JP2004164826A - 光磁気記録媒体、光磁気記録媒体の製造方法、光磁気記録媒体の記録方法、および光磁気記録媒体の再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体、光磁気記録媒体の製造方法、光磁気記録媒体の記録方法、および光磁気記録媒体の再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 照射された光ビームの反射光を検出して情報の再生が行える光メモリとしては、位相ピットによって情報を記録したROM型のメモリ、光ビームの照射によって記録膜に孔を開けて情報を記録するライトワンス型の光メモリ、光ビームの照射によって記録膜の結晶相を変化させて記録を行う相変化型光メモリ、光ビームの照射と磁界の印加によって記録層の磁化方向を変化させて記録を行う光磁気メモリなどがある。記録膜の組成、製膜方法によっては、記録層の垂直磁気異方性が小さくなるために、微小な記録磁区を安定に形成するのが難しくなる。このため、光磁気記録における記録密度や転送速度が十分に得られないことがあった。
【解決手段】 積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層15と、記録層15の下に配置された、コラムの核となる再生層13とを備えた、光磁気記録媒体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光の照射による温度上昇を利用して情報の記録及び消去を行い、磁気光学効果を利用して記録信号の読み出しを行うための、光磁気記録媒体、光磁気記録媒体の製造方法、光磁気記録媒体の記録方法、および光磁気記録媒体の再生方法に関する。
照射された光ビームの反射光を検出して情報の再生が行える光メモリとしては、位相ピットによって情報を記録したROM型のメモリ、光ビームの照射によって記録膜に孔を開けて情報を記録するライトワンス型の光メモリ、光ビームの照射によって記録膜の結晶相を変化させて記録を行う相変化型光メモリ、光ビームの照射と磁界の印加によって記録層の磁化方向を変化させて記録を行う光磁気メモリなどがある。
これらの光メモリにおいて、信号の再生分解能はほとんど再生光の波長λと対物レンズの開口数(N.A.)で決まり、検出限界のピット周期はほぼλ/[2・(N.A.)]であった。
しかし、再生光の波長を短くしたり、対物レンズの開口数を大きくすることは容易でないため、記録媒体や再生方法を工夫して情報の記録密度を上げる試みがなされている。
特に光磁気記録媒体では情報の記録密度を上げるための様々な試みが提案されている。
たとえば、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動させ、この磁壁の移動を検出することによって前述の波長と対物レンズの開口数で決まる検出限界を越えて再生分解能を向上させる技術がある(たとえば、特許文献1参照)。
この技術では、再生用光ビームに差し掛かると磁壁が移動する第一の磁性層である再生層が各情報トラック間で磁気的に分離されていると、特に良好な再生信号が得られる。
もちろん、記録層に高密度に記録した微小な記録磁区を再生層に転写させ、再生層の磁壁移動等により記録情報の再生を行う際には、記録層の微小磁区が安定に保持され、磁気的な結合により再生層に強く安定に転写される必要がある。
特開平6−290496号公報
しかしながら、記録膜の組成、製膜方法によっては、記録層の垂直磁気異方性が小さくなるために、微小な記録磁区を安定に形成するのが難しいことがあった。
また、記録層の記録磁区を再生層に転写させるためには、記録層の垂直磁気異方性を利用した安定な磁気的結合が必要である。しかし、記録層の磁気特性に依存して転写性が変化し、転写が不安定な場合には、転写ノイズ、および磁壁移動に伴うノイズが大きくなり、再生信号品質が低下することがあった。
また、磁壁移動を安定に行うためには、情報トラック間をレーザーアニールすることにより磁気的に分離する、またはランド/グルーブ構成を有する光ディスク基板を用いて、情報トラック間を遮断する方法等が用いられる。しかし、レーザーアニールの条件、または光ディスク基板のランド/グルーブの溝形状に依存して、記録層から再生層への転写特性が変化し、光ディスク基板からの溝ノイズの影響が大きくなってしまうことがあった。
特に、溝深さが大きくなる、あるいは、溝幅が小さくなると、グルーブ記録の場合には、記録層のミクロな構造により記録磁区の形状が変化して、再生層への転写再生による信号量が低下することがあった。
このように、光磁気記録における記録密度や転送速度が十分に得られないことがあった。
本発明は、上記従来のこのような課題を考慮し、光磁気記録における記録密度や転送速度をより向上することができる光磁気記録媒体、光磁気記録媒体の製造方法、光磁気記録媒体の記録方法、および光磁気記録媒体の再生方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、
前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた、光磁気記録媒体である。
第2の本発明は、前記記録層と前記第一の下地層との間に配置された、前記コラムの幅を制御する第二の下地層をさらに備えた、第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第3の本発明は、前記第一の下地層は、非晶質構造の磁性薄膜である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第4の本発明は、前記第二の下地層は、非晶質構造の磁性薄膜である第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第5の本発明は、前記第一の下地層は、前記記録層の一部として形成されている第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第6の本発明は、前記第二の下地層は、前記記録層の一部として形成されている第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第7の本発明は、前記第一の下地層は、前記記録層側に密度の変化している部分を有する第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第8の本発明は、前記第一の下地層の構造単位の幅は、実質的に2nm未満である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第9の本発明は、前記第一の下地層は、実質的に0.5mol%以上の不活性ガスを取込んでいる第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第10の本発明は、前記第一の下地層の膜厚は、実質的に5nm以上50nm以下である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第11の本発明は、前記第二の下地層は、前記積層方向に伸びた複数個のコラムを有する第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第12の本発明は、前記第二の下地層が有するコラムの幅は、実質的に2nm以上40nm以下である第11の本発明の光磁気記録媒体である。
第13の本発明は、前記第二の下地層の膜厚は、実質的に5nm以上50nm以下である第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第14の本発明は、前記非晶質構造は、原子オーダーのランダムな非晶質構造である第3の本発明の光磁気記録媒体である。
第15の本発明は、前記記録層が有するコラムの幅は、前記第一の下地層が有する構造単位の幅よりも大きい第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第16の本発明は、前記記録層は、前記第一の下地層よりもポーラスである第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第17の本発明は、前記記録層は、前記第一の下地層と相互に磁気的に結合している第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第18の本発明は、前記記録層は、前記第二の下地層と相互に磁気的に結合している第2の本発明の磁気記録媒体である。
第19の本発明は、前記記録層が有するコラムの構造単位の幅は、実質的に2nm以上40nm以下である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第20の本発明は、前記記録層の密度は、実質的に2.0g/cm以上5.0g/cm以下である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第21の本発明は、前記記録層の膜厚は、実質的に40nm以上300nm以下である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第22の本発明は、前記記録層は、所定の希土類金属と所定の遷移金属との合金薄膜により形成されており、
前記第一の下地層は、所定の希土類金属と所定の遷移金属との合金薄膜により形成されており、
前記第二の下地層は、所定の希土類金属と所定の遷移金属との合金薄膜により形成されている第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第23の本発明は、前記希土類金属とは、Tb、Gd、Dy、Hoの内の少なくとも一つである第22の本発明の光磁気記録媒体である。
第24の本発明は、前記記録層は、多層構造を有する第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第25の本発明は、前記第一の下地層は、非磁性薄膜である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第26の本発明は、前記第二の下地層は、非磁性薄膜である第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第27の本発明は、前記非磁性薄膜は、Al、Ti、Ta、Cr、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Ruの内の少なくとも一つを含む第25または第26の本発明の光磁気記録媒体である。
第28の本発明は、前記第一の下地層の表面粗さは、実質的にRa0.1nm以上1.5nm以下である第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第29の本発明は、前記第二の下地層の表面粗さは、実質的にRa0.2nm以上2nm以下である第2の本発明の光磁気記録媒体である。
第30の本発明は、前記不活性ガスは、Ar、Ne、Kr、Xeの内の少なくとも一つを含む第9の本発明の光磁気記録媒体である。
第31の本発明は、前記記録層は、実質的に0.5mol%以上の不活性ガスを取込んでいる第1の本発明の光磁気記録媒体である。
第32の本発明は、前記不活性ガスは、Ar、Ne、Kr、Xeの内の少なくとも一つを含む第31の本発明の光磁気記録媒体である。
第33の本発明は、積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた光磁気記録媒体の製造方法であって、
前記第一の下地層を形成する第一の下地層形成ステップと、
前記形成された第一の下地層の上に前記記録層を形成する記録層形成ステップとを備えた、光磁気記録媒体の製造方法である。
第34の本発明は、前記光磁気記録媒体は、前記記録層と前記第一の下地層との間に配置された、前記コラムの幅を制御する第二の下地層をさらに備え、
前記形成された第一の下地層の上に前記第二の下地層を形成する第二の下地層形成ステップをさらに備え、
前記記録層は、前記形成された第二の下地層の上に形成される第33の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第35の本発明は、前記第一の下地層形成ステップにおける製膜時の圧力は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の圧力よりも小さい第34の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第36の本発明は、前記製膜時の圧力は、実質的に1.5Pa以上6Pa未満である第35の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第37の本発明は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の圧力は、前記記録層形成ステップにおける製膜時の圧力よりも小さい第34の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第38の本発明は、前記第一の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度よりも小さい第34の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第39の本発明は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、前記記録層形成ステップにおける製膜時の堆積速度よりも小さい第34の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第40の本発明は、前記第一の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、実質的に0.2nm/sec以上5nm/sec以下である第33の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第41の本発明は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、実質的に0.2nm/sec以上5nm/sec以下である第34の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第42の本発明は、前記記録層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、実質的に2nm/sec以上20nm/sec以下である第33の本発明の光磁気記録媒体の製造方法である。
第43の本発明は、積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた光磁気記録媒体の記録方法であって、
前記記録層に所定のデータを書き込むデータ書き込みステップを備えた、光磁気記録媒体の記録方法である。
第44の本発明は、積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた光磁気記録媒体の再生方法であって、
前記記録層に書き込まれた所定のデータを読み出すデータ読み出しステップを備えた、光磁気記録媒体の再生方法である。
本発明は、光磁気記録における記録密度や転送速度をより向上することができるという長所を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
はじめに、本実施の形態における光磁気記録媒体について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体(以下、光磁気ディスク)10の構造を示す断面図である。
図1において、11はポリカーボネートからなる透明な光ディスク基板、12は記録膜の保護と媒体の光学的特性を調整するための誘電体層である。
積層した記録膜は、情報を磁壁の移動によって検出するための再生層13、再生層13と記録層15の間の交換結合を制御するための中間層(中間遮断層)14、情報を保持しておく記録層15により構成されている。
さらに、16は記録膜の保護のための第二の誘電体層、17はオーバーコート層である。
なお、再生層13は本発明の第一の下地層に対応し、中間層14は本発明の第二の下地層に対応し、記録層15は本発明の記録層に対応する。
図1で示した本発明の実施の形態1の光磁気記録媒体10は、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動させこの磁壁の移動を検出する。かくして、再生光の波長と対物レンズの開口数で決まる検出限界を越えて超解像再生が可能となるDWDD方式を、この光磁気記録媒体に適用できることとなる。
なお、上述した構成の積層記録膜は磁壁の移動を利用して、再生信号の振幅を大きくする方法であるDWDD方式(Domain Wall Displacement Detection)の一例である。
例えば、上述の特開平6−290496号公報に記載されているように、大きな界面飽和保磁力を有する磁性層を記録層とし、小さな界面飽和保磁力を有する磁性膜を磁壁移動する再生層とし、比較的低いキュリー温度を有する磁性膜を切り換えのための中間層として用い、DWDD方式を可能にすることが肝腎である。したがって、本発明は、この膜構成に限るものではない。
上記したDWDD方式の再生原理について、図9を参照しながら説明する。図9(a)は、回転しているディスクの記録膜の断面を示す図である。光ディスク基板と誘電体層(図示省略)の上に、再生層13、中間層14、記録層15の三層で構成された記録膜が形成されている。そして、誘電体層(図示省略)が形成され、さらに紫外線硬化樹脂である保護コートのためのオーバーコート層(図示省略)が形成されている。
再生層13としては磁壁抗磁力の小さい磁性膜材料を用いており、中間層14としてはキュリー温度の小さい磁性膜を用いており、記録層15としては小さなドメイン径でも記録磁区を保持できる磁性膜を用いている。
なお、従来の光磁気記録媒体の再生層は、ガードバンド等を形成することにより、閉じていない磁壁を含む磁区構造を形成していた。
図に示すように、情報信号は、記録層15に熱磁気記録された記録磁区として形成されている。レーザ光スポットの照射されていない室温での記録膜は記録層15、中間層14、再生層13がそれぞれ強く交換結合しているため、記録層15の記録磁区は、そのまま再生層13に転写形成される。
図9(b)は、図9(a)の断面図に対応した位置χと記録膜の温度Tとの関係を表す。図示されているように、記録信号の再生時には、ディスクが回転し、トラックに沿ってレーザ光による再生ビームスポットが照射される。この時、記録膜は、図9(b)に示すような温度分布を示し、中間層がキュリー温度Tc以上となる温度領域Tsが存在し、再生層13と記録層15との交換結合が遮断される。
また、再生ビームが照射されると、図9(c)の磁壁エネルギー密度σに対する依存性に示すように、図9(a)、(b)の位置に対応するディスク回転方向のχ方向に磁壁エネルギー密度σの勾配が存在する。このために、図9(d)に示すように、位置χでの各層の磁壁に対して磁壁を駆動させる力Fが作用する。
この記録膜に作用する力Fは、図9(a)〜(d)に示すように、磁壁エネルギー密度σの勾配が大きい場合に大きくなり、磁壁エネルギー密度σの小さい側に向かって磁壁を移動させるように作用する。再生層13は、磁壁抗磁力が小さく磁壁の移動度が大きいので、閉じていない磁壁を有する場合の再生層13単独では、この力Fによって容易に磁壁が移動する。したがって、再生層13の磁壁は、矢印で示したように、より温度が高く磁壁エネルギー密度の小さい領域へと瞬時に移動する。そして、再生ビームスポット内を磁壁が通過すると、スポット内での再生層13の磁化は光スポットの広い領域で同じ方向に揃う。
この結果、記録磁区の大きさに依らず、再生信号振幅は、常に一定の最大振幅になる。
ところで、従来のDWDD方式では、閉じていない磁壁を含む磁区構造を形成し、トラック間の交換結合を遮断した再生層13の磁壁を移動させる。このために、微小な磁区であっても安定に記録する必要があるが、記録磁区形状と再生層13への転写によって、再生信号が変動することがあった。しかし、本発明では、そのような再生信号の変動が抑制される。
次に、本発明の実施の形態1の光磁気ディスク10の製造方法について詳細に説明する。なお、同時に、本発明の光磁気記録媒体の記録方法、および光磁気記録媒体の再生方法の一実施の形態についても説明する(実施の形態2〜3に関しても、同様である)。
図1に示すように、光ディスク基板11に、上述した磁性膜を含む多層に積層した記録膜を製膜して形成されている。光ディスク基板11のグルーブの両側にはランド部が形成されており、矩形型の溝のグルーブ部の深さhは、ランド部の上面から60nmを有する。なお、本実施の形態1の光磁気ディスク10のトラックピッチは0.7μmであり、グルーブ幅は0.55μmである。
まず、マグネトロンスパッタリング装置にZiS・SiOターゲットを設置し、グルーブが形成されたポリカーボネートからなる透明な光ディスク基板11を基板ホルダーに固定した後、5×10−6Pa以下の高真空になるまでチャンバー内をクライオポンプで真空排気する。真空排気をしたままArガスを0.5Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、誘電体層12としてZiS・SiOを高周波スパッタリングにより75nm製膜する。
引き続き誘電体層12上には、同様に真空排気をしたまま、Arガスを0.5Paとなるまでチャンバー内に導入し、基板を回転させながら、GdFeCoAlのターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により再生層13を30nm形成する。次に、Arガスを1.8Paとなるまでチャンバー内に導入し、Tb、Dy、Ho、Fe、Co、Alそれぞれのターゲットを用いて、TbDyFeCoAlの中間層14を15nm形成する。そして、さらに同じターゲット構成でArガスを2.0Paとなるまでチャンバー内に導入し、TbHoFeCoの記録層15を60nm、DCマグネトロンスパッタリング法により膜形成する。ここで、各層の膜組成は、それそれのターゲットの投入パワー比を調整することにより、所望の膜組成に調節することができる。
さらに、0.6Paとなるまでチャンバー内にArガスを導入し、基板を回転させながら、ZiS・SiOからなる第二の誘電体層16を90nm、高周波スパッタリング法により膜形成する。
そして、さらに誘電体層16の上にエポキシアクリレート系樹脂を滴下させてスピンコートにより6μmの膜厚に塗布し、紫外線ランプを照射して硬化させることにより、オーバーコート層17を形成する。
ここで、GdFeCoAlの再生層13は補償組成温度が180℃でキュリー温度が270℃であり、TbDyFeCoAlの中間層14はキュリー温度が155℃で、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢である。
また、TbHoFeCoの記録層15は補償組成温度が90℃であり、キュリー温度は295℃になるように各ターゲットの投入パワーを設定して組成を調整して製膜した。
製膜時の製膜速度、光ディスク基板の回転数を制御することにより、GdFeCoAlの再生層13は、微細な0.8nm以下の構造単位の非晶質的な膜構造に形成することができ、記録層のコラム構造を形成する核としての下地層の役割を果たすことが可能となる。
なお、記録層のコラム構造とは、コラム同士の間に透き間の空いたポーラスな膜構造であるといえる。このようなコラム構造に関しては、日本特許出願2001−365047明細書およびWO03/046905(PCT出願)にも記載されている。
つまり、記録層のコラム構造とは、膜構造の分布、密度の分布等の特性の分布をコラム間に有する構造であるといえる。特に、ポーラスな膜構造のコラム構造では、コラム同士の間に非常に密度の小さい領域が形成されたり、隙間の空いたような構造を有する場合があると考えられる。
次に、中間層14は、8nmのコラム構造を形成した膜構造を、再生層13の上に形成することにより、記録層15のコラム幅を制御できる第二の下地層としての働きをする。
ここでの具体的な製膜条件は、つぎの通りである。
GdFeCoAlの再生層13は、100rpmで自公転しながら回転し、3nm/secの製膜レートで形成する。また、TbDyFeCoAlの中間層14は、40rpmで自公転の回転をしながら、5nm/secの製膜レートで形成する。
40rpmで自公転の回転をしながら、8nm/secの製膜レートで膜形成することにより、TbHoFeCoの記録層15には、15nmの構造単位の幅を有するコラム状の構造の磁性薄膜を形成できることとなる。
実際に、図2(a)の光磁気ディスクの断面をSEM観察した写真に示すように、上記構成で作製したTbHoFeCoの記録層15は、磁性薄膜が膜面垂直方向に柱状のコラム形状である構造を有することが、観察できる。
これに対して、図2(b)の再生層、中間層がコラム構造を形成するための核となる働きをしていない膜構造の場合には、ミクロな膜の構造単位はほとんど観察できないくらい微細な構造の非晶質な薄膜として形成されていることがわかる。
また、図3に本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の記録層15の飽和磁界Msと保磁力Hcの積Ms・Hcの温度に対する依存性を示す。図3に示すように、本実施の形態1の光磁気ディスク(図2(a)参照)に対応する最も上にあるグラフでは、Ms・Hcが従来例(図2(b)参照)に対応する最も下にあるグラフと比較して、ほぼ2倍に増加し、室温では1.8×10erg/cm以上の値が得られる。
そして、このように、記録層をコラム形状の構成にすることにより、記録膜のMs・Hcを増大させることができ、記録磁区を安定化させることができる。このため、繰り返し書き換えた場合にも安定した信号の記録再生が可能となる。
ここで、上記構成の光磁気ディスク10の光ディスク基板11は、矩形のランドとグルーブを有する形状であった。しかし、情報の記録されるグルーブ間に深いランドを形成したランド部により磁性的遮断された構成、または記録トラック間をアニール処理する方法であっても、再生層に転写された記録磁区が容易に磁壁移動する構成であれば、前述したDWDD方式による再生が可能である。
また、本実施の形態1では、トラックピッチが1.0μm以下であって、情報の記録されるグルーブの間に0.2μmから0.8μmの範囲の幅を有する構成にランド部を形成し、記録情報の最短のマーク長が200nm以下の記録磁区を記録する構成であれば、より効果が大きい。
なお、本実施の形態1の光磁気記録媒体の記録層は、上記した構成に限定されるものではない。
コラム構造を形成する核となる下地層の上に、1nm以上40nm以下(より好ましくは、2nmから15nm)の幅の構造単位のコラム形状を有する記録層を形成した構成であって、記録層の膜厚を50nm以上(より好ましくは60nmから200nm)に形成した構成であれば、同等の再生特性が得られる。
また、本実施の形態1の光磁気記録媒体では、コラム構造を形成する核となる下地のシード層を再生層に、コラム幅を制御するグレイン成長層を中間層に用いて、記録層のコラム構造を成長させる構成の記録層について述べてきた。
下地のシード層、グレイン成長層を、磁気的超解像に用いる光磁気記録媒体の記録膜における、再生層、中間層、制御層と同じ組成の磁性膜により併用して両立させることが可能である。
そして、その方法により、記録膜の層数を増やすことなく、高密度での同等以上の記録再生特性が得られる。
また、微細な構造単位を有しない下地のシード層を再生層として利用することにより、DWDD特性にも優れた光磁気記録媒体が可能となる。
ここで、図4は、本実施の形態1の上記下地層を用いて膜面垂直方向にコラム構造を形成した記録層15を有する光磁気記録媒体の、DWDD方式の膜構成を有する記録膜を用いた場合におけるマーク長に対するキャリアレベルの依存性を示す特性図である。
本実施の形態1では、記録層15の膜構造が、コラム状の形状を有し、微小磁区の安定性に優れているため、100nmのマーク長の記録磁区であっても、再生層13に安定して転写し、磁壁移動が可能である。
このため、信号振幅が拡大している。
実際、図に示すように、ここではトラックピッチは0.7μm、グルーブ幅0.55μmの光ディスク基板を用いているが、ランド部によりグルーブ間での記録膜の磁化を分離することにより、マーク長100nmまでキャリアレベルがほとんど変化しない光磁気ディスクを実現できることがわかる。
本実施の形態1では、ランド部によりグルーブ間での記録膜の磁化が分離することにより、再生層13は閉じていない磁壁を含むグルーブに情報を記録する構成となっている。
しかし、逆に、ランド部に記録する構成、あるいは、ランド/グルーブの両方に記録する構成であっても、同等の特性が得られる。
以上のように、本実施の形態1の構成により、DWDD方式により高密度に記録再生した場合にも、安定した再生信号特性が得られる。
本実施の形態1のグルーブに記録する場合には、グルーブの幅と深さがDWDD方式での記録再生特性に影響する。
しかし、ランド部の高さと幅との関係が、トラックピッチが0.4 μm以上1.0μm以下、溝幅が0.2 μm以上0.8μm以下、溝深さが20nm以上200nm以下の範囲にあり、それぞれのグルーブ形状に合わせてシード層とグレイン成長層を調整して記録層を形成した構成の光磁気記録媒体であれば、同等の効果が得られる。
また、情報を記録するグルーブ間のランド部の高さがλ/20n〜λ/3n(nは屈折率である、以下同様)と小さい場合には、光ディスク基板の成形が容易であり、溝からのノイズも低減可能となる。
以上のように、本実施の形態1においては、記録情報の書き換え可能なコラム状の構成を有する記録膜を用いた構成により、200nm以下の微小磁区を安定して形成することにより磁壁の移動度を確保できる。
そして、DWDD方式による転写磁区の移動による再生信号の拡大を可能にすることができる。
さらに、記録再生トラックでの情報の記録再生が安定に行われるため、記録再生時に隣接トラックからのクロスライト及びクロストークも防止できるものである。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における光磁気ディスク20の構造を示す断面図である。
21は、オレフィンからなる光ディスク基板である。
幅方向に並設された情報を記録するためのトラックは溝形状に形成されており、逆V字型のランド部がその境界に形成されている。
ここで、本発明のフォーマット方式の構成の一例について説明する。
本実施の形態2では、記録情報の書き換え可能なグルーブ領域と、サーボ用のウォブルピット、アドレスピットの形成されたピット領域とが、トラック上に交互に並設されている。
このフォーマット構成により、サンプルサーボ方式等でトラッキングサーボをかけながら、アドレスを検出し、書き換え可能な領域に情報を記録したり再生したりすることが可能である。
またこの時、レーザ光波長をλとすると、情報を記録するグルーブ間のランド部の高さがλ/20nからλ/3nの範囲にある、あるいはλが20nmから180nmの範囲にある場合には、光ディスク基板の成形が容易であり、溝からのノイズも低減可能となる。
このような構成により、アドレスピット等のプリピットが検出可能である。また、グルーブ記録により、トラック間での磁気的な遮断によるDWDD方式による記録再生を実現できる。
本実施の形態2の光磁気ディスク20は、ポリオレフィンからなる透明な光ディスク基板21、記録膜の保護と媒体の光学的特性を調整するための誘電体層22、情報を磁壁の移動によって検出するための再生層23、ゴーストを低減するための制御層24、再生層と記録保持層の間の交換結合を制御するための中間遮断層25、情報を保持しておく記録層26、記録膜の保護のための第二の誘電体層27、さらにその上にオーバーコート層28とを備えている。
積層した記録膜は、再生層23、制御層24、中間遮断層25、記録層26の四層で構成されている。
そして、実施の形態2の光磁気記録媒体では、この構成により、実施の形態1と同様、再生用光ビームに差し掛かった磁壁を次々と移動させる。そして、この磁壁の移動を検出することによって、再生光の波長と対物レンズの開口数で決まる検出限界を越えて、超解像再生が可能となる。
ここで、本実施の形態2の光磁気ディスク20の光ディスク基板21上には、情報を記録するグルーブの境界にランドが形成されている。グルーブの深さhは、ランドの上面から45nmを有する。そして、ランドによりグルーブは、互いに隣接トラックから磁気的に独立している。
また、本実施の形態2の光磁気ディスク20のトラックピッチは、0.55μmであり、グルーブ幅は0.4μmである。
図5に示すような構成の光磁気ディスク20は、光磁気記録媒体の薄膜が製膜装置により膜形成される。
製膜装置は、真空室内の記録膜用の合金ターゲットに対向した位置に配置した基板ホルダーに保持した光ディスク基板21上に、基板ホルダーを回転させながら薄膜を形成する。
製膜が完了すると、基板ホルダーと共に、真空搬送機構により、別の真空室に移動して、さらに、材料あるいは組成の異なる記録膜が形成される。
また、ターゲットの裏面にはマグネットが配置されており、カソードは直流電源により電力を供給され、マグネトロンスパッタリング法により、記録膜、及び、誘電体膜が形成される。
記録膜の製造方法では、まず、直流マグネトロンスパッタリング装置に、BドープしたSiターゲットを設置する。そして、グルーブが形成されたポリオレフィンからなる透明な光ディスク基板21を基板ホルダーに固定した後、6×10−6Pa以下の高真空になるまでチャンバー内をターボ分子ポンプで真空排気する。
真空排気をしたままArガスとNガスを0.3Paとなるまでチャンバー内に導入する。そして、基板を回転させながら、誘電体層22として反応性スパッタリング法によりSiNが40nmの厚さだけ膜形成される。
引き続き、同様に真空排気をしたまま、Arガスを0.6Paとなるまでチャンバー内に導入する。そして、基板を回転させながら、組成の異なる3種類の合金ターゲットGd26Fe60Co11Cr3、Gd24Fe59Co9Cr8、Gd23Fe57Co7Cr13(組成はmol%)を用いて、GdFeCoCrからなる再生層23として誘電体層22上に順次10nmずつ膜形成する。
次に、TbFeCoCrの制御層24を10nm、TbDyFeCrの中間遮断層25を15nm、TbFeCoCrの記録層26を100nm、順次DCマグネトロンスパッタリング法により膜形成する。
さらに、0.3Paとなるまでチャンバー内にArガスとNガスを導入し、基板を回転させながら、SiNからなる第二の誘電体層27を70nm、反応性スパッタリング法により膜形成する。
そして、さらに第二の誘電体層27の上に、エポキシアクリレート系樹脂からなるオーバーコート層28を、スピンコートにより塗布し、紫外線を照射して硬化させる。
ここで、本実施の形態2の再生層23は、組成の異なる磁性膜三層で構成されている。
より具体的には、GdFeCoCrの再生層23は、補償組成温度が170℃でキュリー温度が250℃の層、補償組成温度が140℃でキュリー温度が210℃の層、補償組成温度が110℃でキュリー温度が170℃の層の3つの組成を含む再生層により構成されている。
この構造により、再生用光ビームによる温度分布での磁壁の移動度を確保でき、再生信号のスムーズな磁区の拡大再生を実現できる。
また、TbFeCoCrの制御層24は、キュリー温度が160℃で、キュリー温度以下では常に希土類金属組成が優勢である。
TbFeCrの中間遮断層25は、キュリー温度が145℃で、キュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢である。
また、ここで具体的には、GdFeCoCrからなる三層構造の再生層23は、基板回転数300rpm、製膜Ar圧力0.5Pa、10nm/secの製膜速度で堆積積層させることにより、1.0nm以下の微細なグレイン構造単位の非晶質な膜構造に形成できる。
また、膜厚10nmのTbFeCoCrの制御層24、膜厚15nmのTbDyFeCrの中間遮断層25は、いずれも基板回転数100rpm、製膜時のArガス圧力3.0Pa、製膜速度5nm/secにすることにより、2.0nm以下の構造単位の非晶質な磁性薄膜に形成できる。
また、TbFeCoCrの記録層26は、補償組成温度が100℃であり、キュリー温度は260℃になるように組成を調整している。
ここで、記録層の膜構造は、製膜時のArガス圧力、製膜速度、基板ホルダーに保持した光ディスク基板の回転数を制御することにより、磁性薄膜の構造を変化させる核となる第一の下地層29aとして膜形成することができる。
具体的には、記録膜の最初の15nmを、基板回転数80rpm、製膜時のArガス圧力0.4Pa、製膜速度1nm/secにすることにより、記録層の核となる下地層を形成できる。
この時、第一の下地層の構造単位は小さく、原子オーダーでのランダムな非晶質構造あるいは実質的には2nm未満の構造単位を有する膜構造が形成される。
次に、つぎの15nmを、Arガス圧力2.5Pa、3nm/secの製膜速度で堆積させることにより、記録層のグレイン幅を制御できる第二の下地層29bを形成できる。
そして、記録膜の残りの部分70nmに関しては、製膜時のKrガス圧力4.5Pa、10nm/secの製膜速度で製膜することにより、20nmの構造単位の幅を有する柱状のコラム構造の磁性薄膜である記録膜を形成できる。
なお、第一の下地層29aは本発明の第一の下地層に対応し、第二の下地層29bは本発明の第二の下地層に対応し、記録層26は本発明の記録層に対応する。
ここで、記録層の断面を高分解能でSEM観察すると、実施の形態1と同様に、磁性薄膜が膜面垂直方向に柱状のコラム形状である構造を有することが観察できる。
また、第二の下地層の製膜時ガス圧力と、製膜速度とを制御することにより、記録層のコラム構造の幅を制御することが可能である。
さらに、隣接するグルーブ間の傾斜部分では、記録層の柱状構造が膜面垂直方向からは傾いた方向に傾斜することにより、情報トラックのグルーブ間は、磁気的に遮断されている。
この結果、本実施の形態2のように、グルーブ部をDWDD方式による記録再生時の書き換え領域に用いることにより、隣接するグルーブ間では少なくとも記録膜の一部は磁気的に遮断されている。
このため、記録層26から再生層23に転写した磁区は、安定して磁壁移動を行うことになり、マーク長の小さい場合にも信号振幅の拡大した信号の再生が可能となる。
なお、本実施の形態2の光磁気記録媒体は、実施の形態1と同様に、コラム構造を有する。
しかし、これに限らず、記録層が、2nmから40nmの幅の構造単位を有する構成であればよい。そして、記録層の膜厚は、50nm以上(より好ましくは、60nmから200nm)であればよい。
また、コラム構造を形成する核形成のための下地層に関しては、膜厚が5nmから50nm(より好ましくは、5nmから20nm)であることが望ましい。
また、コラム構造の幅を制御する第二の下地層に関しては、膜厚が5nmから50nm(より好ましくは、5nmから20nm)であれば、同様に高密度での記録再生特性が得られる光磁気ディスクを実現できる。
この時、第二の下地層の構造単位が、2nm以上40nm以下の構造単位を有することにより、より効果的に記録層のコラムの幅を制御できる。
また、記録層を柱状のコラム構造に構成することにより、繰り返し書き換えた場合にも安定した信号の記録再生が可能となる。
また、上記構成の光磁気ディスク20は、ランドとグルーブを有する形状であり、情報の記録されるグルーブ間の傾斜部により磁性的遮断された構成である。
しかし、これに限らず、深いランドを形成する方法、または記録トラック間をアニール処理する方法であっても、同様に再生層に転写された記録磁区の磁壁移動が容易であり、前述したDWDD方式による再生が可能である。
また、本実施の形態2では、トラックピッチが1.0μm以下で、溝幅が0.2μmから0.8μmの範囲を有する構成にランド部を形成し、最短のマーク長を300nm以下の情報信号を記録する構成であれば、より効果が大きい。
ここで、本実施の形態2の光磁気記録媒体に対する記録再生信号の場合、マーク長が小さい場合にも、安定して記録磁区が形成されている。また、100nmのマーク長の記録磁区であっても、再生層23に転写して磁壁移動して再生できる。
このため、信号振幅に関しては、拡大再生により13%以下のジッタが得られる。
さらに、マーク長が100nmであっても、再生信号の振幅量はほぼ飽和している。
このため、記録層からの安定した転写と、再生層の磁壁移動によるDWDD動作により、再生信号特性に優れた光磁気記録媒体を実現できることがわかる。
さらに、線速は2.4m/secである。また、光パルス磁界変調記録で信号を記録再生した場合、再生パワー、記録パワーがともに±20%以上の範囲である。
このように、再生ジッタがほとんど変化しない優れた記録再生時のマージン特性が得られていることがわかる。
さらに、記録層、下地層ともに、製膜時のAr圧力に依存している。
記録層のコラムのグレイン幅を制御する第二の下地層よりも製膜時の圧力が小さい製造方法(より具体的には、コラム構造の核となる第一の下地層は0.2Paから3Pa、第二の下地層、記録層製造時の真空室内のガス圧力は1.5Paから6Paの範囲にある光磁気記録媒体の製造方法)を利用してコラム構造の核となる第一の下地層を製膜すれば、5nm以上の構造単位の幅を有するコラム構造を形成することが可能である。
また、ここで、製膜時のAr流量と真空排気速度を考慮し、第一の下地層は0.3Paから1.5Pa、第二の下地層、記録層は2.5Pa以上、4.5Pa以下とすれば、同等以上の効果がある。
この時、真空ポンプの能力の範囲内でできるだけAr流量も大きくする方が良く、少なくとも20SCCM(Standard Cubic Centimeters per Minute)以上は導入する方が好ましい。
また、この時、コラム構造の核となる第一の下地層の磁性薄膜の密度を小さく製膜した場合に、より効果が大きい。
この時には、第一の下地層の構造単位の間にAr原子が多く取り込まれており、コラム構造の核としての役割はより効果的になる。
また、第二の下地層により、記録層のコラム形状の幅を制御できるが、コラム幅を2nmあるいはそれより大きくした場合でも、100nmのマーク長の記録まで確認できた。
記録層の限界の最短マーク長は、垂直磁気異方性に依存するが、本実施の形態2のように、コラム状の構造を形成し、磁化と保磁力の積(Ms・Hc積)を1.5×10以上にし、垂直磁気異方性定数Kuを5×10erg/cm以上(より好ましくは、Kuを1×10erg/cm以上)にすることにより、100nm以下のマーク長まで記録再生が可能となる。
また、上記のコラム構造は、ポーラスな膜構造あるいはコラム状の構造の間に密度分布を有する。安定してコラム状の構造単位を有した構成であれば、下地層中に、Ar原子を、0.5mol%以上含有した構成となっている。
磁性薄膜中のAr原子の含有量が0.5mol%以上4.0mol%以下の構成であれば、同等の効果が得られる。
このとき、Arの含有量は、EPMA(電子プローブX線マイクロアナライズ)、あるいはRBS(ラザフォード・バックスキャッタリング法)等により検出できる。
さらに、上記のコラム形状のポーラスな膜構造を形成する記録膜では、下地層の緻密さ、およびその分布も記録層に比較して大きくなっている。
特に、5nm以上40nm以下の構造単位を有するコラム構造を形成するためには、下地層は、室温では2.0g/cmから5.0g/cmの密度を有する薄膜として形成されていることが望ましい。
また、記録層中も、Ar原子を0.5mol%以上含有した構成となっている。また、下地層、記録層ともに、Ar原子に限らず、Ne、Kr、またはXeが含まれていても、同等の効果が得られる。
また、第一の下地層の微細な表面凹凸に関するRaは、0.1nm以上1.5nm以下(さらに好ましくは、0.1nm以上1.0nm以下)であることが望ましい。この微細な凹凸を核として、第二の下地層、記録層のコラム状の膜構造を形成できる。
なお、表面凹凸が1nm以下と微細であるということは、DWDD等の磁壁移動を用いた記録再生方法の場合には、再生用光ビームに差し掛かった磁壁の移動をスムーズにするという効果も有する。
したがって、DWDD方式による光磁気記録媒体の信号特性を向上させるためには、第一の下地層、および第二の下地層の膜厚が5nmから50nm以下(より好ましくは、5nmから20nm)であって、記録層のコラム形状の幅が2nm以上40nm以下(さらに好ましくは、5nm以上20nm以下)であるようにすればよい。100nm以下の短いマークを記録した場合にも、十分に安定な膜面垂直磁気異方性が得られ、同等の高密度記録再生が可能となることがわかる。
また、信号再生時のジッタから、記録層の膜厚は100nmから180nm範囲で最小となることがわかる。
膜厚の最適値は、記録層の膜組成、磁気特性によって異なるが、コラム形状の構造を有する記録層では、比較的膜厚を大きくすることにより、コラム状の構造が形成され易い。そして、40nm以上300nm以下の記録層の膜厚(さらに好ましくは、80nm以上200nm以下の膜厚)にすることにより、柱状のコラム構造を利用して、短いマークまで安定して記録磁区を形成し、再生層に転写できる。この結果、100nm以下のマーク長まで、安定して記録磁区を形成できることがわかる。
以上のように、本実施の形態2においては、DWDDを用いた再生が可能な磁性膜を有し、記録情報の書き換え可能なトラック領域と隣接トラックとの境界部分を磁気的に遮断した。
下地層を用いて記録層がコラム状の構造を備えた構成(より具体的には、記録層のコラム形状の幅を2nm以上40nm以下、さらに好ましくは5nm以上20nm以下の構成)を備えることにより、磁壁の移動度を確保できる。
かくして、記録トラック間をアニールすることなく、マーク長が200nm以下の場合にも、DWDD方式により転写磁区の移動による再生信号の拡大を可能にすることができる。
以上のように、本実施の形態2の構成により、DWDD方式により、高密度に記録再生した場合にも、安定した記録再生信号特性が得られる。
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3における光磁気ディスク30の構造を示す断面図である。
31はガラス基板からなる光ディスク基板であり、基板上にフォトポリマーを用いて、スパイラル状の案内溝が形成されている。また、記録トラック間の境界には、記録トラックを分離するための逆V字型のランドが形成されている。
ここで、本実施の形態3の光磁気ディスク30は、本発明の実施の形態1とは逆方向に記録膜が積層されており、GMRヘッド等の磁気ヘッドにより情報信号の記録再生を行うことが出来る。
光磁気ディスク30は、案内溝が形成されたガラスからなる透明な光ディスク基板31、記録膜の保護するための誘電体層32、コラム状の膜構造を形成する核となるシード層33、コラム状の膜構造のグレイン幅を成長させるグレイン成長層34、情報を保持しておく記録層35、再生層と記録層の間の交換結合を制御するための中間遮断層36、情報を磁壁の移動によって検出するための再生層37、記録膜の保護のための誘電体層38、さらに潤滑層39を順次形成している。
積層した記録膜は、シード層33、グレイン成長層34、記録層35、中間遮断層36、再生層37の膜構成で形成されている。
なお、シード層33は本発明の第一の下地層に対応し、グレイン成長層34は本発明の第二の下地層に対応し、記録層35は本発明の記録層に対応する。
図6に示した本発明の実施の形態3の光磁気記録媒体は、実施の形態1の光磁気記録媒体と同様に、光ビームが照射されて記録膜が昇温すると、磁壁を次々と移動させる。そして、この磁壁移動した磁区からの再生信号が、検出される。なお、信号の検出には、GMRヘッド、TMRヘッド等の磁気ヘッドを用いる。
そして、導波路を用いて光ビームを照射し、光磁気ディスク30を昇温させることにより、磁気的超解像による信号の再生が可能となる。
本実施の形態3の光磁気ディスク30は、このような光ディスク基板31上に磁性層を含む多層積層膜を製膜して形成されている。グルーブ間にはランドが形成されており、グルーブの深さhは、ランドの上面から65nmであり、逆V字型のランド形状を有する。このランドによりグルーブは互いに磁気的に独立している。また、本実施の形態の光磁気ディスク30のトラックピッチは0.5μmであり、グルーブ幅は0.4μmである。
図6に示すような構成の光磁気ディスク30は、実施の形態2と同様に、ターゲットに対向した位置に静止して配置した光ディスク基板31上に薄膜を形成することにより作製する。
まず、光ディスク基板31上には、SiNの誘電体層32が70nm反応性スパッタリング法により膜形成される。さらにその上に、磁性膜が合金ターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタリング法により膜形成される。
TbFeCoCrのシード層33(10nm)、TbHoFeCoのグレイン成長層34(10nm)、TbFeCoの記録層35(100nm)が、合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により膜形成される。
さらに、TbFeCoAlの中間遮断層36が15nm形成される。
また、GdFeCoCrからなる再生層37は、Gd23Fe54Co7Cr16、Gd24Fe55Co9Cr12、Gd25Fe58Co10Cr7、Gd26Fe58Co12Cr4(組成はmol%)の組成からなる四種類の合金ターゲットも用いて、順次10nmずつ合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により膜形成される。
さらに、SiNからなる第二の誘電体層38が20nm、反応性スパッタリング法により膜形成される。
そして、カーボン系材料が主成分の潤滑層39を、誘電体層38の上に高速でスピンコートによる塗布を行うことにより形成する。
ここに、TbFeCoCrのシード層33の膜形成に関しては、製膜時のAr圧力は0.5Pa、製膜速度は1nm/secであり、その上にあるTbHoFeCoのグレイン成長層34の膜形成に関しては、製膜時のAr圧力は2.0Pa、製膜速度は1.5nm/secである。
TbFeCoの記録層35は、補償組成温度が30℃であり、キュリー温度は310℃になるように組成を調整した磁性膜である。
この時、製膜時のAr圧力は3.5Pa、製膜速度は6nm/secであり、シード層33とグレイン成長層34の下地層を用いることにより、コラム形状の幅が13nmである磁性膜を形成できる。
さらに、その上のTbFeCoAlの中間遮断層36も、キュリー温度が145℃で、キュリー温度以下では常に遷移金属組成が優勢である。
また、製膜時のArガス圧力は2Pa、製膜速度5nm/secである。
また、GdFeCoCrの再生層37は、補償組成温度が60℃でキュリー温度が135℃の層、補償組成温度が115℃でキュリー温度が175℃の層、補償組成温度が160℃でキュリー温度が220℃の層、補償組成温度が185℃でキュリー温度が270℃の層の四つの組成の再生層が順次積層されて構成されている。
この時、製膜時のAr圧力は0.6Pa、製膜速度は10nm/secである。
ここで、光ディスク基板31は、グルーブの境界にはランドが逆V字型形状に形成されており、グルーブの深さhは、ランドの上面から65nmを有する。
このランドによりグルーブ間は互いに磁気的に独立している。
また、本実施の形態3の光ディスク基板31のトラックピッチは0.5μmであり、グルーブ幅は0.4μmである。
上記構成の光ディスク基板は、基板材料にガラスを用いた構成では、原盤となるスタンパを用いてフォトポリマーにより溝形状を転写形成することにより、トラックピッチ、およびランド幅の小さい場合にも、溝形成が可能である。
さらに、光磁気記録媒体のランド部の傾斜角を大きくする、あるいは傾斜部の面粗さを変化させることにより、記録再生領域であるグルーブに隣接するトラック間の境界での結合を確実に切断することができる。
また、本実施の形態3の光磁気ディスク30は、静止対向型のスパッタリング方式を用いて製膜することにより、光ディスク基板等を回転させながら製膜した場合に比べて、スパッタリング粒子の方向が変化せずに製膜できる。
このため、ターゲット組成の分布に応じて記録膜組成の均一性が得られ、垂直方向に磁性膜を堆積成長させることができ、柱状の膜構造を形成する場合、よりその効果が大きい。
また、ここで、グレイン成長層の希土類金属中にHoを含有することにより、コラム形状の幅を大きくする効果が大きい。
次に、図8に、シード層33の製膜時の磁性薄膜のスパッタリング電流密度に対する、100nmの記録マークの場合のドロップアウト(記録マークの欠落)の依存性を示す。
ここで、ドロップアウトとは、記録信号に対応したマーク長(あるいは周波数)とは異なる記録マークの割合である。
例えば、ドロップアウトが1.0×10−1であるとは、10個の記録マークのうち1個のマーク長が100nmとは異なる長さで記録されており、エラーの原因となるということを意味する。
図8に示すように、シード層のスパッタリング時の電流密度が100A/m以上となると、ドロップアウトは急激に増加する。
シード層の磁性薄膜の構造は微細で非晶質的であり、シード層のみでは、スパッタリング時の電流密度に関わらず、柱状のコラム構造は得られない。
しかしながら、このシード層の上に形成する記録層、あるいはグレイン成長層を介して膜形成する記録層は、垂直方向に成長したコラム形状の膜構造をとることが可能である。
そして、実際、シード層のスパッタリング時の電流密度を変化させることにより、ドロップアウトも低減できる。より具体的には、20A/mから80A/mの電流密度での製膜速度であれば、ドロップアウトは非常に小さくできる。
なお、たとえば、1.E−01は、0.1の欠落が発生して(つまり、記録したマークの10%が記録されなかったりその大きさが変化したりして)通常の記録マークとして検出できないということを意味する。
実際、図7(a)に示すように、上記構成のシード層33、グレイン成長層34の上に作製したTbFeCoの記録層35は、磁性薄膜が膜面垂直方向に柱状のコラム形状である構造を有することが観察できる。
これに対して、図7(b)に示すように、コラム構造を形成するための核となるシード層がなく、グレイン成長層34のみの上に記録層を形成した場合には、膜面垂直方向に膜成長した構造が形成されない。このため、グレイン径が大きいものの、Ms・Hcは小さくなり(図3におけるグラフ(c)参照)、微小な磁区が形成できず、ドロップアウトの原因となる。
したがって、柱状のコラム形状を形成できるシード層としての働きのためには、0.2nm/sec以上5nm/sec以下の製膜速度(さらにより好ましくは、上述した20A/mから80A/mの電流密度に対応する値である0.4nm/sec以上3nm/sec以下の製膜速度)により、コラム形状の構造を形成することが可能である。
ここで、磁性膜製造の堆積製膜速度は、投入パワーの調整、膜厚・膜分布補正板等の配置により設定できる。
このように、記録層のコラム形状の幅を5nm以上とすることにより、100nm以下のマーク長まで、安定して記録再生ができる。また、導波路等で熱的にアシストし、GMRヘッド等の磁気ヘッドで記録再生する方法により、安定して記録磁区を記録形成し、信号の再生ができるものである。
以上のように、本実施の形態3の光磁気記録媒体によれば、DWDDを用いた再生が可能な磁性膜を有し、静止対向したターゲット構成により製造時のタクトタイムも短縮できる。
しかも、下地層により制御されたコラム状の構造を形成した記録層により、高密度記録時の信号特性にも優れた光磁気記録媒体を実現できる。
さらに、ランド部またはレーザアニール等により磁気的に遮断された領域を有する構成を利用して、情報信号書き換えによるオーバーライト時に、オーバーライトパワーマージンも拡大させることができるものである。
以上のように、本実施の形態3の光磁気記録媒体は、下地層を用いた構成により、記録層に柱状のコラム形状の膜構造を有する構成、より具体的には、2nm以上40nm以下(より好ましくは、5nmから20nm)の幅の構造単位のコラム形状を有する記録層を形成した構成を有する。
記録層の膜厚を50nm以上(より好ましくは、60nmから200nm)に形成した構成であれば、記録磁区の安定性に優れ、マーク長が短い場合にも優れた再生信号特性が得られる。
次に、本発明の実施の形態における光磁気記録媒体の記録再生方法および記録再生装置について説明する。
本発明の実施の形態における光磁気記録媒体の記録再生装置は、上記のように説明してきた本実施の形態の光磁気記録媒体を通常より高い再生パワーで記録再生可能な構成の光磁気記録再生装置である。
また、本発明の実施の形態における光磁気記録媒体の記録再生方法は、光磁気記録媒体の記録層に形成された記録磁区が再生層に転写され、再生層での磁壁移動によって、記録情報の再生信号の検出を行う再生方法である。
このような光磁気記録媒体の記録再生方法では、レーザ光により情報の記録、再生、消去を行う構成であって、再生時に、レーザ光スポットを光磁気記録媒体に対して相対的に移動させる。
そして、再生層側から照射し、光磁気記録媒体からの反射光を用いてトラッキング制御をかけながら、光磁気記録媒体上にレーザ光スポットの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成する。
その時の温度分布の再生層に形成されていた磁壁を温度が高い方向へ移動させようとする磁壁に生じる力が、記録層から中間層を介して生じる結合力よりも大きくなる温度領域よりも、高い温度領域を有する温度分布を、再生層に形成する。
そして、記録層からの情報の転写磁区を再生層に形成し、再生層での磁壁移動によって拡大形成された情報を、入射した光スポットの反射光からの偏光面の回転の変化として検出する。
あるいは、レーザ光により光磁気記録媒体を昇温させながら、磁気ヘッドを用いて情報の記録、消去を行い、GMRヘッドを用いて情報を再生する。
情報の記録時には、レーザ光スポットを光磁気記録媒体に対して相対的に移動させながら照射し、磁気ヘッドを光磁気記録媒体の記録層、あるいは再生層側から配置する。
そして、記録情報に応じて磁界方向を変調させて、トラッキング制御をかけながら、光磁気記録媒体の記録層に情報の記録、消去を行う。
また、情報の再生時には、光磁気記録媒体にレーザ光スポットを照射して光磁気ディスクの移動方向に対して勾配を有する温度分布を形成する。
そして、再生層側に情報再生用のGMRヘッドを配置し、記録層から中間層を介して転写形成された記録情報の転写磁区を、再生層での温度勾配により、温度が高い方向へ移動させようとする。
このときの磁壁移動によって拡大形成された転写磁区による情報を、前記GMRヘッドにより検出する。
またこの時、再生層の深さ方向で膜組成の異なる場合には、段階的に転写した記録磁区の大きさが磁壁移動することにより磁区拡大して、情報を検出する。
さらに、光磁気記録媒体の中間層を介して生じる結合力が、磁気的結合力、交換結合力、静磁結合力のいずれかである構成により、記録層と再生層との磁気的結合力による信号の転写可能な温度範囲からのみ転写する。
そして、転写した磁区を拡大して信号を検出する。
そして、以上のように、本発明においては、上記のDWDDを用いた再生が可能な磁性膜を有し、記録情報の書き換え可能なトラック領域と隣接トラックとの境界部分の領域が磁気的に遮断された構成を備える。
このことにより、光磁気記録媒体の磁壁の移動度を確保でき、また、記録層のコラム状の構造単位が、再生層のそれより大きい構成により、記録層の記録磁区を安定化できる。
そして、再生層への転写磁区の信号再生時の磁壁移動度を確保でき、再生信号を安定して検出することが可能な光磁気記録媒体の記録再生方法を実現できる。
なお、上述の各実施の形態における光磁気記録媒体では、ポリカーボネート、ポリオレフィン、またはガラス基板にフォトポリマーを用いた光ディスク基板を用いた。しかし、これに限らず、ガラスに直接案内溝或いはプリピットを形成した構成、エポキシ系樹脂またはその他のプラスチック材料を用いた構成を利用する光ディスク基板、または金属材料からなるディスク基板であっても良い。
また、本実施の形態の光ディスク基板では、光スポットのトラッキングガイドのためのスパイラル状あるいは環状の案内溝、あるいはプリピットを備えた構成の光磁気記録媒体について述べてきた。
しかし、これに限らず、光ディスク基板上に、アドレス情報を有する蛇行したスパイラル状の案内溝、あるいはサンプルサーボ方式等の蛇行したトラッキングガイドのためのプリピットを設けた構成の光ディスク基板、または平板状のディスク基板を用いてもよい。
さらに、本実施の形態の光ディスク基板のトラックピッチは0.5μmから0.8μm、グルーブ幅は0.4μmから0.6μmであった。
しかし、これに限らず、上記構成の情報記録トラックのグルーブ間が矩形型、あるいは逆V字型のランドあるいはグルーブが利用されてもよい。
また、記録トラック間が遮断され、トラックピッチが1.0μm以下で、情報の記録されるランドあるいはグルーブの間に0.2μmから0.8μmの幅を有するグルーブあるいはランド部が形成されていてもよい。
また、さらにトラックピッチを小さくすることにより、より高密度な光磁気記録媒体が可能となる。
また、ランド面、またはランド面およびグルーブとの間の傾斜面の面粗さを大きくする。また、情報を記録するグルーブ内を平滑な表面に形成する構成により、隣接するグルーブ間、またはランド面と傾斜面との境界での記録トラック間での磁気的な遮断を行う。
すると、DWDD動作による磁壁移動特性に大きな効果が実現でき、さらに情報記録トラック間をアニール処理することによっても、優れたDWDD方式による光磁気記録媒体を実現できる。
また、上述の実施の形態における光磁気記録媒体では、第一及び第二の誘電体層としてSiN膜、及びZnSSiO膜を用いた構成について述べてきた。
しかし、これに限らず、ZnS膜あるいはその他のカルコゲン化物の膜、TaO等の酸化物の膜、AlN等の窒化物の膜、またはそれらの化合物の薄膜を用いても良い。
また、誘電体層の膜厚は、20nmから300nmの範囲で、エンハンス効果により信号量を増大させる構成であれば良い。
また、上述の実施の形態における光磁気記録媒体での各層を構成する磁性膜として、再生層としてはGdFeCoAl、GdFeCoCrを使用した。
また、制御層、中間遮断層としては、TbDyFeCoAl、TbDyFeCr、TbFeCoCr、TbHoFeCoAlを使用した。
また、記録層としては、TbFeCo、TbHoFeCo、TbFeCoCr膜を使用した。
また、シード層としては、GdFeCoAl、TbFeCoCrを使用した。
また、グレイン成長層としては、TbFeCoCr、TbHoFeCoを使用した。
しかし、TbFe、TbHoFe、TbCo、GdCo、GdTbFe、GdTbFeCo、GdTbHoFeCo、DyFeCoGdFeCoSi等の希土類−遷移金属系フェリ磁性の非晶質合金、またはMnBi、MnBiAl、PtMnSn等のMn系磁性膜の多結晶材料を用いた光磁気材料、またはガーネット、PtCo、PdCoなどの白金族−遷移金属合金、Pt/Co、Pd/Coなどの金、白金族−遷移金属周期構造合金膜などを用いても良い。
または、それらを含み、かつ材料または組成の異なる複数の記録層より構成された記録膜でもよい。
また、上述の磁性層には、Cr、Al、Ti、Pt、Nbなどの耐食性改善のための元素添加を用いても良い。
さらに、上述の誘電体層をシード層、グレイン成長層として用いてもよい。
また、希土類金属がTb、Gd、Dy、あるいはHoを有する構成について述べてきたが、それ以外の金属材料を添加し、コラム状に構造単位を大きくする構成であれば、同等の効果が得られる。
さらに、本実施の形態では、再生層、制御層、中間遮断層、記録層等を積層した記録膜の膜構成としては、30nmから60nmの膜厚の再生層、記録層、5nmから15nmの膜厚の制御層あるいは中間遮断層について述べてきた。
しかし、これに限らず、本発明の特性を満たすように、記録層と再生層との間で、十分な磁気的結合力が得られるように、膜厚が5nmから200nmの範囲であれば良い。
また、より好ましくは、例えば、再生層を10nmから100nm、制御層を5nmから50nm、中間遮断層を5nmから50nm、及び記録層を30nmから200nmとするとよい。
さらに、記録補助層、転写制御層等、あるいはその他の記録再生特性を改善させるための磁性膜を用いた構成であっても良い。
また、中間遮断層としては、膜厚方向での組成あるいは磁壁エネルギー密度を変化させた多層構成の磁性膜を設けても良い。
また、コラム構造形成層は、Arガスの取込み量が、0.5mol%以上、また、製膜時の膜堆積速度が、0.2nm/sec以上5nm/sec以下であって、コラム構造の核となる構造であればよい。
さらに、コラム構造形成層、および、コラムのグレイン幅を制御するグレイン成長層は、膜厚が5nm以上50nm以下(さらに好ましくは、5nmから20nm)であればよい。
また、本実施の形態では、コラム構造形成層である下地のシード層を再生層または記録層の一部として、また、コラムのグレイン幅を制御するグレイン成長層を中間層または記録層の一部として用いた構成についても述べてきた。
しかし、これに限らず、磁気的超解像のための制御層等その他の記録膜、または記録補助層、転写制御層等のその他の機能を有する磁性薄膜と併用した構成であってもよい。
もちろん、それらを記録膜の一部とした構成であっても、記録膜の層数を増やすことなく、同等以上の効果が得られる。
本実施の形態では、下地層として非晶質の磁性薄膜について述べてきたが、非磁性薄膜を用いても、同等の効果が得られる。より具体的には、非磁性薄膜の材料が、Al、Ti、Ta、Cr、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Ruの少なくとも一つを含んでいてもよい。また、上記材料を含有する酸化物や窒化物、あるいはそれらを含む混合物であってもよい。
第一の下地層が、材料に関わらず、Raが0.1nm以上1.5nm以下表面粗さを有する構成であれば、記録層のコラム構造を形成する核としての働きがあるため、同様の効果が得られる。
また、第二の下地層は、Raが0.2nm以上2nm以下の表面粗さである微細な表面凹凸を有する構成により、第一の下地層の上に形成される。
本実施の形態のように、マグネトロンスパッタリング法により記録膜を形成する場合には、下地層の表面凹凸は、記録膜形成分子による薄膜形成および薄膜成長において効果がある。上記表面粗さの下地層が構成されたことにより、コラム状の膜構造の形成とコラム構造の制御とを容易に行なうことができるのである。
さらに、記録信号が短波長、高N.A.の光学ヘッド、またはGMR磁気ヘッド等の検出可能な方法を用いれば、上記コラム状の構造単位を有する記録層単層の構成、または磁気的超解像、磁壁移動による磁区拡大を用いない多層膜構成であっても、同等の効果が得られる。
また、本発明の光磁気記録媒体における各層を構成する磁性層は、例えばそれぞれの金属材料を用いたターゲット、あるいは必要な材料を混合した合金ターゲットを用いたマグネトロンスパッタリング法によって、製膜時のArガス圧を例えば0.5Pa以上2.0Pa以下に設定して膜形成すれば、作製可能である。
また、この製造プロセスにおける製膜時のArガス圧やバイアス磁界、またはスパッタガスの種類などの製膜条件、更には使用する装置に関わる要因を適切に調節すれば、形成される磁性膜のGd等の希土類金属組成を変化した場合にも、光磁気記録媒体の製造は可能である。
例えば、GdFeCoのGd組成比を24%から27%の範囲で変化させる場合に、製膜時のArガス圧を1.2Paから0.4Paに変化させることにより、膜形成する方法等を用いることができる。
さらに、多元スパッタリング方式、あるいは、静止対向型のスパッタリング方式等の製膜装置条件を制御することにより、記録層のコラム状の構造単位を大きくし、保磁力Hc、及び垂直磁気異方性Kuを大きくする構成であってもよい。
記録層の信号を確実転写し、再生層でのスムーズに磁壁移動させて磁区拡大による再生を行うことができる。
さらに、記録層の上に誘電体層に直接オーバーコート層、あるいは潤滑層を形成した構成について述べてきたが、記録層に直接、あるいは、誘電体層を介して熱吸収層を配置した構成であってもよい。
また、熱吸収層熱吸収層の材料としては、AlTi、Al、Cu、Ag、Auの少なくとも1つを含む合金材料であって、記録膜よりも熱伝導率の大きい材料であれば良い。
さらに、オーバーコート層(保護層)をエポキシアクリレート系樹脂、あるいはウレタン系樹脂から形成した構成について述べてきた。
しかし、これに限らず、その他の紫外線硬化型の樹脂、あるいは熱硬化型の樹脂等、或いはホットメルト接着剤などを用いて他の基材と張り合わせた構造を採用することも可能である。
また、潤滑層として、アルミナ等を含有した潤滑材料、あるいはダイヤモンドライクカーボン等の保護膜にパーフロロポリエーテル(PFPE)等の材料を組合わせたものを利用しても、同等以上の効果が得られる。
さらに、DWDD方式を用いた光磁気記録媒体とその再生方式について述べてきたが、それ以外の磁壁移動タイプの磁区拡大再生方式、シュリンク動作による再生磁区の拡大再生方式あるいは再生磁界交番型の再生方式等であってもよい。
高信号品質化、高記録密度化を得るために記録再生方式を用い、記録層にコラム状の構造を形成した構成であればよい。
マーク長が100nm以下であっても微小磁区の安定性に優れ、再生層に転写再生時にも高密度での安定した記録再生が可能であり、同等にあるいはそれ以上の効果が得られる。
上述したところから明らかなように、本発明により、高密度記録した場合にも記録磁区の安定化と、DWDD方式による転写磁区の安定した移動による再生信号の拡大を可能にすることができる。
また、記録情報の繰り返し記録再生特性に優れた光磁気記録媒体を実現できる。
また、本発明によれば、下地層を利用して柱状構造を有する記録層を形成した構成により、記録マーク長が小さい場合にも優れたDWDD方式による光磁気記録媒体を実現できる。
このように、本発明によれば、光学的な回折限界による制約を受けることなく光磁気記録媒体に高密度に記録されている情報信号の再生時の分解能を高めることが可能となる。
また、データ転送レートの向上が可能であり、記録磁区と再生層への転写特性を安定化させることにより、DWDD方式による転写磁区の再生信号特性の安定性も向上させることができる。
また、更に、信号振幅の増大も可能であり、高密度で且つ信号特性の優れた光磁気記録媒体が提供される。
さらに、重畳信号も低減しての再生が可能なので各種マージンが広がり、光磁気記録媒体の製造コスト、および、記録再生装置のコストを下げることができるという、優れた効果を奏するものである。
本発明は、光磁気記録における記録密度や転送速度をより向上することができる光磁気記録媒体、光磁気記録媒体の製造方法、光磁気記録媒体の記録方法、および光磁気記録媒体の再生方法を提供することができ、有用である。
本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の構成を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の断面をSEM観察した写真による説明図 (b)従来の光磁気記録媒体の断面をSEM観察した写真による説明図 本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の、MsHcの温度に対する依存性を示す特性図 本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の、マーク長に対するキャリアレベルの依存性を示す特性図 本発明の実施の形態2における光磁気記録媒体の構成を示す断面図 本発明の実施の形態3における光磁気記録媒体の構成を示す断面図 (a)本発明の実施の形態3における光磁気記録媒体の断面をSEM観察した写真による説明図 (b)本発明の実施の形態3における核形成のためのシード層のない場合の光磁気記録媒体の断面をSEM観察した写真による説明図 本発明の実施の形態3における光磁気記録媒体の、核形成のためのシード層の製膜条件に対するドロップアウトの依存性を示す特性図 (a)本発明の実施の形態1における光磁気記録媒体の記録膜の構成(特に磁化の方向)を示す断面図 (b)本発明の実施の形態1における再生動作中の光磁気記録媒体の位置に対する媒体内部での温度分布を示す特性図 (c)本発明の実施の形態1における再生層の磁壁エネルギー密度を示す特性図 (d)本発明の実施の形態1における再生層の磁壁を移動させようとする力を示す特性図
符号の説明
10、20、30 光磁気記録媒体
11、21、31 光ディスク基板
12、22、32 誘電体層
13、23、37 再生層
14、25、36 中間遮断層
15、26、35 記録層
16、27、38 第二の誘電体層
17、28 オーバーコート層
24 制御層
19 再生レーザビームスポット
29a 第一の下地層
29b 第二の下地層
33 シード層
34 グレイン成長層

Claims (44)

  1. 積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、
    前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた、光磁気記録媒体。
  2. 前記記録層と前記第一の下地層との間に配置された、前記コラムの幅を制御する第二の下地層をさらに備えた、請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 前記第一の下地層は、非晶質構造の磁性薄膜である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  4. 前記第二の下地層は、非晶質構造の磁性薄膜である請求項2記載の光磁気記録媒体。
  5. 前記第一の下地層は、前記記録層の一部として形成されている請求項1記載の光磁気記録媒体。
  6. 前記第二の下地層は、前記記録層の一部として形成されている請求項2記載の光磁気記録媒体。
  7. 前記第一の下地層は、前記記録層側に密度の変化している部分を有する請求項1記載の光磁気記録媒体。
  8. 前記第一の下地層の構造単位の幅は、実質的に2nm未満である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  9. 前記第一の下地層は、実質的に0.5mol%以上の不活性ガスを取込んでいる請求項1記載の光磁気記録媒体。
  10. 前記第一の下地層の膜厚は、実質的に5nm以上50nm以下である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  11. 前記第二の下地層は、前記積層方向に伸びた複数個のコラムを有する請求項2記載の光磁気記録媒体。
  12. 前記第二の下地層が有するコラムの幅は、実質的に2nm以上40nm以下である請求項11記載の光磁気記録媒体。
  13. 前記第二の下地層の膜厚は、実質的に5nm以上50nm以下である請求項2記載の光磁気記録媒体。
  14. 前記非晶質構造は、原子オーダーのランダムな非晶質構造である請求項3記載の光磁気記録媒体。
  15. 前記記録層が有するコラムの幅は、前記第一の下地層が有する構造単位の幅よりも大きい請求項1記載の光磁気記録媒体。
  16. 前記記録層は、前記第一の下地層よりもポーラスである請求項1記載の光磁気記録媒体。
  17. 前記記録層は、前記第一の下地層と相互に磁気的に結合している請求項1記載の光磁気記録媒体。
  18. 前記記録層は、前記第二の下地層と相互に磁気的に結合している請求項2記載の光磁気記録媒体。
  19. 前記記録層が有するコラムの構造単位の幅は、実質的に2nm以上40nm以下である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  20. 前記記録層の密度は、実質的に2.0g/cm以上5.0g/cm以下である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  21. 前記記録層の膜厚は、実質的に40nm以上300nm以下である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  22. 前記記録層は、所定の希土類金属と所定の遷移金属との合金薄膜により形成されており、
    前記第一の下地層は、所定の希土類金属と所定の遷移金属との合金薄膜により形成されており、
    前記第二の下地層は、所定の希土類金属と所定の遷移金属との合金薄膜により形成されている請求項2記載の光磁気記録媒体。
  23. 前記希土類金属とは、Tb、Gd、Dy、Hoの内の少なくとも一つである請求項22に記載の光磁気記録媒体。
  24. 前記記録層は、多層構造を有する請求項1記載の光磁気記録媒体。
  25. 前記第一の下地層は、非磁性薄膜である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  26. 前記第二の下地層は、非磁性薄膜である請求項2記載の光磁気記録媒体。
  27. 前記非磁性薄膜は、Al、Ti、Ta、Cr、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Ruの内の少なくとも一つを含む請求項25または26記載の光磁気記録媒体。
  28. 前記第一の下地層の表面粗さは、実質的にRa0.1nm以上1.5nm以下である請求項1記載の光磁気記録媒体。
  29. 前記第二の下地層の表面粗さは、実質的にRa0.2nm以上2nm以下である請求項2記載の光磁気記録媒体。
  30. 前記不活性ガスは、Ar、Ne、Kr、Xeの内の少なくとも一つを含む請求項9記載の光磁気記録媒体。
  31. 前記記録層は、実質的に0.5mol%以上の不活性ガスを取込んでいる請求項1記載の光磁気記録媒体。
  32. 前記不活性ガスは、Ar、Ne、Kr、Xeの内の少なくとも一つを含む請求項31記載の光磁気記録媒体。
  33. 積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた光磁気記録媒体の製造方法であって、
    前記第一の下地層を形成する第一の下地層形成ステップと、
    前記形成された第一の下地層の上に前記記録層を形成する記録層形成ステップとを備えた、光磁気記録媒体の製造方法。
  34. 前記光磁気記録媒体は、前記記録層と前記第一の下地層との間に配置された、前記コラムの幅を制御する第二の下地層をさらに備え、
    前記形成された第一の下地層の上に前記第二の下地層を形成する第二の下地層形成ステップをさらに備え、
    前記記録層は、前記形成された第二の下地層の上に形成される請求項33記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  35. 前記第一の下地層形成ステップにおける製膜時の圧力は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の圧力よりも小さい請求項34記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  36. 前記製膜時の圧力は、実質的に1.5Pa以上6Pa未満である請求項35記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  37. 前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の圧力は、前記記録層形成ステップにおける製膜時の圧力よりも小さい請求項34記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  38. 前記第一の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度よりも小さい請求項34記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  39. 前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、前記記録層形成ステップにおける製膜時の堆積速度よりも小さい請求項34記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  40. 前記第一の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、実質的に0.2nm/sec以上5nm/sec以下である請求項33記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  41. 前記第二の下地層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、実質的に0.2nm/sec以上5nm/sec以下である請求項34記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  42. 前記記録層形成ステップにおける製膜時の堆積速度は、実質的に2nm/sec以上20nm/sec以下である請求項33記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  43. 積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた光磁気記録媒体の記録方法であって、
    前記記録層に所定のデータを書き込むデータ書き込みステップを備えた、光磁気記録媒体の記録方法。
  44. 積層方向に伸びた複数のコラムをもつ記録層と、前記記録層の下に配置された、前記コラムの核となる第一の下地層とを備えた光磁気記録媒体の再生方法であって、
    前記記録層に書き込まれた所定のデータを読み出すデータ読み出しステップを備えた、光磁気記録媒体の再生方法。
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