JP2639550B2 - 粉末起泡剤 - Google Patents
粉末起泡剤Info
- Publication number
- JP2639550B2 JP2639550B2 JP63067600A JP6760088A JP2639550B2 JP 2639550 B2 JP2639550 B2 JP 2639550B2 JP 63067600 A JP63067600 A JP 63067600A JP 6760088 A JP6760088 A JP 6760088A JP 2639550 B2 JP2639550 B2 JP 2639550B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fatty acid
- foaming agent
- acid ester
- maltose
- powder
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- Expired - Lifetime
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- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉末起泡剤に関する。詳しくは、β−マル
トース含水結晶を含有し、保存安定性がよく、起泡性の
高い粉末起泡剤に関するものである。
トース含水結晶を含有し、保存安定性がよく、起泡性の
高い粉末起泡剤に関するものである。
従来、食品用等に使用される起泡剤は、各種の界面活
性剤を配合したペースト品が主体である。しかし、ペー
スト状起泡剤では、プレミックス粉で代表される粉末系
食品に配合することが非常に困難である。一方、粉末系
食品に配合することが容易な粉末状起泡剤、例えば溶融
状の糖類および/または糖アルコールを用いた粉末状乳
化起泡剤(特公昭54−37219号公報参照)は、その起和
合力が経時的に著しく低下する欠点がある。
性剤を配合したペースト品が主体である。しかし、ペー
スト状起泡剤では、プレミックス粉で代表される粉末系
食品に配合することが非常に困難である。一方、粉末系
食品に配合することが容易な粉末状起泡剤、例えば溶融
状の糖類および/または糖アルコールを用いた粉末状乳
化起泡剤(特公昭54−37219号公報参照)は、その起和
合力が経時的に著しく低下する欠点がある。
本発明者らは、これら欠点を解消するため、取扱いが
容易で、プレミックス粉への使用も可能な経日安定性に
優れた粉末起泡剤の開発に関して鋭意研究を行った。
容易で、プレミックス粉への使用も可能な経日安定性に
優れた粉末起泡剤の開発に関して鋭意研究を行った。
その結果、上記要求が、乳化剤としてショ糖脂肪酸エ
ステルとグリセリン脂肪酸エステルとを含む事を必須と
し、これらを無水結晶マルトースを使用して粉末化する
ことで容易に達成される事、とりわけショ糖脂肪酸エス
テルは、(イ)モノエステル含量%(以下、M%とい
う)が50%以上、(ロ)強熱残留含量%(以下、A%と
いう)が2%以下、および(ハ)(M/10)+Aが6以上
の条件を満足する必要がある事を見出した。
ステルとグリセリン脂肪酸エステルとを含む事を必須と
し、これらを無水結晶マルトースを使用して粉末化する
ことで容易に達成される事、とりわけショ糖脂肪酸エス
テルは、(イ)モノエステル含量%(以下、M%とい
う)が50%以上、(ロ)強熱残留含量%(以下、A%と
いう)が2%以下、および(ハ)(M/10)+Aが6以上
の条件を満足する必要がある事を見出した。
すなわち、少なくともショ糖脂肪酸エステルとグリセ
リン脂肪酸エステルおよび水を含む液状もしくはペース
ト状乳化剤に、無水結晶マルトースを混合してこれをβ
−マルトース含水結晶に変換せしめて粉末品を得るもの
である。
リン脂肪酸エステルおよび水を含む液状もしくはペース
ト状乳化剤に、無水結晶マルトースを混合してこれをβ
−マルトース含水結晶に変換せしめて粉末品を得るもの
である。
本発明に用いられる無水結晶マルトースは、特開昭62
−125854号公報に示される如く、固形物当り85W/W%以
上の高純度マルトースを用い、押出し造粒法、ブロック
粉砕法、噴霧乾燥法、又は流動層造粒法によって製造さ
れる結晶性粉末であり、光学異性体α−マルトースを55
W/W%以上含有し、水分は通常3W/W%未満、望ましくは2
W/W%未満である。この無水結晶マルトースの水に対す
る溶解度は極めて高く、また水を加えることにより、そ
の重量は約5%の水分を取込み、β−マルトース含水結
晶として再結晶する。これらの性質を利用して飲食物な
どの水分を実質的に低減せしめる事が可能であり、粉
砕、噴霧乾燥等の手法を用いて粉末品を調整する事が可
能である。無水結晶マルトースを使用すること粉末化の
機構から粉末化には無水結晶マルトースに対し5W/W%以
上の水の存在が適当であり、さらに粉末品調製時の粉砕
性、および粉末品の流動性から、水の量は25W/W%未満
が望ましい。また、使用される無水結晶マルトースの一
部はβ−マルトース含水結晶とか液状マルトースで代替
することも可能である。
−125854号公報に示される如く、固形物当り85W/W%以
上の高純度マルトースを用い、押出し造粒法、ブロック
粉砕法、噴霧乾燥法、又は流動層造粒法によって製造さ
れる結晶性粉末であり、光学異性体α−マルトースを55
W/W%以上含有し、水分は通常3W/W%未満、望ましくは2
W/W%未満である。この無水結晶マルトースの水に対す
る溶解度は極めて高く、また水を加えることにより、そ
の重量は約5%の水分を取込み、β−マルトース含水結
晶として再結晶する。これらの性質を利用して飲食物な
どの水分を実質的に低減せしめる事が可能であり、粉
砕、噴霧乾燥等の手法を用いて粉末品を調整する事が可
能である。無水結晶マルトースを使用すること粉末化の
機構から粉末化には無水結晶マルトースに対し5W/W%以
上の水の存在が適当であり、さらに粉末品調製時の粉砕
性、および粉末品の流動性から、水の量は25W/W%未満
が望ましい。また、使用される無水結晶マルトースの一
部はβ−マルトース含水結晶とか液状マルトースで代替
することも可能である。
本発明に用いられる乳化剤は、必須成分としてショ糖
脂肪酸エステル、およびグリセリン脂肪酸エステルから
なり、必要に応じてソルビタン脂肪酸エステルやプロピ
レングリコール脂肪酸エステルを添加する事も出来る。
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖をアルカリ触媒存在
下、溶媒として第3級アミン、アミドまたはジメチルス
ルホキシドを使用し、脂肪酸の非ショ糖エステルで処理
するエステル交換方法(特公昭35−13102号公報参
照)、ショ糖、脂肪酸石鹸、水の混合物に脂肪酸エステ
ル、エステル化触媒を加え、高温減圧下で反応させる方
法(特公昭51−14485号公報参照)、ショ糖、脂肪酸エ
ステルもしくは石鹸を親和促進剤として用い、エステル
化触媒存在下、高温でショ糖と脂肪酸エステルを直接反
応させる方法等により製造される。ショ糖脂肪酸エステ
ルのモノエステル含量は、原料のショ糖と脂肪酸または
脂肪酸エステルの比率を変えることによりほぼ0%から
90%程度まで幅広く制御が可能である。ショ糖脂肪酸エ
ステルのモノエステル含量は、ガスクロマトグラフィー
による定量法、例えば食品衛生学雑誌27巻1号37〜43ペ
ージ(1986年)に記載の方法により定量分析される。シ
ョ糖脂肪酸エステルの強熱残留物含量は、製造時の触媒
量、製造条件等により異なる為に、種々のレベルの強熱
残留含量のショ糖脂肪酸エステルを得ることが出来る。
ショ糖脂肪酸エステルの強熱残留物含量は、食品添加物
公定書(第五版)14ページに記載されている強熱残留物
試験法に従って測定される。強熱残留物含量が2.0%を
越えるものは、食品添加物としての規格から外れるので
対象外とされる。モノエステル含量と強熱残留物含量の
異なる種々のショ糖脂肪酸エステルを評価検討した中
で、本発明粉末起泡剤に含まれる炭素数10から22までの
飽和または不飽和の脂肪酸、好ましくは炭素数16から18
の飽和または不飽和の脂肪酸から構成され、モノエステ
ル含量が50%以上で、そのモノエステル含量M%と強熱
残留物含量A%とが、(M/10)+Aの関係において6以
上である異を満足するショ糖脂肪酸エステルが有効であ
ることが判明した。すなわち図で示す様に、種々のM%
およびA%を有するショ糖脂肪酸エステルで調製した粉
末起泡剤を用い性能評価を行った結果、(M/10)+A≧
6の条件を満足する場合には良好、(M/10)+A<6の
場合には不良、との総合判定が得られた。以上の条件を
満たすならば、2種以上のショ糖脂肪酸エステルを混合
することも可能である。
脂肪酸エステル、およびグリセリン脂肪酸エステルから
なり、必要に応じてソルビタン脂肪酸エステルやプロピ
レングリコール脂肪酸エステルを添加する事も出来る。
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖をアルカリ触媒存在
下、溶媒として第3級アミン、アミドまたはジメチルス
ルホキシドを使用し、脂肪酸の非ショ糖エステルで処理
するエステル交換方法(特公昭35−13102号公報参
照)、ショ糖、脂肪酸石鹸、水の混合物に脂肪酸エステ
ル、エステル化触媒を加え、高温減圧下で反応させる方
法(特公昭51−14485号公報参照)、ショ糖、脂肪酸エ
ステルもしくは石鹸を親和促進剤として用い、エステル
化触媒存在下、高温でショ糖と脂肪酸エステルを直接反
応させる方法等により製造される。ショ糖脂肪酸エステ
ルのモノエステル含量は、原料のショ糖と脂肪酸または
脂肪酸エステルの比率を変えることによりほぼ0%から
90%程度まで幅広く制御が可能である。ショ糖脂肪酸エ
ステルのモノエステル含量は、ガスクロマトグラフィー
による定量法、例えば食品衛生学雑誌27巻1号37〜43ペ
ージ(1986年)に記載の方法により定量分析される。シ
ョ糖脂肪酸エステルの強熱残留物含量は、製造時の触媒
量、製造条件等により異なる為に、種々のレベルの強熱
残留含量のショ糖脂肪酸エステルを得ることが出来る。
ショ糖脂肪酸エステルの強熱残留物含量は、食品添加物
公定書(第五版)14ページに記載されている強熱残留物
試験法に従って測定される。強熱残留物含量が2.0%を
越えるものは、食品添加物としての規格から外れるので
対象外とされる。モノエステル含量と強熱残留物含量の
異なる種々のショ糖脂肪酸エステルを評価検討した中
で、本発明粉末起泡剤に含まれる炭素数10から22までの
飽和または不飽和の脂肪酸、好ましくは炭素数16から18
の飽和または不飽和の脂肪酸から構成され、モノエステ
ル含量が50%以上で、そのモノエステル含量M%と強熱
残留物含量A%とが、(M/10)+Aの関係において6以
上である異を満足するショ糖脂肪酸エステルが有効であ
ることが判明した。すなわち図で示す様に、種々のM%
およびA%を有するショ糖脂肪酸エステルで調製した粉
末起泡剤を用い性能評価を行った結果、(M/10)+A≧
6の条件を満足する場合には良好、(M/10)+A<6の
場合には不良、との総合判定が得られた。以上の条件を
満たすならば、2種以上のショ糖脂肪酸エステルを混合
することも可能である。
本発明粉末起泡剤に含まれる乳化剤中のグリセリン脂
肪酸エステルは、炭素数10から22までの飽和または不飽
和の脂肪酸、好ましくは炭素数16〜18の飽和または不飽
和の脂肪酸から構成されるグリセリン脂肪酸モノエステ
ルが適しており、好ましくはいわゆる分子蒸溜モノグリ
が良い。この範囲の複数種類のグリセリン脂肪酸エステ
ルの併用も可能である。
肪酸エステルは、炭素数10から22までの飽和または不飽
和の脂肪酸、好ましくは炭素数16〜18の飽和または不飽
和の脂肪酸から構成されるグリセリン脂肪酸モノエステ
ルが適しており、好ましくはいわゆる分子蒸溜モノグリ
が良い。この範囲の複数種類のグリセリン脂肪酸エステ
ルの併用も可能である。
本発明粉末起泡剤に含まれる乳化剤の配合量は、用い
られる無水結晶マルトース1重量部に対して0.05重量部
以上0.6重量部以下、好ましくは0.1重量部以上0.3重量
部以下が良い。0.05重量部より少ないと、食品に使用す
る場合に本発明組成物の添加量を多くする必要があり、
0.6重量部よりも多い場合は、乳化剤の活性を長期に高
く保持することが難しくなる。本発明粉末起泡剤に含ま
れる乳化剤中のショ糖脂肪酸エステルとグリセリン脂肪
酸エステルとの配合比は、1:7〜7:1、好ましくは1:4〜
4:1が良い。この範囲を外れると満足な起泡力が得られ
ない。
られる無水結晶マルトース1重量部に対して0.05重量部
以上0.6重量部以下、好ましくは0.1重量部以上0.3重量
部以下が良い。0.05重量部より少ないと、食品に使用す
る場合に本発明組成物の添加量を多くする必要があり、
0.6重量部よりも多い場合は、乳化剤の活性を長期に高
く保持することが難しくなる。本発明粉末起泡剤に含ま
れる乳化剤中のショ糖脂肪酸エステルとグリセリン脂肪
酸エステルとの配合比は、1:7〜7:1、好ましくは1:4〜
4:1が良い。この範囲を外れると満足な起泡力が得られ
ない。
以下、本発明を実施例と比較例を対比しながら、更に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
乳化剤等、粉末起泡剤製造に使用した材料成分を表1
に示す。
に示す。
本発明粉末起泡剤は、以下に示す方法により調製され
る。
る。
すなわち、乳化剤中の最高融点以上の温度(例えば、
90℃以上)で、水(及びマルトース)の存在下、液状も
しくはペースト状乳化剤を調製し、無水結晶マルトース
を配合してこれを温和な条件(例えば、室温1日間)で
β−マルトース含水結晶に変換せしめ、粉砕等の手法で
粉末化する事により調製出来る。また、液状もしくはペ
ースト状乳化剤に無水結晶マルトースを配合した混合物
を噴霧乾燥し、同様に温和な条件で無水結晶マルトース
をβ−マルトース含水結晶に変換する事でも調製出来
る。
90℃以上)で、水(及びマルトース)の存在下、液状も
しくはペースト状乳化剤を調製し、無水結晶マルトース
を配合してこれを温和な条件(例えば、室温1日間)で
β−マルトース含水結晶に変換せしめ、粉砕等の手法で
粉末化する事により調製出来る。また、液状もしくはペ
ースト状乳化剤に無水結晶マルトースを配合した混合物
を噴霧乾燥し、同様に温和な条件で無水結晶マルトース
をβ−マルトース含水結晶に変換する事でも調製出来
る。
本発明粉末起泡剤の性能評価は、小麦粉(薄力粉)20
0g、卵200g、砂糖(上白糖)200g、水道水80gに、本発
明粉末起泡剤を乳化剤が対小麦粉濃度で1.2%になる様
に混合して得られたバッター、およびそれを焼成したケ
ーキの各々のOR(容積/重量、ml/g)を測定して行っ
た。
0g、卵200g、砂糖(上白糖)200g、水道水80gに、本発
明粉末起泡剤を乳化剤が対小麦粉濃度で1.2%になる様
に混合して得られたバッター、およびそれを焼成したケ
ーキの各々のOR(容積/重量、ml/g)を測定して行っ
た。
焼成後、組成物がきめ細かで食感の良いケーキを作る
には、バッターのORが2.0よりも大きく、ケーキのORが
3.5以上であることが好ましい。
には、バッターのORが2.0よりも大きく、ケーキのORが
3.5以上であることが好ましい。
実施例1〜3および比較例1,2 各種乳化剤20重量部、無水結晶マルトース70重量部、
および水10重量部の配合で、粉砕方法により粉末起泡剤
を調製し、得られた粉末起泡剤の性能評価を行い、結果
を表2に示す。ショ糖脂肪酸エステルとグリセリン脂肪
酸エステルのいずれかを除いた粉末起泡剤では、起泡力
が著しく低く、両乳化剤とも必須成分であることが明ら
かとなった。
および水10重量部の配合で、粉砕方法により粉末起泡剤
を調製し、得られた粉末起泡剤の性能評価を行い、結果
を表2に示す。ショ糖脂肪酸エステルとグリセリン脂肪
酸エステルのいずれかを除いた粉末起泡剤では、起泡力
が著しく低く、両乳化剤とも必須成分であることが明ら
かとなった。
実施例4〜13および比較例3〜8 以下に示す各種M%、およびA%を有するショ糖ステ
アレートを準備し、実施例2に示す配合で粉末起泡剤を
調製し、得られた起泡剤の性能評価を行った。性能評価
は、粉末起泡剤調製直後および6ヶ月間25℃に保存後に
行った。結果を表3、および図に示す。粉末起泡剤が安
定して良好な性能を発揮するには、ショ糖ステアレート
のM%が50%以上であることを必要とし、かつA%との
関係において、(M/10)+Aが6以上である条件を満足
する必要があることが判明した。
アレートを準備し、実施例2に示す配合で粉末起泡剤を
調製し、得られた起泡剤の性能評価を行った。性能評価
は、粉末起泡剤調製直後および6ヶ月間25℃に保存後に
行った。結果を表3、および図に示す。粉末起泡剤が安
定して良好な性能を発揮するには、ショ糖ステアレート
のM%が50%以上であることを必要とし、かつA%との
関係において、(M/10)+Aが6以上である条件を満足
する必要があることが判明した。
実施例14〜17 表4に示す各種配合の粉末起泡剤を調製し、調製直後
及び6ヶ月間25℃に保存した後、性能評価を行った。そ
の結果を同表に示す。(M/10)+Aが6以上である要件
を満たす1種もしくは複数種のショ糖脂肪酸エステルと
グリセリン脂肪酸エステルの双方を含む粉末起泡剤(実
施例14〜17)は、長期保存安定性に優れている事が判明
した。
及び6ヶ月間25℃に保存した後、性能評価を行った。そ
の結果を同表に示す。(M/10)+Aが6以上である要件
を満たす1種もしくは複数種のショ糖脂肪酸エステルと
グリセリン脂肪酸エステルの双方を含む粉末起泡剤(実
施例14〜17)は、長期保存安定性に優れている事が判明
した。
実施例18 ショ糖ステアレート(モノエステル含量60%、強熱残
留物1.4%)70g、グリセリンモノステアレート130g、無
水結晶マルトース120gを混合する。この混合物に水道水
100gを加え、油浴上で加熱混合して溶解する。90℃前後
に20gの水を蒸発させる。こうして得られたペースト状
乳化剤全量に、さらに無水結晶マルトース600gを加えて
均一に混合する。この混合物を容器に入れ、25℃で2日
間静置固化させる。固化物の一部をX線回折法にて測定
した所、無水結晶マルトースに特徴的ピークは完全に消
失し、代わってβ−マルトース含水結晶に特徴的なピー
クを明確に認めた。この固化物をブレンダーにて粉砕し
た後、35メッシュでフルイ分けし、フルイ通過品を粉末
起泡剤とした。本品に製造直後および6ヶ月保存後の性
能は、表5に示す通り、安定かつ優れていた。
留物1.4%)70g、グリセリンモノステアレート130g、無
水結晶マルトース120gを混合する。この混合物に水道水
100gを加え、油浴上で加熱混合して溶解する。90℃前後
に20gの水を蒸発させる。こうして得られたペースト状
乳化剤全量に、さらに無水結晶マルトース600gを加えて
均一に混合する。この混合物を容器に入れ、25℃で2日
間静置固化させる。固化物の一部をX線回折法にて測定
した所、無水結晶マルトースに特徴的ピークは完全に消
失し、代わってβ−マルトース含水結晶に特徴的なピー
クを明確に認めた。この固化物をブレンダーにて粉砕し
た後、35メッシュでフルイ分けし、フルイ通過品を粉末
起泡剤とした。本品に製造直後および6ヶ月保存後の性
能は、表5に示す通り、安定かつ優れていた。
応用例 スポンジケーキ用プレミックス粉の製造 小麦粉(薄力粉)100重量部、砂糖(上白糖)100重量
部、脱脂粉乳3重量部に、前記実施例18で調製した粉末
起泡剤6重量部を加えて均一にブレンドする。ブレンド
の際、バニラフレーバー0.2重量部を添加した。このプ
レミックス粉を一定量ずつ袋詰めし、25℃に6ヶ月保存
した。
部、脱脂粉乳3重量部に、前記実施例18で調製した粉末
起泡剤6重量部を加えて均一にブレンドする。ブレンド
の際、バニラフレーバー0.2重量部を添加した。このプ
レミックス粉を一定量ずつ袋詰めし、25℃に6ヶ月保存
した。
卵(全卵)200重量部に水80重量部を加えて軽く攪拌
したものに、上記プレミックス粉418重量部を加え、常
法に従いバッターと焼成したケーキのORを測定した。そ
の結果を表5に示す。6ヶ月保存後のプレミックス粉の
バッターおよびケーキのORは、プレミックス粉調製直後
と比較してほとんど低下しておらず、粉末起泡剤単独の
みならず、プレミックス粉に使用した場合にも、長期保
存安定性に優れていることが認められた。
したものに、上記プレミックス粉418重量部を加え、常
法に従いバッターと焼成したケーキのORを測定した。そ
の結果を表5に示す。6ヶ月保存後のプレミックス粉の
バッターおよびケーキのORは、プレミックス粉調製直後
と比較してほとんど低下しておらず、粉末起泡剤単独の
みならず、プレミックス粉に使用した場合にも、長期保
存安定性に優れていることが認められた。
〔発明の効果〕 上記したことから明らかなように、無水結晶マルトー
スを一定条件を満足するショ糖脂肪酸エステルとグリセ
リン脂肪酸エステルの双方を含む液状もしくはペースト
状乳化剤に混合して粉末化したβ−マルトース含水結晶
を含有する粉末起泡剤は、その性能、長期保存安定性に
優れている。また、粉末系食品に配合した場合にも、そ
の優れた性能、長期保存安定性を発揮するため、本粉末
起泡剤を使用することにより、高品質の家庭用、業務用
プレミックス粉を製造することが可能となる。
スを一定条件を満足するショ糖脂肪酸エステルとグリセ
リン脂肪酸エステルの双方を含む液状もしくはペースト
状乳化剤に混合して粉末化したβ−マルトース含水結晶
を含有する粉末起泡剤は、その性能、長期保存安定性に
優れている。また、粉末系食品に配合した場合にも、そ
の優れた性能、長期保存安定性を発揮するため、本粉末
起泡剤を使用することにより、高品質の家庭用、業務用
プレミックス粉を製造することが可能となる。
図は、ショ糖脂肪酸エステルの強熱残留物含量A%とシ
ョ糖脂肪酸エステルのモノエステル含量M%との関係を
示すグラフである。図中の斜線は、(M/10)+A=6を
表す。
ョ糖脂肪酸エステルのモノエステル含量M%との関係を
示すグラフである。図中の斜線は、(M/10)+A=6を
表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 植野 浩志
Claims (1)
- 【請求項1】乳化剤、無水結晶マルトースおよび水を混
合して得られたβ−マルトース含水結晶を含有してなる
粉末起泡剤であって、前記乳化剤が、ショ糖脂肪酸エス
テルとグリセリン脂肪酸エステルを含み、しかも、その
ショ糖脂肪酸エステルは、(イ)モノエステル含量%
(以下、M%という)が50%以上、(ロ)強熱残留含量
%(以下、A%という)が2%以下、および(ハ)(M/
10)+Aが6以上の条件を満足することを特徴とする粉
末起泡剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63067600A JP2639550B2 (ja) | 1988-03-22 | 1988-03-22 | 粉末起泡剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63067600A JP2639550B2 (ja) | 1988-03-22 | 1988-03-22 | 粉末起泡剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01240134A JPH01240134A (ja) | 1989-09-25 |
JP2639550B2 true JP2639550B2 (ja) | 1997-08-13 |
Family
ID=13349573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63067600A Expired - Lifetime JP2639550B2 (ja) | 1988-03-22 | 1988-03-22 | 粉末起泡剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2639550B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0716353B2 (ja) * | 1991-04-23 | 1995-03-01 | 理研ビタミン株式会社 | 粉末起泡剤 |
JP4484217B2 (ja) * | 2005-03-11 | 2010-06-16 | ミヨシ油脂株式会社 | 食用起泡剤 |
JP2011125310A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd | 焼き菓子用食感改質剤、及び焼き菓子 |
-
1988
- 1988-03-22 JP JP63067600A patent/JP2639550B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01240134A (ja) | 1989-09-25 |
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