JP3357860B2 - タオル用無杼織機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法 - Google Patents
タオル用無杼織機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法Info
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Description
のタックイン装置におけるタックイン耳組方法に関す
る。
通りの方法が一般的に知られている。第一は、パイル組
織、非パイル組織のいずれも、織成サイクル毎にタック
インする手法である。第二は、特許第25018457
号公報に示されているように、パイル組織では、パイル
形成の1リピート内に緯入れした全ての緯糸を、次のパ
イル形成のリピートにおける一番目の緯糸の織成サイク
ルにまとめてタックインし、非パイル組織では、織成サ
イクル毎にタックインする手法である。
サイクル毎に取る必要があるので、織機の回転数を上げ
ることができない。しかも織成サイクル毎にタックイン
装置を使用するので、タックイン装置の摩耗が激しく、
ひいてはメンテナンス周期が短くなるという欠点があっ
た。また、織成サイクル毎にタックインすることは、電
力消費がかさむことにも繋がった。第二の手法は、上記
欠点を解消していたが、その反面、パイル組織での織耳
では、まとめてタックインした部分が、それ以外の部分
に比べて極端に厚地になり、見栄えが悪くなるという別
の欠点が生じた。特に、太い緯糸を用いた場合や、1リ
ピート内に緯入れした緯糸の本数が多い場合には、見栄
えが一段と悪くなった。
上記実情を考慮して開発されたもので、その目的は、織
成サイクル毎にタックインする手法に比べて、織物の生
産時間の短縮化と、タックイン装置のメンテナンス周期
の長期化と、省電力とを図ることができ、しかも、各リ
ピート内に緯入れした全ての緯糸を一度にまとめてタッ
クインする手法に比べて、パイル組織の織耳の見栄えを
向上することである。
が太い場合には、見栄えの悪さが際立って目立つが、細
い場合、具体的にいえば綿12番手程度の太さの場合に
は、比較的目立ちにくいものである。そこで、太い緯糸
を用いる部分と、細い緯糸を用いる部分とが混在する形
態の織物を一連の製織作業によって作成する場合に、細
い緯糸を用いる部分には第二の手法を用い、太い緯糸を
用いる部分にはパイル組織の織耳の見栄えが第二の手法
よりも向上した別の手法を用いることを、本発明者は思
い付いた。請求項2記載の発明の目的は、太い緯糸を用
いる部分と細い緯糸を用いる部分とが混在する織物を製
織する際に、いかなる太さの緯糸を用いた場合でも、織
成サイクル毎にタックインする手法に比べて、織機回転
数の高速化と、タックイン装置のメンテナンス周期の長
期化と、省電力とを図ることができ、しかも、太い緯糸
を用いる場合には、各リピート内に緯入れした全ての緯
糸を一度にまとめてタックインする手法に比べて、パイ
ル組織の織耳の見栄えを向上することである。
織と非パイル組織とでタックインの手法が異なっている
ので、タックインを行うタイミングの設定が面倒であっ
た。請求項3記載の発明の目的は、請求項1記載の発明
の目的に加え、さらに、タックインを行うタイミングの
設定を容易にすることである。
パイル組織の製織時には、パイル形成の1リピート内に
緯入れした複数本の緯糸の端部のタックインを複数回に
分けて行い、その内の少なくとも一回のタックインは複
数本の緯糸端部をまとめて行い、かつ最後のタックイン
は次のパイル形成のリピートにおける一番目の緯糸の織
成サイクルに行うことを特徴とする。
成サイクル」とは、筬打ちから次の筬打ちまでの一連の
動作を意味する。「パイル形成の1リピート」とは、パ
イル形成用の筬打ちから、次のパイル形成用の筬打ちま
での一連の動作を意味する。また、タックインの仕方を
具体的に説明すれば、パイル形成の1リピートで三本の
緯糸が緯入れされる場合には、二通りの仕方がある。第
一は、初めに二本の緯糸端部のタックインを行い、最後
に一本の緯糸端部のタックインを行う仕方である。第二
は、初めに一本の緯糸端部のタックインを行い、最後に
二本の緯糸端部のタックインを行う仕方である。複数本
が四本である場合には、6通りの仕方がある。第一は、
一回目と二回目に一本の緯糸端部のタックインを行い、
最後の三回目に二本の緯糸端部のタックインを行う仕方
である。第二は、一回目と最後の三回目に一本の緯糸端
部のタックインを行い、二回目に二本の緯糸端部のタッ
クインを行う仕方である。第三は、一回目に二本の緯糸
端部のタックインを行い、二回目と最後の三回目に一本
の緯糸端部のタックインを行う仕方である。第四は、初
めに三本の緯糸端部のタックインを行い、最後に一本の
緯糸端部のタックインを行う仕方である。第五は、初め
に一本の緯糸端部のタックインを行い、最後に三本の緯
糸端部のタックインを行う仕方である。第六は、一回目
と二回目に二本の緯糸端部のタックインを行う仕方であ
る。
時には、請求項1記載のタオル用無杼織機のタックイン
装置におけるタックイン耳組方法と、パイル形成の1リ
ピート内に緯入れした複数本の緯糸の端部のタックイン
を、次のパイル形成のリピートにおける一番目の緯糸の
織成サイクルにまとめて行うタオル用無杼織機のタック
イン装置におけるタックイン耳組方法と、の両タックイ
ン耳組方法を、一連の製織中に切り替えて使用可能に制
御することを特徴とする。
に織物を製作する作業中のことを意味する。
イル組織とを組合わせて一連の製織をするタオル用無杼
織機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法にお
いて、前記パイル組織の製織時には、請求項1記載のタ
オル用無杼織機のタックイン装置におけるタックイン耳
組方法を適用し、前記非パイル組織の製織時には、前記
パイル組織の製織時と同一のパターンのタオル用無杼織
機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法を適用
することを特徴とする。
る。パイル組織の製織時に、パイル形成の1リピート内
に緯入れされる緯糸の本数を三本とし、初めに二本の緯
糸端部のタックインを行い、次に一本の緯糸端部のタッ
クインを行う仕方を用いたと仮定すると、非パイル組織
の製織時にも、初めに二本の緯糸端部のタックインを行
い、次に一本の緯糸端部のタックインを行う仕方を、繰
り返し用いることである。
ために、図2に基づいて布移動方式を採用したタオル用
空気噴射式織機の空気圧により緯糸端部の把持、タック
を行うニードルレスタックイン装置の構造を簡単に説明
する。1は筬、2は緯入れノズル、3は地経糸、4はパ
イル経糸、5は緯糸、6は織前、7は織布、8は織耳、
9はタックイン耳組装置である。
て織る複数取りを行うため、タックイン耳組装置9は、
それぞれの織物の左右両端に設けてあり、アクチュエー
タ11とカッター12を備え、緯糸5の端部をカッター
12によって切断し、アクチュエータ11のエアーブロ
ーによって、緯糸5の端部を経糸開口部にタックインす
るものである。カッター12の作動は、給糸側では緯入
れ毎に行う必要があるが、その他の部分では通常タック
インする直前に行う。
ックイン作動指示部13からアクチュエータ11に出力
されるタックイン作動信号に基づいて行われる。タック
イン作動信号が出力される時期は、エンコーダ14から
受けたクランク軸の回転角度つまりクランク角と、ドビ
ーのパターンコントロール部15から受けたパイル組織
信号もしくは非パイル組織信号とが、タイミング設定器
16によって入力された設定条件と一致した時期であ
る。
指示部13からアクチュエータ11にタックイン作動信
号を出力する時期を、パイル組織製織時の場合と、非パ
イル組織製織時の場合との二通りを設定するものであ
る。
に説明する。これは、パイル組織では、パイル形成の1
リピート内に緯入れする緯糸5の本数が三本であり、一
番目と二番目の緯糸51,52をまとめてタックインする
と共に、三番目の緯糸53を1本だけタックインし、非
パイル組織では、緯糸510,511,512,…を織成サイ
クル毎にタックインする方法である。
織と非パイル組織とに分けて以下に詳しく説明する。
コントロール部15からパイル組織信号が出力される。
(2)一番目の緯糸51 は緯入れされた後に、給糸側端
部をカッター12で切断し、糸端をエアーにより吸引把
持する。(3)一番目の緯糸51の緯入れと前後して布
を反筬方向に移動し、一番目の緯糸51 の筬打ちが行わ
れ、続いて二番目の緯糸52 が緯入れされ、給糸側端部
をカッター12で切断し、糸端をエアーにより吸引把持
する。(4)二番目の緯糸52 の筬打ち後、エンコーダ
14から入力されるクランク角信号が設定値になると、
タックイン作動指令部13からタックイン作動信号が出
力される。2本の緯糸51 ,52 の反給糸側端部がカッ
ター12でまとめて切断され、その後、アクチュエータ
11のエアブローにより、給糸側と反給糸側で緯糸
51 ,52 の端部が、三番目の緯糸53 用に開き始めた
経糸開口に挿入される。挿入後、エアブローを停止させ
る。(5)三番目の緯糸53 の緯入れ後、給糸側端部を
カッター12で切断し、糸端をエアーにより吸引把持す
る。三番目の緯糸53 の緯入れと前後して布を筬方向に
移動させて、筬打ちし、パイルが形成されると共に、
一、二番目の緯糸51 ,52 のタックイン組織が織耳8
に形成される。(6)クランク角信号が設定値になる
と、タックイン作動信号が出力される。三番目の緯糸5
3 の反給糸側端部がカッター12によって切断され、ア
クチュエータ11のエアブローにより、次のリピートの
一番目の緯糸51 用に開き始めた経糸開口に両端部が挿
入される。挿入後、エアブローを停止させる。(7)、
(2)と同様に、一番目の緯糸51 は緯入れされた後
に、給糸側端部をカッター12で切断し、糸端をエアー
により吸引把持する。(8)一番目の緯糸51 の緯入れ
と前後して布を反筬方向に移動し、一番目の緯糸51 の
筬打ちが行われ、三番目の緯糸53 のタックイン組織が
織耳8に形成される。(9)以後、繰り返し。
ンコントロール部15から非パイル組織信号が出力され
る。(2)緯糸510は緯入れされた後に、給糸側端部を
カッター12で切断し、糸端をエアーにより吸引把持す
る。(3)緯糸510の筬打ち後、クランク角度が設定値
になると、タックイン作動指令部13からのタックイン
作動信号が出力される。反給糸側端部をカッター12で
切断し、アクチュエータ11のエアブローにより、緯糸
510の両端部を次の緯糸511用に開き始めた経糸開口に
挿入する。挿入後、エアブローを停止させる。(4)次
の緯糸511の緯入れ後、給糸側端部をカッター12で切
断し、糸端をエアーにより吸引把持する。(5)緯糸5
11を筬打ちし、緯糸510のタックイン組織が織耳8に形
成される。クランク角信号が設定値になると、タックイ
ン作動信号が出力される。(6)以後、繰り返し。
れは、パイル組織では、パイル形成の1リピート内に緯
入れする緯糸5の本数が三本であり、前記した第一例で
用いた方法、すなわち一番目と二番目の緯糸51 ,52
をまとめてタックインすると共に、三番目の緯糸53 を
1本だけタックインする方法(以下、分割タックイン方
法と呼称する)と、三本の緯糸51 ,52 ,53 をまと
めてタックインする手法(以下、一括タックイン方法と
呼称する)と、の両方法を、一連の製織中に切り替えて
使用可能に制御し、非パイル組織では、緯糸510,
511,512,…を織成サイクル毎にタックインする方法
である。
法とを、切り替えて使用可能に制御する仕方は、ドビー
のパターンコントロール部15からタックイン作動指令
部13に、パイル組織分割タックイン信号、またはパイ
ル組織一括タックイン信号が出力されることによって行
われる。パイル組織分割タックイン信号が出力された場
合には、分割タックイン方法を行う。パイル組織一括タ
ックイン信号が出力された場合には、一括タックイン方
法を行う。
づいて説明する。(1)一番目の緯糸51 は緯入れされ
た後に、給糸側端部をカッター12で切断し、糸端をエ
アーにより吸引把持する。(2)一番目の緯糸51 の緯
入れと前後して布を反筬方向に移動し、一番目の緯糸5
1 の筬打ちが行われ、続いて二番目の緯糸52 が緯入れ
され、給糸側端部をカッター12で切断し、糸端をエア
ーにより吸引把持する。(3)二番目の緯糸52 の筬打
ちが行われ、続いて三番目の緯糸53 が緯入れされ、給
糸側端部をカッター12で切断し、糸端をエアーにより
吸引把持する。(4)三番目の緯糸53 の緯入れと前後
して布を筬方向に移動し、筬打ちし、パイルが形成され
る。(5)クランク角信号が設定値になると、タックイ
ン作動指令部13からタックイン作動信号が出力され
る。三本の緯糸51 ,52 ,53 の反給糸側端部がカッ
ター12でまとめて切断され、その後、アクチュエータ
11のエアブローにより、給糸側と反給糸側で緯糸
51 ,52 ,53 の端部が、開き始めたパイル形成の次
のリピートの一番目の緯糸51 用の経糸開口部に挿入さ
れる。挿入後、エアブローを停止させる。(6)一番目
の緯糸51 は緯入れされた後に、給糸側端部をカッター
12で切断し、糸端をエアーにより吸引把持する。
(7)一番目の緯糸51 の緯入れと前後して布を反筬方
向に移動し、一番目の緯糸51 の筬打ちが行われ、三本
の緯糸51 ,52 ,53 のタックイン組織が織耳8に形
成される。(8)以後、繰り返し。
リピート内に緯入れした複数本の緯糸の端部のタックイ
ンを複数回に分けて行い、少なくとも一回のタックイン
は複数本の緯糸端部をまとめて行うものなので、緯糸の
織成サイクル毎にタックインする方法に比べて、タック
インの回数が減り、その結果、織機回転数の高速化と、
タックイン装置のメンテナンス周期の長期化と、エアブ
ロー回数の減少による省電力とを図ることができる。ま
た、反給糸側端部を複数本まとめてタックインする直前
にカットするようにすれば、カットの回数が減ることに
も繋がり、カッターの摩耗を抑えられる。さらに、各リ
ピート内で緯入れしたタックイン組織の箇所が複数箇所
に分散されるので、各リピート内に緯入れした全ての緯
糸端部を一度にまとめてタックインする手法に比べて、
パイル組織の織耳の見栄えが向上する。
部分と、細い緯糸を用いる部分とが混在する織物を製織
する際に、細い緯糸を用いる部分には、各リピート内に
緯入れした前記本数の緯糸の端部を一度にまとめてタッ
クインする方法を適用し、太い緯糸を用いる部分には、
各リピート内に緯入れした複数本の緯糸の端部のタック
インを複数回に分けて行い、少なくとも一回のタックイ
ンは複数本の緯糸端部をまとめて行う手法を適用するこ
とが可能となり、その結果、緯糸の織成サイクル毎にタ
ックインする方法に比べて、織機回転数の高速化と、タ
ックイン装置のメンテナンス周期の長期化と、エアブロ
ー回数の減少による省電力とを図ることができ、しか
も、各リピート内に緯入れした全ての緯糸を一度にまと
めてタックインする手法に比べて、太い緯糸を用いるパ
イル組織の織耳の見栄えを向上することができる。
明の効果に加え、さらに、タックインのパターンがパイ
ル組織と非パイル組織とで同一なので、タックインを行
うタイミングの設定が容易になる。
説明図である。
ン装置の概略構造を示す図面である。
ックイン時期を示すタイミングチャートである。
用いて製織された織物を示す説明図である。
時期を示すタイミングチャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 パイル組織の製織時には、パイル形成の
1リピート内に緯入れした複数本の緯糸の端部のタック
インを複数回に分けて行い、その内の少なくとも一回の
タックインは複数本の緯糸端部をまとめて行い、かつ最
後のタックインは次のパイル形成のリピートにおける一
番目の緯糸の織成サイクルに行うことを特徴とするタオ
ル用無杼織機のタックイン装置におけるタックイン耳組
方法。 - 【請求項2】 パイル組織の製織時には、 請求項1記載のタオル用無杼織機のタックイン装置にお
けるタックイン耳組方法と、 パイル形成の1リピート内に緯入れした複数本の緯糸の
端部のタックインを、次のパイル形成のリピートにおけ
る一番目の緯糸の織成サイクルにまとめて行うタオル用
無杼織機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法
と、の両タックイン耳組方法を、一連の製織中に切り替
えて使用可能に制御することを特徴とするタオル用無杼
織機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法。 - 【請求項3】 パイル組織と非パイル組織とを組合わせ
て一連の製織をするタオル用無杼織機のタックイン装置
におけるタックイン耳組方法において、 前記パイル組織の製織時には、請求項1記載のタオル用
無杼織機のタックイン装置におけるタックイン耳組方法
を適用し、前記非パイル組織の製織時には、前記パイル
組織の製織時と同一のパターンのタオル用無杼織機のタ
ックイン装置におけるタックイン耳組方法を適用するこ
とを特徴とするタオル用無杼織機のタックイン装置にお
けるタックイン耳組方法。
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