JP3347076B2 - 車両スライド扉の全開保持装置 - Google Patents

車両スライド扉の全開保持装置

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JP3347076B2
JP3347076B2 JP30340498A JP30340498A JP3347076B2 JP 3347076 B2 JP3347076 B2 JP 3347076B2 JP 30340498 A JP30340498 A JP 30340498A JP 30340498 A JP30340498 A JP 30340498A JP 3347076 B2 JP3347076 B2 JP 3347076B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両スライド扉を全開
位置に保持する全開保持装置に関するものであり、特
に、従来周知の弾力を利用した安価な全開ストッパー
と、車両スライド扉をモータ動力により開扉方向および
閉扉方向にスライドさせる改良型動力スライド装置とを
用いて確実にスライド扉を全開位置に保持する全開保持
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、自動車の車体にスライド自在に取付
けられたスライド扉を全開位置に保持する全開ストッパ
ーには、2種類のものがある。第1は、実開昭59−2
866号公報等に記載されたもののように、車体側に固
定されたストライカと、スライド扉側に設けられたラッ
チおよびラチェットとを有するものであり、前記ラッチ
は、スライド扉が所定位置まで開扉方向にスライドする
と、ストライカと当接係合して回転し、スライド扉が全
開位置に至ると、前記ラッチにラチェットが係合して、
前記ラッチと前記ストライカとの係合を保持し、もって
スライド扉を確実に全開位置に保持するものである。第
2の全開ストッパーは、弾性を備えた板バネや弾性ゴム
や弾性ローラ等を用いたものであり、スライド扉が所定
位置まで開扉方向にスライドすると、スライド扉の所望
部分が板バネ等に当接し、更に開扉方向にスライドする
とこれを弾力的に変形させながら乗り越えて全開位置に
至り、その後は、復元した板バネ等の弾力によりスライ
ド扉を全開位置に保持する構成である。また、従来公知
の特開平9−273358号公報には、車体に対してス
ライド移動することにより開閉するスライド扉にワイヤ
ーケーブルを介して連結されたワイヤードラムと、前記
ワイヤードラムを回転させるためのモータと、前記ワイ
ヤードラムと前記モータとの間に設けられたクラッチ機
構とからなり、前記クラッチ機構は、前記モータの閉扉
回転を前記ワイヤードラムに伝達する第1連結状態と、
前記モータの開扉回転を前記ワイヤードラムに伝達する
第2連結状態と、前記ワイヤードラムの閉扉回転および
開扉回転を前記モータに伝達しない非連結状態とに、前
記モータの動力を利用して切り替わる構成とした車両ス
ライド扉の動力スライド装置について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記前者の全開ストッ
パーは、ラッチ・ラチェット機構を用いているため、ス
ライド扉を強固に確実に全開位置に保持できるが、板バ
ネ等を用いた後者の全開保持装置に比べるとラッチ・ラ
チェット機構自体が格段に高価である上、ラッチ・ラチ
ェット機構を解放するための機構も別途必要となるか
ら、更に高価なものとなる。後者の全開ストッパーは、
単純な弾性体を用いるだけであり、解放手段も有しない
から格段に安価であるが、弾性を利用した保持力には限
界があり、特定の条件下ではスライド扉を全開位置に保
持できないときがある。つまり、自動車が約10%を越
える強い傾斜地に止められると、弾性体の保持力ではス
ライド扉を全開位置に保持できないときがある。しか
し、後者の全開ストッパーの課題は、前記動力スライド
装置を改良した改良型動力スライド装置との組み合わせ
により、克服することが可能である。
【0004】
【発明の目的】よって、本発明は、平坦地若しくは緩い
傾斜においては、従来周知の安価で簡単な構成の弾性体
を用いた全開ストッパーによりスライド扉を全開位置に
保持し、強い傾斜地にあっては、改良型動力スライド装
置を用いてスライド扉を全開位置に保持するようにした
ものであり、これにより、実質的にコストを増加させる
ことなくスライド扉を確実に全開位置に保持できる効果
が期待できるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】よって、本発明は、車体
1に対してスライド移動することにより開閉するスライ
ド扉2にワイヤーケーブル9を介して連結されたワイヤ
ードラム8と、前記ワイヤードラム8を回転させるため
のモータ7と、前記ワイヤードラム8と前記モータ7と
の間に設けられたクラッチ機構15と、前記スライド扉
2を全開位置に保持する全開ストッパー60とを有し、
前記クラッチ機構15は、前記モータ7が閉扉回転する
と第1連結状態になって前記ワイヤードラム8を閉扉回
転させ、前記モータ7が開扉回転すると第2連結状態に
なって前記ワイヤードラム8を開扉回転させ、前記第1
連結状態において前記モータを所定量Rだけ前記開扉回
転させるか前記第2連結状態において前記モータを所定
量Rだけ前記閉扉回転させると、前記ワイヤードラム8
の前記閉扉回転および前記開扉回転を前記モータ7に伝
達しない非連結状態に切り替わり、前記第2連結状態は
前記ワイヤードラム8の閉扉回転を前記モータ7に伝達
する構成とし、前記全開ストッパー60は弾力を利用し
て前記スライド扉2を前記全開位置に保持する構成とし
たものにおいて、前記所定量Rに等しい量だけ前記モー
タ7を回転させることにより前記スライド扉2を移動さ
せることができる距離Dは、前記全開ストッパー60に
より規定される全開位置の幅Xより短くしたことを特徴
とする車両スライド扉の全開保持装置としたものであ
る。また、本発明は、前記装置において、前記クラッチ
機構15は、前記第2連結状態において前記スライド扉
2を手動で開扉方向にスライド量S移動させた後閉扉方
向にスライドさせると前記非連結状態に復帰する構成と
し、前記スライド量Sは前記距離Dより短くしたことを
特徴とする車両スライド扉の全開保持装置としたもので
ある。
【0006】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明すると、
図1において、1は自動車の車体、2は車体1にスライ
ド自在に取付けられたスライド扉であり、スライド扉2
は車体1のガイドレール65に案内されて車体1の側面
と略平行にスライドすることにより開閉が行われる。
【0007】前記スライド扉2には、スライド扉2を閉
扉位置(開扉位置ではない)に保持するためのラッチア
ッシー4が取付けられる。ラッチアッシー4は、図2の
ように、前記車体1に固定されたストライカ3と係合す
るラッチ50と、ラッチ50と係合するラチェット51
とを備えている。ラッチ50はバネ52の弾力で時計回
転方向に付勢され、ラチェット51はバネ53の弾力で
反時計回転方向に付勢される。スライド扉2が閉扉方向
に移動すると、ラッチ50はストライカ3に当接して、
実線で示された開扉位置(アンラッチ位置)からラチェ
ット51がラッチ50のハーフラッチ段部54に係合す
るハーフラッチ位置を介してラチェット51がラッチ5
0のフルラッチ段部55に係合するフルラッチ位置(点
線で示された位置)まで回転し、ラッチ50がフルラッ
チ位置になるとスライド扉2は完全に閉扉される。ラッ
チ50にはラッチ50の位置を検出するスイッチ56を
接続する。63は前記ラチェット51を前記ラッチ50
から離脱させるオープンハンドル、64はオープンハン
ドル63の作動を検出するスイッチ、57は動力で前記
ラチェット51を前記ラッチ50から離脱させる動力オ
ープン装置である。
【0008】58は前記スライド扉2の内部に取付けら
れた動力クローズ装置であり、動力クローズ装置58の
動力は、ワイヤーケーブル59を介して前記ラッチアッ
シー4のラッチ50に伝達される。動力クローズ装置5
8は、スライド扉2の閉扉方向への移動によりラッチ5
0がハーフラッチ位置になると、前記スイッチ56から
の信号により作動してワイヤーケーブル59を牽引し、
ラッチ50をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に回
転させる。動力クローズ装置58の構成およびワイヤー
ケーブル59をラッチ50に関連的に連結する構成は、
本願の直接の要旨とは無関係であるため詳細は省略する
が、一例としては、特開平7−180417号公報や、
特開平7−34743号公報に記載された構成がある。
【0009】図1において、5は前記車体1のクォータ
パネル(アウターパネル)6の内側に設けられた動力ス
ライド装置であり、モータ動力により前記スライド扉2
を閉扉方向および開扉方向にスライドさせる。動力スラ
イド装置5は、リバーシブルモータ7と、モータ7の動
力で回転するワイヤードラム8とを備える。ワイヤード
ラム8とスライド扉2とはワイヤーケーブル9により連
結され、モータ動力でワイヤードラム8がいずれかの方
向に回転すると、ワイヤーケーブル9がいずれかの方向
に牽引され、スライド扉2は閉扉方向又は開扉方向にス
ライドする。
【0010】60はスライド扉2を全開位置に保持する
全開ストッパーであり、種々の構成のものが公知である
が、本願では、屈曲させた板バネ若しくは弾性ゴムまた
はバネ弾力を備えたローラ等の弾性を有するものを用い
る。これらのものは、いずれもその弾性力を用いてスラ
イド扉2を全開位置に保持するもので、安価で簡単な構
造を有するものである。全開ストッパー60は、車体1
若しくはスライド扉2のいずれにも取付けることが可能
である。図1では、車体1のガイドレール65内に配設
された板バネからなる全開ストッパー60が示されてい
る。ストッパー60は、スライド扉2が所定位置まで開
扉方向にスライドすると、スライド扉2の所望部分に当
接する。更にスライド扉2が開扉方向にスライドする
と、スライド扉2はストッパー60を弾力的に変形させ
ながら乗り越えて全開位置に至り、その後は、弾力的に
復元したストッパー60によりスライド扉2は全開位置
に弾力的に保持される。なお、本願における全開位置と
は、ストッパー60を乗り越えた位置(弾性体の死点を
越えた位置)からスライド扉2が開扉方向にスライドし
て機械的に突き当たる位置との間を示すものであり、数
センチの幅Xがあるものである。
【0011】前記動力スライド装置5は、特開平9−2
73358号公報に記載されたものを改良したものであ
る。図3および図4には、動力スライド装置5のワイヤ
ードラム8の断面を示しており、ワイヤードラム8は、
ベースプレート10とベースプレート10に所定の間隔
を置いて固定されたカバープレート11とからなる動力
スライド装置5のケース61内に、ドラム軸12で支持
されている。ワイヤードラム8は閉塞した一側と開放し
た他側を有する円筒状に形成され、その外周面には前記
ワイヤーケーブル9が係合するワイヤー溝13が形成さ
れる。ワイヤードラム8の内部には比較的広い内部空間
14が形成され、内部空間14内にはクラッチ機構15
が実質的に収納される。クラッチ機構15は、前記モー
タ7の出力をワイヤードラム8に伝える連結状態と、ワ
イヤードラム8の回転をモータ7に伝達しない非連結状
態と、ワイヤードラム8の回転をモータ7に伝達するブ
レーキ状態とに切り替わる。これらの切替については、
作用において詳細に説明する。
【0012】前記ドラム軸12の端部には前記モータ7
に減速機構(図示なし)を介して連結される駆動歯車1
6と、該駆動歯車16に連結ピン17で固定されて一体
的に回転するガイドプレート18とがそれぞれ回転自在
に取付けられている。ガイドプレート18は駆動歯車1
6と一体的に回転するものであるため、駆動歯車16は
図4(および図4に類似する図面)では省略して図の簡
素化を図っている。前記ドラム軸12の外周の一部には
バネ支持体19を回転自在に装着し、バネ支持体19の
外周には円盤状の支持プレート20を回転自在に装着す
る。支持プレート20は、図4においてはその一部のみ
が仮想線で示されている。支持プレート20とバネ支持
体19の環状フランジ21との間には受皿22を介して
バネ23を設ける。バネ23は、支持プレート20に多
少の回転抵抗を付与する目的で設けたものである。
【0013】前記支持プレート20の外周部にはボス部
24、25が形成され、ボス部24、25にはそれぞれ
揺動アーム26、27が前記ドラム軸12と平行の取付
軸28、29により回転自在に取付けられる。揺動アー
ム26、27の先端側には、前記ドラム軸12と平行に
伸びるスライドピン30、31がそれぞれ設けられる。
前記ガイドプレート18には、前記スライドピン30、
31がそれぞれスライド自在に係合する一対のガイドス
ロット32、33が形成される。ガイドスロット32、
33は、図5のように左右対称で、ドラム軸12を中心
とする円弧状の内側スロット34、35と、内側スロッ
ト34、35の端部に連接され前記ドラム軸12から離
れる方向に伸長する延長スロット36、37と、延長ス
ロット36、37の先端に連通しドラム軸12を中心と
する円弧状を呈する外側スロット38、39とからそれ
ぞれ構成される。延長スロット36、37の内壁36
A、37Aと外壁36B、37Bとの間隔は、ドラム軸
12から離れるに従い拡大させてある。外側スロット3
8、39の一方の端部は半円状の係合面38A、39A
に形成し、他方の端部は外壁36B、37Bと段差なく
連通する当接面38B、39Bに形成する。外側スロッ
ト38、39の長さは、クラッチ機構15の後述する手
動解除に必要な長さであり、外側スロット38、39内
を前記スライドピン30、31が移動できる長さを移動
距離Tと表現する。
【0014】前記ワイヤードラム8の筒状の内面(内
壁)には、前記ドラム軸12に向かって突出する複数の
凸部40が一定の間隙Yを置いて形成される。前記揺動
アーム26、27の先端側にはドラム軸12から離れる
方向に突出するクラッチ爪41、42を形成する。クラ
ッチ爪41、42の一方の面はドラム軸12の放射方向
と略平行の連結面41A、42Aに形成し、他方の面に
はブレーキ凹部41B、42Bを形成する。連結面41
A、42Aとブレーキ凹部41B、42Bとの間の幅Z
は間隙Yより狭くなっており、クラッチ爪41、42
は、揺動アーム26、27が、後述するように取付軸2
8、29を中心に外方に(矢印A方向に)揺動すると間
隙Y内に進入する。
【0015】図12は本発明のブロック回路を示してお
り、45は制御部、46はモータ7の負荷検出計、47
は前記クラッチ機構15を連結状態から非連結状態に復
帰させるための手動操作ボタン、66は車体1に搭載さ
れたバッテリー、67はバッテリー66の電源電圧を一
定の出力電圧を変換するパルス幅変調回路である。
【0016】
【作用】(クラッチ機構15の非連結状態)図4に示し
たように、支持プレート20に取付軸28、29で軸支
された揺動アーム26、27のスライドピン30、31
が、双方とも、ドラム軸12から一定の距離に形成され
たガイドプレート18の内側スロット34、35に係合
していると、揺動アーム26、27のクラッチ爪41、
42は、双方ともワイヤードラム8の凸部40から離間
して非係合となる。このように、両方のクラッチ爪4
1、42が共に凸部40から離間した状態が、前記クラ
ッチ機構15の非連結状態であり、この状態では、ワイ
ヤードラム8がどの方向に回転しても、その回転はクラ
ッチ爪41、42(モータ7)には伝わらないから、ス
ライド扉2を手動で開閉させるときに、余計な抵抗が掛
からない(なお、ワイヤードラム8の回転がガイドプレ
ート18に伝わる状態では、スライド扉2を手動で開閉
させることは困難である)。
【0017】(クラッチ機構15の連結状態)図4の非
連結状態において、モータ7を閉扉方向に回転させる
と、ガイドプレート18は時計回転(閉扉回転)する。
すると、支持プレート20にはバネ23の弾力で回転抵
抗が付与されているため、当初は、支持プレート20に
取付けられた揺動アーム26、27自体は動かずに、揺
動アーム26、27のスライドピン30、31のみが、
回転するガイドプレート18のガイドスロット32、3
3に対して相対的に移動して、一方のスライドピン31
はガイドスロット33の内側スロット35から延長スロ
ット37に進入し、他方のスライドピン30は、ドラム
軸12を中心とする内側スロット34内のみを移動す
る。すると、一方のスライドピン31は延長スロット3
7の内壁37Aに案内されて徐々にドラム軸12から離
間し、これにより揺動アーム27は取付軸29を中心に
矢印A方向に外方に向けて揺動する。スライドピン31
が延長スロット37から外側スロット39に至ると、揺
動アーム27のクラッチ爪42は最外方に突出して、凸
部40同士の間隙Y内に進入し、その後、スライドピン
31は外側スロット39の係合面39Aに係合する。こ
の間、他方の揺動アーム26のスライドピン30は、ド
ラム軸12を中心とする内側スロット34内を移動する
だけであるから、揺動アーム26は取付軸28を中心に
は揺動しない。
【0018】スライドピン31が外側スロット39の係
合面39Aに係合した後も、ガイドプレート18がモー
タ7の動力で閉扉回転を継続すると、係合面39Aがス
ライドピン31を押すため、揺動アーム27は支持プレ
ート20と共にドラム軸12を中心として時計回転し、
図7のように、クラッチ爪42の連結面42Aがワイヤ
ードラム8の凸部40に係合する。このように、クラッ
チ爪42の連結面42Aが凸部40に係合した状態が、
前記クラッチ機構15の前記連結状態(第1連結状態)
となる。なお、揺動アーム27は、スライドピン31が
半円状の係合面39Aに係合しているため、反矢印A方
向に戻されることはない。
【0019】図7の第1連結状態で、更にガイドプレー
ト18が時計回転を継続すると、クラッチ爪42はワイ
ヤードラム8の凸部40を押してワイヤードラム8を時
計回転させ、これにより、ワイヤードラム8に巻回され
たワイヤーケーブル9は閉扉方向に巻き取られ、スライ
ド扉2を閉扉方向にスライドさせる。なお、図4におい
て、モータ7を開扉方向に回転させてガイドプレート1
8を反時計回転(開扉回転)させると、別の揺動アーム
26のクラッチ爪41の連結面41Aが凸部40に係合
して、クラッチ機構15は別の連結状態(第2連結状態
・図11参照)となり、スライド扉2は開扉方向にスラ
イドする。
【0020】(クラッチ機構15のブレーキ状態)モー
タ7の動力によりスライド扉2を閉扉方向または開扉方
向にスライドさせるとき、前記クラッチ機構15は、ク
ラッチ爪42の連結面42Aがワイヤードラム8の凸部
40に当接した第1連結状態(図7)、若しくは、別の
クラッチ爪41の連結面41Aがワイヤードラム8の凸
部40に当接した第2連結状態(図11)となって、ワ
イヤードラム8にモータ7の動力が伝達され、スライド
扉2はモータ7(およびその減速機構)により設定され
た所定の速度でスライドする。しかし、モータ7の動力
でスライド扉2をスライドさせているときでも、スライ
ド扉2に強い外力が作用すると、スライド扉2は前記所
定速度を越えたオーバースピードでスライドしようとす
る。このような外力の一例は、車体1の傾斜によりスラ
イド扉2に作用する重力が挙げられる。
【0021】スライド扉2を閉扉方向にスライドさせる
第1連結状態(図7)において、スライド扉2にオーバ
ースピードをもたらす外力が作用すると、スライド扉2
にワイヤーケーブル9を介して連結されたワイヤードラ
ム8は、モータ7の動力により一定速度で閉扉方向に回
転するガイドプレート18より早い速度で閉扉回転す
る。すると、1つ手前のワイヤードラム8の凸部40
が、図8のように、クラッチ爪42の背面側に追いつい
てブレーキ凹部42Bに当接し、更にワイヤードラム8
がオーバースピードで閉扉(時計)回転すると、揺動ア
ーム27(および支持プレート20)はワイヤードラム
8に押されてワイヤードラム8と同じオーバースピード
の速度でドラム軸12を中心に時計回転し、もって揺動
アーム27のスライドピン31は係合面39Aから押出
されて外側スロット39内を移動し、図9のように外側
スロット39の当接面39Bに当接する。この状態で
は、取付軸29を中心とする揺動アーム27の反矢印A
方向の揺動は、凸部40とブレーキ凹部42Bとの係合
により防止されるから、クラッチ爪42は最外方に突出
した状態に依然として保持される。
【0022】図9の状態になると、オーバースピードを
もたらす外力はワイヤードラム8およびスライドピン3
1を介してガイドプレート18に伝達される。しかしな
がら、ガイドプレート18は減速機構を介してモータ7
に接続されていて、実質的にモータ7および減速機構に
より設定された所定の速度以上では回転しないものであ
るから、スライド扉2にはガイドプレート18によるブ
レーキ抵抗が働き、以後は前記所定の速度でスライド扉
2はスライドすることになる。このように、凸部40が
ブレーキ凹部42Bに係合してワイヤードラム8のオー
バースピードが規制される状態が、前記クラッチ機構1
5の前記ブレーキ状態(第1ブレーキ状態)となる。同
様に、ワイヤードラム8が反時計回転しているときに、
ワイヤードラム8がオーバースピードで回転すると、凸
部40が別の揺動アーム26のブレーキ凹部41Bに係
合し、これにより同様の原理でスライド扉2のスライド
速度は一定に保たれる。この状態は、前記クラッチ機構
15の別のブレーキ状態(第2ブレーキ状態)となる。
したがって、本実施例のクラッチ機構15によると、ス
ライド扉2にオーバースピードをもたらす外力が作用し
ても、スライド扉2のオーバースピードは瞬時に防止さ
れる。
【0023】このように、前記動力スライド装置5が作
動しているときは、前記クラッチ機構15は、クラッチ
爪41、42の連結面41A、42Aがワイヤードラム
8の凸部40に当接した連結状態か(図7参照)、若し
くはブレーキ凹部41B、42Bに凸部40が当接した
ブレーキ状態(図9参照)のいずれかの状態となって、
スライド扉2は一定速度で開閉移動する。
【0024】(モータ7による連結状態から非連結状態
への復帰)前記クラッチ機構15は、モータ7を停止さ
せる前に、いったんモータ7を逆方向に所定時間(所定
量)Rだけ回転させることにより、連結状態から非連結
状態に復帰するように構成されている。つまり、モータ
7の閉扉回転によりガイドプレート18を時計回転させ
て図7の第1連結状態になったときは、いったん、モー
タ7を逆転(開扉回転)させる。すると、ガイドプレー
ト18は反時計回転して、揺動アーム27のスライドピ
ン31は、外側スロット39の係合面39Aから引き抜
かれて反対側の当接面39Bに当接し、図10の状態と
なる。この状態では、ブレーキ凹部42Bは凸部40に
係合していないから、揺動アーム27は反矢印A方向に
揺動可能であり、このため、更にガイドプレート18が
反時計回転すると、スライドピン31は当接面39Bか
ら外壁37Bに案内されて延長スロット37に戻され
て、クラッチ爪42は凸部40から離間し、ガイドプレ
ート18(モータ7)の所定量Rの反時計回転が終了す
ると、スライドピン31は図4の位置に戻され、クラッ
チ機構15は非連結状態に復帰する。なお、モータ7を
逆転(開扉回転)させている最中は、モータ7には実質
的な負荷は掛からないから、負荷検出計46は無反応と
なる。第2連結状態から非連結状態に復帰させるとき
も、同様の原理で行える。
【0025】また、上記において、モータ7に供給され
るバッテリー66の電力は、バッテリー66の負荷に拘
わらずパルス幅変調回路67により一定に保持されるか
ら、確実にモータ7を所定量Rだけ回転させることがで
きる。
【0026】(モータ7によるブレーキ状態から非連結
状態への復帰)前記したように、クラッチ機構15の第
1連結状態は、モータ7によりガイドプレート18を所
定量Rだけ反時計回転させることにより、また、第2連
結状態は、モータ7によりガイドプレート18を所定量
Rだけ時計回転させることによりそれぞれ解除されて、
クラッチ機構15は非連結状態に復帰するが、第1ブレ
ーキ状態または第2ブレーキ状態を解除するときは、次
に説明するように、モータ7の動力でそれぞれを第1連
結状態または第2連結状態に切り替えてから、前記した
連結状態の解除を行って非連結状態に復帰させる。
【0027】まず、第1ブレーキ状態を非連結状態にす
るときについて説明する。スライド扉2にオーバースピ
ードの外力が掛かったままの状態でスライド扉2が所定
位置まで閉扉したときは、クラッチ機構15は、図9の
ように、凸部40がブレーキ凹部42Bに係合した第1
ブレーキ状態になっている。このとき、制御部45は、
クラッチ機構15が第1連結状態のまま閉扉したのか、
第1ブレーキ状態で閉扉したのかを区別していない。そ
こで、制御部45は、負荷検出計46でモータ7に掛か
る負荷を監視しながら、まず、モータ7を閉扉回転から
開扉回転に所定量Rだけ反転させる制御を開始する。こ
のとき、仮にクラッチ機構15が第1連結状態であった
ならば、既に説明したように、モータ7の所定量Rの開
扉回転によりクラッチ機構15は非連結状態に戻され、
この間、負荷検出計46はモータ7の実質的な負荷は検
出しない。このように無負荷のままモータ7の所定量R
の回転が終了したときは、制御部45はクラッチ機構1
5は第1連結状態であったと看做して、非連結状態への
復帰制御を終了する。
【0028】しかし、クラッチ機構15が第1ブレーキ
状態(図9)であったときは、モータ7の開扉回転によ
りガイドプレート18が反時計回転すると、ブレーキ凹
部42Bが凸部40に当接しているため、直ちに、モー
タ7には実質的な負荷が掛かり、これが負荷検出計46
で検出される。このように、モータ7の所定量Rの開扉
回転が終了する前にモータ7の負荷が検出されたとき
は、制御部45は、クラッチ機構15は第1ブレーキ状
態にあると看做し、今度は、モータ7を閉扉方向に再反
転させる。すると、図9において、ガイドプレート18
のみが時計回転して外側スロット39の係合面39Aが
スライドピン31に係合し、図8に示した状態となる。
更に、ガイドプレート18が時計回転すると、揺動アー
ム27はドラム軸12を中心に時計回転して、クラッチ
爪42の連結面42Aが凸部40に当接する。この状態
は、図7の第1連結状態と同じである。ここから更にガ
イドプレート18が時計回転すると、モータ7にはワイ
ヤードラム8を回転させるための負荷が掛かる。この2
回目の負荷が負荷検出計46で検出されると、制御部4
5は、クラッチ機構15が第1ブレーキ状態から第1連
結状態に切り替わったと看做すことができ、これによ
り、制御部45は、モータ7を開扉方向に所定量Rだけ
再々反転させる。これにより、前記したように、第1連
結状態から非連結状態に復帰する。なお、第1ブレーキ
状態から第1連結状態への切替は、モータ7を回転させ
る時間の制御でも行える。また、第2ブレーキ状態を非
連結状態に復帰させるときも同様の原理である。
【0029】(手動によるブレーキ状態から非連結状態
への復帰)前記クラッチ機構15のブレーキ状態および
連結状態を非連結状態に復帰させるときは、モータ7の
動力を使用するのが基本となるが、クラッチ機構15が
ブレーキ状態または連結状態にあるときに、モータ7が
故障したときは、手動によりブレーキ状態または連結状
態を解除できる。
【0030】まず、クラッチ機構15のブレーキ状態か
ら非連結状態への手動復帰を、第1ブレーキ状態を示し
ている図9を用いて説明する。図9では、揺動アーム2
7のスライドピン31が外側スロット39の当接面39
Bに当接しているため、ワイヤードラム8を時計回転
(閉扉回転)させることはできないが、反時計回転(開
扉回転)させることは可能である。そこで、スライド扉
2を手動で開扉方向にスライドさせ、ワイヤードラム8
を反時計回転させる。すると、ブレーキ凹部42Bに係
合していたワイヤードラム8の凸部40は、ブレーキ凹
部42Bから離脱し、ついで、図10のように、別の凸
部40がクラッチ爪42の連結面42Aに当接する。
【0031】図10の状態で、更にワイヤードラム8を
反時計回転させると、連結面42Aは外方に至るに従い
取付軸29から離れる面になっているから、揺動アーム
27には凸部40との当接により反矢印A方向への力が
作用し、かつ、延長スロット37の外端部の間隔が相当
に幅広に形成されているため、揺動アーム27は取付軸
29を中心に反矢印A方向に揺動して、クラッチ爪42
は凸部40とは係合しない位置に戻され、クラッチ機構
15は第1ブレーキ状態から非連結状態に戻される。第
2ブレーキ状態の解除も同様である。
【0032】(手動による連結状態から非連結状態への
復帰)次に、クラッチ機構15の連結状態から非連結状
態への手動復帰を、第1連結状態を示している図7を用
いて説明する。図7では、スライドピン31が外側スロ
ット39の係合面39Aに係合しているため、ワイヤー
ドラム8は反時計回転(開扉回転)できないが、時計回
転(閉扉回転)は可能となっている。そこで、スライド
扉2を閉扉方向に手動でスライドさせ、ワイヤードラム
8を時計回転させる。すると、連結面42Aに当接して
いた凸部40は連結面42Aから離間し、ついで、別の
凸部40がクラッチ爪42のブレーキ凹部42Bに当接
し、図8の状態となる。
【0033】図8の状態で、更に、ワイヤードラム8を
時計回転させると、揺動アーム27は凸部40とブレー
キ凹部42Bとの当接によりドラム軸12を中心に時計
回転して図9の第1ブレーキ状態となる。第1ブレーキ
状態になると、揺動アーム27のスライドピン31は外
側スロット39の当接面39Bに当接するから、スライ
ド扉2は重たく動かなくなる。そこで、スライド扉2が
重くなったら、今度は開扉方向に手動でスライド扉2を
スライドさせ、以後、前記した第1ブレーキ状態の解除
と同じ操作を行えば、クラッチ機構15は非連結状態に
復帰する。第2連結状態の解除も同様の原理である。
【0034】このように、連結状態から非連結状態への
手動解除では、スライド扉2を手動でスライドさせるこ
とになるが、このとき解除に必要なスライド扉2のスラ
イド量Sは、「凸部40同士の間隙Y」−「クラッチ爪
42の幅Z」+「外側スロット39内を移動できるスラ
イドピン31の移動距離T」に等しい。このスライド量
Sは、後述する動力スライド装置5によるスライド扉2
の全開位置への保持との関係で重要になる。
【0035】(全開ストッパー60によるスライド扉2
の全開位置への保持)モータ7の開扉回転によりクラッ
チ機構15を第2連結状態にしてスライド扉2を開扉方
向に所定位置まで移動させと、スライド扉2は全開スト
ッパー60に当接し、更に、スライド扉2を移動させる
と、スライド扉2は全開ストッパー60を弾力的に変形
させながらこれを乗り越えて全開位置に移動する。スラ
イド扉2が全開位置に移動したら、制御部45はモータ
7を所定量Rだけ逆転させて、クラッチ機構15を非連
結状態に復帰させる。このようにして、スライド扉2を
全開位置に移動させた後は、弾力的に復元した全開スト
ッパー60によりスライド扉2は全開位置の幅X内に保
持される。
【0036】(動力スライド装置5によるスライド扉2
の全開位置への保持)前記全開ストッパー60は、板バ
ネ等の弾力を利用してスライド扉2を全開位置に保持す
るものであるから、その保持力はそれほど強いものでは
なく、一般的には車体1が約10%を越えて前下がり状
態に傾斜すると、スライド扉2は重力により全開ストッ
パー60を乗り越えて閉扉方向(前方方向)にスライド
してしまうことがある。しかし、本発明では、このよう
な傾斜地においても、確実にスライド扉2を全開位置に
保持できる。
【0037】まず、前記のような傾斜地において、モー
タ7の開扉回転によりクラッチ機構15を第2連結状態
にしてスライド扉2を開扉方向に所定位置まで移動させ
と、スライド扉2は全開ストッパー60に当接し、更
に、スライド扉2を移動させると、スライド扉2は全開
ストッパー60を弾力的に変形させながらこれを乗り越
えて全開位置に移動する。この間、傾斜による特別な影
響はなく、スライド扉2に作用する閉扉方向への強い外
力は、開扉方向に回転するモータ7に対する強い負荷に
なるだけである。
【0038】スライド扉2が全開位置に変位したら、制
御部45はクラッチ機構15を非連結状態に復帰させる
ためにモータ7を所定量Rだけ閉扉方向に逆転させる
が、このとき、スライド扉2には閉扉方向への強い外力
が作用しているため、クラッチ機構15は非連結状態に
復帰しない。つまり、スライド扉2が全開位置に変位し
たときは、クラッチ機構15は図11に示された第2連
結状態にあるが、この状態では、スライド扉2に作用す
る閉扉方向への外力の影響でワイヤードラム8には時計
回転方向への外力が作用しており、このため、モータ7
を図11の状態で所定量Rだけ閉扉方向に逆転させてガ
イドプレート18を時計回転させると、同時にワイヤー
ドラム8も外力により追従して時計回転し、スライドピ
ン30は係合面38Aから離間できず、モータ7の所定
量Rの閉扉回転が終了した後も、クラッチ機構15は図
11の第2連結状態まま保持される。
【0039】しかし、この第2連結状態では、ワイヤー
ドラム8の閉扉回転は、スライドピン30と係合面38
Aの係合によりガイドプレート18に伝達されるから、
ワイヤードラム8の閉扉回転は事実上不可能となってお
り、したがって、傾斜地の影響によりスライド扉2に閉
扉方向への強い外力が作用していても、スライド扉2は
全開位置に確実に保持される。
【0040】なお、モータ7の所定量Rの閉扉回転によ
りスライド扉2が閉扉方向にスライドする距離Dは全開
位置の幅Xより短く設定して、モータ7の所定量Rの閉
扉回転によりスライド扉2が閉扉方向に追従してスライ
ドしたときに、スライド扉2が全開ストッパー60に強
く接触しないように(好適には全く接触しないように)
する。仮に、スライド扉2の前記追従スライドにより、
スライド扉2が全開ストッパー60に強く接触するよう
なことがあると、この接触により、スライド扉2に作用
する閉扉方向への外力が実質的に減衰されることになる
から、図11に示された第2連結状態が不完全な状態に
変化する惧れがあり、スライド扉2を全開位置に保持で
きなくなる。
【0041】また、図11の状態から、手動でスライド
扉2を閉扉させるときは、前記した連結状態の手動解除
と同じ操作を行ってクラッチ機構15を非連結状態に復
帰させてから、スライド扉2を閉扉方向にスライドさせ
る。このためには、ワイヤードラム8(スライド扉2)
を図11の状態において開扉方向にスライド量Sだけス
ライドさせることが必要となり、したがって、スライド
量Sはモータ7の所定量Rの閉扉回転によりスライド扉
2が閉扉方向にスライドする距離Dより短くしておく。
これにより、図11の状態でモータ7が故障しても手動
でスライド扉2を閉扉させることができる。
【0042】(動力クローズ装置58による完全閉扉)
動力スライド装置5のモータ7の動力によりスライド扉
2が閉扉方向へスライドして、ラッチアッシー4のラッ
チ5がストライカ3との係合によりハーフラッチ位置に
なると、スイッチ56がこれを検出する。すると、制御
部45はモータ7の閉扉回転を終了させるとともに、ク
ラッチ機構15を非連結状態へ戻す復帰制御を行う。
【0043】クラッチ機構15が非連結状態になった
ら、制御部45は動力クローズ装置58を作動させてハ
ーフラッチ位置のラッチ50をフルラッチ位置に回転さ
せ、スライド扉2を完全に閉扉させ、スイッチ56がフ
ルラッチ位置を検出したら、動力クローズ装置58の作
動を停止させると共に、再び動力スライド装置5のモー
タ7を所定時間だけ、若しくは負荷検出計46が負荷を
検出するまで開扉回転させて、クラッチ機構15を第2
連結状態(図11参照)にし、制御部45はモータ7の
制御を終了する。このように、スライド扉2が完全閉扉
されたら、クラッチ機構15を開扉操作用の第2連結状
態にする。
【0044】この状態からスライド扉2のオープンハン
ドル63を開扉操作すると、ラチェット51はラッチ5
0から離脱してスライド扉2はスライド扉2と車体1と
の間に設けられるゴムシールの弾力によって開扉方向に
押出され、同時にオープンハンドル63の開扉操作がス
イッチ64で検出されることにより、制御部45は動力
スライド装置5のモータ7を開扉回転させて、スライド
扉2を開扉方向にスライドさせる。このとき、車体1が
傾斜地にあって、開扉と同時にスライド扉2に開扉方向
への強い外力が作用したとしても、クラッチ機構15が
完全閉扉状態において予め開扉用の第2連結状態になっ
ているため、ワイヤードラム8の開扉方向へのオーバー
スピードにより、クラッチ機構15は瞬時に第2ブレー
キ状態に切り替わるから、スライド扉2のオーバースピ
ードでのスライドは瞬間的に防止される。
【0045】また、閉扉状態において、手動操作ボタン
47を押すと、モータ7が所定量閉扉回転してクラッチ
機構15は非連結状態に戻される。なお、前記において
は、スライド扉2がフルラッチ状態になったときにクラ
ッチ機構15を第2連結状態に切り替えているが、第2
連結状態への切替を開扉操作の後に変更することも可能
である。この場合、開扉操作が行われる直前まではクラ
ッチ機構15は非連結状態としておき、オープンハンド
ル63の開扉操作がスイッチ64で検知されたら、まず
クラッチ機構15を第2連結状態に切替え、その後、動
力オープン装置57によりラチェット51をラッチ50
から離脱させ、続いて動力スライド装置5を作動させて
スライド扉2を開扉方向にスライドさせる。このような
変更を行っても、開扉時のスライド扉2のオーバースピ
ードでのスライドはよく防止される。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明は、車体1に対し
てスライド移動することにより開閉するスライド扉2に
ワイヤーケーブル9を介して連結されたワイヤードラム
8と、前記ワイヤードラム8を回転させるためのモータ
7と、前記ワイヤードラム8と前記モータ7との間に設
けられたクラッチ機構15と、前記スライド扉2を全開
位置に保持する全開ストッパー60とを有し、前記クラ
ッチ機構15は、前記モータ7が閉扉回転すると第1連
結状態になって前記ワイヤードラム8を閉扉回転させ、
前記モータ7が開扉回転すると第2連結状態になって前
記ワイヤードラム8を開扉回転させ、前記第1連結状態
において前記モータを所定量Rだけ前記開扉回転させる
か前記第2連結状態において前記モータを所定量Rだけ
前記閉扉回転させると、前記ワイヤードラム8の前記閉
扉回転および前記開扉回転を前記モータ7に伝達しない
非連結状態に切り替わり、前記第2連結状態は前記ワイ
ヤードラム8の閉扉回転を前記モータ7に伝達する構成
とし、前記全開ストッパー60は弾力を利用して前記ス
ライド扉2を前記全開位置に保持する構成としたものに
おいて、前記所定量Rに等しい量だけ前記モータ7を回
転させることにより前記スライド扉2を移動させること
ができる距離Dは、前記全開ストッパー60により規定
される全開位置の幅Xより短くしたことを特徴とする車
両スライド扉の全開保持装置としたため、全体のコスト
を実質的に増加させることなく、平坦地若しくは緩い傾
斜においては、従来周知の安価で簡単な構成の弾性体を
用いた全開ストッパー60によりスライド扉2を全開位
置に保持でき、強い傾斜地にあっては、改良型の動力ス
ライド装置5によりスライド扉2を全開位置に確実に保
持できる効果を奏し、更に、動力スライド装置5により
スライド扉2を保持できる位置は、全開ストッパー60
により規定される全開位置の幅X内に設定されるため、
スライド扉2の開扉終了後のモータ7の所定量Rの閉扉
回転によりスライド扉2が閉扉方向に追従してスライド
したときに、全開ストッパー60との接触によりスライ
ド扉2に作用する閉扉方向への外力が実質的に減衰され
ることがなくなり、したがって、スライド扉2を確実に
全開位置に保持できる。また、本発明は、前記装置にお
いて、前記クラッチ機構15は、前記第2連結状態にお
いて前記スライド扉2を手動で開扉方向にスライド量S
移動させた後閉扉方向にスライドさせると前記非連結状
態に復帰する構成とし、前記スライド量Sは前記距離D
より短くしたことを特徴とする車両スライド扉の全開保
持装置としたため、動力スライド装置5により全開位置
に保持されているスライド扉2を手動によっても閉扉さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スライド扉を備えた車両の側面図。
【図2】 ラッチアッシーの断側面。
【図3】 動力スライド装置の縦断側面図。
【図4】 動力スライド装置の縦断正面図。
【図5】 ガイドプレートの正面図。
【図6】 揺動アームの正面図。
【図7】 クラッチ機構が連結状態(第1連結状態)に
あるときの断面図。
【図8】 第1連結状態からワイヤードラムがオーバー
スピードで回転して凸部が係合凹部に係合した状態を示
す断面図。
【図9】 図8の状態からワイヤードラムがオーバース
ピードで回転してスライドピンが当接面に当接した状態
を示す断面図。
【図10】 図9の状態からワイヤードラムを手動で反
時計回転させて凸部がクラッチ爪に当接した状態を示す
断面図。
【図11】 クラッチ機構の第2連結状態を示す断面
図。
【図12】 本発明のブロック回路図。
【符号の説明】
1…車体、2…スライド扉、3…ストライカ、4…ラッ
チアッシー、5…動力スライド装置、6…クォータパネ
ル、7…モータ、8…ワイヤードラム、9…ワイヤーケ
ーブル、10…ベースプレート、11…カバープレー
ト、12…ドラム軸、13…ワイヤー溝、14…内部空
間、15…クラッチ機構、16…駆動歯車、17…連結
ピン、18…ガイドプレート、19…バネ支持体、20
…支持プレート、21…環状フランジ、22…受皿、2
3…バネ、24、25…ボス部、26、27…揺動アー
ム、28、29…取付軸、30、31…スライドピン、
32、33…ガイドスロット、34、35…内側スロッ
ト、36、37…延長スロット、36A、37A…内
壁、36B、37B…外壁、38、39…外側スロッ
ト、38A、39A…係合面、38B、39B…当接
面、40…凸部、41、42…クラッチ爪、41A、4
2A…連結面、41B、42B…ブレーキ凹部、45…
制御部、46…負荷検出計、47…手動操作ボタン、5
0…ラッチ、51…ラチェット、52、53…バネ、5
4…ハーフラッチ段部、55…フルラッチ段部、56…
スイッチ、57…動力オープン装置、58…動力クロー
ズ装置、59…ワイヤーケーブル、60…全開ストッパ
ー、61…ケース、63…オープンハンドル、64…ス
イッチ、65…ガイドレール、66…バッテリー、67
…パルス幅変調回路、D…モータ7の所定量Rの回転に
より移動するスライド扉2の距離、R…クラッチ機構1
5を非連結状態に復帰させるのに必要なモータ7の回転
所定量、S…連結状態の手動による解除に必要なスライ
ド扉2のスライド量、T…外側スロット39内をスライ
ドピン31が移動できる距離、X…全開ストッパー60
により規定される全開位置の幅、Y…凸部40同士の間
隙、Z…クラッチ爪42の幅。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体1に対してスライド移動することに
    より開閉するスライド扉2にワイヤーケーブル9を介し
    て連結されたワイヤードラム8と、前記ワイヤードラム
    8を回転させるためのモータ7と、前記ワイヤードラム
    8と前記モータ7との間に設けられたクラッチ機構15
    と、前記スライド扉2を全開位置に保持する全開ストッ
    パー60とを有し、前記クラッチ機構15は、前記モー
    タ7が閉扉回転すると第1連結状態になって前記ワイヤ
    ードラム8を閉扉回転させ、前記モータ7が開扉回転す
    ると第2連結状態になって前記ワイヤードラム8を開扉
    回転させ、前記第1連結状態において前記モータを所定
    量Rだけ前記開扉回転させるか前記第2連結状態におい
    て前記モータを所定量Rだけ前記閉扉回転させると、前
    記ワイヤードラム8の前記閉扉回転および前記開扉回転
    を前記モータ7に伝達しない非連結状態に切り替わり、
    前記第2連結状態は前記ワイヤードラム8の閉扉回転を
    前記モータ7に伝達する構成とし、前記全開ストッパー
    60は弾力を利用して前記スライド扉2を前記全開位置
    に保持する構成としたものにおいて、前記所定量Rに等
    しい量だけ前記モータ7を回転させることにより前記ス
    ライド扉2を移動させることができる距離Dは、前記全
    開ストッパー60により規定される全開位置の幅Xより
    短くしたことを特徴とする車両スライド扉の全開保持装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記クラッチ機構1
    5は、前記第2連結状態において前記スライド扉2を手
    動で開扉方向にスライド量S移動させた後閉扉方向にス
    ライドさせると前記非連結状態に復帰する構成とし、前
    記スライド量Sは前記距離Dより短くしたことを特徴と
    する車両スライド扉の全開保持装置。
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