JPH0641898A - 製紙用添加剤の製造法 - Google Patents

製紙用添加剤の製造法

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JPH0641898A
JPH0641898A JP16944491A JP16944491A JPH0641898A JP H0641898 A JPH0641898 A JP H0641898A JP 16944491 A JP16944491 A JP 16944491A JP 16944491 A JP16944491 A JP 16944491A JP H0641898 A JPH0641898 A JP H0641898A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製紙用添加剤として好適な分岐型の両性アク
リルアミド形共重合体を得る。 【構成】 (A)アクリルアミドおよび/またはメタア
クリルアミド、(B)上記(A)成分と共重合可能なカ
チオン基を有するビニルモノマー、(C)上記(A)成
分と共重合可能なアニオン基を有するビニルモノマー、
および(D)必要に応じて上記(A)成分と共重合可能
なノニオン性モノマーを共重合させて得られる水溶性共
重合体ならびに(E)多官能エポキシ化合物を、特定割
合で架橋反応させる製紙用添加剤の製造法。 【効果】 優れた製紙用添加剤としての諸効果、特に紙
力増強効果ならびに優れた作業性が認められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙用添加剤として有
用な分岐構造を有する両性アクリルアミド系共重合体の
製造法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、製紙用添加剤、特に紙力増強剤が
紙、板紙の製造に際し重要視されて来ている。この背景
としては、原木供給事情の悪化に伴い実質のパルプの使
用が制限されたこと、さらに省エネルギーや資源の有効
利用の目的で古紙の再利用の必然性が一段と強まったこ
とが挙げられ、その結果として紙、板紙の改質剤として
の製紙用添加剤は一層不可欠なものとなっている。
【0003】一方、抄紙機の高速化に伴う生産性の向
上、あるいは紙の多様化に応じた品質向上の目的で、濾
水性向上剤および紙力増強剤への依存度とその使用範囲
はさらに広まっている。かかる状況下に製紙用添加剤と
しては、ポリアクリルアミド系が主流となっている。
【0004】ポリアクリルアミド系製紙用添加剤は、イ
オン性によりアニオンタイプ、カチオン(両性も含む)
タイプに分類できる。例えば、該アニオンタイプとして
は、アクリルアミドとアニオン基を有するビニルモノマ
−であるα,β−不飽和モノカルボン酸あるいはα,β
−不飽和ジカルボン酸との共重合、またはポリアクリル
アミド系共重合体の部分加水分解物などが知られてい
る。他方、カチオン(両性)タイプとしては、イオン性
官能基の導入方法の相違に基づいて、変性タイプと共重
合タイプのものがある。例えば、変性タイプとしては、
ポリアクリルアミド系共重合体のホフマン転位物、マン
ニッヒ変性物などがあり、一方、共重合タイプとして
は、カチオン基を有するビニルモノマ−と(メタ)アク
リルアミド、必要に応じて陰イオン性ビニルモノマ−あ
るいはその他の共重合しうるノニオン性ビニルモノマ−
を共重合してなる各種共重合体が知られている(特開昭
60−94697号)。
【0005】しかしながら、近年、製紙用添加剤の使用
条件はますます厳しくなってきたため、従来公知の比較
的低分子量のポリアクリルアミド系製紙用添加剤では、
添加剤としての効果の点で限界にきている。そのため、
性能の向上を図るべく高分子量化の手段が採られるが、
単に高分子量化した場合には得られる共重合体の粘度が
過度に上昇するため、抄紙時の分散性が不良となる。そ
の結果、かかる共重合体を製紙用添加剤として使用した
場合には過度の凝集が生じ、成紙の地合い乱れを引き起
こしやすい。
【0006】この問題点を解消すべく、架橋剤を使用す
ることにより分岐構造を持たせ、得られる共重合体の粘
度上昇を抑えながらその分子量を増加させる試みがなさ
れているが、架橋剤として多官能性ビニルモノマ−を用
いた場合には多官能性ビニルモノマ−の反応性が不十分
であったり、均一な分岐構造を導入しがたいため、製紙
用添加剤としての効果は未だ十分でなかった。
【0007】
【発明の解決すべき課題】そこで、本発明者はこれらの
課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来の直鎖状
構造を有する両性アクリルアミド系重合体を特定の架橋
剤と反応させることにより容易に所望の分岐構造を導入
することができ、これにより優れた諸効果を有する製紙
用添加剤を収得できるという知見を得た。本発明はかか
る知見に基づき完成されたものである。
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)アクリルアミドおよび/またはメタアクリルアミ
ド、(B)上記(A)成分と共重合可能なカチオン基を
有するビニルモノマー、(C)上記(A)成分と共重合
可能なアニオン基を有するビニルモノマー、および
(D)必要に応じて上記(A)成分と共重合可能なノニ
オン性モノマーを共重合させて得られる水溶性共重合体
ならびに(E)多官能エポキシ化合物を、該共重合体の
各モノマー成分合計量に対し(E)多官能エポキシ化合
物の使用量が0.1〜2モル%となる割合で、架橋反応
させることを特徴とする製紙用添加剤の製造法に係る。
【0008】本発明において、上記(A)成分であるア
クリルアミドまたはメタアクリルアミドは単独使用また
は併用できるが、経済性の面からはアクリルアミドを単
独使用するのが良い。
【0009】前記カチオン性モノマ−である(B)成分
としては、代表的なものにはジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、もしくはジエチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミドなどの第三級アミノ基を有するビニルモノマ−
またはそれらの塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸もしくは
有機酸の塩類、または該第三級アミノ基含有ビニルモノ
マ−とメチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチ
ル硫酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応に
よって得られる第四級アンモニウム塩基を含有するビニ
ルモノマ−などがある。
【0010】前記アニオン性モノマ−である(C)成分
としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のモノカ
ルボン酸;マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等のジ
カルボン酸;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸な
どの有機スルホン酸;またはこれら各種有機酸のナトリ
ウム塩、カリウム塩等が該当する。
【0011】また、所望により上記の構成モノマ−の他
に、これらと共重合可能な任意のモノマ−を導入するこ
とも可能である。任意のモノマー成分である(D)成分
としては、炭素数1〜8のアルコ−ルとアクリル酸もし
くはメタクリル酸とのエステル、アクリロニトリル、ス
チレン、酢酸ビニル、メチルビニルエ−テルなどのノニ
オン性モノマ−などが挙げられる。
【0012】本発明において使用する前記(E)成分で
ある多官能エポキシ化合物としては、水溶性であり且つ
分子内に2個以上のエポキシ基を有する限り特に制限な
く使用することができる。(E)成分の代表的なものと
しては、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエー
テル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポ
リ)グリセリントリグリシジルエーテルなどの各種公知
のものを挙げることができる。
【0013】本発明の特徴は、製紙用添加剤として有効
である直鎖状の両性アクリルアミド系共重合体を、前記
(E)成分により架橋させてなる分岐型の両性アクリル
アミド系共重合体を提供することにあるが、本発明を逸
脱しない範囲で両性アクリルアミド系共重合体を製造す
る際に多官能性ビニルモノマ−を併用してもさしつかえ
ない。該多官能性ビニルモノマ−としては、エチレング
リコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレングリコ−
ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジ
(メタ)アクリレ−ト等のジ(メタ)アクリレ−ト類、
メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス
(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)
アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類、ア
ジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビニルエ
ステル類、アリルメタクリレート、エポキシアクリレ−
ト類、ウレタンアクリレ−ト類、ジビニルベンゼン、グ
リシジル(メタ)アクリレート等の2官能性ビニルモノ
マ−;1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S
−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、N,N−
ジアリルアクリルアミド等の3官能性ビニルモノマ−;
テトラメチロ−ルメタンテトラアクリレ−ト、テトラア
リルピロメリテ−ト等の4官能性ビニルモノマ−などを
例示できる。
【0014】本発明において、(A)〜(D)の各成分
の使用量は、得られる共重合体の製紙用添加剤としての
性能を十分考慮して決定されねばならず、そのためそれ
ぞれ以下の範囲とされる。すなわち(A)成分は
(A)、(B)、(C)および(D)成分の総モル和に
対し通常98〜60モル%、好ましくは96〜70モル
%;(B)成分は同様に1〜20モル%、好ましくは2
〜15モル%;(C)成分は同様に1〜20モル%、好
ましくは2〜15モル%;(D)成分は同様に25モル
%以下、好ましくは20モル%以下とされる。従って、
この範囲外ではいずれの場合でも十分な紙力増強効果は
得られない。
【0015】更に、本発明において使用する(E)成分
の使用量は、得られる共重合体の製紙用添加剤としての
性能に最も重要な影響を及ぼすため、特に慎重に決定さ
れねばならない。通常は、前記架橋前の水溶性共重合体
の各モノマー成分合計量に対し、(E)成分の使用量は
0.1〜2モル%、好ましくは0.2〜1.5モル%の
範囲とされる。0.1モル%未満の場合には分岐構造が
不十分であり製紙用添加剤としての効果、例えば架橋前
の共重合体の紙力増強効果に比べて架橋による該効果の
向上がほとんど認められず、好ましくない。また、2モ
ル%を越える場合には、得られる架橋共重合体の架橋度
が高くなりすぎるため、粘土が高くなりすぎたり、水溶
性が低下したり、場合によっては非水溶性となるため好
ましくない。
【0016】本発明に用いられる架橋反応前の共重合体
の合成は、従来公知の各種方法により行うことができ
る。例えば、所定の反応容器に上記各種モノマ−
((A)〜(D)成分)および水を仕込み、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、またはこれら
と亜硫酸水素ナトリウムのごとき還元剤とを組み合わせ
た形のレドックス系重合開始剤等の通常のラジカル重合
開始剤を加え、また必要に応じて、イソプロピルアルコ
−ル、アリルアルコ−ル等の連鎖移動剤を適宜使用し、
攪拌下、加温することにより目的とする水溶性且つ両性
のアクリルアミド系共重合体を得ることができる。得ら
れる共重合体の粘度は、作業性の点から通常は固形分濃
度15重量%に換算して約15000cps以下とする
のが良い。
【0017】ついで、上記で得られた架橋前の両性アク
リルアミド系共重合体と(E)成分とを、それぞれ前記
の所定割合で同時に仕込み、または(E)成分を分割も
しくは徐々に仕込み、十分な撹拌条件下に通常40〜9
0℃程度で0.5〜3時間反応させればよい。かかる条
件下に高分子であるにもかかわらず比較的低粘度の製紙
用添加剤を容易に収得できる。
【0018】上記のようにして得られる、本発明の分岐
型且つ両性のアクリルアミド系共重合体は近時の厳しい
抄紙条件下でも製紙用添加剤としての優れた諸効果を奏
しうる。なお、本発明の製紙用添加剤が、いかなる理由
によりかかる優れた効果を発現するかは定かではない
が、生成ポリマ−が均一で高い分岐構造を有するため、
パルプ繊維間での接点が多くなり、結果として製紙用添
加剤としての種々の特徴ある性能が発現するものと推察
される。
【0019】
【発明の効果】本発明により得られる特定の分岐型共重
合体を製紙用添加剤として使用することにより、架橋反
応前の直鎖状共重合体と比較して一層優れた製紙用添加
剤としての効果、特に紙力増強効果ならびに優れた作業
性が認められる。また従来の多官能性ビニルモノマ−に
よる部分架橋構造ポリマ−と比較して、一層容易に分岐
型のアクリルアミド系共重合体である製紙用添加剤を提
供できるという多大の効果が奏される。
【0020】本発明では、両性のアクリルアミド系共重
合体に対し前記(E)成分を適用し架橋させることを必
須とするものであるが、当然にアニオン性アクリルアミ
ド系共重合体やカチオン性アクリルアミド系共重合体に
も同様に(E)成分で架橋することにより、所望の分岐
構造を導入できる。しかしながら、製紙用添加剤として
の効果、特に紙力増強効果の点で本発明で得られる分岐
型両性アクリルアミド系共重合体には及ばない。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。なお、部および%はいずれも重
量基準による。
【0022】実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を備
えた四つ口フラスコに、アクリルアミド60部、80%
アクリル酸水溶液4部、ジメチルアミノエチルメタクリ
レ−ト7部およびイオン交換水280部を仕込み、窒素
ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。次に、系内を
40℃にし撹拌下に重合開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.25部および亜硫酸水素ナトリウム0.15部を
投入した。85℃まで昇温した後、2時間保温した。重
合終了後、イオン交換水115部を投入し、固形分1
5.2%、粘度(25℃)が4000cpsの共重合体
水溶液を得た。ついで、該共重合体水溶液にエチレング
リコールジグリシジルエーテル0.8部を一度に添加
し、70℃で1時間架橋反応を行った。得られた分岐型
共重合体水溶液の性状値を表2に示す。
【0023】実施例2〜8および比較例1〜5 実施例1において、(A)〜(D)成分、(E)成分の
種類とそれらの使用量のうちいずれか少なくとも1種を
表1のように変えたほかは、実施例1と同様の操作を行
い共重合体水溶液を得た。各実施例および比較例で得ら
れた各共重合体水溶液の組成を表1に、また性状値を表
2に示す。
【0024】 表中、AM:アクリルアミド DM:ジメチルアミノエ
チルメタクリレート DMAPAM:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド DMC:メタクロイルオキシトリメチルアンモニウムク
ロリド AA:アクリル酸 IA:イタコン酸 AN:アクリロ
ニトリル BA:ブチルアクリレート TAF:1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−
S−トリアジン EGDGE:エチレングリコールジグリシジルエーテル GTGE:グリセリントリジグリシジルエーテルを示
す。 なお、(E)成分の使用量は(A)〜(D)成分の合計
量に対するモル%を示す。
【0025】
【0026】(性能評価方法1)段ボ−ル古紙をナイア
ガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダ−
ド・フリ−ネス(C.S.F)420mlに調整したパ
ルプに硫酸バンドを1.6%添加してpH5.5とし、
ついで上記各実施例および比較例で得られた各共重合体
水溶液を紙力増強剤として対パルプ0.6%を添加し、
撹拌した後、パルプスラリ−濃度を0.1%になるよう
に希釈し、タッピ・シートマシンにて脱水し、5Kgで
2分プレスして、坪量150g/m2 となるよう抄紙し
た。次いで回転型乾燥機で105℃において3分間乾燥
し、20℃、65%R.H.の条件下に24時間調湿し
たのちJIS P 8112に準じ、比破裂強度を測定
した。結果を表3に示す。 (性能評価方法2)BKPをナイアガラ式ビーターにて
叩解し、(C.S.F)550mlに調整したパルプ
(pH6.8)に、上記各実施例および比較例で得られ
た各共重合体水溶液を上記と同様に添加し、上記と同様
の操作を行い、比破裂強度を測定した。結果を表3に示
す。
【0027】
【0028】表3の結果より、本発明方法で得られる分
岐型の両性アクリルアミド系共重合体は、従来品に比し
て比較的低粘度であり、更には優れた紙力増強効果が発
現すると認められる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7199−3B D21H 5/00 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリルアミドおよび/またはメ
    タアクリルアミド、(B)上記(A)成分と共重合可能
    なカチオン基を有するビニルモノマー、(C)上記
    (A)成分と共重合可能なアニオン基を有するビニルモ
    ノマー、および(D)必要に応じて上記(A)成分と共
    重合可能なノニオン性モノマーを共重合させて得られる
    水溶性共重合体ならびに(E)多官能エポキシ化合物
    を、該共重合体の各モノマー成分合計量に対し(E)多
    官能エポキシ化合物の使用量が0.1〜2モル%となる
    割合で、架橋反応させることを特徴とする製紙用添加剤
    の製造法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性共重合体と(E)成分との反
    応温度が40〜90℃である請求項1記載の製紙用添加
    剤の製造法。
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