JP2000268425A - 光磁気情報記録媒体 - Google Patents

光磁気情報記録媒体

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JP2000268425A
JP2000268425A JP11070793A JP7079399A JP2000268425A JP 2000268425 A JP2000268425 A JP 2000268425A JP 11070793 A JP11070793 A JP 11070793A JP 7079399 A JP7079399 A JP 7079399A JP 2000268425 A JP2000268425 A JP 2000268425A
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magneto
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JP11070793A
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Yasuto Tanaka
靖人 田中
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録層の所望の記録マークを確実に選択し
て、再生層における磁区拡大を良好にする。 【解決手段】 光磁気ディスク1は、再生層2と記録層
5との間に、温度T1で面内磁気異方性を消失する第1の
中間層3及び温度T2で面内異方性を消失する第2の中間
層4を有する。温度T1及び温度T2は再生層2のキュリー
温度及び記録層5のキュリー温度よりも低い温度とされ
ている。再生層2は、温度Tcri(温度T1及び温度T2未
満)以上において垂直方向の磁気異方性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁化により情報を
記録する光磁気情報記録媒体に関し、詳しくは、レーザ
ー光と外部磁界により磁区を形成することによって情報
を記録し、磁気光学効果により磁区を読み出すのに好適
な光磁気情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気情報記録媒体として代表的な光磁
気ディスクは、垂直磁気異方性を有する磁性膜を持ち、
この光磁気ディスクにおける記録は、レーザー光をディ
スク上に照射することにより磁性膜を局部的に加熱する
と同時に、外部より磁界を与え、情報に応じて磁化の向
きを変調させた磁区を形成することにより行う。
【0003】一方、再生時は、記録時よりも小さいパワ
ーを持つ直接偏光の再生用レーザー光を、光磁気ディス
クに照射する。そして、光磁気ディスクの磁性膜には、
情報に応じた向きの磁化が残留しているので、光磁気デ
ィスクにより反射させる反射光の偏光面は回転する。こ
れをカー効果といい、偏光方向の回転角をカー回転角と
いう。カー回転角は、磁化の向き及び大きさにより変化
するので、このカー回転角を検出することにより光磁気
ディスクに記録されている情報を再生することができ
る。
【0004】上述のような方式において、記録密度を向
上させるには、記録マーク(磁区)を小さくし、トラッ
クピッチを狭くすることが必要になる。ところが、再生
用レーザー光により情報を再生する光磁気ディスクで
は、再生時の解像度は、光磁気ディスク上に集光される
再生用レーザー光のスポット径によって決まる。このス
ポット径は、再生用レーザー光の波長、及び対物レンズ
の開口数によって決定され、これが記録マークの狭小化
を図る上で制限要因となっている。
【0005】近年、このような再生用レーザー光の波長
と対物レンズの開口数で制限される光学的限界を超える
技術として、再生用レーザー光のスポット径よりもはる
かに小さい記録マークを再生する、いわゆる磁気的超解
像(Magnically induced Super Resolution,MSR)
の技術が提案されている。この技術は、光磁気ディスク
に少なくとも記録用磁性層(以下、記録層という。)と
再生用磁性層(以下、再生層という。)を設け、再生用
レーザー光による光磁気ディスク上の温度がスポット内
の位置により異なることを利用したもので、ある限定さ
れた温度領域でのみ記録層の磁化が再生層に転写され、
当該温度領域に相当しない温度領域では、記録磁性膜の
磁化によらず再生層の磁化が一方向に向く磁気的なマス
クを形成するように工夫し、解像度を向上させるもので
ある。なお、以下、上述のように限定された温度領域に
より転写領域とされた領域をアパーチャという。
【0006】このMSRの技術は、光ピックアップ等の
光磁気情報記録装置における主要なパラメータを変更せ
ずに解像度を向上させることができるという点で優れて
いるといえるが、例えば、次のような2つ問題点があ
る。
【0007】一つは、スポットの一部において磁気的な
マスクを形成するために、光の有効利用ができず、長い
記録マークを再生する際に信号量が低下し、信号対雑音
比(S/N)が低下することである。
【0008】もう一つは、信号量をある程度確保するた
めには、マスクの部分を少なくして、アパーチャの大き
さをある程度以上に確保する必要があるが、アパーチャ
の線方向の長さより小さいマークは、分解能が低下して
しまうので、信号量が小さくなることである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うなMSRにおける問題点を解決するものとして、磁区
拡大現象を利用して光磁気情報記録媒体に記録されてい
る情報を再生する技術が提案されている。
【0010】磁区拡大現象を利用した技術の一例とし
て、日本応用磁気学会誌Vol.21,No.10,(1997),1187〜
1192(題目「超高密度光磁気記録用磁区化拡大再生技
術」、以下、文献1という。)に、記録層と再生層の間
に非磁性層を配し、記録層上の微小記録マークを再生層
に拡大転写して再生する技術が開示されている。
【0011】文献1では、再生用レーザー光による光磁
気ディスク上の温度分布において最も高温のところで記
録層から再生層への漏洩磁界が最大となるように設計さ
れるという技術を開示しており、記録層の記録マークが
再生層に磁気的に転写され、拡大したものを再生すると
いうものである。この方式においては、例えば、記録マ
ークが、微小マークとして記録層内に孤立的に存在する
場合と、ランダムな長さとされて記録層中に存在する場
合とで、その記録マークに対応した漏洩磁界の大きさが
異なってくる。すなわち、同じ大きさの記録マークであ
っても、他の記録マークの磁界状態の影響を受けて、漏
洩磁界の大きさが異なってしまう。例えば、同じ大きさ
の記録マークであっても漏洩磁界の大きさが異なってし
まうと、記録層から再生層への記録マークの転写及び拡
大動作が不安定になってしまう。
【0012】さらに、この問題を解決する手段として、
特開平9-622665号公報、特開平10-21595号公報、特開平
10-255344号公報等(以下、これら公報をまとめて、文
献2という。)に提示されている技術がある。文献2に
開示されている技術は、記録層と再生層との間に面内磁
気異方性を有する磁性層を配し、当該磁性層により、拡
大させたい記録層の記録マークを選択して再生層におい
て、拡大させて再生するといったものである。文献2に
開示されている技術では、比較的安定した再生動作が可
能とされている。例えば、図8には特開平10-255344号
公報に開示されている図を示している。
【0013】しかしながら、文献2に開示されている技
術において、選択のための磁性層(面内磁気異方性を有
する磁性層)を記録層に隣接して一層のみ配しているた
め、交換結合力により、磁性層における面内磁気異方性
の保持が難しく、拡大させたい記録マークの選択が完全
に行えないといった問題がある。
【0014】なお、このような磁区拡大技術と同様に、
記録層に記録されている記録マークを読み取る技術とし
て、磁壁移動検出(Domain Wall Displacement Detecti
on,DWDD)を利用した技術がある。例えば、特開平
6-2904号公報(以下、文献3という。)においてその技
術は開示されている。この磁壁移動検出の技術を用いた
光磁気ディスクは、少なくとも移動層、スイッチング
層、メモリ層の磁性3層膜からなり、再生時に、磁気膜
温度がスイッチング層のキュリー温度以上となった領域
で移動層の磁壁移動を起こさせ、磁区の大きさを拡大
し、再生キャリア信号を大きくする。
【0015】しかし、この磁壁移動検出を利用した技術
においては、未だ解決すべき問題点が多く、例えば、文
献3に開示されている光磁気ディスクでは、磁壁移動を
有効に作用させるために、隣接するトラック同士を磁気
的に分離することが望ましいとしているが、これは、ト
ラックピッチの狭小化や媒体生産上の問題を引き起こす
ことになる。
【0016】そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて
なされたものであり、記録層の所望の記録マークを確実
に選択して、再生層における磁区拡大を良好にすること
ができる光磁気情報記録媒体を提供することを目的とし
ている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光磁気情報
記録媒体は、上述の課題を解決するために、記録用磁性
層と再生用磁性層との間に第1乃至第n(n;整数)の
中間磁性層を有し、第1の中間磁性層が面内磁気異方性
を消失する温度を温度T1とし、第2の中間磁性層が面
内磁気異方性を消失する温度を温度T2とし、順次、第
nの中間磁性層まで同様に、第nの中間磁性層が面内磁
気異方性を消失する温度を温度T2としたとき、温度T1
乃至温度Tnの各温度が、記録用磁性層のキュリー温度
及び再生用磁性層のキュリー温度よりも低い温度でとさ
れている。
【0018】このような構成を有する光磁気情報記録媒
体は、再生用のレーザー光が再生用磁性層から照射され
ることにより、記録磁性層に記録されている記録マーク
が、第1乃至第nの中間磁性層を介して、当該再生用磁
性層に転写される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳しく説明する。この実施の形態は、
本発明に係る光磁気情報記録媒体を、再生用磁性層(以
下、再生層という。)における磁区拡大を利用して、記
録用磁性層(以下、記録層という。)に記録されている
記録マークを再生する光磁気ディスクに適用したもので
ある。
【0020】第1の実施の形態である光磁気ディスク
は、図1に示すように、再生用レーザー光101の照射
側から、再生層2、第1の中間層3、第2の中間層4、
記録層5の順に積層された構成となっている。具体的に
は、図2に示すように、光磁気ディスク1は、透明基板
6、透明誘電体層7、再生層2、第1の中間層3、第2
の中間層4、記録層5、保護層8、オーバーコート層9
が順に積層された構成となっている。
【0021】透明基板6は、ポリカーボネイト、アクリ
ル又はガラス部材等からなる基板であり、また、透明誘
電体層7は、屈折率の大きな誘電体により形成されてい
る。
【0022】保護層8は非磁性金属合金からなり、オー
バーコート層9は紫外線硬化樹脂又は熱硬化樹脂をスピ
ンコート法により塗布して、紫外線照射する等して形成
されている。
【0023】第1の中間層3及び第2の中間層4は面内
異方性磁性膜からなる。ここで、第1の中間層3は、温
度T1がキュリー温度とされ、温度を上昇させていった場
合に、温度T1で面内磁気異方性が消失する。また、第2
の中間層4は、温度T2がキュリー温度とされ、温度を上
昇させていった場合に、温度T2において面内磁気異方性
が消失する。そして、温度T1及び温度T2は再生層2のキ
ュリー温度及び記録層5のキュリー温度よりも低い温度
とされている。ここで、面内磁気異方性が消失する温度
とされる温度T1と温度T2とは例えば互いに異なる温度で
ある。また、温度T1と温度T2は、少なくとも常温以上の
値とされ、再生用レーザー光の照射により光磁気ディス
ク1内に生じる温度分布を考慮して決定されている。ま
た、本例では、温度T1>温度T2としている。
【0024】再生層2及び記録層5はTbFeCoから
なる磁性膜により形成されている。再生層2は、温度Tc
ri未満において面内磁気異方性を有し、温度Tcri以上に
おいて垂直方向の磁気異方性を有する。具体的には、再
生層2は、常温において磁気異方性が面内方向であっ
て、常温より高温の温度Tcriにおいて、磁気異方性が垂
直方向に変化するものであって、温度Tcriは温度T1及び
温度T2より低い温度とされている。さらに、再生層2
は、磁気異方性が垂直方向に変化された状態において、
磁区の保持力が十分小さくなる磁性膜からなる。
【0025】また、後述するように、光磁気ディスク1
に再生用レーザー光を照射することで記録層5からの漏
洩磁界により再生層2への磁化の転写が行われるが、例
えば、記録層5の組成は、再生用レーザー光を照射した
際に、当該光磁気ディスク1において温度分布が最大と
なる位置において漏洩磁界が最大となるように決定す
る。
【0026】以上のような構成からなる光磁気ディスク
1に、再生用レーザー光101が照射されると、当該光
磁気ディスク1内では、図1に示すような温度分布10
2になる。すなわち、再生用レーザー光のスポットの中
心付近で温度が高く、周辺部で低くなるといった温度分
布になり、少なくとも温度Tcri,T1,T2を有する温度分
布が光磁気ディスク1内に発生する。例えば、再生用レ
ーザー光を照射することによりこのように生じる温度分
布は、光強度分布と略同一の分布をとる。この図1にも
示すように、温度T1及び温度T2は、温度分布において最
高値付近の値になるように決定されている。
【0027】再生用レーザー光101の照射により光磁
気ディスク1内にこのような温度分布が生じると、第1
の中間層3では、温度T1以上の領域において、面内磁気
異方性が消失し、また、第2の中間層4では、温度T2以
上の領域において、面内磁気異方性が消失する。そし
て、再生層2は、温度Tcri以上の領域において、磁気異
方性が面内方向から垂直方向に変化する。ここで、面内
磁気異方性が消失する温度T1と温度T2との関係は、本例
では、温度T1>温度T2としていることから、磁区の異方
性が消失される磁区の面積は、第1の中間層3より第2
の中間層4の方が大きくなる。
【0028】このように、第1の中間層3と第2の中間
層4において一部領域の面内異方性が消失されることに
より、第1の中間層3及び第2の中間層4における一部
領域を介して、記録層5からの漏洩磁界により再生層2
に磁化が転写される。すなわち、再生用レーザー光が照
射されることにより、第1の中間層3及び第2の中間層
4における面内磁気異方性が消失されて、この面内磁気
異方性が消失された領域を介して、記録層5から再生層
2へ磁化が転写されている。再生層2では、磁化の転写
が磁区が拡大されたものとなる。
【0029】そして、磁区拡大された再生層2の磁化方
向を、記録再生装置等は、光磁気ディスク1上で反射さ
れた再生用レーザー光の反射光に基づいて検出する。
【0030】以上のように、光磁気ディスク1では、記
録層5に微小磁区とされて記録されていた記録マーク
(磁化)が、再生層2に転写されて磁区拡大を生じ、記
録再生装置による再生が可能になる。
【0031】ここで、記録層5から再生層2への磁化の
転写において、再生層2の磁区の保磁力が小さいことか
ら、磁区が容易に拡大される。すなわち、記録マークの
読み込み領域とされる磁区が、垂直磁界異方性を示す温
度Tcri以上において、保磁力が十分に小さくされている
ことから、磁区の拡大を効果的にして、結果として、得
られる再生信号の振幅が大きくなり、良好な再生特性を
得ることができる。
【0032】また、光磁気ディスク1は、第1の中間層
3の場合は温度T1以下において、また第2の中間層4の
場合は温度T2以下において、面内磁気異方性が消失され
ないことから、再生層2に対して記録層5からの磁気的
作用をマスクする機能により記録層5による再生層2へ
の磁気的影響を小さくすることができる。
【0033】そして、光磁気ディスク1は、再生用レー
ザー光が照射されて記録層5から再生層2に磁化が転写
される場合においても、面内磁気異方性が消失しない部
分、すなわち、第1の中間層3については温度T1未満の
領域、第2の中間層4については温度T2未満の領域にお
いて、面内磁気異方性によるマスクする機能が維持され
ているので、記録層の所望の記録マークを確実に選択し
て再生層2への転写を行うことができる。
【0034】また、光磁気ディスク1は、記録層5と再
生層2との間に面内磁気異方性を有する中間層を複数備
えていることから、再生層2に対する記録層5のマスク
機能がより効果的となる。さらに、複数の中間層を備え
ることにより、中間層同士の磁気的作用により、各中間
層における面内磁気異方性の保持が確実になされるよう
になる。
【0035】次に第2及び第3の実施の形態について説
明する。第2の実施の形態は、再生層2と記録層5と間
に1層の非磁性層を有する光磁気ディスクである。具体
的には、第2の実施の形態の光磁気ディスク1は、図3
乃至図5に示すように、再生層2と記録層5との間に一
層の非磁性層を有している。
【0036】また、第3の実施の形態は、再生層2と記
録層5と間に複数層の非磁性層を有する光磁気ディスク
である。具体的には、第3の実施の形態の光磁気ディス
ク1は、図6及び図7に示すように、再生層2と記録層
5との間に複数層の非磁性層を有している。
【0037】図3に示す光磁気ディスク1は、第2の中
間層4と記録層5との間に非磁性層11を有した構成と
なっている。これにより、光磁気ディスク1において、
第2の中間層4と記録層5との間の磁気的作用は、静磁
結合力によるものとなる。
【0038】このように、第2の中間層4と記録層5と
の間に、非磁性層11を設けることにより、第2の中間
層4と記録層5とが交換結合力よりも磁気的結合力の弱
い静磁結合力により磁気的作用を受けることになるので
記録層5からの漏洩磁界により再生層2への影響を小さ
くすることができるようになる。よって、記録層5の磁
区の選択が確実になり、再生層2における再生特性が良
好になる。
【0039】また、図4に示すように、光磁気ディスク
1は、第1の中間層3と第2の中間層4との間に非磁性
層12を設けること、また、図5に示すように、光磁気
ディスク1は、再生層2と第1の中間層3との間に非磁
性層13を設けることによっても同様な効果を得ること
ができる。
【0040】また、図6に示すように、第3の実施の形
態である光磁気ディスク1は、第1の中間層3と第2の
中間層4との間に非磁性層14を設け、また、第2の中
間層4と記録層5との間に非磁性層15を設けることに
より、第1の中間層3と第2の中間層4との間、及び第
2の中間層4と記録層5との間の磁気的作用が静磁結合
力によるものとなる。
【0041】これにより、非磁性層を1層設けた場合よ
りも、記録層5から再生層2への漏洩磁界による影響が
小さくなり、所望の記録層の磁区の選択がさらに確実に
なる。
【0042】さらに、図7に示すように、光磁気ディス
ク1は、再生層2と第1の中間層3との間に非磁性層1
6を設け、また、第1の中間層3と第2の中間層4との
間に非磁性層17を設け、さらに、第2の中間層4と記
録層5との間に非磁性層18を設けることもでき、これ
により、さらに、不必要な部分(マスクされた領域)で
の漏洩磁界による影響が小さくなり、記録層5における
の所望の磁区の選択を確実にすることができる。
【0043】なお、上述した実施の形態では、再生層2
を、所定温度(温度Tcri)において、磁気異方性が面内
方向から垂直方向に変化する場合について説明している
が、これに限定されるものではない。例えば、再生層2
は、温度に関係なく弱い垂直磁気異方性を有し保磁力が
小さいものを使用することもできる。
【0044】また、上述した実施の形態では、面内磁気
異方性が消失する温度とされる温度T1と温度T2とは互い
に異なる温度とされているが、温度T1と温度T2とが同一
の温度であっても良い。すなわち、この場合、再生用レ
ーザー光照射により第1の中間層3及び第2の中間層4
の面内磁気異方性が生じる領域が略同一となる。
【0045】また、上述した実施の形態では、再生用レ
ーザー光により各中間層3,4のキュリー温度以上まで
温度を上昇させて中間層3,4の面内磁気異方性を消失
させているが、所定温度T1,T2になったときに、磁気異
方性が面内方向から垂直方向に変化するような中間層を
使用しても良い。この場合、記録層5の漏洩磁界による
磁区の転写により、中間層3,4の磁化が対応される方
向になされ、このように中間層3,4に転写された磁化
が再生層2に転写される。さらに、全ての中間層3,4
を、面内磁気異方性が所定温度T1,T2で、垂直方向に変
化するものとして構成することに限定されるものではな
く、第1の中間層3又は第2の中間層4の内に一方の中
間層のみを所定温度(前述の一方の中間層が第1の中間
層3の場合は温度T1で、第2の中間層の場合は温度T2)
で面内磁気異方性が垂直方向に変化するものとし、他方
の中間層については、所定温度(前述の一方の中間層が
第1の中間層3の場合は温度T1、第2の中間層の場合は
温度T2)がキュリー温度であって、当該所定温度で面内
磁気異方性を消失するように構成することもできる。す
なわち、例えば、上述した第2の中間層4を、温度T1に
おいて磁気異方性が面内から垂直に変化するものとし、
また、第1の中間層3を、温度T2がキュリー温度とさ
れ、面内磁気異方性が消失するものとして構成する。
【0046】また、上述した実施の形態では、温度T1及
び温度T2が再生用レーザー光の照射により生じる光磁気
ディスク1内の温度分布において最高値付近の値になる
ように決定するとして説明しているがこれに限定される
ものではない。例えば、温度T1、温度T2のいずれか一方
の温度について上述の温度分布において最高値付近の値
になるように決定し、他方の温度についてはそれ以下の
値として決定しても良く、また、温度T1,T2共に最高値
付近より小さい値となるように決定しても良い。
【0047】また、上述した実施の形態では、光磁気デ
ィスク1が2層の中間層を備えている例について説明し
ているがこれに限定されるものではなく、この光磁気デ
ィスク1は、3層以上の中間層を有して構成されても良
い。
【0048】すなわち、再生層2と記録層5との間に第
1乃至第n(nが3以上の整数)の中間層を有し、第1
の中間層が面内磁気異方性を消失する温度を温度T1
し、第2の中間層が面内磁気異方性を消失する温度を温
度T2とし、順次、第nの中間磁性層まで同様に、第n
の中間層が面内磁気異方性を消失する温度を温度Tn
したとき、温度T1乃至温度Tnの各温度が再生層2のキ
ュリー温度及び記録層5のキュリー温度よりも低い温度
になるようにする。
【0049】そして、温度T1乃至温度Tnの全ての温度
が、対応する中間層の磁気異方性が面内方向から垂直方
向に変化する温度であっても良く、また、温度T1乃至
温度Tnの内の少なくとも一つが、対応する中間層のキ
ュリー温度であり、その他の温度は対応する中間層の磁
気異方性が面内方向から垂直方向に変化する温度であっ
ても良い。そして、温度T1乃至温度Tnのいずれの温度
も、再生層2が垂直磁気異方性を有する温度とされる温
度Tcriよりも低い温度とする。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る光磁気情報記録媒体は、記
録用磁性層と再生用磁性層との間に第1乃至第n(n;
整数)の中間磁性層を有し、第1の中間磁性層が面内磁
気異方性を消失する温度を温度T1とし、第2の中間磁
性層が面内磁気異方性を消失する温度を温度T2とし、
順次、第nの中間磁性層まで同様に、第nの中間磁性層
が面内磁気異方性を消失する温度を温度Tnとしたと
き、温度T1乃至温度Tnの各温度が、記録用磁性層のキ
ュリー温度及び再生用磁性層のキュリー温度よりも低い
温度とされていることにより、再生用のレーザー光が再
生用磁性層から照射されると、記録磁性層に記録されて
いる記録マークが、第1乃至第nの中間磁性層を介し
て、当該再生用磁性層に転写される。
【0051】これにより、光磁気情報記録媒体は、記録
層の所望の記録マークを確実に選択して、再生層におけ
る磁区拡大を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光磁気ディスクの
構成を示す断面図である。
【図2】光磁気ディスクの具体的な構成を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施の形態の光磁気ディスクで
あって、記録層と第2の中間層との間に非磁性層を有し
ているものを示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の光磁気ディスクで
あって、第1の中間層と第2の中間層との間に非磁性層
を有しているものを示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の光磁気ディスクで
あって、再生層と第1の中間層との間に非磁性層を有し
ているものを示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の光磁気ディスクで
あって、第1の中間層と第2の中間層との間及び第2の
中間層と記録層との間にそれぞれ非磁性層を有している
ものを示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の光磁気ディスクで
あって、再生層と第1の中間層との間、第1の中間層と
第2の中間層との間、及び第2の中間層と記録層との間
にそれぞれ非磁性層を有しているものを示す断面図であ
る。
【図8】特開平10-255344号公報に開示されている従来
の光磁気記録媒体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク、2 再生層、3 第1の中間層、
4 第2の中間層、5記録層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生用磁性層及び垂直磁気異方性を有す
    る記録用磁性層を有し、再生用のレーザー光が上記再生
    用磁性層側から照射される光磁気情報記録媒体であっ
    て、 上記記録用磁性層と上記再生用磁性層との間に第1乃至
    第n(n;整数)の中間磁性層を有し、 第1の中間磁性層が面内磁気異方性を消失する温度を温
    度T1とし、第2の中間磁性層が面内磁気異方性を消失
    する温度を温度T2とし、順次、第nの中間磁性層まで
    同様に、第nの中間磁性層が面内磁気異方性を消失する
    温度を温度Tnとしたとき、 上記温度T1乃至温度Tnの各温度は、上記記録用磁性層
    のキュリー温度及び上記再生用磁性層のキュリー温度よ
    りも低い温度であることを特徴とする光磁気情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 上記温度T1乃至温度Tnの内の少なくと
    も一つは、対応する中間磁性層のキュリー温度であり、
    その他の温度は対応する中間磁性層の磁気異方性が面内
    方向から垂直方向に変化する温度であることを特徴とす
    る請求項1記載の光磁気情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記再生用磁性層は、常温において磁気
    異方性が面内方向であって、常温より高温の温度Taに
    おいて、磁気異方性が垂直方向に変化するものであっ
    て、 上記温度Taは、上記温度T1乃至温度Tnのいずれの温
    度よりも低い温度であることを特徴とする請求項1記載
    の光磁気情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 第1乃至第nの中間磁性層は、第1の中
    間磁性層及び第2の中間磁性層の2層の中間磁性層であ
    ることを特徴とする請求項1記載の光磁気情報記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 上記記録用磁性層と上記再生用磁性層と
    の間に少なくとも一層の非磁性層を有していることを特
    徴とする請求項1記載の光磁気情報記録媒体。
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