JP3350670B2 - 搬送装置及びマルチビームセンサ - Google Patents

搬送装置及びマルチビームセンサ

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JP3350670B2
JP3350670B2 JP24875395A JP24875395A JP3350670B2 JP 3350670 B2 JP3350670 B2 JP 3350670B2 JP 24875395 A JP24875395 A JP 24875395A JP 24875395 A JP24875395 A JP 24875395A JP 3350670 B2 JP3350670 B2 JP 3350670B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は搬送装置と、当該搬
送装置に使用するマルチビームセンサに関する。
【0002】
【技術的背景】
(搬送装置の全体的構成)図1に示すものは、ワーク1
どうしを衝突させたり、相互に押圧力を及ぼしたりする
ことなくワーク1間にスペースを保ちながら順次送るこ
とができるようにしたローラコンベア装置Aの概略図で
ある。このローラコンベア装置Aにあっては、ワーク1
の搬送路に沿って一定間隔毎に転動自在なローラ2が配
設されており、ローラ2の下方ではモータ3等により駆
動ベルト4が一定速度で回転している。また、ローラ2
の下方を非接触で走行している駆動ベルト4の下側には
ソレノイド(電磁アクチュエータ)5により駆動される
リフター6が所定ゾーン毎に配置されている。ローラ2
は、通常は駆動ベルト4から離間していてフリーになっ
ているが、ソレノイド5の駆動によりリフター6を上昇
させると駆動ベルト4がローラ2に押し付けられ、駆動
ベルト4によりローラ2が回転駆動される。また、リフ
ター6の近傍にはセンサSが配置されており、リフター
6の上方を通過するワーク1を検知しており、センサS
の出力信号は1段上流側のゾーンに配置されたソレノイ
ド5に送信されている。
【0003】なお、図1では2ゾーンだけを示している
が、3以上のゾーンが形成されていてもよい(つまり、
1つの駆動ベルト4で制御される領域内に3台以上のリ
フターが設置されていてもよい)。また、ローラコンベ
ア装置Aは、図1のような構造物が連続的に設置されて
構成されている。
【0004】しかして、あるゾーンのセンサS(例え
ば、図1の下流側のセンサS)がワーク1を検出する
と、図1(a)に示すように、その上流側のソレノイド
5がセンサSから検知信号を受信してリフター6を下降
させ、ローラ2にブレーキ(図示せず)を掛けてワーク
1を停止させる。従って、ワーク1が検出されている位
置へ後続のワーク1が送られて衝突することがない。つ
いで、下流側のセンサSで検出されていたワーク1が当
該センサS上を通過してしまうと、図1(b)に示すよ
うに、このセンサSから上流側のソレノイド5へ非検知
信号が送られてリフター6が上昇し、ローラ2に駆動力
を与えてワーク1を下流側へ送る。このような動作をロ
ーラコンベア装置Aの各ゾーン毎で行なうことにより、
ワーク1は図2に示すように所定のスペースをあけて各
ゾーン毎に順次搬送される。
【0005】(搬送装置に用いられている従来のセン
サ)従来においては、上記センサSとしては、透過型も
しくは回帰反射型の光電センサ7a、7bや拡散反射型
や距離設定型の光電センサ8が用いられている。このう
ち透過型もしくは回帰反射型の光電センサ7a、7bの
場合には、投光部と受光部もしくは投受光部と回帰反射
板など2体を設置する必要があるので、図3に示すよう
にセンサ光軸が搬送路の上面を横切るように左右の側板
9の外側に配置していた。このため光電センサ7a、7
bがローラコンベア装置A(側板9)の外に飛び出し、
出っ張りとなって作業の邪魔になっていた。また、ロー
ラ2上を搬送される板状のワーク1(例えば、ハガキ)
の場合には検出が困難であった。さらに、ワーク1が慣
性などでローラ2上を滑ってワーク1どうしが衝突し、
図4に示すようにワーク1が浮き上がってブリッジ現象
を起こすと、浮き上がっているワーク1の検出が不可能
になることがあり、その結果ワーク1がますます当該箇
所で渋滞するという問題があった。
【0006】また、拡散反射型もしくは距離設定型の光
電センサ8の場合には、センサ光軸がローラ2間の隙間
を通過するようにして、投受光面を真上に向けて搬送路
の下方に配置されている。この光電センサ8では、図3
に示すごとくローラコンベア装置Aから突出しないよう
ローラ2下方に配置することができ、薄いワーク1の検
出やブリッジ現象を起こしているワーク1の検出も容易
である。しかしながら、このような拡散反射型もしくは
距離設定型の光電センサの場合には、搬送路の幅方向の
1箇所でしかワーク1を検出できないので、通過位置不
定のワーク1を検出する場合には、図3のように検知位
置毎に多数個設置する必要があり、コストが高くついて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は叙上の従来例
の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、通過位置が不定な搬送物を1台のセンサで検出
することができる搬送装置を提供することにある。
【0008】また、本発明の別な目的は、厚みの薄い搬
送物を1台のセンサで検出することができる搬送装置を
提供することにある。
【0009】さらに、上記搬送装置に用いられるマルチ
ビームセンサを提供することにある。
【0010】
【発明の開示】請求項1に記載の搬送装置は、搬送物を
搬送するための搬送手段と、1つの筐体から複数の光ビ
ームを出射して反射光を別々の受光素子で受光すること
により搬送物を検出するマルチビームセンサと、前記セ
ンサからの出力にもとづいて前記搬送手段の送りと停止
を制御する搬送制御手段と、を備えたことを特徴として
いる。
【0011】本発明の搬送装置にあっては、搬送物を検
出するためのセンサとして、複数の光ビームを出射する
ことのできるマルチビームセンサを用いているので、各
光ビーム毎に検出位置を設定することにより、複数の検
出位置を設定することができる。従って、1台のセンサ
により通過位置が不定な搬送物を検出することができ
る。
【0012】請求項2に記載の実施態様は、請求項1記
載の搬送装置において、前記マルチビームセンサが、搬
送物検出面の斜め側方に設置されていることを特徴とし
ている。
【0013】この実施態様にあっては、マルチビームセ
ンサを搬送物検出面の斜め側方に設置しているので、搬
送物に対して斜めに光ビームを照射することができる。
従って、厚みの薄い搬送物も検出することができる。ま
た、搬送物がブリッジ現象を起こした場合にも搬送物を
検出可能にできる。
【0014】請求項3に記載の実施態様は、請求項1記
載の搬送装置において、前記マルチビームセンサが、発
光素子と、受光素子と、2種以上の回折格子を有し、当
該2種以上の回折格子うち一つの回折格子によって生成
される回折光スポットの間に別な回折格子によって生成
される回折光スポットが位置するようにして各回折光ス
ポットが一直線上に配列されるようにしたことを特徴と
している。
【0015】この実施態様にあっては、2種以上の回折
格子うち一つの回折格子によって生成される回折光スポ
ットの間に別な回折格子によって生成される回折光スポ
ットが位置するようにして各回折光スポットが一直線上
に配列しているので、それぞれ適当なパターンの回折格
子を選択して適当な位置に配置することにより、任意の
位置もしくは任意の間隔で回折光スポットを配列させる
ことができる。従って、搬送物の寸法や形状に応じた配
列パターンのマルチビームセンサを用いることができ
る。
【0016】請求項4に記載の実施態様は、請求項1記
載の搬送装置において、前記マルチビームセンサの検出
方式が距離設定型となっていることを特徴としている。
【0017】この実施態様にあっては、一定距離範囲内
に検出領域を設定することができるので、検出面を通過
する搬送物と検出面から離れた位置にある物体(周囲の
機械や作業員など)とを区別することができ、誤検出の
恐れを少なくすることができる。
【0018】請求項5に記載の実施態様は、請求項1記
載の搬送装置において、前記マルチビームセンサの筐体
に設けられた投受光面が水平方向ないし斜め下向きとな
っていることを特徴としている。
【0019】この実施態様にあっては、マルチビームセ
ンサの筐体に設けられた投受光面が水平方向ないし斜め
下向きとなっているので、投受光面に汚れや曇り、ホコ
リ等が付着しにくくなる。従って、投受光面の汚れやホ
コリ等によって光ビームが遮られ、マルチビームセンサ
の検出感度が低下するのを防止することができる。
【0020】請求項6に記載の実施態様は、請求項1記
載の搬送装置において、前記マルチビームセンサが、検
出面における各反射光ビームによる判別結果をオア出力
するものであることを特徴としている。
【0021】この実施態様にあっては、マルチビームセ
ンサが判別結果をオア出力するようにしているので、搬
送物がいずれかの検出箇所を通過したら検出信号を出力
する。従って、搬送物が通過したかどうかだけを検知し
たい用途の場合には、その後の信号処理を簡単にするこ
とができる。
【0022】請求項7に記載の実施態様は、請求項1記
載の搬送装置において、前記マルチビームセンサが、検
出面における各反射光ビームを個別に判別するものであ
ることを特徴としている。
【0023】この実施態様においては、検出面における
各光ビームを個別に判別するようにしているので、搬送
物が通過したことを検出できるだけでなく、搬送物の検
出箇所(幅方向における通過位置)を検出することもで
きる。あるいは、搬送物の大まかな幅を検出することも
できる。
【0024】請求項8に記載の実施態様は、請求項7記
載の搬送装置において、搬送物通過位置の進行方向に向
かって、その上下のいずれか少なくとも一方、及び/又
は左右のいずれか少なくとも一方にマルチビームセンサ
を配置したことを特徴としている。
【0025】マルチビームセンサを上下のいずれかに配
置することにより搬送物の幅を検知できる。また、マル
チビームセンサを左右のいずれかに配置することにより
搬送物の高さを検知できる。さらに、両方にマルチビー
ムセンサを配置することにより搬送物の幅と高さを知る
ことができる。よって、この実施例によれば、搬送物の
サイズを検知することができる。
【0026】請求項9に記載のマルチビームセンサは、
発光素子と、受光素子と、2種以上の回折格子を有し、
当該2種以上の回折格子うち一つの回折格子によって生
成される回折光スポットの間に別な回折格子によって生
成される回折光スポットが位置するようにして各回折光
スポットが一直線上に配列されるようになったことを特
徴としている。
【0027】このマルチビームセンサにあっては、2種
以上の回折格子うち一つの回折格子によって生成される
回折光スポットの間に別な回折格子によって生成される
回折光スポットが位置するようにして各回折光スポット
が一直線上に配列しているので、それぞれ適当なパター
ンの回折格子を選択して適当な位置に配置することによ
り、任意の位置もしくは任意の間隔で回折光スポットを
配列させることができる。従って、回折光スポットの任
意の配列パターンを得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図5は本発明の一実施形態による
搬送装置、すなわちローラコンベア装置Aを示す一部破
断した斜視図である。このローラコンベア装置Aの全体
的構成は、センサ部分を除いて図1(a)(b)に示し
たものと同じであるので、再度図示することは省略す
る。
【0029】本発明のローラコンベア装置Aでは、各ゾ
ーン毎において、検出面(ローラ2の上面)の斜め下側
方に、センサSとして、1台ずつマルチビームセンサ1
1が配置されている。すなわち、図5に示すように、ロ
ーラ2の下側空間において側板9の内側近傍に、投受光
面が斜め上方を向くようにしてマルチビームセンサ11
が配置されている。マルチビームセンサ11は、投光部
(マルチビーム光源12)と受光部とを備えており、投
光部からは複数本の不連続な光ビームαが出射されてい
る。これらの光ビームαは、同一面内にあり、ローラ2
間の隙間を通過している。これらのいずれかの光ビーム
αの位置をワーク1が通過すると、光ビームαがワーク
1下面で拡散反射され、その反射光がマルチビームセン
サ11の受光部で受光され、ワーク1が検出される。
【0030】図6は上記マルチビームセンサ11の一例
を示す斜視図であって、筐体12内にマルチビーム光源
13、受光レンズ14及び受光素子アレイ15a,15
b,…等が納められている。投光部を構成するマルチビ
ーム光源13は、発光ダイオード(LED)や半導体レ
ーザー素子(LD)等の発光素子16と、投光レンズ1
7と、回折格子18とから構成されている。発光素子1
6から出射された発散光は投光レンズ17によってコリ
メータ光に変換された後、回折格子18を通過する。こ
こでは、図7に示すように、回折光のうち0次光と±1
次光の光ビームαが用いられる。受光部は、受光レンズ
14と受光素子アレイ15a,15b,…からなり、受
光素子アレイを構成する各受光素子15a,15b,1
5cは、ローラ2の上面を通過するワーク1で散乱反射
された0次光もしくは±1次光が受光レンズ14で集光
される位置に配置されている。従って、ワーク1が検出
面19(ローラ2の上面)における0次光もしくは±1
次光のいずれかの光スポット位置を通過すると、ワーク
1で散乱反射された光ビームαがいずれかの受光素子1
5a,15b,15cで受光され、ワーク1が検出され
る。
【0031】図8に示すものは、上記マルチビームセン
サ11の回路構成を示すブロック図である。発振回路2
1で発生した基準信号と同期してクロックパルス発生回
路22からは一定周波数のパルス信号が出力されてい
る。発光素子駆動回路23はクロックパルス発生回路2
2からパルス信号を受信すると、発光素子16を発光さ
せ、その結果発光素子16は一定周期毎にパルス発光し
ている。受光素子アレイを構成する各受光素子15a,
15b,15cは、ワーク1からの反射光ビームαを受
光すると受光信号を出力する。この受光信号は増幅器2
4によって増幅された後、コンパレータ25により所定
のスレッショルド値と比較される。増幅された受光信号
がスレッショルド値よりも大きい場合には、レジスタ2
6に判定信号が出力される。レジスタ26にはクロック
パルス発生回路22からパルス信号が入力されており、
パルス信号と同時にコンパレータ25から判定信号を受
け取った場合には、ワーク1を検出したと判断し、出力
回路27から検出信号を出力する。各受光素子15a,
15b,15cの受光信号に基づく検出信号を出力する
出力回路27はオア(OR)演算回路28に接続されて
いるので、いずれか1つの受光素子15a,15b,1
5cが受光すると、出力端子29から検出信号を出力す
る。
【0032】なお、図8の回路構成でオア演算回路28
を用いる代りに、マルチビーム光源13から出射された
すべての光ビームα(0次光及び±1次光)を1つの受
光素子で受光するようにしてもよい。
【0033】上記のように、このローラコンベア装置A
にあっては、センサとしてマルチビームセンサ11を用
い、複数本の光ビームαをローラ2間の隙間に沿って出
射し、検出面19における光スポットのいずれかをワー
ク1が通過すると、これを検出するようにしているの
で、1台のセンサによって通過位置の不定なワーク1を
検出することができる。
【0034】また、マルチビームセンサ11は検出面1
9に対して斜め側方に配置されているので、薄い板状の
ワーク1も確実に検出することができる。さらに、ブリ
ッジ現象が発生した場合にもワーク1を検出することが
できる。
【0035】また、マルチビームセンサ11は、ローラ
2の下方に配置されているので、外観上センサが目立た
ず、ワーク1の通過の邪魔になることもない。さらに、
ローラコンベア装置Aから外側へ飛び出すこともないの
で、作業の邪魔になることもない。
【0036】また、マルチビームセンサ11を用いる利
点としては、検出範囲を広視野化でき、かつ高S/N比
を実現できる点にある。例えば、散乱型の光源を備えた
センサを用いた場合には、図9の30のような全体に広
がった光ビーム強度曲線となるので、全体にわたって光
ビーム強度が小さくなり、特に中心から外れた位置では
光ビーム強度が検出感度以下となってしまい、検出範囲
が狭くなると共にS/N比も悪くなる。これに対し、マ
ルチビームセンサ11を用いると検出箇所は不連続とな
るが、図9の31のようなピーク状の光ビーム強度曲線
が得られ、光ビーム出射箇所における光ビーム強度を中
心から外れた箇所でも大きくできる。この結果、検出範
囲を広視野化でき、かつ高S/N比を実現することがで
きる。
【0037】もっとも、マルチビームセンサ11を用い
ると、検出位置(光スポット位置)が飛び飛びになるの
で、検出面19における光スポット間隔gとワーク1の
最小幅mとの関係が問題となる。すなわち、光スポット
間の非検出領域をワーク1が通過すると、ワーク検知不
能となる。これを防止するためには、検出面19におけ
る光スポット間隔g、側板9の内面と端の光スポットの
間隔のうち最大値が、ワーク1の最小幅mよりも小さく
なるように設定する必要がある。
【0038】例えば、最小幅mのワーク1として封筒や
ハガキのような定型郵便物を想定し、ワーク1の最小幅
mを90mmとする。また、マルチビームセンサ11とし
て、図7のような3本の光ビームα(0次光、±1次
光)を出射するものを用い、マルチビームセンサ11を
図10に示すように検出面19の下方H=130mm、側
板9の内面からL=30mmの位置に配置した。図10に
おいては、 a=側板9内面と−1次光の光スポットの間隔 b=−1次光の光スポットと0次光の光スポットの間隔 c=0次光の光スポットと+1次光の光スポットの間隔 d=+1次光の光スポットと側板9の内面の間隔 である。ここで、回折角θを変化させると共にa=85
mmとなるようにマルチビームセンサ11を傾けて0次光
の出射角φを調整し、d=max(a,b,c)つまりd
をa、b、cのうち最も大きな値に等しくし、コンベア
幅W=a+b+c+dとして決定した。このときのコン
ベア幅Wと各値a、b、c(ビーム間隔)の関係を示し
たものが図11である。図11から、a、b、c、dの
いずれもがワーク1の最小幅90mmよりも小さくなる
(a、b、c、d<g)コンベア幅Wは、約300mm以
下であることが分かる。従って、コンベア幅Wが約30
0mm以下であれば、図7のようなマルチビームセンサ1
1を用い、図11のコンベア幅Wから読み取った値とな
るようにa、b、cの値を読み取り、そのような値が得
られるように回折角θ及び0次光の出射角φを決定すれ
ばよい。
【0039】(4本ビームの場合)また、図12には、
発光素子16から出射され投光レンズ17でコリメート
光に変換された光ビームαを回折格子18に通すことに
より、±1次光と±2次光(回折効率を調整することに
より、0次光は消している)の4本の光ビームαを出射
させたマルチビームセンサ11を示している。
【0040】このようなマルチビームセンサ11によ
り、同じく最小幅m=90mmのワーク1を検出する場合
を考える。マルチビームセンサ11は、図10の場合と
同じく検出面19の下方H=130mm、側板9の内面か
らL=30mmの位置に配置されている。また、図12に
おいては、 a=側板9の内面と−2次光の光スポットの間隔 b=−2次光の光スポットと−1次光の光スポットの間
隔 c=−1次光の光スポットと+1次光の光スポットの間
隔 d=+1次光の光スポットと+2次光の光スポットの間
隔 e=+2次光の光スポットと側板9の内面との間隔 である。回折角θを変化させると共にa=85mmとなる
ようにマルチビームセンサ11の角度(向き)を調整
し、またe=max(a,b,c,d)となるようにし、
コンベア幅W=a+b+c+d+eとして決定した。こ
のときのコンベア幅Wと各値a、b、c、d(ビーム間
隔)の関係を示したものが図13である。図13から、
a、b、c、d、eのいずれもがワーク1の最小幅g=
90mmよりも小さくなる(a、b、c、d、e<g)コ
ンベア幅Wは、約300〜360mmであることが分か
る。従って、コンベア幅Wが約300〜360mmであれ
ば、図12のような構成のマルチビームセンサ11を用
い、図13のコンベア幅Wから読み取った値となるよう
にa、b、c、dの値を読み取り、そのような値が得ら
れるように回折角θ及びマルチビームセンサ11の角度
を決定すればよい。
【0041】(マルチビームセンサの他例)上記のよう
にマルチビームセンサ11は検出面19に対して斜めに
配置されているので、回折格子18の0次光と±1次光
を用いたマルチビームセンサ11の場合でも、検出面1
9における光ビームαの光スポット間隔gは均一にはな
らない。しかし、検出面19における光ビームαの間隔
は等間隔であることが広視野化の点からも好ましい。
【0042】図14〜図16に示すものは、マルチビー
ムセンサ11の回折格子18として組み合せた2つの回
折格子18a,18b(複合グレーティング)を用いる
ことによって検出面19における光ビームαの光スポッ
ト間隔gを所望間隔となるように調整する(例えば、光
スポット間隔が等間隔となるようにする)方法を示して
いる。まず、図14に示すものは、発光素子16から出
射され投光レンズ17でコリメート化された光ビームα
を2つの回折格子18a,18bに透過させ、一方の回
折格子18aによって0次光と±1次光を生じさせ、他
方の回折格子18bにより0次光のみを生じさせてい
る。そして、回折格子18bによる0次光の光スポット
を、回折格子18aによる0次光の光スポットと+1次
光の光スポットの中間に配置することにより、検出面1
9における各光ビームαの光スポット間隔gをほぼ均一
にしている。
【0043】図15に示すものは、発光素子16から出
射され投光レンズ17でコリメート化された光ビームα
を2つの回折格子18a,18bに透過させ、一方の回
折格子18aによって0次光と±1次光を生じさせ、他
方の回折格子18bにより±1次光を生じさせている。
そして、回折格子18bによる−1次光の光スポット
を、回折格子18aによる0次光と+1次光の各光スポ
ット間の中央部に配置し、回折格子18aによる+1次
光の光スポットを、回折格子18bによる−1次光と+
1次光の各光スポット間の中央部に配置することによ
り、検出面19における各光ビームαの光スポット間隔
gをほぼ均一にしている。
【0044】図16に示すものは、発光素子16から出
射され投光レンズ17でコリメート化された光ビームα
を2つの回折格子18a,18bに透過させ、一方の回
折格子18aによって0次光と±1次光を生じさせ、他
方の回折格子18bにより±1次光を生じさせている。
そして、検出面19において回折格子18aによる0次
光と+1次光の各光スポット間の間隔を、回折格子18
bによる±1次光の光スポットによってほぼ3等分する
ことにより、検出面19における各光ビームαの光スポ
ット間隔gをほぼ均一にしている。
【0045】(5本ビームの場合)ここで図16のよう
な構成の複合グレーティングを用いたマルチビームセン
サ11とコンベア幅Wとの関係を考える。これまでと同
じく最小幅g=90mmのワーク1を検出する場合を考え
る。マルチビームセンサ11は、図17に示すように検
出面19の下方H=130mm、側板9の内面からL=3
0mmの位置に配置されているとする。図17において
は、 a=側板9の内面と回折格子18aによる−1次光の光
スポットの間隔 b=回折格子18aによる−1次光と0次光の各光スポ
ットの間隔 c=回折格子18aによる0次光と回折格子18bによ
る−1次光の各光スポットの間隔 =回折格子18bによる−1次光と+1次光の各光スポ
ットの間隔 =回折格子18bによる+1次光と回折格子18aによ
る+1次光の各光スポットの間隔 d=回折格子18aによる+1次光の光スポットと側板
9の内面の間隔 である。そして、回折格子18aの回折角θを変化させ
ると共にa=85mmとなるようにマルチビームセンサ1
1の角度を調整し、またd=max(a,b,c)となる
ようにし、コンベア幅W=a+b+3c+dとして決定
した。このときのコンベア幅Wと各値a、b、c(ビー
ム間隔)の関係を示したものが図18である。図18か
ら、a、b、c、dのいずれもがワーク1の最小幅g=
90mmよりも小さくなる(a、b、c、d<g)コンベ
ア幅Wは、約360〜500mmであることが分かる。従
って、コンベア幅Wが約360〜500mmであれば、図
16のような構成のマルチビームセンサ11を用い、図
18のコンベア幅Wから読み取った値となるようにa、
b、cの値を読み取り、そのような値が得られるように
回折角θ及びマルチビームセンサ11の角度を決定すれ
ばよい。
【0046】なお、同様な条件下において、約500mm
以上のコンベア幅Wのローラコンベア装置Aにマルチビ
ームセンサ11を用いる場合には、左右側板9の内面近
傍に上記のようなマルチビームセンサ11をそれぞれ配
置すればよい。
【0047】(受光パワーとビーム投射位置との関係)
いま、図19に示すように、検出面19に投光ビームパ
ワーP0の光ビームαが入射して検出面19で散乱反射
され(32は散乱光の輝度分布を示す)、その光ビーム
αが受光素子、たとえば15bで受光されるときの受光
パワーをP1とすると、その受光効率P1/P0は、 P1/P0=(1−cos2ω)cosθ =sin2ω・cosθ と表わされる。ここで、γは検出面19上の光スポット
33と受光レンズ14の中心を結ぶ光軸が検出面19の
法線となす角、ωは検出面19上の光スポット33から
受光レンズ14を見た見込み角である。光スポット3の
受光レンズ位置からの距離Rが大きくなるほど、 γ→π/2 ω→0 となるので、受光効率P1/P0は小さくなってゆく。従
って、マルチビームセンサ11から投射される光ビーム
αの投光ビームパワーP0が光スポット位置によらず一
定であると、ワーク1で反射された光ビームαが各受光
素子15a,15b,…で受光される際の受光パワーP
1が均一にならず(図20参照)、マルチビームセンサ
11の信号処理回路が複雑となる。
【0048】(複合グレーティングを備えたマルチビー
ムセンサ)上記のような問題は、複合グレーティングを
備えたマルチビームセンサ11を用いることにより解決
することができる。図21はこのような複合グレーティ
ングを備えたマルチビームセンサ11を示す斜視図であ
って、投光部41と受光部42からなる。投光部41は
ローラ2間の隙間から検出面19の異なる位置に向かっ
て複数本(この実施形態では、4本)の光ビームαを投
射する。受光部42は、検出面19からの反射光ビーム
αを受光することにより、ワーク1の有無を判別する
(または、判別のための検出信号を出力する)。
【0049】投光部41は、LEDのような発光素子1
6と、発光素子16からの発散光をコリメートする投光
レンズ17と複合グレーティング素子43とから構成さ
れている。複合グレーティング素子43は、コリメート
光を回折により4つの光に分割するためのものであっ
て、図22(a)は複合グレーティング素子43の平面
図を、図22(b)は複合グレーティング素子43の側
面図を示す。複合グレーティング素子43は4つのグレ
ーティング領域43a,43b,43c,43dから構
成され、各グレーティング領域43a,43b,43
c,43dは異なる位置に回折光を投射できるよう、そ
れぞれグレーティングの方向が各位置に応じて定められ
ている。また、各グレーティング領域43a,43b,
43c,43dは、それによって形成される検出面19
上の光スポット33の位置とその反射光ビームαを受光
する対応した受光素子15a,15b,15c,15d
との距離が長いほど、また受光レンズ14の光軸に対す
る、検出面19からの反射光ビームαの入射角が大きい
ほどその面積が大きくなるように形成されている。
【0050】この実施形態においては、受光素子15a
とそれに対応する光スポット33との距離がもっとも長
く、受光素子15aに入射する反射光ビームαの軸外角
度がもっとも大きくなっているので、当該光スポット3
3に投射するためのグレーティング領域43dの面積が
もっとも大きくなっている。そして、他の光スポット3
3に対応してグレーティング領域34dに隣接するグレ
ーティング領域43c,43b,43aと順にその面積
が小さくなっている。
【0051】また、受光部42は、4つの受光器44
a,44b,44c,44dと集光用の受光レンズ14
とから構成されている。受光素子15a,15b,15
c,15dは、図23に示すように、各受光器44a,
44b,44c,44dの内部に納められており、受光
器44a,44b,44c,44dの上面にはそれぞれ
開口45が形成されている。これらの開口45の大きさ
は各受光素子15a,15b,15c,15dに入射す
る光量が等しくなるように、対応する光スポット33か
らの反射光量に応じて設定されている。
【0052】上述したように、発光素子16から出射さ
れた拡散光は複合グレーティング素子43で4つの光ビ
ームαに分割され、かつコリメートされて、適当な面積
の光スポット33をもって検出面19に照射される。
【0053】複合グレーティング素子43の各グレーテ
ィング領域43a,43b,43c,43dにより生じ
る光スポット33は、グレーティング領域43a,43
b,43c,43dの大きさに対応し、もっとも大きな
面積を有するグレーティング領域43dより投射される
光スポット33の大きさが最も大きくなっている。
【0054】検出面19で拡散反射された光ビームα
は、それぞれ受光レンズ14によって結像され、受光部
42の受光素子15a,15b,15c,15dによっ
て受光される。
【0055】反射光ビームαの光量が一定であれば、上
述のように検出面19上の光スポット33と受光素子の
間の距離が長いほど受光素子の受光量が少なくなり、受
光レンズ14の反射光ビームαの軸外角度が大きくなる
ほど受光素子の受光量が少なくなる。これに対し、この
複合グレーティング素子43を用いたマルチビームセン
サ11では、光スポット33と受光素子の間の距離およ
び軸外角度の大きさに対応して、グレーティング領域4
3a,43b,43c,43dの大きさが定められ、こ
れによって光スポット33の大きさが定められているの
で、各受光素子15a,15b,15c,15dの受光
量(受光パワーP1)はほぼ等しくなっている(図24
参照)。
【0056】もっとも、受光素子15a,15b,15
c,15dの受光量は、グレーティング素子43のグレ
ーティング領域43a,43b,43c,43dの大き
さによっては必ずしも十分には調整できない場合があ
る。
【0057】そこで、グレーティング領域43a,43
b,43c,43dの面積による受光量の調整誤差を、
受光器44a,44b,44c,44dの開口45の大
きさを変えることにより修正している。これにより、最
終的に全ての受光素子15a,15b,15c,15d
の受光量を等しくすることが可能になる。
【0058】さらに、複合グレーティング素子43にお
いてグレーティングの高さを各グレーティング領域43
a,43b,43c,43d毎に異ならせてもよい。グ
レーティング素子43の回折効率はグレーティングの高
さに依存するので、グレーティング領域43a,43
b,43c,43d毎にグレーティングの高さを調整す
ることにより、各受光素子15a,15b,15c,1
5dへの入射光量が一定となるように各グレーティング
領域43a,43b,43c,43d毎に回折効率を調
整することができる。
【0059】(オフアキシス・マイクロ・フレネル・レ
ンズ・アレイを備えたマルチビームセンサ)つぎに、さ
らに別な構成のマルチビームセンサ11として、オフア
キシス・マイクロ・フレネル・レンズ・アレイ46(以
下、オフアキシス・マイクロ・フレネル・レンズをオフ
アキシスMFLと略記する)を備えたものを説明する。
このマルチビームセンサ11は、図25に示すように、
マルチビーム光源13、受光レンズ14及び受光素子ア
レイ15a,15b,…を備えている。マルチビーム光
源13は、LED等の発光素子16と、その上方に配置
され、発光素子16の出射光を4つの光ビームαに分
け、これらの光ビームαをコリメートした上で、それぞ
れ異なる位置に向けて投射するオフアキシスMFLアレ
イ46とから構成される。受光素子アレイは多くの受光
素子を備えている。この実施例では、4個の受光素子1
5a,15b,15c,15dのみが用いられる。受光
レンズ14は、検出面19からの拡散反射光(乱反射
光)を対応する受光素子15a,15b,15c,15
d上に結像させるためのものである。
【0060】オフアキシスMFLアレイ46の構成例を
図26(a)に示す。このオフアキシスMFLアレイ4
6は、複数個(この実施例では4個)のオフアキシスM
FL46a,46b,…を所定位置に配列したものであ
る。オフアキシスMFL46a,46b,…は図26
(c)に示すように、そこに形成された不等間隔グレー
ティングの形状に応じて入射光ビームαを所定の方向に
偏向すると共に、拡散光をコリメートする(コリメート
光を集光することもできる)機能をもつものである。こ
のようなオフアキシスMFL46a,46b,…は、例
えば図26(b)に示すように、マイクロ・フレネル・
レンズ47の一部を切り取ったグレーティング・パター
ンをもつ。図26(a)に示すオフアキシスMFLアレ
イ46を用いて、発光素子16の出射光ビームαを4つ
に分割し、かつコリメートして、図25に示すように、
一列状に配列された光スポット33を検出面19上に作
ることができる。
【0061】なお、上記複合グレーティング素子やオフ
アキシスMFLアレイは、たとえば4種のグレーティン
グやオフアキシスMFLを別個に作製したあと貼り合わ
せることにより作製することができる。また、上記回折
格子や複合グレーティング素子やオフアキシスMFLア
レイは、スタンパを用いて2P(Photo-Polymerizatio
n)法により一体成形したり、射出成形により一体成形
したりしてもよい。
【0062】(マルチビームセンサのさらに別な実施形
態)マルチビームセンサ11の投光部を構成するマルチ
ビーム光源13としては、上記構造以外のものを用いて
もよい。例えば、図27に示すように、回折格子18の
パターン面を発光素子16側に向けていてもよい。ま
た、図28に示すものは発光素子16と投光レンズ17
とプリズム48(例えば、台形プリズム等の多角形状の
プリズム)とからなるマルチビーム光源13であって、
発光素子16から出射された光は投光レンズ17でコリ
メート光に変換され、プリズム48で屈折されて複数本
の光ビームαが異なる方向へ出射される。また、図29
に示すものは複数個の発光素子16(発光素子アレイ)
と投光レンズ17からなるマルチビーム光源13であっ
て、各発光素子16から出射された光ビームαが投光レ
ンズ17でコリメート光に変換され、異なる方向へ出射
される。また、図30に示すものは発光素子16とレン
ズアレイ49とからなるマルチビーム光源13であっ
て、発光素子16から出射された光は、レンズアレイ4
9の各レンズ単位でコリメート化されて異なる方向へ出
射される。これらのマルチビーム光源13を内蔵したマ
ルチビームセンサ11を用いた場合にも、本発明のロー
ラコンベア装置Aの効果を奏することはいうまでもな
い。
【0063】(搬送装置の別な実施形態)図31に示す
ものは本発明の別な実施形態によるローラコンベア装置
Aを示す概略斜視図である。この実施形態にあっては、
側板9よりも外側においてワーク通過面(ローラ2の上
面)の斜め上方にマルチビームセンサ11を配置してい
る。マルチビームセンサ11は斜め下方に向いており、
複数本の光ビームαはローラ2間の隙間を通過するよう
に投光されている。
【0064】このように斜め下方に向けてマルチビーム
センサ11をローラコンベア装置Aの斜め上方に配置す
れば、投受光面が下向きとなるので、蛍光灯などからの
ノイズを受けにくくなり、検出感度が安定する。また、
マルチビームセンサ11の投受光面が下向きとなるの
で、投受光面にごみやホコリ、汚れ、曇り等が付着しに
くくなり、ごみ等によってマルチビームセンサ11の検
出感度が低下するのを防止できる。
【0065】さらに、マルチビームセンサ11をローラ
コンベア装置Aの上方に配置すれば、側板9よりも外側
に配置できるので、マルチビームセンサ11から検出面
9までの距離を長くとることができ、光スポット間隔g
を比較的均一にすることができる。
【0066】なお、検出面9の斜め下方にマルチビーム
センサ11を配置する場合においても、図32に示すよ
うに、マルチビームセンサ11の筐体を水平方向に向け
て配置し、光ビームαを斜め上方に向けて投光するよう
にすれば、筐体の投受光面にごみ等が付着しにくくな
る。また、これとは逆に、検出面の真下に真上を向けて
マルチビームセンサ11を配置しても差し支えない。ま
た、筐体の投受光面に設けられているガラス板や透明樹
脂板などに溌水処理を施してもよい。
【0067】(搬送装置のさらに別な実施形態)図33
は本発明のさらに別な実施形態によるローラコンベア装
置Aを示す概略図である。このローラコンベア装置Aに
おいては、マルチビームセンサ11によるワーク1の検
出領域51をワーク通過面(ローラ2の上面)を含む所
定範囲(図33で斜線を施した範囲)に限定している。
このためには、マルチビームセンサ11の各受光素子と
して分割フォトダイオードや位置検出素子(PSD)を
用い、マルチビームセンサ11を距離検出型にすること
によって実現することができる。1ビーム1受光素子の
場合には、三角測距の原理により分割フォトダイオード
や位置検出素子(PSD)を用いて距離検出することは
周知の技術であり、この実施形態は当該技術をマルチビ
ームセンサに適用したものである。
【0068】距離設定型でない拡散反射型のマルチビー
ムセンサを用いた場合には、図34に示すように、ロー
ラコンベア装置Aの上方をワーク1以外のもの(例え
ば、作業員52の手など)がよぎったり、マルチビーム
センサ11の光ビームαが作業員52の体に当って反射
された場合には、これらをワーク1と誤検知する恐れが
ある。これに対し、この実施形態によれば検出領域51
にあるワーク1下面のみを検出することができるので、
上記のような誤検知を防ぐことができ、信頼性を向上さ
せることができる。
【0069】(搬送装置のさらに別な実施形態)図35
は本発明のさらに別な実施形態におけるマルチビームセ
ンサ11の回路構成を示す図である。図8に示した回路
構成では、各受光素子の検知信号をオア演算回路28を
通して出力するようにしていたが、図35に示す回路構
成では、各受光素子15a,15b,…で個々にワーク
1を検出してワーク1の通過位置(ローラコンベア装置
Aの幅方向の位置)も検出できるようにしている。各受
光素子15a,15b,…から出力された検知信号はメ
モリ53に保存され、位置判別部54でワーク1の通過
位置を判断して出力端子55から外部へ出力する。
【0070】このように単にワーク1の通過を検知する
だけでなく、ワーク1の通過位置も検知できるようにす
れば、例えば図36(a)(b)に示すようなワーク仕
分け機能を備えた搬送装置に利用することができる。
【0071】図36に示すローラコンベア装置Aにあっ
ては、主搬送ライン56から副搬送ライン57が分岐し
ており、主搬送ライン56における副搬送ライン57と
反対側にはソータ58が設けられている。ソータ56は
ローラ2の上面よりも上に突出するように配設された複
数のスライドシュー59とコントローラ60を備えてい
る。各スライドシュー59は、ローラ2の下面側に構成
された駆動機構(図示せず)によりローラ2間に沿って
移動できるようになっており、マルチビームセンサ11
の出力信号に応じてコントローラ60により制御され
る。なお、図36(a)(b)における33a,33
b,…は、ワーク1が通過したときに、受光素子15
a,15b,…によって反射光が検出されるようになっ
た光スポットである。
【0072】このローラコンベア装置Aにおいては、ワ
ーク1の通過位置に応じて以下のようにしてワーク1が
主搬送ライン56と副搬送ライン57とに仕分けされ
る。例えば、図33(a)に示すように、ワーク1が光
スポット33a及び33bで検知される位置を通過した
場合には、その通過位置がマルチビームセンサ11によ
って検知される。この通過位置情報がコントローラ60
へ送られると、コントローラ60は各スライドシュー5
9を主搬送ライン56の縁に後退させる。従って、ワー
ク1はスライドシュー59に妨げられることなくソータ
58を通過し、図36(a)に想像線で示すように主搬
送ライン56に沿って真っ直ぐに搬送される。
【0073】これに対し、図33(b)に想像線で示す
ワーク1(イ)のように、光スポット33b及び33c
で検知される位置を通過した場合には、その通過位置が
マルチビームセンサ11によって検知される。この通過
位置情報がコントローラ60へ送られると、コントロー
ラ60は適宜スライドシュー59をワーク1の側面に向
けて移動させる。このとき移動するスライドシュー59
はワーク1の側面に当接するまでは高速で移動し、ワー
ク1の側面に当接するとワーク1の側面を押しながらゆ
っくりと移動する。この結果、ワーク1は図33(b)
のワーク1(ロ)のように、後続のワーク1(ニ)が通
過する邪魔にならない領域まで強制的に移動させられ
る。ついで、スライドシュー59によって押されながら
主搬送ライン56を移動したワーク1は、図33(b)
に示すワーク1(ハ)のように、適宜スライドシュ59
によって向きを変更されながら副搬送ライン57側へ押
し出され、副搬送ライン57へ送り出される。
【0074】従って、このローラコンベア装置Aによれ
ば、ワーク1の仕分けに要する時間が短縮され、処理効
率を向上させることができる。
【0075】(搬送装置のさらに別な実施形態)図37
は本発明のさらに別な実施形態による搬送装置を示す一
部破断した斜視図である。このローラコンベア装置Aに
おいては、下向きにして搬送路の上方に一方のマルチビ
ームセンサ11bを設置し、横向きにして搬送路の側方
に他方のマルチビームセンサ11aを設置している。
【0076】図38は上方のマルチビームセンサ11b
の回路構成を示す図である。このマルチビームセンサ1
1bは、図35のマルチビームセンサと同様、各受光素
子15a,15b,…により個々にワーク1を検出した
かどうかを判別しており、ワーク幅判別部61により通
過するワーク1の幅を検出し、出力端子62からワーク
1の幅情報を出力する。
【0077】また、図39は側方のマルチビームセンサ
11aの回路構成を示す図である。このマルチビームセ
ンサ11aも各受光素子15a,15b,…により個々
にワーク1を検出したかどうかを判別しており、ワーク
高さ判別部63により通過するワーク1の高さを検出
し、出力端子64からワーク1の高さ情報を出力する。
【0078】また、このマルチビームセンサ11aは、
ワーク1の長さ(搬送方向の寸法)を検出するためのワ
ーク長さ判別部65を備えている。各受光素子15a,
15b,…の検知信号はカウンタ66に入力されてお
り、カウンタ66は検出信号が出力されている時間をカ
ウントすることによってワーク1の通過時間を求めてい
る。また、ワーク1の搬送速度は速度センサ67もしく
はローラ2の回転速度もしくは駆動ベルト4の走行速度
から求められている。しかして、ワーク長さ判別部65
は、カウンタ66により求められたワーク通過時間とワ
ーク搬送速度に基づき、ワーク1の長さを求め、ワーク
1の長さ情報を出力端子68から出力する。
【0079】したがって、この搬送装置1によれば、ワ
ーク1の通過を検出しながら、同時にワーク1の3次元
寸法(幅、高さ、長さ)を検出することができる。
【0080】なお、上記各実施例においては、マルチビ
ームセンサを横置き(図5や図31のように投光部と受
光部を水平方向に配置する)とするように設計すること
もでき、縦置き(投光部と受光部を上下方向に配置す
る)とするように設計することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)はローラコンベア装置の構造とワ
ークを搬送する動作を説明するための概略図である。
【図2】上記ローラコンベ装置により各ゾーン毎にワー
クが搬送されている状態を示す概略側面図である。
【図3】従来のローラコンベア装置におけるセンサ部分
の構造を示す一部破断した斜視図である。
【図4】ワークがブリッジ現象を起こしている状態を示
す概略側面図である。
【図5】本発明の一実施形態によるローラコンベア装置
を示す一部省略した概略斜視図である。
【図6】同上のマルチビームセンサを示す斜視図であ
る。
【図7】同上のマルチビームセンサによりワークを検出
する原理を示す説明図である。
【図8】同上のマルチビームセンサの回路部分の構成を
示す図である。
【図9】マルチビームセンサによるビーム強度の分布
と、拡散光を用いたセンサによるビーム強度の分布を示
す図である。
【図10】マルチビームセンサの配置と検出面における
光スポット間隔の定義を示す図である。
【図11】同上の光スポット間隔(ビーム間隔)とコン
ベア幅との関係を示す図である。
【図12】別なマルチビームセンサを用いた場合におけ
る、マルチビームセンサの配置と検出面における光スポ
ット間隔の定義を示す図である。
【図13】同上の光スポット間隔(ビーム間隔)とコン
ベア幅との関係を示す図である。
【図14】2つの回折格子(複合グレーティング)を用
いた場合の光ビームと、その光スポット間隔を示す説明
図である。
【図15】別な2つの回折格子(複合グレーティング)
を用いた場合の光ビームと、その光スポット間隔を示す
説明図である。
【図16】さらに別な2つの回折格子(複合グレーティ
ング)を用いた場合の光ビームと、その光スポット間隔
を示す説明図である。
【図17】図16のマルチビームセンサを用いた場合に
おける、マルチビームセンサの配置と検出面における光
スポット間隔の定義を示す図である。
【図18】同上の光スポット間隔(ビーム間隔)とコン
ベア幅との関係を示す図である。
【図19】光スポットの位置と受光素子における受光パ
ワーとの関係を説明するための図である。
【図20】図19に示す各受光素子の受光パワーを示す
図である。
【図21】複合グレーティングを用いたマルチビームセ
ンサを示す斜視図である。
【図22】(a)(b)は同上の複合グレーティングを
示す平面図及び正面図である。
【図23】同上のマルチビームセンサに用いられている
受光器の構造を示す一部破断した斜視図である。
【図24】図21のマルチビームセンサにおける各受光
素子の受光パワーを示す図である。
【図25】オフアキシスMFLアレイを用いたマルチビ
ームセンサを示す概略図である。
【図26】(a)は同上のオフアキシスMFLアレイを
示す平面図、(b)はオフアキシスMFLがマイクロ・
フレネル・レンズから切り出される様子を示す図、
(c)はオフアキシスMFLの作用を示す斜視図であ
る。
【図27】さらに別な構成のマルチビームセンサを示す
概略図である。
【図28】さらに別な構成のマルチビームセンサを示す
概略図である。
【図29】さらに別な構成のマルチビームセンサを示す
概略図である。
【図30】さらに別な構成のマルチビームセンサを示す
概略図である。
【図31】本発明のさらに別な実施形態による搬送装置
を示す斜視図である。
【図32】マルチビームセンサのさらに別な配置形態を
示す概略図である。
【図33】本発明のさらに別な実施形態による搬送装置
を示す概略図である。
【図34】同上の搬送装置の作用説明図である。
【図35】本発明の実施形態における、マルチビームセ
ンサの回路部分の別な構成を示す図である。
【図36】(a)(b)は、同上の回路構成を利用し
た、さらに別な実施形態による搬送装置とその動作を示
す概略平面図である。
【図37】本発明のさらに別な実施形態による搬送装置
を示す概略斜視図である。
【図38】同上の搬送装置における、一方のマルチビー
ムセンサの回路部分の構成を示す図である。
【図39】同上の搬送装置における、他方のマルチビー
ムセンサの回路部分の構成を示す図である。
【符号の説明】
A ローラコンベア装置 1 ワーク 2 ローラ 11 マルチビームセンサ 13 マルチビーム光源 15a,15b,… 受光素子(アレイ) 16 発光素子 18,18a,18b 回折格子 19 検出面 33 光スポット 43 複合グレーティング素子 43a,43b,43c,43d グレーティング領域 46 オフアキシスMFLアレイ 51 検知領域 54 位置判別部 56 主搬送ライン 57 副搬送ライン 58 ソータ 61 ワーク幅判別部 63 ワーク高さ判別部 65 ワーク長さ判別部 67 速度センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−133806(JP,A) 特開 平6−263233(JP,A) 特開 昭55−140412(JP,A) 特開 平3−174509(JP,A) 実開 昭63−162714(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 43/00 - 43/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送物を搬送するための搬送手段と、 1つの筐体から複数の光ビームを出射して反射光を別々
    の受光素子で受光することにより搬送物を検出するマル
    チビームセンサと、 前記センサからの出力にもとづいて前記搬送手段の送り
    と停止を制御する搬送制御手段と、を備えた搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記マルチビームセンサは、搬送物検出
    面の斜め側方に設置されていることを特徴とする、請求
    項1に記載の搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記マルチビームセンサは、発光素子
    と、受光素子と、2種以上の回折格子を有し、当該2種
    以上の回折格子うち一つの回折格子によって生成される
    回折光スポットの間に別な回折格子によって生成される
    回折光スポットが位置するようにして各回折光スポット
    が一直線上に配列されるようにしたことを特徴とする、
    請求項1に記載の搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記マルチビームセンサは、その検出方
    式が距離設定型となっていることを特徴とする、請求項
    1に記載の搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記マルチビームセンサは、その筐体に
    設けられた投受光面が水平方向ないし斜め下向きとなっ
    ていることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記マルチビームセンサは、検出面にお
    ける各反射光ビームによる判別結果をオア出力するもの
    であることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記マルチビームセンサは、検出面にお
    ける各反射光ビームを個別に判別するものであることを
    特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
  8. 【請求項8】 搬送物通過位置の進行方向に向かって、
    その上下のいずれか少なくとも一方、及び/又は左右の
    いずれか少なくとも一方にマルチビームセンサを配置し
    たことを特徴とする、請求項7に記載の搬送装置。
  9. 【請求項9】 発光素子と、受光素子と、2種以上の回
    折格子を有し、 当該2種以上の回折格子うち一つの回折格子によって生
    成される回折光スポットの間に別な回折格子によって生
    成される回折光スポットが位置するようにして各回折光
    スポットが一直線上に配列されるようにしたマルチビー
    ムセンサ。
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