、1つの記録磁区109
(記録ビット)がビームスポット111にある時間内
に、この記録磁区109に対して、この記録磁区109
磁化方向と同じ方向に外部磁界を印加する。これによ
り、図5に示すように、小さな記録磁区109を再生層
105の高温部HPに再生磁区110として拡大転写し
て読み出すことができる。従って、この磁区拡大再生方
法では、ビームスポット111の照射された部分のほと
んどが再生磁区110となるので、通常の再生に比べて
高い再生信号特性の取得と光磁気ディスクの高密度記録
とを同時に実現するものである。なお、図5において、
上向きの記録磁区109以外の部分の磁化は全て下向き
となっている。
区拡大再生方法を採用した光磁気ディスクは、トラッキ
ング制御のために上記したプッシュプル法を用いる場
合、すなわち、光磁気ディスクに案内溝を用いた基板を
使用した場合、以下に示すような問題が生じる。
体膜は、案内溝が形成されている基板面にスパッタ法や
蒸着法で積層される。このため、これら磁性膜や誘電体
膜も、一様な平面形状ではなく、案内溝の凹凸形状とな
って積層される。
た、再生層105,中間層106および記録層107を
備えた光磁気記録媒体を示す説明図であり、図7はこの
再生層105を光磁気ディスクのディスク面を示す説明
図である。図6に示すように、この光磁気ディスクに
は、案内溝としてグルーブ部102…が形成されてお
り、このグルーブ部102…と案内溝間のランド部10
3…とに情報が記録されている。また、図中右側のグル
ーブ部102では、記録層107の記録磁区109が再
生層105に再生磁区110として拡大転写されてお
り、この再生磁区110は垂直磁化状態となっている。
に示す再生磁区110のような垂直磁化状態の部分に凹
凸があると、この部分に磁極が発生し、再生磁区110
に磁力が加わる。このため、再生層105における再生
磁区110の磁壁の移動、すなわち、再生層105に形
成される再生磁区110の広がりに障害が発生してしま
う。この障害は、特に溝の角の部分(グルーブ部102
とランド部103との境界)で顕著であり、場合によっ
てはこの部分で磁壁がピニング(固定)されることがあ
る。
き、案内溝の側壁面には、粒子がほぼ平行に入射する。
このため、この側壁面では、これらの膜は非常に薄くな
ってしまう。従って、この側壁面における磁性膜は、側
壁面以外の部分の磁性膜に比して磁気特性が悪く、この
磁気特性の悪さは、上記と同様に磁壁移動の障害を引き
起こす。
て、上記のように外部磁界を印加して再生層における磁
区の磁壁を移動させようとすると、図7に示すように、
グルーブ部102に形成された再生磁区110が、この
グルーブ部102の幅より大きくならない。すなわち、
磁壁が案内溝の角の部分にピニングされてしまい、ラン
ド部103まで広がらない。このため、再生磁区110
の転写を所望の範囲に拡大して行なうことができなくな
る。従って、ビームスポット111内に大きく再生磁区
110を形成することができないので、再生信号の特性
が悪化してしまい、微小な磁区を拡大して良好に再生す
るという、磁区拡大再生方法の目的を達成することがで
きなくなる。
を備えた構成)において、上記した磁壁のピニングを防
ぐために、再生時に印加する外部磁界を大きくするとい
う方法がある。このように大きな外部磁界をかけると、
案内溝の形状によって発生する磁力の影響が、相対的に
無視できるほど小さくなり、磁壁のピニングを防ぐこと
ができる。
な大きさ以上の外部磁界を印加することは、装置の構成
やコスト等の面で不利である。また、大きな外部磁界
は、記録層と再生層との静磁結合を妨げることにもなる
ので、記録磁区を再生層に正確に拡大することができな
くなってしまう。
ングエラー信号が得られる範囲内でトラックピッチを大
きくし、案内溝の角をビームスポットのできるだけ外側
に位置させるという方法もある。この方法では、磁壁の
ピニングが起こった場合でも再生信号の損失は小さくな
る。しかしながら、この方法は、トラック方向(ディス
ク半径方向)の高密度化を制限してしまうので望ましく
ない。
る。光磁気ディスクの高密度化を図るために、トラック
ピッチあるいは案内溝の幅を狭くし、ディスク半径方向
にトラックを高密度に配置することが考えられる。とこ
ろが、案内溝の幅を狭くして細密な溝形状を形成してし
まうと、再生時に、光学的なノイズが発生してしまうと
いう問題が生じる。すなわち、案内溝の幅が狭くなるこ
とによって、ビームスポットに入る隣接トラックの面積
が大きくなる。光ピックアップから再生にかかるトラッ
クまでの距離と、この光ピックアップから隣接トラック
までの距離とは異なるので、光ピックアップは、位相の
異なる光が多く混入した反射光を受けてしまい、再生信
号にノイズが生じてしまうのである。また、このような
細密な溝形状を有する光磁気ディスクでは、磁区拡大再
生を行った場合の再生層の磁区のピニングが起こりやす
くなる。
することは困難である。従って、側壁の形状がなまり易
く、これによるノイズの発生が問題となる。また、なま
った側壁の不完全な案内溝を有する光磁気ディスクにお
いて、高密度化のためにトラックピッチを狭くすると、
案内溝の側壁がビームスポット中心に近づくので、ノイ
ズがさらに大きくなる。
の光軸のずれ,ディスクの半径方向の傾き,案内溝
形状のアンバランス,等により、トラッキングエラー信
号に直流オフセットが生じる。この直流オフセットはト
ラッキング動作の異常を引き起こす原因となる。
溝間)とグルーブ(案内溝内)との両方にデータを記録
する、ランド・グルーブ記録方式が提案されている。こ
の方式では、データ領域の深さが異なることや、案内溝
の形状が完全な矩形ではないことにより、非点収差法な
どを用いたフォーカス・エラー信号の検出が難しい。従
って、フォーカスのオフセット調節が必要となり、光ピ
ックアップの制御が困難になる。さらに、ランドとグル
ーブとの光学特性が異なるため、記録・再生に際しての
光学的および回路的な調整が必要となる。
シュプル法では、良好に磁区拡大再生を行なうことは困
難であった。本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、簡単な構成にて良好な磁区拡大再
生を実現し、高記録密度かつ高信頼性を有する光磁気記
録媒体およびその再生方法を提供することにある。
めに、本発明の請求項1に記載の光磁気記録媒体は、情
報を記録するための磁区を備えた記録層と、所定の温度
以上となると、この記録層と静磁結合し、記録層の磁区
を拡大して転写する再生層とを有する光磁気記録媒体に
おいて、トラッキングエラーを検出するためのサーボ領
域と、このサーボ領域から分離されて形成された、情報
の記録を行う平面形状のデータ領域とを備えていること
を特徴としている。
記録層の磁区が再生層に拡大されて転写され、再生層
に、記録層の磁区より大きな磁区が形成される。そし
て、この大きな磁区を光ビームで読み取ることによっ
て、良好な再生信号を得られるようになっている。そし
て、この光磁気記録媒体は、トラッキングエラーを検出
するためのサーボ領域と、情報の記録を行うデータ領域
とを備えている。このデータ領域は、サーボ領域とは分
離されて形成されており、さらに、その形状が凹凸のな
い平面形状となっている。すなわち、この構成のデータ
領域には、上記した再生層に形成される磁区の拡大を妨
げる、案内溝のような凹凸がない。
て行う再生では、非常に短い時間内に再生層における磁
区の磁壁の移動を必要とする。上記の光磁気記録媒体で
は、再生層における磁区の拡大を妨げる凹凸がないの
で、この磁区の磁壁の移動が自由となる。従って、再生
層の磁区の拡大を良好に実現することができるので、ト
ラックピッチを狭くしても、良好な再生信号特性を得る
ことが可能となる。これにより、上記の光磁気記録媒体
は、プッシュプル法に基づくグルーブ等の凹凸がデータ
領域に形成された光磁気記録媒体に比して、高密度記録
可能で信頼性の高い光磁気記録媒体となっている。ま
た、上記の光磁気記録媒体は、データ領域が凹凸のない
平面形状であるので、光磁気記録媒体の原盤および光磁
気記録媒体の製造が容易であり、その生産性を高くする
ことができる。
は、請求項1の構成に加えて、前記再生層は、室温で面
内磁化状態であり、高温で垂直磁化状態となることを特
徴としている。上記の構成によれば、光磁気記録媒体の
再生層は、室温では面内磁化状態であり、高温では垂直
磁化状態となる。従って、ビームスポットの中心部が照
射されて高温になった部分は垂直磁化状態となり、記録
層における記録磁区の磁化と静磁結合して拡大された磁
区が形成される。また、この部分以外の部分、すなわ
ち、ビームスポットの端部が照射されている部分等の高
温となっていない部分は、面内磁化状態となって、記録
層における記録磁区の磁化とは相互作用しない。すなわ
ち、記録層をマスクする。従って、ビームスポットの端
部が照射されている部分のような、再生層における拡大
された磁区以外の部分からは光磁気信号が生成されるこ
とがないので、ノイズの少ない再生信号を得ることがで
きる。
は、請求項1の構成に加えて、前記サーボ領域には、サ
ンプル・サーボ・トラッキング法によりトラッキング制
御を行うための凹凸が設けられていることを特徴として
いる。上記の構成によれば、サーボ領域には、サンプル
・サーボ・トラッキング法によりトラッキング制御を行
うための凹凸が設けられている。そして、記録・再生の
際は、この凹凸にビームスポットを照射してその反射光
量を検出することで、トラッキング制御が行われる。こ
のサンプル・サーボ・トラッキング法では、データ領域
に記録されている情報の再生と、上記サーボ領域を使用
したトラッキング制御とが、時間的空間的に完全に分離
されて行われる。従って、請求項1に記載のような、サ
ーボ領域とデータ領域とが分離された光磁気記録媒体の
トラッキング制御を良好に行うことが可能となる。
御では、データ領域にビームスポットが照射されている
ときには、このサーボ領域の凹凸にビームスポットが照
射されることはない。従って、情報の再生のためのビー
ムスポットの反射光に、この凹凸からの反射光が混入す
ることがないので、良好な再生信号特性を得ることが可
能となる。
は、請求項3の構成に加えて、前記凹凸がピットからな
ることを特徴としている。上記の構成によれば、上記の
凹凸がピットからなっている。このピットは、上記のよ
うにサンプル・サーボ・トラッキング法に基づいて形成
されているので、少ないピットで効率よくトラッキング
制御を行うことが可能となる。また、このようなピット
の作成は容易であると共に、ピットを設けた光磁気記録
媒体は実用化されているため、従来の光磁気記録媒体を
応用することができ、低コストで請求項3に記載の光磁
気記録媒体を製造することができる。
は、請求項3の構成に加えて、前記凹凸がプッシュプル
法に基づいて形成されたランドとグルーブとからなるこ
とを特徴としている。上記の構成によれば、上記の凹凸
が、プッシュプル法に基づいて形成された案内溝である
グルーブと、このグルーブ間のランドとからなってい
る。従って、この光磁気記録媒体のトラッキング制御
は、サンプル・サーボ・トラッキング法にプッシュプル
法を組み合わせたものとなる。すなわち、このトラッキ
ング制御は、情報の再生とは分離して行われると共に、
サーボ領域に形成されたランドおよびグルーブからの反
射光に基づいて行われる。
記録媒体と共通した部分が多くなり、請求項3に記載の
光磁気記録媒体として、従来の光磁気記録媒体を応用す
ることができる。従って、低コストで請求項3に記載の
光磁気記録媒体を製造することができる。また、従来の
光磁気記録媒体とトラッキング制御が類似しているの
で、この光磁気記録媒体との互換性を向上させることが
できる。
再生方法は、請求項1に記載の光磁気記録媒体の再生方
法であって、記録層の磁区を再生層に拡大して転写させ
て再生層に記録層の磁区より大きい磁区を形成し、この
磁区にビームスポットを照射して情報を読み取る一方、
サンプル・サーボ・トラッキング法によってトラッキン
グ制御を行うことを特徴としている。
の再生層への転写は、再生層に形成される磁区が記録層
の磁区よりも大きくなるように行われる、拡大転写であ
る。この拡大転写は、例えば、再生にかかる記録層の磁
区がビームスポット内を通過する間に、この磁区の磁化
方向と同じ方向に外部磁界を印加することで行われる。
に拡大するためには、情報が記録されている領域に、例
えばプッシュプル法によるトラッキング制御に用いるよ
うな案内溝等の、凹凸が形成されていないことが好まし
い。そこで、上記の方法では、サンプル・サーボ・トラ
ッキング法によるトラッキング制御を行うようにしてい
る。すなわち、再生にかかる光磁気記録媒体として、上
記した再生層の磁区が形成される領域とトラッキング制
御を行う領域とが分離されたものを用い、情報の再生と
分離してトラッキング制御を行うようにしている。これ
により、再生層に形成される磁区を所望の大きさに拡大
して再生し、良好な再生信号を得ることができると共
に、トラッキング制御も良好に行うことができる。
下に説明する。図1(b)は、本実施の形態にかかる光
磁気記録媒体である光磁気ディスク(以下、本光磁気デ
ィスクとする)の構成の概略を示す断面図である。この
図に示すように、本光磁気ディスクは、ディスク基板1
1に、透明誘電体層12,再生層5,中間層6,記録層
7および保護層13がこの順に積層されて構成されてい
る。なお、図示はしていないが、本光磁気ディスク全体
を保護するために、有機樹脂からなる保護膜(保護コー
ト)が、保護層13上に形成されている。
おける再生層5,中間層6および記録層7の構成の概略
と、再生時における各層5〜7の状態とを示す説明図で
ある。この図に示すように、本光磁気ディスクは、サー
ボ領域とデータ領域とに分けられている。データ領域
は、情報を記録するための領域であり、凹凸のない平面
形状となっている。また、サーボ領域は、トラック・ウ
ォブリング法を用いたトラッキング制御、すなわち、サ
ンプル・サーボ・トラッキング法によるトラッキング制
御のための領域であり、ピット1…を備えている。
形状を示す説明図である。この図に示すように、これら
ピット1…は、ビームスポット4が追従するトラック2
の両側に、周方向にずれて形成されている。また、これ
らピット1…は、データ領域には形成されておらず、サ
ーボ領域のみに形成されている。従って、ピット1…
は、データ領域とは完全に分離されて形成されており、
情報が再生されるときには、これらピット1…には光ビ
ームは照射されない。このため、ピット1…の反射光
が、情報を再生するための反射光に混入することはな
い。また、これらピット1…は、情報の再生時だけでな
く、記録時のトラッキング制御にも用いられる。
1(b)に示した各層5〜7,11〜13の特徴を示
す。ディスク基板11は、サーボ領域の基板となるピッ
ト1…を備えた部分と、データ領域の基板となる凹凸の
ない平面形状の部分とからなり、材料として例えばポリ
カーボネートが利用される。
に、窒化物等をスパッタリングあるいは蒸着することで
形成される。この透明誘電体層12は、再生層5での光
の反射で発生するカー回転角を、光学的干渉現象を利用
して増強させるものである。このため、透明誘電体層1
2には、透光性を有する材料が利用される。また、この
透明誘電体層12は、酸化しやすい希土類・遷移金属合
金を保護する機能も有している。保護層13は、酸化し
やすい希土類・遷移金属合金を保護する機能を有し、記
録層7上に窒化物等をスパッタリングあるいは蒸着する
ことで形成される。
ルファス磁性合金をスパッタリングあるいは蒸着するこ
とで形成される垂直磁化膜である。そして、図1(a)
に示すように、情報を記録するための微小な記録磁区9
を有している。この図における記録層7は、記録磁区9
が1つだけ形成されている部分であるため、図中の記録
磁区9以外の部分の磁化は全て下向きとなっている。こ
の記録層7は、高温になると磁化が増大する磁性層であ
る。従って、再生時に光ビームが照射されると、ビーム
スポット4の中心に対応する部分が高温となり、この部
分の磁化が増大する。そして、この磁化の増大によっ
て、この部分から発生する磁界が増大するので、この部
分における記録磁区9を再生層5に転写することができ
る。
ルファス磁性合金をスパッタリングあるいは蒸着するこ
とで形成され、室温で面内磁化状態、高温で垂直磁化状
態となる磁性膜である。従って、図1(a)に示すよう
に、再生時に、再生層5に光ビームが照射されると、ビ
ームスポット4の中心付近に垂直磁化状態となる高温部
HPが形成される。また、その他の部分は面内磁化状態
となって記録層7の磁化をマスクする。そして、この高
温部HPには、記録層7の高温部分にある記録磁区9の
磁化との静磁結合によって、この記録磁区9が拡大転写
されて再生磁区10が形成される。そして、この再生磁
区10が光ビームで読み取られ、再生信号が生成され
る。従って、記録層7の1つの記録磁区9がビームスポ
ット4を通過する間に、この記録磁区9が再生層5に拡
大転写されることが必要であり、各層5・7の磁気特性
や本光磁気ディスクを再生するための装置は、この拡大
転写が可能なように調整されている。
的な交換結合を遮断し、これら2層5・7間で静磁結合
が支配的な相互作用となるように設けられており、非磁
性の材料が利用される。この中間層6により、記録時の
磁界感度を向上させることができる。
以下のように行われる。図1(a)に示すように、対物
レンズ8によって光ビームが集光され、本光磁気ディス
クのディスク基板11側から再生層5に照射されると、
再生層5に高温部HPが形成される。また、光ビームの
ビームスポット4の中心に対応した記録層7の高温部分
の磁化(図では記録磁区9の磁化)が増大する。そし
て、再生層5の高温部HPは垂直磁化状態となり、記録
層7における高温部分の記録磁区9の磁化との静磁結合
によって、高温部HPに記録磁区9が拡大転写されて再
生磁区10が形成される。そして、光ビームは、再生磁
区10で反射されて光磁気信号を含んだ反射光となり、
この反射光に基づいて再生信号が形成される。また、上
記した再生磁区10の形成は、高温部HPに対して記録
磁区9の磁化と同じ方向に外部磁界を印加することによ
って行われる。
磁気ディスクの回転によって高温部HPが移動し、同様
に、図示しない別の記録磁区が再生層5に転写され、再
生される。このように、本光磁気ディスクでは、記録層
7の記録磁区の再生層5への拡大転写が繰り返される。
11に形成された、サーボ領域のピット1…からの光ビ
ームの反射光を受光して行われる。すなわち、ビームス
ポット4がトラック2の中心を通るために、トラック2
の両側のピット1・1は順に照射されることになる。そ
して、トラック2から等距離ずれたこれらピット1・1
の反射光量が等しくなるように、トラッキング制御が行
われる。
キング制御にサンプル・サーボ・トラッキング法を採用
した磁区拡大再生光磁気ディスクとなっている。従っ
て、従来の磁区拡大再生の光磁気ディスクのように、ト
ラッキング制御にプッシュプル法を採用し、ランド・グ
ルーブ記録を行う光磁気ディスクに比べ、以下の点で有
利である。
ことにより、従来案内溝の角で生じていた磁壁のピニン
グを解消することができる。これにより、再生層5にお
ける磁壁移動を自由にし、再生磁区10の形成を良好に
実現することができる。
と、案内溝のために、トラックピッチが狭くなればなる
ほど磁区転写に制限を受けてしまう。しかしながら、サ
ンプル・サーボ・トラッキング法を採用した本光磁気デ
ィスクでは、ディスクの周方向の記録密度が若干低くな
るものの、ディスクの半径方向の高密度化が可能であ
る。従って、本光磁気ディスクの記録密度は、プッシュ
プル法を採用した光磁気ディスクに比べて高くすること
ができる。また、データ領域が凹凸のない平面形状であ
るので、本光磁気ディスクの原盤の製造が容易であると
共に、本光磁気ディスクの製造も容易である。従って、
本光磁気ディスクは、生産性の高い光磁気ディスクとな
っている。
ィスクでは、トラックピッチを狭くして高密度化を図ろ
うとすると、案内溝によるノイズの発生が避けられなか
った。しかしながら、本光磁気ディスクでは、データ領
域を凹凸のない平面にすることによって、このノイズの
発生を抑えることができる。
ル・サーボ・トラッキング法では、案内溝を用いたプッ
シュプル法で問題となっていた直流オフセットが発生し
ない。また、光軸ずれにも強くなるので、光学系の精度
も大幅に緩和できる。さらに、光磁気ディスクの傾きに
も強くなるので、光磁気ディスクの互換性もよくなる。
このことは高密度記録に有利となる。また、サーボ領域
とデータ領域とが時間的空間的に完全に分離されている
ため、再生信号とトラッキングエラー信号との干渉がな
い。すなわち、情報の記録再生に際して、トラッキング
エラー信号が変化しないので、非常に安定した記録再生
を実現できる。
域が凹凸のない平面なので、隣接トラックごとのフォー
カスのオフセット調整も必要ない。従って、光ピックア
ップの制御が簡単であり、隣接するトラックの光学特性
にも差異がないため、光学的および回路的にも、再生装
置を簡単な構成とすることができる。
大再生の特性を検証するために行った測定について説明
する。まず、この測定に用いた、本光磁気ディスクのサ
ンプル♯1と比較サンプル♯1・♯2とについて説明す
る。
ッキング法によってトラッキングエラー検出を行なう、
本光磁気ディスクのサンプルである。このサンプル♯1
では、ディスク基板11の材料としてポリカーボネー
ト,透明誘電体層12の材料としてAlN,再生層5の
材料としてGdFeCo,中間層6の材料としてAl
N,記録層7の材料としてTbFeCo、および、保護
層13の材料としてAlNがそれぞれ用いられており、
磁区拡大再生が可能となるように各層の磁気特性の調整
がなされている。また、サンプル♯1のデータ領域は、
案内溝のような凹凸のない、平面形状である。
法のための案内溝(グルーブ)を有するディスク基板上
に、本光磁気ディスクと同様に、AlNからなる透明誘
電体層,TbFeCoからなる記録層,AlNからなる
中間層,GdFeCoからなる再生層およびAlNから
なる保護層が設けられた構成である。これら比較サンプ
ル♯1・♯2の構成は同一であるが、以下に示す測定で
は、比較サンプル♯1の再生は、外部磁界を印加しない
で行う通常再生である一方、比較サンプル♯2の再生
は、外部磁界を印加して行う磁区拡大再生である。
1・♯2のトラックピッチは、共通に0.7μmとし
た。また、比較サンプル♯1と比較サンプル♯2とのラ
ンド幅,グルーブ幅およびグルーブ深さは互いに同一と
し、ランド幅およびグルーブ幅は0.7μm,グルーブ
深さは40nmとした。これは、比較サンプル♯1と比
較サンプル♯2とのデータ領域での記録密度を等しくす
るためである。また、これら比較サンプル♯1・♯2に
は、ランド・グルーブ記録を行った。
測定には、波長680nmの半導体レーザと開口率NA
が0.55の対物レンズを備え、ビームスポット径が1
μmとなる光ピックアップを用いた。また、各サンプル
には、ビームスポット内に記録磁区が1つだけ入るよう
に、孤立したパターンを記録しておき、このパターンを
再生することで測定を行った。また、サンプル♯1およ
び比較サンプル♯2に対する磁区拡大再生は、1つの記
録磁区がビームスポット内を通過する間に、この記録磁
区の磁化方向と同じ方向に200Oeの大きさの外部磁
界を印加して行った。
ンプル♯1・♯2のCNR(信号対雑音比)のマーク長
依存性の測定結果を示すグラフである。ここで示すCN
Rのマーク長依存性は、マーク長に対応する長さの記録
磁区を再生した際の、信号対雑音比を表すものである。
この記録磁区は、上記のように孤立パターンとして記録
されたものである。
でのCNRは、比較サンプル♯1の33.0dBに対し
て、サンプル♯1では41.0dB,比較サンプル♯2
では40.5dBであり、サンプル♯1および比較サン
プル♯2と比較サンプル♯1とのCNRには、7.0d
B〜8.0dBの差異が観測された。
て記録しているので、通常再生(磁区拡大再生ではない
再生)を行なった比較サンプル♯1では、記録層の記録
磁区が、再生層に同じサイズで転写される。従って、再
生層に形成された、0.3μmの孤立再生磁区が再生さ
れたことになる。これに対し、サンプル♯1および比較
サンプル♯2では、外部磁界を適切に印加することによ
って磁区拡大再生が行われたので、拡大転写された再生
磁区が再生されたため、CNRが比較サンプル♯1より
大きくなったと考えられる。
たサンプル♯1と比較サンプル♯2とのCNRには、有
意差は見られない。これは、約1μmのビームスポット
径に比較してトラックピッチが0.7μmと小さな値で
はなかったため、比較サンプル♯2で、再生磁区におけ
る磁壁のピニングが起こっても、その影響が小さかっ
た、すなわち、ランドおよびグルーブによる凹凸の有無
は再生信号特性に影響しなかったからであると考えられ
る。
ンプル♯1・♯2のトラックピッチを0.5μm〜0.
7μmの範囲で変化させ、マーク長0.3μmでのCN
Rを測定した結果を示すグラフである。サンプル♯1の
トラックピッチは、特開平6−60408号公報に開示
されている従来技術を用いて狭めた。また、比較サンプ
ル♯1・♯2のグルーブ深さは40nmとした。また、
比較サンプル♯1・♯2のランドおよびグルーブ幅はト
ラックピッチと同一である。
2のCNRは、トラックピッチが狭くなると低下してし
まう。これは、溝形状の細密化にともなうノイズ発生が
原因であると考えられる。ランド・グルーブ記録では、
トラックピッチが狭くなることによって、ビームスポッ
トに入る隣接トラックの面積が大きくなる。従って、ラ
ンドとグルーブとでは、光ピックアップまでの距離が異
なることから、光ピックアップは、位相の異なる光が多
く混入した反射光を受けてしまう。これにより、これら
比較サンプル♯1・♯2では、再生信号のノイズが増大
したものと考えられる。
およびランドの凹凸は完全な矩形ではなく、側壁の形状
がなまっており、このなまりによるノイズも発生してい
ると考えられる。また、トラックピッチが狭くなった場
合、これら比較サンプル♯1・♯2では、グルーブの側
壁がビームスポット中心に近づいてしまい、これによる
ノイズも発生したと考えられる。
プル♯2では、トラックピッチが狭くなったことに対す
るCNRの低下が顕著である。この理由は以下のように
考えられる。すなわち、磁区拡大再生では、記録層の1
つの記録磁区がビームスポットを通過するたびに、再生
層の磁区が拡大・縮小する、つまり、再生磁区の磁壁が
移動する。この移動の際、ランドおよびグルーブの凹凸
形状によって磁壁がピニングされると、磁壁がランドと
グルーブとの境界を越えることができなくなる。従っ
て、再生層における再生磁区の磁壁のディスク半径方向
への移動は、この再生磁区が形成されたランドあるいは
グルーブの幅に制限されてしまうことになり、これに伴
って、再生層に形成される再生磁区の面積もこの幅に制
限されてしまう。従って、再生磁区が十分に拡大されな
いので、再生信号が著しく劣化してしまうのである。
で再生磁区の大きさが制限されることによる再生信号の
劣化は、この幅がビームスポット径に対してそれほど小
さくない場合には、大きな問題とはならない。しかしな
がら、光磁気ディスクを高密度化するために上記の幅を
狭くすると、ビームスポット径に対する再生磁区の面積
が小さくなってしまうので、再生信号の特性が劣化が顕
著になる。
合、比較サンプル♯2では、再生磁区がディスクの周方
向には拡大されるので、比較サンプル♯1よりCNRの
値は大きくなる。しかしながら、サンプル♯1と比べる
と、この比較サンプル♯2における磁区拡大の効果は不
充分であることがわかる。サンプル♯1では、トラック
ピッチが小さくなっても、CNRの値は高いままであ
る。これは、トラッキング制御にサンプル・サーボ・ト
ラッキング法を採用しているので、データ領域が凹凸の
ない平面となっているため、再生磁区の拡大に支障がな
いからである。
再生時に磁壁のピニングが起こらないので、トラックピ
ッチが狭くなっても良好に再生磁区の拡大を実現するこ
とができ、再生信号特性が劣化することがない。従っ
て、トラックピッチを狭くし、ディスク半径方向の高密
度化を図っても、良好な磁区拡大再生を維持することが
可能となっている。
気ディスクの構成に限るものではない。磁区拡大再生が
可能であれば、どのような膜構成でも構わない。すなわ
ち、情報を磁区として記録するための垂直磁化膜からな
る記録層7と、その記録磁区を拡大・縮小して転写する
ための、記録層7よりも先に光ビームが照射されるよう
に設けられた再生層5との2層を含んでいればよい。そ
の他、記録層7と再生層5との交換結合を断ち切るため
に、両層5・7に挟まれた中間層6が備えられば、より
好ましい構成となる。また、再生にかかる記録磁区9の
磁化以外の記録層7における磁化が、再生層5に転写さ
れることを防ぐために、再生層5と記録層7との間に、
磁気的なマスクを施すマスク層が設けらていれば、より
好ましい構成となる。
層5が、室温で面内磁化膜であり、高温で垂直磁化状態
となるとしているが、本発明の光磁気記録媒体はこれに
限るものではない。ビームスポットが照射されている部
分が垂直磁化状態であれば、その他の部分はどのような
状態でもかまわない。しかしながら、低温の部分が面内
磁化状態であれば、この部分は記録層7の磁化を転写し
ないので、ここから光磁気信号が生成されることがな
い。従って、ノイズの少ない再生信号を得ることができ
る。
は、ピット1…が形成されているとしたが、本発明の光
磁気記録媒体におけるトラッキングエラー信号の検出の
ための構成はこれに限るものではない。すなわち、この
構成は、サーボ領域に凹凸形状を有するものであればよ
く、例えば、案内溝(グルーブ)でもよい。この案内溝
は、データ領域には形成されず、サーボ領域のみに形成
されるものである。本発明の光磁気記録媒体を、サーボ
領域に案内溝を形成した形状とすると、プッシュプル法
を採用した従来の光磁気記録媒体との共通部分が多くな
るため、この光磁気記録媒体との互換性を高くすること
ができる。
3と、図示しない保護膜との差異について以下に述べ
る。保護層13は、記録層7に接して設けられており、
スパッタリングによってnmのオーダの厚さに形成され
る。この保護層13は、記録層7の酸化を防止するため
のものである。一方、保護膜(保護コート)は、有機樹
脂からなるものであり、厚さはμmのオーダである。こ
の保護膜は、本光磁気ディスク全体を衝撃や水分から保
護するための膜である。従って、保護層13と保護膜と
は、連続して形成されているものの、保護層13はスパ
ッタリングの最終工程で作成される一方、保護膜はコー
ト工程で作成されるので、それぞれの作成は別工程とな
る。このように、これら保護層13と保護膜とは完全に
別の部材である。
ように行ってもよい。すなわち、図1に示すように、対
物レンズ8によって光ビームが集光され、ビームスポッ
ト4が本光磁気ディスクの再生層5に照射されると、再
生層5に高温部HPが形成される。そして、この高温部
HPでは、再生層5は垂直磁化状態となり、記録層7に
おける記録磁区9の磁化との静磁結合によって1つの記
録磁区9が拡大転写され、再生磁区10が形成される。
この再生磁区10の形成は、高温部HPに対して記録磁
区9の磁化と同方向に外部磁化を印加することによって
行われる。そして、この再生磁区10が再生された後、
直ちに、この高温部HPに上記記録磁界と逆方向に磁界
を印加し、再生された再生磁区10を消去する。その
後、本光磁気ディスクの回転によって高温部HPが移動
し、同様に別の記録磁区9が再生される。このように、
外部磁界を高速で反転させて印加することにより、記録
層7の記録磁区9への再生層5への転写および消去を、
高速で繰り返して行うことができる。
ような構成でもよい。すなわち、少なくとも信号再生領
域が垂直磁化状態となる再生層と、この再生層と静磁結
合する垂直磁化膜からなる記録層とを有する光磁気記録
媒体において、トラッキングエラー信号を検出するため
のサーボ領域と、データを読み書きするためのデータ領
域とが時間的および空間的に完全に分離しており、少な
くとも前記データ領域が凹凸のない平面であることを特
徴とした構成でもよい。
の光磁気記録媒体は、トラッキングエラーを検出するた
めのサーボ領域と、このサーボ領域から分離されて形成
された、情報の記録を行う平面形状のデータ領域とを備
えている構成である。
げる凹凸がないので、再生層の磁区の拡大を良好に実現
することができ、トラックピッチを狭くしても、良好な
再生信号特性を得ることが可能となる。これにより、プ
ッシュプル法に基づくグルーブ等の凹凸がデータ領域に
形成された光磁気記録媒体に比して、記録密度を高くで
きるという効果を奏すると共に、再生の信頼性を高くす
ることができるという効果を奏する。また、データ領域
が凹凸のない平面形状であるので、光磁気記録媒体の原
盤および光磁気記録媒体の製造が容易となり、高い生産
性を実現することができるという効果も併せてを奏す
る。
は、請求項1の構成に加えて、前記再生層が、室温で面
内磁化状態であり、高温で垂直磁化状態となる構成であ
る。
内磁化状態の部分が記録層をマスクするので、ビームス
ポットの端部から光磁気信号が生成されることがなく、
ノイズの少ない再生信号を得ることができるという効果
を奏する。
は、請求項1の構成に加えて、前記サーボ領域に、サン
プル・サーボ・トラッキング法によりトラッキング制御
を行うための凹凸が設けられている構成である。
ーボ領域とデータ領域とが分離された磁区拡大再生を行
うための光磁気記録媒体のトラッキング制御を、良好に
行うことが可能となるという効果を奏する。
は、請求項3の構成に加えて、前記凹凸がピットからな
る構成である。
ないピットで効率よくトラッキング制御を行うことが可
能となるという効果を奏すると共に、請求項3に記載の
光磁気記録媒体を低コストで製造することができるとい
う効果を併せて奏する。
は、請求項3の構成に加えて、前記凹凸がプッシュプル
法に基づいて形成されたランドとグルーブとからなる構
成である。
媒体として、従来の光磁気記録媒体を応用することがで
きる。従って、請求項3の効果に加えて、低コストで請
求項3に記載の光磁気記録媒体を製造することができる
という効果を奏すると共に、従来の光磁気記録媒体とト
ラッキング制御が類似しているので、この光磁気記録媒
体との互換性を向上させることができるという効果を併
せて奏する。
再生方法は、請求項1に記載の光磁気記録媒体の再生方
法であって、記録層の磁区を再生層に拡大して転写させ
て再生層に記録層の磁区より大きい磁区を形成し、この
磁区にビームスポットを照射して情報を読み取る一方、
サンプル・サーボ・トラッキング法によってトラッキン
グ制御を行う方法である。
望の大きさに拡大して再生し、良好な再生信号を得るこ
とができると共に、トラッキング制御も良好に行うこと
ができるという効果を奏する。
磁気記録媒体の構成の概略と再生時における状態とを示
す説明図であり、図1(b)は、上記光磁気記録媒体の
層構成を示す断面図である。
けるディスク面の形状の概略を示す説明図である。
ンプルと比較例のサンプルとのCNRのマーク長依存性
を示すグラフである。
ンプルと比較例のサンプルとのCNRのトラックピッチ
依存性を示すグラフである。
構成の概略と、この光磁気記録媒体の再生状態とを示す
説明図である。
来の光磁気記録媒体の構成を示す説明図である。
行った場合に生じる、磁壁のピニングを示す説明図であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】情報を記録するための磁区を備えた記録層
と、 所定の温度以上となると、この記録層と静磁結合し、記
録層の磁区を拡大して転写する再生層とを有する光磁気
記録媒体において、 トラッキングエラーを検出するためのサーボ領域と、 このサーボ領域から分離されて形成された、情報の記録
を行う平面形状のデータ領域とを備えていることを特徴
とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記再生層は、室温で面内磁化状態であ
り、高温で垂直磁化状態となることを特徴とする請求項
1に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】前記サーボ領域には、サンプル・サーボ・
トラッキング法によりトラッキング制御を行うための凹
凸が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
光磁気記録媒体。 - 【請求項4】前記凹凸がピットからなることを特徴とす
る請求項3に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項5】前記凹凸が案内溝からなることを特徴とす
る請求項3に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項6】請求項1に記載の光磁気記録媒体の再生方
法であって、 記録層の磁区を再生層に拡大して転写させて再生層に記
録層の磁区より大きい磁区を形成し、この磁区にビーム
スポットを照射して情報を読み取る一方、 サンプル・サーボ・トラッキング法によってトラッキン
グ制御を行うことを特徴とする光磁気記録媒体の再生方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30616097A JP3460937B2 (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 光磁気記録媒体およびその再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30616097A JP3460937B2 (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 光磁気記録媒体およびその再生方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11144339A JPH11144339A (ja) | 1999-05-28 |
JP3460937B2 true JP3460937B2 (ja) | 2003-10-27 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30616097A Expired - Fee Related JP3460937B2 (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 光磁気記録媒体およびその再生方法 |
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JP (1) | JP3460937B2 (ja) |
-
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