JP3362886B2 - エンジンの弁休止機構付動弁装置 - Google Patents

エンジンの弁休止機構付動弁装置

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JP3362886B2
JP3362886B2 JP34711492A JP34711492A JP3362886B2 JP 3362886 B2 JP3362886 B2 JP 3362886B2 JP 34711492 A JP34711492 A JP 34711492A JP 34711492 A JP34711492 A JP 34711492A JP 3362886 B2 JP3362886 B2 JP 3362886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの気筒数制御
やスワール形成を目的として、カムシャフトに固定され
たカムの回転に伴って吸気弁を開閉駆動する状態と、こ
の吸気弁を休止させる状態とに切換えられる弁休止機構
付動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のように、エンジンの吸気弁を開閉
させる状態と休止させる状態とに切換えられる動弁装置
としては、例えば特開昭59−226216号公報に示
されるようなものが知られている。この装置の概略を図
8に示す。
【0003】同図において、100はカムシャフトであ
り、このカムシャフト100と平行にロッカーシャフト
102が配設されている。上記カムシャフト100には
カム104が固定され、ロッカーシャフト102にはそ
の軸方向に並ぶ2つのロッカーアーム106,108が
揺動可能に取付けられており、このうち片側のロッカー
アーム106にのみその上面に上記カム104と接触す
るカムスリップ110が設けられている。
【0004】一方、エンジン本体側には2つの吸気弁1
11,112が設けられており、上記各ロッカーアーム
106,108の端部には各吸気弁111,112の頭
部にそれぞれ当接するピン113,114が下向きに突
設されている。
【0005】さらに、この装置の特徴として、上記ロッ
カーアーム106の中間部にプランジャ116が収納さ
れるとともに、ロッカーアーム108の中間部において
上記プランジャ116に対応する位置に嵌入穴118が
設けられており、上記プランジャ116は、油圧を動力
源として、上記ロッカーアーム106内に完全に収納さ
れる没入位置と、このロッカーアーム106からロッカ
ーアーム108側に突出して上記嵌入穴118内に嵌入
される突出位置とに位置切換されるようになっている。
【0006】このような装置によれば、上記プランジャ
116を突出位置まで突出させて嵌入穴118内に嵌入
することにより、両ロッカーアーム106,108を両
アーム106,108が一体に揺動するように連結する
ことができ、この状態で、カム104の回転に伴って両
ロッカーアーム106,108を同時に揺動させ、これ
により両吸気弁111,112を同時に開閉駆動するこ
とができる。これに対し、上記プランジャ116を没入
位置まで没入し、ロッカーアーム106,108同士を
切り離すことにより、上記カム104の回転に伴ってロ
ッカーアーム106を揺動させ、ロッカーアーム108
の揺動は停止させることができる。この状態では吸気弁
111のみが開閉作動し、吸気弁112は休止すること
となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記装置において、ロ
ッカーアーム108のピン114は吸気弁112の頭部
に単に接触しているだけであり、このロッカーアーム1
08の休止中、これに何らの揺動規制も行わないとエン
ジン振動等に起因してロッカーアーム108が暴れ、騒
音を招くおそれがある。
【0008】このようなロッカーアーム108のばたつ
きを防ぐには、図示のように上記カムシャフト100に
例えばカム104の基礎円と同等の輪郭をもつ規制板1
20を固定し、この規制板120に上記ロッカーアーム
108が常時摺動するように同ロッカーアーム108を
スプリング等で上方に付勢することが望ましい。
【0009】ところが、このような構造にすると、ロッ
カーアーム106,108の双方についてカム104や
規制板120といった摺接部材を設けなければならず、
その設置に要するスペース(特にカムシャフト100軸
方向のスペース)及びエンジン総重量が増大するととも
に、上記カム104及び規制板120での計2個所から
カムシャフト100に押圧力が作用するため、その分カ
ムシャフト100の回転抵抗が増大し、その駆動トルク
のロスが大きくなる不都合がある。
【0010】本発明は、このような事情に鑑み、コンパ
クトかつ軽量な構造で、カムシャフトの駆動トルクのロ
スを低減しながら、吸気弁を開閉作動状態と休止状態と
に良好に切換えることができるエンジンの弁休止機構付
動弁装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸気弁が閉状
態保持手段により閉位置に保持されたエンジンに設けら
れ、このエンジンのカムシャフトに固定されたカムの回
転に伴って上記吸気弁を上記閉状態保持手段の保持力に
抗して開閉作動させる状態と吸気弁を休止させる状態と
に切換えられるエンジンの弁休止機構付動弁装置におい
て、ロッカーシャフトと、このロッカーシャフトに同ロ
ッカーシャフトを中心として揺動可能に連結される基部
及びこの基部から延びるアーム部を有し、このアーム部
が上記吸気弁と接触する第1ロッカーアームと、この第
1ロッカーアームにおけるアーム部の揺動端部に上記ロ
ッカーシャフトと平行な軸回りに揺動可能に取付けら
れ、その揺動中心から上記ロッカーシャフト側に向かっ
て延び、その揺動端部に上記カムと接触するカム接触部
が設けられた第2ロッカーアームと、上記第1ロッカー
アームに対して上記第2ロッカーアームをそのカム接触
部が上記カムに圧接する方向に上記閉状態保持手段の保
持力よりも弱い力で付勢する付勢手段と、上記第1ロッ
カーアームに対する第2ロッカーアームの揺動を許容す
る解放状態と規制する規制状態とに切換えられる揺動切
換手段とを備え、上記エンジンの一つの気筒に対して複
数の吸気弁を設け、これらの吸気弁のうちの一部を上記
カムシャフトの回転に伴って常時開閉作動する常時開閉
吸気弁とし、残りの吸気弁を休止対象吸気弁とし、この
休止対象吸気弁のみに上記第1ロッカーアームが接触し
て同吸気弁を開閉するように第1ロッカーアームを構成
するとともに、上記第2ロッカーアームに揺動カムを設
け、第1ロッカーアームが上記吸気弁に接触した状態で
上記揺動カムに接触する位置に接触部材を固定するとと
もに、上記第1のロッカーアームに対する第2のロッカ
ーアームの揺動に伴い第1ロッカーアームが吸気弁を開
く方向に微小量揺動するように上記揺動カムの形状を設
定したものである(請求項1)。
【0012】ここで、吸気弁の具体的な個数は問わない
が、その個数を3とし、そのうち一端に位置する吸気弁
を上記常時開閉吸気弁として残りの2つの吸気弁を上記
休止対象吸気弁とすれば、後述のようなより優れた効果
が得られる(請求項2)。
【0013】
【作用】請求項1記載の装置において、付勢手段が第2
ロッカーアームを付勢する力は吸気弁が閉状態に保持さ
れている力よりも弱いので、揺動切換手段を解放状態に
切換えると、上記カムの回転に伴いこれと接触する第2
ロッカーアームが第1ロッカーアームに対して揺動する
ことにより上記カム輪郭の径方向変位量が主に吸収さ
れ、カムシャフトのカムの回転にかかわらず第1ロッカ
ーアームはほとんど停止したままでこれに接触する吸気
弁は休止することとなる。上記揺動切換手段を規制状態
に切換えると、第2ロッカーアームの第1ロッカーアー
ムに対する揺動が規制されるため、上記カムの回転に伴
って第2ロッカーアームと第1ロッカーアームとが一体
にロッカーシャフト回りに揺動し、これにより吸気弁が
通常通り開閉駆動される。
【0014】従ってこの装置では、上記カムシャフトに
対し1つの動弁装置について原則的に単一のカムを設け
れば良いことになる。また、回転中のカムシャフトに押
圧力が与えられる個所は、上記カムが第2ロッカーアー
ムのカム接触部と接触する1個所のみであり、このた
め、従来のように休止中のロッカーアームのばたつきを
防ぐために両ロッカーアームをカムシャフトに対して2
個所で押付けなければならない装置に比べ、カムシャフ
トの駆動トルクのロスは小さくなる。
【0015】さらに、この装置では、上記揺動切換手段
を上記解放状態に切換えて休止対象吸気弁を休止させ、
常時開閉吸気弁のみを開閉させることにより、この常時
開閉吸気弁からの吸気によって燃焼室内にスワールを形
成することができる。この際、もし休止対象吸気弁が全
閉の状態にあり、この状態で全吸気弁に対して燃料が供
給された場合には、休止対象吸気弁の上流側に燃料が溜
るおそれがあるが、この装置では、カムの回転で第1の
ロッカーアームに対して第2のロッカーアームが揺動す
るのに伴い、この第2のロッカーアームに固定された揺
動カムが接触部材と摺接することにより第1のロッカー
アームが微小揺動し、これにより休止対象吸気弁が僅か
に開かれるので、休止対象吸気弁に向けて供給された燃
料も燃焼室内に円滑に逃がすことができる。
【0016】請求項2記載の装置では、エンジンに設け
られた3つの吸気弁のうち、一端に位置する常時開閉吸
気弁からのみ燃焼室内に吸気が導入されることにより、
燃料室内に周方向のスワールを形成し易くなる。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図7に基づいて説
明する。
【0018】図2において10はDOHCエンジンのシ
リンダヘッドであり、このシリンダヘッド10の中央下
部には燃焼室11が形成されている。この燃焼室11に
臨む位置には図3に示すように3つの吸気ポート12,
13,14及び2つの排気ポート15,16が周方向に
並べて形成されている。各吸気ポート12,13,14
には独立吸気通路18を介して集合吸気通路20が接続
され、この集合吸気通路20の途中にインジェクタ22
が配設されている。また、各排気ポート15,16には
図2に示す排気通路24が接続されている。
【0019】上記シリンダヘッド10には、図4に示す
ような吸気弁26,27,28が設けられるとともに、
図2に示す排気弁29が同図奥行き方向に並ぶ2個所に
設けられ、上記吸気弁26,27,28の作動により上
記吸気ポート12,13,14がそれぞれ開閉されると
ともに、各排気弁29の作動により排気ポート15,1
6がそれぞれ開閉されるようになっている。図2に示す
ように、各弁26〜29は、略上下方向に延びる弁軸3
0を有し、その上部に鍔部材32が固定されており、こ
の鍔部材32と、シリンダヘッド10側に設けられたス
プリング座34との間にスプリング(閉状態保持手段)
36が圧縮状態で介在している。このスプリング36の
弾発力で弁26〜29が上方に付勢されており、外力を
受けない状態で各ポート11〜15を閉じる位置(閉位
置)に保持されている。
【0020】シリンダヘッド10の上端であって、各吸
気弁26〜28に対応する位置及び排気弁29に対応す
る位置には、吸気カムシャフト38及び排気カムシャフ
ト40が回転可能に支持されている。吸気カムシャフト
38には2枚の吸気カム42,44が、排気カムシャフ
ト40には単一の排気カム46がそれぞれ設けられてお
り、上記吸気カム42は吸気弁26,27同士の間の位
置に、吸気カム44は図5に示すように吸気弁28の直
上の位置に、排気カム46は排気弁29同士の間の位置
に設けられている。上記吸気カム42と吸気弁26,2
7との間の位置には図1,2,4に示す動弁装置50が
設けられ、同様に吸気カム44と吸気弁28との間の位
置には図4,5に示す動弁装置52が、排気カム46と
排気弁29との間の位置には図2に示す動弁装置54が
それぞれ設けられており、このうち動弁装置50が弁休
止機構付動弁装置とされている。
【0021】この動弁装置50の構造を図1,2,4を
参照しながら説明する。
【0022】上記吸気カムシャフト38の下方にはこれ
と平行にロッカーシャフト48が配され、このロッカー
シャフト48に同シャフト48を中心として揺動可能に
第1ロッカーアーム55が取付けられている。
【0023】この第1ロッカーアーム55は、上記ロッ
カーシャフト48に外嵌される基部56と、この基部5
6の左右両端からエンジン中央側に向かって延びる一対
のアーム部58と、両アーム部58の揺動端部に設けら
れた筒状のアーム支持部60とで構成され、上記アーム
部58の下面2個所に上記吸気弁26,27の弁軸30
頭部とそれぞれ接触する弁接触部59が設けられてい
る。
【0024】上記基部56内には上記アーム支持部60
に向かって開口する収納室62が形成され、この収納室
62にプランジャ64及びスプリング66が収納されて
いる。このプランジャ64は、ロッカーシャフト48に
近い側の端部に鍔部61を有しており、通常はこの鍔部
61が上記スプリング66の弾発力でロッカーシャフト
48側に押されることにより、図1実線に示されるよう
にプランジャ64全体が収納室62内に収められるよう
になっている。
【0025】これに対し、上記ロッカーシャフト48の
中心部にはその軸方向に沿って油路68が形成されると
ともに、この油路68と上記収納室66とを連通する位
置に径方向の連通孔70が形成されており、上記油路6
8から連通孔70を通じて上記収納室66内に油圧が供
給されることにより、プランジャ64が上記スプリング
66の弾発力に抗して外側に押し出され、図1二点鎖線
に示すようにプランジャ64の端部が基部56からアー
ム支持部60側に突出するようになっている。
【0026】なお、図1において71は基部56の外側
からロッカーシャフト48内に作動油を供給するための
孔である。
【0027】上記一対のアーム支持部60にはロッカー
シャフト48と平行なアーム揺動軸72が支持されてお
り、この揺動軸72に第2ロッカーアーム74が取付け
られている。この第2ロッカーアーム74は、両アーム
部58同士の間において上記揺動軸72を中心に揺動可
能に構成され、その揺動端部に上記揺動軸72と平行な
軸76を中心として回転可能にローラ(カム接触部)7
8を支持している。そして、上記プランジャ64が油圧
で基部56から押し出された状態で、このプランジャ6
4に第2ロッカーアーム74の揺動端部が当たってその
揺動が規制されるように、これら第2ロッカーアーム7
4とプランジャ64との相対位置関係が設定されてい
る。
【0028】すなわち、上記プランジャ64やスプリン
グ66等によって、第2ロッカーアーム74の揺動を許
容する解放状態と規制する規制状態とに切換えられる揺
動切換手段が構成されている。
【0029】上記アーム部58の適所にはスプリング
(付勢手段)80が取付けられ、その弾発力によって上
記ローラ78が吸気カム42に圧接する向き(ほぼ上向
き)に第2ロッカーアーム74が付勢されている。ここ
で、スプリング80が第2ロッカーアーム74を付勢す
る力は、前記スプリング36が吸気弁26を閉状態位置
に保持する力よりも弱い力に設定されている。
【0030】さらに、上記第2ロッカーアーム74の回
動基部上面には揺動カム82が突設される一方、シリン
ダヘッド10の適所にはピン状のアジャスタ84が固定
されており、このアジャスタ84は、図1に示すように
上記弁接触部59が吸気弁26,27の弁軸30頭部に
接触した状態でアジャスタ84下端部が上記揺動カム8
2の上面と接触する位置に配されている。そして、後述
のように吸気カム42でローラ78が下方に押され、第
2ロッカーアーム74が揺動軸72を中心として図1反
時計回り方向に回動した際、上記揺動カム82がアジャ
スタ84に押し下げられて両ロッカーアーム55,74
全体がロッカーシャフト48を中心として図1時計回り
方向に微小量回動するように、上記揺動カム82の形状
が設定されている。
【0031】この動弁機構50と異なり、図4,5に示
す動弁装置52は吸気カム44の回転に伴って必ず吸気
弁28を開閉するように構成されている。具体的に、こ
の動弁装置52はロッカーアーム86を備え、このロッ
カーアーム86は前記ロッカーシャフト48にこれを中
心として揺動可能に取付けられている。このロッカーア
ーム86の揺動端下部には上記吸気弁28の弁軸30頭
部と接触する弁接触部88が設けられ、揺動端上部には
ロッカーシャフト48と平行な軸90を中心として回転
可能にローラ92が支持されており、このローラ92が
吸気カム44に接触している。
【0032】すなわち、この実施例のエンジンでは、3
つの吸気弁26〜28のうち一端に位置する吸気弁28
がカムシャフト38の回転に伴って常時開閉作動する常
時開閉吸気弁とされ、残りの2つの吸気弁26,27が
後述のように開閉状態と休止状態とに切換えられる休止
対象吸気弁とされている。
【0033】なお、排気カム46と排気弁29との間に
配されている動弁装置54は、上記動弁装置52と同様
に排気カム46の回転に伴って常時排気弁29を開閉さ
せるものであり、ここではその説明を省略する。
【0034】次に、上記装置の作用を説明する。
【0035】まず、エンジンの低回転時には、動弁装置
52において収納室62内に油圧が供給されず、よって
プランジャ64はスプリング66の弾発力によって図1
実線に示される没入位置に保持される。このプランジャ
64の没入により揺動軸72回りの第2ロッカーアーム
74の揺動が許容される。ここで、スプリング80から
第2ロッカーアーム74に加えられる付勢力はスプリン
グ30による吸気弁30の閉状態保持力よりも弱いの
で、吸気カム42の回転に伴うカム42の輪郭の径方向
変位量は主として第1ロッカーアーム55に対する第2
ロッカーアーム74の揺動によって吸気カム42の輪郭
の径方向変位量が吸収されることになり、第1ロッカー
アーム55は直接駆動を受けない。すなわち、吸気カム
42が回転していてもこれにローラ78がスプリング6
6の力で接触しながら第2ロッカーアーム74が揺動す
るだけであり、吸気弁26,27は直接駆動されず、休
止状態となる。
【0036】ただし、上記第2ロッカーアーム47の揺
動に伴い、これに固定されている揺動カム82がアジャ
スタ84と摺接することにより、このアジャスタ84か
ら第2ロッカーアーム82に下向きの力が加えられるた
め、この力で第2ロッカーアーム74及び第1のロッカ
ーアーム55は一体にロッカーシャフト55を中心とし
て図1時計回り方向に微小量だけ動き、これにより吸気
弁26,27が微小量だけリフトされる(すなわち吸気
ポート12,13が僅かに開かれる)ことになる。
【0037】一方、上記吸気カムシャフト38の回転に
伴い、この吸気カムシャフト38とともに吸気カム44
が回転し、この回転に伴って動弁装置52の作用で吸気
弁28が通常に開閉駆動され、同様に排気カムシャフト
40の回転で排気弁29も開閉駆動される。従って、吸
気弁28及び排気弁29のリフト量は図7実線、吸気弁
26,27のリフト量は同図二点鎖線でそれぞれ示され
るようになる。このような弁開閉により、吸気弁28に
対応する吸気ポート14からのみ主なる吸気が行われ、
これにより燃焼室11内には図6矢印に示すようなスワ
ールSが形成されて燃料とエアとの混合が促進される。
【0038】この時、図2に示すようにインジェクタ2
2は集合吸気通路20に設けられているので、このイン
ジェクタ22から噴射される燃料は休止中の吸気弁2
6,27に対しても供給されることになるが、上述のよ
うに吸気弁26,27は休止中も微小量だけリフトされ
るので、上記燃料は吸気弁26,27の上流側に溜るこ
となく吸気ポート12,13から燃焼室11内に円滑に
逃がされる。
【0039】この低回転時に対し、エンジン高回転時に
は、図1,2に示す油路68及び連通孔70を通じて収
納室62内に油圧が導入され、この油圧でプランジャ6
4はスプリング66の弾発力に抗して図1二点鎖線に示
されるように基部58の外側に押し出される。この突出
状態のプランジャ64により、揺動軸72を中心とする
第2ロッカーアーム74の図1反時計回り方向の回動が
規制されるため、吸気カム42の回転に伴い、そのリフ
ト量と同等の量だけ第2ロッカーアーム74及び第1ロ
ッカーアーム55が一体に揺動することとなり、これに
よって吸気弁26,27は吸気弁28や排気弁29と同
等に通常のストロークで開閉駆動される。このようにし
て全吸気弁26〜28が通常開閉されることにより、低
回転時よりも多くの吸気量が確保される。
【0040】以上のように、この装置では、従来のよう
にロッカーシャフト回りに揺動する2つのロッカーアー
ムを並設するのではなく、ロッカーシャフト48回りに
揺動する第1ロッカーアーム55に第2ロッカーアーム
74を揺動可能に取付け、吸気弁26,27を休止させ
たい場合には第1ロッカーアーム55に対する第2ロッ
カーアーム74の回動を許容してこの回動により吸気カ
ム42の輪郭の径方向変位量を吸収するようにしたもの
であるので、動弁装置50に対して原則的に一つの吸気
カム42を設けるだけでも、休止中における両ロッカー
アーム55,74のばたつきを確実に防ぐことができ
る。よって従来装置、例えば図8に示す装置のように、
両ロッカーアーム106,108をカムシャフト100
側に押付ける必要がある場合に比べ、装置の設置スペー
ス(特にカムシャフト38の軸方向のスペース)及びエ
ンジンの総重量を削減することができるとともに、カム
シャフト38がその回転中に押圧を受ける個所を1個所
すなわち吸気カム42とローラ78との接触個所のみに
することにより、吸気カムシャフト38の駆動トルクの
ロスも低減させることができる効果がある。
【0041】また、この実施例では、一部の吸気弁2
6,27のみを休止対象吸気弁とし、エンジン低回転時
等には吸気弁28のみを通常量開閉駆動するようにして
いるので、上記吸気弁28のみからの吸気によって燃焼
室11内に良好なスワールSを形成することができる。
しかも、第2ロッカーアーム74の揺動に伴って揺動カ
ム82とアジャスタ84とが摺接することにより両ロッ
カーアーム55,74が一体に微小量揺動するようにし
ているので、休止している吸気弁26,27に対して燃
料が供給されても、これら吸気弁26,27を微小量開
くことによって上記燃料を燃料室11内に円滑に逃がす
ことができる。
【0042】特に、この実施例では、3つの吸気弁26
〜28を設け、そのうち一端の吸気弁28のみを休止対
象吸気弁としているので、吸気弁26,27の休止中に
吸気弁28からの吸気で燃焼室11内に周方向のスワー
ルSを容易に形成することができる一方、全吸気弁26
〜28を開閉駆動することにより休止時に比べて吸気量
を大幅に拡大することができる利点がある。
【0043】なお、上記実施例では、一つの気筒に複数
の吸気弁26〜28を設けたものを示したが、一つの気
筒に単一の吸気弁が設けられたエンジンにおいてこの吸
気弁を休止させたい場合(例えばエンジンの使用気筒数
を制御したい場合)等にも本発明を上記と同様にして適
用することができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、ロッカーシャフ
ト回りに揺動する第1ロッカーアームのアーム部の揺動
端部に第2ロッカーアームを揺動可能に取付けるととも
に、第1ロッカーアームの基部に形成された収納室及び
これに収納されるプランジャを有する揺動切換手段を第
2ロッカーアームの揺動を許容する解放状態と規制する
規制状態とに切換えることにより吸気弁を開閉駆動状態
と休止状態とに切換えるようにしたものであるので、動
弁装置に対し原則的にカムを一つ設けるだけで、休止切
換及び休止中における両ロッカーアームのばたつき防止
を行うことができる。よって従来装置、すなわちロッカ
ーシャフト回りに揺動する2つのロッカーアームが並設
され、両ロッカーアームを常時カムシャフト側に押付け
る必要がある装置に比べ、装置の設置スペース(特にカ
ムシャフトの軸方向のスペース)及びエンジン総重量を
削減するできるとともに、カムシャフトがその回転中に
押圧を受ける個所を1個所すなわちカムと第2ロッカー
アームとの接触個所のみにすることにより、カムシャフ
トの駆動トルクのロスも低減させることができる効果が
ある。
【0045】さらに、一部の吸気弁のみを休止対象吸気
弁とし、その休止中に通常開閉吸気弁からのみ吸気を行
うことにより、燃焼室内にスワールを形成して燃料とエ
アとの混合を促すことができる。しかも、第2ロッカー
アームの揺動に伴う揺動カムと接触部材との摺接で両ロ
ッカーアームがロッカーシャフト回りに一体に微小量揺
動するようにしているので、上記休止対象吸気弁に対し
て燃料が供給されても、これら吸気弁を微小量開くこと
によって上記燃料を燃料室内に円滑に逃がすことができ
る効果がある。
【0046】特に、請求項2記載の装置では、3つの吸
気弁を設け、そのうち一端の吸気弁のみを通常開閉吸気
弁としているので、残りの休止対象吸気弁を休止して通
常開閉吸気弁からのみ吸気を行うことにより、燃焼室内
に周方向のスワールをより容易に形成することができる
とともに、全吸気弁を開閉駆動することにより上記休止
時に比べ吸気量を大幅に拡大することができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図4のA−A線断面図であり本発明の一実施例
におけるエンジンの弁休止機構付動弁装置を示す断面正
面図である。
【図2】上記エンジンのシリンダヘッド及びその内部構
造を示す断面正面図である。
【図3】上記エンジンに設けられる吸気通路を示す模式
図である。
【図4】上記エンジンの吸気側動弁装置を示す平面図で
ある。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】上記エンジンの燃焼室内に形成されるスワール
を示す斜視図である。
【図7】上記エンジンにおける吸気弁及び排気弁のリフ
ト量を示すグラフである。
【図8】従来のエンジンの弁休止機構付動弁装置を示す
断面正面図である。
【符号の説明】
10 シリンダヘッド 11 燃焼室 12,13,14 吸気ポート 26,27 吸気弁(休止対象吸気弁) 28 吸気弁(常時開閉吸気弁) 38 吸気カムシャフト 42 吸気カム 48 ロッカーシャフト 50 動弁装置 55 第1ロッカーアーム 59 弁接触部 64 プランジャ(揺動切換手段) 66 スプリング(揺動切換手段) 72 揺動軸(第2ロッカーアームの揺動中心軸) 74 第2ロッカーアーム 78 ローラ(カム接触部) 80 スプリング(付勢手段) 82 揺動カム 84 アジャスタ(接触部材)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁が閉状態保持手段により閉位置に
    保持されたエンジンに設けられ、このエンジンのカムシ
    ャフトに固定されたカムの回転に伴って上記吸気弁を上
    記閉状態保持手段の保持力に抗して開閉作動させる状態
    と吸気弁を休止させる状態とに切換えられるエンジンの
    弁休止機構付動弁装置において、ロッカーシャフトと、
    このロッカーシャフトに同ロッカーシャフトを中心とし
    て揺動可能に連結される基部及びこの基部から延びるア
    ーム部を有し、このアーム部が上記吸気弁と接触する第
    1ロッカーアームと、この第1ロッカーアームにおける
    アーム部の揺動端部に上記ロッカーシャフトと平行な軸
    回りに揺動可能に取付けられ、その揺動中心から上記ロ
    ッカーシャフト側に向かって延び、その揺動端部に上記
    カムと接触するカム接触部が設けられた第2ロッカーア
    ームと、上記第1ロッカーアームに対して上記第2ロッ
    カーアームをそのカム接触部が上記カムに圧接する方向
    に上記閉状態保持手段の保持力よりも弱い力で付勢する
    付勢手段と、上記第1ロッカーアームに対する第2ロッ
    カーアームの揺動を許容する解放状態と規制する規制状
    態とに切換えられる揺動切換手段とを備え上記エンジ
    ンの一つの気筒に対して複数の吸気弁を設け、これらの
    吸気弁のうちの一部を上記カムシャフトの回転に伴って
    常時開閉作動する常時開閉吸気弁とし、残りの吸気弁を
    休止対象吸気弁とし、この休止対象吸気弁のみに上記第
    1ロッカーアームが接触して同吸気弁を開閉するように
    第1ロッカーアームを構成するとともに、上記第2ロッ
    カーアームに揺動カムを設け、第1ロッカーアームが上
    記吸気弁に接触した状態で上記揺動カムに接触する位置
    に接触部材を固定するとともに、上記第1のロッカーア
    ームに対する第2のロッカーアームの揺動に伴い第1ロ
    ッカーアームが吸気弁を開く方向に微小量揺動するよう
    に上記揺動カムの形状を設定したことを特徴とするエン
    ジンの弁休止機構付動弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載のエンジンの弁休止機構付
    動弁装置において、上記エンジンに3つの吸気弁を設け
    るとともに、そのうち一端に位置する吸気弁を上記常時
    開閉吸気弁とし、残りの2つの吸気弁を上記休止対象吸
    気弁としたことを特徴とするエンジンの弁休止機構付動
    弁装置。
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