JP3353642B2 - 積層材料およびそれを用いた包装体 - Google Patents

積層材料およびそれを用いた包装体

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JP3353642B2 JP10184997A JP10184997A JP3353642B2 JP 3353642 B2 JP3353642 B2 JP 3353642B2 JP 10184997 A JP10184997 A JP 10184997A JP 10184997 A JP10184997 A JP 10184997A JP 3353642 B2 JP3353642 B2 JP 3353642B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電離放射線硬化型
樹脂からなる接着剤を用いて積層された積層材料および
それを用いて成形された包装体に関するものである。さ
らに詳しくは、積層材料を構成するフィルムに、接着剤
を硬化させるべく照射される電離放射線に対して劣化の
少ないフィルムを用いることにより、特に分解臭の発生
を抑制させ、食品包装分野などの異臭の混入に対して厳
しい要求がなされる分野において好適な積層材料および
それを用いた包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品包装、医薬品包装、化粧品包
装等、各種包装体の普及に伴い、包装材料に要求される
性能は多岐にわたっている。そのため、これらの要求を
満足するためには一種の材料では必要にして充分な効果
が得られないため、通常、二種以上の材料を積層した積
層材料が用途や目的に応じて幅広く利用されている。
【0003】この積層材料を包装用途に使用する際は、
袋状包装体や包装容器用蓋材として利用される場合が多
く、そのためにヒートシール性を具備することが必要と
される。したがって、用途に応じて機械的強度やバリア
ー性を付与するための基材フィルムに、ヒートシール性
を有するシーラントフィルムを積層した構成の積層材料
が一般的に用いられている。
【0004】前記シーラントフィルムとしては低密度、
中密度、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、エチレンとα−オレフィンの共重合フィル
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合フィルム等の安価でヒ
ートシール性を有するポリオレフィン系の合成樹脂フィ
ルムが好適に用いられている。中でも、ポリプロピレン
フィルムは耐油性、耐熱性、防湿性、防水性、耐スクラ
ッチ性、透明性、表面光沢、成形性等に優れていること
から、スナック菓子、乾燥食品、ボイル・レトルト食品
等の食品包装材料や医療用器具の包装材料等に用いられ
ている。
【0005】現状、このポリプロピレンフィルムは塩化
マグネシウム担持四塩化チタン、有機アルミニウム還元
の三塩化チタンあるいは金属アルミニウム還元の三塩化
チタンなどの不均質な活性点を示すマルチサイト触媒、
いわゆるチーグラー・ナッタ系触媒により重合されたア
イソタクチック構造を有するポリプロピレン樹脂により
製造されたものである。なお、ここでアイソタクチック
構造とはポリプロピレン主鎖に対して側鎖であるメチル
基が同一方向に位置する構造のことをいう。
【0006】また、積層材料を構成するプラスチックフ
ィルム、紙、金属箔等は一般的に、接着剤を介してドラ
イラミネート、ノンソルベントラミネート、ウェットラ
ミネート加工により複合化されており、接着剤には主
に、イソシアネート化合物とポリオール化合物との二成
分から成るポリウレタン系接着剤が用いられている。ポ
リウレタン系接着剤は積層材料に要求される多くの物性
に対して優れた性能を有する特徴をもっているが、硬化
までに要する時間が長いために通常、35〜60℃の恒
温室内で1〜7日間の養生を行い、接着剤の硬化を促進
させている。そのため、養生後でないと次工程(スリッ
ターや製袋等)に着手できないといった生産効率上の問
題を抱えていた。
【0007】この問題に対し、組成中に電離放射線反応
性の官能基を有し、放射線のエネルギーによって瞬時に
硬化する特性を有した電離放射線硬化型接着剤の開発
が、近年養生工程の省略による生産性の向上を図るべく
検討されていおり、前記電離放射線硬化型接着剤を利用
してプラスチックフィルム、金属箔、紙等を積層する方
法が包装分野、建装材分野等で試みられている。反面、
電離放射線硬化型接着剤を用いた積層方法は、接着剤を
硬化させるために照射される電子線のエネルギーが高い
ために、プラスチックフィルムに著しく影響を与え、と
りわけ、ポリプロピレンフィルムは樹脂の分解・劣化に
由来する機械的強度の低下によって、非常に脆くなった
り、分解臭の発生やフィルムの着色等、実用上の問題点
が挙げられていた。
【0008】そこで、電離放射線照射によるプラスチッ
クの分解・劣化を解決するために、各種の提案がなされ
ており、例えば、特開平6−106626号によれば、
電子線硬化型接着剤により積層された積層体を不活性ガ
ス雰囲気下で巻き取りロールに巻き取る方法が例示され
ている。しかし、この方法は積層された積層体に電子線
を照射してから巻き取りロールに巻き取るまでを不活性
ガス雰囲気下に置かなければならず、大掛かりな設備が
必要とされた。
【0009】一方、特開昭57−179234号、特開
昭58−49737号、特開昭58−103541号等
に示されるように、ポリオレフィン樹脂に特定のヒンダ
ードアミン系化合物およびフェノール系化合物あるいは
フォスファイト系化合物等を添加して、放射線照射によ
る樹脂の分解・劣化を防いだ耐放射線樹脂組成物が開示
されている。また、特開平6−106626号において
も積層されるフィルムに各種安定剤を添加する方法が示
されている。さらに、特開昭60−55005号では特
定のエチレン含量のランダムエチレン−プロピレン共重
合体樹脂を用いることで、前記同様に放射線照射による
物性の劣化を抑えた樹脂組成物が開示されている。
【0010】しかしながら、先に述べたとおり、現状、
用いられているチーグラー・ナッタ触媒により重合され
たアイソタクチック構造のポリプロピレンに上述のよう
な処置を行った場合、引張伸度や衝撃強度等の機械的物
性およびフィルムの着色の問題は改良されるのだが、上
記提案による樹脂組成物は主に医療用容器への放射線滅
菌への利用が目的であったために、臭気については未検
討であり、特に、内容物への異臭成分の吸着を嫌う食品
包装用途への使用に際しては、充分に満足しうる性能が
得られていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点を解決しようとするものであり、電離放射線硬化
型樹脂からなる接着剤を用いて積層された積層材料およ
びそれを用いて所望の形状に賦形された包装体におい
て、接着剤の硬化のために照射される電離放射線に対す
る劣化の少ないポリプロピレンフィルムを、積層材料の
シーラントフィルムに用いることで、機械的強度の低下
を抑制するばかりでなく、特に分解臭の発生を抑制させ
て、食品包装分野等への使用に有効な積層材料およびそ
れを用いた包装体を提供することを目的としたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の請求
項1に係る発明は、少なくとも一種以上のフィルムから
なる基材フィルムとシーラントフィルムを電離放射線硬
化型接着剤を介して積層してなる積層材料において、前
記シーラントフィルムがシンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレンまたはシンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレンとアイソタクチック構造を有するポリ
プロピレンとの混合物からなることを特徴とする積層材
料である。
【0013】また、本発明の請求項2に係る発明は、上
記請求項1に係る発明の積層材料において、前記シンジ
オタクチック構造を有するポリプロピレンとアイソタク
チック構造を有するポリプロピレンとの混合重量比が3
0/70〜99/1である積層材料である。
【0014】また、本発明の請求項3に係る発明は、上
記請求項1または請求項2に係る発明の積層材料におい
て、前記シンジオタクチック構造を有するポリプロピレ
ンのシンジオタクティシティーが0.5以上である積層
材料である。
【0015】また、本発明の請求項4に係る発明は、上
記請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の積
層材料において、前記シンジオタクチック構造を有する
ポリプロピレンが他のα−オレフィンとの共重合体であ
る積層材料である。
【0016】さらに、本発明の請求項5に係る発明は、
少なくとも1種以上のフィルムからなる基材フィルムと
シーラントフィルムを電離放射線硬化型接着剤を介して
積層してなる積層材料を用いて、所望の形状に賦形して
なる包装体において、前記シーラントフィルムがシンジ
オタクチック構造を有するポリプロピレンまたはシンジ
オタクチック構造を有するポリプロピレンとアイソタク
チック構造を有するポリプロピレンとの混合物からなる
ことを特徴とする包装体である。
【0017】また、本発明の請求項6に係る発明は、上
記請求項5に係る発明の包装体において、前記シンジオ
タクチック構造を有するポリプロピレンとアイソタクチ
ック構造を有するポリプロピレンとの混合重量比が30
/70〜99/1である包装体である。
【0018】また、本発明の請求項7に係る発明は、上
記請求項5または請求項6に係る発明の包装体におい
て、前記シンジオタクチック構造を有するポリプロピレ
ンのシンジオタクティシティーが0.5以上である包装
体である。
【0019】また、本発明の請求項8に係る発明は、上
記請求項5乃至請求項7のいずれか1項に係る発明の包
装体において、前記シンジオタクチック構造を有するポ
リプロピレンが他のα−オレフィンとの共重合体である
包装体である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて詳細に説明する。図1は本発明の積層材料の一実施
例を示す断面図である。積層材料10は、電離放射線硬
化型接着剤2を介して少なくとも一種以上の基材フィル
ム1とシーラントフィルム3とを積層した構成を有す
る。
【0021】本発明で使用される基材フィルム1は、最
終包装形態の用途に応じて適宜選択されるが、積層材料
1の物理的強度を維持するための構造支持体をなるもの
であり、単層あるいは積層のフィルムが使用できる。例
えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリ
エステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、前記フ
ィルムらのポリ塩化ビニリデンコートフィルム、セロハ
ンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィ
ルム等の樹脂フィルムの単層体や積層体、あるいは前記
樹脂フィルムの表面に蒸着処理を施した蒸着フィルム、
さらには前記樹脂フィルムと金属箔、紙等との積層フィ
ルム等を使用することができる。また、必要に応じて、
基材フィルムは印刷を施してもよい。
【0022】前記蒸着フィルムとしては二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二
軸延伸ナイロンフィルム等にアルミニウム、金、銀、
銅、鉄、錫などの金属薄膜を蒸着形成したものや、ある
いは酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム等の透明無機酸化物の薄膜を蒸着形成し
たものが例示され、金属箔としてはアルミニウム箔、金
箔、銀箔、銅箔、鉄箔、錫箔等が例示され、紙としては
各種クラフト紙、上質紙、中質紙、純白ロール紙、アー
ト紙、各種コート紙などが例示される。基材フィルム1
の厚みとしては5μm〜500μmの範囲でよいが、特
に電離放射線に電子線を用いる場合は電子線の透過のし
やすさ等の観点から5μm〜300μm程度が好まし
い。
【0023】本発明で使用される電離放射線硬化型接着
剤2としては電離放射線硬化型樹脂から成る無溶剤型ま
たは溶剤希釈型の接着剤である。電子線硬化型樹脂とし
ては一般的に光重合性のオリゴマーと呼ばれるアクリロ
イル基、アリル基、ビニル基などのビニル系官能基を1
個〜数個持つオリゴマーもしくはプレポリマー、または
ビニル系ではない不飽和結合を有するオリゴマーもしく
はプレポリマーを主成分とし、電離放射線の照射によっ
て重合してポリマーを生じるものであり、反応性の高さ
からアクリル系、メタクリル系樹脂が主に用いられる。
例としてはポリエステル(メタ)アクリレート、エポキ
シ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート樹脂等のオリゴマーもしくはプレポリ
マーが挙げられる。
【0024】さらに、接着性の改良を目的として、リン
を含むアクリレートあるいはその誘導体、もしくはカル
ボキシル基を含むアクリレートあるいはその誘導体等
や、さらには接着剤の粘度調整を目的として、光重合性
モノマー(単官能、二官能あるいは多官能アクリレー
ト)等の各種添加剤を添加することができる。
【0025】本発明で使用されるシーラントフィルム3
としてはシンジオタクチック構造を有するポリプロピレ
ンフィルムが使用できる。ここで、シンジオタクチック
構造とはポリプロピレン主鎖に対して、側鎖であるメチ
ル基が交互に反対方向に位置する構造を言う。このシン
ジオタクチック構造のポリプロピレンは例えば、均一な
活性点を有するシングルサイト触媒により重合すること
で製造することができる。
【0026】シングルサイト触媒としては、たとえば、
非対称な配位子を有する遷移金属化合物(いわゆる、メ
タロセン系触媒)と環状あるいは鎖状アルミノキサン
(共触媒)から成るものであって、必要に応じて微粒子
無機化合物に担持させたもの等が用いられる。
【0027】非対称な配位子を有する遷移金属化合物と
しては周期律表IVA族〜VIB族から選択される遷移
金属、例えば、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム
等に、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオ
レニル基およびこれらのメチル基や三級ブチル基等の置
換誘導体等から選択される相異なる二つの基を配位させ
たものであり、好ましくは前記の相異なる二つの基を立
体剛性を与えるために、三級イソブチル基のようなアル
キル基、アルキルアリール基、アリール基、あるいはゲ
ルマニウム、ケイ素、酸素、窒素、錫、ハロゲン、硫黄
原子を含む化合物等によって、共有結合による橋掛け構
造を形成したものが例示できる。
【0028】より具体的には、イソプロピル(シクロペ
ンタジエニル−1−フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニ
ル)(2−7−ジ−三級ブチル−9−フルオレニル)ジ
ルコニウムジメチル、イソプロピル(シクロペンタジエ
ニル−1−フルオレニル)ハフニウムジクロリド、イソ
プロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−7−ジ−
三級ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシランジイル−ビス(9−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、1,6−ビス〔メチルシリル
(インデニル)(シクロペンタジニル)ジルコニウムジ
クロリド〕ヘキサン、2,3−ブタンジイリデンビス
(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジ
エニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド、フェニ
ルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、〔メチル(フェニル)メ
チレン〕(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0029】また、共触媒の鎖状あるいは環状アルミノ
キサンはトリメチルアルミニウムやトリイソブチルアル
ミニウムなどのアルキルアルミニウムに水を加えて合成
されたものであり、通常、上記遷移金属化合物の1に対
して、アルミノキサンを100〜10000倍添加して
使用される。さらに、触媒を担持させる微粒子無機化合
物としてはシリカゲル、ゼオライト等が挙げられる。こ
のような触媒を用いた重合方法については特に制限はな
く、公知の溶媒重合法、塊状重合法、気相重合法等が使
用できる。
【0030】以上、シンジオタクチック構造を有するポ
リプロピレンを得る触媒の一例を述べたが、前記と異な
る構造の触媒であっても、プロピレンの重合を行った際
に、シンジオタクチック構造のポリプレピレンが得られ
るものであれば、特に制限されるものではない。
【0031】このようにして得られたシンジオタクチッ
ク構造を有するポリプロピレンのシンジオタクチックシ
ティーは0.5以上、好ましくは0.7以上である。シ
ンジオタクティシティーが0.5未満であると立体規則
性の低下により、エラストマー状のポリマーが得られ、
諸物性が不充分となるため好ましくない。また、分子量
分布をしめす重量平均分子量と数平均分子量(Mw/M
n)は1.5〜5であり、メルトフローレート(MF
R)は1〜30程度である。
【0032】また、前記シンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレンは、エチレンや1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセ
ン、1−トリデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデ
セン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、3−メチ
ル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−
ジメチル−1ペンテン等の炭素数3以上のα−オレフィ
ンとの共重合体であってもよい。この場合も、得られた
シンジオタクチック構造のポリプロピレン共重合体のシ
ンジオタクティシティーは前記条件の範囲内であること
が好ましい。
【0033】さらに、前記シンジオタクチック構造を有
するポリプロピレン単独で用いた場合の製膜性の改良や
透明性の向上を目的として、耐電離放射線性を低下させ
ない程度に、前記シンジオタクチック構造のポリプロピ
レンに対して、従来のチーグラー・ナッタ系触媒(マル
チサイト触媒)やメタロセン系触媒(シングルサイト触
媒)などから重合されるアイソタクチック構造のポリプ
ロピレン、および前記アイソタクチック構造のポリプロ
ピレンとエチレンや1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデ
セン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプ
タデセン、1−オクタデセン、3−メチル−1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1
ペンテン等の炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合
体を混合しても良い。混合比率は、シンジオタクチック
構造のポリプロピレン/アイソタクチック構造のポリプ
ロピレン=30/70〜99/1、好ましくは70/3
0〜99/1であると耐電離放射線性に優れ、放射線照
射後の臭気の発生を大幅に抑制することが可能となる。
【0034】なお、前記シンジオタクチック構造を有す
るポリプロピレンには、必要に応じて、本発明の効果を
阻害しない程度に付加的成分を適宜添加しても良い。付
加的成分としては例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤、
中和剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、有
機もしくは無機充填剤、造核剤、防曇剤、顔料、発泡剤
等である。
【0035】電離放射線硬化型接着剤2により、基材フ
ィルム1とシーラントフィルム3とを積層する方法とし
ては、公知の方法が利用できるが、例えば、無溶剤型の
電離放射線硬化型接着剤2の場合には、必要に応じて接
着剤2を加温する等して適正粘度に調節し、グラビアロ
ールコート法、(リバース)ロールコート法、オフセッ
トグラビアコート法、ブレードコート法、エアーナイフ
コート法、キスロールコート法、フレキソ印刷法または
オフセット印刷法などの塗布方法によって、基材フィル
ム1に電離放射線硬化型接着剤2を塗布し、シーラント
フィルム3を貼り合わせた後、電離放射線照射装置によ
り電離放射線を照射して接着剤2を硬化させ、積層材料
10を得る。また、溶剤希釈型の電離放射線硬化型接着
剤2の場合、前述の塗布方法により、基材フィルム1に
接着剤2を塗布した後、溶剤乾燥用のオーブンを通して
溶剤を揮発させた後、シーラントフィルム3と貼り合わ
せ、電離放射線照射装置により電離放射線を照射して接
着剤2を硬化させる方法が例示できる。
【0036】電離放射線硬化型接着剤2を塗布した基材
フィルム1とシーラントフィルム3との貼り合わせは一
般的な方法で良く、好ましくは接着剤2の基材フィルム
1およびシーラントフィルム3に対する濡れ性を向上さ
せて接着性を高めるために、貼り合わせの際の圧着ロー
ルの温度を35〜85℃、圧着時の圧力を1〜10kg
/cm2 とするのが良い。
【0037】接着剤の硬化を促す電離放射線としては紫
外線、電子線、中性子線等が挙げられるが、より好まし
くは電子線が挙げられる。電子線照射の場合の電子線照
射装置はエレクトロンカーテン型、高周波型、ダイナミ
トロン型、直線型、バンデグラフ型、共振変圧器型、コ
ックロフトワルトン型、絶縁コア変圧器型、スキャンビ
ーム型等の何れの型式でもよく、電子線の線量としては
10〜100kGyが接着剤の硬化性および積層材料の
物性劣化を抑制する観点から望ましい。さらに好ましい
線量の範囲としては20〜50kGyである。
【0038】本発明の包装体は、以上述べたようにして
得られる積層材料10を、所望の形状に賦形することで
得ることができる。例えば、袋状包装体や容器包装用蓋
材等が例示できる。袋状包装体としては三方あるいは四
方シール袋、合掌シール(ピロー)袋、ガゼット袋、ス
タンディング袋、スティック包装体、ストリップ包装
体、バッグインボックス、ラミネートチューブ、ボイル
用包装体、液体紙容器等が挙げられる。容器包装用蓋材
としては深絞り包装容器用、射出成形カップ用等の蓋材
が例示できる。
【0039】前記袋状包装体や容器包装用蓋材に用いら
れる積層材料10は内容物の種類や形状、内容量、シェ
ルフライフおよび包装形態や流通環境条件等の要求特性
に応じて、種々選択される。例えば、スナック菓子、米
菓、インスタントラーメン等のスナック菓子類や吸湿食
品では二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPP
と略)/印刷/電離放射線硬化型接着剤(以下、ADH
と略)/シンジオタクチック構造を有するポリプロピレ
ンフィルム(以下、SPPと略)、グラシン紙/印刷/
ADH/SPP、ポリ塩化ビニリデンコート二軸延伸ポ
リプロピレンフィルム(以下、KOPと略)/印刷/A
DH/SPP、防湿セロハン/印刷/ADH/SPP等
の構成が挙げられる。
【0040】また、ポテトチップや揚げ煎餅等の油脂加
工食品ではOPP/印刷/ADH/アルミ蒸着二軸延伸
ポリエステルフィルム(以下、AlVM−PETと略)
/ADH/SPP、KOP/印刷/ADH/SPP、酸
化珪素蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、Si
OVM−PETと略)/印刷/ADH/SPP等の構成
が挙げられる。
【0041】また、氷菓子等のチルド・冷凍食品では、
OPP/印刷/ADH/SPP、KOP/印刷/ADH
/SPP、二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、OP
ETと略)/印刷/ADH/CPP、二軸延伸ナイロン
フィルム(以下、ONYと略)/ADH/SPP等の構
成が挙げられる。
【0042】また、詰替用液体洗剤等の包装容器に用い
られるスタンディング袋としては、二軸延伸ナイロンフ
ィルム/印刷/ADH/SPP、OPET/印刷/AD
H/ONY/ADH/SPP等の構成が挙げられる。
【0043】また、医薬品包材としては、セロハン/印
刷/ADH/SPPが、さらに滅菌用医薬包材としては
OPET/印刷/ADH/SPPと滅菌紙の取り合わせ
等の構成が挙げられる。
【0044】また、バッグインボックスとしては、外層
袋にSPP/ADH/ONY/ADH/SPPを、内層
袋にSPPを用い、二層重ねした形態等の構成が挙げら
れる。
【0045】また、ラミネートチューブとしては、SP
P/印刷/ADH/アルミ箔/ADH/SPP、SPP
/印刷/ADH/白色ポリエチレン/ADH/エチレン
−ビニルアルコール共重合フィルム(以下、EVOHと
略)/ADH/SPP、SPP/印刷/ADH/白色ポ
リエチレン/酸変成ポリエチレン/アルミ箔/ADH/
SPP等の構成の積層材料を、高周波シール法により筒
状に成形したものが挙げられる。
【0046】また、ボイル用包装体としては、ONY/
印刷/ADH/SPP、PET/印刷/ADH/SP
P、ポリ塩化ビニリデンコート二軸延伸ナイロンフィル
ム(以下、KONYと略)/印刷/ADH/SPP等の
構成が挙げられる。
【0047】また、液体紙容器としては、アルミ箔/A
DH/PET/ADH/SPP、アルミ箔/ADH/S
PP、SiOVM−PET/ADH/SPP、PET/
ADH/SPPなどの構成の積層材料を内層材とし、こ
れを印刷/PE/紙などの構成の外層材と酸変成ポリエ
チレン樹脂や低密度ポリエチレン樹脂(以下、LDPE
と略)等によりサンドイッチ押出しラミネートしたもの
が挙げられる。
【0048】さらに、深絞り成形される各種トレーとし
ては、SPP/ADH/KONY/ADH/SPP、S
PP/ADH/未延伸ナイロンフィルム(以下、CNY
と略)/ADH/SPP、アルミ箔/ADH/SPP等
の構成の積層材料が挙げられる。
【0049】さらにまた、蓋材としてはPET/印刷/
ADH/SPP、OPP/印刷/ADH/SPP、KO
P/印刷/ADH/SPP、PET/印刷/ADH/ア
ルミ箔/ADH/SPP等が例示できる。
【0050】<作用>電離放射線硬化型接着剤2を用い
て積層材料10を形成させる方法は、接着剤2が瞬間的
に硬化されるため、養生期間が不要であり、積層後直ち
に後工程を行うことが可能であることから非常に有用な
手段ではあるが、電離放射線の照射により、特に積層材
料を構成するプラスチックフィルムに対して分解臭の発
生や強度劣化などの悪影響を及ぼす欠点があった。
【0051】本発明の積層材料10のように、積層材料
10を構成するシーラントフィルム3に、シンジオタク
チック構造を有するポリプロピレンの単独フィルムで、
またはシンジオタクチック構造を有するポリプロピレン
とアイソタクチック構造を有するポリプロピレンとの混
合物からなるポリプロピレンフィルムを用いて、電離放
射線硬化型接着剤2を介して基材フィルム1と積層する
ことにより、電離放射線の照射によって積層材料10か
ら生じる分解臭の発生を極めて抑えることが可能とな
り、実用性の高いものとなる。
【0052】これは、シンジオタクチック構造のポリプ
ロピレンは、先に述べたように、従来のアイソタクチッ
ク構造のポリプロピレンとの立体構造の差から異なる結
晶構造を有しており、この結晶構造の違いによって、シ
ンジオタクチック構造のポリプロピレンはアイソタクチ
ック構造のポリプロピレンに比べ電離放射線の照射に対
する樹脂の分解・劣化が抑制され、機械的強度の低下
や、さらには分解臭の発生が極めて小さいという優れた
性能を有している。
【0053】また、シンジオタクチック構造のポリプロ
ピレンにアイソタクチック構造のポリプロピレンを、耐
放射線性が低下しない程度に混合したポリプロピレンを
用いることにより、シンジオタクチック構造のポリプロ
ピレンを単独で用いた場合よりも、フィルム化する際の
製膜性、透明性などを向上させることが可能となる。
【0054】また、前記手段によって形成された積層材
料を包装体、たとえば食品包装用途の袋状包装体や包装
容器用蓋材などに成形しても、電離放射線の照射の影響
による内容物への臭気の移行がほとんどない包装体を得
ることが可能となる。
【0055】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳しく説
明する。 <実施例1>基材フィルムとして、厚み20μmのOP
Pフィルム(二村化学(株)、FOR)の印刷物(イン
キ:東洋インキ製造(株)、NEW LP スーパー)
に、80℃に加温されたエーテルウレタンアクリレート
のプレポリマー(分子量12000)100部とノニル
フェニルオキシアクリレート20部からなる電離放射線
硬化型接着剤(粘度:1050mPa・s、at80℃)
を印刷面へ、ロールコート法により塗布量3g/m2
なるように塗布し、ついでシーラントフィルムとして、
シンジオタクティシティー0.92、分子量分布Mw/
Mn=4から成る厚み30μmのシンジオタクチック構
造のポリプロピレン(ホモ)フィルムのコロナ処理面
に、圧着ロール温度50℃、圧着圧力5kg/cm2
加工速度100m/minの条件にて圧着後、窒素雰囲
気下でシンジオタクチック構造のポリプロピレンフィル
ム側から電子線を加速電圧150kV、吸収線量25k
Gyで照射し巻き取り、積層材料(試料1)を得た。
【0056】<実施例2>実施例1において、シーラン
トフィルムにシンジオタクティシティー0.70のシン
ジオタクチック構造のポリプロピレン(ホモ)フィルム
を用いた他は、同様の操作で積層材料(試料2)を得
た。
【0057】<実施例3>実施例1において、シーラン
トフィルムにシンジオタクティシティー0.92、分子
量分布Mw/Mn=4から成るシンジオタクチック構造
のポリプロピレン(ホモ)ポリマーとチーグラー・ナッ
タ触媒から重合されたアイソタクティシティー0.9
8、分子量分布Mw/Mn=6から成るアイソタクチッ
ク構造のポリプロピレン(ホモ)ポリマーとの90/1
0重量部の混合物から成るポリプロピレンフィルムを用
いた他は、同様の操作で積層材料(試料3)を得た。
【0058】<実施例4>実施例1において、シーラン
トフィルムにシンジオタクティシティー0.92、分子
量分布Mw/Mn=4から成るシンジオタクチック構造
のポリプロピレン(ホモ)ポリマーとチーグラー・ナッ
タ触媒から重合されたアイソタクチック構造のエチレン
−プロピレンランダム共重合ポリマー(エチレン含有
量:3.8%、アイソタクティシティー0.92)との
90/10重量部の混合物から成るポリプロピレンフィ
ルムを用いた他は、同様の操作で積層材料(試料4)を
得た。
【0059】<実施例5>実施例1において、シーラン
トフィルムにシンジオタクティシティー0.92、分子
量分布Mw/Mn=4から成るシンジオタクチック構造
のポリプロピレン(ホモ)ポリマーとチーグラー・ナッ
タ触媒から重合されたアイソタクチック構造のエチレン
−プロピレンランダム共重合ポリマー(エチレン含有
量:3.8%、アイソタクティシティー0.92)との
70/30重量部の混合物から成るポリプロピレンフィ
ルムを用いた他は、同様の操作で積層材料(試料5)を
得た。
【0060】<実施例6>実施例1において、シーラン
トフィルムにシンジオタクチック構造のエチレン−プロ
ピレンランダム共重合ポリマー(エチレン含有量2%、
シンジオタクティシティー0.89)から成るポリシン
ジオタクチック構造のポリプロピレンフィルムを用いた
他は、同様の操作で積層材料(試料6)を得た。
【0061】<実施例7>実施例1において、シーラン
トフィルムにシンジオタクチック構造のエチレン−プロ
ピレンランダム共重合ポリマー(エチレン含有量2%、
シンジオタクティシティー0.89)とアイソタクチッ
ク構造のエチレン−プロピレンランダム共重合ポリマー
(エチレン含有量:3.8%、アイソタクティシティー
0.92)との80/20重量部の混合物から成るポリ
プロピレンフィルムフィルムを用いた他は、同様の操作
で積層材料(試料7)を得た。
【0062】<比較例1>実施例1において、シーラン
トフィルムに実施例4で用いたアイソタクチック構造の
エチレン−プロピレンランダム共重合ポリマー(エチレ
ン含有量:3.8%、アイソタクティシティー0.9
2)からなるポリプロピレンフィルムを用いた他は、同
様の操作で積層材料(比較試料1)を得た。
【0063】<比較例2>実施例1において、シーラン
トフィルムとして、実施例4で用いたアイソタクチック
構造のエチレン−プロピレンランダム共重合ポリマー
(エチレン含有量:3.8%、アイソタクティシティー
0.92)100重量部に対し、安定剤として、コハク
酸とN−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6テ
トラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとの重縮合物
(チバスペシャルケミカルズ社、チヌビン622)を
0.2重量部、トリス−(2,4−ジ−第3ブチルフェ
ニル)ホスファイト(チバスペシャルケミカルズ社、イ
ルガフォス168)を0.15重量部、テトラキス−
[メチレン(3,5ージー第3ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャルケ
ミカルズ社、イルガノックス1010)を0.1重量部
混合して得たポリプロピレンフィルムを用いた他は、同
様の操作で積層材料(比較試料2)を得た。
【0064】上記実施例1〜7、比較例1、2にて得ら
れた各積層材料(試料1〜7、比較試料1、2)につい
て、フィルムから発生する臭気について評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0065】<臭気の測定>積層材料を、面積5000
cm2 となるように切り取り、捕臭体である活性炭とと
もに捕臭瓶に詰め、80℃オーブンにて1日間保存し
た。その後、活性炭を取り出し、吸着物質を二硫化炭素
にて抽出し、ガスクロマトグラフィー分析により吸着物
質の同定および定量を行った。ガスクロマトグラフィー
分析により同定された吸着物質の中から分解臭の指標と
して、カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、n
−吉草酸)を設定し、その定量値により評価を行った。
表1には、上記カルボン酸の中で、酢酸の定量値を積層
材料の単位面積(平方メ−トル)当たりに換算して示し
た。すなわち、この値がより小さいほど分解臭の発生が
少ないことを意味する。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示す結果から明らかなように、本発
明による実施例1〜7の積層材料(試料1〜試料7)
は、従来法による比較例1、2(比較試料1、2)に比
べ、電離放射線照射後に発生する臭気が大幅に改善され
ているのがわかる。
【0068】<実施例8>実施例1で作製した積層材料
を製袋し、200mm×250mmのパウチを作製し
た。次いで、このパウチに活性炭を通した脱臭空気を詰
め、常温で3日保存し、臭気の官能評価に用いた。
【0069】<比較例3>実施例8において、積層材料
に比較例1で作製した積層材料を用いた以外は、同様の
方法にてパウチを作製し、臭気の官能評価に用いた。
【0070】実施例8のパウチと比較例3のパウチ内の
臭気を、一対比較法によりパネラー15人にて官能試験
した結果、有意水準1%で実施例8のパウチの方が低臭
であることが確認された。さらに、実施例8で用いたシ
ンジオタクチック構造のポリプロピレン(ホモ)フィル
ムの融点は約130℃であり、比較例3で用いたアイソ
タクチック構造のエチレン−プロピレンランダム共重合
ポリマーからなるポリプロピレンフィルムの融点約14
5℃に比べて、約15℃低いことから、低温ヒートシー
ル性に優れ、製袋時の生産性の向上を図ることができる
というメリットがあることがわかった。
【0071】<実施例9>本発明の積層材料を利用し
て、スタンディング袋を成形した場合の実施例を述べ
る。厚み12μmのPETフィルム(東洋紡績(株)、
E5102)の印刷物(インキ:東洋インキ製造
(株)、NEW LP スーパー)と厚み15μmのO
NYフィルム(ユニチカ(株)、ONM)とを、ロール
コート法により80℃の加温されて塗布したエーテルウ
レタンアクリレートのプレポリマー(分子量1200
0)100部とノニルフェニルオキシアクリレート20
部からなる電離放射線硬化型接着剤(粘度:1030m
Pa・s、at80℃、塗布量:3g/m2)を介して、
圧着ロール温度50℃、圧着圧力5kg/cm2 、加工
速度100m/minの条件にて圧着後、窒素雰囲気下
でPETフィルム側から電子線を加速電圧150kV、
吸収線量25kGyで照射した。さらに、この積層材料
のONYフィルム面に、前記電離放射線硬化型接着剤
(塗布量:3g/m2 )を用いて、シンジオタクティシ
ティー0.92、分子量分布Mw/Mn=4から成る厚
み130μmのシンジオタクチック構造のポリプロピレ
ン(ホモ)フィルムを前記同条件にて圧着後、PETフ
ィルム側から電子線を加速電圧150kV、吸収線量2
5kGyで照射して巻き取り、OPET12μm/印刷
/ADH/ONY15μm/ADH/SPP130μm
の構成のスタンディング袋の胴部材となる積層材料を得
た。
【0072】次に、厚み15μmのONYフィルム(ユ
ニチカ(株)、ONM)の印刷物(インキ:東洋インキ
製造(株)、NEW LP スーパー)とシンジオタク
ティシティー0.92、分子量分布Mw/Mn=4から
成る厚み120μmのシンジオタクチック構造のポリプ
ロピレン(ホモ)フィルムとを、前記電離放射線硬化型
接着剤を介して圧着後、窒素雰囲気下でONYフィルム
側から電子線を加速電圧150kV、吸収線量25kG
yで照射し、ONY15μm/ADH/SPP120μ
mの構成のスタンディング袋の底部材となる積層材料を
得た。次いで、前記胴部材と底部材とを、常法にしたが
ってヒートシールすることによりスタンディング袋を成
形した。
【0073】このスタンディング袋の臭気を官能評価し
たところ、問題ないレベルであった。また、スタンディ
ング袋に水を充填し、−5℃で2日間保存後、1mの高
さから落下試験を行ったが破袋することはなく、実用的
な耐落下衝撃性を有していることも確認された。
【0074】<実施例10>本発明の積層材料を利用し
て、バッグ・イン・ボックスを成形した場合の実施例を
述べる。厚み15μmのONYフィルム(興人(株)、
ボニール)の両側に、ロールコート法により80℃の加
温されて塗布したエーテルウレタンアクリレートのプレ
ポリマー(分子量12000)100部とノニルフェニ
ルオキシアクリレート20部からなる電離放射線硬化型
接着剤(粘度:1030mPa・s、at80℃、塗布
量:4g/m2 )を介して、それぞれ厚み60μmのシ
ンジオタクティシティー0.92、分子量分布Mw/M
n=4から成るシンジオタクチック構造のポリプロピレ
ン(ホモ)フィルムを、圧着ロール温度50℃、圧着圧
力5kg/cm2 、加工速度100m/minの条件に
て圧着後、窒素雰囲気下で電子線を加速電圧150k
V、吸収線量25kGyで照射して巻き取り、SPP6
0μm/ADH/ONY15μm/ADH/SPP60
μmの構成のバッグインボックスの外袋となる積層材料
を得た。
【0075】次に、バッグ・イン・ボックスの内袋とな
る厚み90μmのシンジオタクティシティー0.92、
分子量分布Mw/Mn=4から成るシンジオタクチック
構造のポリプロピレン(ホモ)フィルムと前記積層材料
とを、公知の成形方法によってヒートシールを行うこと
によりバッグインボックスを成形した。
【0076】このバッグ・イン・ボックスの臭気の官能
試験を実施したが、問題ないレベルであった。また、バ
ッグ・イン・ボックスに醤油を充填し輸送試験を行った
が、漏れや破袋などの問題は起こらず、実用的な性能を
有していることも確認された。また、バッグ・イン・ボ
ックスは内容物を充填する前に通常殺菌処理が行われる
が、本発明の積層材料では電離放射線硬化型接着剤を硬
化させるために、すでに殺菌に充分なエネルギーの電子
線等を積層材料へ照射しているため、改めて殺菌処理を
施す必要がないという利点を有している。
【0077】<実施例11>本発明の積層材料を利用し
て、医療用注射器などの滅菌医薬包材を成形した場合の
実施例を述べる。厚み12μmのPETフィルム(東洋
紡績(株)、E5102)の印刷物(インキ:東洋イン
キ製造(株)、NEW LP スーパー)に、ロールコ
ート法により80℃の加温されて塗布したエーテルウレ
タンアクリレートのプレポリマー(分子量12000)
100部とノニルフェニルオキシアクリレート20部か
らなる電離放射線硬化型接着剤(粘度:1030mPa
・s、at80℃、塗布量:2g/m2 )を介して、厚み
50μmのシンジオタクティシティー0.92、分子量
分布Mw/Mn=4から成るシンジオタクチック構造の
ポリプロピレン(ホモ)フィルムを、圧着ロール温度5
0℃、圧着圧力5kg/cm2 、加工速度100m/m
inの条件にて圧着後、窒素雰囲気下で電子線を加速電
圧150kV、吸収線量25kGyで照射して巻き取
り、PET12μm/印刷/ADH/SPP50μmの
構成の滅菌医薬包材用の積層材料を得た。
【0078】従来、滅菌医薬包材の滅菌方法について
は、積層材料を作製後、別途、γ線やエチレンオキサイ
ド(EOG)による滅菌工程を行っているが、本発明の
積層材料においては、積層材料作製時に、既に滅菌に充
分なエネルギーの電子線等を積層材料へ照射しているた
め、改めて殺菌工程を行う必要はなかった。
【0079】また、一般的に、γ線殺菌される滅菌医薬
包材は、前記のような構成の積層材料と滅菌紙とを特殊
な方法によりヒートシールして、γ線照射により積層材
料を構成するプラスチックから発生する分解臭を逃がす
工夫がなされている。しかし、本発明による前記積層材
料を用いて、150mm×100mmのパウチを作製
し、パウチ内に活性炭を通した脱臭空気を詰め、常温で
3日保存し、臭気の官能評価を行ったが、特に問題ない
レベルであった。そのため、従来なされているような特
殊な構造は必要ないというメリットを有していた。ただ
し、より要求物性が高い場合を想定して、従来と同様
に、本発明による積層材料を滅菌紙との取り合わせによ
り、滅菌医薬包材を成形することも問題なく可能であっ
た。
【0080】<実施例12>本発明の積層材料を利用し
て、液体紙容器を成形した場合の実施例について述べ
る。厚み12μmのPETフィルム(東洋紡績(株)、
E5102)の片面に、ロールコート法により80℃の
加温されて塗布したエーテルウレタンアクリレートのプ
レポリマー(分子量12000)100部とノニルフェ
ニルオキシアクリレート20部からなる電離放射線硬化
型接着剤(粘度:1030mPa・s、at80℃、塗布
量:5g/m2 )を介して、厚み7μmのアルミ箔を、
圧着ロール温度50℃、圧着圧力5kg/cm2 、加工
速度100m/minの条件にて圧着後、窒素雰囲気下
でPETフィルム側より電子線を加速電圧150kV、
吸収線量30kGyで照射して巻き取った。その後、P
ETフィルムのもう一方の面に、厚み60μmのシンジ
オタクティシティー0.92、分子量分布Mw/Mn=
4から成るシンジオタクチック構造のポリプロピレン
(ホモ)フィルムを、前述と同条件にて圧着後、窒素雰
囲気下でPETフィルム側より電子線を加速電圧150
kV、吸収線量30kGyで照射して巻き取り、アルミ
箔 7μm/ADH/PET 12μm/ADH/SP
P 60μmの構成の液体紙容器の内層材となる積層材
料を得た。
【0081】次いで、坪量360g/m2 の紙にPEを
積層した原紙の紙面と、前記内層材をなす積層材料のア
ルミ箔面とを、エチレンとメタクリル酸との共重合樹脂
(MI=10g/10min、メタクリル酸含有量12
%、密度0.930g/cm 3 、以下、EMAAと略)
により、押出温度300℃、厚み20μmにてサンドイ
ッチ押出しラミネートした後、最外層のPE面に印刷を
行うことで、印刷/PE/紙/EMAA 20μm/ア
ルミ箔 7μm/ADH/PET 12μm/ADH/
SPP60μmの構成の液体紙容器用積層材料を得た。
この積層材料から、公知の方法に従って、ゲーベルトッ
プ型の液体紙容器を成形した。
【0082】この液体紙容器に水を充填し、味覚官能評
価を行ったが、電離放射線照射による異臭成分の移行も
なく、良好な結果を得た。また、同様に、水を充填した
前記液体紙容器による輸送試験を行ったが、漏れや破袋
などの問題は起こらず、本発明の積層材料を利用して成
形した液体紙容器は実用的な性能を有していることが確
認された。
【0083】<実施例13>本発明の積層材料を利用し
て、他の液体紙容器を成形した場合の実施例を述べる。
厚み12μmのPETフィルムに酸化珪素500Åを蒸
着したSiOVM−PETフィルムの酸化珪素蒸着面
に、ロールコート法により80℃の加温されて塗布した
エーテルウレタンアクリレートのプレポリマー(分子量
12000)100部とノニルフェニルオキシアクリレ
ート20部からなる電離放射線硬化型接着剤(粘度:1
030mPa・s、at80℃、塗布量:4g/m2 )を
介して、厚み50μmのシンジオタクチック構造のポリ
プロピレン(ホモ)フィルムを(シンジオタクティシテ
ィー0.92、分子量分布Mw/Mn=4)を、圧着ロ
ール温度50℃、圧着圧力5kg/cm2 、加工速度1
00m/minの条件にて圧着後、窒素雰囲気下で電子
線を加速電圧150kV、吸収線量25kGyで照射し
て巻き取り、SiOVM−PET 12μm/ADH/
SPP 50μmの構成の液体紙容器の内層材となる積
層材料を得た。
【0084】次いで、坪量360g/m2 の紙にPEを
積層した原紙の紙面と、前記内層材をなす積層材料のS
iOVM−PET面とを、LDPE樹脂(MI=5g/
10min、密度0.920g/cm3 )を用いて、押
し出し温度320℃、厚み15μmにてサンドイッチ押
出しラミネートした後、最外層のPE面に印刷を行うこ
とで、印刷/PE/紙/LDPE 15μm/SiOV
M−PET 12μm/ADH/SPP 50μmの構
成の液体紙容器用積層材料を得た。この積層材料から、
公知の方法にしたがって、ゲーベルトップ型の液体紙容
器を成形した。
【0085】この液体紙容器に、実施例12同様、水を
充填して味覚官能評価を行ったが、電離放射線照射によ
る異臭成分の移行もなく、良好な結果を得た。また、同
様に、水を充填した前記液体紙容器による輸送試験を行
ったが、漏れや破袋等の問題は起こらず、本発明の積層
材料を利用して成形した液体紙容器は実用的な性能を有
していることが確認された。
【0086】<実施例14>本発明の積層材料を利用し
て、ラミネートチューブを成形した場合の実施例につい
て述べる。厚み50μmの白色ポリエチレンフィルム
と、厚み15μmのアルミ箔とを、エチレンとアクリル
酸との共重合樹脂(MI=10g/10min、アクリ
ル酸含有量7%、密度0.935g/cm3 、以下EA
Aと略)により、押し出し温度300℃、厚み20μm
にてサンドイッチ押出しラミネートした後、最外層の白
色PE面に印刷(インキ:東洋インキ製造(株)、NE
W LPスーパー)を行った積層体の両面に、厚み80
μmのシンジオタクチック構造のポリプロピレン(ホ
モ)フィルム(シンジオタクティシティー0.92、分
子量分布Mw/Mn=4)を、ロールコート法により8
0℃の加温されて塗布したエーテルウレタンアクリレー
トのプレポリマー(分子量12000)100部とノニ
ルフェニルオキシアクリレート20部からなる電離放射
線硬化型接着剤(粘度:1030mPa・s、at80
℃、塗布量:5g/m2 )を用いて、圧着ロール温度5
0℃、圧着圧力5kg/cm2 、加工速度100m/m
inの条件にて圧着後、窒素雰囲気下で電子線を加速電
圧150kV、吸収線量25kGyで照射して巻き取る
ことで、SPP 80μm/ADH/印刷/白色PE
50μm/EMA 20μm/アルミ箔 15μm/A
DH/SPP 80μmの構成のラミネートチューブの
胴部材となる積層材料を得た。
【0087】得られた積層材料を高周波シール法により
筒状に成形した後、前記と同様のシンジオタクチック構
造のポリプロピレン(ホモ)樹脂を用いて、公知の方法
により、チューブの口部を一体成型することでラミネー
トチューブを得た。
【0088】このラミネートチューブの臭気を官能評価
したところ、問題ないレベルであった。また、耐内容物
性を評価するべく、ラミネートチューブに内容物として
練り歯磨きを充填したが、経時によるデラミ(層間剥
離)等の接着性の大幅な低下はみられなかった。さら
に、内容物充填時あるいは充填後の漏れや破袋などの不
具合も生じず、本発明の積層材料を利用して成形したラ
ミネートチューブが実用的な性能を有していることが確
認された。
【0089】<実施例15>本発明の積層材料を利用し
て、ボイル用包装体を成形した場合の実施例について述
べる。厚み15μmのONYフィルム(ユニチカ
(株)、ONM)の印刷物(インキ:東洋インキ製造
(株)、NEW LP スーパー)の印刷面と、厚み6
0μmのシンジオタクチック構造のポリプロピレン(ホ
モ)フィルム(シンジオタクティシティー0.92、分
子量分布Mw/Mn=4)とを、ロールコート法により
80℃の加温されて塗布したエーテルウレタンアクリレ
ートのプレポリマー(分子量)100部とノニルフェニ
ルオキシアクリレート20部から成る電離放射線硬化型
接着剤(粘度:1030mPa・s、at80℃、塗布
量:4g/m2 )を介して、圧着ロール温度50℃、圧
着圧力5kg/cm2 、加工速度100m/minの条
件にて圧着後、窒素雰囲気下でONYフィルム側から電
子線を加速電圧150kV、吸収線量25kGyで照射
して巻き取ることで、ONY15μm/印刷/ADH/
SPP 60μmの構成のボイル用包装体となる積層材
料を得た。
【0090】この積層材料を製袋し、200mm×25
0mmのパウチを作製した。次いで、このパウチに水を
充填し、80℃で30分間ボイル殺菌処理を行ったが、
破袋やデラミ、パウチの外観不良等の不具合は生じなか
った。また、ボイル処理を行ったパウチ内の水の味覚官
能試験を下記に示す比較試料を用いて行った。
【0091】<比較例4>実施例15の積層材料におい
て、厚み60μmのシンジオタクチック構造のポリプロ
ピレン(ホモ)フィルム(シンジオタクティシティー
0.92、分子量分布Mw/Mn=4)に代わりに、チ
ーグラー・ナッタ触媒より重合されたアイソタクチック
構造のエチレン−プロピレンブロック共重合ポリマー
(エチレン含有量:3.8%、アイソタクティシティ
ー:0.92)からなるポリプロピレンフィルムを用い
て、実施例15と同様のパウチを作製した。次いで、パ
ウチ内に水を充填し、実施例15と同条件にてボイル殺
菌処理を行い、内容物の水の味覚について官能による比
較試験に用いた。
【0092】<比較例5>実施例15の積層材料におい
て、電離放射線硬化型接着剤(粘度:1030mPa・
s、at80℃、塗布量:4g/m2 )の代わりに、従来
より用いられている溶剤系2液硬化型ウレタン系接着剤
(東洋モートン(株):AD−806/AD−RT8)
を用い、ONYフィルムの印刷面上に溶剤(酢酸エチ
ル)で希釈された前記ウレタン系接着剤をグラビアコー
ト法にて塗布量4g/m2 になるように塗布し、80℃
のオーブンにて乾燥させて溶剤を揮発させた後、圧着ロ
ール温度50℃、圧着圧力5kg/cm2 、加工速度1
00m/minの条件にて圧着後巻き取った。その後、
50℃の温乾室で4日間保存して接着剤を硬化させた
後、実施例15と同様なパウチを作製した。次いで、パ
ウチ内に水を充填し、実施例15と同条件にてボイル殺
菌処理を行い、内容物の水の味覚について官能による比
較試験に用いた。
【0093】上記、実施例15のボイル処理後の水の味
覚を、比較例4、比較例5の水の味覚とそれぞれ官能に
よる比較評価を行ったところ、実施例15と比較例4と
は有意差が得られ、実施例15の方が比較例4よりも良
好な味覚を示すことが確認された。また、比較例5に対
しては有意差は見られず、従来の方法にて作製したボイ
ル用包装体と比較して同等の味覚性能を有していること
が確認された。さらに、実施例15のパウチをボイル処
理後に輸送試験を行ったが、漏れや破袋等の問題は起こ
らず、本発明の積層材料を利用して成形したボイル用包
装体は実用的な性能を有していることが確認された。
【0094】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
積層材料によれば、シーラントフィルムに電離放射線の
照射に対して分解・劣化が極めて小さい、シンジオタク
チック構造のポリプロピレン、またはシンジオタクチッ
ク構造のポリプロピレンとアイソタクチック構造のポリ
プロピレンとの特定割合の混合物により製膜してなるフ
ィルムを用いているので、近年、生産性の向上に大きな
効果をもたらす電離放射線硬化型接着剤を介して積層を
行う場合に、主として問題となるプラスチックフィルム
からの分解臭の発生を著しく低く抑えることが可能とな
る。
【0095】したがって、本発明によるシーラントフィ
ルムを用いて電離放射線硬化型接着剤により積層した積
層材料は、特に、異臭の発生が問題視される食品包装用
途、すなわち、前述したスナック菓子、米菓、インスタ
ントラーメン等のスナック菓子類や吸湿食品、ポテトチ
ップや揚げ煎餅等の油脂加工食品、氷菓子等のチルド・
冷凍食品、詰替用液体洗剤等の包装容器に用いられるス
タンディング袋、滅菌用医薬包材、バッグ・イン・ボッ
クス、ラミネートチューブ、ボイル用包装体、液体紙容
器、深絞り成形される各種トレー、蓋材等への使用を可
能とする。
【0096】また、本発明の積層材料による包装体は臭
気の改善がなされたばかりでなく、各種包装体の内容物
や形状、内容量、シェルフライフおよび包装形態や流通
環境条件などの要求特性に対しても充分に応えることが
でき、全く問題なく使用することができる。そればかり
か、バッグ・イン・ボックスや滅菌用医薬包材等の一部
の包装体では従来、積層材料を作製後、γ線等による放
射線滅菌を別工程にて行っているが、本発明による包装
体では、電離放射線硬化型接着剤の硬化時に、滅菌に充
分なエネルギーの電離放射線(電子線等)を照射してい
るため、改めて別工程にて滅菌処理を行う必要がなく、
更なる生産工程の合理化をもたらす効果も兼ね備えてい
る。このように、本発明の積層材料を用いて得られた包
装体は包装分野において多大な貢献をもたらすものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層材料の一実施例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:基材フィルム 2:電離放射線硬化型接着剤 3:シーラントフィルム 10:積層材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−256841(JP,A) 特開 平7−89022(JP,A) 特開 平7−32557(JP,A) 特開 平5−245992(JP,A) 特開 平7−223303(JP,A) 特開 平6−106626(JP,A) 特開 平4−255339(JP,A) 特開 平3−60772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種以上のフィルムからなる基
    材フィルムとシーラントフィルムを電離放射線硬化型接
    着剤を介して積層してなる積層材料において、前記シー
    ラントフィルムがシンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンまたはシンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンとアイソタクチック構造を有するポリプロピ
    レンとの混合物からなることを特徴とする積層材料。
  2. 【請求項2】前記シンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンとアイソタクチック構造を有するポリプロピ
    レンとの混合重量比が30/70〜99/1である請求
    項1記載の積層材料。
  3. 【請求項3】前記シンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンのシンジオタクティシティーが0.5以上で
    ある請求項1または請求項2記載の積層材料。
  4. 【請求項4】前記シンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンが他のα−オレフィンとの共重合体である
    求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の積層材料。
  5. 【請求項5】少なくとも1種以上のフィルムからなる基
    材フィルムとシーラントフィルムを電離放射線硬化型接
    着剤を介して積層してなる積層材料を用いて、所望の形
    状に賦形してなる包装体において、前記シーラントフィ
    ルムがシンジオタクチック構造を有するポリプロピレン
    またはシンジオタクチック構造を有するポリプロピレン
    とアイソタクチック構造を有するポリプロピレンとの混
    合物からなることを特徴とする包装体。
  6. 【請求項6】前記シンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンとアイソタクチック構造を有するポリプロピ
    レンとの混合重量比が30/70〜99/1である請求
    項5記載の包装体。
  7. 【請求項7】前記シンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンのシンジオタクティシティーが0.5以上で
    ある請求項5または請求項6記載の包装体。
  8. 【請求項8】前記シンジオタクチック構造を有するポリ
    プロピレンが他のα−オレフィンとの共重合体である
    求項5乃至請求項7のいずれか1項記載の包装体。
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