JP3355836B2 - ポリグリセリン脂肪酸エステルペーストの製造方法 - Google Patents
ポリグリセリン脂肪酸エステルペーストの製造方法Info
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Description
エステル(以下、PoGEと略すこともある。)ペース
トの製造方法に関するものである。
ている界面活性剤であり、主として食品用乳化剤や可溶
化剤として用いられているが、更に化粧品、食品用洗浄
剤、口腔内用組成物などへの使用が試みられている。P
oGEの製法としては、通常、ポリグリセリン(以下、
PoGと略することもある。)と脂肪酸とをエステル化
反応させる方法が知られている(特開昭63−2383
7号、特開平3−81252号公報等)。この反応は少
量のアルカリ触媒を用いて生成水を系外に留去しながら
反応させるものである。反応温度は、脂肪酸の種類によ
って異なるが、通常、180〜260℃程度である。あ
まり高温反応だと過反応や脂肪酸の揮発が起こり不利で
ある。
るキャラメル状であるため、取扱いが困難である。即
ち、反応で得られたPoGEを常温に冷却すると、その
種類によっては流動性が殆ど無くなるものもある。従っ
て、PoGEに少量の水を加えてペースト化し、製品の
流動性を改善する方法が採られている。しかしながら、
PoGEに水を加えた場合、均一なペーストとはなり難
く、一方、水にPoGEを加えても、PoGEが撹拌翼
や撹拌槽内壁に付着し、やはり均一な混合物は得られ難
いという問題があった。
性に優れ、取り扱いが容易な、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルペーストを比較的簡単な操作により製造する方法
を提供することにある。
決するためになされたものであり、その要旨は、溶融状
態のポリグリセリン脂肪酸エステルを、30〜99℃の
温度に保持された水に、撹拌下添加混合することを特徴
とするポリグリセリン脂肪酸エステルペーストの製造方
法に存する。
発明におけるPoGEとしては、平均重合度(n)が4
〜14、水酸基価1100〜850であるポリグリセリ
ンとステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリ
ン酸、エルカ酸、ベヘニン酸などのC8 〜C22の飽和ま
たは不飽和の脂肪酸とのエステルが挙げられる。これら
PoGEのエステル化率は、10〜30%であり、エス
テル化率があまり高いものは粘度が高くなりすぎ良好な
ペースト品とはなり難い。また、上記PoGEの中で
も、特に、ステアリン酸エステルはラウリン酸エステル
やオレイン酸エステルに比べ加熱により軟化しにくく、
又ベヘニン酸等に比べ粉末化し難いので、本発明の適用
効果が著しい。
とができる。PoGと脂肪酸とのエステル化反応は、無
触媒でもよいが、アルカリ触媒を用いるのが好ましい。
アルカリ触媒としては、例えばK2 CO3 、KOH、N
a2 CO3 、NaOHなどが挙げられる。また、脂肪酸
の使用量はポリグリセリンに対して0.01〜13モル
倍、好ましくは0.1〜5モル倍である。エステル化反
応は、ジャケット付き加熱攪はん槽タイプの反応器にポ
リグリセリン、脂肪酸、触媒を混合し、200〜260
℃の温度に加熱して、生成水を留去しながら行なうこと
により溶融状態のPoGEが得られる。
の転換率が70%以上、好ましくは80%以上、更に好
ましくは95%以上に達するまでは前記反応温度で反応
を行ない、その後、この温度よりも10〜50℃、好ま
しくは10〜30℃高い温度で反応を続ける。この昇温
後の反応時間は、昇温する際の脂肪酸の転換率により異
なるが、脂肪酸の転換率が100%となった時点から
0.5〜6時間、好ましくは1〜4時間である。反応時
間はこの範囲内で原料の脂肪酸とポリグリセリンのモル
比に応じて適宜選択され、例えば、脂肪酸/ポリグリセ
リン=0.3モル比では1時間、脂肪酸/ポリグリセリ
ン=1.0モル比では2時間、脂肪酸/ポリグリセリン
=5.0モル比では4時間である。この反応時間が短す
ぎると、生成PoGEにおけるモノエステル体の含有量
を多くすることが困難である。又、一連の反応中、反応
器気相部は例えば窒素ガスなどの不活性ガスを流通させ
ておくのが好ましい。反応終了後、反応混合物中に残留
するポリグリセリンの除去は、溶媒抽出等、通常の精製
手段を付加すれば良い。
る溶融状態のPoGEを一定範囲の温度に保持された水
に添加混合することによりペースト状のPoGEを得る
ものである。水に添加するPoGEの温度は、120〜
200℃であり、溶融状態を保っていることが必要であ
る。温度が低いと水中に添加したとき粘性が高くなり、
塊状となりやすく、均一のペーストになりにくい。20
0℃を越える温度の場合は、ペースト化途中でPoGE
と水との混合液が100℃を越えやすく、突沸状態とな
ったり、水の蒸発が激しくPoGE/水混合比のコント
ロールが困難となるので好ましくない。
oGEが添加されつつある水の温度は30〜99℃、好
ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃の
範囲に保持する。温度が低すぎると、溶融状態のPoG
Eが塊状となり均一のペースト状になりにくく、また粘
性が高くなり攪拌翼にからみつくことがある。温度が高
すぎると、ペースト化途中で100℃を越えるので好ま
しくない。30℃未満の水に高温のPoGEを添加した
場合でも、混合物の温度は30℃以上に達するが、均一
なペーストにはなり難い。ペースト化時の水の最適温度
は、PoGEのエステル化率(脂肪酸/PoG仕込モル
比)により異なり、エステル化率24%(脂肪酸/Po
G=2モル比)未満では40〜80℃が好ましく、エス
テル化率24〜30%(脂肪酸/PoG=2〜3モル
比)では60〜80℃が好ましい。
oGEの総量に対して、0.3〜3重量倍、好ましくは
0.6〜2重量倍である。なお、必要に応じて、PoG
E添加終了後に適量の水を追加してペースト品の濃度調
整を行なっても差し支えない。また、ここで用いる水と
しては食品用途等にも用いることのできる高純度のもの
が望ましく、例えば、Naイオンが50ppb以下、C
aイオンが50ppb以下の精製水を用いるのが好まし
い。
g/hr・kg−水で、好ましくは2〜5kg/hr・
kg−水である。供給速度が遅いと、ペーストは得られ
るが生産性に影響を及ぼす。供給速度が速いとペースト
化途中で部分的に100℃を越え、突沸状態となった
り、水の蒸発が激しくPoGE/水混合比のコントロー
ルが困難となるので好ましくない。
加混合する際混合槽は通常、加熱用ジャケットを備え、
攪拌効率を良くするために邪魔板を備えた攪拌槽が好ま
しい。攪拌翼の形状は平羽根型、パドル型、かい十字
型、ファンタービン型、ディスクタービン型、いかり型
のいずれかでよいが、上下方向の攪拌を伴うディスクタ
ービン型、いかり型が好ましい。攪拌動力は1W/kg
−混合物以上が好ましい。攪拌動力が小さいと均一のペ
ースト状にならず、混合槽内壁に塊状となって付着した
り、粘性が高くなり攪拌翼にからまったりするので好ま
しくない。
の粘性物であり、そのままでも乳化剤等の用途に用いる
ことができるが、80℃以上に保つことにより殺菌する
ことができる。80℃以上に保ったままポリエチレン等
の包材に充填し、ヒートシールすることにより滅菌した
状態で市場に供給することができ、食品用乳化剤、食
品、食器洗浄剤、歯磨等の口腔内組成物として用いるこ
とができる。
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。 〔実施例1〕ポリグリセリン{重合度(n) 10、水
酸基価 888mgKOH/g}11.0kgとステア
リン酸3.69kgを加熱ジャケットを備えた攪拌型反
応器に仕込み、240℃に昇温した後、10wt%苛性
ソーダ水溶液3.5mlを加え、2.25時間エステル
化反応を行なった。この時の脂肪酸の転換率は99%で
あった。そして、この反応混合物を引き続き260℃に
昇温し、4時間保持し、反応混合物13.8kg得た。
この時、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率
は22.7%であった。一方、いかり型の攪拌翼を装備
した加熱ジャケット付攪拌混合槽に精製水(Na+ ,C
a2+ 50ppb以下)20.7kgを仕込み、これを
40℃に加熱保持し、これに上記で合成したポリグリセ
リンステアリン酸エステルの溶融品(170℃)を2
7.6kg/hrの供給速度で30分かけて、攪拌動力
2W/kg−混合物の攪拌下添加混合した。この際の混
合槽内の温度は75℃であった。この結果、均一な40
wt%PoGEペーストが得られた。
水の温度を20℃に保持した以外は実施例1と同様にし
てPoGEペーストを製造したが、ペーストの粘性が高
くなりまた、混合槽内壁に塊状となって付着し攪拌翼に
からまり、均一のペーストが得られなかった。
作により、均一性に優れ、取り扱いが容易なPoGEペ
ーストを得ることができ、食品用乳化剤、洗浄剤、口腔
内組成物等に使用の際の作業性を向上させることができ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 溶融状態のポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを、30〜99℃の温度に保持された水に、攪拌下、
添加混合することを特徴とするポリグリセリン脂肪酸エ
ステルペーストの製造方法。 - 【請求項2】 ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステ
ル化率が10〜30%である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 ポリグリセリン脂肪酸エステルが平均重
合度4〜14のポリグリセリンとC8-22の飽和又は不飽
和脂肪酸とのエステルである請求項1又は2に記載の方
法。 - 【請求項4】 溶融状態のポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの温度が120〜200℃である請求項1記載の方
法。 - 【請求項5】 水の量が添加されるポリグリセリン脂肪
酸エステルの総量に対して、0.3〜3重量倍である請
求項1又は4に記載の方法。 - 【請求項6】 ポリグリセリン脂肪酸エステルの水への
添加速度が1〜15kg/hr・kg−水である請求項
1又は5に記載の方法。 - 【請求項7】 攪拌動力が1W/kg−混合物以上であ
る請求項1又は6に記載の方法。
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JP32067394A JP3355836B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | ポリグリセリン脂肪酸エステルペーストの製造方法 |
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1994
- 1994-12-22 JP JP32067394A patent/JP3355836B2/ja not_active Expired - Fee Related
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