JP3346794B2 - 半導体装置及びその形成方法 - Google Patents

半導体装置及びその形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層構造の金属配線
備えた半導体装置及びその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化に伴い、配
線幅,配線膜厚の縮小化や多層配線化が進められてきて
いる。配線材料としてはアルミニウム(Al)を主成分
とするAl合金が用いられてきた。
【0003】しかしながら、配線断面積が縮小化しても
信号電流は低減化されないため、電流密度は増加し、エ
レクトロマイグレ−ションによる断線が問題となってい
る。また、多層配線化に伴い、配線は複雑な熱履歴を受
けるため、配線に加わる熱ストレスによるストレスマイ
グレ−ション(SM)での断線も問題になっている。そ
こで、次世代配線材料として銅(Cu)の検討が始めら
れた。EM,SMの問題の主要因は、強電界あるいは熱
ストレスのクリ−プ緩和によって、AlあるいはCu原
子の拡散、即ち、結晶粒内、結晶粒界、配線表面を経路
とする原子拡散が起こることにある。
【0004】CuはAlよりも結晶粒内、結晶粒界、配
線表面を経路とする原子拡散の活性化エネルギが約1.
5倍以上あるため、Cu原子拡散はAlに比べ十分遅
く、例えば、EM信頼性は約1桁向上する。しかしなが
ら、許容電力密度増加の要請はさらに厳しくなる一方で
あり、さらなる信頼性向上が要求される。
【0005】EM,SMの問題の主要因である原子拡散
は、配線メタルの結晶性と密接に関係している。配線の
EM,SM信頼性と配線メタルの結晶性との関係は、近
年の実験的・論理的研究により解明されつつある。Al
配線についてのこれらの結果は、以下の刊行物に開示さ
れている。 (1)経験的にEM-MTFはS/σ2 *3*log(I 111/I
200 ) に比例する。(S.Vaidya et al.,Thin Solid Fi
lms, 75,p253,(1981)) (2)SM不良は“熱力学的に”(111) 面の対向する粒
界で発生する。(H.Kaneko et al.,Proc.28th IRPS,p19
4,(1990) (3)Al配向性は下地の配向性に依存する。(M.Kagey
ama et al.,SDM90-180,p25,(1991))
【0006】その結果、Al系配線においては大粒径化
及び高配向化の両面から、“準単結晶”“単結晶”配線
実現のための研究が注力されている。特に高配向化に関
しては、ミスフィットが小さいメタル(結晶面)同志の
界面の形成という観点から、現在Alの下地として用い
られているチタニウム系積層膜、具体的には、窒化チタ
ン/チタン積層膜の高配向化が研究開発されている。
【0007】しかしながら、Al/窒化チタン構造ある
いはAl/チタン界面の幾何学的原子配列から計算され
る界面エネルギは、最も低いものではなかった。また、
Cu/窒化チタン構造におけるCuの配向性は、Al/
窒化チタン構造に比べて極めて悪いにもかかわらず、C
u系配線の高配向化についての報告が全くなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、エレクト
ロマイグレ−ション耐性,ストレスマイグレ−ション耐
性の向上には、配線の高配向化が有効であることが知ら
れていたが、Al配線やCu配線についての検討は不十
分であった。
【0009】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、半導体装置が高集積
化、微細化しても信頼性が十分に得られる高配向の金属
配線を備えた半導体装置及びその形成方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、主たる
金属配線と、この主たる配線との界面エネルギ−が小さ
い下層配線との積層構造にしたことにある。
【0011】即ち、上記の目的を達成するために、本発
明の半導体装置は、基板上に形成された金属V族及び金
属VI族の元素に少なくとも1つを含む結晶面方位が
(110)の下層配線と、この下層配線上に形成された
銅,銀,金の少なくとも1つを主成分とする配線とを備
えたことを特徴とする。
【0012】また、上記銅,銀,金の少なくとも1つを
主成分とする配線の代わりに、アルミニウムを主成分と
する配線を用いる場合には、下層配線の材料として窒化
バナジウム,窒化クロムのうち少なくとも1つを含む結
晶面方位が(111)の材料または窒化ニオブ,窒化モ
リブデン,窒化タングステンのうち少なくとも1つを含
結晶面方位が(0001)の材料を用いることが望ま
しい。
【0013】また、本発明の他の半導体装置は、シリコ
ンを主成分とする半導体層上に形成された珪化バナジウ
ム層と、この珪化バナジウム層上に形成された結晶面方
位が(111)の窒化バナジウム層と、この窒化バナジ
ウム層上に形成されたアルミニウムを主成分とする配線
とを備えていることを特徴とする。
【0014】また、本発明の半導体装置の形成方法は、
基板上に、金属V族及び金属VI族の元素の少なくとも
1つを含む結晶面方位が(110)の下層配線を形成す
る工程と、この下層配線上に銅,銀,金にうち少なくと
も1つを主成分とする配線を形成する工程とを備えてい
ることを特徴とする。
【0015】また、本発明の他の半導体装置の形成方法
は、基板上に、窒化バナジウム,窒化クロムのうち少な
くとも1つを含む結晶面方位が(111)の下層配線ま
たは窒化ニオブ,窒化モリブデン,窒化タングステンの
うち少なくとも1つを含む結晶面方位が(0001)の
下層配線を形成する工程と、この下層配線上にアルミニ
ウムを主成分とする配線を形成する工程とを備えている
ことを特徴とする。
【0016】また、本発明の他の半導体装置は、シリコ
ンを主成分とする半導体層上に形成された珪化バナジウ
ム層と、この珪化バナジウム層上に形成された結晶面方
位が(111)の窒化バナジウム層と、この窒化バナジ
ウム層上に形成されたアルミニウムを主成分とする配線
とを備えていることを特徴とする。ここで、半導体層と
は拡散層のようなもの以外に基板を含む。
【0017】また、本発明の他の半導体装置の形成方法
は、シリコンを主成分とする半導体層上に結晶面方位が
(110)のバナジウム層を形成する工程と、窒素を含
むガス雰囲気中の熱処理によって、前記バナジウム層
を、前記半導体層に接する珪化バナジウム層と、この珪
化バナジウム層に接する結晶面方位が(111)の窒化
バナジウム層とからなる積層構造のバナジウム化合物層
にする工程と、前記窒化バナジウム層上にアルミニウム
を主成分とする配線を形成する工程とを備えていること
を特徴とする。
【0018】また、本発明の他の半導体装置の形成方法
は、シリコンを主成分とする半導体層上に結晶面方位が
(110)のバナジウム層を形成する工程と、このバナ
ジウム層上に結晶面方位が(111)の窒化バナジウム
層を形成する工程と、熱処理によって、前記バナジウム
層を珪化バナジウム層にする工程と、前記珪化バナジウ
ム層上にアルミニウムを主成分とする配線を形成する工
程とを備えていることを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明の半導体装置では、銅,銀,金うち少
なくとも1つを主成分とする配線が金属V族及び金属V
I族の元素に少なくとも1つを含む結晶面方位が(11
0)の下層配線上に形成されているため、主たる配線と
下層配線との界面エネルギ−が十分小さくなる。この結
果、主たる配線の配向性が高くなり、これによりエレク
トロマイグレ−ション耐性,ストレスマイグレ−ション
耐性の改善が図れる。
【0020】また、本発明者等の研究によると、主たる
配線の材料として銅を用いた場合、下層配線の材料とし
て金属V族又は金属VI族の元素を用いると、主たる配
線と下層配線との界面エネルギ−を十分小さくでき、主
たる配線の配向性が向上することが分かった。
【0021】また、主たる配線の材料としてアルミニウ
ムを主成分とするものを用いた場合、下層配線の材料と
して窒化バナジウム,窒化クロムのうち少なくとも1つ
を含む結晶面方位が(111)の下層配線または窒化ニ
オブ,窒化モリブデン,窒化タングステンのうち少なく
とも1つを含む結晶面方位が(0001)の下層配線
用いると、主たる配線と下層配線との界面エネルギ−を
十分小さくでき、主たる配線の配向性が向上することが
分かった。また、本発明の半導体装置の形成方法では
金属V族及び金属VI族の元素の少なくとも1つを含む
(110)面の下層配線を形成している。銅,金,銀の
結晶構造は面心立方構造であるため、表面エネルギ−が
最も低い面は最稠密面である(111)面となる。
【0022】本発明者等は、銅の(111)面に対して
界面エネルギ−が十分低くなる結晶面が、金属V族元素
及び金属VI族元素の少なくとも1つを含む下層配線の
結晶面が(110)面であることを確認した。したがっ
て、下層配線とエピタキシャル関係が強い主たる配線を
形成でき、もって高配向の配線を得ることができる。
【0023】また、本発明の他の半導体装置の形成方法
では、窒化バナジウム,窒化クロムのうち少なくとも1
つを含む結晶面方位が(111)の下層配線または窒化
ニオブ,窒化モリブデン,窒化タングステンのうち少な
くとも1つを含む結晶面方位が(0001)の下層配線
を形成している。アルミニウムの結晶構造は面心立方構
造であるため、表面エネルギ−が最も低い面は最稠密面
である(111)面となる。
【0024】本発明者等は、アルミニウムの(111)
面に対して界面エネルギーが十分に低くなる結晶面を有
する材料が窒化バナジウム,窒化クロムのうち少なくと
も1つを含む結晶面方位が(111)の材料または窒化
ニオブ,窒化モリブデン,窒化タングステンのうち少な
くとも1つを含む結晶面方位が(0001)の材料であ
ることを見出した。特に、バナジウムの窒化物からなる
下層配線の結晶面が(111)である場合に効果が大き
い事を確認した。したがって、下層配線とエピタキシャ
ル関係が強い主たる配線を形成でき、もって高配向のア
ルミニウムを主成分とする配線を得ることができる。
【0025】また、本発明の他の半導体装置では、珪化
シリコン層によってコンタクト抵抗を低減できると共
に、結晶面方位が(111)の窒化バナジウム層上にア
ルミニウムを主成分とする配線を形成しているので、こ
の配線の高配向化を実現でき、EM,SM信頼性を改善
できる。
【0026】また、本発明の他の半導体装置の形成方法
では、窒素を含むガス雰囲気中での熱処理によって、
(110)面のバナジウム層を、珪化バナジウム層と
(111)面の窒化バナジウム層との積層構造のバナジ
ウム化合物に変換している。ここで、(110)面のバ
ナジウム層と(111)面の窒化バナジウム層との界面
エネルギーは十分低いので、上記窒化バナジウム層の結
晶面方位は(111)面となる。(111)面のアルミ
ニウムと(111)面の窒化バナジウムとの界面エネル
ギーは十分低いので、窒化バナジウム層上には結晶面方
位が(111)面のアルミニウムを主成分とする配線が
形成される。したがって、配向性の改善によってEM,
SM信頼性に優れた金属配線を容易に形成できると共
に、珪化バナジウム層によってコンタクト抵抗を低減で
きる。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。第1図は本発明の第1の実施例に係る半導体装置
構造を示す図であり、図2,図3は同半導体装置の形成
工程断面図である。
【0028】半導体基板1上には素子が形成され、その
表面は層間絶縁膜3により覆われている。層間絶縁膜3
には必要なコンタクト孔が開けられ、この上に銅合金積
層配線5が形成されている。この銅合金積層配線5は、
チタン層7とモリブデン層9と銅層11とで構成されて
いる。銅合金積層配線5を形成するには、図2(a)に
示すように、最初、素子が形成された半導体基板1上に
層間絶縁膜3を形成する。
【0029】次に層間絶縁膜3が形成された半導体基板
1を、周知のマグネトロンスパッタリング装置にセット
する。そして、このスパッタリング装置のチャンバ−内
を20×10-5Pa以下の真空に排気した後、チャンバ
−内に40cm3 /minの流量のアルゴンガスを導入
する。このときチャンバ−内圧力が3.7×10-1Pa
に保たれるようにしておく。
【0030】次に図2(b)に示すように、チタン(T
i)のタ−ゲットを、アルゴンプラズマによってスパッ
タし、層間絶縁膜3上に厚さ30nm程度のチタン層7
を形成する。次いでチャンバ−内に20cm3 /min
の流量のアルゴンガスと20cm3 /minの流量の窒
素ガスとを導入して、チャンバ−内の圧力を3.7×1
-1Paに保っておく。
【0031】次に図2(c)に示すように、モリブデン
(Mo)タ−ゲットを用い、600Vの印加電圧で発生
させたアルゴンプラズマ雰囲気中で、タ−ゲット電流5
Aにより上記モリブデンタ−ゲットをスパッタし、チタ
ン層7上にモリブデン層9を例えば30nmの膜厚に堆
積する。このときモリブデン層9の結晶構造は体心立方
(bcc)構造で、結晶方位は半導体基板1の法線方向
にその〈110〉方向が優先的に配向していた。なお、
このモリブデン層9の厚さは、10nmから50nmで
あることが望ましい。次いで上記チャンバ−内に40c
3 /minの流量のアルゴンガスを導入する。このと
きチャンバ−内の圧力が3.7×10-1Paに保たれる
ようにしておく。
【0032】次に図3(a)に示すように、Cuのタ−
ゲットを、アルゴンプラズマによってスパッタリング
し、モリブデン層9上に厚さ400nm程度の銅層11
を堆積する。なお、この銅層11の厚さは、200nm
から800nmであることが望ましい。
【0033】次に図3(b)に示すように、銅層11上
にフォトレジストパタ−ン13を形成し、これをマスク
にして反応性イオンエッチング(RIE)法で層7,
9,11を所定のパタ−ンにエッチングする。最後に、
フォトレジストパタ−ン13を除去して、図1に示す銅
合金積層配線5が完成する。
【0034】以上のようにして得られた銅合金積層配線
5は、Cu/Mo界面エネルギ−がCu/TiN界面エ
ネルギ−より低くなるため、従来の銅・窒素・チタン積
層配線より配向性が良くなり、エレクトロマイグレ−シ
ョン耐性,ストレスマイグレ−ション耐性が向上す
る。。
【0035】図4,図5はそのことを示す図である。図
4はCu(111)/Mo界面エネルギ−の面方位依存
性を示す図であり、図5はCu(111)/TiN(1
11)界面エネルギ−の面方位依存性を示す図である。
なお、これらの図において、横軸は重ね合わせる結晶面
の相対的な位置関係を示しており、ON TOPは片方
の結晶面のある原子に注目した場合、その原子の垂直上
方向又は下方に他の結晶面の原子が位置している状態で
あり、BRIDGEは前記注目原子とその最近接原子の
中点の上方又は下方に他の結晶面が位置している状態、
HOLLOWは前記注目原子とその2つの最近接原子の
3つの原子の重心の上又は下方に他の結晶面の原子が位
置している状態である。以下の図においても同様であ
る。なお、これらの特性図において面内回転角を0°に
調整してある。
【0036】図4からCu(111)/Mo界面エネル
ギ−は、Moの低指数面(111),(110),(1
00)のうち、(110)の場合が最も低くなることが
分かる。また、図4,5からCu(111)/Mo(1
10)界面エネルギ−の最小値は、Cu(111)/T
iN(111)界面エネルギ−のそれより、約1.3〜
3倍(ランダムな配列の場合の界面エネルギから計った
極小値の深さでは約27倍)まで低下させることができ
る。
【0037】図6,図7はそれぞれ室温(20℃)にお
けるCu(111)/Mo(110)界面エネルギ−の
面内回転角依存性を示す図,Cu(111)/TiN
(111)界面エネルギ−の面内回転角依存性を示す図
である。
【0038】図6からCu(111)/Mo(110)
界面エネルギ−は、面内回転角0°の場合に、界面エネ
ルギ−が極小値(約−0.4[a.u])になることが
分かる。しかしながら、Cu(111)/TiN(11
1)界面エネルギ一は、図7から面内回転角に依存せ
ず、ほぼ−0.15[a.u]であることが分かる。
【0039】したがって、モリブデン層9と銅層11と
の界面をCu(111)/Mo(110)とし、面内回
転角を0°とすることで配向性に非常に優れた銅合金積
層配線5を得ることができる。なお、この条件を結晶方
位関係で表せば、Mo(110)〈001〉//Cu
(111)〈1−10〉となる。
【0040】また、金属V族あるいは金属VI族の元素
は、Cuと金属間化合物を形成せず、Cu中への固溶限
もクロムの0.9原子%を除くと、他の5元素は0.1
原子%以下であり、Cu中に固溶限まで固溶してもCu
の比抵抗の上昇は抑制されるという利点がある。したが
って、窒化雰囲気アニ−ルを用いて上記V族,VI族元
素を外方拡散させることで自己整合的に被覆層を形成で
きる。図8,図9は本発明の第2の実施例に係る半導体
装置の形成工程断面図である。
【0041】先ず、図8(a)に示すように、素子が形
成された半導体基板15上に第1の層間絶縁膜17,下
層配線19,第2の層間絶縁膜21を形成した後、ヴィ
ア(スル−)ホ−ル23と埋め込み配線パタ−ン25を
形成する。次いで半導体基板15を、コ−ルドウォ−ル
型CVD装置にセットし、このCVD装置のチャンバ−
内の圧力を2.0×10-5Pa以下に減圧する。そして
半導体基板15を450℃まで昇温すると供に、チャン
バ−内に1000cm3 /minの流量の水素ガスと2
00cm3 /minの流量のチタンクロライド(TiC
4 )ガスを導入する。このときチャンバ−内圧力が
3.7×10-3Paに保たれるようにしておく。この条
件で図8(b)に示すように、ヴィアホ−ル23と埋め
込み配線パタ−ン25上に厚さ30nm程度のチタン層
27を堆積する。
【0042】次いでCVD装置のチャンバ−内の圧力を
2.0×10-5Pa以下に減圧し、半導体基板15を2
70℃まで降温する。そしてチャンバ−内の圧力を2.
0×10-5Pa以下に減圧すると共に、チャンバ−内に
500cm3 /minの流量の水素ガスと200cm3
/minの流量の六弗化タングステン(WF6 )ガスと
を導入する。このときチャンバ−内の圧力が3.7×1
-3Paに保たれるようにしておく。この条件で次に図
9(a)に示すように、チタン層27上に選択的にタン
グステン層29を例えば30nmの膜厚に堆積する。こ
のときタングステン層29の結晶構造は体心立方(bc
c)構造で、結晶方位は半導体基板の法線方向にその
〈110〉方向が優先的に配向していた。なお、このタ
ングステン層29の厚さは、10nmから50nm程度
が望ましい。
【0043】次いで半導体基板15を270℃に保持し
たまま、チャンバ−内の圧力を2.0×10-5Pa以下
に減圧した後、このチャンバ−内に1000cm3 /m
inの流量の水素ガスと3cm3 /minの流量のアセ
チルアセト銅ガスとを導入して、チャンバ−内の圧力が
1.5×10-3Paに保たれるようにしておく。そして
図9(b)に示すように、タングステン層29上に選択
的に厚さ400nm程度の銅層31を堆積して銅合金積
層配線33が完成する。なお、この銅層31の厚さは、
200nmから800nm程度であることが望ましい。
【0044】このようにして得られた銅合金積層配線3
3でも、銅層31が金属VI族の元素からなる層、つま
り、タングステン層29上に形成されているので、銅層
31の配向性が高くなり、エレクトロマイグレ−ション
耐性,ストレスマイグレ−ション耐性が改善される。な
お、本実施例では、半導体基板15を450℃に昇温し
たが、500℃以下であれば、同様な効果が得られる。
図10はこのことを説明するための、Cu(111)/
Mo(110)界面エネルギ−の堆積温度依存性を示す
図である。
【0045】この図から、堆積温度が上昇するにしたが
って界面エネルギの極小値はわずかに低下することが分
かる。しかしながら、500℃では極小点からずれた場
合の界面エネルギが大きくなり、不安定になる。また、
堆積温度が500℃を越えると銅合金積層中のMo原子
の外方拡散速度が速くなり、後工程における銅合金の結
晶粒成長が抑制される。したがって、銅合金積層温度は
20℃から500℃の間とすることが望ましい。図11
〜図13は本発明の第3の実施例に係る半導体装置の形
成工程断面図である。
【0046】先ず、図11(a)に示すように、素子が
形成された半導体基板35上に第1の層間絶縁膜37,
下層配線39を形成する。次いで第2の層間絶縁膜41
を形成した後、ヴィアホ−ル43と埋め込み配線パタ−
ン45を形成する。次いで半導体基板35を、コ−ルド
ウォ−ル型電子線励起プラズマCVD装置にセットす
る。そしてこのCVD装置のチャンバ−内を2.0×1
-5Pa以下の真空に排気した後、半導体基板35を2
70℃まで昇温する。そして半導体基板35に−60〜
−80Vの電圧を印加すると共に、チャンバ−内に30
cm3 /minの流量の水素ガスと10cm3 /min
の流量のチタンクロライド(TiCl4 )ガスとを導入
し、90〜100eVのエネルギ−の電子線を照射し、
プラズマを発生させる。このときチャンバ−内圧力が
3.7×10-2Paに保たれるようにしておく。この条
件で図11(b)に示すように、第2の層間絶縁膜4
1,ヴィアホ−ル43及び埋め込み配線パタ−ン45上
に異方的にチタン層47を30nmの膜厚で堆積する。
【0047】次いで半導体基板35を270℃に降温
し、−60〜−80Vの電圧を印加した状態に保持した
まま、チャンバ−内を2.0×10-5Pa以下の真空に
排気する。そしてチャンバ−内に30cm3 /minの
流量の水素ガスと30cm3 /minの流量の窒素ガス
と10cm3 /minの流量の六弗化タングステン(W
6 )ガスとを導入し、90〜100eVのエネルギ−
の電子線を照射し、プラズマを発生させる。このときチ
ャンバ−内の圧力が3.7×10-2Paに保たれるよう
にしておく。そして図12(a)に示すように、チタン
層47上に異方的にタングステン層49を例えば30n
mの膜厚に堆積する。このときタングステン層49の結
晶構造は体心立方(bcc)構造で、結晶方位は半導体
基板35の法線方向にその〈110〉方向が優先的に配
向していた。なお、タングステン層49の厚さは、10
nmから50nmであることが望ましい。
【0048】次いでチャンバ−内を2.0×10-5Pa
以下の真空に排気し、半導体基板35を270℃に保持
したまま、チャンバ−内に1000cm3 /minの流
量の水素ガスと3cm3 /minの流量のアセチルアセ
ト銅ガスとを導入して、チャンバ−内の圧力が1.5×
10-3Paに保たれるようにしておく。この条件で図1
2(b)に示すように、タングステン層49上に選択的
に銅層51を400nmの膜厚で堆積する。なお、この
銅層51の厚さは、200nmから800nmであるこ
とが望ましい。最後に、図13に示すように、エッチバ
ック法によって余分な配線材料を除去して銅合金積層配
線53が完成する。
【0049】以上のように本実施例によれば、銅層51
の下地層としてタングステン層49を用いることによ
り、Cuの結晶方位として半導体基板35の法線方向に
その〈111〉方向がより優先的に配向している銅合金
積層配線51を形成でき、もってエレクトロマイグレ−
ション,ストレスマイグレ−ション耐性が改善される。
なお、上記第1〜第3の実施例では、主配線材料として
銅を用いたが、銅と他の金属とからなる金属材料を用い
てもよい。例えば、銅と、チタン(Ti),バナジウム
(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),クロム
(Cr),モリブデン(Mo),タングステン(W),
ニッケル(Ni),パラジウム(Pd)のうち1つ又は
複数の元素とからなる合金を用いても良い。また、主配
線材料として、銅以外の金属も用いることもできる。例
えば、銀(Ag),金(Au)を用いても良い。更にま
た、下層配線としてMo,W以外にNb,V,Ta,C
r等の金属及びこれらの合金又は化合物を用いることが
できる。この場合、これらの材料の下層配線の結晶面方
位は(110)面とすればよい。ここで面内回転角を0
°とすれば、配向性は更に向上する。CVD原料ガスに
ついても、上記実施例のガスに限定されるものではな
い。また、上記実施例では、プラズマCVD法を用いて
銅合金積層配線を形成したが、他のCVD法、例えば、
熱CVD法や光CVD法を用いても良い。
【0050】図14,15は銅合金積層配線中のCuの
配向性を示すX線回析図であり、図14(b),図15
(b)は本発明の方法により得られたCu/Nb積層配
線のX線回析図、図14(a),図15(a)は従来法
により得られたCu/TiN積層配線のX線回析図を示
している。
【0051】図14において、Cu(111)回析ピ−
クのCu(220)回析ピ−クに対する相対強度比を3
log(I111 /I200 )で示すと、堆積直後でも、C
u/TiN積層配線での4.16に対し、Cu/Nb積
層配線では8.46まで高配向化されたことが分かる。
また、450℃程度のアニ−ル後には、Cu/TiN積
層配線では4.53であるのに対し、Cu/Nb積層配
線ではCu(220)回析ピ−クはすでに検出限界にな
ってしまった。
【0052】また、図15から、Cu(111)面の半
導体基板の法線方向に対するロッキング角度分布の半値
幅は、Cu/TiN積層配線の12.60°に対し、C
u/Nb積層配線では3.81°まで高配向化されたこ
とが分かる。また、450℃程度のアニ−ル後には、C
u/TiN積層配線の12.04°に対し、Cu/Nb
積層配線では2.28°に下がった。なお、この場合、
面内回転角は0°である。以上のX線回析図から、Cu
の結晶方位は、半導体基板の法線方向にその〈111〉
方向がより優先的に配向していることが分かる。図16
は本発明の第4の実施例に係る半導体装置の配線構造を
示す図であり、図17,図18は同半導体装置の形成工
程断面図である。
【0053】半導体基板55上には所望の素子が形成さ
れ、その表面は層間絶縁膜57により覆われている。層
間絶縁膜57には必要なコンタクト孔が開けられ、この
上にアルミニウム合金積層配線59が形成されている。
このアルミニウム合金積層配線59は、チタン層61と
窒化バナジウム層63とアルミニウム合金層65とで構
成されている。
【0054】アルミニウム合金積層配線59を形成する
には、図17(a)に示すように、最初、素子が形成さ
れた半導体基板55上に層間絶縁膜57を形成する。次
いで層間絶縁膜57が形成された半導体基板55を、周
知のマグネトロンスパッタリング装置にセットする。そ
して、このスパッタリング装置のチャンバ−内を2.0
×10-5Pa以下の真空に排気した後、チャンバ−内に
40cm3 /minの流量のアルゴンガスを導入する。
このときチャンバ−内圧力が3.7×10-1Paに保た
れるようにしておく。
【0055】次に図17(b)に示すように、チタン
(Ti)のタ−ゲットを、アルゴンプラズマによってス
パッタし、層間絶縁膜57上に厚さ30nm程度のチタ
ン層61を形成する。次いでチャンバ−内に20cm3
/minの流量のアルゴンガスと20cm3 /minの
流量の窒素ガスとを導入して、チャンバ−内の圧力を
3.7×10-1Paに保っておく。
【0056】次に図17(c)に示すように、バナジウ
ム(V)のタ−ゲットを用いて、600Vの印加電圧で
発生させたアルゴン・窒素混合プラズマ雰囲気中でタ−
ゲット電流5Aによりバナジウムのタ−ゲットをスパッ
タし、チタン層61上に窒化バナジウム層63を例えば
30nmの膜厚に堆積する。このとき、窒化バナジウム
(VNX )層63の組成xは0.71、結晶構造は岩塩
型構造、格子定数aは0.407nmであった。なお、
この窒化バナジウム層63の膜厚は、10nm〜50n
mが好ましい。次いで上記チャンバ−内に40cm3
minの流量のアルゴンガスを導入する。このときチャ
ンバ−内の圧力が3.7×10-1Paに保たれるように
しておく。
【0057】次に図18(a)に示すように、Al−1
重量%Si−0.2重量%Cuのタ−ゲットを、アルゴ
ンプラズマによってスパッタし、窒化バナジウム層63
上に厚さ400nm程度のアルミニウム合金層65を堆
積する。なお、このアルミニウム合金層65の厚さは、
200nmから800nmであることが望ましい。
【0058】次に図18(b)に示すように、アルミニ
ウム合金層65上にフォトレジストパタ−ン67を形成
し、これをマスクにして反応性イオンエッチング(RI
E)法で層61,63,65を所定のパタ−ンにエッチ
ングする。最後に、フォトレジストパタ−ン67を除去
して、図16に示すアルミニウム合金積層配線59が完
成する。
【0059】以上のようにして得られたアルミニウム合
金積層配線59では、Al/VNX界面エネルギ−が、
Al/TiN界面エネルギ−より低くなるため、従来の
アルミニウム・窒化チタン積層配線より配向性が良くな
り、エレクトロマイグレ−ション耐性,ストレスマイグ
レ−ション耐性が向上する。図19〜図22はその特性
を示す図である。
【0060】図19はAl/VN0.71(111)界面エ
ネルギ−の面方位依存性を示す図であり、図20はAl
/TiN(111)界面エネルギ−の面方位依存性を示
す図である。なお、図中、←印はランダム配列の界面エ
ネルギ−(=−0.140[a.u])を示している。
なお、図19のAlとVN0.71との結晶方位関係,図2
0のAlとTiNとの結晶方位関係は、それぞれ図32
(a),図32(b)に示すようになっている。
【0061】図19からAl/VN0.71(111)界面
エネルギ−は、Alの低指数面(111),(11
0),(100)のうち、(111)の場合が最も低く
なることが分かる。また、図20からAl(111)/
VN0.71(111)界面エネルギ−の最小値は、Al/
TiN(111)界面エネルギ−のそれより、約3倍
(ランダムな配列の場合の界面エネルギから計った極小
値の深さでは約5倍)まで低下させることができる。
【0062】また、図21,図22はそれぞれ室温(2
0℃)におけるAl(111)/VN0.71(111)界
面エネルギ−の面内回転角依存性を示す図,Al(11
1)/TiN(111)界面エネルギ−の面内回転角依
存性を示す図である。なお、図中、←印はランダム配列
の界面エネルギ−(=−0.140[a.u])を示し
ている。なお、AlとVN0.71との結晶方位関係,Al
とTiNとの結晶方位関係は、それぞれ図32(c),
図32(d)に示すようになっている。
【0063】図21からAl(111)/VN0.71(1
11)界面エネルギ−は、面内回転角0°の場合に、界
面エネルギ−が極小値(約−0.7[a.u])とるこ
とが分かる。しかしながら、Al(111)/TiN
(111)界面エネルギ一は、面内回転角に依存せず、
ほぼ−0.15[a.u]である。
【0064】したがって、アルミニウム合金層65と窒
化バナジウム層63との界面をAl(111)/VN
0.71(111)とし、面内回転角を0°とすることで配
向性に非常に優れたアルミニウム合金積層配線59を得
ることができる。なお、この条件を結晶方位関係で表せ
ば、VN0.71(111)〈1−10〉//Al(11
1)〈1−10〉となる。
【0065】なお、VNX の組成比xは、0.68〜
1.00の範囲にすることが望ましい。これを図23を
用いて説明する。図23はVNX の組成比xと格子定数
aとの関係を示す図である。VNX はその組成比xが
0.68〜1.00の間では、組成比xと格子定数aと
が線形関係にあることが知られており(N.Kieda et al.,
J.Less-Common Met., 99,p131,(1984))、a=0.40
61nmから0.4133nmまで変化する。この格子
定数の値と、a(Al)=0.40494nm,a(T
i)×21/2 =0.4176nmとのそれぞれの不整合
は、1%以下と極めて小さいことがわかる。
【0066】したがって、膜厚方向に組成比xを0.6
8〜1.00まで変化させれば、Al(111)面から
Ti(0001)面まで連続的に格子定数も変化させう
るため、VNX 層の上下層をVNX 層中の格子歪みの発
生を抑制しながら極めて整合良く接合できるという利点
がある。また、図24はVNX の組成比xと結晶構造と
の関係を示す図であり、表1は図24の各相におけるV
−N結晶の構造を示すデ−タである。
【0067】
【表1】
【0068】これらから組成比xが0.68〜1.00
の間では、VNX の結晶構造は岩塩型構造である。岩塩
型構造の(111)面の原子配列は、面心立方(fc
c)構造の(111)面と相似であり、各々の格子定数
が近い場合には、界面の整合性が極めて良くなる。この
観点からも、組成比xを0.68〜1.00にすること
が望ましい。図25,図26は本発明の第5の実施例に
係る半導体装置の形成工程断面図である。
【0069】先ず、図25(a)に示すように、所望の
素子が形成された半導体基板69上に第1の層間絶縁膜
71,下層配線73,第2の層間絶縁膜75を形成した
後、ヴィアホ−ル77と埋め込み配線パタ−ン79とを
形成する。次いで半導体基板69を、コ−ルドウォ−ル
型CVD装置にセットし、このCVD装置のチャンバ−
内の圧力を2.0×10-5Pa以下に減圧する。そして
半導体基板69を450℃まで昇温すると供に、チャン
バ−内に1000cm3 /minの流量の水素ガスと2
00cm3 /minの流量のチタンクロライド(TiC
4 )ガスを導入する。このときチャンバ−内圧力が
3.7×10-3Paに保たれるようにしておく。この条
件で図25(b)に示すように、ヴィアホ−ル77と埋
め込み配線パタ−ン79上に厚さ30nm程度のチタン
層81とを堆積する。
【0070】次いで半導体基板69を450℃に保持し
たまま、CVD装置のチャンバ−内の圧力を2.0×1
-5Pa以下に減圧した後に、チェンバ−内に500c
3 /minの流量の水素ガスと500cm3 /min
の流量の窒素ガスと200cm3 /minの流量のオキ
シ塩化バナジウム(VOCl3 )ガスを導入して、チャ
ンバ−内の圧力が3.7×10-3Paに保たれるように
する。この条件で図26(a)に示すように、チタン層
81上に選択的に窒化バナジウム層83を例えば30n
mの膜厚に堆積する。このとき窒化バナジウム(V
X )層83の組成比xは0.71であり、結晶構造は
岩塩型構造、格子定数aは0.407nmであった。な
お、この窒化バナジウム(VNx)層83の厚さは、1
0nmから50nm程度が望ましい。
【0071】次いで半導体基板69を降温した後、チャ
ンバ−内に1000cm3 /minの流量の水素ガスと
3cm3 /minの流量のジメチルアルミニウムハイラ
イドAlH(CH3 2 ガスとを導入して、チャンバ−
内の圧力が1.5×10-3Paに保たれるようにしてお
く。この条件で図26(b)に示すように、窒化バナジ
ウム層83上に選択的に厚さ400nm程度のアルミニ
ウム層85を堆積してアルミニウム合金積層配線87が
完成する。なお、このアルミニウム層85の厚さは、2
00nmから800nm程度であることが望ましい。
【0072】このようにして得られたアルミニウム合金
積層配線87でも、アルミニウム層85が窒化バナジウ
ム層83上に形成されているので、アルミニウム層85
の配向性が高くなり、エレクトロマイグレ−ション耐
性,ストレスマイグレ−ション耐性が改善される。
【0073】なお、窒化バナジウム層83の形成は、1
3.56MHz、800Wの高周波電力を印加してRF
放電を行うことにより、窒素プラズマを発生させて行な
っても良い。
【0074】なお、本実施例では、半導体基板15を2
70℃に設定してアルミニウム層85の形成を行なった
が、20℃〜400℃の範囲であれば、同様な効果が得
られる。
【0075】図27はこのことを説明するための図であ
り、Al(111)/VN0.71(111)界面エネルギ
−の堆積温度依存性を示している。なお、図中、←印は
ランダム配列の界面エネルギ−(=−0.140[a.
u])を示している。また、図32(e)はAl(11
1)とVN0.71(111)との結晶方位関係を示す図で
ある。
【0076】この図から、堆積温度が上昇するにしたが
って界面エネルギの極小値は低下し、300℃近傍で最
小となり、更に堆積温度が上昇すると極小値は再び増加
し、400℃での界面エネルギ−は200℃のそれとほ
ぼ等しくなることが分かる。したがって、アルミニウム
合金積層温度は20℃から500℃の間とすることが望
ましい。図28〜図30は本発明の第6の実施例に係る
半導体装置の形成工程断面図である。
【0077】先ず、図28(a)に示すように、素子が
形成された半導体基板89上に第1の層間絶縁膜91,
下層配線93を形成する。次いで第2の層間絶縁膜95
を形成した後、ヴィアホ−ル97と埋め込み配線パタ−
ン99を形成する。次いで半導体基板89を、コ−ルド
ウォ−ル型電子線励起プラズマCVD装置にセットす
る。そしてこのCVD装置のチャンバ−内を2.0×1
-5Pa以下の真空に排気した後、半導体基板89を2
70℃まで昇温する。そして半導体基板89に−60〜
−80Vの電圧を印加すると共に、チャンバ−内に30
cm3 /minの流量の水素ガスと10cm3 /min
の流量のチタンクロライド(TiCl4 )ガスを導入
し、90〜100eVのエネルギ−の電子線を照射し、
プラズマを発生させる。このときチャンバ−内圧力が
3.7×10-2Paに保たれるようにしておく。この条
件で図28(b)に示すように、第2の層間絶縁膜9
5,ヴィアホ−ル97及び埋め込み配線パタ−ン99上
に異方的にチタン層101を30nmの膜厚で堆積す
る。
【0078】次いで半導体基板89を270℃に降温
し、−60〜−80Vの電圧を印加した状態に保持した
まま、チャンバ−内を2.0×10-5Pa以下の真空に
排気する。そしてチャンバ−内に30cm3 /minの
流量の水素ガスと30cm3 /minの流量の窒素ガス
と10cm3 /minの流量のオキシ塩化バナジウム
(VOCl3 )ガスとを導入し、90〜100eVのエ
ネルギ−の電子線を照射してプラズマを発生させる。こ
のときチャンバ−内の圧力が3.7×10-2Paに保た
れるようにしておく。この条件で図29(a)に示すよ
うに、チタン層101上に異方的に窒化バナジウム(V
X )層103を例えば30nmの膜厚に堆積する。こ
のとき窒化バナジウム層103の組成xは0.71、結
晶構造は岩塩型構造で、格子定数は0.407nmであ
った。なお、窒化バナジウム層103の厚さは、10n
mから50nmであることが望ましい。
【0079】次いでチャンバ−内を2.0×10-5Pa
以下の真空に排気し、半導体基板89を270℃に保持
したまま、チャンバ−内に1000cm3 /minの流
量の水素ガスと3cm3 /minの流量のジメチルアル
ミニウムハイド(AlH(CH3 2 ガスとを導入し
て、チャンバ−内圧力が1.5×10-3Paに保たれる
ようにしておく。そして図29(b)に示すように、窒
化バナジウム層103上に選択的にアルミニウム層10
5を400nmの膜厚で堆積する。なお、このアルミニ
ウム層105の厚さは、200nmから800nmであ
ることが望ましい。最後に、図30に示すように、エッ
チバック法によって余分な配線材料を除去してアルミニ
ウム合金積層配線107が完成する。
【0080】以上のように本実施例によれば、アルミニ
ウム層105の下地層として窒化バナジウム層103を
用いることにより、Alの結晶方位が半導体基板89の
法線方向にその〈111〉方向がより優先的に配向して
いるアルミニウム合金積層配線107を形成でき、もっ
てEM,SM耐性が改善される。本発明者等は、X線回
析法により、従来法で得られたAl/TiN/Ti積層
配線及び本発明の方法で得られたAl/VN0.71/Ti
積層配線を調べた。
【0081】図31はその結果を示し、同図(a)はA
l/TiN/Ti積層配線中のAlの配向性を示すX線
回析図、同図(b)はAl/VN0.71/Ti積層配線の
それである。
【0082】この図から、Al(111)面の半導体基
板の法線方向に対するロッキング角度分布の半値幅は、
Al/TiN/Ti積層配線の1.5に対し、Al/V
X/Ti積層配線では0.3°まで高配向化している
ことが分かる。これはAlの結晶方位が、半導体基板の
法線方向にその〈111〉方向がより優先的に配向して
いることを示している。なお、この場合面内回転角は0
°に調整してある。
【0083】また、Al(111)回析ピ−クのAl
(220)回析ピ−クに対する相対強度比を3log
(I111 /I200 )で示すと、Al/TiN/Ti積層
配線での9.2に対し、Al/VN0.71/Ti積層配線
では12まで高配向化されていることが分かった。
【0084】なお、上記第4〜第6の実施例では、主配
線材料としてアルミニウムを用いたが、アルミニウムと
他の金属との合金、例えば、アルミニウムと、シリコン
(Si),銅(Cu),チタン(Ti),バナジウム
(V),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),クロム
(Cr),モリブデン(Mo),タングステン(W),
ニッケル(Ni)のうち1つ又は複数の元素との合金を
用いても良い。
【0085】更にまた、下層配線の材料として窒化バナ
ジウムの他に窒化クロム,窒化ニオブ,窒化モリブデ
ン,窒化タングステンを用いても良く、また、これらの
うち少なくとも1つを含む材料を用いても良い。ここ
で、窒化クロムを用いる場合は岩塩型構造の結晶で且つ
結晶面方位を(111)面とすれば良く、窒化ニオブ,
窒化モリブデン,窒化タングステンを用いる場合は六方
最密充填構造の結晶構造で且つ結晶面方位を(000
1)面とすればよい。更に、面内回転角を0°とすれ
ば、配向性はより向上する。
【0086】また、CVD原料ガスについても、上記実
施例のガスに限定されるものではなく、例えば、窒素ガ
スの代わりに、アンモニアガスを用いても良い。更に、
バナジウムの原料ガスとしては、VOCl3 の代わり
に、VCl5 ,VHX y ,VNX y を用いても同様
な効果が期待できる。なお、RはCH3 等のアルキル基
を示している。更にまた、プラズマCVD法の代わり
に、他のCVD法、例えば、光CVD法、熱CVD法を
用いてアルミニウム合金積層配線を形成しても良い。図
33,図34は本発明の第7の実施例に係る半導体装置
の形成工程断面図である。
【0087】まず、図33(a)に示すように、表面に
拡散層113が形成された半導体基板111上に第1の
層間絶縁膜115を形成し、この層間絶縁膜115上の
所定の領域にアルミニウム等からなる下層配線117を
形成する。次いで全面に第2の層間絶縁膜119を堆積
した後、ヴィアホール(スルーホール)121を形成し
て埋め込み配線パターンを形成する。次いでマグネトロ
ンスパッタリング装置に半導体基板111をセットす
る。そいてこのスパッタリング装置のチャンバー内を
2.0×10-5Pa以下の真空に排気した後、チャンバ
ー内に40cm3 /minの流量のアルゴンガスを導入
する。このとき、チャンバー内圧力が3.7×10-1
aに保たれるようにしておく。
【0088】次に図33(b)に示すように、バナジウ
ムのターゲットを用い、印加電圧600V、ターゲット
電流5Aの条件でアルゴンプラズマを発生させて、第2
の層間絶縁膜119上に厚さ60nmのバナジウム層1
23をスパッタ堆積する。バナジウムは(110)配向
が強いので、バナジウム層123の結晶面方位は(11
0)となる。
【0089】次に図33(c)に示すように、チェンバ
ー内に100cm3 /minの流量の窒素ガスを導入し
てチャンバー内の圧力を3.7×10-1Paに保持した
状態で、半導体基板111の裏面側に設置したタングス
テンハロゲンランプを用いて半導体基板111に600
℃、15秒の熱処理を施し、結晶面方位が(111)の
窒化バナジウム層125、珪化バナジウム層126を形
成する。即ち、この熱処理によって、コンタクト部のバ
ナジウム層123は窒化バナジウム層125/珪化バナ
ジウム層126の積層構造のバナジウム化合物層に変換
され、コンタクト部以外のバナジウム層123は窒化バ
ナジウム層125/バナジウム層123の積層構造のバ
ナジウム化合物・バナジウム層に変換される。
【0090】ここで、結晶面方位が(111)の窒化バ
ナジウム層125が形成されるのは結晶面方位が(11
1)の窒化バナジウムと結晶面方位が(110)のバナ
ジウムとの界面エネルギーが十分小さいからである。
【0091】この窒化バナジウム層(VNx)125を
調べたところ、その組成比xは0.71で、結晶構造は
岩塩型構造、そして格子定数は0.407nmであっ
た。また、珪化バナジウム(VSix)126の組成比
xは2であった。なお、窒化バナジウム層125の膜厚
は10〜50nm、珪化バナジウム層126の膜圧は2
0〜80nm程度であることが望ましい。
【0092】次に図34(a)に示すように、チェンバ
ー内に40cm3 /minの流量のアルゴンガスを導入
してチェンバー内の圧力を3.7×10-1Paに保った
状態で、Al−1重量%Si−0.2重量%Cuのター
ゲットをアルゴンプラズマでスパッタすることで、窒化
バナジウム層125上に厚さ400nmのアルミニウム
合金層127を堆積する。なお、このアルミニウム合金
層127の膜圧は200〜800nmであることが望ま
しい。また、アルミニウム合金層127の形成時の温度
は室温(20℃)〜400℃程度であることが望まし
い。
【0093】最後に、図34(b)に示すように、フォ
トリソグラフィ法と反応性イオンエッチング(RIE)
法とを用いてアルミニウム合金層127を所定の形状に
パターニングすることで、アルミニウム合金積層配線が
完成する。
【0094】以上述べた方法によれば、自己整合的に窒
化バナジウム層125及び珪化バナジウム層126を形
成できる。また、結晶面方位が(110)面のバナジウ
ム層123上に窒素の組成比が0.71の窒化バナジウ
ム層125を形成しているので、窒化バナジウム層12
5の結晶面方位は(111)面となる。(111)面の
窒化バナジウムと(111)面のアルミニウムとの界面
エネルギーは十分低いので、窒化バナジウム層126上
には結晶面方位が(111)面の高配向のアルミニウム
合金層127が形成される。
【0095】したがって、本実施例によれば、珪化バナ
ジウム層126によってコンタクト抵抗を低減できると
共に、高配向のアルミニウム合金層127によってE
M,SM信頼性の改善も図ることができる。
【0096】なお、図34(c)に示すように、図33
(c)の工程で説明した熱処理を行なう前に、チェンバ
ー内に20cm3 /minの流量のアルゴンガス40c
3 と20cm3 /minの流量の窒素ガスとを導入し
てチェンバー内の圧力を3.7×10-1Paに保った状
態で、バナジウムのターゲットを用い、印加電圧600
V、ターゲット電流5Aの条件でアルゴン・窒素プラズ
マを発生させて、バナジウム層123上に厚さ20nm
の窒化バナジウム層125aをスパッタ堆積しても良
い。この後、上記実施例と同様に熱処理を行なって、窒
化バナジウム層125a/珪化バナジウム層126、窒
化バナジウム層125a/バナジウム層123の積層構
造を形成する。また、この窒化バナジウム層125aを
調べたところ、その窒素の組成比xは0.71で、結晶
構造は岩塩型構造、そして格子定数は0.407nmで
あった。
【0097】なお、窒化バナジウム層125aの膜厚は
10〜50nm、珪化バナジウム層126の膜厚は20
〜80nm程度であることが望ましい。また、窒素ガス
の代わりにアンモニアガスを用いても良い。図35,図
36は本発明の第8の実施例に係る半導体装置の形成工
程断面図である。
【0098】まず、図35(a)に示すように、拡散層
133が表面に形成された半導体基板131上に第1の
層間絶縁膜135、下層配線137を形成する。次いで
全面に第2の層間絶縁膜139を堆積した後、ヴィアホ
ール(スルーホール)141を形成して埋め込み配線パ
ターンを形成する。
【0099】次に図35(b)に示すように、コールド
ウォール型CVD装置に半導体基板131をセットした
後、このCVD装置のチャンバー内を2.0×10-5
a以下の真空にし、半導体基板131を450℃まで昇
温すると共に、チャンバー内に1000cm3 /min
の流量の水素ガス及び200cm3 /minの流量のバ
ナジウムクロライド(VCl5 )を導入することによ
り、ヴィアホール141内の拡散層133及び下層配線
137上に結晶面方位が(110)のバナジウム層14
3を選択的に形成する。
【0100】次に図35(c)に示すように、チェンバ
ー内に200cm3 /minの流量の窒素ガスを導入し
てチャンバー内の圧力を3.7×10-1Paに保ち、こ
の状態で半導体基板131の裏面側に設置したタングス
テンハロゲンランプを用いて半導体基板131に600
℃、15秒の熱処理を施し、結晶面方位が(111)の
窒化バナジウム層145、珪化バナジウム層147を形
成する。即ち、この熱処理によって、コンタクト部のバ
ナジウム層143は窒化バナジウム層145/珪化バナ
ジウム層147の積層構造のバナジウム化合物層に変換
され、コンタクト部以外のバナジウム層143は窒化バ
ナジウム層145/バナジウム層143の積層構造のバ
ナジウム化合物層・バナジウム層に変換される。
【0101】この窒化バナジウム層(VNx)145を
調べたところ、その組成比xは0.71で、結晶構造は
岩塩型構造、そして格子定数は0.407nmであっ
た。また、珪化バナジウム(VSix )147の組成比
xは2であった。なお、窒化バナジウム層145の膜厚
は10〜50nm程度、珪化バナジウム層147の膜厚
は20〜80nm程度であることが望ましい。また、ア
ルミニウム合金層149の形成時の温度は室温(20
℃)〜400℃程度であることが望ましい。
【0102】次に図36(a)に示すように、チェンバ
ー内の圧力を2.0×10-5Pa以下の真空にし、半導
体基板131を270℃まで降温した後、チェンバー内
に1000cm3 /minの流量の水素ガス及び3cm
3 /minの流量のジメチルアルミニウムハイドライド
(AlH(CH3 2 )ガスを導入してチェンバー内の
圧力を1.5×103 Paに保った状態で、窒化バナジ
ウム層145上に厚さ400nmのアルミニウム層14
9を選択的に形成する。このとき、結晶面方位が(11
1)の窒化バナジウムと結晶面方位が(111)のアル
ミニウムとの界面エネルギーが十分低いので、アルミニ
ウム層149の結晶面方位は(111)となる。なお、
このアルミニウム層149の膜厚は200〜800nm
程度であることが望ましい。最後に、図36(b)に示
すように、全面に絶縁膜150を堆積した後、エッチバ
ックを行なってアルミニウム合金積層配線が完成する。
【0103】なお、図36(c)に示すように、図35
(c)の工程で説明した熱処理を行なう前に、半導体基
板131を450℃に保持し、チェンバー内の圧力を
2.0×10-5Pa以下に真空に排気した後、チェンバ
ー内に500cm3 /minの流量の水素ガスと500
cm3 /minの流量の窒素ガスと200cm3 /mi
nの流量のバナジウムクロライド(VCl5 )ガスを導
入してチェンバー内の圧力を3.7×10-1Paに保っ
た状態で、バナジウム層143上に厚さ20nmの窒化
バナジウム層145aを形成しても良い。この窒化バナ
ジウム層145aを調べたところ、その窒素の組成比x
は0.71で、結晶構造は岩塩型構造、そして格子定数
は0.407nmであった。窒化バナジウム層145a
の膜厚は10〜50nm程度であることが望ましい。な
お、窒化バナジウム層を形成する工程で、13.56M
Hz、800Wの高周波電力を印加してRF放電を行な
うことにより窒素プラズマを発生させても良い。また、
窒素ガスの代わりにアンモニアガスを用いても良い。以
上述べた方法でも先の実施例と同様に低コンタクト抵抗
で高信頼のアルミニウム合金積層を形成できる。図3
7,図38は本発明の第9の実施例に係る半導体装置
形成工程断面図である。
【0104】まず、図37(a)に示すように、先の実
施例と同様に半導体基板151の表面に拡散層153を
形成した後、第1の層間絶縁膜155、下層配線15
7、第2の層間絶縁膜159及びヴィアホール(スルー
ホール)161を形成する。次いでコールドウォール型
電子線励起プラズマCVD装置に半導体基板151をセ
ットした後、このCVD装置のチャンバー内を2.0×
10-5Pa以下の真空に排気した後、半導体基板151
を270℃まで昇温する。
【0105】次に図37(b)に示すように、半導体基
板151に−60〜−80V程度の電圧を印加した後、
チェンバー内の圧力を3.7×10-2Paに保った状態
のままで、チャンバー内に30cm3 /minの流量の
水素ガス及び10cm3 /minの流量のバナジウムク
ロライド(VCl5 )を導入すると共に、90〜100
eV程度のエネルギーの電子線を照射してプラズマを発
生させることにより、ヴィアホール161内の拡散層1
53及び下層配線157、並びに第2の絶縁膜(埋め込
み配線パターン)159上に厚さ60nmの結晶面方位
が(110)のバナジウム層163を形成する。
【0106】次に図37(c)に示すように、半導体基
板151に270℃の条件下で−60〜−80V程度の
電圧を印加した状態で、上記CVD装置のチェンバー内
の圧力を2.0×10-5Pa以下の真空にした後、上記
チャンバー内に200cm3 /min流量の窒素ガスを
導入して、チャンバー内の圧力が3.7×103 Paに
保たれるようにする。次いで半導体基板151の裏面側
に設置したタングステンハロゲンランプを用いて半導体
基板151に600℃、15秒の熱処理を施し、結晶面
方位が(111)の窒化バナジウム層165、珪化バナ
ジウム層167を形成する。即ち、この熱処理によっ
て、コンタクト部のバナジウム層163は窒化バナジウ
ム層165/珪化バナジウム層167の積層構造のバナ
ジウム化合物に変換され、コンタクト部以外のバナジウ
ム層163は窒化バナジウム層165/バナジウム層1
63の積層構造のバナジウム化合物・バナジウム層に変
換される。
【0107】この窒化バナジウム層(VNx)165を
調べたところ、その組成比xは0.71で、結晶構造は
岩塩型構造、そして格子定数は0.407nmであっ
た。また、珪化バナジウム166(VSix)の組成比
xは2であった。なお、窒化バナジウム層165の膜厚
は10〜50nm値度、珪化バナジウム層166の膜厚
は20〜80nm程度であることが望ましい。
【0108】次に図38(a)に示すように、チェンバ
ー内の圧力を2.0×10-5Pa以下の真空にし、半導
体基板151を270℃に保持した後、チェンバー内に
1000cm3 /minの流量の水素ガス及び3cm3
/minの流量のジメチルアルミニウムハイドライド
(AlH(CH3 2 )ガスを導入してチェンバー内の
圧力を1.5×103 Paにし、この状態で窒化バナジ
ウム層165上に結晶面方位が(111)の厚さ400
nmのアルミニウム層169を選択的に形成する。な
お、このアルミニウム層169の膜厚は200〜800
nmであることが望ましい。アルミニウム層169の形
成時の温度は室温(20℃)〜400℃程度であること
が望ましい。最後に、図38(b)に示すように、全面
に絶縁膜170を堆積し、これをエッチバックしてアル
ミニウム積層配線が完成する。以上述べた方法でも先の
実施例と同様な効果が得られる。
【0109】なお、図38(c)に示すように、図37
(c)の工程で説明した熱処理を行なう前に、270℃
の半導体基板131に−60〜−80Vの電圧を印加
し、チェンバー内の圧力を2.0×10-5Pa以下に真
空に排気した後、チェンバー内に30cm3 /minの
流量の窒素ガスと30cm3 /minの流量の水素ガス
と10cm3 /minの流量のバナジウムクロライド
(VCl5 )ガスを導入してチェンバー内の圧力を3.
7×10-1Paに保ち、この状態で90〜100eVの
エネルギーの電子線を照射してプラズマを発生させるこ
とにより、バナジウム層163上に厚さ20nmの窒化
バナジウム層165aを堆積しても良い。
【0110】この窒化バナジウム層165aを調べたと
ころ、その窒素の組成比xは0.71で、結晶構造は岩
塩型構造、そして格子定数は0.407nmであった。
窒化バナジウム層165aの膜厚は10〜50nm程
度、珪化バナジウム層126の膜厚は20〜80nm程
度であることが望ましい。また、窒素ガスの代わりにア
ンモニアガスを用いても良い。
【0111】なお、上述した実施例では拡散層について
特に限定しなかったが、例えば、本発明はMOSトラン
ジスタのソース,ドレインとなる拡散層への適用が可能
である。また、拡散層でなくても、シリコンを主成分と
する半導体層、例えば、シリコン基板自身でも良い。
【0112】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、配
向性に優れた積層金属配線を備えた半導体装置を形成で
きるので、エレクトロマイグレーション耐性、ストレス
マイグレーション耐性を改善でき、もって半導体装置が
高集積化、微細化しても信頼性が十分に得られる金属配
を備えた半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半導体装置の構造
を示す図。
【図2】図1の半導体装置の前半の形成工程断面図。
【図3】図1の半導体装置の後半の形成工程断面図。
【図4】Cu(111)/Mo界面エネルギーの面方位
依存性を示す図。
【図5】Cu(111)/TiN(111)界面エネル
ギーの面方位依存性を示す図。
【図6】Cu(111)/Mo(110)界面エネルギ
ーの面内回転角依存性を示す図。
【図7】Cu(111)/TiN(111)界面エネル
ギーの面内回転角依存性を示す図。
【図8】本発明の第2の実施例に係る半導体装置の前半
の形成工程断面図。
【図9】本発明の第2の実施例に係る半導体装置の後半
の形成工程断面図。
【図10】Cu(111)/Mo(110)界面エネル
ギーの堆積温度依存性を示す図。
【図11】本発明の第3の実施例に係る半導体装置の第
1の形成工程断面図。
【図12】本発明の第3の実施例に係る半導体装置の第
2の形成工程断面図。
【図13】本発明の第3の実施例に係る半導体装置の第
3の形成工程断面図。
【図14】積層金属配線中のCuの配向性を示すX線回
析図。
【図15】積層金属配線中のCuの配向性を示すX線回
析図。
【図16】本発明の第4の実施例に係る半導体装置の構
造を示す図。
【図17】図16の半導体装置の前半の形成工程断面
図。
【図18】図16の半導体装置の後半の形成工程断面
図。
【図19】Al/VN0.71(111)界面エネルギーの
面方位依存性を示す図。
【図20】Al/TiN(111)界面エネルギーの面
方位依存性を示す図。
【図21】Al(111)/VN0.71(111)界面エ
ネルギーの面内回転角依存性を示す図。
【図22】Al(111)/TiN(111)界面エネ
ルギーの面内回転角依存性を示す図。
【図23】VNの組成比xと格子定数aとの関係を示
す図。
【図24】VN 1−X の組成比xと結晶構造との関係を
示す図。
【図25】本発明の第5の実施例に係る半導体装置の前
半の形成工程断面図。
【図26】本発明の第5の実施例に係る半導体装置の後
半の形成工程断面図。
【図27】Al(111)/VN0.71(111)界面エ
ネルギーの堆積温度依存性を示す図。
【図28】本発明の第6の実施例に係る半導体装置の第
1の形成工程断面図。
【図29】本発明の第6の実施例に係る半導体装置の第
2の形成工程断面図。
【図30】本発明の第6の実施例に係る半導体装置の第
3の形成工程断面図。
【図31】積層金属配線中のAlの配向性を示すX線回
析図。
【図32】結晶方位関係を示す図。
【図33】本発明の第7の実施例に係る半導体装置の前
半の形成工程断面図。
【図34】本発明の第7の実施例に係る半導体装置の後
半の形成工程断面図。
【図35】本発明の第8の実施例に係る半導体装置の前
半の形成工程断面図。
【図36】本発明の第8の実施例に係る半導体装置の後
半の形成工程断面図。
【図37】本発明の第9の実施例に係る半導体装置の前
半の形成工程断面図。
【図38】本発明の第9の実施例に係る半導体装置の後
半の形成工程断面図。
【符号の説明】
1,15,35,55,69,89,111,131,
151…半導体基板、3,17,21,37,41,5
7,71,75,91,95,115,119,13
5,139,155,159…層間絶縁膜、5,33,
53…銅合金積層配線、7,27,47…チタン層、9
…モリブデン層、11,31,51…銅層、13,67
…フォトレジストパターン、19,39,73,93,
117,137,157…下層配線、23,43,7
7,97,121,141,161…ヴィアホール、2
5,45,79,99…埋め込み配線パターン、29,
49…タングステン層、65,87,107…アルミニ
ウム合金積層配線、61,81,101…チタン層、6
3.83,103,125,125a,145,145
a,165,165a…窒化バナジウム層、59,8
5,105…アルミニウム層、113,133,153
…拡散層、123,143,163…バナジウム層、1
26,147,167…珪化バナジウム層、127…ア
ルミニウム合金層、149,168…アルミニウム層、
150…絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須黒 恭一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−49450(JP,A) 特開 昭59−124765(JP,A) 特開 昭63−205951(JP,A) 特開 平1−280335(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3205

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された金属V族及び金属VI
    族の元素の少なくとも1つを含む結晶面方位が(11
    0)の下層配線と、 この下層配線上に形成された銅,銀,金のうち少なくと
    も1つを主成分とする配線とを有することを特徴とする
    半導体装置
  2. 【請求項2】基板上に形成された窒化バナジウム,窒化
    クロムのうち少なくとも1つを含む結晶面方位が(11
    1)の下層配線または窒化ニオブ,窒化モリブデン,窒
    化タングステンのうち少なくとも1つを含む結晶面方位
    が(0001)の下層配線と、 この下層配線上に形成されたアルミニウムを主成分とす
    る配線とを有することを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】基板上に、金属V族及び金属VI族の元素
    の少なくとも1つを含む結晶面方位が(110)の下層
    配線を形成する工程と、 この下層配線上に銅,銀,金の少なくとも1つを主成分
    とする配線を形成する工程とを有することを特徴とする
    半導体装置の形成方法。
  4. 【請求項4】基板上に、窒化バナジウム,窒化クロム
    うち少なくとも1つを含む結晶面方位が(111)の下
    層配線または窒化ニオブ,窒化モリブデン,窒化タング
    ステンのうち少なくとも1つを含む結晶面方位が(00
    01)の下層配線を形成する工程と、 この下層配線上にアルミニウムを主成分とする配線を形
    成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の形
    成方法。
  5. 【請求項5】シリコンを主成分とする半導体層上に形成
    された珪化バナジウム層と、 この珪化バナジウム層上に形成された結晶面方位が(1
    11)の窒化バナジウム層と、 この窒化バナジウム層上に形成されたアルミニウムを主
    成分とする配線とを有することを特徴とする半導体装
  6. 【請求項6】シリコンを主成分とする半導体層上に結晶
    面方位が(110)のバナジウム層を形成する工程と、 窒素を含むガス雰囲気中の熱処理によって、前記バナジ
    ウム層を、前記半導体層に接する珪化バナジウム層と、
    この珪化バナジウム層に接する結晶面方位が(111)
    の窒化バナジウム層とからなる積層構造のバナジウム化
    合物層にする工程と、 前記窒化バナジウム層上にアルミニウムを主成分とする
    配線を形成する工程とを有することを特徴とする半導体
    装置の形成方法。
  7. 【請求項7】シリコンを主成分とする半導体層上に結晶
    面方位が(110)のバナジウム層を形成する工程と、 このバナジウム層上に結晶面方位が(111)の窒化バ
    ナジウム層を形成する工程と、 熱処理によって、前記バナジウム層を珪化バナジウム層
    にする工程と、 前記珪化バナジウム層上にアルミニウムを主成分とする
    配線を形成する工程とを有することを特徴とする半導体
    装置の形成方法。
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