JP3346515B2 - 製紙用添加剤 - Google Patents
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Description
る。詳しくは、グラフト構造の多糖類−イオン性共重合
体を主成分とする製紙用添加剤に関する。
剤、濾水向上剤として用いられており、主にポリアクリ
ルアミド系共重合体と、澱粉に代表される水分散性多糖
類が使用されている。
ルアミド系共重合体に比べて安価であるが、濾水性、パ
ルプへの定着性が低いため多量に使用しなければならな
い。そのため、廃水への負荷が高くなること、スライム
が発生すること、さらには抄紙機へ汚れが付着すること
などの問題がある。一方、ポリアクリルアミド系共重合
体は、水分散性多糖類に比べて価格面においては不利で
あるが、そのイオン性から濾水性、パルプへの定着性に
優れるといった特徴を有する。
などの水分散性多糖類の互いの長所を伸ばすべく、種々
の検討がなされている。例えば、特公昭38−1705
1号には水分散性多糖類の存在下で不飽和アミド(たと
えば、アクリルアミド)と不飽和カルボン酸(たとえ
ば、アクリル酸)をグラフト重合してなる製紙用添加剤
が記載されている。また、特公昭50−12481号に
は、水分散性多糖類およびその誘導体の少なくとも一種
の存在下に、アクリルアミドとアクリル酸とをグラフト
重合させた、アクリルアミドを主要単量体成分とする特
定の共重合体からなる紙力増強剤が記載されている。し
かし、近年、製紙用添加剤の使用条件はますます厳しく
なってきており、前記従来のグラフト構造の多糖類−ア
クリルアミド系共重合体では、製紙用添加剤としての性
能上限界にきている。そのため、性能の向上を図るべく
高分子量化が種々検討されているが、単に高分子量化し
たのでは、粘度が過度に上昇するため、抄紙時に過度の
凝集が生じ、成紙の地合い乱れを引き起こしやすいとい
う問題がある。
えば2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウ
ム、2−ジエチルアミノエチルクロライド各種のカチオ
ン化剤で処理することにより、澱粉などにカチオン性を
付与した製紙用添加剤も知られている。しかし、一般に
知られているカチオン化澱粉は、濾水性、パルプへの定
着性を充分に満足するものではない。また、かかるカチ
オン化剤により、高カチオン化の澱粉を製造することも
できるが、製造上価格面の不利があり、安価な澱粉を使
用する意義がなくなる。
ルプへの定着性に優れ、かつ比較的低粘度で安価な製紙
用添加剤を提供することを目的とする。
の水分散性多糖類に濾水性、パルプへの定着性を充分に
満足できるイオン性を付与すべく鋭意研究を重ねた結
果、水分散性多糖類に、イオン性ビニルモノマーととも
に特定連鎖移動性置換基を側鎖に有するビニルモノマー
をグラフト重合させて得られる、グラフト構造の多糖類
−イオン性共重合体が、本発明の目的に合致した製紙用
添加剤であることを見出した。本発明は、かかる新たな
知見に基づいて完成されたものである。
性ビニルモノマーおよびカチオン性ビニルモノマーから
選ばれるイオン性ビニルモノマーの少なくとも一種50
〜99.99重量%、(b)アリル基、ポリアルキレン
グリコール基および一般式(1):−CONR 1 R 2
(式中、R 1 は水素原子またはメチル基を表し、R 2
はメチル基、イソプロピル基または一般式(2):−C
(CH 3 ) 2 −CH 2 −R 3 (式中、R 3 はカルボ
キシル基、スルホニル基もしくはこれらの炭素数1〜4
のアルキルエステルまたはアセチル基を表す)で表され
る基を表す)で表されるN−置換アミド基から選択され
る少なくとも一種の連鎖移動性置換基を側鎖に有するビ
ニルモノマーの少なくとも一種0.01〜20重量%を
含有してなるビニルモノマーの混合物(A)100重量
部を、水分散性多糖類(B)500〜3000重量部を
含有してなる水分散液中、ラジカル重合開始剤の存在下
でグラフト重合させて得られる、グラフト構造の多糖類
−イオン性共重合体を主成分とする製紙用添加剤、なら
びに、(2)(a)アニオン性ビニルモノマーおよびカ
チオン性ビニルモノマーから選ばれるイオン性ビニルモ
ノマーの少なくとも一種50〜99.99重量%、
(b)アリル基、ポリアルキレングリコール基および一
般式(1):−CONR 1 R 2 (式中、R 1 は水素
原子またはメチル基を表し、R 2 はメチル基、イソプ
ロピル基または一般式(2):−C(CH 3 ) 2 −C
H 2 −R 3 (式中、R 3 はカルボキシル基、スルホ
ニル基もしくはこれらの炭素数1〜4のアルキルエステ
ルまたはアセチル基を表す)で表される基を表す)で表
されるN−置換アミド基から選択される少なくとも一種
の連鎖移動性置換基を側鎖に有するビニルモノマーの少
なくとも一種0.01〜20重量%を含有してなるビニ
ルモノマーの混合物(A)100重量部を予め共重合さ
せて得られたイオン性共重合体を、水分散性多糖類
(B)500〜3000重量部を含有してなる水分散液
中、ラジカル重合開始剤の存在下でグラフト重合させて
得られる、グラフト構造の多糖類−イオン性共重合体を
主成分とする製紙用添加剤に関する。
アニオン性ビニルモノマー(a−1)およびカチオン性
ビニルモノマー(a−2)から選ばれるいずれか少なく
とも一種を用いる。アニオン性ビニルモノマー(a−
1)の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、ムコン酸、シトラコン酸等のジカルボン
酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの有機
スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリウム塩、
カリウム塩等があげられる。これらのなかでも重合性や
価格面から、アクリル酸が好ましい。また、カチオン性
ビニルモノマー(a−2)の具体例としては、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピリジンなどの第三級アミ
ノ基を有するビニルモノマーまたはそれらの塩酸、硫
酸、酢酸などの無機酸もしくは有機酸の塩類、または該
第三級アミノ基含有ビニルモノマ−とメチルクロライ
ド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒ
ドリンなどの四級化剤との反応によって得られる第四級
アンモニウム塩を含有するビニルモノマー、その他、ア
リルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミンなどの
アリルアミン類等があげられる。これらのなかでも重合
性や価格面から、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レートが好ましい。これら(a)イオン性ビニルモノマ
ーは、アニオン性ビニルモノマー(a−1)またはカチ
オン性ビニルモノマー(a−2)を単独で使用してもよ
く、アニオン性ビニルモノマー(a−1)およびカチオ
ン性ビニルモノマー(a−2)を併用してもよい。
ル基および一般式(1):−CONR 1 R 2 (式中、
R 1 は水素原子またはメチル基を表し、R 2 はメチル
基、イソプロピル基または一般式(2):−C(C
H 3 ) 2 −CH 2 −R 3 (式中、R 3 はカルボキシ
ル基、スルホニル基もしくはこれらの炭素数1〜4のア
ルキルエステルまたはアセチル基を表す)で表される基
を表す)で表されるN−置換アミド基から選択される少
なくとも一種の連鎖移動性置換基を側鎖に有するビニル
モノマーは、重合に際し連鎖移動点として作用するメチ
ル基、アルキレン基等の連鎖移動性置換基を側鎖に有
し、得られる共重合体に多くの分岐構造を導入できるビ
ニルモノマーである。本発明はかかる連鎖移動性の置換
基の作用により、濾水性とパルプへの定着性に優れ、か
つ高分子量化した場合にも比較的低粘度のグラフト構造
の多糖類−イオン性共重合体を得ようとするものであ
る。
とえば、アリル基、ポリアルキレングリコール基または
一般式(1):−CONR1 R2 (式中、R1 は水素原
子またはメチル基を表し、R2 はメチル基、イソプロピ
ル基または一般式(2):−C(CH3 )2 −CH2 −
R3 (R3 はカルボキシル基、スルホニル基もしくはこ
れらの炭素数1〜4のアルキルエステルまたはアセチル
基を表す)で表される基を表す)で表されるN−置換ア
ミド基があげられる。
ビニルモノマーの具体例としては、アリル(メタ)アク
リレート、N−アリル(メタ)アクリルアミド、N−ジ
アリル(メタ)アクリルアミドなどがあげられる。ま
た、連鎖移動性置換基としてポリアルキレングリコール
基を有するビニルモノマーとしては、少なくとも2個の
オキシアルキレン基の繰り返し単位を有するものがあげ
られる。通常はオキシアルキレン基の繰り返し単位10
個程度までのものを使用するのが好ましい。具体例とし
ては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、前記同様のポリプロピレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリトリメチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等があ
げられる。また、連鎖移動性置換基として前記一般式
(1)で表されるN−置換アミド基を有するビニルモノ
マーの具体例としては、ジメチルアクリルアミド、ダイ
アセトンアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミ
ド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン
酸およびこれらの炭素数1〜4のアルキルエステルがあ
げられる。これら(b)連鎖移動性置換基を側鎖に有す
るビニルモノマーのなかでも、重合性がよく共重合体に
多くの分岐構造を導入できることから、ジメチルアクリ
ルアミドが好ましい。
して(c)前記(b)成分を除くノニオン性ビニルモノ
マーを使用できる。かかる(c)ノニオン性ビニルモノ
マーとしては、前記(a−1)アニオン性ビニルモノマ
ーのアルキルエステルや、アクリロニトリル、スチレ
ン、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、(メタ)アク
リルアミドなどがあげられる
成分として(d)前記(b)成分を除く架橋性ビニルモ
ノマーを使用することもできる。当該(d)架橋性ビニ
ルモノマーとしては、以下のような多官能性ビニルモノ
マーがあげられる。たとえば、2官能性ビニルモノマー
としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ
(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキ
サメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メ
タ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン
酸ジビニル等のジビニルエステル類、エポキシアクリレ
ート類、ウレタンアクリレート類、N−メチロールアク
リルアミド、ジビニルベンゼン等があげられる。また、
3官能性ビニルモノマーとしては、1,3,5−トリア
クリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン等があげられ
る。4官能性ビニルモノマーとしては、テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート等があげられる。なお、こ
れらのなかでは、製造時の反応制御が容易なことから、
官能基がすべてビニル系二重結合のものが好ましい。
量は、得られる共重合体の製紙用添加剤としての性能を
十分考慮して決定しなければならない。すなわち、
(a)〜(d)成分からなるビニルモノマーの混合物
(A)の総重量和に対し以下の通りである。
0〜99.99重量%、好ましくは70〜98重量%で
ある。(a)成分が50重量%に満たない場合には共重
合体へのイオン成分の付与量が不十分であり十分なパル
プへの定着が望めない。99.99重量%を越える場合
にはグラフト構造に寄与する成分が不十分となり十分な
グラフト体を形成できず、いずれの場合にも好ましくな
い。なお、(a)成分として、アニオン性ビニルモノマ
ー(a−1)およびカチオン性ビニルモノマー(a−
2)の両者を使用する場合の割合は、それぞれのイオン
性を考慮して適宜に調整すればよい。
%、好ましくは0.1〜10重量%である。(b)成分
が0.01重量%に満たない場合には、共重合体に多く
の分岐構造を導入できないため定着性が不十分であり、
20重量%を越える場合には分岐が進みすぎてゲル化す
るため、いずれの場合にも好ましくない。
しくは0〜30重量%である。(c)成分が50重量%
以上の場合には、増粘したり、水への溶解性が悪くなり
好ましくない。
くは0〜0.5重量%である。(d)成分が1重量%を
越える場合には、架橋が進みすぎてゲル化するため好ま
しくない。
共重合体は、(1)前記(a)〜(d)成分からなるビ
ニルモノマーの混合物(A)を、水分散性多糖類(B)
を含有してなる水分散液中、ラジカル重合開始剤の存在
下でグラフト重で共重合させる方法、または(2)該混
合物(A)を予め共重合させて得られたイオン性共重合
体を、水分散多糖類(B)を含有してなる水分散液中、
ラジカル重合開始剤の存在下でグラフト重合させる方法
により製造できる。
のものを使用でき、たとえば、とうもろこし、馬鈴薯、
タピオカ、小麦、米、サゴやし、ワクシーメイズから得
られる各種の澱粉類、セルロース類の他、カチオン化澱
粉、酸化澱粉、リン酸変性澱粉、カルボキシメチル化澱
粉、ヒドロキシエチル化澱粉、カルバミルエチル化澱
粉、ジアルデヒド化澱粉、酢酸変性澱粉等の澱粉誘導体
または同様のセルロース類の誘導体、さらにはキチン、
キトサン等があげられる。
多糖類(B)の割合は、ビニルモノマーの混合物(A)
100重量部に対し、水分散性多糖類(B)500〜3
000重量部、好ましくは650〜2000重量部であ
る。水分散性多糖類(B)の割合が500重量部に満た
ない場合には、イオン性が高く価格面での有利性が少な
くなり、3000重量部を越える場合にはイオン性共重
合体の割合が少なくなり濾水性、定着性を十分に満足し
ないため、いずれの場合も好ましくない。
共重合体を、前記(1)の方法で製造する場合には、所
定の反応容器に前記ビニルモノマーの混合物(A)およ
び水分散性多糖類(B)を含有する水分散液を仕込み、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、ま
たはこれらと亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤とを組み
合わせた形のレドックス系重合開始剤等の通常のラジカ
ル重合開始剤を加え、撹拌下、加温することにより目的
物を製造できる。ラジカル重合開始剤の使用量は、通常
前記ビニルモノマー混合物(A)の0.01〜1重量%
である。なお、水分散性多糖類(B)は、通常1〜20
重量%の糊液の状態で用いる。反応温度は通常80〜1
00℃程度であり、反応時間は通常0.1〜5時間であ
る。
は、予め前記のビニルモノマーの混合物(A)を共重合
してイオン性共重合体を製造しておく。かかるイオン性
共重合体の製造は、従来公知の各種方法により行うこと
ができる。例えば、ビニルモノマーの混合物および水を
所定の反応容器に仕込み、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナト
リウム等の還元剤とを組み合わせた形のレドックス系重
合開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を加え、撹拌
下、加温することにより目的物を製造できる。なお、ラ
ジカル重合開始剤の使用量は、通常、前記ビニルモノマ
ー混合物の0.01〜1重量%である。また、反応温度
は通常80〜100℃程度であり、反応時間は通常0.
1〜5時間である。得られるイオン性共重合体の水溶液
の粘度は、通常20重量%において100〜20000
cP(25℃)程度である。
のグラフト重合は従来公知の各種方法により行うことが
できる。すなわち、例えば、所定の反応容器に前記イオ
ン性共重合体の水溶液および水分散性多糖類(B)を含
有する水分散液を仕込み、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩、またはこれらと亜硫酸水素ナト
リウムのごとき還元剤とを組み合わせた形のレドックス
系重合開始剤等の通常のラジカル重合開始剤を加え、撹
拌下、加温することにより目的物を製造できる。ラジカ
ル重合開始剤の使用量は、通常、アクリルアミド系共重
合体(A)の0.01〜1重量%である。なお、水分散
性多糖類(B)は、通常1〜20重量%の糊液の状態で
用いる。反応温度は通常80〜100℃程度であり、反
応時間は通常0.1〜5時間である。
多糖類−イオン性共重合体は、たとえば、従来公知のグ
ラフト構造の多糖類−アクリルアミド系共重合体と殆ど
同様のpH、粘度である。通常pHは3〜9程度、粘度
は10重量%の水溶液において100〜10000cP
(25℃)程度である。
性共重合体を主成分とする製紙用添加剤は、従来公知の
製紙用添加剤と殆ど同様のpH、粘度でありながら、濾
水性とパルプへの定着性に優れる。なお、本発明の製紙
用添加剤がこのように各種性能に優れるのは定かでない
が、多糖類分子に単にグラフト構造が導入されるだけで
なく、イオン性共重合体にも連鎖移動性置換基の作用に
より分岐構造が導入された構造となっていることから、
パルプ繊維間との接点のイオン性が高く紙力増強効果等
の製紙用添加剤としての種々の特徴ある性能を示すもの
と考えられる。これにより、過度の凝集を引き起こすこ
となく、良好な定着性を示し、その結果として、近時の
厳しい抄紙条件下でも製紙用添加剤としての優れた諸効
果を奏すると考えられる。
より具体的に説明する。なお、部および%はいずれも重
量基準による。
えた四つ口フラスコに、アクリル酸29%、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート56%、ポリエチレングリコ
ールメタクリレート(PE−350、日本油脂(株)
製)15%からなるビニルモノマーの混合物100部お
よび陽イオン性タピオカ澱粉(日澱化学(株)製)15
00部を含有する糊液15000部を仕込み、窒素ガス
を通じて反応系内の酸素を除去した。次に、系内を40
℃にし撹拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム
0.5部および亜硫酸水素ナトリウム0.3部を投入し
た。85℃まで昇温し、2時間保温後、冷却し、pH
4.5、固形分10.5%、粘度(25℃)が8500
cpsのグラフト構造の多糖類−イオン性共重合体の水
溶液を得た。
液は固形分が10%になるように調製)のうちいずれか
少なくとも1種を表1のように変えた他は、実施例1と
同様の操作を行いグラフト構造の多糖類−イオン性共重
合体の水溶液を得た。得られた共重合体の水溶液の性状
値を表5または表6に示す。
各成分は、AM:アクリルアミド、AA:アクリル酸、
IA:イタコン酸、DM:ジメチルアミノエチルメタク
リレート、AMA:アリルメタクリレート、DMAA:
ジメチルアクリルアミド、PE90:ポリエチレンメタ
クリレート(日本油脂(株)製)、PE350:ポリエ
チレンメタクリレート(日本油脂(株)製)、AN:ア
クリロニトリル、MBAA:メチレンビスアクリルアミ
ドを示す。また、多糖類(B)は、それぞれ*1:酸化
澱粉(王子コーンスターチ(株)製)、*2:リン酸変
性澱粉(日澱化学(株)製)、*3:カルボキシメチル
セルロース(第一工業製薬(株)製)を示す。また、多
糖類(B)の使用量は、ビニルモノマーの混合物(A)
100重量部に対する使用量(重量部)である。
チルアミノエチルメタクリレ−ト42部、ポリエチレン
グリコールメタクリレート(日本油脂(株)製、PE3
50)18部、アクリルアミド10部およびイオン交換
水400部を仕込み、窒素ガスを通じて反応系内の酸素
を除去した。次に、系内を40℃にし撹拌下に重合開始
剤として過硫酸アンモニウム0.5部および亜硫酸水素
ナトリウム0.3部を投入した。85℃まで昇温し、2
時間保温した後、冷却して、pH4.6、固形分20.
3%、粘度9600cPのイオン性モノマー系共重合体
(A)の水溶液を得た。
の使用量のうちいずれか少なくとも1種を表2ように変
えたほかは、参考例1と同様の操作を行いイオン性共重
合体の水溶液を得た。得られたイオン性共重合体の水溶
液の性状値を表3に示す。
成分の表示は、それぞれ表1のそれに同じ。
ン性共重合体の水溶液500部(固形分100部)、お
よび陽イオン性タピオカ澱粉(日澱化学(株)製)15
00部を含有する糊液150000部を仕込み、窒素ガ
スを通じて反応系内の酸素を除去した。次に、系内を4
0℃にし撹拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウム
0.25部および亜硫酸水素ナトリウム0.15部を投
入した。85℃まで昇温し、2時間保温後、冷却し、p
H4.4、固形分10.4%、粘度(25℃)が810
0cPのグラフト構造の多糖類−イオン性共重合体の水
溶液を得た。
水分散性多糖類(B)の種類もしくは使用量(糊液は固
形分が10%になるように調製)のうちいずれか少なく
とも1種、または重合開始剤の有無を表4のように変え
たほかは、実施例6と同様の操作を行った。得られた各
グラフト構造の多糖類−イオン性共重合体の水溶液の性
状値を表5または表6に示す。
それぞれ表1のそれに同じ。
ガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダー
ド・フリーネス(C.S.F)420mlに調整したパ
ルプに硫酸バンドを1.6%添加してpH5.5とし、
ついで上記各実施例1〜10および比較例1〜10で得
られた各共重合体水溶液、ならびに比較例11として陽
イオン性タピオカ澱粉(日澱化学(株)製)を紙力増強
剤として対パルプ0.6%を添加し、撹拌した後、パル
プスラリー濃度を0.1%になるように希釈し、タッピ
・シートマシンにて、坪量150g/m2 となるよう抄
紙し、5Kg/cm2 で2分プレス脱水した。次いで回
転型乾燥機で105℃において3分間乾燥し、20℃、
65%R.H.の条件下に24時間調湿したのちJIS
P 8112に準じ、比破裂強度を測定した。結果を
表7または表8に示す。
ビーターにて叩解し、(C.S.F)550mlに調整
したパルプ(pH6.8)に、上記各実施例1〜10お
よび比較例1〜10で得られた各共重合体水溶液、なら
びに比較例11として陽イオン性タピオカ澱粉(日澱化
学(株)製)を上記と同様に添加し、上記と同様の操作
を行い、比破裂強度を測定した。結果を表7または表8
に示す。
グラフト構造の多糖類−イオン性共重合体は、従来のも
のに比べて、ほぼ同様の粘度でありながらた優れた紙力
増強効果を発現していると認められる。
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)アニオン性ビニルモノマーおよび
カチオン性ビニルモノマーから選ばれるイオン性ビニル
モノマーの少なくとも一種50〜99.99重量%、
(b)アリル基、ポリアルキレングリコール基および一
般式(1):−CONR 1 R 2 (式中、R 1 は水素
原子またはメチル基を表し、R 2 はメチル基、イソプ
ロピル基または一般式(2):−C(CH 3 ) 2 −C
H 2 −R 3 (式中、R 3 はカルボキシル基、スルホニ
ル基もしくはこれらの炭素数1〜4のアルキルエステル
またはアセチル基を表す)で表される基を表す)で表さ
れるN−置換アミド基から選択される少なくとも一種の
連鎖移動性置換基を側鎖に有するビニルモノマーの少な
くとも一種0.01〜20重量%を含有してなるビニル
モノマーの混合物(A)100重量部を、水分散性多糖
類(B)500〜3000重量部を含有してなる水分散
液中、ラジカル重合開始剤の存在下でグラフト重合させ
て得られる、グラフト構造の多糖類−イオン性共重合体
を主成分とする製紙用添加剤。 - 【請求項2】 (a)アニオン性ビニルモノマーおよび
カチオン性ビニルモノマーから選ばれるイオン性ビニル
モノマーの少なくとも一種50〜99.99重量%、
(b)アリル基、ポリアルキレングリコール基および一
般式(1):−CONR 1 R 2 (式中、R 1 は水素
原子またはメチル基を表し、R 2 はメチル基、イソプ
ロピル基または一般式(2):−C(CH 3 ) 2 −C
H 2 −R 3 (式中、R 3 はカルボキシル基、スルホニ
ル基もしくはこれらの炭素数1〜4のアルキルエステル
またはアセチル基を表す)で表される基を表す)で表さ
れるN−置換アミド基から選択される少なくとも一種の
連鎖移動性置換基を側鎖に有するビニルモノマーの少な
くとも一種0.01〜20重量%を含有してなるビニル
モノマーの混合物(A)100重量部を予め共重合させ
て得られたイオン性共重合体を、水分散多糖類(B)5
00〜3000重量部を含有してなる水分散液中、ラジ
カル重合開始剤の存在下でグラフト重合させて得られ
る、グラフト構造の多糖類−イオン性共重合体を主成分
とする製紙用添加剤。 - 【請求項3】 ビニルモノマーの混合物(A)として、
(c)前記(b)を除くノニオン性ビニルモノマー0〜
50重量%を含有してなる請求項1または2記載の製紙
用添加剤。 - 【請求項4】 ビニルモノマーの混合物(A)として、
(d)前記(b)を除く架橋性ビニルモノマーを0〜1
重量%含有してなる請求項1、2または3記載の製紙用
添加剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27289994A JP3346515B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 製紙用添加剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27289994A JP3346515B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 製紙用添加剤 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08113894A JPH08113894A (ja) | 1996-05-07 |
JP3346515B2 true JP3346515B2 (ja) | 2002-11-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27289994A Expired - Lifetime JP3346515B2 (ja) | 1994-10-11 | 1994-10-11 | 製紙用添加剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226898A (ja) * | 2000-02-14 | 2001-08-21 | Uchu Kankyo Kogaku Kenkyusho:Kk | 表面サイズ剤およびこれを用いた記録用紙 |
-
1994
- 1994-10-11 JP JP27289994A patent/JP3346515B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08113894A (ja) | 1996-05-07 |
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